JP2000306832A - 投影リソグラフィシステム用の透過マスク及びマスク露光システム - Google Patents

投影リソグラフィシステム用の透過マスク及びマスク露光システム

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JP2000306832A
JP2000306832A JP2000105774A JP2000105774A JP2000306832A JP 2000306832 A JP2000306832 A JP 2000306832A JP 2000105774 A JP2000105774 A JP 2000105774A JP 2000105774 A JP2000105774 A JP 2000105774A JP 2000306832 A JP2000306832 A JP 2000306832A
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Haugeneder Ernst
エルンスト ハオゲネーダー ドクター
Lutz Joseph
ルッツ ジョセフ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投影リソグラフィシステム用の透過マスクの
熱安定性が改善されたマスク露光システム及び方法を提
供する。 【解決手段】 成形放射ビーム(EB)の光路を取り囲
むと共にマスク(MK)からの熱放射を吸収するための
吸収面を有する放射冷却手段(CL)と放射シールド手
段(RS)を設け、該放射シールド手段(RS)を該マ
スクの動作温度に保持し、該放射シールド手段に該マス
クが露光位置に位置決めされたとき所定の距離(d1)
以内の距離で該マスクに対面する吸収面を設け、該放射
冷却手段(CL)を該動作温度以下の温度に保持し、該
マスクと反対側に該放射シールド手段(RS)と近接さ
せて配置し、該マスクが露光位置に位置決めされ該ビー
ムによって照射されたとき該マスクの照射部分(RM)
に対面する吸収面を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過マスクを相当
大きいエネルギーの成形放射ビームの経路を横切る少な
くとも1つの所定の露光位置に位置決めするための位置
決め手段を具備した投影リソグラフィシステム用マスク
露光システムに関するものである。
【0002】本発明は、さらに、投影リソグラフィシス
テム用の透過マスク、すなわち相当大きいエネルギーの
成形放射ビームに曝され、ウェーハマスクとして実施さ
れると共にステンシルパターン付きの少なくとも1枚の
マスク膜を有して該マスク膜の厚さがウェーハのバルク
厚さより十分小さい透過マスクに関する。さらに、本発
明は、表面シリコン膜層によって覆われた埋込層を有す
るシリコンウェーハから上記のような透過マスクを製造
する方法に関する。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】半導体
デバイスを製造する際に、半導体基板を加工するための
1つの重要なステップとしてリソグラフィがある。リソ
グラフィでは、まず基板、例えばシリコンウェーハにフ
ォトレジストと呼ばれる感光性物質の薄層が塗工され
る。リソグラフィ・イメージングシステムによって、フ
ォトレジスト上に投影ビームによりパターンがイメージ
ングされ、次の現像ステップでフォトレジストの露光部
分または非露光部分の一方が基板から取り除かれる。次
に、基板はエッチング、ディポジション(蒸着等)、ド
ーピング、酸化等のような工程にかけられ、その際基板
上のフォトレジストパターンは処理しないまま残すべき
基板表面上の部分を被覆保護する。フォトレジストを剥
ぎ落とすと、新しい構造を有する基板が残る。この工程
シーケンスを繰り返すことにより、多重構造層が導入さ
れ、半導体超小型回路を形成することができる。
【0004】投影リソグラフィにおいては、フォトレジ
ストで被覆された基板にイメージングしようとするパタ
ーンは、所望のパターンを有するマスクあるいはレチク
ルを用いることにより作り出される。本願で考える投影
システムの場合、透過マスクのパターンは、投影に使用
されるビームの電磁放射あるいは粒子線に対して透過性
を持つ適切な形状の構造として薄い膜、すなわち数マイ
クロメートル厚の薄膜上に形成される。例えば、ステン
シルマスクでは、これらの構造は膜を貫通する穴として
形成され、対応するビーム部分の通過は全く妨げられな
い。ビームはマスク開口部のみを通って伝達されて、基
板に投影されるビームパターンに成形される。この場合
に主として考えられるリソグラフィビームの放射線は、
10〜14ナノメートルの波長を持つ超紫外(EUV)
線である。本発明の目的との関連では、軟X線あるいは
粒子線(例えばイオン)のような投影リソグラフィで使
用される他の形態の放射線を用いることも容易であるこ
とは理解されよう。ジェイ・イー・ビョルクホルム
(J.E.Bjorkholm)等は、日本真空科学技
術学会会報第8号(1990年)(J.Vac.Sc
i.Technol.B8(1990)の1509〜1
513ページに透過マスクを用いたEUVリソグラフィ
装置について記載している。
【0005】最小のウェーハ・スループットを達成する
には、投影ビームの放射は相当大きいエネルギーを持っ
たものになる。かなりの量の放射エネルギーは、ビーム
照射時に透過マスクに伝達され、その結果マスク膜が加
熱されるということは明らかであろう。最近開発された
EUV装置においては、マスク全体を一時に照射するの
ではなく、マスク全面にわたってEUVビームを走査す
るようにしたため、マスク加熱の影響がいっそう悪化し
ている。走査は、マスクを固定位置の入射EUVビーム
に対して横方向に移動させることによって行われる。基
板は適切な方法でマスク運動に追随させられる。このE
UVビームは、僅かに円弧状に変形した細い矩形と表現
することができる細長い形を有する。典型的なビーム幅
が6ミリメートルであるのに対して、ビームフィールド
の長さはマスクパターン・フィールドの一辺に対応して
104ミリメートルである。照射時には、マスクを位置
固定の露光ビーム下で機械的に移動させる(走査する)
ことによってマスクパターン全域が露光される。この照
射方法は、対策を講じない限り、透過マスクの横方向に
わたって許容不可能な温度勾配を生じさせることにもな
る。従って、加熱の変動及びその結果起こる膜の応力状
態の時間的・空間的変化がパターン構造に相当大きい歪
みを生じさせることになり得るので、イメージ・プレー
スメントないしは画像投影位置の信頼性に重大な問題が
生じる結果にもなる。
【0006】EUVリソグラフィの場合、現在熱の影響
に対処する一般的な方法は、透過型の幾何学的構成によ
ることを止めて、反射マスクを使うことである。13.
