JP4153110B2 - 作業車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、作業車の一形態として、左右一対のクローラ式の走行部間に車体フレームを設け、同車体フレーム上に運転部と原動機部とミッション部とを設けると共に、原動機部に上記走行部をミッション部を介して連動連結したものがある。
【0003】
そして、走行部は、前後一対の従動輪と、両従動輪間の中途部上方に配置して上記ミッション部に連動連結した駆動輪と、これら動輪間に巻回した履帯とを具備している。
【0004】
また、原動機部の駆動軸とミッション部の入力軸との間には伝動ベルト機構を介設している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した作業車では、走行部の履帯の上側回動部が前側の従動輪と、その上方に配置した駆動輪との間で、後上方へ傾斜した状態となっており、また、原動機部の駆動軸とミッション部の入力軸との間に介設した伝動ベルト機構が、側面視にて、上記履帯の上側回動部と交差して配設されているために、泥土上を走行した際に、上側回動部よりも下方に位置する伝動ベルト機構の下部に、履帯の上側回動部に付着した泥土等が飛散状態に付着し、伝動ベルト機構の伝動機能を良好に確保できなくなるという不具合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、左右一対のクローラ式走行部間に配設した車体フレーム上に運転部と原動機部とミッション部とを設け、前記左右のクローラ式走行部を、前後一対の従動輪と、両従動輪間の中途部上方で前記原動機部の駆動軸の下方に配置してミッション部に連動連結した駆動輪とに側面視三角形状に履帯を巻回して構成し、その履帯の巻回頂上部より一定距離上方に離間した部位に、左右側フレーム形成体と前側フレーム形成体 から なるガードフレームを設けた作業車において、前記ミッション部に入力するチェンケースの上端部を、前記履帯の上側回動部よりも上方に配置して、同チェンケース上端部の伝動入力軸と原動機部の駆動軸間を連動連結する第1伝動ベルト機構を、履帯の上側回動部における前側従動輪と駆動輪間の前低傾斜巻回部分の外方上部に配置するとともに、原動機部の駆動軸からその後下方に配設したPTOに伝動する第2伝動ベルト機構を前記履帯の上側回動部における駆動輪と後側従動輪間の後低傾斜巻回部分の外方上部に配置して、両伝動ベルト機構が、側面視で前記ガードフレームと履帯との間に生成される空間部に納まり、且つ、平面視で前記ガードフレームの左右側フレーム形成体の囲い範囲内にあって前記履帯よりも内方側に位置するように構成したことを特徴とする作業車を提供せんとするものである。
【0007】
また、本発明は、伝動入力軸は、走行部の駆動輪よりも上方に配設したことにも特徴を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
すなわち、本発明に係る作業車は、左右一対のクローラ式走行部間に配設した車体フレーム上に運転部と原動機部とミッション部とを設け、前記左右のクローラ式走行部を、前後一対の従動輪と、両従動輪間の中途部上方で前記原動機部の駆動軸の下方に配置してミッション部に連動連結した駆動輪とに側面視三角形状に履帯を巻回して構成し、その履帯の巻回頂上部より一定距離上方に離間した部位に、左右側フレーム形成体と前側フレーム形成体 からなるガードフレームを設けた作業車において、前記ミッション部に入力するチェンケースの上端部を、前記履帯の上側回動部よりも上方に配置して、同チェンケース上端部の伝動入力軸と原動機部の駆動軸間を連動連結する第1伝動ベルト機構を、履帯の上側回動部における前側従動輪と駆動輪間の前低傾斜巻回部分の外方上部に配置するとともに、原動機部の駆動軸からその後下方に配設したPTOに伝動する第2伝動ベルト機構を前記履帯の上側回動部における駆動輪と後側従動輪間の後低傾斜巻回部分の外方上部に配置して、両伝動ベルト機構が、側面視で前記ガードフレームと履帯との間に生成される空間部に納まり、且つ、平面視で前記ガードフレームの左右側フレーム形成体の囲い範囲内にあって前記履帯よりも内方側に位置するように構成している。
【0010】
このようにして、第1、第2伝動ベルト機構を全体的に履帯の上側回動部よりも上方に離隔させて配設することができて、履帯の上側回動部より飛散状態に落下する泥土等の第1、第2伝動ベルト機構への付着を防止することができて、第1、第2伝動ベルト機構の伝動機能を良好に確保することができる。
【0011】
また、伝動入力軸は、走行部の駆動輪よりも上方に配設している。
【0012】
このようにして、第1伝動ベルト機構を全体的に走行部よりも上方に離隔させて配設することができて、走行部の履帯の上側回動部より飛散状態に落下する泥土等の第1伝動ベルト機構への付着を防止することができて、第1伝動ベルト機構の伝動機能を良好に確保することができる。
