JP2000310327A - 作業車 - Google Patents

作業車

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JP2000310327A
JP2000310327A JP11118771A JP11877199A JP2000310327A JP 2000310327 A JP2000310327 A JP 2000310327A JP 11118771 A JP11118771 A JP 11118771A JP 11877199 A JP11877199 A JP 11877199A JP 2000310327 A JP2000310327 A JP 2000310327A
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JP
Japan
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cam
turning
arm
shaft
support shaft
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JP11118771A
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English (en)
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Katsumi Fujiki
勝美 藤木
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Yanmar Agribusiness Co Ltd
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Seirei Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業車の操作性を向上させること。 【解決手段】 運転部に、走行部を操向操作する回動式
のハンドルをハンドル支軸を介して取付け、同ハンドル
支軸に左・右旋回検出用カムをそれぞれ同軸的に取付
け、左・右旋回検出用カムに、旋回動力伝達系の回転速
度を増減速させる静油圧式無段変速装置のトラニオンア
ームを、左右旋回検出用カム従動アームを介して連動連
結し、左右旋回検出用カム従動アームは、左旋回検出用
カムの作用面に当接して連動する左旋回検出片と、右旋
回検出用カムの作用面に当接して連動する右旋回検出片
とを具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業車に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、作業車の一形態として、左右一対
のクローラ式の走行部間に車体フレームを介設し、同車
体フレーム上に運転部と原動機部とミッション部とを設
けると共に、原動機部に上記走行部をミッション部を介
して連動連結して、同ミッション部にて直進動力伝達系
と旋回動力伝達系との回転速度を合成して、この合成回
転速度により各走行部を個別に駆動すべく構成したもの
がある。
【0003】そして、運転部には操向操作レバーを設
け、同操向操作レバーとミッション部との間に操向操作
用リンク機構を介設して、同操向操作レバーにより車体
の操向操作が行なえるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した操
向操作用リンク機構では、リンク連結部にいわゆるガタ
が生じ、精度の良い操作が行なえず、操作性を良好に確
保できないという不具合がある。
【0005】そして、操向操作用リンク機構では、配設
(レイアウト)の自由度が制限され、コンパクトな配設
が行なえないという不具合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、左
右一対のクローラ式の走行部間に車体フレームを介設
し、同車体フレーム上に運転部と原動機部とミッション
部とを設けると共に、原動機部に上記走行部をミッショ
ン部を介して連動連結して、同ミッション部にて直進動
力伝達系と旋回動力伝達系との回転速度を合成して、こ
の合成回転速度により左右の走行部を個別に駆動すべく
構成した作業車において、運転部に、走行部を操向操作
する回動式のハンドルをハンドル支軸を介して取付け、
同ハンドル支軸に左・右旋回検出用カムをそれぞれ同軸
的に取付け、左・右旋回検出用カムに、旋回動力伝達系
の回転速度を増減速させる静油圧式無段変速装置のトラ
ニオンアームを、左右旋回検出用カム従動アームを介し
て連動連結し、左右旋回検出用カム従動アームは、左旋
回検出用カムの作用面に当接して連動する左旋回検出片
と、右旋回検出用カムの作用面に当接して連動する右旋
回検出片とを具備することを特徴とする作業車を提供せ
んとするものである。
【0007】また、本発明は、次の構成にも特徴を有す
る。
【0008】 上記作業車において、運転部に、走行
部を操向操作する回動式のハンドルをハンドル支軸を介
して取付け、同ハンドル支軸に左右旋回検出用カムをそ
れぞれ同軸的に取付け、左右旋回検出用カムに、旋回動
力伝達系の回転速度を増減速させる静油圧式無段変速装
置のトラニオンアームを、左右旋回検出用カム従動アー
ムを介して連動連結し、左右旋回検出用カムには、左旋
回検出用カム溝と右旋回検出用カム溝とを中立用カム溝
を介して連続させて形成し、これらカム溝中に左右旋回
検出用従動アームの他端を摺動自在に嵌合して、左右旋
回検出用カムの動作に左右旋回検出用従動アームを各カ
ム溝を介して連動させたこと。
【0009】 トラニオンアームを回動自在に支持す
るトラニオンアーム支軸を、ハンドル支軸と略平行させ
て配置し、上記トラニオンアームと左右旋回検出用カム
従動アームとの間には連動機構を介設したこと。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0011】すなわち、本発明に係る作業車は、基本的