40ナノメートルの放射線を用いたこの種のEUVリソ
グラフィシステムが、シー・ダブリュー・グウィン
(C.W.Gwyn)等によって日本真空科学技術学会
会報第16号(1998年)(J.Vac.Sci.T
echnol.B8(1998))の3142〜314
9ページに説明されている。ETS(「エンジニアリン
グ・テストスタンド」)と呼ばれるこのシステムにおい
ては、投影されるパターンは反射マスクの高反射性表面
層に形成された構造によって形成される。反射マスクの
場合、ステンシル構造化パターンを有する部分を透過マ
スク膜よりかなり厚くすることができ、バルク材料が吸
収熱をうまく逃すのに役立つので、それだけ加熱に関す
る許容範囲を高くすることが可能である。放射線照射の
熱の影響に対する対策については、エス・イー・ジアノ
ウラキス(S.E.Gianoulakis)及びエー
・ケイ・レイ−チャウドゥーリー(A.K.Ray−C
haudhuri)によって日本真空科学技術学会会報
第16号(1998年)(J.Vac.Sci.Tec
hnol.B8(1998))の3440〜3443ペ
ージに発表されており、十分なマスクの温度安定性を確
保するためには、マスクチャックへの熱伝導による冷却
は十分ではなく、例えば反射マスクの裏面にアクティブ
冷却手段を講じる等、別途の対策が必要であることが明
らかにされている。
【0007】EUV投影システムでは、EUVビームを
数回反射させるために少なくとも4つのミラーを使う必
要がある。その結果、反射面の反射率に対して高い条件
が要求されることになる。このことは反射マスクについ
ても同様である。例えば上記のETSシステムの幾何学
的構成においては、68%以上の反射率が要求される。
そのために、反射面には多層コーティングが用いられ
る。これらのETSミラー・コンポーネント及びマスク
・コンポーネントで使用されるような多層構造は、単層
の厚さがそれぞれ2.8ナノメートル及び4.0ナノメ
ートルの81層のMoとSiの交番積層構造からなる。
ミラー・コンポーネント及び反射マスクには精緻な光学
的性質が必要なため、多層系における欠陥密度は層構造
全体を通して非常に低くなければならず、そのために反
射マスクの製造コストが大きく増大する。反射マスクの
もう1つの短所は、入射ビームの約68−79%しか反
射されないので、照射ビームエネルギーの全部が基板の
露光のために使用されるわけではないということであ
る。
【0008】従って、本願出願人は、再度透過型の幾何
学的構成を使用することを思い立った。ステンシルマス
クの場合、情況は反射マスクシステムの場合よりなお悪
いように思われる。照射中の透過マスクを安定させるた
めには、米国特許第4,916,322号に冷却面をマ
スク露光ステーションに近接させ、ビームの光路を取り
囲むように配置した構成が提案されている。冷却面をマ
スク露光ステーションの視野内に配置し、冷却面の温度
をマスクの温度以下に保つことによって、ビームによる
マスクへのエネルギー堆積をマスクから冷却面への熱放
射によって補償することができる。しかしながら、EU
V装置で使用する場合、この形態の冷却面による放射冷
却は透過マスク膜全面にわたって温度安定性を確保する
には不十分であり、特にEUVビームの走査時にマスク
に生じる大きな温度勾配との関係では不十分と思われ
る。
【0009】透過マスクを周知のEUVテスト透過シス
テムの一つに匹敵するEUVシステムで使用する場合、
温度変動は反射マスクの場合よりいっそう大きくなる。
その主な理由は、透過マスク膜では、同等の反射マスク
の吸収熱量に匹敵する熱量を反射マスクより格段に小さ
い厚さで吸収しなければならないということである。走
査時にEUVステンシルマスクに生じる温度勾配は相当
大きく、そしてマスクの領域及びその周囲の領域内に閉
じ込められる。マスク全面にわたっての温度差は絶対温
度で数度(K)の範囲であった。EUVステンシルマス
クの最高温度は、米国特許第4,916,322号で提
案されているような放射冷却方法を使用して制御するこ
とができるが、EUVビーム幅が小さいために温度勾配
はそれほど大きくは変わらないと考えられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、透過マ
スク、特にステンシルマスクをEUV線のような高エネ
ルギー放射ビームを用いる投影リソグラフィシステムで
使用するために熱的に安定させる方法を提供することに
ある。熱的な変動は、一時にマスクの一部だけを照射ビ
ームで照射する場合でも小さく、すなわち1Kより十分
低く保つべきである。
【0011】この目的は、本発明の第1の態様にあって
は、冒頭に述べたマスク露光システムに、該ビームの光
路を取り囲むと共に該マスクからの熱放射吸収用の吸収
面を有する放射冷却手段及び放射シールド手段を設け、
該放射シールド手段が該マスクの動作温度に保持される
と共に、該マスクが露光位置に位置決めされたとき所定
の距離以内で該マスクと対面する吸収面を有し、該放射
冷却手段が、動作温度以下の温度に保持されると共に該
マスクと反対側に該放射シールド手段と近接させて配置
され、該マスクが露光位置に位置決めされ該ビームによ
って照射されたとき該マスクの照射部分に対面する吸収
面を有することを特徴とする構成によって達成される。
【0012】このような異なる温度レベルの吸収面の組
合せによって、透過マスクの照射部分に著しく大きい冷
却効果が与えられる。このように、米国特許第4,91
6,322号に記載された構想に基づいた本発明によれ
ば、明確に画定されたマスクの各部に対して特定的な冷
却が確保される。放射シールドは、マスク膜全体につい
て熱的安定化状態を保つためマスクの動作温度に保持さ
れる。放射シールドは、その位置がマスクと放射冷却手
段との間にあるため、多くの箇所でマスクを放射冷却手
段から遮る。しかしながら、放射シールドは、マスクの
照射部分の放射場が放射冷却手段に到達するのを妨げる
ことはない。放射冷却手段は放射シールドの温度より十
分低い温度に保持され、従ってマスクの照射部分に比較
的強い冷却作用を及ぼして、この領域の加熱効果を相殺
させる。
【0013】好ましくは、放射冷却手段と放射シールド
手段は、ビームの反射成分を処理する必要のないビーム
方向に見て露光位置の後に配置される。マスクからの大
量の熱放射が確実に吸収されるようにした本発明による
マスク露光システムの別の態様においては、放射シール
ド手段は露光位置に面しかつ該ビームの光路を取り囲む
フラットプレートとして形成された放射シールドよりな
る。それが適切な場合、フラットプレートはビーム用の
開口部を設け、その開口部の縁部をプレートの平面から
露光位置に向けて突出させたものであってもよい。
【0014】同様に、マスクの照射部分の放射冷却を効
果的なものにするためには、放射冷却手段は、放射シー
ルド手段によってカバーされない視野のセクタ領域に対
して、露光位置に位置決めされた透過マスクの照射部分
の視野の大半をカバーするようにすると有利である。こ
こで、「視野」という用語は、透過マスクが露光位置に
位置決めされ、該ビームによって照射されたとき、透過
マスクの照射部分から放射冷却手段が配置された側のマ
スクの面へ放射される放射場を意味するものとする。好
ましくは、放射冷却手段は、露光位置に対面しかつ該ビ
ームの光路を取り囲む球形、円筒状、あるいは円錐形の
凹形吸収面とすることができる。
【0015】本発明の一実施例においては、放射シール
ド手段は、露光位置に平行に配置されかつ該ビーム用の
第1の開口スロットを有するフラットプレートとして形
成された放射シールドよりなり、放射冷却手段は、軸が
該ビームの光路と交わると共に露光位置及び該第1の開
口スロットと平行に配向された円柱セグメント状に成形
された凹形吸収面よりなり、放射冷却手段の凹形吸収面
は該ビーム用の第2の開口スロットを有し、両方の該開
口スロットの形状は、マスクの放射場をできるだけ多く
カバーしつつ透過ビーム(あるいは、場合によっては入
射ビーム)を妨げることなく通過させるために、それぞ
れのスロット位置の貫入ビーム全体を通過させるように
形成される。
【0016】マスクの走査と共に上記のような細長い断
面のビームを使用するリソグラフィシステムでは、放射
冷却手段及び放射シールド手段は、好適には、例えばほ
ぼ矩形の細長い断面を有するビーム光路用の細長い開口
スロットよりなり、該スロットはビーム断面の幅に適合
した幅を有する。