【0013】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1及び図2に示すAは、本発明に係る作業車であり、同作業車Aは、左右一対のクローラ式の走行部1,1間に車体フレーム2を介設し、同車体フレーム2上において、前部に運転部3を配設し、後部に原動機部4とミッション部5とを上下に重ねて配設すると共に、原動機部4に走行部1,1をミッション部5を介して連動連結している。
【0015】
走行部1は、図3及び図4にも示すように、前後方向に伸延する走行フレーム10の前端部に前側従動輪11をアイドラホーク12を介して取付ける一方、後端部に後側従動輪13を支持ブラケット14を介して取付け、さらに、後述するミッション部5に駆動輪15を連動連結して、これら動輪11,13,15の廻りに履帯16を巻回しており、走行フレーム10の下側には、前後方向に間隔を開けて三個の履帯外れ防止体17を垂設し、各履帯外れ防止体17にそれぞれ転動輪18を取付けている。11a は前側従動輪支軸、13a は後側従動輪支軸、15a は駆動軸である。
【0016】
そして、駆動輪15は、図3に示すように、前・後側従動輪11,13 間の中心位置Cよりも後方位置に配設している。
【0017】
このようにして、側面視にて三角形状に巻回される履帯16の前部側を鋭角に形成することができる。
【0018】
従って、軟弱地において、最低地上高と略同じ高さまで盛上がった土がある場合にも、この盛上った土に対してもスムーズに突入さらには突進することができて、走行性能、作業性能の向上が図れる。
【0019】
また、履帯16の上側回動部16a は、前側従動輪11と駆動輪15との間では前下方へ向けて傾斜状となして、同上側回動部16a の上方位置に、後述する運転部3に設けた各種操作レバーと、同各種操作レバーとミッション部5との間に介設する連動連結機構( 図示せず)とを配設するための配設空間Sを形成している。
【0020】
このようにして、左右一対の走行部1,1の間隔を可及的に小さくして車体を小型化する一方、配設空間S,S内において、各種操作レバーをオペレータの操作し易い位置に配置すると共に、同各種操作レバーとミッション部5との間に介設した連動連結機構を自由に配置することができて、車体のコンパクト化と操作性の良好な確保とを同時に図ることができる。
【0021】
さらに、前側従動輪11は、後側従動輪13よりも地上高が高くなるように配置して、前側従動輪11の下側を回動する履帯16の下側回動部16b の前部に一定角度の離床角θを形成している。
【0022】
このようにして、硬質地においては、履帯16の接地長が小さくなり、旋回抵抗が小さくなって、車体を旋回させ易くなる。従って、作業性能の向上が図れる。
【0023】
履帯外れ防止体17は、図3〜図5に示すように、走行フレーム10の下面に板状に形成した防止体本体17a の上端部を取付ブラケット19a を介してボルト19b により取付けており、同防止体本体17a は、側面を走行フレーム10の伸延方向に平行させて配置すると共に、下端部に下方へ凸状の円弧面を有する摺接体17b を形成して、同摺接体17b を履帯16の内面中央部に突設した左右二又状の離脱規制片16c,16c 間に嵌入させて配置している。Gは圃場、Uは畝である。
【0024】
そして、防止体本体17a の中央部には、左右方向に軸線を向けた円筒状のボス部17c を横断貫通状に取付け、同ボス部17c 中に転動輪支軸18a をベアリング18b を介して回動自在に挿通し、同転動輪支軸18a の左右側端部にそれぞれ左右一対の転動輪18,18 を取付けている。
【0025】
このようにして、履帯外れ防止体17により履帯16の外れを防止することができると共に、同履帯外れ防止体17により転動輪18,18 を支持させることができて、同転動輪18,18 の取付構造の簡易化が図れる。
【0026】
しかも、履帯外れ防止体17の構造を簡易にして、履帯外れ防止効果を良好に確保することができる。
【0027】
車体フレーム2は、図1、図2及び図4に示すように、前後方向に伸延する左右一対の走行フレーム10,10 の前・後部間に、それぞれ左右方向に伸延する前後一対の左右連結フレーム20,21 を横架し、前側の左右連結フレーム20の前壁に左右一対のフロントフレーム22,22 の下端部を取付けて、両フロントフレーム22,22 を前上方へ向けて立上げ、両フロントフレーム22,22 の上端間に、左右方向に伸延する横フレーム23を横架し、同横フレーム23の中央部に左右一対の座席枢支用ブラケット24,24 を上方へ向けて突設する一方、後側の左右連結フレーム21に左右一対のリヤフレーム25,25 の下端部を前後方向に貫通させて固設して、両リヤフレーム25,25 の上端と上記横フレーム23の左右側端部との間に、平面視にて矩形枠状に形成したガードフレーム26を横架して形成している。27はガードフレームステーである。
【0028】
そして、前側の左右連結フレーム20の前壁中央部より載置台28を前方に張出し状に突設して、同載置台28上にバッテリー29と燃料タンク30を載置している。
