JP2000310141A - 車 輌 - Google Patents

車 輌

Info

Publication number
JP2000310141A
JP2000310141A JP11122222A JP12222299A JP2000310141A JP 2000310141 A JP2000310141 A JP 2000310141A JP 11122222 A JP11122222 A JP 11122222A JP 12222299 A JP12222299 A JP 12222299A JP 2000310141 A JP2000310141 A JP 2000310141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling water
air
temperature
fuel ratio
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11122222A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Masubuchi
匡彦 増渕
Hiroki Matsuoka
広樹 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP11122222A priority Critical patent/JP2000310141A/ja
Publication of JP2000310141A publication Critical patent/JP2000310141A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌外部から供給されるエネルギーによって
冷却水を加熱する冷却水加熱手段を有している場合であ
っても、空燃比フィードバック制御を正確に行うことが
できる車輌を提供すること。 【解決手段】 本発明の車輌は、内燃機関1と、車輌外
部から供給されるエネルギーによって冷却水を加熱する
冷却水加熱手段25と、内燃機関1の空燃比が目標空燃
比となるように空燃比フィードバック制御を行う空燃比
制御手段22,29と、内燃機関1の始動時に冷却水加
熱手段によって冷却水が加熱されているかどうかを検出
する加熱検出手段17,24,25,28,29,30
と、加熱検出手段17,24,25,28,29,30
によって冷却水が加熱されていることが検出されたとき
に、空燃比制御手段による空燃比フィードバック制御の
開始条件を変更する開始条件変更手段29とを備えてい
ることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌外部から供給
されるエネルギーによって冷却水を加熱する冷却水加熱
手段を有する車輌に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】寒冷地などにおける低
温下での始動性を向上させるため、車輌外部から電力な
どのエネルギーを供給し、供給された電力などによって
内燃機関の冷却水を加熱する車輌が検討されている。冷
却水温が加熱されていると、混合気の燃焼が安定した
り、潤滑油が早期に暖まってフリクションが低下するの
で、内燃機関の運転が安定する。
【0003】一方、内燃機関の各種制御においては、冷
却水温によって内燃機関の運転状態を判断している。こ
のため、内燃機関が始動される以前から冷却水が加熱さ
れて暖められていると、冷却水温が内燃機関の運転状態
を正しく反映していない場合があり得る。例えば、排気
エミッションの低減のために空燃比フィードバック制御
が行われているが、空燃比フィードバック制御の開始条
件の中には、冷却水温が所定温度以上であるか否かとい
う条件がある。
【0004】空燃比フィードバック制御の開始条件とな
る冷却水温の所定温度を、排気エミッションの更なる低
減のために低温化する(例えば、従来20℃だったものを
-10℃にする)と、-20℃以下の極低温下での冷間始動時
などには、予め冷却水温だけが加熱されているため、空
燃比を検出する空燃比センサ(O2センサ)が充分に活
性温度にまで達しないうちに空燃比フィードバック制御
が開始されてしまい、かえって空燃比を荒らしてしまう
ということが考えられる。
【0005】また、始動直後の内燃機関の運転状態を安
定化させるためのファーストアイドルアップ制御や、燃
料を増量させることで内燃機関のリーン寄りの空燃比を
補正する増量系制御なども、予め冷却水が加熱されてい
る場合に冷却水温に基づいて制御すると正確な制御を行
えないことが危惧される。
【0006】従って、本発明の目的は、車輌外部から供
給されるエネルギーによって冷却水を加熱する冷却水加
熱手段を有している場合であっても、内燃機関に関する
各種制御を正確に行うことができる車輌を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第一発明の車輌は、内燃
機関と、車輌外部から供給されるエネルギーによって冷
却水を加熱する冷却水加熱手段と、内燃機関の空燃比が
目標空燃比となるように空燃比フィードバック制御を行
う空燃比制御手段と、内燃機関の始動時に冷却水加熱手
段によって冷却水が加熱されているかどうかを検出する
加熱検出手段と、加熱検出手段によって冷却水が加熱さ
れていることが検出されたときに、空燃比制御手段によ
る空燃比フィードバック制御の開始条件を変更する開始
条件変更手段とを備えていることを特徴としている。
【0008】第一発明の車輌によれば、内燃機関の始動
前に冷却水加熱手段によって冷却水を加熱しておくこと
によって、始動性向上及び始動直後の運転状態向上をは
かることができる。また、内燃機関の始動時に加熱検出
手段によって、冷却水加熱手段による冷却水の加熱が行
われているかどうかの判定に応じて、空燃比制御手段よ
る空燃比フィードバック制御の開始条件を、開始条件変
更手段によって変更する。このため、空燃比フィードバ
ック制御を精度よく行うことができ、低温下での冷間始
動時などにおいても排気エミッションの低減を効果的に
行うことができる。
【0009】ここで、開始条件変更手段によって変更さ
れる空燃比フィードバック制御の開始条件が、始動後空
燃比フィードバック禁止時間であり、開始条件変更手段
は、加熱検出手段によって冷却水が加熱されていること
が検出されたときに、始動後空燃比フィードバック禁止
時間を延長することが好ましい。このようにすれば、冷
間始動時に冷却水加熱手段によって冷却水が予め暖めら
れていても、空燃比制御手段よる空燃比フィードバック
制御に用いられる空燃比センサが活性温度に達した後に
空燃比フィードバック制御を始めるようにできるため、
空燃比フィードバック制御を精度よく行うことができ
る。
【0010】また、第二発明の車輌は、内燃機関と、車
輌外部から供給されるエネルギーによって冷却水を加熱
する冷却水加熱手段と、内燃機関の始動直後の運転状態
を安定させるためにファーストアイドルアップ制御を行
うアイドルスピードコントロール手段と、内燃機関の始
動時に冷却水加熱手段によって冷却水が加熱されている
かどうかを検出する加熱検出手段と、加熱検出手段によ
って冷却水が加熱されていることが検出されたときに、
アイドルスピードコントロール手段によるファーストア
イドルアップ制御の制御量を変更する制御量変更手段と
を備えていることを特徴としている。
【0011】第二発明の車輌によれば、内燃機関の始動
前に冷却水加熱手段によって冷却水を加熱しておくこと