【0017】この装置は、「過冷却」されたマスクの領
域を補償するために、該マスクが露光位置に位置決めさ
れたとき、熱線ないしは熱放射ビームを発生し、該マス
ク上の特定のスポットを照射するよう指向される熱放射
手段を具備した構成とすることもできる。
【0018】前述の本発明の目的を達成するためには、
マスク膜が、該ビームに露光される前面側あるいは裏面
側にある例えば多層コーティングの高反射性コーティン
グとして形成された表面層よりなる最初に述べたような
種類の透過マスクが特に好適である。この反射コーティ
ングは、50%以上の高い反射率を有し、入射する放射
線の大半の部分の吸収を阻止するので、透過マスクを熱
的に安定させるのに役立つ。そのために、反射コーティ
ングは膜の照射ビームが当たる側の面に設けられる。E
UVシステムのミラー・コンポーネント及び反射マスク
で使用される多層コーティングとは対照的に、この場合
に使用される反射コーティングは高反射率という条件を
満たすだけでよい。透過型構成では、ビームの反射分は
使用しないので、欠陥密度が低いという条件は不必要で
ある。
【0019】本発明による透過マスクにおいては、マス
ク膜の高反射性コーティングと反対側の表面に低応力カ
ーボンコーティングを施すと効果的である。このカーボ
ンコーティングは、熱を放射シールド及び冷却手段に向
けて放射する高放射率の表面として作用する。
【0020】好ましくは、パターン開口部は、照射ビー
ムの側壁沿いの反射あるいは散乱を避けるために、ビー
ム方向に関して逆行状とする。本発明による透過マスク
の製造方法は、厚さ10マイクロメートル以下のシリコ
ン膜層によって被覆された埋込層を持つウェーハブラン
クを出発材料とし、下記のステップを具備したものであ
る: a)シリコン膜層上に例えば多層コーティングの高反射
性コーティングをディポジション法により形成する、 b)該高反射性コーティングがある側のウェーハ面上に
ハードマスク層を形成する、 c)該ハードマスクを構造化する、 d)ハードマスクの構造内部を通してエッチングするこ
とにより高反射性コーティング及びシリコン膜層を構造
化する、 e)ウェーハの高反射性コーティングのある側と反対の
バルク面側から少なくとも1つのあらかじめ設定された
窓領域内でストップ層までウェーハをエッチングする、 f)ハードマスクを除去し、該窓領域中のストップ層を
エッチングする。
【0021】好ましくは、上記のカーボン層を得るため
に、さらに別途のステップ(g)を加える: g)少なくとも該窓領域の範囲内でウェーハの高反射性
コーティングと反対側の面に低応力カーボン層をディポ
ジションによって形成し、(ステンシル)構造の開口部
内に堆積したカーボン材を除去する。
【0022】ステップ(d)では、少なくともシリコン
膜のステンシル構造化は逆行状エッチ側壁を作り出す反
応性イオンエッチング法を使用して行うことが効果的で
ある。
【0023】ステップ(e)で逆方向に窓を形成するた
めには、ステップ(e)までに窒化ケイ素層あるいは酸
窒化膜層を該ウェーハのバルク面側にディポジションに
よって形成し、少なくとも1つのあらかじめ設定された
部分は該窒化ケイ素層や酸窒化膜層を形成しないまま残
すよう構造化し、該部分で少なくとも1つの逆方向の窓
を形成し、ステップ(f)で該窒化ケイ素層あるいは酸
窒化膜層の残りの部分を除去するという方法が好適であ
り好ましい。
【0024】好適には、シリコン酸化膜層が表面シリコ
ン膜によって覆われた「シリコン・オン・インシュレー
タ(SOI)」ウェーハをウェーハブランクとして使用
し、またシリコン酸化膜層をステップ(e)のストップ
層として使用する。
【0025】もう1つの製造プロセスの好ましい態様は
いわゆる「スマート・カット・プロセス」を利用するも
ので、埋込層がイオン、例えば水素イオンの照射によっ
て形成されるシリコンウェーハから作られたウェーハブ
ランクを出発材料とし;上記ステップ(a)の後、ウェ
ーハブランクを第2のウェーハに接着すると共に埋込層
に沿って劈開し、第2のウェーハについて後続の各ステ
ップを実行する。このようにして、第2のウェーハには
前記態様の場合と同様に反射層とシリコン膜層が形成さ
れるが、ただしその順序は逆になる。
【0026】以下、本発明をEUV投影リソグラフィ装
置で透過マスクとして用いられるステンシルマスクの熱
的安定化に関連した実施例によって添付図面を参照しつ
つ詳細に説明する。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明によるEUV透過
型装置EAの第1の実施例の縦断面図を示す。この装置
構成では、EUVビームはステンシルマスクMKを垂直
下方に貫通し、ステンシルマスクはマスク露光ステーシ
ョンSNに水平に保持されて、その上面がEUVビーム
によって照射される。この断面図は、ビームEBの中心
軸に沿って示されており、EUVビーム断面の長軸ある
いは、同じことであるが、冷却シリンダ(下記参照)と
平行な方向に見るようになっている。図示のEUV装置
EAの構成は、C・W・グウィン等のETS装置の構成
と同等のものであり、EUVビームEBを発生させるた
めの照射システムIL、マスクMKを照射のために適切
な位置に位置決めするマスクステーションSN、透過マ
スクパターンの縮小画像を基板SUに投影する機能を有
する光学系OP、及び基板を位置決めするための基板ス
テージSSが具備されている。もちろん、ここでは透過
マスクが使用されるので、照射システムは、C・W・グ
ウィン等の場合とは上下逆向きにマスクステーションの
上方に配置されている。照射の前後及び照射中における
マスクMKの位置決め及び移動はマスクステーションS
Nによって行われる。マスクMKの走査運動は図1に矢
印で示すように横方向に行われる。この図では、マスク
は、全走査運動幅の4分の1を走査した後の位置が示さ
れている。走査中、マスクMKは、以下まとめて露光位
置と称する一連の位置列を通って逐次移動される。一
方、基板SUは縮小光学系OPの結像特性ないしはイメ
ージング特性に対応した仕方で動かされる。
【0028】本発明によれば、マスク露光ステーション
SNは、マスクを熱的に安定化するための機構TAを具
備する。熱または温度安定化機構TAは、マスクMKの
下方でビームEBの光路に関して固定位置に配置された
放射シールドRS及び冷却シリンダCLを具備する。こ
の幾何学的構成の目的は、EUVビームEBによる照射
より生じるマスクの熱入力とマスクから出る熱放射との
間の平衡を得ることである。図示の実施例においては、
熱安定化機構TAは、要素RS、CLで構成され、これ
らの構成は、それだけでもマスクの十分な熱的安定化を
達成できることが明らかになったため、ステンシルマス
クMKの下側にだけ配置されている。通常は、これは、
照射EUVビームの反射部分に伴う複雑な問題が回避さ
れるので、望ましい構成であろう。しかしながら、他の
実施例においては、本発明による熱的安定化のための構
成要素は、マスク下側の要素に代えてあるいはマスク下
側の要素と共にマスクの上側に置くこともできる。
【0029】図2及び3は、温度安定化機構TAをより
詳細に示したものである。図2は縦断面図を示している
のに対し、図3は、マスクを下から見た安定化機構TA
の下面図(図3a)、及び図2、図3aと直角な方向に
見た側面図(図3b)を示す。構成TAは、放射シール
ド手段RS及び放射冷却手段CLで構成され、放射冷却
手段は、この実施例におけるその内面の形状から、以下
冷却シリンダと称する。温度安定化要素RS、CLは、
好ましくはマスクステーションSNのフレームFRに固
定される。これらの安定化要素は、明確に設定された範
囲の温度に保持するために冷媒供給管路LIを介して冷
却コントローラ(図示省略)接続された冷却コンジット
を具備する。図を見やすくするために、図3では安定化
機構TAの取付け手段は図示省略されている。放射シー
ルドRSはマスクの動作温度に保持されるのに対して、
冷却シリンダCLはこの動作温度より十分低い冷却温度
に保持される。温度安定化要素RS、CL中に十分な熱
伝導を確保するため、高い熱伝導率のバルク材、例えば
拡散によるEUV装置及び基板の汚染を避けるためにメ
ッキされた銅(例えばTiNメッキ)が用いられる。
【0030】放射シールドRSの主用部分は、例えば矩
形寸法で、その長辺がEUVビームEBの断面長軸と平
行に走るプレートRPとして成形される。特に図2にお
いて、矩形のプレートRPの長い方の2つの縁部は補強