構造として、左右一対のクローラ式の走行部間に車体フ
レームを介設し、同車体フレーム上に運転部と原動機部
とミッション部とを設けると共に、原動機部に上記走行
部をミッション部を介して連動連結して、同ミッション
部にて直進動力伝達系と旋回動力伝達系との回転速度を
合成して、この合成回転速度により左右の走行部を個別
に駆動すべく構成している。
【0012】そして、上記作業車は、特徴的構造とし
て、運転部に、走行部を操向操作する回動式のハンドル
をハンドル支軸を介して取付け、同ハンドル支軸に左・
右旋回検出用カムを同軸的に取付け、左・右旋回検出用
カムに、旋回動力伝達系の回転速度を増減速させる静油
圧式無段変速装置のトラニオンアームを、左右旋回検出
用カム従動アームを介して連動連結している。
【0013】このようにして、ハンドル支軸がカム支軸
として機能して、いわゆるガタつきをなくすことがで
き、その結果、精度の高い操作が行なえて、操作性を向
上させることができる。
【0014】しかも、ハンドルには、遊びを設けている
が、左右旋回検出用カム従動アームの応答性が良いため
に、車体を緩やかに旋回させる緩旋回操作時の操作性も
良好に確保することができる。
【0015】さらに、ハンドル支軸の下部に二枚のカム
を同軸的に取付けると共に、左右旋回検出用カム従動ア
ームは、左旋回検出用カムの作用面に当接して連動する
左旋回検出片と、右旋回検出用カムの作用面に当接して
連動する右旋回検出片とを具備しているために、これら
二枚のカムと左右旋回検出用カム従動アームとを、ハン
ドル支軸の下部のデッドスペースを有効利用して、コン
パクトに配設することができる。
【0016】また、上記作業車において、運転部に、走
行部を操向操作する回動式のハンドルをハンドル支軸を
介して取付け、同ハンドル支軸に左右旋回検出用カムを
それぞれ同軸的に取付け、左右旋回検出用カムに、旋回
動力伝達系の回転速度を増減速させる静油圧式無段変速
装置のトラニオンアームを、左右旋回検出用カム従動ア
ームを介して連動連結し、左右旋回検出用カムには、左
旋回検出用カム溝と右旋回検出用カム溝とを中立用カム
溝を介して連続させて形成し、これらカム溝中に左右旋
回検出用従動アームの他端を摺動自在に嵌合して、左右
旋回検出用カムの動作に左右旋回検出用従動アームを各
カム溝を介して連動させている。
【0017】このようにして、カム軸としてのハンドル
支軸に取付けた一枚の左右旋回検出用カムの動作に、左
右旋回検出用従動カムをカム溝を介して連動させること
ができて、これらをハンドル支軸の下部のデッドスペー
ス内に、構造簡易にして、かつ、コンパクトに配設する
ことができる。
【0018】また、トラニオンアームを回動自在に支持
するトラニオンアーム支軸を、ハンドル支軸と略平行さ
せて配置し、上記トラニオンアームと左右旋回検出用カ
ム従動アームとの間には連動機構を介設している。
【0019】このようにして、ハンドル支軸とトラニオ
ンアーム支軸との間に介設しているカムと左右旋回検出
用カム従動アームと連動機構の操作面(動作面)を同一
面に配置することができて、ハンドル支軸に急激な負荷
が作用した場合にも、上記連動機構等にねじれが生じる
のを防止することができ、同連動機構等による操作性を
良好に確保することができる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。
【0021】図1及び図2に示すAは、本発明に係る作
業車であり、同作業車Aは、左右一対のクローラ式の走
行部1,1間に車体フレーム2を介設し、同車体フレー
ム2上において、前部に運転部3を配設し、後部に原動
機部4とミッション部5とを上下に重ねて配設すると共
に、原動機部4に走行部1,1をミッション部5を介し
て連動連結している。
【0022】走行部1は、図1及び図2に示すように、
前後方向に伸延する走行フレーム10の前端部に前側従動
輪11をアイドラホーク12を介して取付ける一方、後端部
に後側従動輪13を支持ブラケット14を介して取付け、さ
らに、後述するミッション部5に駆動輪15を連動連結し
て、これら動輪11,13,15の廻りに履帯16を巻回してお
り、走行フレーム10の下側には、前後方向に間隔を開け
て三個の履帯外れ防止体17を垂設し、各履帯外れ防止体
17にそれぞれ転動輪18を取付けている。11a は前側従動
輪支軸、12a は前側従動輪進退位置調節具、13a は後側
従動輪支軸、15aは駆動軸である。
【0023】車体フレーム2は、図1及び図2に示すよ
うに、前後方向に伸延する左右一対の走行フレーム10,1
0 の前・後部間に、それぞれ左右方向に伸延する前後一
対の左右連結フレーム20,21 を横架し、前側の左右連結
フレーム20の前壁に左右一対のフロントフレーム22,22
の下端部を取付けて、両フロントフレーム22,22 を前上
方へ向けて立上げ、両フロントフレーム22,22 の上端間
に、左右方向に伸延する横フレーム23を横架し、同横フ
レーム23の中央部に左右一対の座席枢支用ブラケット2
4,24 を上方へ向けて突設する一方、後側の左右連結フ
レーム21に左右一対のリヤフレーム25,25 の下端部を前
後方向に貫通させて固設して、両リヤフレーム25,25 の
上端と上記横フレーム23の左右側端部との間に、平面視
にて矩形枠状に形成したガードフレーム26を横架して形
成している。27はガードフレームステーである。
【0024】そして、前側の左右連結フレーム20の前壁
中央部より載置台28を前方に張出し状に突設して、同載
置台28上にバッテリー29と燃料タンク30を載置してい
る。
【0025】また、前側の左右連結フレーム20の後側中
央部にはミッション部5の前端部を支持する前側支柱31
を立設している。
【0026】後側の左右連結フレーム21の中央部には、
原動機部4を支持する左右一対の原動機部支柱32,32 を
立設している。
【0027】左右一対のリヤフレーム25,25 の中途部間
には、左右方向に伸延するPTO軸ケース33を横架し、
同PTO軸ケース33中にはPTO軸34を回動自在に挿通
する一方、PTO軸ケース33の中央部外周面には昇降リ