によって、始動性向上及び始動直後の運転状態向上をは
かることができる。また、内燃機関の始動時に加熱検出
手段によって、冷却水加熱手段による冷却水の加熱が行
われているかどうかの判定に応じて、アイドルスピード
コントロール手段よるファーストアイドルアップ制御の
制御量を、制御量変更手段によって変更する。このた
め、ファーストアイドルアップ制御を精度よく行うこと
ができ、低温下での冷間始動時などにおいても内燃機関
の運転を安定化させることができる。
【0012】さらに、第三発明の車輌は、内燃機関と、
車輌外部から供給されるエネルギーによって冷却水を加
熱する冷却水加熱手段と、内燃機関の始動直後に内燃機
関に供給する燃料を増量して空燃比の増量系制御を行う
空燃比制御手段と、内燃機関の始動時に冷却水加熱手段
によって冷却水が加熱されているかどうかを検出する加
熱検出手段と、加熱検出手段によって冷却水が加熱され
ていることが検出されたときに、空燃比制御手段による
増量系制御の補正量を変更する補正量変更手段とを備え
ていることを特徴としている。
【0013】第三発明の車輌によれば、内燃機関の始動
前に冷却水加熱手段によって冷却水を加熱しておくこと
によって、始動性向上及び始動直後の運転状態向上をは
かることができる。また、内燃機関の始動時に加熱検出
手段によって、冷却水加熱手段による冷却水の加熱が行
われているかどうかの判定に応じて、空燃比制御手段よ
る増量系制御の補正量を、補正量変更手段によって変更
する。このため、増量系制御を精度よく行うことがで
き、低温下での冷間始動時などにおいても内燃機関の運
転を安定化させることができる。
【0014】上述した第一〜第三発明の車輌において、
冷却水加熱手段が、エンジンブロックの冷却水路上に配
設された電気式ヒーターであり、加熱検出手段が、電気
式ヒーターへの通電状況に基づいて、冷却水が加熱され
ているかどうかを検出することが好ましい。このように
すれば、加熱検出手段によって、冷却水が加熱されてい
るか否かを確実に検出することができる。
【0015】また、上述した第一〜第三発明の車輌にお
いて、吸入空気の温度を検出する吸気温検出手段と、冷
却水の温度を検出する水温検出手段とを備え、加熱検出
手段が、吸気温検出手段によって検出される吸気温度と
水温検出手段によって検出される冷却水温とに基づい
て、冷却水が加熱されているかどうかを検出することが
好ましい。このようにすれば、加熱検出手段によって、
冷却水が加熱されて冷却水の温度が昇温されているか否
かを確実に検出することができる。なお、冷却水が暖め
られていても吸入空気はその影響を受けることが少な
く、吸気温は冷却水が加熱されているかどうかを検出す
る際に好適に用いることができる。
【0016】あるいは、潤滑油の温度を検出する油温検
出手段と、冷却水の温度を検出する水温検出手段とを備
え、加熱検出手段が、油温検出手段によって検出される
潤滑油温度と水温検出手段によって検出される冷却水温
とに基づいて、冷却水が加熱されているかどうかを検出
することが好ましい。このようにしても、加熱検出手段
によって、冷却水が加熱されて冷却水の温度が昇温され
ているか否かを確実に検出することができる。なお、潤
滑油は内燃機関底部のオイルパンや内燃機関から独立し
たタンク(ドライサンプ式潤滑系の場合)内に貯留され
ているため、冷却水が暖められていても潤滑油の油温は
その影響をほとんど受けることがなく、冷却水が加熱さ
れているかどうかを検出する際に好適に用いることがで
きる。
【0017】あるいは、外気温を検出する外気温検出手
段と、冷却水の温度を検出する水温検出手段とを備え、
加熱検出手段が、外気温検出手段によって検出される外
気温と水温検出手段によって検出される冷却水温とに基
づいて、冷却水が加熱されているかどうかを検出するこ
とが好ましい。このようにしても、加熱検出手段によっ
て冷却水が加熱され、冷却水の温度が昇温されているか
否かを確実に検出することができる。なお、冷却水が暖
められていても外気はその影響を受けることがないの
で、外気温は冷却水が加熱されているかどうかを検出す
る際に好適に用いることができる。
【0018】あるいは、内燃機関が、圧縮天然ガスエン
ジンであり、圧縮天然ガスを充填する燃料タンク内に圧
縮天然ガスの温度を検出するガス温度検出手段と、冷却
水の温度を検出する水温検出手段とを備え、加熱検出手
段が、ガス温度検出手段によって検出されるガス温度と
水温検出手段によって検出される冷却水温とに基づい
て、冷却水が加熱されているかどうかを検出することが
好ましい。このようにすれば、加熱検出手段によって、
冷却水が加熱されて冷却水の温度が昇温されているか否
かを確実に検出することができる。
【0019】圧縮天然ガスエンジンを用いた車輌には、
圧縮天然ガスの残量を正確に検出するために圧縮天然ガ
スの圧力と温度とを検出するガス圧検出手段とガス温度
検出手段とが配設されることが多い。このため、このガ
ス温度検出手段を流用することができ、新たな検出手段
を配設することなく対応することができる。なお、圧縮
天然ガスは内燃機関から独立した燃料タンク内に充填さ
れているため、冷却水が暖められていてもガス温度はそ
の影響をほとんど受けることがなく、冷却水が加熱され
ているかどうかを検出する際に好適に用いることができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の車輌の一実施形態につい
て説明する。本実施形態の車輌の構成(内燃機関である
エンジン1周辺の構成)を図1に示す。
【0021】本実施形態の車輌は、気体燃料である圧縮
天然ガス(CNG:Compressed NaturalGas)を燃料とするC
NG車である。このCNG車に搭載された内燃機関であるエ
ンジン1は、基本的には通常のガソリンエンジンと同様
の構成を有しているが、その燃料系のみが気体燃料であ
るCNGを供給するために異なっている。CNGは、車輌に搭
載されたタンク2内に充填されており、タンク2からエ
ンジン1にかけて配設された燃料配管3を介してエンジ
ン1に供給される。
【0022】タンク2には充填口4も接続されており、
タンク2へのCNGの充填は充填口4から行われる。タン
ク2の燃料配管3との接続部分には、タンク遮断弁5が
内蔵されている。タンク遮断弁5は、燃料配管3の破損
時などにタンク2からCNGが放出されるのを防止する。
さらに、タンク2の燃料配管3との接続部分には、ガス
温センサ6も配設されている。ガス温センサ6は、CNG
のガス温度を検出するガス温度検出手段として機能す
る。
【0023】タンク2とエンジン1との間の燃料配管3
上には、タンク2側からガスフィルタ7、ガス圧センサ
8及びプレッシャーレギュレータ9が配設されている。
ガスフィルタ7は、CNG内の水やオイルなどを除去す
る。ガス圧センサ8は、CNGのガス圧を検出するガス圧
検出手段として機能する。プレッシャーレギュレータ9
は、タンク2内に高圧下で貯蔵されているCNGの圧力を
減圧してエンジン1側に供給する。CNGは、貯蔵容積効
率を高めるために高圧下(フル充填時で200〜250kgf/cm
2程度)に圧縮された状態でタンク2内に貯蔵される
が、実際にエンジン1に対して供給する際には、制御の
し易さなどから数kgf/cm2にまで減圧される。プレッシ
ャーレギュレータ9は、この減圧を行う。
【0024】なお、プレッシャーレギュレータ9は、遮
断弁としての機能も有しており、エンジン1の停止時な
どにはエンジン1へのCNGの供給を遮断する役目も負っ
