JP2000308826A - サイトカイン除去用の吸着体、吸着カラムおよび除去方法 - Google Patents

サイトカイン除去用の吸着体、吸着カラムおよび除去方法

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JP2000308826A
JP2000308826A JP11118663A JP11866399A JP2000308826A JP 2000308826 A JP2000308826 A JP 2000308826A JP 11118663 A JP11118663 A JP 11118663A JP 11866399 A JP11866399 A JP 11866399A JP 2000308826 A JP2000308826 A JP 2000308826A
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compound
water
interleukin
adsorption
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Hiroyuki Ikeda
博之 池田
Masamune Sakai
正宗 坂井
Naoki Nishiguchi
直樹 西口
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液などの体液からサイトカイン
を吸着除去する吸着体および吸着除去方法を提供するこ
と。 【解決手段】 アガロース、セルロース、デキス
トラン及びポリビニルアルコールから選ばれる水酸基を
有する高分子化合物と、イソシアナト基を有する化合物
とを反応させて得られる水不溶性高分子化合物からなる
サイトカイン除去用の吸着体および、この吸着体を用い
る吸着カラムおよび除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液などの体液よ
り、インターロイキン−1(以下、IL−1という)、
インターロイキン−2(以下、IL−2という)、イン
ターロイキン−6(以下、IL−6という)およびイン
ターロイキン−8(以下、IL−8という)などのサイ
トカイン(以下、ILという)を吸着除去する吸着体、
この吸着体を用いた吸着カラム及びこの吸着体と吸着カ
ラムを用いた血液などの体液からサイトカインの吸着除
去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平6−312017号には、表面に
陽性官能基を有し、全細孔表面積が5m2 /g以上、平
均孔径が100〜5000Åの多孔質体からなる、エン
ドトキシンが付着した血球成分を含む血液中のエンドト
キシン及び/又は該エンドトキシンに起因するサイトカ
インの吸着材が開示されている。
【0003】特開平8−257398号には、水不溶性
多孔質担体にlogP(Pはオクタノール−水系での分配
係数)値が2.50以上の化合物を固定してなるインタ
ーロイキン−1、インターロイキン2、インターロイキ
ン6およびインターロイキン−8からなるインターロイ
キン類の少なくとも1種のインターロイキン類の吸着体
および吸着除去方法が開示されている。
【0004】特開平8−281101号には、スルホン
酸基を有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体から
構成される、インターロイキン−1β、インターロイキ
ン−2、インターロイキン−6およびインターロイキン
−8から選択される少なくとも1種の物質の吸着体、そ
れを用いる吸着除去装置および吸着除去方法が開示され
ている。
【0005】特開平10−5329号には、硫酸化多糖
類および/またはその塩が水不溶性担体に結合されてな
る直接血液灌流に用いる吸着体用担体およびその小粒径
化法が開示されている。
【0006】特開平10−5330号には、ポリアニオ
ン性化合物を固定化した水不溶性担体からなり、直接血
液中から血球細胞および/または血管構成細胞由来の放
出因子を吸着除去することを特徴とする吸着体、それを
用いる吸着除去装置および吸着除去方法が開示されてい
る。
【0007】特開平10−147518号には、水素結
合形成可能な官能基を少なくとも一つ有することを特徴
とするサイトカイン除去用あるいは不活化用の材料が開
示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】生体の防御機構の恒常
性を維持するために、重要な物質としてサイトカイン
(cytokine)が挙げられる。サイトカインとは
各種の免疫担当細胞が産生する分子量が約10〜50k
Daで、蛋白質または糖蛋白質の生理活性物質の総称で
あり、インターフェロンα、インターフェロンβ、イン
ターフェロンγ、インターロイキン−1からインターロ
