JP2000309230A - 車両用電動式駆動装置 - Google Patents

車両用電動式駆動装置

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JP2000309230A
JP2000309230A JP11156377A JP15637799A JP2000309230A JP 2000309230 A JP2000309230 A JP 2000309230A JP 11156377 A JP11156377 A JP 11156377A JP 15637799 A JP15637799 A JP 15637799A JP 2000309230 A JP2000309230 A JP 2000309230A
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electric motor
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健太郎 新井
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  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エンジンで駆動されない左右の従動輪間に設
ける電動式駆動装置であって、ドグクラッチの切換ミス
により動力伝達機構がモータトルクを左右の従動輪に駆
動力として伝達する状態に保持されたまま旋回アシスト
制御が行われることを防止する。 【解決手段】 車速VRが発進アシスト制御を完了する
第1の所定値VS1より高く設定した第2の所定値VS
2以上になるまで旋回アシスト制御の実行を禁止する。
VS2とこれより高く設定した第3の所定値VS3との
間でVRの増加に伴い0から1まで増加する車速係数K
を設定し、旋回アシストモーメントの目標値MAをKを
乗算したものに書き換えて、加速旋回中にVR≧VS2
になって旋回アシスト制御が開始されたとき、VS2か
らVS3に加速されるまでの間に旋回アシストモーメン
トがMAに向けて徐々に増加されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前輪と後輪との一
方をエンジンで駆動される駆動輪、他方を従動輪とする
車両の左右の従動輪間に設ける車両用電動式駆動装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電動式駆動装置として、
特開平9−79347号公報や特開平9−79348号
公報に見られるように、電動モータと、電動モータの出
力トルクを左右の従動輪に共に駆動力として伝達する第
1の状態と、電動モータの出力トルクを左右の従動輪の
一方に駆動力、他方に制動力として伝達する第2の状態
とに切換自在な動力伝達機構と、動力伝達機構を第1の
状態と第2の状態とに切換える、ソレノイドで切換動作
されるドグクラッチとを備え、車両の発進時に、動力伝
達機構を第1の状態に切換えて電動モータを駆動するこ
とにより左右の従動輪を駆動して発進をアシストする発
進アシスト制御を行い、発進後に動力伝達機構を第2の
状態に切換え、車両の旋回時に動力伝達機構を第2の状
態に保持したまま電動モータを駆動することにより旋回
外輪側の従動輪に駆動力、内輪側の従動輪に制動力を付
与して旋回をアシストする旋回アシスト制御を行うもの
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のもので
は、発進アシスト制御に引続いて旋回アシスト制御が実
行されることがある。この場合、ドグクラッチのソレノ
イドへの通電を停止して、動力伝達機構を第1の状態か
ら第2の状態に切換えようとしても、旋回アシスト制御
による電動モータの駆動でドグクラッチに電動モータか
らのトルクが作用して、ドグクラッチの歯側面間の摩擦
によりドグクラッチが従前の状態にセルフロックされ、
動力伝達機構が第1の状態に保持されたまま旋回アシス