【0029】
また、前側の左右連結フレーム20の後側中央部にはミッション部5の前端部を支持する前側支柱31を立設している。
【0030】
後側の左右連結フレーム21の中央部には、原動機部4を支持する左右一対の原動機部支柱32,32 を立設している。
【0031】
左右一対のリヤフレーム25,25 の中途部間には、左右方向に伸延するPTO軸ケース33を横架し、同PTO軸ケース33中にはPTO軸34を回動自在に挿通する一方、PTO軸ケース33の中央部外周面には昇降リンク35の前端部を枢支して、同昇降リンク35をPTO軸34の軸芯廻りに上下回動自在となし、同昇降リンク35の中途部と、前記ガードフレーム26の後側横フレーム形成体26c の中央部との間には、昇降用シリンダ36を介設して、同昇降用シリンダ36により昇降用リンク35の後端部を昇降可能となし、同昇降リンク35の後端部には、各種作業機を連結するためのヒッチ体37を取付けている。38はサイドカバー体である。
【0032】
このようにして、構造簡易にして、確実にPTO軸ケース33を支持することができる。
【0033】
しかも、車体機枠の構造の簡易化により車体の軽量化も図れる。
【0034】
さらに、PTO軸ケース33にヒッチ体37を取付けているために、同ヒッチ体37を介して作業機を取付けることができる。
【0035】
そして、作業機の荷重は、ヒッチ体37→PTO軸ケース33→リヤフレーム25,25 →左右連結フレーム20→左右側走行フレーム10,10 に均等に分散されて、作業機を昇降させた場合にも、車体の前部と後部の上下方向の揺れを少なくすることができる。
【0036】
運転部3は、図1、図2及び図6に示すように、ガードフレーム26の前半部に床部(図示せず)を張設して、同床部の前部にハンドルコラム40を立設し、同ハンドルコラム40中に上下方向に伸延するハンドル支軸41を挿通して、同ハンドル支軸41の上端に、回動式のハンドル(ステアリングホイール)42を取付けると共に、ハンドル支軸41の下端部と後述するミッション部5とをカム機構43を介して連動連結し、また、ハンドルコラム40の左側壁下部には、前後進切替レバー44を取付けて、同前後進切替レバー44と、後述するミッション部5に設けた前後進切替アーム162 とを、連結ロッド機構45を介して連動連結し、また、床部の前部にブレーキペダル46を取付け、同ブレーキペダル46と、後述するミッション部5に設けたブレーキ操作用アーム166 とを、連動ワイヤ47を介して連動連結している。
【0037】
そして、ハンドル42の後方位置に、座席48を前記座席枢支用ブラケット24,24を介して取付け、同座席48の左右側方に各種操作レバーを配設している。
【0038】
すなわち、座席48の左側方に変速レバー49を配設して同変速レバー49を、後述するミッション部5内に設けた主変速部97と副変速部104 とに連動連結機構を介して連動連結すると共に、右側方に作業機昇降レバー50と油圧ロックレバー51と耕深調節レバー52とを前後方向に間隔を開けて配設して、これらレバー50,51,52を、前記昇降用シリンダ36を制御するバルブ機構( 図示せず)に連動連結機構を介して連動連結し、さらに、作業機昇降レバー50の外側方にPTO軸クラッチレバー53を配設して、同PTO軸クラッチレバー53を後述する第2伝動ベルト機構145 のテンションアーム150 に連動連結している。
【0039】
ここで、カム機構43の構造を、図6〜図8を参照しながら説明する。
【0040】
すなわち、カム機構43は、ガードフレーム26の前側横フレーム形成体26a と、同ガードフレーム26の左右側フレーム形成体26b,26b の前部間に横架した連結横フレーム54との間に、軸支持体55を横架して、同軸支持体55上に軸支持ケース56を立設し、同軸支持ケース56中にハンドル支軸41を挿通して支持させており、同ハンドル支軸41は、軸支持体55よりも下方へ下端部41a を突出させて、同下端部41a にカム支持用筒体57を嵌合すると共に、連結ピン178 により連結し、同カム支持用筒体57に、下方より上方へ向けて順次、中立検出用カム58と左旋回検出用カム59と右旋回検出用カム60とを一定の間隔を開けて同軸的に取付けている。170 は可動側バネ係止片、171 は固定側バネ係止片、172 は両バネ係止片170,171間に介設した中立復元用のトルクバネであり、同トルクバネ172 により、ハンドル42を左右操向中立位置に復元すべく弾性付勢している。
【0041】
そして、中立検出用カム58は、円板状の周面に、一部へこみ状の非作用面58aと、同非作用面58a よりも大径で略全周にわたる作用面58b を形成している。
【0042】
また、左旋回検出用カム59は、円板状の周面に右側半部の非作用面59a と、左側半部の作用面59b とを形成しており、非作用面59a は均一の小径面となす一方、作用面59b は、非作用面59a よりも円周方向に沿って漸次大径となるように形成している。