されると共に、冷却チャンネルが設けられた2つの畦部
RGを形成する。これらの畦部間の部分では、放射シー
ルドプレートRPは例えば数10分の1ミリメートルと
いうように比較的薄くなっている。放射シールド部分の
中心部には、EUVビームがそこを通過することができ
るように細長い開口部SP(「第1の開口スロット」)
が設けられている。開口スロットSPの形状は、長さが
幅の数倍である矩形にほぼ嵌り込むような形状を持つE
UVビームEBの断面と対応関係にある。(前述のET
Sテストシステムでは、通常「三日月形」と説明されて
いるビーム形状は、断面長軸からほんの数ミリメートル
ずれるよう矩形状から僅かに曲げられている。)以下の
説明、特に図面においては、断面は矩形として扱う。開
口スロットの形状はEUVビームの実際の形に適合した
形にするということは理解されよう。第1の開口スロッ
トSPの幅wsは、透過ビームが妨げられることがない
ようにするために、ビーム幅と等しいか、これよりやや
大きい。これは、この明細書の序部の記載から明らかな
ように、透過ビームは基板の露光のために使用され、そ
のためにステンシルマスク通過後におけるビームエネル
ギーの減少はどんなに小さくても避けなければならない
からである。同様に、開口スロットSP長さはビームE
Bの長径と等しいか、あるいはこれよりやや大きい。上
記のETSシステムのEUVビームの仕様を引き継いだ
典型的な構成においては、開口スロットの幅wsは6ミ
リメートルであり、長さは104ミリメートルである。
【0031】図2から明らかなように、第1の開口スロ
ットSPの縁部(すなわちスロットSPを形成する放射
シールドプレートRPの内縁部)は、放射シールドプレ
ートRPの平面からマスクMKに向けて隆起状をなし、
EUVビームを取り囲むネック部NKを形成する。この
独特の幾何学的構成によれば、放射シールドの下側に置
かれた冷却シリンダに関して、ビームにより照射されな
いマスクの部分が確実に放射シールドRSによってカバ
ーされる。従って、この部分は冷却シリンダCLよりむ
しろ放射シールドRSへの放射冷却によって冷却される
ことになる。他方、放射シールドの本体部分には、マス
ク膜MMの平面の下方に延びるある有限高さを持つマス
ク機構が走査プロセスの間に移動できるだけの十分なス
ペースが設けられている。ステンシルパターンが形成さ
れ、基板にイメージングされることになるマスク膜のフ
ィールドは、図3aにクロスハッチングにより示されて
いる。図1に示す構成では、マスクは静電作用によって
マスクフレームにクランプされるので、下方高さはステ
ンシルマスクMKとして用いられるウェーハの厚さと実
質的に同じである。
【0032】放射シールドRSあるいは、この実施例の
場合におけるように、シールドネックNKはステンシル
マスクMKに対して距離d1以内に保持される。この距
離d1及びプレートRPより上の縁部REのネック高さ
h1は、放射シールドRSの存在がマスクMKの走査運
動を妨げないように選択される。この条件の範囲内で、
放射シールドRSはできるだけマスクMKの近くに配置
される。距離d1は0.2ミリメートル以下、例えば、
0.1ミリメートルあるいは50マイクロメートルとい
うように非常に小さくすることができるが、ネック高さ
h1はマスク厚さに安全のための余裕値、例えば30%
を加えた大きさになる。図1で、d1とh1は他の部分
と一定の比例関係で描かれたものではない。放射シール
ドの主目的は、EUVビームによって影響されないマス
クの部分の温度を安定させることである。そのために、
放射シールドは、ステンシルマスクの動作温度に保持さ
れ、該動作温度は好ましくは「室温」300Kである。
マスクMKから放射シールドRSへの熱の移動は熱放射
によって行われる。最適な熱交換を確保するために、マ
スクMKに面する放射シールドの表面は高放射率の吸収
性コーティング、例えばカーボンコーティングで被覆さ
れる。放射シールドRSでは、熱移動は、前に述べたよ
うに、熱伝導及び外部冷却によって行われる。ここで、
マスク内部についても、熱伝導は放射冷却効果と比較し
て有意度は小さいが、無視できないということに留意す
るべきである。
【0033】図1に示すEUV装置でマスクを交換する
ときは、マスクを横方向に移動させて露光フィールド外
に出すための十分なスペースを得るために、少なくとも
ネックNKの高さh1の垂直変位量だけマスクを上方に
動かす必要がある。マスクの横移動だけではなくz軸
(マスクに直角な軸)沿いの移動も可能なように設計さ
れたマスクステーションは当業者にとって周知であり、
ここでは説明を省略する。もちろん、マスク交換は別の
方法で行うことも可能であり、例えば、温度安定化機構
TAをマスクの「邪魔にならない位置まで」垂直移動さ
せようにしてもよい。この態様では、マスクステーショ
ンはマスクの横移動が可能でありさえすればよく(いわ
ゆるx‐yステーション)、温度安定化機構は垂直移動
ができるようにしてマスクステーションに取り付けられ
る。
【0034】冷却シリンダCLの主な目的は、マスクM
Kの照射部分RM、すなわちビームEBによって瞬間的
に照射されるマスクMKの領域を冷却する手段を講じる
ことにある。図2から明らかなように、放射冷却手段C
Lは、中空シリンダセグメント、あるいはより正確には
両端部をほぼ半円形の側面によって閉じられた中空半円
柱として形成された内面を具備する。その内径rcは、
放射シールド手段によってカバーされない視野のセクタ
領域に関して露光位置に位置決めされた透過マスクの照
射部分の視野が十分カバーされるように適切に選択され
る。ここで、「視野」という用語は透過マスクが露光位
置に位置決めされ、該ビームによって照射されたとき、
透過マスクの照射部分から放射冷却手段が配置された側
のマスクの面(すなわち、この場合は下側の半球)へ放
射される放射場を意味するものとする。冷却シリンダの
内面は、側面の内面を含めて吸収性コーティングで被覆
されている。冷却シリンダの長さはEUVビームの断面
の長軸より大きくするべきである。この実施例では、1
24ミリメートルの円柱長さが選択された。放射シール
ドと同様に、冷却シリンダはビームEBのための細長い
開口部SC「第2の開口スロット」)を有する。この第
2の開口スロットSCの幅は、以下に述べる理由によっ
てビーム幅と同じか、これより僅かに大きくする。しか
しながら、以下にさらに詳しく説明するように、開口ス
ロットSCの長さは少なくとも放射シールドRSにおけ
る第1の開口スロットの長さ以上とする。冷却シリンダ
CLは、放射シールドの下方でこれから僅かな距離d
2、例えば0.1ミリメートルの位置に配置される。図
1では、この距離はやはり他の部分と一定の比例関係で
描かれてはいない。この幾何学的構成によって、円柱C
Lの軸はほぼビームEBによって照射される領域の長軸
と一致し、冷却シリンダの内側の吸収面の全ての面素が
照射部分RMからほぼ同一距離に配置される。
【0035】ここで、内面の形状は本願記載の実施例の
ように必ずしも円筒状である必要はなく、例えばビーム
の断面形状によって、球形、円錐形、さらには箱形とす
ることもできる。同様に、開口スロットSP、SCの形
状はビームの断面に適合した形にし、例えば円形ビーム
の場合は円形状とすることもできる。
【0036】放射シールドRSの外形寸法は、少なくと
もEUVビームEBの幅ws、好ましくはビーム幅ws
の倍数の照射部分の縁部から遠ざかる向きに測定してあ
る半径方向の距離まで、照射部分RMの周りのマスク部
分をカバーするように選択される。いずれの場合も、放
射シールドRSの寸法及び形状は、照射部分RMを除い
て、放射冷却手段CLとマスク膜との間の全ての放射結
合を効果的に遮るよう選択される。放射シールドの総面
積は、図4aの概略分解斜視図のようにマスクMKの総
面積(この場合、長さで126ミリメートル)と同じに
することもでき、図示の場合は、要素RS、CLの吸収
面のみが示されており、これらの要素間の距離は大きく
拡大されている。一実施態様においては、放射シールド
RSは直径をより大きくすることもでき、あるいは走査
運動方向に沿って横方向に拡張された形状にすることも
できる。
【0037】冷却シリンダCLは、外部冷却によってス
テンシルマスクMKの動作温度以下の温度に保たれる。
冷却シリンダ温度を変化させた場合のマスク上の熱分布
への影響、引いては熱的安定化に対する影響を求めるた
めに、有限要素計算を行った。