ト制御が行われて、車両の挙動に悪影響が及ぶことがあ
ると共に電動モータが破損するおそれがある。
【0004】本発明は、以上の点に鑑み、動力伝達機構
が第1の状態に保持されたまま旋回アシスト制御が行わ
れることを防止できるようにした装置を提供することを
課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明は、前輪と後輪との一方をエンジンで駆動される
駆動輪、他方を従動輪とする車両の左右の従動輪間に設
ける車両用電動式駆動装置であって、電動モータと、電
動モータの出力トルクを左右の従動輪に共に駆動力とし
て伝達する第1の状態と、電動モータの出力トルクを左
右の従動輪の一方に駆動力、他方に制動力として伝達す
る第2の状態とに切換自在な動力伝達機構と、動力伝達
機構を第1の状態と第2の状態とに切換える、ソレノイ
ドで切換動作されるドグクラッチとを備え、車両の発進
時に、動力伝達機構を第1の状態に切換えて電動モータ
を駆動することにより左右の従動輪を駆動して発進をア
シストする発進アシスト制御を行い、発進後に動力伝達
伝達機構を第2の状態に切換え、車両の旋回時に動力伝
達機構を第2の状態に保持したまま電動モータを駆動す
ることにより旋回外輪側の従動輪に駆動力、内輪側の従
動輪に制動力を付与して旋回をアシストする旋回アシス
ト制御を行うものにおいて、発進アシスト制御の完了直
後の旋回アシスト制御の実行を禁止する禁止手段を設け
ている。
【0006】本発明によれば、発進アシスト制御の完了
から旋回アシスト制御の開始までの間の期間が確保さ
れ、この期間内にドグクラッチがトルクを受けることな
く確実に切換動作され、かくて、動力伝達機構が第1の
状態に保持されたまま旋回アシスト制御が行われること
を防止できる。
【0007】尚、発進アシスト制御の完了時点から所定
時間経過するまで旋回アシスト制御の実行を禁止するこ
とも可能であるが、車速が発進アシスト制御を完了する
第1の所定値よりも高く設定した第2の所定値以上にな
るまで旋回アシスト制御の実行を禁止するようにしても
良い。
【0008】ところで、上記の如く禁止手段を設ける
と、旋回途中で旋回アシスト制御が開始されて、外輪側
従動輪に駆動力、内輪側従動輪に制動力が急に付与さ
れ、車両挙動にショックを生ずる可能性がある。
【0009】そのため、旋回アシスト制御が開始された
ときに、電動モータの出力トルクを徐々に立上げるトル
ク漸増手段を設け、車両挙動にショックを与えないよう
にすることが望ましい。
【0010】この場合、電動モータの出力トルクを経時
的に漸増することも可能であるが、旋回アシスト制御の
実行を車速が前記第2の所定値以上になるまで禁止する
場合には、第2の所定値とこれより高く設定した第3の
所定値との間で車速の増加に伴い電動モータの出力トル
クを漸増するようにしても良い。
【0011】尚、後記する実施形態で上記禁止手段に相
当するのは、図4のS17のステップからS212のス
テップまでの処理であり、上記トルク漸増手段に相当す
るのは、図4のS23のステップからS25のステップ
までの処理である。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、エンジン1により変速機
2を介して左右の前輪3L,3Rを駆動する前輪駆動車
両を示しており、従動輪たる左右の後輪4L,4R間に
電動式駆動装置5を設けている。
【0013】電動式駆動装置5は、図2に示す如く、ギ
アケース6に取付けた左右1対の電動モータ7L,7R
と、ギアケース6内の動力伝達機構たる左右1対の差動
装置8L,8Rとを備えている。
【0014】各電動モータ7L,7Rは、ロータ7aと
ステータ7bとブラシ7cとを有するDCブラシモータ
で構成されており、各電動モータ7L,7Rの出力軸7
dに減速ギア列9L,9Rを連結している。
【0015】各差動装置8L,8Rは、サンギア8a
と、リングギア8bと、該両ギア8a,8bに噛合する
プラネタリピニオン8cを担持するキャリア8dとを有
する遊星歯車式差動装置で構成されており、各差動装置