ンク35の前端部を枢支して、同昇降リンク35をPTO軸
34の軸芯廻りに上下回動自在となし、同昇降リンク35の
中途部と、前記ガードフレーム26の後側横フレーム形成
体26c の中央部との間には、昇降用シリンダ36を介設し
て、同昇降用シリンダ36により昇降用リンク35の後端部
を昇降可能となし、同昇降リンク35の後端部には、各種
作業機を連結するためのヒッチ体37を取付けている。38
はサイドカバー体である。
【0028】このようにして、構造簡易にして、確実に
PTO軸ケース33を支持することができる。
【0029】しかも、車体機枠の構造の簡易化により車
体の軽量化も図れる。
【0030】さらに、PTO軸ケース33にヒッチ体37を
取付けているために、同ヒッチ体37を介して作業機を取
付けることができる。
【0031】運転部3は、図1〜図3及び図7に示すよ
うに、ガードフレーム26の前半部に床部180 を張設し
て、同床部180 の前部にハンドルコラム40を立設し、同
ハンドルコラム40中に上下方向に伸延するハンドル支軸
41を挿通して、同ハンドル支軸41の上端に、回動式のハ
ンドル(ステアリングホイール)42を取付けると共に、
ハンドル支軸41の下端部と後述するミッション部5とを
カム機構43を介して連動連結し、また、ハンドルコラム
40の左側壁下部には、前後進切替レバー44を取付けて、
同前後進切替レバー44と、後述するミッション部5に設
けた前後進切替アーム162 とを、連結ロッド機構45を介
して連動連結し、また、床部180 の前部にブレーキペダ
ル46を取付け、同ブレーキペダル46と、後述するミッシ
ョン部5に設けたブレーキ操作用アーム166 とを、連動
ワイヤ47を介して連動連結している。
【0032】そして、ハンドル42の後方位置に、座席48
を前記座席枢支用ブラケット24,24を介して取付け、同
座席48の左右側方に各種操作レバーを配設している。
【0033】すなわち、座席48の左側方に変速レバー49
を配設して同変速レバー49を、後述するミッション部5
内に設けた主変速部97と副変速部104 とに連動連結機構
を介して連動連結すると共に、右側方に作業機昇降レバ
ー50と油圧ロックレバー51と耕深調節レバー52とを前後
方向に間隔を開けて配設して、これらレバー50,51,52
を、前記昇降用シリンダ36を制御するバルブ機構( 図示
せず)に連動連結機構を介して連動連結し、さらに、作
業機昇降レバー50の外側方にPTO軸クラッチレバー53
を配設して、同PTO軸クラッチレバー53を後述する第
2伝動ベルト機構145 のテンションアーム150 に連動連
結している。
【0034】上記のような構成において、本発明の要旨
は、前記したカム機構43にあり、以下にカム機構43の構
造を、図3〜図5を参照しながら説明する。
【0035】すなわち、カム機構43は、ガードフレーム
26の前側横フレーム形成体26a と、同ガードフレーム26
の左右側フレーム形成体26b,26b の前部間に横架した連
結横フレーム54との間に、軸支持体55を横架して、同軸
支持体55上に軸支持ケース56を立設し、同軸支持ケース
56中にハンドル支軸41を挿通して支持させている。
【0036】そして、ハンドル支軸41は、軸支持体55よ
りも下方へ下端部41a を突出させて、同下端部41a にカ
ム支持用筒体57を嵌合すると共に、連結ピン178 により
連結し、同カム支持用筒体57に、下方より上方へ向けて
順次、中立検出用カム58と左旋回検出用カム59と右旋回
検出用カム60とを一定の間隔を開けて同軸的に取付けて
いる。167 は可動側バネ係止片、168 は固定側バネ係止
片、169 は両バネ係止片167,168 間に介設した中立復元
用のトルクバネであり、同トルクバネ169 により、ハン
ドル42を左右操向中立位置に復元すべく弾性付勢してい
る。
【0037】ここで、中立検出用カム58は、図4に示す
ように、円板状の周面に、一部へこみ状の非作用面58a
と、同非作用面58a よりも大径で略全周にわたる作用面
58bを形成している。
【0038】また、左旋回検出用カム59は、図5に示す
底面図において、円板状の周面の左側半部に非作用面59
a を形成すると共に、右側半部に作用面59b を形成して
おり、非作用面59a は均一の小径面となす一方、作用面
59b は、非作用面59a よりも円周方向に沿って漸次大径
となるように形成している。
【0039】右旋回検出用カム60は、左旋回検出用カム
59と線対称の形状に形成しており、円板状の周面の右側
半部に非作用面60a を形成すると共に、左側半部に作用
面60b を形成している。
【0040】軸支持体55には、アーム兼ワイヤ支持体61
を取付け、同アーム兼ワイヤ支持体61に、中立検出用カ
ム従動アーム62と左右旋回検出用カム従動アーム63と
を、アーム・リンク支軸65を介して同軸的に取付けると
共に、各アーム62,63 の一端にそれぞれ連結した中立用
ワイヤ66と左右旋回用ワイヤ67を支持させている。
【0041】そして、中立検出用カム従動アーム62の他
端に、中立検出用カム58の周面に当接する中立用当接ロ
ーラ69を転動自在に取付ける一方、左右旋回検出用カム
従動アーム63の他端を二又状に分岐させて左旋回検出片
63a と右旋回検出片63b とを形成すると共に、各旋回検
出片63a,63b に、左旋回検出用カム59の周面に当接する
左旋回用当接ローラ70と、右旋回検出用カム60の周面に
当接する右旋回用当接ローラ71とを、それぞれ転動自在
に取付けている。
【0042】また、各ワイヤ66,67 は、アウタワイヤ66
a,67a と、各アウタワイヤ66a,67a中に挿通したインナ
ワイヤ66b,67b とから形成している。
【0043】そして、中立用ワイヤ66のインナワイヤ66
b は、中立検出用カム従動アーム62の一端と、後述する
ミッション部5に設けた旋回用ブレーキ部72のブレーキ
操作アーム73とを連動連結している。
【0044】また、左右旋回用ワイヤ67のインナワイヤ
67b は、左右旋回検出用カム従動アーム63の一端と、後
述するミッション部5に連動連設した静油圧式無段変速