【0038】この有限要素シミュレーションでは、いく
つかの仮定を行うことにより計算を簡単化した。まず、
安定状態分析を行うことができるように、マスクの走査
は無視した。このことは、ほぼ完全なエネルギー平衡を
達成することができるならば、熱分布を知るという問題
はほとんど時間に従属しないので、正当化される。幾何
学的構成は前に述べた仕様条件に基づいて選択された。
このシミュレーションに関しては、マスクに対面する部
分の冷却要素の面について考慮するだけで十分であっ
た。以下に詳細に説明するように、マスク膜は下面(入
射ビームから遠ざかる方向を向いた面)に冷却シリンダ
に向けて下方に熱を放射するε=0.6の放射率を持つ
カーボン層で被覆されるものと仮定する。マスクの上面
は、放射率がほぼゼロに近い高反射性の材料で形成され
る。従って、上面からの熱放射は無視される。マスクの
外径部分は、チャック冷却の効果に対応して、300K
の一定温度に保たれる。放射シールドRS及び冷却シリ
ンダCLの吸収面については放射率ε=1と仮定する。
放射熱交換の計算は、熱放射により生じる熱流速qに関
する周知の法則、すなわち、q=σf(εT4−ε00
4)基づいて行った。式中、σはステファン−ボルツマ
ン(Stefan−Boltzmann)定数、fは関
係する面素の幾何学的向きに関する視野係数ないしは視
野係数、εは冷却要素の放射率、Tは温度である。ま
た、添え字0は冷却要素(それぞれの場合に応じて、放
射シールドまたは冷却シリンダに属する)を指す。冷却
シリンダをシェル要素でモデル化することができるよう
に、シリンダの各面の片面だけからの放射ついて考察し
た。放射シールドRSはマスク膜MKとの放射熱交換作
用を持続し、300Kの一定動作温度に保たれる。冷却
シリンダCLの吸収面は、マスクMKに直角な側面CF
及びシリンダの曲面CVと共に、放射冷却の大半を受け
持つ。冷却シリンダCLは、マスクの照射部分RMと放
射熱交換作用を持続し、以下冷却温度と称する一定温度
CLに保たれる。毎時10.9個のデバイスウェーハを
露光するには通常269ミリワットのEUVビームエネ
ルギーが必要なので、マスクによって吸収されるエネル
ギーは、マスク上面におけるステンシルパターンの空隙
率を50%、反射性物質の反射率を70%と仮定して、
80.7ミリワットに相当する。そのために、マスクM
Kの6mm×104mmのフィールドRMに対して熱流
速qEUV=12.93mW/cm2が供給される。マス
クMKのシリコン膜については、150ワット/m・K
の熱伝導率を使用する。
【0039】図4aに示す吸収面の幾何学的構成の有限
要素モデルを用いて、ある冷却温度範囲についての計算
結果が得られた。図4bは、冷却温度246Kの場合の
この幾何学的構成によるステンシルマスク膜の温度分布
を図解したものである。また、膜の温度分布の幅、すな
わち最低温度と最高温度との差が、冷却温度TCLの関数
として図5に示されている。温度分布の幅が最小となる
最適冷却温度は246Kであり、これに対応するマスク
膜中の温度幅は0.283Kである。
【0040】図4bから明らかなように、等温線は照射
部分の外側の部分ではカッシニアン楕円に類似してい
る。照射部分に対応する部分では、冷却シリンダによっ
て付加された冷却により温度が周囲に対して抑えられて
いる。図4aに示す装置の幾何学的構成では、照射領域
の端部の近くで冷却の「オーバーシュート」が見られ
る。温度分布を改善するために、冷却シリンダの幾何学
的構成を最適化する試みがなされた。冷却シリンダCL
のスロットの端部における冷却強度を小さくするため
に、幅wsを6ミリメートルに保ったままスロット長さ
を大きくした。
【0041】図6aは、冷却シリンダCLの開口スロッ
トSCを曲面CVの縁部まで延ばした形状構成を示す。
実際、図4と比較して、冷却強度はEUVビームの端部
近くで減少する。最適冷却温度はやはり246Kであ
り、図6bの温度分布が得られる。図6のこの形状構成
における膜中の温度幅は0.193Kである。
【0042】マスク膜における温度幅をさらに減少させ
ることが確認されたもう一つの態様としては、図7aに
示すように、冷却シリンダの側面CFの側面の半ばまで
開口スロットSCを切成することが可能である。この形
状構成の場合、最適温度は245Kであり、その結果生
じる温度分布は図7bに示されている。膜中の温度範囲
の幅は0.124Kである。この冷却機構の幾何学的構
成によって図1乃至3の装置は実施される。
【0043】しかしながら、冷却シリンダの開口スロッ
トSCをさらに長くすることを続けても、最大温度差を
さらに低減することにはつながらない。スロットが側面
の全長にわたって延び、事実上冷却シリンダを別個の2
つの部分に切断する図8aに示す形状構成では、温度幅
が0.256Kに増大する。この場合、温度分布(図8
b)は、照射フィールドの中心部で最低温度の範囲が広
いことを示している。
【0044】図4乃至8を参照して上に説明した温度分
布の計算は、適切な冷却方式はステンシルマスクの温度
上昇を適切に低いレベルに保つことができるということ
を示している。図7に示す冷却のための幾何学的構成を
有する安定化機構TAは、マスク膜の最大温度差が0.
124Kになる。しかしながら、上に説明した計算の最
も重要な結果は、マスクMKの照射部分RMの端部近く
の効果が重要であり、これはビーム幅に関して開口スロ
ットSCの長さを大きくすることによって補償すること
ができるということである。上記の全ての幾何学的構成
において、EUVビームは冷却シリンダCLによって取
り囲まれるようになっている。本願で使用する「取り囲
む」という用語は、開口部が1つ以上の特定の方向に関
して放射冷却手段CLあるいは放射シールド手段RSの
外縁部まで延びる可能性を除外するものではないことは
指摘しておくべきであろう。
【0045】例えば上記のETSシステムで通常行われ
るように、入射ビームEBが3000乃至6000ヘル
ツのパルス周波数でパルス駆動される場合、1パルスに
よって膜に注がれる平方単位当たりの許容エネルギーは
膜の厚さ(平方単位の熱容量)及び時間の関数としての
温度の許容変動によって制限される。その結果、ビーム
EBのパルス周波数は平均加熱強度によって決まる最小
値より高くするべきである。計算によって、平均加熱強
度が20mW/cm2でシリコン膜の厚さが3マイクロメ
ートルの場合、時間の関数としての温度変動は、パルス
周波数が800ヘルツ以上ならば0.05K以下である
ことが証明されている。商用EUV投影用途におけるパ
ルス繰返し周波数はこの値より十分高いと考えられるか
ら、マスクの温度変動へのパルス駆動ビーム加熱の影響
はこの際無視することができる。
【0046】本発明の一実施態様においては、ここで説
明する場合では照射部分の端部で生じる「オーバーシュ
ート」冷却の領域における冷却余剰分を補償するため
に、ステンシルマスクの1つ以上の所定の部分に追加の
熱放射を供給ことができる。例えば図1乃至3の装置の
幾何学的構成では、あらかじめ設定されたサイズと強度
を持つ4本の補助熱放射ビーム、例えば赤外線レーザビ
ームLLを温度分布が最低温度を示すマスクの部分、例
えば図7bの4つの最低温度点に向けて照射することが
できる。放射強度は、温度、例えばマスクの照射フィー
ルド中の温度を上昇させるように選択される。また、補
助ビームも照射フィールドRMに沿って走査することが
でき、それによって導入される熱の量はマスク上におけ
るビームの強度及び/または速度を調整することによっ
て制御される。ビームは、図3に示す温度安定化機構の
側面図に示すように、それぞれの場合に応じて、温度安
定化機構TAの下及び/または上から開口スロットS
C、SPを通して照射される。ステンシルマスクの下面
は、高放射率コーティング、例えばカーボンコーティン
グで被覆されていて、入来放射を大量に吸収するから、
照射は、好ましく下方から行うようにする。
【0047】図12は、上記の温度安定化機構TAに適
するステンシルマスクMK(図12、13)を製造する
ための製造プロセスを図解したものである。この図に
は、製造プロセスの逐次ステップ1乃至13に従って処
理されるウェーハの縦断面図が示されている。この製造
プロセスは、「シリコン・オン・インシュレータ」ウェ
ーハ(SOI)をベース材料として使用する。イオンビ
ーム・リソグラフィ用のステンシルマスクを製造するた
めの同様のプロセスがJ・ ブッツシュケ (J. Butschk