8L,8Rのサンギア8aを前記各減速ギア列9L,9
Rに連結すると共に、各差動装置8L,8Rのキャリア
8dを各後輪4L,4Rの車軸に等速ジョイント10を
介して連結している。また、左右の差動装置8L,8R
のリングギア8b,8b同士を連結し、リングギア8b
の回転をブレーキ手段11で拘束し得るようにしてい
る。
【0016】ブレーキ手段11は、リングギア8bの外
周にスプライン係合させた可動ドグ110と、可動ドグ
110に対し軸方向に対向させてギアケース6内に固定
した固定ドグ111とから成るドグクラッチで構成され
ており、可動ドグ110の一端(左端)のドグ歯110
aを固定ドグ111のドグ歯111aに係合させること
でブレーキ手段11がオンしてリングギア8bの回転が
拘束される。そして、可動ドグ110を固定ドグ111
に向けて軸方向に進退するソレノイド112を設け、ソ
レノイド112によってブレーキ手段11をオンオフ操
作するようにしている。
【0017】ソレノイド112は、そのコイル112a
への通電でばね112bに抗して軸方向一方(左方)に
移動されるロッド112cを備えており、ロッド112
cに可動ドグ110に係合するフォーク112dを取付
けて、可動ドグ110をロッド112cと一体に軸方向
に進退させるようにしている。
【0018】電動モータ7L,7Rとソレノイド112
とは、図3に示す如く、左右の各前輪3L,3Rの回転
速度VFL,VFRを検出する左右の前輪速度センサ1
2L,12Rと、左右の各後輪4L,4Rの回転速度V
RL,VRRを検出する左右の後輪速度センサ13L,
13Rと、ブレーキスイッチ14と、アクセルスイッチ
15と、エンジン1の回転数NEを検出するセンサ16
と、エンジン1のスロットル開度θを検出するセンサ1
7と、変速機2のシフトポジションセンサ18と、車両
に作用している前後方向加速度を検出する前後Gセンサ
19と、車両に作用している横方向加速度を検出する横
Gセンサ20とからの信号を入力するコントローラ21
により制御されるようになっており、コントローラ21
で発進アシスト制御と旋回アシスト制御とを行う。
【0019】その詳細は図4に示す通りであり、ブレー
キスイッチ14がオフ(S1)、アクセルスイッチ15
がオン(S2)、変速機2が非ニュートラル状態(S
3)、平均後輪速度VR(=(VRL+VRR)/2)
が発進判断の基準となる第1の所定値VS1(例えば1
1Km/h)未満(S4)という4条件が成立したとき
に発進時と判断し、発進時と判断されたときは、発進ア
シストフラグFが「1」にセットされているか否かを判
別し(S5)、F=0であれば、平均前輪速度VF(=
(VFL+VFR)/2)と平均後輪速度VRとの差△
Vが所定の基準値△VS以上か否かを判別する(S
6)。△V≧△VSであれば前輪3L,3Rがスリップ
していると判断して、発進アシストフラグFを「1」に
セットし(S7)、次に、ソレノイド112に通電して
ブレーキ手段11をオンすると共に(S8)、電動モー
タ7L,7Rを正転方向(前進時)はたは逆転方向(後
進時)に駆動する。これによれば、各電動モータ7L,
7Rの出力トルクが各減速ギア列9L,9Rと各差動装
置8L,8Rとを介して各後輪4L,4Rに駆動力とし
て伝達され、後輪4L,4Rが駆動されて発進がアシス
トされる。
【0020】ところで、発進アシストに際しては、後輪
4L,4Rがスリップしないように電動モータ7L,7
Rの出力トルクを制御することが望まれる、そこで、本
実施形態では、左右の各後輪4L,4Rの角加速度dV
RL,dVRRを後輪速度センサ13L,13Rの信号
変化に基づいて算出し、dVRL,dVRRがスリップ
の判別基準となる第1設定値dVRS1(車速換算で例
えば0.8G,Gは重力加速度)以上であるか否かを判
別し(S91,S92)、dVRL,dVRRがdVRS
1未満であれば、dVRL,dVRRがグリップ回復の
判別基準となる第2設定値dVRS2(車速換算で例え
ば0.4G)以下であるか否かを判別する(S101
S102)。dVRL,dVRRがdVRS2以下であ