イキン−15、腫瘍壊死因子(TNF)、リンホトキシ
ン、コロニー刺激因子、エリスロポエチンなど数多く知
られている。
【0009】サイトカインの機能は、免疫系の調節作用
を始めとして、炎症反応の惹起、抗腫瘍作用、細胞の増
殖や分化の誘導などさまざまな生物学的作用を有するこ
とが明らかにされており、このような機能を活用して、
その抗腫瘍作用を利用した悪性腫瘍の治療にインターフ
ェロン(IFN)、インターロイキン−2(IL−
2)、腫瘍壊死因子(TNF)が、血球増殖作用を利用
してエリスロポエチン、コロニー刺激因子などが、治療
を目的として既に臨床応用されている。
【0010】一方、炎症反応惹起作用は、いろいろな疾
患の病態形成に深く関与しており、サイトカインが病態
形成に関与する疾患としては、慢性関節リウマチ、全身
性エリテマトーデスを始めとする膠原病、アレルギー疾
患、インシュリン依存性糖尿病、劇症肝炎などが挙げら
れている。その他、川崎病、ネフローゼ症候群、さらに
動脈硬化症などの代謝性疾患にもサイトカインが関与し
ていると考えられている。血液などの体液からサイトカ
インを吸着除去する方法が望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、血液など
の体液に存在するサイトカイン、特にIL−1、IL−
2、IL−6およびIL−8から選ばれる少なくとも1
種のサイトカインを効率よく吸着除去できる吸着体およ
び吸着除去方法を鋭意研究した結果、これらを効率よく
急速に吸着可能な吸着体、吸着カラムおよび除去方法を
見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明は、アガロース、セルロース、デキ
ストラン及びポリビニルアルコールから選ばれる水酸基
を有する高分子化合物と、イソシアナト基を有する化合
物とを反応させて得られる水不溶性高分子化合物からな
るサイトカイン除去用の吸着体に関する。
【0013】好ましくは、本発明の吸着体は、イソシア
ナト基を有する化合物が、分子内に2個以上のイソシア
ナト基を有する化合物であることを特徴とする吸着体に
関する。
【0014】好ましくは、本発明の吸着体は、イソシア
ナト基を有する化合物が次式
【化2】 (式中、Rは炭素数1〜12の脂肪族鎖又は炭素数6〜
15の芳香族鎖を表す)で示される化合物であることを
特徴とする吸着体に関する。
【0015】好ましくは、本発明の吸着体は、イソシア
ナト基を有する化合物がヘキサメチレンジイソシアネー
トであることを特徴とする吸着体に関する。
【0016】好ましくは、本発明の吸着体は、水酸基を
有する高分子化合物が、架橋アガロース及び架橋セルロ
ースから選ばれる水酸基を有する高分子化合物であるこ
とを特徴とする吸着体に関する。
【0017】好ましくは、本発明の吸着体は、水不溶性
高分子化合物が、乾燥状態での窒素含量が3.0〜9.
0重量%であることを特徴とする吸着体に関する。
【0018】好ましくは、本発明の吸着体は、サイトカ
インが、インターロイキン−1、インターロイキン−
2、インターロイキン−6およびインターロイキン−8
から選ばれるサイトカインであることを特徴とする吸着
体に関する。
【0019】さらに本発明は、本発明の吸着体を用いた
吸着カラムに関する。
【0020】さらに本発明は、本発明の吸着体および本
発明の吸着カラムを用いたサイトカインの吸着除去方法
に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の吸着体は、インターフェ
ロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、イ
ンターロイキン−1からインターロイキン−15、腫瘍
壊死因子(TNF)、リンホトキシン、コロニー刺激因
子、エリスロポエチンなどのサイトカインを吸着するこ
とができる。特に、本発明の吸着体は、インターロイキ
ン−1、インターロイキン−2、インターロイキン−6
およびインターロイキン−8から選ばれるサイトカイン
の吸着性が優れている。
【0022】本発明の吸着体は、アガロース、セルロー
ス、デキストラン及びポリビニルアルコールから選ばれ
る少なくとも1つ以上の水酸基を有する高分子化合物
と、イソシアナト基を有する化合物とを反応させて得ら
れる水不溶性高分子化合物からなるものである。
【0023】水酸基を有する高分子化合物としては、ア
ガロース、セルロース、デキストラン及びポリビニルア
ルコールから選ばれる1つ以上の高分子化合物を用いる
ことが出来、アガロース、セルロース、デキストラン及
び/又はポリビニルアルコールから選ばれる混合物を用
いることが出来る。特に、架橋アガロース及び架橋セル
ロースから選ばれる1つ以上の高分子化合物を用いるこ
とが好ましい。
【0024】イソシアナト基を有する化合物としては、