ている。また、プレッシャーレギュレータ9は、気体燃
料中に含まれるオイル成分を除去するオイルトラッパと
しての役目も負っている。ガスステーションなどでCNG
を圧縮してタンク2内に充填する行程で不可避的に混入
するオイルが、CNGが減圧されることによってCNG中にミ
スト状に現れるので、プレッシャーレギュレータ9はこ
のオイルも捕集する。
【0025】燃料配管3の最もエンジン1側は、エンジ
ン1の各シリンダ10毎に取り付けられたインジェクタ
11にCNGを配分するデリバリ12に接続されている。
インジェクタ11から吸気管13(吸気ポート)内に供
給されたCNGは、空気と混合されて混合気を生成し、エ
ンジン1のシリンダ10内で点火プラグ14によって点
火されて燃焼する。混合気の燃焼によってエンジン1は
駆動力を発生する。混合気が燃焼された後の排気ガス
は、排気管15に排出され、排気浄化触媒16によって
浄化された後に大気に放出される。
【0026】吸気管13上の上流側には、吸気温センサ
17が配設されている。吸気温センサ17は、吸入空気
の温度を検出する吸気温検出手段として機能する。吸気
温センサ17の下流側には、吸入空気量を調節するスロ
ットルバルブ18が配設されており、このスロットルバ
ルブ18をバイパスするように、エアバイパス管19が
取り付けられている。エアバイパス管19には、スロッ
トルバルブ18の全閉時にエアバイパス管19を通過す
る吸入空気量を調節するエアバイパスバルブ20が配設
されている。エアバイパス管19及びエアバイパスバル
ブ20は、エンジン1のアイドル時(即ち、スロットル
バルブ18の全閉時)にエンジン1に供給される吸入空
気量を調節し、エンジン1の回転数をコントロールする
アイドルスピードコントロール手段の一部として機能す
る。
【0027】吸気管13とエアバイパス管19の下流側
との合流点のさらに下流側には、吸気圧センサ21が配
設されている。吸気圧センサ21は、吸気管13内の圧
力を検出する。吸気管13内の圧力(吸気圧)から、吸
入空気量を検出することができる。吸気圧センサ21に
よって検出した吸入空気量は、エンジン1の各種制御
(空燃比制御やアイドルスピードコントロール制御な
ど)に反映される。一方、排気管15上の排気浄化触媒
16の上流側には、空燃比センサであるO2センサ22
が取り付けられている。O2センサ22は、排ガス中の
酸素濃度から混合気の空燃比を検出するもので、空燃比
制御手段の一部として機能する。
【0028】また、エンジンブロックの冷却水路23上
には、水温センサ24及びブロックヒーター25が取り
付けられている。水温センサ24は、冷却水の温度を検
出する水温検出手段として機能する。ブロックヒーター
25は、電気エネルギーによって発熱する電気式ヒータ
ーであり、車輌外部の外部電源に接続されて発熱するも
ので、冷却水を加熱する冷却水加熱手段として機能す
る。さらに、エンジン1のクランクシャフト近傍には、
クランクシャフトの位置を検出するクランクポジション
センサ26が配設されている。
【0029】クランクポジションセンサ26によってク
ランクポジションを検出することによって、ピストン2
7の位置やエンジン1の回転数を検出することができ、
クランクポジションセンサ26はアイドルスピードコン
トロール手段の一部としても機能する。また、エンジン
1最下部のオイルパンには、油温センサ28が配設され
ている。油温センサ28は、潤滑油であるエンジンオイ
ルの温度を検出する油温検出手段として機能する。
【0030】上述した、ガス温センサ6、ガス圧センサ
8、吸気温センサ17、吸気圧センサ21、O2センサ
22、水温センサ24、クランクポジションセンサ26
や油温センサ28などの各種センサ類、及び、インジェ
クタ11やエアバイパスバルブ20などの各種アクチュ
エータ類は、エンジン1の運転を総合的に制御する電子
制御ユニット(ECU)29に接続されている。各種セ
ンサ類の検出結果は、ECU29に送出されており、各
種アクチュエータは、ECU29からの信号に基づいて
制御される。
【0031】また、ECU29には、ブロックヒーター
25も接続されており、ECU29は、ブロックヒータ
ー25に対して外部電源から電力が供給されているか否
かを検出することができる。さらに、ECU29には、
車輌外部の気温を検出する外気温センサ30も接続され
ている。外気温センサ30は、主としてオートエアコン
の温度調節などに用いられるが、本実施形態において
は、外気温を検出する外気温検出手段としても機能す
る。また、ECU29には、他の各種センサ類や各種ア
クチュエータ類も接続されているが、ここではこれらの
ついての説明は省略する。
【0032】追って詳述するが、ECU29は、これら
の各種センサ類や各種アクチュエータ類と共に、空燃比
制御手段や加熱検出手段、開始条件変更手段、アイドル
スピードコントロール手段、制御量変更手段、補正量変
更手段として機能する。
【0033】次に、エンジン1の混合気の空燃比を制御
する空燃比制御のうち、空燃比を目標空燃比となるよう
にフィードバック制御する空燃比フィードバック制御の
概要について簡単に説明する。
【0034】空燃比は、混合気中の空気と燃料との比率
であり、吸入空気量と燃料噴射量とにより決定される。
吸入空気量は、上述したスロットルバルブ18によって
調整され、吸気圧センサ21によって検出される。一
方、燃料噴射量TAUは、下記式(I)に基づいて算出され
る。 TAU=TP×FAF×(1+FASE)×(1+FWL)×α+β・・・・(I) ここで、TPは吸入空気量とエンジン回転数とに基づいて
決定される基本燃料噴射量である。エンジン回転数はク
ランクポジションセンサ26によって検出される。この
基本燃料噴射量TPを各種補正係数を用いて補正し、最終
的な燃料噴射量TAUを決定する。
【0035】このような補正係数の中に、空燃比フィー
ドバック制御に用いられる空燃比フィードバック係数FA
Fや、後述する増量系制御に用いられる始動後増量係数F
ASE・暖機増量係数FWLがある。この空燃比フィードバッ
ク係数FAFによって、エンジン1の混合気の空燃比が目
標空燃比(多くの場合、理論空燃比)となるように制御
する。α及びβは、加速増量補正値などの他の補正成分
である。
【0036】上述した空燃比フィードバック係数FAFを
用いた空燃比フィードバック制御は、エンジン始動後
に、始動後空燃比フィードバック禁止時間を経過して
いる冷却水温が所定温度以上である燃料カット中で
ない、などの空燃比フィードバック開始条件が成立して
から開始され、その後も空燃比フィードバック実行条件
(上述した,など)が成立している間に行われる。
空燃比フィードバック係数FAFは、O2センサ22の出力
に基づいて生成される。
【0037】O2センサ22は、理論空燃比を境に出力
が急変する性質を有している。空燃比フィードバック係
数FAFは、このO2センサ22によって実際の空燃比を検
出し、この空燃比が理論空燃比となるようにフィードバ
ック補正するためのものである。図2(a)及び図2(b)に
示されるように、O2センサ22の出力から、実際の空
燃比が理論空燃比よりリーンな空燃比(リーン空燃比)
であるか、理論空燃比よりリッチな空燃比(リッチ空燃
比)であるかを判定できる。
【0038】また、O2センサ22は、その温度が活性
温度とならないと正確な検出結果が得られないという性
質がある。O2センサ22は、排気ガスによって、この
活性温度にまで昇温される。なお、O2センサ22の出
力から、空燃比がリーン空燃比であるかリッチ空燃比で