れば、左右の各後輪4L,4Rのスリップ判別フラグF
LS,FRSを「0」にリセットし(S111,S1
2)、左右の各電動モータ7L,7Rの出力トルクの
目標値を高目の設定値TH(例えば40kgfm)にす
る(S121,S122)。一方、dVRL,dVRRが
dVRS1以上になったときは、FLS,FRSを
「1」にセットし(S131,S132)、各電動モータ
7L,7Rの出力トルクの目標値を低目の設定値TL
(例えば10kgfm)にする(S141,S142)。
また、dVRS2<dVRL,dVRR<dVRS1で
あるときは、FLS,FRSが「1」にセットされてい
るか否かを判別し(S151,S152)、FLS,FR
S=1であればS141,S142のステップに進み、F
LS,FRS=0であれば、S121,S122のステッ
プに進む。このようにして、目標値を設定した後、各電
動モータ7L,7Rをその出力トルクが目標値になるよ
うに駆動制御する(S161,S162)。
【0021】かくて、dVRL,dVRRがdVRS1
以上になるまで、即ち、各後輪4L,4Rがスリップす
るまで、各電動モータ7L,7Rの出力トルクはTHに
維持され、各後輪4L,4Rが一旦スリップすると、d
VRL,dVRRがdVRS2以下になるまで、即ち、
各後輪4L,4Rのグリップが回復するまで、各電動モ
ータ7L,7Rの出力トルクはTLに低下される。尚、
目標値は図5に点線で示す如くステップ状に変化する
が、そのままモータ電流をステップ状に変化させると、
急激なトルク変化によるショックが発生するため、出力
トルクが図5に実線で示す如く目標値に向けて徐々に変
化するように各電動モータ7L,7Rを制御する。
【0022】VR≧VS1となって発進完了と判断した
ときや、発進時であってもS6のステップで△V<△V
Sと判定されたときは、発進アシストフラグFを「0」
にリセットすると共に(S17)、ソレノイド112へ
の通電を停止してブレーキ手段11をオフし(S1
8)、次に、VRがVS1より高く設定した第2の所定
値VS2(例えば20km/h)以上になったか否かを
別し(S19)、VR<VS2であれば、各後輪4L,
4Rのスリップ判別フラグFLS,FRSを「0」にリ
セットすると共に、(S201,S202)、各電動モー
タ7L,7Rの駆動を停止する(S211,S212)。
ブレーキ手段11をオフしてリングギア8bの拘束を解
除すると、リングギア8bが差動装置8L,8Rのキャ
リア8dと同方向に空転し、左右の後輪4L,4R間の
差回転を生じない限り差動装置8L,8Rのサンギア8
aは回転せず、電動モータ7L,7Rの後輪4L,4R
側からの逆駆動は生じない。
【0023】VR≧VS2になったときは、車両に作用
している前後方向加速度と、エンジン回転数NEと、ス
ロットル開度θと、変速機2の変速比とから前輪3L,
3Rの駆動力を算出し、この前輪駆動力と車両に作用し
ている横方向加速度とをパラメータとして図6に示す如
く設定されている旋回アシストモーメントの目標値MA
をマップ検索で算出する(S22)。尚、この目標値M
Aは、横方向加速度が零となる直進時に零になり、横方
向加速度及び前輪駆動力の増加に伴い増加するように設
定されている。
【0024】旋回アシストモーメントが要求されたとき
は、ブレーキ手段11をオフしたまま左右の電動モータ
7L,7Rのうち外輪側の電動モータを正転させると共
に内輪側の電動モータを逆転させる。例えば、右旋回時
には、左側の電動モータ7Lを正転させると共に右側の
電動モータ7Rを逆転させる。これによれば、左側の差
動装置8Lのサンギア8aが正転されてそのキャリア7
dがリングギア7bに対し正転されると共に、右側の差
動装置8Rのサンギア8aが逆転されてそのキャリア8
dがリングギア8bに対し逆転される。この場合、左側
の差動装置8Lのリングギア8bには逆転方向の反力が
作用し、右側の差動装置8Rのリングギア8bには正転
方向の反力が作用するが、両リングギア8b,8bは互
に連結されているため、両反力は打消される。従って、