装置74に設けたトラニオンアーム75とを連動連結してい
る。176,177 はアウタワイヤ受け体である。
【0045】このようにして、ハンドル42が左右操向中
立状態(直進走行操作位置)においては、中立検出用カ
ム58の非作用面58a に中立検出用カム従動アーム62の中
立用当接ローラ69が嵌合状態にて当接し、かつ、左・右
旋回検出用カム59,60 の非作用面59a,60a にそれぞれ左
右旋回検出用カム従動アーム63の左・右旋回用当接ロー
ラ70,71 が当接するようにしている。
【0046】かかる状態では、いずれのインナワイヤ66
b,67b も引張されることがなく、旋回用ブレーキ部72
は、後述する静油圧式無段変速装置74の出力軸74b をブ
レーキ制動した状態に保たれる。
【0047】そして、左右操向中立位置にあるハンドル
42が左旋回方向に回動操作されると、ハンドル支軸41を
介して連動連結している三枚のカム58,59,60も一体的に
同一方向に回動される。
【0048】その結果、中立検出用カム58の非作用面58
a に当接している中立用当接ローラ69が、同中立検出用
カム58の作用面58b に転動・当接して、中立検出用カム
従動アーム62が回動され、同アーム62がインナワイヤ66
b を引張することにより、ブレーキ操作アーム73を介し
て旋回用ブレーキ部72がブレーキ制動を解除すべく動作
する。
【0049】同時に、左旋回検出用カム59の非作用面59
a に当接している左旋回用当接ローラ70が、左旋回検出
用カム59の作用面59b に転動・当接して、左右旋回検出
用カム従動アーム63が回動され、同アーム63がインナワ
イヤ67b を引張することにより、トラニオンアーム75を
介して静油圧式無段変速装置74の旋回動力伝達系H内の
左旋回側の回転数を徐々に増大させると共に、右旋回側
の回転数を徐々に減少させる。
【0050】また、右旋回検出用カム60の非作用面60a
に当接している右旋回用当接ローラ71は、そのまま非作
用面60a 上を転動・当接して、左右旋回検出用カム従動
アーム63の回動に支障となることはなく、同アーム63が
インナワイヤ67b を引張することもない。
【0051】従って、ハンドル42の左旋回方向の回動操
作角に応じて右側走行部1が徐々に増速されると共に、
左側走行部1が減速されて、車体は左側方へ旋回され
る。
【0052】そして、ハンドル42の回動操作角を大きく
することによって、左側走行部1が停止した状態で車体
が旋回するピボットターン、さらには、左側走行部1が
右側走行部1とは反対に後進方向に走行作動して車体が
急旋回するピボットターンも行なえる。
【0053】また、ハンドル42を右旋回方向に回動操作
した場合には、各作動部が上記とは反対に作動して、車
体が右側方へ旋回される。この場合も、ハンドル42の回
動操作角の大きさによって、前記と同様に車体のピボッ
トターンとスピンターンが行なえる。
【0054】しかも、ハンドル支軸41の下部に三枚のカ
ム58,59,60を同軸的に取付けているために、ハンドル支
軸41がカム支軸として機能して、いわゆるガタつきをな
くすことができ、その結果、精度の高い操作が行なえ
て、操作性を向上させることができると共に、これらカ
ム58,59,60をハンドル支軸41の下部のデッドスペースを
有効利用してコンパクトに配設することができる。
【0055】さらに、各インナワイヤ66b,67b の引張動
作に連動してブレーキ操作アーム73とトラニオンアーム
75とがそれぞれ作動すべく構成しているために、ブレー
キ操作アーム73とトラニオンアーム75とを精度良く作動
させることができると共に、配設の自由度が大きい各ワ
イヤ66,67 を、コンパクトに配設することができる。
【0056】ここで、トラニオンアーム75を支持するト
ラニオンアーム支軸75a は、前記ハンドル支軸41と略平
行させて配置して、同ハンドル支軸41とトラニオン支軸
75aとの間に介設しているカム機構43の各カム59,60 と
左右旋回検出用カム従動アーム63と連動機構としての左
右旋回用ワイヤ67のインナワイヤ67b との操作面(動作
面)を、同一面に配置している。
【0057】このようにして、ハンドル支軸41に急激な
負荷が作用した場合にも、上記インナワイヤ67b 等にね
じれが生じるのを防止することができて、同インナワイ
ヤ67b 等による操作性を良好に確保することができる。
【0058】従って、連動機構としてリンクやロッド等
の剛体の部材を使用した場合にも、上記と同様に操作性
を良好に確保することができる。
【0059】原動機部4は、エンジン76と、同エンジン
76の近傍に配設したラジエータやエアクリーナ等(図示
せず)を具備している。
【0060】ミッション部5は、図1及び図2に示すよ
うに、前側の左右連結フレーム20の後側中央部に立設し
た前側支柱31と、左右側の走行フレーム10,10 の後部に
立設した左右一対の後側支柱77,77 との間に架設してお
り、同ミッション部5の左側にはチェンケース78を連動
連結する一方、右側には旋回用の静油圧式無段変速装置
(以下「HST」という)74を連動連設している。
【0061】そして、ミッション部5は、図6〜図9に
示すように、ミッションケース80の内部に第1〜第9軸
81〜89を平行に軸支し、第1軸81の中途部に前進用クラ
ッチ90a の入力側を嵌着し、同第1軸81の端部を第1噛
合歯車91を介して、第2軸82の中途部に遊嵌した後進用
クラッチ90b の入力側と、作業機昇降用油圧ポンプPと
に連動連結し、第2噛合歯車93を介して上記前進用クラ
ッチ90a の出力側と、後進用クラッチ90b の出力側たる
第2軸82とを第3軸83に連動連結して、前・後進用クラ
ッチ90a,90b の動力伝達を排他的に選択可能に構成し
て、駆動方向の前後進切換を可能としている。80a は駆
動軸ケース、92は油圧ポンプ入力軸である。
【0062】ここで、前・後進用クラッチ90a,90b は、
ミッションケース80内の前部に横架したシフタ支軸160
に、クラッチ入切用シフタ161 を取付けると共に、同ク
ラッチ入切用シフタ161 は、シフタ支軸160 の一方向の