【0043】
右旋回検出用カム60は、左旋回検出用カム59と線対称の形状に形成して、円板状の周面に左側半部の非作用面60a と右側半部の作用面60b とを形成している。
【0044】
軸支持体55には、アーム兼ワイヤ支持体61を取付け、同アーム兼ワイヤ支持体61に、中立検出用カム従動アーム62と左旋回検出用カム従動アーム63と右旋回検出用カム従動アーム64とを、アーム支軸65を介して同軸的に取付けると共に、各アーム62,63,64の一端にそれぞれ連結した中立用ワイヤ66と左旋回用ワイヤ67と右旋回用ワイヤ68の各前端部を支持させている。
【0045】
そして、各アーム62,63,64の他端には、それぞれカム当接ローラ69,70,71を転動自在に取付けて、各カム当接ローラ69,70,71を各カム59,60,61の周面に当接させている。
【0046】
また、各ワイヤ66,67,68は、アウタワイヤ66a,67a,68a と、各アウタワイヤ66a,67a,68a 中に挿通したインナワイヤ66b,67b,68b とから形成している。
【0047】
そして、中立用ワイヤ66のインナワイヤ66b は、中立検出用カム従動アーム62の一端と、後述するミッション部5に設けた旋回用ブレーキ部72のブレーキ操作アーム73とを連動連結している。
【0048】
また、左旋回用ワイヤ67のインナワイヤ67b は、左旋回検出用カム従動アーム63の一端と、後述するミッション部5に連動連設した静油圧式無段変速装置74に設けたトラニオンアーム75の左側連結片75a とを連動連結している。
【0049】
右旋回用ワイヤ68のインナワイヤ68b は、右旋回検出用カム従動アーム64の一端と、上記トラニオンアーム75の右側連結片75b とを連動連結している。176,177 はアウタワイヤ受け体である。
【0050】
このようにして、ハンドル42が左右操向中立状態(直進走行操作位置)においては、中立検出用カム58の非作用面58a に中立検出用カム従動アーム62のカム当接ローラ69が嵌合状態にて当接し、かつ、左・右旋回検出用カム59,60 の非作用面59a,60a にそれぞれ左・右旋回検出用カム従動アーム63,64 のカム当接ローラ70,71 が当接するようにしている。
【0051】
かかる状態では、いずれのインナワイヤ66b,67b,68b も引張されることがなく、旋回用ブレーキ部72は、後述する静油圧式無段変速装置74の出力軸74b をブレーキ制動した状態に保たれる。
【0052】
そして、左右操向中立位置にあるハンドル42が左旋回方向に回動操作されると、ハンドル支軸41を介して連動連結している三枚のカム58,59,60も一体的に同一方向に回動される。
【0053】
その結果、中立検出用カム58の非作用面58a に当接していたカム当接ローラ69が、同中立検出用カム58の作用面58b に転動・当接して、中立検出用カム従動アーム62が回動され、同アーム62がインナワイヤ66b を引張することにより、ブレーキ操作アーム73を介して旋回用ブレーキ部72がブレーキ制動を解除すべく動作する。
【0054】
同時に、左旋回検出用カム59の非作用面59a に当接していたカム当接ローラ70が、左旋回検出用カム59の作用面59b に転動・当接して、左旋回検出用カム従動アーム63が回動され、同アーム63がインナワイヤ67b を引張することにより、トラニオンアーム75の左側連結片75a を介して静油圧式無段変速装置74の旋回動力伝達系H内の左旋回側の回転数を徐々に増大させると共に、右旋回側の回転数を徐々に減少させる。
【0055】
また、右旋回検出用カム60の非作用面60a に当接していたカム当接ローラ71は、そのまま非作用面60a 上を転動・当接して、右旋回検出用カム従動アーム63が回動されることはなく、同アーム63がインナワイヤ67b を引張することもない。
【0056】
従って、ハンドル42の左旋回方向の回動操作角に応じて右側走行部1が徐々に増速されると共に、左側走行部1が減速されて、車体は左側方へ旋回される。
【0057】
そして、ハンドル42の回動操作角を大きくすることによって、左側走行部1が停止した状態で車体が旋回するピボットターン、さらには、左側走行部1が右側走行部1とは反対に後進方向に走行作動して車体が旋回するピボットターンも行なえる。
【0058】
また、ハンドル42を右旋回方向に回動操作した場合には、各作動部が上記とは反対に作動して、車体が右側方へ旋回される。この場合も、ハンドル42の回動操作角の大きさによって、前記と同様に車体のピボットターンとスピンターンが行なえる。
【0059】
しかも、ハンドル支軸41の下部に三枚のカム58,59,60を同軸的に取付けているために、ハンドル支
軸41がカム支軸として機能して、いわゆるガタつきをなくすことができ、その結果、精度の高い操作が行なえて、操作性を向上させることができると共に、これらカム58,59,60をハンドル支軸41の下部のデッドスペースを有効利用してコンパクトに配設することができる。
【0060】