リングギア8bの回転速度を基準にして、左側の差動装
置8Lのキャリア8d、即ち、左後輪4Lが増速され、
右側の差動装置8Rのキャリア8d、即ち、右後輪4R
が減速される。かくて、外輪たる左後輪4Lに駆動力、
内輪たる右後輪4Rに制動力が付与されて右旋回方向へ
のヨーモメントが発生し、旋回がアシストされる。
【0025】ここで、発進アシスト制御に引続いて旋回
アシスト制御が行われると、ソレノイド112への通電
を停止しても、旋回アシストのための左右の電動モータ
7L,7Rの駆動でブレーキ手段11にトルクが作用
し、このトルクにより可動ドグ110及び固定ドグ11
1のドグ歯110a,111aの歯側面同士が圧接し、
歯側面間の摩擦により可動ドグ110がばね112bの
付勢力では固定ドグ111から離脱不能となり、ブレー
キ手段11がオンのままになってしまう。然し、本実施
形態では、VR≧VS1になって発進アシスト制御が完
了してからVRがVS2に上昇するまで旋回アシスト制
御は実行されず、その間にブレーキ手段11は確実にオ
フされ、従って、ブレーキ手段11がオンのまま旋回ア
シスト制御が実行されることを防止できる。
【0026】尚、旋回アシスト制御の開始当初から、S
22のステップで算出した目標値MAの旋回アシストモ
ーメントが得られるように電動モータ7L,7Rの出力
トルクを立上げると、旋回加速中にVR≧VS2になっ
たところで車両が急に曲がる結果となり、車両挙動にシ
ョックを生ずる。そこで、本実施形態では、旋回アシス
トモーメントの補正係数として、図7に示す如くVS2
とこれより高く設定した第3の所定値VS3(例えば3
0km/h)との間でVRの増加に伴い0から1に漸増
する車速係数Kを設定し、VRがVS3以上になったか
否かを判別して(S23)、VR<VS3であれば、V
Rに応じた車速係数Kをテーブル検索で算出し(S2
4)、旋回アシストモーメントの目標値MAを車速係数
Kを乗算した値に補正している(S25)。
【0027】そして、目標値MAの旋回アシストモーメ
ントを得るのに必要な外輪側の電動モータの正転トルク
の目標値と内輪側の電動モータの逆転トルクの目標値と
を算出し(S261,S262)、この目標値のトルクが
出力されるように外輪側の電動モータを正転駆動すると
共に内輪側の電動モータを逆転駆動している(S2
1,S272)。かくて、旋回加速中にVR≧VS2に
なったところで旋回アシスト制御が開始されると、VS
2からVS3に加速されるまでの間に旋回アシストモー
メントが徐々に目標値MAに向けて増加され、車両挙動
のショックを生ずることなくスムーズに旋回アシストが
行われる。
【0028】ところで、図6は、前輪駆動力と横方向加
速度とをパラメータとして規定される車両の運転状態に
おいて要求される理想的な旋回アシストモーメントを旋
回アシストモーメントの目標値MAとして設定したマッ
プを示している。図6によれば、横方向加速度がほぼ零
に近い直進状態においても前輪駆動力の大きな加速時に
はMA≠0となり、旋回アシスト制御が行われる。その
結果、旋回アシスト制御が頻繁に実行されることにな
り、モータ7L,7Rへの通電でバッテリの充放電バラ
ンスが悪化する。
【0029】かかる不具合を解消するには、旋回アシス
トモーメントの目標値MAに車両の旋回性能を損わない
範囲で不感帯を設定し、図4のS22のステップにおけ
るMAの算出処理に際し、図8に示す如く、図6のマッ
プからMAを検索した後(S22−1)、MAが不感帯
の上限値MAS以下であるか否かを判別して(S22−
2)、MA≦MASであるときにMAを零に書き換え
(S22−3)、このようにして算出したMAに基づい
てS261,S262のステップでモータトルクの目標値
を算出すれば良い。これによれば、横方向加速度がほぼ
零に近い直進状態での加速時に図6のマップから検索さ
れるMAがMA≠0になっても、MA≦MASになるた
めMAは零に書き換えられ、S261,S262のステッ
プで算出されるモータトルクの目標値が零となって、モ
ータ7L,7Rには通電されず、バッテリの充放電バラ