e)等によってGMM会議会報「1998年度集積回路及
びマイクロコンポーネントのためのマスク技術」(GM
M conference proceedings
”Mask Technology for Int
egrated Circuits and Micr
o−Components ’98”)、VDB−Ve
rlag (Berlin)、29〜38ページ(19
98年11月16、17日ミュンヘン(ドイツ)で開催
されたGMM会議)に発表されている。なお、この発表
の論文の内容は参照によって本願に援用される。
【0048】図12に示す製造プロセス用のベース材料
は厚さ675マイクロメートルのSOIウェーハブラン
クである(図12.1)。ウェーハブランクWBは、3
マイクロメートルの厚さの表面シリコン膜層SMと、2
00ナノメートル乃至400ナノメートルの厚さの埋込
シリコン酸化膜層OXを有する。埋込酸化膜層の上にあ
る薄いシリコン層SMは、製造後に膜(図 12.13)
となり、これによって製造されたマスクの厚さ、熱伝導
率及び応力のような全ての最終特性が決定される。その
ために、この層SMの性質は非常に重要である。ステン
シルマスクのベース材料としてSOIウェーハを用いる
利点の1つは、ステンシルトレンチ・エッチングステッ
プ及び膜エッチングステップ(下記参照)のためのスト
ップ層の役割を果たす絶縁体層になるということであ
る。
【0049】シリコン膜層SMに高反射性コーティング
MLが形成される(図12.2)。このコーティング
は、50%より十分高い反射率を持ち、これは、例え
ば、約406ナノメートルの厚さのMo/Si多層積層
膜であってもよいが、前述のEUVミラー・コンポーネ
ントの場合ように精緻な品質のものである必要はない。
既に述べたように、反射層MLの目的は、これがなけれ
ばマスクに吸収されるはずのEUV入射ビームの部分を
反射し返すことである。反射ビームは、イメージング品
質に関する何らかの条件を満たす必要はない。
【0050】次のステップ(図12.3)では、窒化ケ
イ素層SNがウェーハの裏面(「下面」)にディポジシ
ョン法によって形成され、1つ以上の窓BWを形成する
ようエッチングされる。この層SNの厚さは通常約20
0ナノメートルとすることができる。裏面の窒化ケイ素
層SNの助けを借りて画定されるこれらの窓は、後の膜
エッチングステップ(図12.11)で、ウェーハバル
ク材をエッチングして、自立ステンシル膜を残すための
領域として用いられる。ここで、反射コーティング形成
直後に窓画定のプロセスステップを行う必要はないこと
を指摘するべきであろう。どちらかと言うと、これはプ
ロセスフロー内で膜エッチングステップより前の都合の
良い任意の時点で行えばよい。
【0051】ハードマスクHM(図12.4)は、反射
層ML上に形成される。ハードマスクHMは、例えば
1.0マイクロメートル厚のPECVDプロセスにより
ディポジション法によって得られる応力補償酸窒化膜層
SiOxyとして形成される。
【0052】次に、このハードマスクHMはフォトレジ
スト層PHを用いる周知のリソグラフィプロセスによっ
て構造化されるが(図12.5〜8)、その際まずフォ
トレジスト層PHは電子ビーム・ダイレクトライター
(直接描画装置)によって露光され(図12.5)、現
像される(図12.6)。レジストパターンは、例えば
CHF3/O2プラズマによる反応性イオンエッチング
(RIE)を用いてSiOxyハードマスク層HM′に
転写される(図12.7)。その後、レジストはO2プ
ラズマで除去される(図12.8)。
【0053】次の2つのステップ(図12.9及び12.
10)では、ハードマスクを用いて反射層ML及びシリ
コン膜層SMのトレンチエッチングが行われる。トレン
チエッチングには周知のRIEプロセスが使用される。
EUVビームによる照射時に側壁でのイオン散乱を避け
るために、シリコン膜SM′中のステンシル構造は好ま
しくは照射ビームに関して逆行状となるように成形され
る。これはSF6/O2剤を用いてRIEプロセスにより
行うことができる。
【0054】膜層ML′、SM′の構造化の後、膜エッ
チングが行われる(図12.11)。膜エッチングは、
周知のウェーハ湿式エッチング法を用いて、あらかじめ
設定された窓領域BW内でシリコン酸化膜層OXに達す
るまで行われる。最後のステップ(図12.12)で
は、残りのハードマスク層HM′、シリコン酸化膜スト
ップ層OX及び窒化ケイ素層SNがエッチングされる。
【0055】しかしながら、好ましくは、ステンシルマ
スクMKの膜の形成されたばかりの裏面に高放射率を有
する低応力カーボン層CBをディポジション法によって
形成し(図12.13)、そしてステンシル開口部内に
付着したカーボン材を除去するために、選択ドライエッ
チング技術(通常酸素反応性イオンエッチングを用い
る)によってエッチングする。上に述べたように、カー
ボンコーティングCBは冷却要素RS、CLへの放射結
合を促進する高放射性表面として作用する。吸収係数
0.75の低応力カーボンコーティングCBを作り出す
ための適切な方法としては、例えば英国特許出願第2
325 473 A号(米国特許出願第08/862,
770号)に記載されているようなオフアクシス・スパ
ッタ法、あるいはP・フデク(P.Hudek)等によ
り提唱された窒素支援直接スパッタ法(J.Vac.S
ci.Technol.B Nov./Dec.199
7で論文発表予定)がある。
【0056】マスク膜の内部応力を制御するために、多
層積層膜MLが寄与する応力はシリコン膜層SMの内部
応力を適切に調整することによって補償される。例えば
ドーピングによってシリコン層の内部応力を調整する方
法は、最新の技術から周知である。例えば、Mo/Si
多層膜SMでは典型的な内部応力の値330MPaで、
シリコン膜層SM中の圧縮応力により全応力として例え
ば10MPaの小さい正の値(正の値は引張応力を意味
する)を得ることができる。例えば、シリコンをヒ素で
ドーピングすることによって、所望の大きさの圧縮応力
を容易に得ることができる。
【0057】上に説明した方法で製造されるステンシル
マスクMKは高反射性の「上面」MLと、吸収性の「裏
面」CBを有する。しかしながら、ここで、本発明の原
理によれば、高反射性表面を持たないステンシルマスク
でも使用することができるということに留意するべきで
ある。その場合は、EUVビームの照射強度を相応に制
限するべきであり(そうするとリソグラフィシステムの
スループットが低下する)、 あるいは冷却シリンダC
Lの冷却温度を適度に下げるべきである。特に高反射性
表面のないステンシルマスクの場合に温度安定化の効果
を高めるもう一つの手段としては、一組の温度安定化要
素をマスクの両側へ配置する二重型構成がある。二重型
温度安定化機構(「二重型構成」)TDを有する装置が
図9及び10にそれぞれ断面図及び側面図として示され
ている。この構成は、図2及び3に示す構成を修正した
ものである。EUVシステムの他の構成要素は図1を用
いて説明したものと同じである。二重型構成TDは下部
セットTL及び上部セットTUで構成されている。下部
セットTLは、図2に示す構成TAと本質的に同じであ
る。必要ならば、d1やh1のような寸法はここで使用
するマスクMK′の仕様に合わせて変えることが可能で
ある。上部セットTUは、上部セットの放射シールドR
Uはネック部NK′を持たないが、放射シールドRUの
下側の吸収面は平たいという点で下部セットTLの「鏡
像」形ではない。これが可能なのは、ステンシルマスク
MK′の上面がウェーハフレームと同じレベルの高さに
あるためである。
【0058】また、この実施例では、補助ビームを用い
てステンシルマスクの1つ以上の所定部分に追加の熱放
射を供給することにより過剰冷却を補償することもでき
る。図10に示すように、ビームは一組の下部レーザ手
段LL及び/または上部レーザ手段LUをそれぞれ有す
る下部及び/または上部セットTU、TLの開口スロッ
トを通して照射される。照射は、必要な熱照射量及びそ
れぞれの表面の反射率に応じて下または上からあるいは
両側から行うことができる。
【0059】図9及び10の構成で使用するためのステ
ンシルマスクは、前述のJ・ブッツシュケ (J.Bu
tschke)等によって提唱されているようなプロセ
スにより効果的に製造することができる。ここで、「上
面」にのみカーボンコーティングを有するマスクを使用
すると、「裏面」はシリコンに相当する放射率(約0.