あるかを示す空燃比フラグを一旦生成してもよい。
【0039】そして、図2(c)に示されるように、空燃
比がリッチ空燃比であると判定されている間は、空燃比
フィードバック係数FAFに対して、燃料噴射量を徐々に
減量する値が与えられ(減量の傾きKIL)、空燃比がリ
ッチからリーンに変わったときには、応答性向上を考慮
して噴射量をスキップ的に増量するリッチスキップ値RS
が与えられる。これとは反対に、空燃比がリーン空燃比
であると判定されている間は、空燃比フィードバック係
数FAFに対して、燃料噴射量を徐々に増量する値が与え
られ(増量の傾きKIR)、空燃比がリーンからリッチに
変わったときには、応答性向上を考慮して燃料噴射量を
スキップ的に減量するリーンスキップ値LSが与えられ
る。
【0040】空燃比フィードバック係数FAFの中央値は
1.0であり、この値である場合は基本燃料噴射量TPを補
正しない。空燃比フィードバック係数FAFに対して、こ
の中央値1.0よりも大きい値が与えられれば、空燃比フ
ィードバック制御においては、基本燃料噴射量TPよりも
多い燃料を噴射させようとする制御が行われることとな
る。なお、空燃比フィードバック制御によって基本燃料
噴射量TPよりも多い燃料を噴射させようとする制御が行
われても(FAF>1.0)、他の補正成分FASE,FWL,α,βに
よっては、最終的な燃料噴射量TAUが基本燃料噴射量TP
よりも少なくなる場合もあり得る。また、空燃比フィー
ドバック係数FAFは、その上限値が1.2、下限値が0.8で
ガードされている。
【0041】次に、空燃比制御のうち、始動直後のエン
ジン1の運転を安定させるために燃料の増量を行う増量
系制御の概要について簡単に説明する。
【0042】本実施形態のCNGを燃料とするエンジン1
は、ガソリンエンジンほどではないが始動直後に様々な
要因によって空燃比がリーン寄りになる場合があり、こ
れを理論空燃比に補正するために、始動後増量係数FASE
(<1.0)を用いて燃料の増量を行う増量系制御を行っ
て空燃比を補正することがある。また、エンジン1の始
動直後は、エンジン1の燃焼が緩慢となりやすいため、
エンジンの運転を安定させるために空燃比をリッチ寄り
にする場合もある。この場合は、暖機増量係数FWL(<
1.0)を用いて燃料の増量を行う増量系制御を行って空
燃比を補正する。
【0043】また、冷却水がブロックヒーターなどで暖
められていない通常時は、水温センサ24によって検出
された冷却水温に基づいて、始動後増量係数FASE及び暖
機増量係数FWLの各初期値が決定される。冷却水温が低
いほど、始動後増量係数FASE及び暖機増量係数FWLの各
初期値は大きい値となる。始動後増量係数FASE及び暖機
増量係数FWLは徐々に減衰され、それらの値が0となっ
たところで始動後増量係数FASE及び暖機増量係数FWLに
よる増量系制御はそれぞれ終了する。なお、暖機増量係
数FWLの初期値は、クランクポジションセンサ26によ
って検出されるエンジン回転数によって補正される場合
もある。
【0044】さらに、エンジン1の回転数を制御するア
イドルスピードコントロール制御のうち、始動直後のエ
ンジン1の運転状態を安定させるファーストアイドルア
ップ制御の概要について簡単に説明する。
【0045】アイドルスピードコントロール制御は、エ
ンジン1の回転数を目標回転数に一致させるべく行われ
る制御である。アイドルスピードコントロール制御は、
主としてアイドル時にエンジン1に供給する空気量を調
節することによって行われる。燃料噴射量は、吸入空気
量に応じて、上述した空燃比制御によって制御される。
エンジン1がアイドル状態にあるときは、スロットルバ
ルブ18は全閉状態となっているので、エンジン1に供
給される吸入空気はエアバイパス管19を経由して供給
される。エアバイパス管19を経由する吸入空気量は、
エアバイパスバルブ20によって調節される。吸入空気
量を増加させれば、エンジン回転数を上げることがで
き、吸入空気量を減少させることによって、エンジン回
転数を下げることができる。
【0046】エアバイパスバルブ20は、図3に示され
るように、所定時間毎(例えば、4ミリ秒毎)の制御DUTY
信号によって開閉され、この制御DUTY信号のDUTY比を可
変制御することで通過させる吸入空気量の調整を行って
いる。このDUTY比は、一回の所定時間(4ミリ秒)内で
エアバイパスバルブ20に対して開信号を送出する割合
(以下、出力DUTY比DOPと言う)として表される。出力D
UTY比DOPは、下記式(II)に基づいて算出される。 DOP=DTHW+γ・・・・(II) この出力DUTY比DOPによって、エンジン1の回転数を目
標回転数となるように制御する。ここで、DTHWは、ファ
ーストアイドルアップ制御を行うための水温補正項であ
る。γは、電気負荷補正やエンスト防止補正などの他の
補正成分である。
【0047】エンジン1の始動時は、燃焼が緩慢となり
やすくアイドル回転数が安定しなくなる傾向があり、最
悪の場合、エンジンストールが発生する。このようなこ
とを防止するため、上述した水温補正項DTHWを用いて、
始動後のエンジン回転数を高めに維持し、エンジン1が
暖機されるに従って高めに設定したエンジン回転数を徐
々に通常の回転数にまで減衰させることを行っている。
これが、ファーストアイドルアップ制御である。
【0048】水温補正項DTHWは、エンジン1の始動前に
冷却水が加熱されていない場合は、冷却水の温度によっ
て以下の〔表1〕のような値をとる。〔表1〕に示され
るように、水温補正項DTHWは、冷却水温の上昇と共に減
少し、冷却水が十分暖まったときにその値がゼロとなっ
てファーストアイドルアップ制御が終了する。
【0049】
【表1】
【0050】次に、上述した空燃比制御(空燃比フィー
ドバック制御・増量系制御)及びアイドルスピードコン
トロール制御(ファーストアイドルアップ制御)の概要
を踏まえて、本発明の車輌における各制御について詳し
く説明する。
【0051】まず、本実施形態の車輌における空燃比フ
ィードバック制御の一例について、図4を参照しつつ、
詳しく説明する。
【0052】空燃比フィードバック制御は、上述したよ
うに、エンジン1の始動後所定の開始条件が成立したと
きに開始される。ここでは、開始条件として上述した条
件〜が設定されており、条件〜の全てが成立し
たときに空燃比フィードバック制御が開始される。従
来、条件の始動後空燃比フィードバック禁止時間は、
15秒とされ、条件の冷却水温の所定温度は20℃とされ
ていた。このため、極低温下での始動時であっても、条
件が満たされた後に条件が満たされるまでにO2
ンサ22は充分に活性温度にまで達することができた。
【0053】これに対して、本実施形態の車輌において
は、更なる排気エミッションの低減を目的として、条件
の冷却水温の所定温度が-10℃とされている。冷却水
の所定温度を下げることによって、より早期に空燃比フ
ィードバック制御を開始し、排気エミッションのさらな
る低減を行うためである。しかし、極低温下の始動時
に、ブロックヒーター25などによって冷却水が加熱さ
れていると、冷却水温は直ぐに(あるいは既に)-10℃
に達するので、条件,の双方が満たされるまでにO
2センサ22が活性温度に達しない場合が危惧される。
【0054】O2センサ22が活性温度に達していない
うちに空燃比フィードバック制御を開始してしまうと、
制御開始直後に空燃比が荒れてしまう。そのため、本実
施形態の車輌においては、このような場合にO2センサ