ンスの悪化が防止される。尚、MAのマップを、横方向
加速度が所定値以下のときは前輪駆動力とは無関係にM
A=0になるように設定しても良い。
【0030】以上、左右1対の電動モータ7L,7Rを
用いて発進アシストと旋回アシストとを行う第1実施形
態について説明したが、図9に示す第2実施形態の如
く、1個の電動モータ7を用いて発進アシストと旋回ア
シストとを行うことも可能である。第2実施形態では、
電動モータ7と左右の後輪4L,4Rとの間の動力伝達
機構を1対の傘歯車式差動装置80L,80Rで構成し
ている。
【0031】各差動装置80L,80Rは、デフケース
80aに傘歯車から成る1対のサイドギア80b,80
cと両サイドギア80b,80cに噛合するピニオン8
0dとを軸支して成るもので、両差動装置80L,80
Rの軸方向内側の第1サイドギア80b,80b同士を
連結している。そして、両差動装置80L,80Rの一
方、例えば、右側の差動装置80Rのデフケース80a
に電動モータ7をギア列9を介して連結し、該差動装置
80Rの軸方向外側の第2サイドギア80cを等速ジョ
イント10を介して右後輪4Rの車軸に連結している。
左側の差動装置80Lのデフケース80aは回り止めさ
れており、該差動装置80Lの軸方向内側の第1サイド
ギア80bと外側の第2サイドギア80cとに左後輪4
Lの車軸に連結される等速ジョイント10を切換手段2
2を介して選択的に連結するようにしている。切換手段
22は、左後輪4L用の等速ジョイント10に軸方向に
摺動自在に回り止め係合させた可動ドグ22aと、左側
の差動装置80Lの第1サイドギア80bと第2サイド
ギア80cとに夫々取付けた固定ドグ22b,22cと
を有するドグクラッチで構成されており、図外のコント
ローラで制御されるソレノイド22dにより可動ドグ2
2aを進退させて、両固定ドグ22b,22cに選択的
に係合させるようにしている。
【0032】左後輪4L用の等速ジョイント10を左側
の差動装置80Lの第1サイドギア80bに連結する
と、左後輪4Lが右側の差動装置80Rの第1サイドギ
ア80bに直結された状態になり、電動モータ7により
右側の差動装置80Rのデフケース80aを正転または
逆転すると、左右の後輪4L,4Rが共に正転または逆
転されて、前進または後進の発進アシストが行われる。
【0033】左後輪4L用の等速ジョイント10を左側
の差動装置80Lの第2サイドギア80cに連結する
と、第1サイドギア80bが左後輪4Lと等速度で反対
方向に回転し、左右の後輪4L,4Rが等速度で回転し
ている限り、右側の差動装置80Rのデフケース80a
は回転しない。そして、電動モータ7により右側の差動
装置80Rのデフケース80aを正転すると、該差動装
置80Rの第2サイドギア80cが第1サイドギア80
bに対し増速回転されて、右後輪4Rが左後輪4Lより
も増速され、また、右側の差動装置80Rのデフケース
80aを逆転すると、該差動装置80Rの第2サイドギ
ア80cに対し第1サイドギア80bが増速回転され
て、左後輪4Lが右後輪4Rよりも増速され、旋回アシ
ストが行われる。
【0034】そして、第2実施形態においても、上記と
同様に、後輪4L,4Rの角加速度に応じて電動モータ
7の出力トルクを制御することより、後輪のスリップを
抑制して発進アシストの確実性を向上でき、また、VR
≧VS2になるまで旋回アシスト制御の実行を禁止する
ことにより、切換手段22が左後輪4L用の等速ジョイ
ント10を左側の差動装置80Lの第1サイドギア80
bに直結する状態に保持されたまま旋回アシスト制御が
実行されることを防止でき、更に、旋回アシストモーメ
ントの目標値MAを車速係数Kを用いて補正することに
より、車両挙動のショックを生ずることなくスムーズに
旋回アシストを行うことができる。
【0035】また、上記実施形態では、発進アシスト制
御の完了後の旋回アシスト制御の禁止期間や、旋回アシ
スト制御の開始後の旋回アシストモーメントの漸増をV
R(車速)に基づいて規定しているが、発進アシスト制