回動に連動して前進用クラッチ90a が接続すると共に後
進用クラッチ90b が切断し、また他方向の回動に連動し
て前進用クラッチ90a が切断すると共に後進用クラッチ
90b が接続して、前・後進の切替えが行なえるようにし
ている。
【0063】そして、シフタ支軸160 の左側端部には前
後進切替アーム162 を取付けて、同前後進切替アーム16
2 に前後進切替レバー44を連結ロッド機構45を介して連
動連結している。
【0064】また、上記第3軸83は、HST74の入力軸
74a に連動連結すると共に、第3噛合歯車96を介して主
変速部97の入力軸たる第4軸84に連動連結しており、同
第4軸84に、両端のドッグ98,98 と中央部の第2速原動
歯車99とを一体に形成したスライダ100 を軸方向摺動自
在・回動不可に嵌合する一方、同第4軸84と主変速部97
の出力軸たる第5軸85との間に、常時噛合式の第1・第
3速噛合歯車101,102を介設し、第5軸85に摺動噛合式
の第2速受動歯車103 を嵌着して、スライダ100 の摺動
により主変速部97の出力回転速度を3段階に切換可能と
している。
【0065】上記主変速部97には副変速部104 が直列的
に連動連結しており、同副変速部104 は、上記第5軸85
と副変速部104 の出力軸たる第6軸86との間に高低速噛
合歯車105,106 を介設し、第6軸86に軸方向摺動自在・
回動不可に嵌合したスライダ107 の摺動により、副変速
部104 の出力回転速度を中立を挟んで高低速2段階に変
速可能としている。
【0066】このように、前・後進用クラッチ90a,90b
と、3段変速の主変速部97と、2段変速の副変速部104
とを直列的に連動連結しているので、最終的には、前後
進各6段階の変速操作が可能である。
【0067】上記第6軸86は、図7及び図9に示すよう
に、チエン連動機構108 を介して第7軸87に連動連結し
ており、同第7軸87の左右端部にそれぞれ嵌着した左右
サンギヤ110,111 と、第7軸87と軸線を同一にして配置
した左右駆動軸15a,15a に連結した左右ケージ112,113
と、同左右ケージ112,113 にそれぞれ軸着した複数の左
右遊星ギヤ114,115 と、前記HST74の出力軸74b に連
動連結した左右リングギヤ116,117 とで左右遊星歯車機
構118,119 を構成し、同左右遊星歯車機構118,119 に
て、前記した歯車式変速機や噛合歯車等で構成したメカ
ニカルな直進動力伝達系Mにより、左右サンギヤ110,11
1 に伝達された回転動力と、後述する旋回動力伝達系H
のHST74から左右リングギヤ116,117 に伝達された回
転動力とをそれぞれ合成し、これらの合成回転動力を左
右遊星ギヤ114,115 と左右ケージ112,113 とを介して、
左右駆動軸15a,15a に嵌着した左右側駆動輪15,15 に個
別に伝達するようにしている。
【0068】ここで、第6軸86の左側端部には停車用ブ
レーキ部165 を設けて、同停車用ブレーキ部165 に取付
けたブレーキ操作用アーム166 に前記ブレーキペダル46
を連動ワイヤ47を介して連動連結している。
【0069】上記HST74の出力軸74b には、図8及び
図9に示すように、同出力軸74b の回転速度を左右リン
グギヤ116,117 に相補的に伝達する正逆回転分割機構12
0 を、旋回用ブレーキ部72の下流側に位置させて連動連
結しており、同正逆回転分割機構120 は、HST74の出
力軸74b に高低速切替機構121 を介して第8軸88を連動
連結し、同第8軸88を第1中間出力ギヤ171 と、同第1
中間出力ギヤ171 に噛合した第2中間入力軸122 とを介
して第9軸89に連動連結し、第9軸89の左右端部にそれ
ぞれ左右出力ギヤ123,124 を嵌着し、左出力ギヤ123 と
左リングギヤ116 とを、直列的に配置した2個のアイド
ルギヤ(図示せず)を介して連動連結し、右出力ギヤ12
4 と右リングギヤ117 とを、1個のアイドルギヤ79を介
して連動連結して、回転速度の絶対値は等しいが、左リ
ングギヤ116 には第9軸89と同一方向の回転を伝達する
一方、右リングギヤ117 には第9軸89とは反対方向の回
転を伝達するようにしている。
【0070】そして、ミッション部5の入力軸たる第1
軸81の一端を上記ミッションケース80の左側壁から突出
させ、同突出端に前記チェンケース78の下端部を連動連
結し、同チェンケース78を上方へ伸延させて、同チェン
ケース78の上端部とエンジン76の駆動軸76a とを第1伝
動ベルト機構125 を介して連動連結する一方、前記ハン
ドル42をHST74のトラニオンアーム75にカム機構43を
介して連動連結して、同ハンドル42の回動操作角に応じ
て、HST74の変速比を正逆無段階に変更することがで
きるようにしている。126 は主変速部97のシフタ、127
は副変速部104のシフタ、128 は外部前方に動力
を取出すためのフロントPTO軸ケースである。
【0071】ここで、旋回用ブレーキ部72について説明
すると、同旋回用ブレーキ部72は、図8に示すように、
HST74の出力軸74b に、高低速切替機構121 の一部を
形成する筒状入力軸130 をスプライン嵌合し、同筒状入
力軸130 とミッションケース80との間に湿式多板式ブレ
ーキ131 を介設し、同多板式ブレーキ131 の近傍に軸状
の作用片132 を配設して、同作用片132 をその軸線廻り
に回動させることにより、湿式多板式ブレーキ131 を筒
状入力軸130 の軸線方向に摺動させてブレーキ制動作用
させることができるようにしており、同作用片132 の下
端は、ミッションケース80の下部より外方へ突出させ
て、同突出端に前記ブレーキ操作アーム73を取付けて、
同ブレーキ操作アーム73にハンドル42を、ハンドル支軸
41と中立検出用カム58と中立検出用カム従動アーム62と
中立用ワイヤ66とを介して連動連結している。
【0072】また、高低速切替機構121 は、筒状入力軸
130 に低速側出力ギヤ133 と高速側出力ギヤ134 とを取
付ける一方、筒状入力軸130 に近接させて高低速切替軸