22が活性温度に達すると思われるまでは空燃比フィー
ドバック制御を開始しないように、上述した開始条件を
変更する。具体的には、上述した始動後空燃比フィード
バック禁止時間を変更する。図4に示すフローチャート
に基づいて以下に説明する。
【0055】エンジン1が始動された(イグニッション
スイッチ31がオンとなった)直後に、以下の条件(1)
〜(4)が全て成立するか否かを判定する(ステップ10
0)。 (1)ガス温度〔あるいは外気温〕≦-20℃ (2)冷却水温≧(ガス温度〔あるいは外気温〕+10℃) (3)冷却水温≧(吸気温+10℃) (4)ブロックヒーターへの通電あり
【0056】条件(1)は、極低温化での始動であるか否
かを判定する。ここでは、ガス温度は、ガス温センサ6
によって検出される。CNGは内燃機関から独立した燃料
タンク内に充填されているため、ガス温度は車輌周辺の
温度とほぼ等しいと考えられる。即ち、冷却水が暖めら
れていてもガス温度はその影響をほとんど受けることが
なく、冷却水が加熱されているかどうかを検出する際に
好適に用いることができる。また、CNG車には、CNGの残
量を正確に検出するためにガス圧センサ(ガス圧検出手
段)とガス温センサ(ガス温検出手段)6とが配設され
ることが多いので、新たなセンサ類を追加することなく
対応することができる。また、ガス温センサ6に代え
て、外気温センサ(外気温検出手段)30の検出結果を
利用してもよい。
【0057】条件(2)〜(4)は、何れもブロックヒーター
25によって冷却水が加熱されているか否かを判定して
いる。上述したように、CNGはエンジン1から独立した
燃料タンク内に充填されており、ガス温度は車輌周辺の
温度とほぼ等しいと考えられるので、冷却水温が(ガス
温度〔あるいは外気温〕+10℃)よりも高い場合〔条件
(2)〕は、冷却水が加熱されて暖められていると考える
ことができる。また、吸気温も車輌周辺の温度とほぼ等
しいと考えられるので、冷却水温が(吸気温度+10℃)
よりも高い場合〔条件(3)〕も、冷却水が加熱されて暖
められていると考えることができる。
【0058】さらに、ブロックヒーター25に対して通
電されている場合〔条件(4)〕は、ブロックヒーター2
5によって冷却水が加熱されているということであるか
ら、やはりこの場合も冷却水が暖められていると考える
ことができる。なお、ブロックヒーター25を使用して
いるということは、車輌が極低温下に置かれていると推
定することも可能であるため、条件(4)を採用する際に
条件(1)を省略するようにしてもよい。ただし、両条件
を同時に採用した方が正確であるため好ましい。
【0059】ステップ100が肯定される場合は、冷却
水がエンジン1の始動前に暖められていると考えられる
ので、冷却水温から判断されるよりもO2センサ22自
体の温度は低いはずである。このため、O2センサ22
が空燃比フィードバック制御が開始される前に確実に活
性温度に達するように、始動後空燃比フィードバック禁
止時間を長め(90秒)に設定する(ステップ101)。
一方、ステップ100が否定される場合は、極低温時で
の始動でないか、極低温時でも冷却水がエンジン1の始
動前に暖められていないと考えられる。この場合は、始
動後空燃比フィードバック禁止時間を(15秒)に設定す
る(ステップ102)。
【0060】冷却水非加熱時で極低温下ではない始動時
には、エンジン1の始動時に空燃比フィードバック制御
の開始条件が成立していたとしても、開始条件にお
ける始動後空燃比フィードバック禁止時間15秒によっ
て、O2センサ22は活性温度に昇温される。一方、冷
却水非加熱時で極低温下での始動時には、冷却水が-10
℃となるまでにO2センサ22が活性温度に達する。な
お、ここでは、条件(2)〜(4)の全てを用いて判定を行っ
ているが、何れかの一条件のみで冷却水が暖められてい
るか否かを判定してもよく、あるいは、任意の二条件に
よって判定してもよい。このように、条件(2)〜(4)の全
てを用いて判定を行えば、より正確に判断することがで
きる。
【0061】このように、エンジン1の始動前にブロッ
クヒーター25によって冷却水を加熱しておくことによ
って、低温下での冷間始動時の始動性向上及び始動直後
の運転状態向上をはかることができる。また、エンジン
1の始動時にブロックヒーター25によって冷却水が暖
められていても、上述した条件(2)〜(4)を用いた判定に
応じて空燃比フィードバック制御の開始条件(ここでは
始動後空燃比フィードバック禁止時間)を変更するの
で、空燃比フィードバック制御を精度よく行うことがで
き、低温下での冷間始動時などにおいても排気エミッシ
ョンの低減を効果的に行うことができる。
【0062】次に、本実施形態の車輌における空燃比フ
ィードバック制御の他の例について、図5を参照しつつ
説明する。
【0063】なお、図5に示されるフローチャートは、
図4に示されるフローチャートとはステップ100に相
当するステップが異なるだけである。このため、以下に
はこのステップについてのみ詳しく説明し、その他の説
明は省略する。
【0064】エンジン1が始動された(イグニッション
スイッチ31がオンとなった)直後に、以下の条件(4)
及び(5)が同時に成立するか否かを判定する(ステップ
103)。 (4)ブロックヒーターへの通電あり (5)冷却水温≧(潤滑油温+10℃) 条件(4)は上述したとおりである。条件(5)も、ブロック
ヒーター25によって冷却水が加熱されているか否かを
判定している。潤滑油はエンジン1の底部のオイルパン
(ドライサンプ式の場合は別体式タンク)に貯留されて
おり、冷却水が暖められていても、その影響を受けにく
い。このため、潤滑油温は車輌周辺の温度とほぼ等しい
とみなせるので、冷却水温が(潤滑油温+10℃)よりも
高い場合〔条件(5)〕は、冷却水が加熱されて暖められ
ていると考えることができる。
【0065】ステップ103が肯定される場合は、始動
後空燃比フィードバック禁止時間を長め(90秒)に設定
し、ステップ100が否定される場合は、始動後空燃比
フィードバック禁止時間を(15秒)に設定する。このよ
うにしても、空燃比フィードバック制御を精度よく行う
ことができ、低温下での冷間始動時などにおいても排気
エミッションの低減を効果的に行うことができる。
【0066】次に、本実施形態の車輌におけるファース
トアイドルアップ制御の一例について、図6を参照しつ
つ、詳しく説明する。
【0067】ファーストアイドルアップ制御は、上述し
たように、エンジン1の始動直後にエンジン回転数を上
昇させて、エンジン1の運転を安定化させる。そして、
その制御量(エンジン回転数の増分)は、〔表1〕に示
されるように、通常は冷却水温に応じて決定される。し
かし、極低温下の始動時に、ブロックヒーター25など
によって冷却水が加熱されている場合に〔表1〕に従っ
てファーストアイドルアップ制御を行うと、潤滑油の温
度は低いままであるため潤滑油の粘度が高く、フリクシ
ョンが大きめになる。この結果、エンジン回転数を目標
回転数にまで上げることができないことが危惧される。
【0068】そのため、本実施形態の車輌においては、
エンジン1の始動前に冷却水が暖められているような場
合には、ファーストアイドルアップ制御の制御量を変更
する。具体的には、ブロックヒーター25によって冷却
水が暖められている場合は、上述した〔表1〕に示され
るマップに代えて、以下の〔表2〕(あるいは〔表
3〕)に示されるマップを用いて、ファーストアイドル
アップ制御の制御量を変更する。
【0069】
【表2】
【表3】