御の完了時点から所定時間経過するまで旋回アシスト制
御の実行を禁止し、また、旋回アシストモーメントが旋
回アシスト制御の開始時点から目標値MAに向けて経時
的に漸増されるようにしても良い。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、動力伝達機構が発進アシスト時の状態(第1
の状態)のまま旋回アシスト制御が実行されて、車両挙
動や電動モータに悪影響が及ぶことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置の使用例を示す図
【図2】 本発明装置の第1実施形態の断面図
【図3】 第1実施形態の制御系のブロック図
【図4】 第1実施形態の制御プログラムを示すフロー
【図5】 発進アシスト時の電動モータのトルク変化を
示すグラフ
【図6】 旋回アシストモーメントの目標値の設定を示
すグラフ
【図7】 車速係数の設定を示すグラフ
【図8】 旋回アシストモーメントの目標値の算出処理
を示すフロー図
【図9】 本発明装置の第2実施形態を示すスケルトン
【符号の説明】
1 エンジン 3L,3R 前
輪(駆動輪) 4L,4R 後輪(従動輪) 5 電動式駆動
装置 7L,7R,7 電動モータ 8L,8R,80L,80R 差動装置(動力伝達機
構) 11 ブレーキ手段(ドグクラッチ) 21 コントロ
ーラ 22 切換手段 (ドグクラッチ) 112,22d
ソレノイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60T 8/24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪と後輪との一方をエンジンで駆動さ
    れる駆動輪、他方を従動輪とする車両の左右の従動輪間
    に設ける車両用電動式駆動装置であって、 電動モータと、電動モータの出力トルクを左右の従動輪
    に共に駆動力として伝達する第1の状態と、電動モータ
    の出力トルクを左右の従動輪の一方に駆動力、他方に制
    動力として伝達する第2の状態とに切換自在な動力伝達
    機構と、動力伝達機構を第1の状態と第2の状態とに切
    換える、ソレノイドで切換動作されるドグクラッチとを
    備え、 車両の発進時に、動力伝達機構を第1の状態に切換えて
    電動モータを駆動することにより左右の従動輪を駆動し
    て発進をアシストする発進アシスト制御を行い、発進後
    に動力伝達伝達機構を第2の状態に切換え、車両の旋回
    時に動力伝達機構を第2の状態に保持したまま電動モー
    タを駆動することにより旋回外輪側の従動輪に駆動力、
    内輪側の従動輪に制動力を付与して旋回をアシストする
    旋回アシスト制御を行うものにおいて、 発進アシスト制御の完了直後の旋回アシスト制御の実行
    を禁止する禁止手段を設ける、 ことを特徴とする車両用電動式駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記禁止手段は、車速が発進アシスト制
    御を完了する第1の所定値よりも高く設定した第2の所
    定値以上になるまで旋回アシスト制御の実行を禁止する
    ように構成されることを特徴とする請求項1に記載の車
    両用電動式駆動装置。
  3. 【請求項3】 旋回アシスト制御が開始されたときに、
    電動モータの出力トルクを徐々に立上げるトルク漸増手
    段を設けることを特徴とする請求項1に記載の車両用電
    動式駆動装置。
  4. 【請求項4】 車速が前記第2の所定値以上になって旋
    回アシスト制御が開始されたときに、第2の所定値とこ
    れより高く設定した第3の所定値との間で車速の増加に
    伴い電動モータの出力トルクを漸増するトルク漸増手段
    を設けることを特徴とする請求項2に記載の車両用電動
    式駆動装置。
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