分子内に1個以上のイソシアナト基を有する化合物、さ
らに好ましくは分子内に2個以上のイソシアナト基を有
する化合物、特に好ましくはイソシアナト基を有する化
合物が次式
【化3】 (式中、Rは炭素数1〜12の脂肪族鎖又は炭素数6〜
15の芳香族鎖を表す)で示される化合物を用いること
ができる。
【0025】分子内に1個のイソシアナト基を有する化
合物としては、例えばメチルイソシアネート、エチルイ
ソシアネート(プロピルイソシアネート、ブチルイソシ
アネート、オクチルイソシアネート、デシルイソシアネ
ート、オクタデシルイソシアネート、フェニルイソシア
ネート、トリルイソシアネー卜、ナフチルイソシアネー
ト等を用いることが出来る。
【0026】分子内に2個以上のイソシアナト基を有す
る化合物としては、例えば次式
【化4】 (式中、Rは炭素数1〜12の脂肪族鎖又は炭素数6〜
15の芳香族鎖を表す)で示される分子内に2個のイソ
シアナト基を有する化合物としては、例えばヘキサメチ
レンジイソシアネート、フェキサメチレンジイソシアネ
ー卜、テトラメチレンジイソシアネート、o−トリジン
イソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネー卜、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネートなどを用いることが出来る。分
子内に3個以上のイソシアナト基を有する化合物として
は、例えばトリフェニルメタン−4,4’,4”−トリ
イソシアネートなどを用いることが出来る。特に、ヘキ
サメチレンジイソシアネートが好ましい。
【0027】特に、本発明の吸着体となる水不溶性高分
子化合物としては、架橋アガロースまたはセルロースと
ヘキサメチレンジイソシアナートとの反応生成物が好ま
しい。
【0028】本発明の吸着体となる水不溶性高分子化合
物は、乾燥状態における窒素含量が下限値として3.0
重量%、さらに4.5重量%、特に5.0重量%から上
限値として9.0重量%、さらに8.8重量%、特に
7.0重量%の範囲が好ましい。
【0029】本発明の吸着体となる水不溶性高分子化合
物は、例えば次のようにして製造することが出来る。水
酸基を有する高分子化合物は、通常乾燥状態のものを使
用する。該高分子化合物が水分を含有する場合には、凍
結滅圧乾燥、滅圧乾燥等の通常の手段によって乾燥する
か、無水有機溶媒で置換処理を繰り返した後、使用す
る。置換に用いる有機溶媒は、通常、反応に用いる溶媒
と同一であり、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロ
フラン、アセトン、メテルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンが挙げられる。
【0030】反応は、有機溶媒に、水酸基を有する高分
子化合物を懸濁又は溶解させ、イソシアナト基を有する
化合物を加え、通常10〜200℃、好ましくは30〜
110℃で撹拌しながら行う。この場合、水酸基を有す
る高分子化合物に存在する水酸基(−OH)とイソシア
ナト基を有する化合物に存在するイソシアナト基(−N
CO)との割合は特に制限はないが、好ましくは、−N
CO/−OH(モル比)が1以上である。
【0031】反応はすべて反応系に水分が入らない条件
で行った後、反応系にアミン、アルコールもしくは水を
加えて残存するイソシアナト基を不活性化する。使用す
るアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、ブチ
ルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン等、アル
コールとしては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等が挙げられるがこれらに限定されるも
のではない。モノイソシアネートの場合、残存している
時は溶媒で洗い流すので不活性処理は一般に不要であ
る。しかし、上記のアミン、アルコールもしくは水で処
理しても良い。
【0032】反応物を吸引濾取した後、反応溶媒中に加
え、常温でしばらく撹拌して残余の未反応物を溶媒に溶
解させる。反応物を吸引濾取し、水で繰り返し洗浄し、
水、エタノ−ルまたは生理食塩水中にウエット状態で保
存する。また、真空乾燥、真空凍結乾燥などにより乾燥
し、乾燥状態で保存することもできる。
【0033】反応生成物のイソシアナト基の不活性化を
水又はアルコールで行なったものについては、生成した
水不溶性高分子化合物の窒素含量は、乾燥状態で3.0
〜8.0重量%、とりわけ4.5〜7.0重量%のもの
が血液や溶液中の不用因子をよく吸着し、また、反応生
成物のイソシアナト基の不活性化をアミンで行ったもの
については、その窒素含量は、乾燥状態で3.5〜9.