さらに、各インナワイヤ66b,67b,68b の引張動作に連動してブレーキ操作アームとトラニオンアームとがそれぞれ作動すべく構成しているために、ブレーキ操作アーム73とトラニオンアーム75とを精度良く作動させることができると共に、配設の自由度が大きい各ワイヤ66,67,68を、コンパクトに配設することができる。
【0061】
原動機部4は、エンジン76と、同エンジン76の近傍に配設したラジエータやエアクリーナ等(図示せず)を具備している。
【0062】
ミッション部5は、図1及び図2に示すように、前側の左右連結フレーム20の後側中央部に立設した前側支柱31と、左右側の走行フレーム10,10 の後部に立設した左右一対の後側支柱77,77 との間に架設しており、同ミッション部5の左側にはチェンケース78を連動連結する一方、右側には旋回用の静油圧式無段変速装置(以下「HST」という)74を連動連設している。
【0063】
そして、ミッション部5は、図9〜図11に示すように、ミッションケース80の内部に第1〜第9軸81〜89を平行に軸支し、第1軸81の中途部に前進用クラッチ90a の入力側を嵌着し、同第1軸81の端部を第1噛合歯車91を介して、第2軸82の中途部に遊嵌した後進用クラッチ90b の入力側と、作業機昇降用油圧ポンプ92とに連動連結し、第2噛合歯車93を介して上記前進用クラッチ90a の出力側と、後進用クラッチ90b の出力側たる第2軸82とを第3軸83に連動連結して、前・後進用クラッチ90a,90b の動力伝達を排他的に選択可能に構成して、駆動方向の前後進切換を可能としている。80a は駆動軸ケースである。
【0064】
ここで、前・後進用クラッチ90a,90b は、ミッションケース80内の前部に横架したシフタ支軸160 に、クラッチ入切用シフタ161 を取付けると共に、同クラッチ入切用シフタ161 は、シフタ支軸160 の一方向の回動に連動して前進用クラッチ90a が接続すると共に後進用クラッチ90b が切断し、また他方向の回動に連動して前進用クラッチ90a が切断すると共に後進用クラッチ90b が接続して、前・後進の切替えが行なえるようにしている。
【0065】
そして、シフタ支軸160 の左側端部には前・後進切替アーム162 を取付けて、同前・後進切替アーム162 に前後進切替レバー44を連結ロッド機構45を介して連動連結している。
【0066】
また、上記第3軸83は、HST74の入力軸74a に連動連結すると共に、第3噛合歯車96を介して主変速部97の入力軸たる第4軸84に連動連結しており、同第4軸84に、両端のドッグ98,98 と中央部の第2速原動歯車99とを一体に形成したスライダ100 を軸方向摺動自在・回動不可に嵌合する一方、同第4軸84と主変速部97の出力軸たる第5軸85との間に、常時噛合式の第1・第3速噛合歯車101,102を介設し、第5軸85に摺動噛合式の第2速受動歯車103 を嵌着して、スライダ100 の摺動により主変速部97の出力回転速度を3段階に切換可能としている。
【0067】
上記主変速部97には副変速部104 が直列的に連動連結しており、同副変速部104 は、上記第5軸85と副変速部104 の出力軸たる第6軸86との間に高低速噛合歯車105,106 を介設し、第6軸86に軸方向摺動自在・回動不可に嵌合したスライダ107 の摺動により、副変速部104 の出力回転速度を中立を挟んで高低速2段階に変速可能としている。
【0068】
このように、前・後進用クラッチ90a,90b と、3段変速の主変速部97と、2段変速の副変速部104 とを直列的に連動連結しているので、最終的には、前後進各6段階の変速操作が可能である。
【0069】
上記第6軸86は、チエン連動機構108 を介して第7軸87に連動連結しており、同第7軸87の左右端部にそれぞれ嵌着した左右サンギヤ110,111 と、第7軸87と軸線を同一にして配置した左右駆動軸15a,15a に連結した左右ケージ112,113 と、同左右ケージ112,113 にそれぞれ軸着した複数の左右遊星ギヤ114,115 と、前記HST74の出力軸74b に連動連結した左右リングギヤ116,117 とで左右遊星歯車機構118,119 を構成し、同左右遊星歯車機構118,119 にて、前記した歯車式変速機や噛合歯車等で構成したメカニカルな直進動力伝達系Mにより、左右サンギヤ110,111 に伝達された回転動力と、後述する旋回動力伝達系HのHST74から左右リングギヤ116,117 に伝達された回転動力とをそれぞれ合成し、これらの合成回転動力を左右遊星ギヤ114,115 と左右ケージ112,113 とを介して、左右駆動軸15a,15a に嵌着した左右側駆動輪15,15 に個別に伝達するようにしている。
【0070】
ここで、第6軸86の左側端部には停車用ブレーキ部165 を設けて、同停車用ブレーキ部165 に取付けたブレーキ操作用アーム166 に前記ブレーキペダル46を連動ワイヤ47を介して連動連結している。
【0071】