3)しか持たないことになるので、放射冷却の効果は異
なってくるということに留意するべきであろう。そのた
めに、裏面についてもより高い放射率が必要ならば、図
12.13で説明したように、裏面にカーボンコーティ
ングを施すための別途のステップを追加することができ
る。
【0060】図11は、本発明のもう一つの実施例、す
なわち図1及び図2の温度安定化機構の別の態様を示
す。この機構TA′では、放射シールドRS′にはネッ
ク部は設けられない。実際には、幾何学的構成は、この
機構TA′はマスクの下方に置かれるので配向が異なる
点以外、基本的に図9の上部セットTUの場合と同じで
ある。マスクMIと機構TA′との間の距離を小さく保
つために、マスクMIはマスク前面が下面となるよう
「反転」状に設けられる。また、この構成では、マスク
は静電作用によってマスクフレームにクランプされる。
従って、下方に余分の高さがなく、反転型マスクMI
は、マスクあるいは機構TA′を上下方向に動かす必要
なく交換することができる。その他の点に関しては、図
11に示す実施例は図1の実施例と同じである。
【0061】図11の構成で用いられる反転型マスクM
Iは、好ましくはその上面、すなわちウェーハ裏面の窓
領域内に多層膜を具備する。図13は、この種の反転型
ステンシルマスクMI(図12.13)を製造するため
の製造プロセスを図解したものである。この製造プロセ
スは、A・ヴィッツコーヴァ(A.Witkover)
による論文「新技術がチップ性能を飛躍的に向上させる
(New Technology Boosts Ch
ip Performance)」(Vacuum S
olutions1999年3月/4月号、17〜20
ページ)記載されているようないわゆる「スマート・カ
ット・プロセス」に基づいている。
【0062】このプロセスでは、酸化表面を持つシリコ
ンウェーハWOを出発材料として、まずスマート・カッ
ト・プロセスにより高エネルギーで水素イオンが打ち込
まれる。水素イオンHIはシリコン材中に堆積し(図1
3.1)、シリコン酸化膜層SXの数マイクロメートル
の深さに止められる。これらの水素イオンは、そのスト
ップ深さに核損傷のある設定された層HHを生じさせ
る。
【0063】次に、シリコン酸化膜層SXが除去され
(図13.2)、そして例えば最上層としてSi層を持
つMo/Si多層積層膜(図13.2参照)のような高
反射性コーティングMLが形成される(図13.3)。
【0064】次いで、ウェーハはやはり表面酸化膜層を
有する第2のウェーハにSi-SiO2接着法によって接
着される(図13.4)。このように接着されたウェー
ハは、スマート・カット・プロセスにより核損害で影響
された層沿いに劈開される。このステップは、結果的に
第1のウェーハのシリコンバルクを除去し、後に反射コ
ーティングMLとシリコン膜層SMによって被覆された
第2のウェーハの酸化膜層が残る。劈開によって生じた
表面のメカノケミカル・ポリシング(MCP)後、得ら
れたウェーハ(図13.5)(図13.4に関してウェー
ハの向きが変わっている) は、反射層MLとシリコン
膜層が入れ替わっている点を除いて、図12.2の場合
と同等のウェーハとなる。
【0065】製造プロセスの以後のステップは図12で
説明したステップ3乃至12、すなわち窓を形成するた
めの窒化ケイ素層SNのディポジション、ハードマスク
の形成等のステップが同様に行われる。従って、図1
3.6は図12.12に対応しており、中間のステップは
図12での説明から理解されよう。ただし、カーボンコ
ーティングCBを設けることが望ましい場合は、ウェー
ハの前面側にディポジション法によって形成される。こ
のプロセスによって得られる製品は「反転型」ステンシ
ルマスクMIであり、図13.7に示すように向きを変
えると、図12のステンシルマスクMKと同じ層列S
M′、ML′、CB′を持って、ウェーハマスクの下面
に配置されることになる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、EUV線のような高エ
ネルギー放射ビームを用いる投影リソグラフィシステム
における透過マスク使用時におけるマスク全面の温度変
動を小さく抑えて熱安定性が改善される結果、安価な方
法で描画精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透過マスクの温度安定化機構を具
備したEUV装置の縦断面図
【図2】図1の温度安定化機構の図1の縦断面図に対応
した部分断面図
【図3】図1の温度安定化機構をマスクと共に示し、図
3aは下面図、図3bは側面図
【図4】図4aは、温度安定化機構の分解斜視図で、見
やすくするため内側の吸収面だけが開口スロットが外壁
に達しないようにした冷却シリンダの第1の態様と共に
示されており、図4bは、照射時におけるこの機構用の
マスク上の温度分布を示す。
【図5】冷却シリンダの温度の関数としてマスク膜の温
度分布の幅を示すグラフ
【図6】図4同様、温度安定化機構における冷却シリン
ダの第2の態様の分解斜視図(図6a)及びマスクの温
度分布(図6b)を示し、この態様においては開口スロ
ットが外壁に達している。
【図7】図4同様、冷却シリンダの第3の態様の分解斜
視図(図7a)及び温度分布(図7b)を示し、この態
様では開口スロットが外壁の長さの2分の1だけ延びて
いる。
【図8】図4同様、冷却シリンダの第4の態様の分解斜
視図(図8a)及び温度分布(図8b)を示し、この態
様では開口スロットが外壁の全長に及んでいる。
【図9】二重型温度安定化機構の断面図
【図10】図9の温度安定化機構の側面図
【図11】反転型マスク用の他の温度安定化機構の断面
【図12】図2及び3の温度安定化機構用のステンシル
マスクの製造工程を図解した概略シーケンス図
【図13】図11の温度安定化機構用の反転型ステンシ
ルマスクの製造工程を図解した概略シーケンス図
【符号の説明】
EB 成形ビーム MK 透過マスク CL 放射冷却手段 RS 放射シールド手段 RM 照射部分 d1 所定の距離 SC、SP 開口スロット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 531M (71)出願人 500162107 Schreygasse 3, 1020 W ien, Austria (72)発明者 ドクター ハンス レシュナー オーストリア国、 1190 ウイーン、 フ ェーガガッセ 6 (72)発明者 ドクター エルンスト ハオゲネーダー オーストリア国、 1210 ウイーン、 ジ ークフリートガッセ 64 (72)発明者 ジョセフ ルッツ オーストリア国、 1060 ウイーン、 ヴ ェープガッセ 37/3/27

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相当なエネルギーの放射線の成形ビーム
    (EB)の経路を横切る少なくとも1つの所定の露光位
    置に透過マスク(MK)を位置決めするための位置決め
    手段を具備した投影リソグラフィシステム用のマスク露
    光システムにおいて:該ビームの光路(EB)を取り囲
    むと共に、該マスク(MK)からの熱放射を吸収するた
    めの吸収面を有する放射冷却手段(CL)及び放射シー
    ルド手段(RS)を具備し、 該放射シールド手段(RS)が該マスクの動作温度に保
    持され、かつ該マスクが露光位置に位置決めされたとき
    所定の距離(d1)以内の距離で該マスクに対面する吸
    収面を有し、 該放射冷却手段(CL)が、該動作温度以下の温度に保
    持される共に、該マスクと反対側に該放射シールド手段
    (RS)と近接させて配置され、該マスクが露光位置に
    位置決めされ該ビームによって照射されたとき該マスク
    (MK)の照射部分(RM)に対面する吸収面を有す
    る、ことを特徴とするマスク露光システム。
  2. 【請求項2】 上記放射冷却手段(CL)及び放射シー