0重量%のものが良い。
【0034】体液とは、血液、血漿、血清、腹水、リン
パ液、関節内液およびこれらから得られる画分成分、な
らびにその他の生体由来の液性成分のことである。
【0035】本発明の吸着体は、このような水不溶性高
分子化合物からなり、その形状は、粒子状、繊維状、膜
状、中空糸状等、特に制限はないが、取扱いの容易さか
ら粒子状及び繊維状のものが好ましい。粒子状の場合、
カラムに充填した時の目づまり及び吸着物の吸着速度の
面から球径が通常10〜5000μm、好ましくは50
〜1000μmであるが、これらに限定されるものでは
ない。また、球状架橋物の場合、水で湿潤して含水量5
0〜95%の高含水物が好ましい。
【0036】また、本発明の吸着体は、高圧蒸気圧滅
菌、EOG滅菌、γ−線照射滅菌等の方法により滅菌を
行うことができる。
【0037】さらに、本発明には、上述のサイトカイン
除去用の吸着体および吸着体を用いた吸着カラムによる
血液などの体液の浄化方法も含まれる。
【0038】血液などの体液の浄化方法の1つの具体例
としては、次のような方法を挙げることができる。例え
ば、血液などの体液の場合には、遠心分離法又は膜分離
法により血液などの体液より血漿を分離する。分離後の
血漿から本発明の吸着体を用いてサイトカインを除去す
る方法として、例えば、(1)血漿と本発明の吸着体を
容器に入れて一定時間撹拌し、サイトカインを吸着体に
吸着させ、吸着体を濾過し、血漿を体内に戻す方法、
(2)本発明の吸着体をガラスやプラスチックなどのカ
ラムに充填した吸着カラムを作成し、血漿を本発明の吸
着カラムに連続的に流通させ、サイトカインを吸着体に
吸着させ血漿を体内に戻す方法などバッチ法やカラム流
通法を用いることができる。特に、血漿分離器によって
血漿を分離し、血漿を連続的に吸着カラムに流通させ、
サイトカインを吸着除去させ、再び体内に戻す方法が実
用上好ましい。サイトカインを吸着体に吸着させる温度
としては、10〜42℃、好ましくは25〜37℃の範
囲が好ましい。
【0039】本発明の吸着体は、全血を用いてサイトカ
インを吸着し浄化することができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、これらの実施例は本発明の範囲を何ら制限する
ものではない。
【0041】[実施例1] ・吸着体の製造 架橋アガロース[商品名セファロース(Sepharo
se)CL−4B;ファルマシア社製]を蒸留水で繰り
返し洗浄し、吸引濾通して水を充分絞り切った。このよ
うにして得たウエット状の架橋アガロース30.0g
(絶乾状で2.0g)を、脱水したジメチルスルホキシ
ド(DMSO)80ml中に加えて、常温で1時間撹拌
した。水分の入らない系でDMSOを除去した後、新た
に脱水DMSO50mlを加えて、以後同様な操作を繰
り返した。系内のDMSO中の水分量が50ppm以下
になった時、この系にヘキサメチレンジイソシアネート
(HMDI)1.4gを脱水DMSO15mlに加えた
溶液を仕込み、100℃で1.5時間撹拌して反応を行
った(反応系内のDMSO量は65ml)。反応溶媒を
除去後、新たなDMSO100mlを仕込み、常温で1
時間撹拌して洗浄を行った。以後同様にして、系内のD
MSO中のイソシアナト基が滴定分析で1×10-6当量
以下になるまで繰り返し洗浄した。反応生成物は多量の
蒸留水で洗い、溶出物が出ないことを確認してから、1
21℃で30分間高圧蒸気滅菌した。このようにして製
造した水不溶性高分子化合物を吸引濾取し、吸着体Aと
して以下の試験に供した。この吸引濾取した水含有の水
不溶性高分子化合物の含水率は69.2%であり、ま
た、これの乾燥物の窒素含量は5.11%であった。
【0042】・IL−6吸着試験 健常人より採取した血液を遠心分離し血清を分離した。
得られた血清100mlにヒト遺伝子組換えインターロ
イキン−6(IL−6)[GENZYME社製]を加え
て、IL−6加健常人血清(IL−6濃度:500pg
/ml)を調製した。吸着体A 0.5mlをガラス製
試験管に取り、これにIL−6加健常人血清3mlを加
えてミキサーで撹拌した後、37℃の恒温水槽中で1時
間インキュベートした。インキュベートした後、遠心分
離により吸着体を分離し、上澄みの中のIL−6の濃度
