JP2000306390A - 不揮発性半導体記憶装置ならびにその駆動方法、動作方法および製造方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置ならびにその駆動方法、動作方法および製造方法

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JP2000306390A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不揮発性半導体記憶装置の駆動時において、
書き戻しに駆動電流が大きい、書き戻し時間が長い、チ
ャネルコンダクタンスの劣化があるなどの課題があっ
た。 【解決手段】 第1導電型のチャネル領域を介して対向
する第2導電型の第1、第2の拡散層2aa,2bb
と、第1導電型のチャネル領域上の2層ゲート電極とを
備えたトランジスタに対して、チャネル領域と一方の拡
散層を第1の電圧レベルに設定し、拡散層の他方を第2
の電圧レベルに設定し、コントロールゲート6を第1ま
たは第3の電圧レベルに設定し、第1の電圧レベルと第
2の電圧レベルとの電位差が第1の電圧レベルと第3の
電圧レベルとの電位差よりも絶対値において大きく設定
し、チャネル電流が流れるトランジスタに対してそのチ
ャネル領域を流れる電荷の一部をフローティングゲート
4に注入するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フローティング
ゲートとコントロールゲートの2層ゲート電極を有する
不揮発性半導体記憶装置ならびにその駆動方法、動作方
法および製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図26は従来のフラッシュメモリ等の不
揮発性半導体記憶装置におけるメモリセルアレイを示す
回路構成図であって、NOR型フラッシュメモリの一例
を示すものであり、図において、WLm−1〜WLm+
1はワードライン、BLn−1〜BLn+1はビットラ
イン、SLはソースラインである。
【0003】まず、フラッシュメモリの過消去状態につ
いて説明する。メモリセル(以下、セルという)の構成
においてNOR型もしくはDINOR型と呼ばれるアレ
イ構成を持つものでは、同一ビット線上にしきい値Vt
h(以下、Vthという)がデプレッション状態(Vt
h<0)のセルが存在するとそのビット線上の全てのセ
ルのVth測定ができなくなる問題がある。例えば、図
26における円Aに当たるBLn/WLmのセルのVt
hがデプレッション状態の場合、BLn上の他のセルの
Vthがエンハンス状態(Vth>0)状態であって
も、BLn/WLmのセルの影響でVthが測定できな
い(全て0V以下となる)。
【0004】このため、上記アレイ構成でのVth分布
を調べると、図27の過消去不良のVth分布図に示す
ように同一ビット線上のセル数に比例したセルがVth
<0と判定されてしまう。このようなデプレッション状
態のセルは、フラッシュメモリでフローティングゲート
から電子を引き抜く際に偶発的に過剰に電子が引き抜か
れることにより発生し得る。
【0005】この現象については、山田らによる「アバ
ランシェホットキャリア注入を使用したNOR型フラッ
シュEEPROM用の自己収束消去法」(文献1:IE
EETrans.Electron Devices,
vol.43, p.1937, 1996)の中に
誤消去セル(erratic over erase)
として記載がある。
【0006】次に、過消去セルのVthの書き戻しにつ
いて説明する。ここで、過消去セルのVthをエンハン
ス状態に戻すことを書き戻しと称する。この書き戻しに
は幾つかの方法が既に報告されている。
【0007】まず、フラッシュメモリでセルへの電子注
入法としてCHE(ChannelHot Elect
ron)を用いた方法が知られている。ここで、CHE
による書き込みとは、メモリセルのドレイン近傍の急峻
な電界で加速されたチャネル電子のうち、酸化膜のバリ
ア高さ以上に加速された高エネルギ電子をフローティン
グゲートに注入する方式をいう。
【0008】次に、従来のNOR型フラッシュメモリの
セル構造を用いて、CHEを用いた過消去ビット書き戻
しを説明する。図28は従来のCHEによる過消去ビッ
ト書き戻しを説明するためのフラッシュメモリセルの断
面概略図であり、図において、11はP型半導体基板、
12a,12bはそれぞれNチャネルのソース、ドレイ
ン領域、14は多結晶シリコン等からなるフローティン
グゲート、15はリーク対策のため酸化膜、窒化膜、酸