上記HST74の出力軸74b には、同出力軸74b の回転速度を左右リングギヤ116,117 に相補的に伝達する正逆回転分割機構120 を、旋回用ブレーキ部72の下流側に位置させて連動連結しており、同正逆回転分割機構120 は、HST74の出力軸74b に減速歯車群121 を介して第8軸88を連動連結し、同第8軸88を第1中間噛合歯車122 を介して第9軸89に連動連結し、第9軸89の左右端部にそれぞれ左右出力ギヤ123,124 を嵌着し、左出力ギヤ123 と左リングギヤ116 とを、直列的に配置した2個のアイドルギヤ(図示せず)を介して連動連結し、右出力ギヤ124 と右リングギヤ117 とを、1個のアイドルギヤ79を介して連動連結して、回転速度の絶対値は等しいが、左リングギヤ116 には第9軸89と同一方向の回転を伝達する一方、右リングギヤ117 には第9軸89とは反対方向の回転を伝達するようにしている。
【0072】
そして、ミッション部5の入力軸たる第1軸81の一端を上記ミッションケース80の左側壁から突出させ、同突出端に前記チェンケース78の下端部を連動連結し、同チェンケース78を上方へ伸延させて、同チェンケース78の上端部とエンジン76の駆動軸76a とを第1伝動ベルト機構125 を介して連動連結する一方、前記ハンドル42をHST74のトラニオンアーム75にカム機構43を介して連動連結して、同ハンドル42の回動操作角に応じて、HST74の変速比を正逆無段階に変更することができるようにしている。126 は主変速部97のシフタ、127 は副変速部104のシフタ、128 は外部前方に動力を取出すためのフロントPTO軸ケースである。
【0073】
ここで、旋回用ブレーキ部72について説明すると、同旋回用ブレーキ部72は、図11に示すように、HST74の出力軸74b に筒状入力軸130 をスプライン嵌合し、同筒状入力軸130 とミッションケース80との間に湿式多板式ブレーキ131 を介設し、同多板式ブレーキ131 の近傍に軸状の作用片132 を配設して、同作用片132 をその軸線廻りに回動させることにより、湿式多板ブレーキ131 を筒状入力軸130 の軸線方向に摺動させてブレーキ制動作用させることができるようにしており、同作用片132 の下端は、ミッションケース80の下部より外方へ突出させて、同突出端に前記ブレーキ操作アーム73を取付けて、同ブレーキ操作アーム73にハンドル42を、ハンドル支軸41と中立検出用カム58と中立検出用カム従動アーム62と中立用ワイヤ66とを介して連動連結している。
【0074】
また、筒状入力軸130 には出力ギヤ133 を取付けて、同出力ギヤ133 に減速歯車群121 を噛合・連結している。
【0075】
このようにして、ハンドル42を左右操向中立位置にしておくだけで、旋回用ブレーキ部72によりHST74の出力軸74b をブレーキ制動させて、旋回動力伝達系Hを停止状態となすことができ、その結果、直進動力伝達系Mだけが作動可能となって、同直進動力伝達系Mにより車体の直進性を良好に確保することができる。
【0076】
そして、旋回用ブレーキ部72を、旋回動力伝達系Hの上流側に設けたHST74の出力軸74b に設けているために、小さなトルクで直接的に出力軸74b をブレーキ制動させることができ、旋回用ブレーキ部72の容量を小さくしても、旋回動力伝達系Hの動力伝達を確実に停止させることができる。
【0077】
また、ハンドル42を左右操向中立位置から左右いずれか一方向に回転させることにより、旋回用ブレーキ部72のブレーキ制動が解除されて、車体をその回転方向側に旋回させることができる。
【0078】
従って、車体の操向操作性、特に直進操作性を向上させることができる。
【0079】
しかも、旋回用ブレーキ部72は、湿式多板ブレーキ131 を使用しているために、旋回用ブレーキ部72の軸線方向の幅をコンパクト化することができて、ミッションケース80内に何の支障もなく配設することができる。
【0080】
上記のような構成により、エンジン76からの動力を前後6段階に変速して左右側走行部1,1に伝達すると共に、ハンドル42の操作角度に応じてHST74の出力回転速度を変更し、左右側走行部1,1の駆動速度を異ならせて、駆動速度が遅くなった方向に作業車Aを旋回させることができる。
【0081】
また、本実施例では、上記HST74の入力軸74a を後進用クラッチ90b の出力側に連動連結しているので、ハンドル42を操作しなくても、前後進用クラッチ90a,90b の切換と同時にHST74の出力回転方向が切り換わり、ハンドル42の操作方向と作業車Aの旋回方向とが一定の関係を保持し、ホイルタイプの車両の操向操作と略同様の感覚で、旋回操作を行うことができる。
【0082】
チェンケース78は、図1、図10及び図11に示すように、ケース本体78a を上下方向に伸延させて形成し、同ケース本体78a の上部に伝動入力軸78b を設け、同伝動入力軸78b と前記ミッション部5の第1軸81の一端との間に伝動チェン78c をスプロケット78d,78e を介して巻回している。