135を横架し、同高低速切替軸135 に、前記低速側出力
ギヤ133 と噛合する低速側入力ギヤ136 と、前記高速側
出力ギヤ134 と噛合する高速側入力ギヤ137 とを遊嵌
し、かつ、両入力ギヤ136,137 の間にスライダ138 を軸
方向摺動自在・回動不可に嵌合して、同スライダ138 に
より高低速切替機構121 の出力回転速度を中立位置を挾
んで高低速2段階に変速可能としている。
【0073】そして、高低速切替軸135 には、出力ギヤ
139 を取付け、同出力ギヤ139 を第8軸88に取付けた入
力軸170 に噛合させている。
【0074】しかも、高低速切替機構121 は、変速レバ
ー49の副変速操作に連動して、高速側に切替えがなされ
るようにしている。
【0075】このようにして、ハンドル42を左右操向中
立位置にしておくだけで、旋回用ブレーキ部72によりH
ST74の出力軸74b をブレーキ制動させて、旋回動力伝
達系Hを停止状態となすことができる。その結果、直進
動力伝達系Mだけが作動可能となって、同直進動力伝達
系Mにより車体の直進性を良好に確保することができ
る。
【0076】そして、旋回用ブレーキ部72を、旋回動力
伝達系Hの上流側に設けたHST74の出力軸74b に設け
ているために、小さなトルクで直接的に出力軸74b をブ
レーキ制動させることができ、旋回用ブレーキ部72の容
量を小さくしても、旋回動力伝達系Hの動力伝達を確実
に停止させることができる。
【0077】また、ハンドル42を左右操向中立位置から
左右いずれか一方向に回転させることにより、旋回用ブ
レーキ部72のブレーキ制動が解除されて、車体をその回
転方向側に旋回させることができる。
【0078】従って、車体の操向操作性、特に直進操作
性を向上させることができる。
【0079】しかも、旋回用ブレーキ部72は、湿式多板
式ブレーキ131 を使用しているために、旋回用ブレーキ
部72の軸線方向の幅をコンパクト化することができて、
ミッションケース80内に何の支障もなく配設することが
できる。
【0080】上記のような構成により、エンジン76から
の動力を前後6段階に変速して左右側走行部1,1に伝
達すると共に、ハンドル42の操作角度に応じてHST74
の出力回転速度を変更し、左右側走行部1,1の駆動速
度を異ならせて、駆動速度が遅くなった方向に作業車A
を旋回させることができる。
【0081】この際、変速レバー49を副変速操作されて
いると、高低速切替機構121 が、それに連動して高速側
に切替わっているために、かかる高速走行状態におい
て、ハンドル42を旋回操作した場合には、旋回動力伝達
系Hが増速されて、車体が急速に旋回して、車速にあっ
た旋回性が得られ、オペレータの操作フィーリングを向
上させることができる。
【0082】また、本実施例では、上記HST74の入力
軸74a を後進用クラッチ90b の出力側に連動連結してい
るので、ハンドル42を操作しなくても、前後進用クラッ
チ90a,90b の切換と同時にHST74の出力回転方向が切
り換わり、ハンドル42の操作方向と作業車Aの旋回方向
とが一定の関係を保持し、ホイルタイプの車両の操向操
作と略同様の感覚で、旋回操作を行うことができる。
【0083】チェンケース78は、図1及び図7〜図9に
示すように、ケース本体78a を上下方向に伸延させて形
成し、同ケース本体78a の上部に伝動入力軸78b を設
け、同伝動入力軸78b と前記ミッション部5の第1軸81
の一端との間に伝動チェン78cをスプロケット78d,78e
を介して巻回している。
【0084】そして、チェンケース78は、図1及び図2
に示すように、左側走行部1の履帯16の内側方におい
て、伝動入力軸78b が履帯16の上側回動部16a 、さらに
は、駆動輪15よりも上方に位置すべく形成しており、同
伝動入力軸78b は、一端をケース本体78a より右側方へ
突出させて、同一端とエンジン76の駆動軸76a との間に
第1伝動ベルト機構125 を介設している。
【0085】すなわち、第1伝動ベルト機構125 は、図
1及び図7〜図9に示すように、エンジン76の駆動軸76
a と伝動入力軸78b との間に、第1伝動ベルト140 をプ
ーリ141,142 を介して巻回しており、同第1伝動ベルト
140 にはテンションローラ143 をテンションアーム144
を介して圧接させて、同第1伝動ベルト140 をテンショ
ンローラ143 により緊張させるテンション部材としての
テンション体153 を形成している。
【0086】そして、テンション体153 は、テンション
ローラ143 を第1伝動ベルト140 の前側回動部140a(緩
み側)に圧接させている。
【0087】このようにして、履帯16の上側回動部16a
より離隔する前側回動部140aにテンションローラ143 を
当てることにより、テンション体153 への泥土等の飛散
・付着を防止している。
【0088】また、エンジン76の駆動軸76a と前記PT
O軸34の左側端部との間には、第2伝動ベルト機構145
を介設している。
【0089】すなわち、第2伝動ベルト機構145 は、図
1に示すように、エンジン76の駆動軸76a とPTO軸34
の左側端部との間に、第2伝動ベルト146 をプーリ147,
148を介して巻回しており、同第2伝動ベルト146 には
テンションローラ149 をテンションアーム150 を介して
進退自在となして、同第2伝動ベルト146 をテンション
ローラ149 により緊張・弛緩させるテンション部材とし
てのテンションクラッチ154 を形成している。
【0090】そして、テンションクラッチ154 の前方に
配設した運転部3に、クラッチ操作手段としてのPTO
軸クラッチレバー53を配設して、同PTO軸クラッチレ
バー53にテンションアーム150 を連結リンク機構(図示
せず)を介して連動連結して、同テンションアーム150
に取付けたテンションローラ149 を第2伝動ベルト146
の前側回動部146a(弛み側)に対して進退させるべく構
成している。
【0091】このようにして、PTO軸クラッチレバー