【0070】図6に示すフローチャートに基づいて以下
に説明する。なお、図6に示されるフローチャートは、
図5に示されるフローチャートとステップ103までの
ステップが全く同一である。このため、以下にはステッ
プ103以降のステップについてのみ詳しく説明し、そ
の他の説明は省略する。また、図6に示されるフローチ
ャートにおいて、そのステップ103に代えて図4に示
されるフローチャートのステップ100を採用してもよ
い。
【0071】ステップ103が肯定される場合は、冷却
水がエンジン1の始動前に暖められていると考えられる
ので、冷却水温から判断されるよりも潤滑油の温度は低
く、その粘度は高いはずである。このため、〔表2〕に
示されるように、冷却水温に対する水温補正項DTHWを通
常時よりも高くなるように変更する(ステップ10
4)。ここでは、冷却水温が-30℃〜0℃の間は通常に対
して+10%、冷却水温が10℃のときは通常に対して+6
%、冷却水温が20℃のときは通常に対して+5%、冷却水
温が30℃〜40℃のときは通常に対して+3%としてある。
一方、ステップ103が否定される場合は、極低温時で
の始動でないか、極低温時でも冷却水がエンジン1の始
動前に暖められていないと考えられる。この場合は、
〔表1〕に示される通常時のマップに従って、水温補正
項DTHWが設定される(ステップ105)。
【0072】上述した〔表2〕に示されるマップは、冷
却水温に対する水温補正項DTHWの制御量を増加させるも
のであった。しかし、〔表2〕に示されるマップに代え
て、〔表3〕に示されるマップを用いることも考えられ
る。〔表3〕に示されるマップは、冷却水がエンジン1
の始動前に暖められている場合は、水温補正項DTHWを潤
滑油の油温に応じて決定するものである。
【0073】このように、エンジン1の始動前にブロッ
クヒーター25によって冷却水を加熱しておくことによ
って、低温下での冷間始動時の始動性向上及び始動直後
の運転状態向上をはかることができる。また、エンジン
1の始動時にブロックヒーター25によって冷却水が暖
められていても、上述した条件(4)及び(5)〔あるいは、
条件(2)〜(4)〕を用いた判定に応じてファーストアイド
ルアップ制御の制御量(ここでは、水温補正項DTHW)を
変更するので、ファーストアイドルアップ制御を精度よ
く行うことができ、低温下での冷間始動直後などにおい
てもエンジン1を安定的に運転することができる。
【0074】次に、本実施形態の車輌における増量系制
御の一例について、図7を参照しつつ、詳しく説明す
る。
【0075】増量系制御は、上述したように、エンジン
1の始動直後にエンジン1に供給する燃料を増量して燃
焼に寄与する空燃比を理論空燃比とし、エンジン1の運
転を安定化させる。そして、その補正量は、通常は上述
したように冷却水温に応じて決定される。しかし、ブロ
ックヒーター25などによって冷却水が加熱されている
場合に冷却水温に従って増量系制御を行うと、潤滑油の
温度は低いままであるため、潤滑油の粘度が高くフリク
ションが大きめになる。この結果、エンジン1の運転状
態が安定しなかったり、空燃比を目標空燃比に制御でき
ない(あるいは目標空燃比になるまで時間がかかる)と
いうことが危惧される。
【0076】そのため、本実施形態の車輌においては、
エンジン1の始動前に冷却水が暖められているような場
合には、増量系制御の補正量〔上述した式(I)の始動後
増量係数FASEや暖機増量係数FWL〕を変更する。具体的
には、通常は、冷却水温-増量系補正量マップを用い、
ブロックヒーター25によって冷却水が暖められている
場合は、潤滑油温-増量系補正量マップを用いる。図7
に示すフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0077】なお、図7に示されるフローチャートは、
図5に示されるフローチャートとステップ103までの
ステップが全く同一である。このため、以下にはステッ
プ103以降のステップについてのみ詳しく説明し、そ
の他の説明は省略する。また、図7に示されるフローチ
ャートにおいても、そのステップ103に代えて図4に
示されるフローチャートのステップ100を採用しても
よい。
【0078】ステップ103が肯定される場合は、冷却
水がエンジン1の始動前に暖められていると考えられる
ので、冷却水温から判断されるよりも潤滑油の温度は低
く、その粘度は高いはずである。この場合は、潤滑油温
-増量系補正量マップ〔水温加熱時の増量系マップ〕を
用いて補正量を通常時の補正量から変更する(ステップ
106)。一方、ステップ103が否定される場合は、
極低温時での始動でないか、極低温時でも冷却水がエン
ジン1の始動前に暖められていないと考えられるので、
冷却水温-増量系補正量マップ〔通常時の増量系マッ
プ〕を用いて補正量を決定する(ステップ107)。
【0079】また、上述した実施形態の車輌はCNG車で
あったが、ガソリンエンジン車などにおいても、増量系
制御を行うので、ガソリンエンジン車に対しても当然適
用することができる。例えば、ガソリンエンジン車にお
ける増量系制御としては、エンジン始動直後に供給され
るガソリンが低温の吸気ポート内壁やシリンダ内壁に付
着し蒸発が促進されないため、その分空燃比がリーンに
なる。この吸気管内壁やシリンダ内壁への付着燃料分を
補償するために増量系制御が行われる。
【0080】このように、エンジン1の始動前にブロッ
クヒーター25によって冷却水を加熱しておくことによ
って、低温下での冷間始動時の始動性向上及び始動直後
の運転状態向上をはかることができる。また、エンジン
1の始動時にブロックヒーター25によって冷却水が暖
められていても、上述した条件(4)及び(5)〔あるいは、
条件(2)〜(4)〕を用いた判定に応じて増量系制御の補正
量を変更するので、増量系制御を精度よく行うことがで
き、低温下での冷間始動直後などにおいてもエンジン1
を安定的に運転することができる。
【0081】なお、本発明の車輌は、上述した実施形態
に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態
においては、冷却水加熱手段として外部電源によって発
熱するブロックヒーター(電気式ヒーター)25を用い
たが、燃焼式ヒーターなどの他の加熱手段であってもよ
い。また、上述した実施形態の車輌はCNG車であった
が、水温加熱手段を有している車輌であれば、CNG車以
外のガソリンエンジン車などの他の形式の車輌に対して
も適用が可能である。
【0082】
【発明の効果】第一発明の車輌は、内燃機関と、車輌外
部から供給されるエネルギーによって冷却水を加熱する
冷却水加熱手段と、内燃機関の空燃比が目標空燃比とな
るように空燃比フィードバック制御を行う空燃比制御手
段と、内燃機関の始動時に冷却水加熱手段によって冷却
水が加熱されているかどうかを検出する加熱検出手段
と、加熱検出手段によって冷却水が加熱されていること
が検出されたときに、空燃比制御手段による空燃比フィ
ードバック制御の開始条件を変更する開始条件変更手段
とを備えているので、空燃比フィードバック制御を正確
に行うことができる。
【0083】第二発明の車輌は、内燃機関と、車輌外部
から供給されるエネルギーによって冷却水を加熱する冷
却水加熱手段と、内燃機関の始動直後の運転状態を安定
させるためにファーストアイドルアップ制御を行うアイ
ドルスピードコントロール手段と、内燃機関の始動時に
冷却水加熱手段によって冷却水が加熱されているかどう
かを検出する加熱検出手段と、加熱検出手段によって冷