【0083】
そして、チェンケース78は、図1及び図2に示すように、左側走行部1の履帯16の内側方において、伝動入力軸78b が履帯16の上側回動部16a 、さらには、駆動輪15よりも上方に位置すべく形成しており、同伝動入力軸78b は、一端をケース本体78a より右側方へ突出させて、同一端とエンジン76の駆動軸76a との間に第1伝動ベルト機構125 を介設している。
【0084】
すなわち、第1伝動ベルト機構125 は、図1、図10及び図11に示すように、エンジン76の駆動軸76a と伝動入力軸78b との間に、第1伝動ベルト140 をプーリ141,142 を介し巻回しており、同第1伝動ベルト140 にはテンションローラ143 をテンションアーム144 を介して圧接させて、同第1伝動ベルト140 をテンションローラ143 により緊張させるテンション部材としてのテンション体153 を形成している。
【0085】
そして、テンション体153 は、テンションローラ143 を第1伝動ベルト140 の前側回動部140a(緩み側)に圧接させている。
【0086】
このようにして、履帯16の上側回動部16a より離隔する前側回動部140aにテンションローラ143 を当てることにより、テンション体153 への泥土等の飛散・付着を防止している。
【0087】
また、エンジン76の駆動軸76a と前記PTO軸34の左側端部との間には、第2伝動ベルト機構145 を介設している。
【0088】
すなわち、第2伝動ベルト機構145 は、図1に示すように、エンジン76の駆動軸76a とPTO軸34の左側端部との間に、第2伝動ベルト146 をプーリ147,148を介して巻回しており、同第2伝動ベルト146 にはテンションローラ149 をテンションアーム150 を介して進退自在となして、同第2伝動ベルト146 をテンションローラ149 により緊張・弛緩させるテンション部材としてのテンションクラッチ154 を形成している。
【0089】
そして、テンションクラッチ154 の前方に配設した運転部3に、クラッチ操作手段としてのPTO軸クラッチレバー53を配設して、同PTO軸クラッチレバー53にテンションアーム150 を連結リンク機構(図示せず)を介して連動連結して、同テンションアーム150 に取付けたテンションローラ149 を第2伝動ベルト146 の前側回動部146a(弛み側)に対して進退させるべく構成している。
【0090】
このようにして、PTO軸クラッチレバー53に近い方の前側回動部146aにテンションローラ149 を当てることにより、連結リンク機構の構造を簡易にすると共に、同連結リンク機構の伝動精度を良好に確保することができる。
【0091】
しかも、履帯16の上側回動部16a よりも上方位置にテンションクラッチ154 を配設しているために、同テンションクラッチ154 への泥土等の飛散・付着を防止することができる。
【0092】
ここで、エンジン76の駆動軸76a は、図1に示す側面視にて、左側駆動輪15の上方に配置して、上記駆動軸76a に第1・第2伝動ベルト機構125,145 の入力端側を同軸的に連動連結し、かつ、両伝動ベルト機構125,145 の出力端側は、履帯16の上側回動部16a の上方位置にて、両伝動ベルト機構125,145 を駆動軸76a を中心にそれぞれ前後方向に振り分け状に配置している。
【0093】
しかも、両伝動ベルト機構125,145 の両伝動ベルト140,146 は、平面視にて、履帯16よりも内側方に配置している。
【0094】
このようにして、第1・第2伝動ベルト機構125,145 の各伝動ベルト140,146の着脱やメンテナンスを行なう際に、履帯16が支障とならず、これらの作業を円滑かつ確実に行なうことができる。
【0095】
しかも、第1・第2伝動ベルト機構125,145 は、それぞれ履帯16の上側回動部16a よりも上方に配設しているために、同上側回動部16a に付着した泥土等が飛散状態にて落下しても、この泥土等が付着することがなく、この点からもメンテナンスが楽になる。
【0096】
旋回動力伝達系Hの上流側に設けたHST74は、図2に示すように、HSTケース151 を前後方向に伸延させて形成して、前端側が上方に位置し、かつ、後端側が下方に位置する傾斜状態にてミッションケース80の右側壁に連設して、同HSTケース151 の前部側下方位置に空間152 を形成している。
【0097】
このようにして、車体の前後幅や高さを可及的に小さく設定することができ、しかも、フロントPTO軸ケース128 をミッションケース80の下側に連設する場合にも、前傾姿勢でミッションケース80の右側壁に連設して、前側部下方位置に形成した空間152 により、フロントPTO軸ケース128 との干渉を回避することができる。
【0098】
また、ミッションケース80の右側壁には、作業機昇降用ポンプ92をHST74の前上方に位置させて連設すると共に、同作業機昇降用ポンプ92の駆動軸92a を、HST74の前・後部にそれぞれ配設した入・出力軸74a,74b と、略同一直線L上に配置している。