をバイオソース・インターナショナル(BIOSOUR
CEINTERNATIONAL)社製ヒトIL−6測
定キットを用いて、IL−6濃度を測定し、結果を表1
に示した。なお、水不溶性高分子化合物を入れずに、上
記と同様にインキュベートした血清を対照とした。
【0043】[実施例2〜4] ・吸着体の製造 架橋セルロース[商品名:セルロファインGCL−20
00;チッソ(株)製]を蒸留水で繰り返し洗浄し、吸
引濾過して水を充分切った後、真空乾燥を行った。この
ようにして得た乾燥架橋セルロース13.0gを、脱水
したDMSO325ml中に加えて常温で2時間撹拌し
た。水分の入らない系でDMSOを除去した後、新たに
脱水DMSO 325mlを加えて、常温で2時間撹拌
した。系内のDMSO中の水分をカールフィッシャー法
で分析し、500ppm以下になるまで同様の操作を繰
り返した。この系にHMDI 7.6gを添加し、10
0℃で4時間撹拌して反応を行った。反応溶媒を除去
後、新たなDMSO 325mlを加え常温で2時間撹
拌して洗浄を行った。同様の操作を5回繰り返した。最
後の洗浄液中のイソシアナト基を滴定分析するとイソシ
アナト基は検出されなかった。反応物を3等分し、それ
ぞれに脱水DMSO 100mlずつ加え、更にエタノ
ールアミン(5ml)、エタノール(10ml)及び水
(10ml)をそれぞれ加えて加温、撹拌(90℃、2
時間)を行った。反応物は多量の水で繰り返し洗浄を行
い、溶出物のないことを確認した後、ウエット状(生理
食塩水)で保存した。
【0044】上記の方法で製造したものを、それぞれ吸
着体B(エタノールアミン処理物)、吸着体C(エタノ
ール処理物)及び吸着体D(水処理物)とし、以下の試
験に供した。これらの水不溶性高分子化合物である吸着
体を真空乾燥した後、そのチッソ含量を測定したとこ
ろ、吸着体B(エタノールアミン処理物)で8.5%、
吸着体C(エタノール処理物)で5.3%、及び吸着体
D(水処理物)で5.4%であった。
【0045】・IL−6吸着試験 吸着体Aの代わりに吸着体B,CおよびDを用いた以外
は、実施例1と同様の方法で、インターロイキン−6
(IL−6)の吸着試験を行い、結果を表1に示した。
【0046】[実施例5] ・吸着体の製造 架橋デキストラン[商品名:セファデックス(Seph
adex);ファルマシア社製]を蒸留水で繰り返し洗
浄し、吸引濾過して水を充分絞り切った。このようにし
て得たウエット状の架橋デキストラン150.0gを凍
結乾燥した(凍結乾燥後の重量6.83g)。凍結乾燥
した架橋デキストラン5.0gを脱水したジメチルアセ
トアミド(以下DMAAと略す)150ml中に加え、
更に、この系にHMDI 4.0gを脱水DMAA 3
0mlに加えた溶液を仕込み、80℃で5時間撹拌して
反応を行った。反応溶煤を乾燥雰囲気下室温で吸引濾過
して除去後、新たなDMAA 200mlを仕込み、常
温で1時間撹拌して洗浄した。以後、同様に、200m
l(2時間)の条件で順次5回洗浄した。最後の洗浄液
70ml中のイソシアナト基を滴定分析するとイソシア
ナト基は検出されなかった。これに脱水をDMAA 1
50ml加え、更に水(30ml)を加えて、加温、撹
拌(80℃、2時間)を行った。反応物は多量の水で洗
い溶出物が出ないことを確認してから、121℃で30
分間水蒸気圧滅菌した後ウエット状(生理食塩水)で保
存した。上記の方法で製造したものを吸着体Eとする。
【0047】・IL−6吸着試験 吸着体Aの代わりに吸着体Eを用いた以外は、実施例1
と同様の方法で、インターロイキン−6(IL−6)の
吸着試験を行い、結果を表1に示した。
【0048】[実施例6] ・吸着体の製造 15gの乾燥ポリビニルアルコール(重合度約150
0)、3gのDesmodur R(トリフェニルメタ
ン−4,4’,4”−トリイソシアネートの20重量%
塩化メチレン溶液,Bayer A.G.社)及び50
mlの脱水したDMSOを撹拌装置付きフラスコに仕込
み、110℃で2時間撹拌して反応を行った。反応混合
物は水の中に加え、沈殿物を集めて、水及びエタノール
で順次洗浄した後、水及びエタノールで24時間ずつソ
ックスレー抽出した。抽出後の残留物を水不溶性高分子
化合物である吸着体Fとし、以下の試験に用いた。この