化膜の3層構造を有したONOと呼ばれる絶縁膜、16
は多結晶シリコン等からなるコントロールゲート、Vs
はソース電圧、Vdはドレイン電圧、Vcgはコントロ
ール電圧、Vsubは基板電圧である。なお、コントロ
ール電圧Vcgはドレイン電圧Vdよりも高く設定する
のが通常である。
【0009】CHE方式を用いるフラッシュメモリで
は、CHE効率を高めるため、ドレイン近傍では濃いP
+基板濃度(〜1018cm-3程度)と濃いN+拡散層
(〜10 20cm-3程度)を備える。例えば、図29は従
来セル構造によるドレイン端近傍におけるチャネル表面
での不純物の分布を示すグラフ図である。これによれ
ば、logNの値が一挙に落ち込む表層位置P0を境に
不純物濃度には増減の変化がみられる。この従来セル構
造では、空乏層はPチャネル基板領域のみで拡がりを抑
えCHE効率を稼いでいる。先の文献1にもドレインの
注入はAs=5×10 15cm-2と書かれており、この注
入条件では熱処理後のN+拡散層濃度は1020cm-3
上となる。
【0010】次に動作について説明する。セルへの書き
込みは、ドレイン近傍の急峻な電界で加速されたチャネ
ル電子のうち、第1のゲート酸化膜13のバリア高さ以
上に加速された高エネルギ電子即ちCHEをフローティ
ングゲートに注入することにより行われ、一方、セルへ
の書き戻しは、過消去状態のセルに対して、上記のCH
E方式を用いてVthをエンハンス状態にすることによ
り可能である。
【0011】しかしながら、この方法では以下に記すよ
うな問題点が存在する。 (1)過消去セルを選択する必要があるので、回路構成
が複雑になる。 (2)書き込むべきVth変動幅が従来の書き込みとは
異なるので、ドレイン・ゲートに所望の電圧を設定する
必要がある。即ち、この電圧は、一般的にセルを書き込
み状態にする電位配置とは異なる電位配置が必要とな
る。 (3)書き戻し時にチャネル電流をドライブする必要が
ある。(Id〜数10μA/セル)
【0012】これに対して、上記CHE方式による書き
戻しでのビット選択を行わなくてもよい方法として、ド
レインアバランシェホットエレクトロン(Drain
Avalanche Hot Electoron;
以下DAHEと略称する)、ドレインアバランシェホッ
トホール(Drain Avalanche HotH
ole; 以下DAHHと略称する)によるゲート電流
を用いた書き戻し方法が報告されている(文献1参
照)。
【0013】この書き戻し方法を用いたセル構造につい
て以下説明する。図30は従来のDAHE/DAHHに
よる過消去ビット書き戻しを説明するためのフラッシュ
メモリセルの断面概略図であり、図において、装置構成
は上記CHEによるメモリセルとほぼ同じでその説明は
省略するが、電極に対する印加電圧のかけ方に相違点が
あり、Vcgに対してGNDレベルを印加し、Vsub
に対してGNDまたは負バイアスを印加するものであ
る。
【0014】この様なドレイン構造を有するフラッシュ
メモリのセルでのゲート電流Igは、図31に示すよう
にチャネル電流が流れるゲート電圧領域でゲート電圧が
低い側から、DAHH、DAHE、CHEといったゲー
ト電流が観測されることが知られている。この様子は、
文献1や他の文献にも記載されている(例えば、文献
2:IEEE Electron Devices L
etter, EDL−7, p.561, 198
6, Y.Nissan−Cohen、更に、文献3:
米国特許第5,546,340号,Chung−Yu
Huら)。ここで、DAHE/DAHHのゲート電流は
チャネルを流れる電流を種として、ドレイン近傍の高電
界領域にて発生した電子・ホール対のうち、前記電界で
エネルギ的に高い状態に加速された電子もしくはホール
がフローティングゲートに注入されたものと説明するこ
とができる。
【0015】このDAHH/DAHEを用いれば、自己
収束的に過消去状態のセルを書き戻すことができる。こ
のDAHH/DAHEによるゲート電流は、チャネルを
流れる電流を種として、ドレイン近傍の高電界領域にて
発生した電子・ホール対のうち、前記電界でエネルギ的
に高い状態に加速された電子もしくはホールがフローテ
ィングゲートに注入されたものとする。
【0016】以下、この書き戻し方法による評価につい
て述べる。セル構造は上記の文献1を参考にした図32
の断面構成を有するものを用いた。図34は、この方法
での書き戻しを単体セルにて評価した結果を示すグラフ
図である。Vthを約0Vまで過消去したセルをドレイ
ン電圧Vd=5V、コントロールゲート電圧Vcg=0
Vの条件(ソース電圧Vs=Vsub=GND)で放置