【0099】
このようにして、ミッションケース80の右側壁内に、HST74と作業機昇降用ポンプ92とをコンパクトに配設することができる。
【0100】
図13は、他の実施例としての履帯外れ防止体17を示しており、同履帯外れ防止体17は、防止体本体17a の下端部に形成した摺接体17b を前後方向に伸延する舟底状に形成している。
【0101】
このようにして、摺接体17b による履帯外れ防止効果をより一層高めることができる。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0103】
本発明では、左右一対のクローラ式走行部間に配設した車体フレーム上に運転部と原動機部とミッション部とを設け、前記左右のクローラ式走行部を、前後一対の従動輪と、両従動輪間の中途部上方で前記原動機部の駆動軸の下方に配置してミッション部に連動連結した駆動輪とに側面視三角形状に履帯を巻回して構成し、その履帯の巻回頂上部より一定距離上方に離間した部位に、左右側フレーム形成体と前側フレーム形成体 からなるガードフレームを設けた作業車において、前記ミッション部に入力するチェンケースの上端部を、前記履帯の上側回動部よりも上方に配置して、同チェンケース上端部の伝動入力軸と原動機部の駆動軸間を連動連結する第1伝動ベルト機構を、履帯の上側回動部における前側従動輪と駆動輪間の前低傾斜巻回部分の外方上部に配置するとともに、原動機部の駆動軸からその後下方に配設したPTOに伝動する第2伝動ベルト機構を前記履帯の上側回動部における駆動輪と後側従動輪間の後低傾斜巻回部分の外方上部に配置して、両伝動ベルト機構が、側面視で前記ガードフレームと履帯との間に生成される空間部に納まり、且つ、平面視で前記ガードフレームの左右側フレーム形成体の囲い範囲内にあって前記履帯よりも内方側に位置するように構成しているために、第1、第2伝動ベルト機構を全体的に履帯の上側回動部よりも上方に離隔させて配設することができて、同上側回動部より飛散状態に落下する泥土等の第1、第2伝動ベルト機構への付着を防止することができ、第1、第2伝動ベルト機構の伝動機能を良好に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業車の側面図。
【図2】同作業車の車体フレームの平面図。
【図3】走行部の側面図。
【図4】同走行部の断面正面説明図。
【図5】履帯外れ防止体の側面図。
【図6】カム機構の説明図。
【図7】同カム機構の底面図。
【図8】同カム機構の断面底面図。
【図9】ミッション部の断面左側面説明図。
【図10】直進動力伝達系を示すミッション部の断面平面図。
【図11】旋回動力伝達系を示すミッション部の断面平面図。
【図12】ミッション部の右側面図。
【図13】他の実施例としての履帯外れ防止体の側面図。
【符号の説明】
A 作業車
1 走行部
2 車体フレーム
3 運転部
4 原動機部
5 ミッション部
Claims (1)
- 左右一対のクローラ式走行部(1,1) 間に配設した車体フレーム(2) 上に運転部(3) と原動機部(4) とミッション部(5) とを設け、前記左右のクローラ式走行部 (1,1) を、前後一対の従動輪(11,13) と、両従動輪(11,13) 間の中途部上方で前記原動機部 (4) の駆動軸 (76a) の下方に配置してミッション部(5) に連動連結した駆動輪(15) とに側面視三角形状に履帯 (16) を巻回して構成し、その履帯 (16) の巻回頂上部より一定距離上方に離間した部位に、左右側フレーム形成体 (26b 、 26b) と前側フレーム形成体 (26a) からなるガードフレーム (26) を設けた作業車において、前記ミッション部 (5) に入力するチェンケース (78) の上端部を、前記履帯 (16) の上側回動部 (16a) よりも上方に配置して、同チェンケース (78) 上端部の伝動入力軸 (78b) と原動機部 (4) の駆動軸 (76a) 間を連動連結する第1伝動ベルト機構 (125) を、履帯 (16) の上側回動部 (16a) における前側従動輪 (11) と駆動輪 (15) 間の前低傾斜巻回部分の外方上部に配置するとともに、原動機部 (4) の駆動軸 (76a) からその後下方に配設したPTO (34) に伝動する第2伝動ベルト機構 (145) を前記履帯 (16) の上側回動部 (16a) における駆動輪 (15) と後側従動輪 (13) 間の後低傾斜巻回部分の外方上部に配置して、両伝動ベルト機構 (125,145) が、側面視で前記ガードフレーム (26) と履帯 (16) との間に生成される空間部に納まり、且つ、平面視で前記ガードフレーム (26) の左右側フレーム形成体 (26b 、 26b) の囲い範囲内にあって前記履帯 (16) よりも内方側に位置するように構成したことを特徴とする作業車。
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