    ルド手段(RS)がビームの進行方向に見て露光位置の
    後に配置されたことを特徴とする請求項1記載のシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 上記放射シールド(RS)手段が、露光
    位置に面すると共に上記ビームの光路を取り囲む吸収面
    を有するフラットプレート(RP)として形成された放
    射シールドよりなることを特徴とする請求項1または2
    のいずれか1項記載のシステム。
  4. 【請求項4】 上記フラットプレート(RP)がビーム
    のための開口部を有し、該開口部の縁部(NK)が該フ
    ラットプレートの平面から露光位置に向けて隆起してい
    ることを特徴とする請求項3のシステム。
  5. 【請求項5】 上記放射冷却手段(CL)が、上記放射
    シールド手段(RS)によってカバーされない視野のセ
    クタ領域に関して露光位置に置かれた透過マスクの照射
    部分(RM)の視野の大部分をカバーすることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1項記載のシステム。
  6. 【請求項6】 上記放射冷却手段(CL)が、露光位置
    に面しかつ上記ビームの光路を取り囲む球形、円筒形ま
    たは円錐形の凹形吸収面よりなることを特徴とする請求
    項5記載のシステム。
  7. 【請求項7】 上記放射シールド手段(RS)が、露光
    位置に平行に配置されかつ該ビーム(EB)用の第1の
    開口スロット(SP)を有するフラットプレートとして
    形成された放射シールドよりなり、放射冷却手段(C
    L)が、軸が該ビームの光路と交わると共に露光位置及
    び該第1の開口スロット(SP)と平行に配向された円
    柱セグメント状に成形された凹形吸収面よりなり、放射
    冷却手段(CL)の凹形吸収面は該ビーム(EB)用の
    第2の開口スロット(SC)を有し、両方の該開口スロ
    ットの形状が、それぞれのスロット位置の貫入ビーム全
    体を通過させるように形成されたことを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれか1項記載のシステム。
  8. 【請求項8】 上記放射冷却手段(CL)及び放射シー
    ルド手段(RS)が、例えばほぼ矩形の細長い断面を有
    する上記ビーム(EB)の光路のための細長い開口スロ
    ット(SC、SP)を具備し、該スロット(SC、S
    P)の幅(ws)がビーム断面の幅に適合した幅である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の
    システム。
  9. 【請求項9】 熱放射ビームを発生させると共に、上記
    マスクが露光位置に位置決めされたときとき該マスク上
    の特定のスポットを照射するよう指向される熱放射手段
    を具備したことを特徴とする請求項1記載のシステム。
  10. 【請求項10】 投影リソグラフィシステム用の透過マ
    スク(MK)、すなわち相当大きいエネルギーの成形放
    射ビームに曝され、ウェーハマスクとして実施されると
    共にステンシルパターン付きの少なくとも1枚のマスク
    膜を有して該マスク膜の厚さがウェーハのバルク厚さよ
    り十分小さい透過マスクにおいて、該マスク膜が、該ビ
    ームに曝される前面または裏面に高反射性コーティン
    グ、例えば多層コーティングとして形成された表面層
    (ML′)を具備することを特徴とする特徴とする透過
    マスク。
  11. 【請求項11】 上記マスク膜の上記高反射性コーティ
    ングと反対側の面上に低応力カーボンコーティング(C
    B)を設けたことを特徴とする請求項10記載のマス
    ク。
  12. 【請求項12】 上記パターン開口部が上記ビームの進
    行方向に関して逆行状をなすことを特徴とする請求項9
    または10のいずれか1項記載のマスク。
  13. 【請求項13】 厚さ10マイクロメートル以下のシリ
    コン膜層(SM)によって被覆された埋込層(OX、H
    H)を持つシリコンウェーハから投影リソグラフィシス
    テム用、すなわち相当大きいエネルギーの成形放射ビー
    ムに曝される透過マスクの製造方法において: a)シリコン膜層上に例えば多層コーティングの高反射
    性コーティング(ML)をディポジション法により形成
    するステップと、 b)該高反射性コーティング(ML)がある側のウェー
    ハ面上にハードマスク(HM)層を形成するステップ
    と、 c) 該ハードマスク(HM)を構造化するステップ
    と、 d)ハードマスクの構造内部を通してエッチングするこ
    とにより該高反射性コーティング(ML)及びシリコン
    膜層(SM)を構造化するステップと、 e)ウェーハの高反射性コーティングのある側と反対の
    バルク面側から少なくとも1つのあらかじめ設定された
    窓領域(BW)内でストップ層(OX)までウェーハを
    エッチングするステップと、 f)ハードマスク(HM′)を除去し、該窓領域(B
    W)中のストップ層(OX)をエッチングするステップ
    と、を具備したことを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 さらに、下記ステップ(g)を具備し
    たことを特徴とする請求項14記載の方法: g)少なくとも該窓領域(BW)の範囲内でウェーハの
    高反射性コーティング(ML)と反対側の面に低応力カ
    ーボン層(CB)をディポジションによって形成し、構
    造の開口部内に堆積したカーボン材を選択ドライエッチ
    ング法により除去するステップ。
  15. 【請求項15】 上記ステップ(d)で、少なくともシ
    リコン膜の構造化が上記ビームの進行方向に関して逆行
    状エッチ側壁を作り出す反応性イオンエッチング法を使
    用して行われることを特徴とする請求項12または13
    のいずれか1項記載の方法。
  16. 【請求項16】 上記ステップ(e)までに窒化ケイ素
    層あるいは酸窒化膜層(SN)を該ウェーハのバルク面
    側にディポジションによって形成し、少なくとも1つの
    あらかじめ設定された部分は該窒化ケイ素層や酸窒化膜
    層(SN)を形成しないまま残すよう構造化し、該部分
    で少なくとも1つの逆方向の窓(BW)を形成し、上記
    ステップ(f)で該窒化ケイ素層あるいは酸窒化膜層
    (SN)の残りの部分を除去することを特徴とする請求
    項13乃至15のいずれか1項記載の方法。
  17. 【請求項17】 シリコン酸化膜層が表面シリコン膜に
    よって覆われたシリコン・オン・インシュレータ・ウェ
    ーハ(WB)をウェーハブランクとして使用し、シリコ
    ン酸化膜層をステップ(e)のストップ層として使用す
    ることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 上記ウェーハブランクが埋込層(H
    H)がイオン、例えば水素イオンの照射によって形成さ
    れたシリコンウェーハから作られ、上記ステップ(a)
    の後、該ウェーハブランクを第2のウェーハ(W2)に
    接着すると共に埋込層に沿って劈開し、第2のウェーハ
    について後続の上記各ステップを実行することを特徴と
    する13乃至16のいずれか1項記載の方法。
JP2000105774A 1999-04-19 2000-04-07 投影リソグラフィシステム用の透過マスク及びマスク露光システム Pending JP2000306832A (ja)

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