53に近い方の前側回動部146aにテンションローラ149 を
当てることにより、連結リンク機構の構造を簡易にする
と共に、同連結リンク機構の伝動精度を良好に確保する
ことができる。
【0092】しかも、履帯16の上側回動部16a よりも上
方位置にテンションクラッチ154 を配設しているため
に、同テンションクラッチ154 への泥土等の飛散・付着
を防止することができる。
【0093】ここで、エンジン76の駆動軸76a は、図1
に示す側面視にて、左側駆動輪15の上方に配置して、上
記駆動軸76a に第1・第2伝動ベルト機構125,145 の入
力端側を同軸的に連動連結し、かつ、両伝動ベルト機構
125,145 の出力端側は、履帯16の上側回動側部16a の上
方位置にて、両伝動ベルト機構125,145 を駆動軸76aを
中心にそれぞれ前後方向に振り分け状に配置している。
【0094】しかも、両伝動ベルト機構125,145 の両伝
動ベルト140,146 は、平面視にて、履帯16よりも内側方
に配置している。
【0095】このようにして、第1・第2伝動ベルト機
構125,145 の各伝動ベルト140,146の着脱やメンテナン
スを行なう際に、履帯16が支障とならず、これらの作業
を円滑かつ確実に行なうことができる。
【0096】しかも、第1・第2伝動ベルト機構125,14
5 は、それぞれ履帯16の上側回動側部16a よりも上方に
配設しているために、同上側回動側部16a に付着した泥
土等が飛散状態にて落下しても、この泥土等が付着する
ことがなく、この点からもメンテナンスが楽になる。
【0097】図9中、Bは後装作業機としての耕耘機、
190 は伝動機構、191 は連動機構、192 は耕耘機、193
は耕耘爪である。
【0098】図10は、他の実施例としてのカム機構43
の構造を示しており、前記したカム機構43と基本的構造
を同じくしているが、同カム機構43では、カム支持用筒
体57に左右旋回検出用カム181 を取付け、同カム181 に
左旋回検出用カム溝182 と右旋回検出用カム溝183 とを
連続させて形成して、同カム溝182,183 に左右旋回検出
用カム従動アーム63の他端に取付けた摺動ローラ184 を
摺動自在に嵌合している点で異なる。
【0099】ここで、左旋回検出用カム溝182 と右旋回
検出用カム溝183 との接続部に、中立用カム溝185 を形
成している。
【0100】このようにして、左右操向中立位置にある
ハンドル42が左旋回方向に回動操作されると、ハンドル
支軸41を介して連動連結している二枚のカム58,181も一
体的に同一方向に回動される。
【0101】その結果、中立検出用カム58の非作用面58
a に当接している中立用当接ローラ69が、同中立検出用
カム58の作用面58b に転動・当接して、中立検出用カム
従動アーム62が回動され、同アーム62がインナワイヤ66
b を引張することにより、ブレーキ操作アーム73を介し
て旋回用ブレーキ部72がブレーキ制動を解除すべく動作
する。
【0102】同時に、左右旋回検出用カム181 の中立用
カム溝185 に嵌合している摺動ローラ184 が、左旋回検
出用カム溝182 に沿って摺動して、左右旋回検出用カム
従動アーム63が回動され、同アーム63がインナワイヤ67
b を引張することにより、トラニオンアーム75を介して
静油圧式無段変速装置74の旋回動力伝達系H内の左旋回
側の回転数を徐々に増大させると共に、右旋回側の回転
数を徐々に減少させる。
【0103】従って、ハンドル42の左旋回方向の回動操
作角に応じて右側走行部1が徐々に増速されると共に、
左側走行部1が減速されて、車体は左側方へ旋回され
る。
【0104】そして、ハンドル42の回動操作角を大きく
することによって、左側走行部1が停止した状態で車体
が旋回するピボットターン、さらには、左側走行部1が
右側走行部1とは反対に後進方向に走行作動して車体が
急旋回するピボットターンも行なえる。
【0105】また、ハンドル42を右旋回方向に回動操作
した場合には、各作動部が上記とは反対に作動して、車
体が右側方へ旋回される。この場合も、ハンドル42の回
動操作角の大きさによって、前記と同様に車体のピボッ
トターンとスピンターンが行なえる。
【0106】しかも、ハンドル支軸41の下部に二枚のカ
ム58,181をコンパクトに同軸的に取付けることができる
と共に、ハンドル支軸41がカム支軸として機能して、い
わゆるガタつきをなくすことができ、その結果、精度の
高い操作が行なえて、操作性を向上させることができる
と共に、これらカム58,181をハンドル支軸41の下部のデ
ッドスペースを有効利用してコンパクトに配設すること
ができる。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。
【0108】 請求項1記載の本発明では、運転部
に、走行部を操向操作する回動式のハンドルをハンドル
支軸を介して取付け、同ハンドル支軸に左・右旋回検出
用カムを同軸的に取付け、左・右旋回検出用カムに、旋
回動力伝達系の回転速度を増減速させる静油圧式無段変
速装置のトラニオンアームを、左右旋回検出用カム従動
アームを介して連動連結しているために、ハンドル支軸
がカム支軸として機能して、いわゆるガタつきをなくす
ことができ、その結果、精度の高い操作が行なえて、操
作性を向上させることができる。
【0109】しかも、ハンドルには、遊びを設けている
が、左右旋回検出用カム従動アームの応答性が良いため
に、車体を緩やかに旋回させる緩旋回操作時の操作性も
良好に確保することができる。
【0110】さらに、ハンドル支軸の下部に二枚のカム
を同軸的に取付けると共に、左右旋回検出用カム従動ア
ームは、左旋回検出用カムの作用面に当接して連動する
左旋回検出片と、右旋回検出用カムの作用面に当接して
連動する右旋回検出片とを具備しているために、これら
二枚のカムと左右旋回検出用カム従動アームとを、ハン
ドル支軸の下部のデッドスペースを有効利用して、コン
パクトに配設することができる。
【0111】 請求項2記載の本発明では、運転部
に、走行部を操向操作する回動式のハンドルをハンドル