抽出後の残留物の乾燥物の窒素含量は8.21%であっ
た。
【0049】・IL−6吸着試験 吸着体Aの代わりに吸着体Fを用いた以外は、実施例1
と同様の方法で、インターロイキン−6(IL−6)の
吸着試験を行い、結果を表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】[比較例1]実施例2で使用した架橋セル
ロース[商品名:セルロファイン;チッソ(株)製]を
蒸留水で繰り返し洗浄し、吸引濾過して水を充分切った
ものを使用した他は、実施例1に示したIL−6吸着試
験方法で吸着試験を実施し、結果を表1に示した。
【0052】[実施例7] ・吸着カラム試験 内径10mmのガラス製カラムに、上記の実施例2に示
された水不溶性高分子化合物である吸着体D(水処理
物)3mlを充填した。膜型血漿分離器(プラズマフロ
ーAP−05H:旭メディカル(株)製)を用い、悪性
関節リウマチの血漿交換治療において実施された分離さ
れ廃棄される血漿を採取し、そのうちの30mlを上記
カラムに0.3ml/minの速度で連続して流し、カ
ラムに流す前後のIL−6の濃度を実施例1に示したI
L−6吸着試験に示す方法で測定し。結果を表2に示し
た。なお、本吸着試験においては、カラム入口、出口間
の圧力損失は0〜5mmHgの範囲であり、液体流通に
よる大きな圧力損失は生じなかった。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明の吸着体、吸着カラムおよび吸着
除去方法を用いれば、血液などの体液中のサイトカイン
成分を有効に吸着除去することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G066 AC01A AC02A AC12A AC35A AD11A AD20A CA54 DA11 DA12 EA01 FA07 FA37

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アガロース、セルロース、デキストラン及
    びポリビニルアルコールから選ばれる水酸基を有する高
    分子化合物と、イソシアナト基を有する化合物とを反応
    させて得られる水不溶性高分子化合物からなるサイトカ
    イン除去用の吸着体。
  2. 【請求項2】イソシアナト基を有する化合物が、分子内
    に2個以上のイソシアナト基を有する化合物であること
    を特徴とする請求項1記載の吸着体。
  3. 【請求項3】イソシアナト基を有する化合物が次式 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜12の脂肪族鎖又は炭素数6〜
    15の芳香族鎖を表す)で示される化合物であることを
    特徴とする請求項1記載の吸着体。
  4. 【請求項4】イソシアナト基を有する化合物がヘキサメ
    チレンジイソシアネートであることを特徴とする請求項
    1記載の吸着体。
  5. 【請求項5】水酸基を有する高分子化合物が、架橋アガ
    ロース及び架橋セルロースから選ばれる水酸基を有する
    高分子化合物であることを特徴とする請求項1〜4記載
    の吸着体。
  6. 【請求項6】水不溶性高分子化合物が、乾燥状態での窒
    素含量が3.0〜9.0重量%であることを特徴とする
    請求項1記載の吸着体。
  7. 【請求項7】サイトカインが、インターロイキン−1、
    インターロイキン−2、インターロイキン−6およびイ
    ンターロイキン−8から選ばれるサイトカインであるこ
    とを特徴とする請求項1〜6記載の吸着体。
  8. 【請求項8】請求項1〜7記載の吸着体を用いた吸着カ
    ラム。
  9. 【請求項9】請求項1〜8記載の吸着体および請求項8
    記載の吸着カラムを用いたサイトカインの吸着除去方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115715975A (zh) * 2022-10-28 2023-02-28 佳化化学科技发展(上海)有限公司 一种多孔球形吸附剂及其制备方法和应用

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