却水が加熱されていることが検出されたときに、アイド
ルスピードコントロール手段によるファーストアイドル
アップ制御の制御量を変更する制御量変更手段とを備え
ているので、ファーストアイドルアップ制御を正確に行
うことができる。
【0084】第三発明の車輌は、内燃機関と、車輌外部
から供給されるエネルギーによって冷却水を加熱する冷
却水加熱手段と、内燃機関の始動直後に内燃機関に供給
する燃料を増量して空燃比の増量系制御を行う空燃比制
御手段と、内燃機関の始動時に冷却水加熱手段によって
冷却水が加熱されているかどうかを検出する加熱検出手
段と、加熱検出手段によって冷却水が加熱されているこ
とが検出されたときに、空燃比制御手段による増量系制
御の補正量を変更する補正量変更手段とを備えているの
で、空燃比の増量系制御を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車輌の一実施形態の構成(内燃機関周
辺)を示す構成図である。
【図2】空燃比フィードバック制御の概要を説明するタ
イミングチャートである。
【図3】アイドルスピードコントロール制御の概要を示
すタイミングチャートである。
【図4】第一発明の一実施形態での空燃比フィードバッ
ク制御における始動後空燃比フィードバック禁止時間を
決定(変更)するフローチャートである。
【図5】第一発明の他の実施形態での空燃比フィードバ
ック制御における始動後空燃比フィードバック禁止時間
を決定(変更)するフローチャートである。
【図6】第二発明の一実施形態でのファーストアイドル
アップ制御における制御量を決定(変更)するフローチ
ャートである。
【図7】第三発明の一実施形態での空燃比の増量系制御
における補正量を決定(変更)するフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、6…ガス温センサ(ガス温
度検出手段)、17…吸気温センサ(加熱検出手段)、
19…エアバイパス管(アイドルスピードコントロール
手段)、20…エアバイパスバルブ(アイドルスピード
コントロール手段)、22…O2センサ(空燃比検出手
段)、24…水温センサ(加熱検出手段)、25…ブロ
ックヒーター(冷却水加熱手段、加熱検出手段)、28
…油温(加熱検出手段)、29…ECU(空燃比制御手
段、加熱検出手段、開始条件変更手段、アイドルスピー
ドコントロール手段、制御量変更手段、補正量変更手
段)、30…外気温センサ(加熱検出手段)、31…イ
グニッションスイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G301 HA01 HA22 JA21 JB09 KA01 KA05 KA07 LA04 MA01 MA11 NA08 NB11 NC08 ND01 ND12 ND13 NE01 NE17 NE19 NE23 PA07Z PA10Z PA14Z PA15A PB01Z PD03A PD09A PE01Z PE03Z PE04Z PE08Z PF13Z PF16Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関と、 車輌外部から供給されるエネルギーによって冷却水を加
    熱する冷却水加熱手段と、 前記内燃機関の空燃比が目標空燃比となるように空燃比
    フィードバック制御を行う空燃比制御手段と、 前記内燃機関の始動時に前記冷却水加熱手段によって冷
    却水が加熱されているかどうかを検出する加熱検出手段
    と、 前記加熱検出手段によって冷却水が加熱されていること
    が検出されたときに、前記空燃比制御手段による空燃比
    フィードバック制御の開始条件を変更する開始条件変更
    手段とを備えていることを特徴とする車輌。
  2. 【請求項2】 前記開始条件変更手段によって変更され
    る空燃比フィードバック制御の開始条件が、始動後空燃
    比フィードバック禁止時間であり、 前記開始条件変更手段は、前記加熱検出手段によって冷
    却水が加熱されていることが検出されたときに、始動後
    空燃比フィードバック禁止時間を延長することを特徴と
    する請求項1に記載の車輌。
  3. 【請求項3】 内燃機関と、 車輌外部から供給されるエネルギーによって冷却水を加
    熱する冷却水加熱手段と、 前記内燃機関の始動直後の運転状態を安定させるために
    ファーストアイドルアップ制御を行うアイドルスピード
    コントロール手段と、 前記内燃機関の始動時に前記冷却水加熱手段によって冷
    却水が加熱されているかどうかを検出する加熱検出手段
    と、 前記加熱検出手段によって冷却水が加熱されていること
    が検出されたときに、前記アイドルスピードコントロー
    ル手段によるファーストアイドルアップ制御の制御量を
    変更する制御量変更手段とを備えていることを特徴とす
    る車輌。
  4. 【請求項4】 内燃機関と、 車輌外部から供給されるエネルギーによって冷却水を加
    熱する冷却水加熱手段と、 前記内燃機関の始動直後に前記内燃機関に供給する燃料
    を増量して空燃比の増量系制御を行う空燃比制御手段
    と、 前記内燃機関の始動時に前記冷却水加熱手段によって冷
    却水が加熱されているかどうかを検出する加熱検出手段
    と、 前記加熱検出手段によって冷却水が加熱されていること
    が検出されたときに、前記空燃比制御手段による増量系
    制御の補正量を変更する補正量変更手段とを備えている
    ことを特徴とする車輌。
  5. 【請求項5】 前記冷却水加熱手段が、エンジンブロッ
    クの冷却水路上に配設された電気式ヒーターであり、 前記加熱検出手段が、前記電気式ヒーターへの通電状況
    に基づいて、冷却水が加熱されているかどうかを検出す
    ることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の車
    輌。
  6. 【請求項6】 吸入空気の温度を検出する吸気温検出手
    段と、冷却水の温度を検出する水温検出手段とを備え、 前記加熱検出手段が、前記吸気温検出手段によって検出
    される吸気温度と前記水温検出手段によって検出される
    冷却水温とに基づいて、冷却水が加熱されているかどう
    かを検出することを特徴とする請求項1〜5の何れかに
    記載の車輌。
  7. 【請求項7】 潤滑油の温度を検出する油温検出手段
    と、冷却水の温度を検出する水温検出手段とを備え、 前記加熱検出手段が、前記油温検出手段によって検出さ
    れる潤滑油温度と前記水温検出手段によって検出される
    冷却水温とに基づいて、冷却水が加熱されているかどう
    かを検出することを特徴とする請求項1〜6の何れかに
    記載の車輌。
  8. 【請求項8】 外気温を検出する外気温検出手段と、冷
    却水の温度を検出する水温検出手段とを備え、 前記加熱検出手段が、前記外気温検出手段によって検出
    される外気温と前記水温検出手段によって検出される冷
    却水温とに基づいて、冷却水が加熱されているかどうか
    を検出することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記
    載の車輌。
  9. 【請求項9】 前記内燃機関が、圧縮天然ガスエンジン
    であり、 圧縮天然ガスを充填する燃料タンク内に圧縮天然ガスの