支軸を介して取付け、同ハンドル支軸に左右旋回検出用
カムをそれぞれ同軸的に取付け、左右旋回検出用カム
に、旋回動力伝達系の回転速度を増減速させる静油圧式
無段変速装置のトラニオンアームを、左右旋回検出用カ
ム従動アームを介して連動連結し、左右旋回検出用カム
には、左旋回検出用カム溝と右旋回検出用カム溝とを中
立用カム溝を介して連続させて形成し、これらカム溝中
に左右旋回検出用従動アームの他端を摺動自在に嵌合し
て、左右旋回検出用カムの動作に左右旋回検出用従動ア
ームを各カム溝を介して連動させているために、カム軸
としてのハンドル支軸に取付けた一枚の左右旋回検出用
カムの動作に、左右旋回検出用従動カムをカム溝を介し
て連動させることができて、これらをハンドル支軸の下
部のデッドスペース内に、構造簡易にして、かつ、コン
パクトに配設することができる。
【0112】 請求項3記載の本発明では、トラニオ
ンアームを回動自在に支持するトラニオンアーム支軸
を、ハンドル支軸と略平行させて配置し、上記トラニオ
ンアームと左右旋回検出用カム従動アームとの間には連
動機構を介設しているために、ハンドル支軸とトラニオ
ンアーム支軸との間に介設しているカムと左右旋回検出
用カム従動アームと連動機構の操作面(動作面)を同一
面に配置することができて、ハンドル支軸に急激な負荷
が作用した場合にも、上記連動機構等にねじれが生じる
のを防止することができ、同連動機構等による操作性を
良好に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業車の側面図。
【図2】同作業車の車体フレームの平面図。
【図3】カム機構の側面説明図。
【図4】同カム機構の底面図。
【図5】同カム機構の断面底面図。
【図6】ミッション部の断面左側面説明図。
【図7】直進動力伝達系を示すミッション部の断面平面
図。
【図8】旋回動力伝達系を示すミッション部の断面平面
図。
【図9】動力伝達系統図。
【図10】他の実施例としてのカム機構の断面底面図。
【符号の説明】
A 作業車 1 走行部 2 車体フレーム 3 運転部 4 原動機部 5 ミッション部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のクローラ式の走行部(1,1) 間
    に車体フレーム(2)を介設し、同車体フレーム(2) 上に
    運転部(3) と原動機部(4) とミッション部(5) とを設け
    ると共に、原動機部(4) に上記走行部(1,1) をミッショ
    ン部(5) を介して連動連結して、同ミッション部(5) に
    て直進動力伝達系(M) と旋回動力伝達系(H) との回転速
    度を合成して、この合成回転速度により左右の走行部
    (1,1) を個別に駆動すべく構成した作業車において、 運転部(3) に、走行部(1,1) を操向操作する回動式のハ
    ンドル(42)をハンドル支軸(41)を介して取付け、同ハン
    ドル支軸(41)に左・右旋回検出用カム(59,60)をそれぞ
    れ同軸的に取付け、左・右旋回検出用カム(59,60) に、
    旋回動力伝達系(H) の回転速度を増減速させる静油圧式
    無段変速装置(74)のトラニオンアーム(75)を、左右旋回
    検出用カム従動アーム(63)を介して連動連結し、 左右旋回検出用カム従動アーム(63)は、左旋回検出用カ
    ム(59)の作用面(59b)に当接して連動する左旋回検出片
    (63a) と、右旋回検出用カム(60)の作用面(60b) に当接
    して連動する右旋回検出片(63b) とを具備することを特
    徴とする作業車。
  2. 【請求項2】 左右一対のクローラ式の走行部(1,1) 間
    に車体フレーム(2)を介設し、同車体フレーム(2) 上に
    運転部(3) と原動機部(4) とミッション部(5) とを設け
    ると共に、原動機部(4) に上記走行部(1,1) をミッショ
    ン部(5) を介して連動連結して、同ミッション部(5) に
    て直進動力伝達系(M) と旋回動力伝達系(H) との回転速
    度を合成して、この合成回転速度により左右の走行部
    (1,1) を個別に駆動すべく構成した作業車において、 運転部(3) に、走行部(1,1) を操向操作する回動式のハ
    ンドル(42)をハンドル支軸(41)を介して取付け、同ハン
    ドル支軸(41)に左右旋回検出用カム(181) をそれぞれ同
    軸的に取付け、左右旋回検出用カム(181) に、旋回動力
    伝達系(H) の回転速度を増減速させる静油圧式無段変速
    装置(74)のトラニオンアーム(75)を、左右旋回検出用カ
    ム従動アーム(63)を介して連動連結し、 左右旋回検出用カム(181) には、左旋回検出用カム溝(1
    82) と右旋回検出用カム溝(183) とを中立用カム溝(18
    5) を介して連続させて形成し、これらカム溝(182,183,
    185) 中に左右旋回検出用従動アーム(63)の他端を摺動
    自在に嵌合して、左右旋回検出用カム(181) の動作に左
    右旋回検出用従動アーム(63)を各カム溝(182,183,185)
    を介して連動させたことを特徴とする作業車。
  3. 【請求項3】 トラニオンアーム(75)を回動自在に支持
    するトラニオンアーム支軸(75a) を、ハンドル支軸(41)
    と略平行させて配置し、上記トラニオンアーム(75)と左
    右旋回検出用カム従動アーム(63)との間には連動機構を
    介設したことを特徴とする請求項1又は2記載の作業
    車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008049866A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Yanmar Co Ltd クローラ式作業車両

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