    温度を検出するガス温度検出手段と、冷却水の温度を検
    出する水温検出手段とを備え、 前記加熱検出手段が、前記ガス温度検出手段によって検
    出されるガス温度と前記水温検出手段によって検出され
    る冷却水温とに基づいて、冷却水が加熱されているかど
    うかを検出することを特徴とする請求項1〜8の何れか
    に記載の車輌。
JP11122222A 1999-04-28 1999-04-28 車 輌 Withdrawn JP2000310141A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11122222A JP2000310141A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 車 輌

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11122222A JP2000310141A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 車 輌

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000310141A true JP2000310141A (ja) 2000-11-07

Family

ID=14830590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11122222A Withdrawn JP2000310141A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 車 輌

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000310141A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002364433A (ja) * 2001-06-08 2002-12-18 Yamaha Motor Co Ltd エンジンのアイドル回転速度制御装置
JP2006299858A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2008157186A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Nissan Motor Co Ltd オイル温度推定装置及びオイル温度推定方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002364433A (ja) * 2001-06-08 2002-12-18 Yamaha Motor Co Ltd エンジンのアイドル回転速度制御装置
JP2006299858A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP4548193B2 (ja) * 2005-04-18 2010-09-22 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP2008157186A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Nissan Motor Co Ltd オイル温度推定装置及びオイル温度推定方法
JP4692478B2 (ja) * 2006-12-26 2011-06-01 日産自動車株式会社 オイル温度推定装置及びオイル温度推定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6781098B2 (en) Heater controller for an oxygen sensor
US6647948B2 (en) Fuel injection control apparatus and fuel injection control method for direct injection engine
EP2027380B1 (en) Control apparatus and method for internal combustion engine and fuel property determining apparatus and method
EP1789668B1 (en) A control system for controlling a dual fuel injector per cylinder fuel system during engine start
US8746211B2 (en) Control apparatus and control method for internal combustion engine
US7163002B1 (en) Fuel injection system and method
US6588409B2 (en) Engine cold start fuel control method having low volatility fuel detection and compensation
US5690075A (en) Method of and apparatus for controlling fuel injection in internal combustion engine
JP4760554B2 (ja) 内燃機関の制御システム
KR100629673B1 (ko) 엔진의 연료 공급 장치
US6647949B2 (en) Control apparatus and control method for direct injection engine
US6729305B2 (en) Fuel injection amount control apparatus and method for internal combustion engine
JP2000310141A (ja) 車 輌
JPH11210557A (ja) エンジンの液化ガス燃料供給装置
JPH02271042A (ja) エンジンの加速燃料制御装置
JP4211455B2 (ja) 内燃機関の制御装置
EP1995438B1 (en) Method of controlling a fuel pump for a fuel injection
JPH06317228A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
KR100401624B1 (ko) 재시동시 연료량 보정 방법
JP2000179379A (ja) 特に自動車の内燃機関のための燃料供給システム及び該燃料供給システムを運転するための方法
JP2003343318A (ja) 内燃機関の排気ガス浄化制御装置
JPH0742584A (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP3591046B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JPS6232246A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2008309035A (ja) 内燃機関制御装置及び内燃機関制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20040120