すれば、約0.1sec後に収束Vthは約1.75V
まで書き戻されている。即ち、この書き戻し方法ではC
HE方式で問題であったビット選択の必要が無く、アレ
イ全体のビット線にドレイン電圧を印加し、ゲート電圧
は0Vに設定して放置すればよい。
【0017】更にこの方法で特徴的なことは、収束Vt
hより高いVthを有する状態も、収束Vthに変動す
ることである。即ち、図31の自己収束法使用時のゲー
ト電流特性のグラフ図に示されるように、収束Vth以
下のセルでは、DAHEの注入(電子注入)が起こり、
フローティング電位が図中のVg*にまで下がる。この
結果、セルVthは収束Vthにまで書き戻される。一
方、収束Vth以上のセルでは、DAHHの注入(ホー
ル注入)が起こり、フローティング電位が図中のVg*
にまで上がる。この結果、セルVthは収束Vthにま
で下がることになる。即ち、収束VthではDAHEに
よる電子注入とDAHHによるホール注入が釣り合った
状態になっている(電子・ホールの両方が注入され続け
ている)。
【0018】また、図35はこの自己収束法での書き戻
し方法におけるドレイン電圧Vd依存性を示すグラフ図
であり、ドレイン電圧がVd=6Vから4Vに低下する
に従い、書き戻しに要する時間が増加することが判る。
【0019】また、図36はこの自己収束法での書き戻
し方法における収束ポイント即ち収束Vthにまで達し
たセルでのゲート電圧Vg−ドレイン電流Id特性を示
すグラフ図であり、この図ではVg=0Vにおいても、
書き戻されたセルでは電流が流れていることが判る。こ
の測定はVd=1Vで行っており、実際の書き戻し時
(Vdを〜5Vに印加した時)には数μA/bitの電
流が流れる。加えて、図39を参照すると、書き戻し動
作時間が101 〜102 secの範囲ではドレイン電流
Idは安定して20μA(=2×10-5A)流れている
ことが判り、これは書き戻し時に収束Vthで電流が流
れていることを明白に示すものである。
【0020】さらに、ビット線選択を行わない代わりに
アレイ全体を選択した場合、仮にアレイブロックサイズ
が256bits(BL)×2048bits(WL)
=512kbitsだとし、更に収束Vthでのセル電
流を1μA/bitと仮定しても、この書き戻し方法で
は約500mA程度の電流が流れてしまう。即ち、この
方法では、書き戻し動作時の駆動電流が多いことが問題
であった。
【0021】さらにまた、DAHE/DAHHゲート電
流による書き戻しではチャネルコンダクタンスが劣化す
るということも報告されている(文献3:IEDM’9
4,p.291)。これは、収束Vthにおいて、電子
・ホールの両方がゲート酸化膜を介して注入され続ける
ため、このゲート酸化膜が劣化するからである。
【0022】また、参考例として以下の先行技術があげ
られる。図37は特開平10−144809号記載の半
導体記憶装置の断面図である。図において、N++領域
12bbと濃いP+領域2bが接する構造が、ゲートと
オーバラップしているので、図中の円で囲まれた部分で
発生した電子・ホールがゲートに注入されてしまい、図
38に示されるように、ドレインディスターブ特性が悪
くなる。ここで、ドレインディスターブ特性とは、高い
Vth状態にあるセルにCHE書き込み時のドレイン電
圧が長時間印加されるとVthが下がる不具合をいう。
【0023】また、チャネル領域に電界緩和層がない場
合の一例として、特開平4−211178号記載の半導
体記憶装置があるが、これによれば、DAHE/DAH
Hのゲート電流が釣り合うところにVthは収束する。
これに対応する書き戻し動作時の電流収束特性を示すグ
ラフ図が図39である。図39は横軸が時間、縦軸が書
き戻し動作時のチャネルを流れる電流量で、約10se
c程度で〜10μA程度の収束値に収束し、これはDA
HE/DAHHのゲート電流が釣り合った状態を示す。
さらに100sec程度でゲート酸化膜が破壊された。
これは電子とホールの両方が同時にゲート酸化膜に注入
された結果、酸化膜の劣化が進み破壊が発生したもので
ある。
【0024】次に、不揮発性半導体記憶装置の動作方法
として消去シーケンスについて説明する。図33は、従
来のNOR型フラッシュメモリの消去シーケンスを示す
フローチャートである。図において、ST11はコマン
ド入力ステップ、ST12は消去前書き込みステップ、
ST13は消去ステップ、ST14は消去確認ステップ
である。
【0025】次に動作について説明する。コマンド入力
がステップST11にてなされると、過消去セルの発生
を抑えるため、一度消去を選択されたブロックの全セル
が消去前書き込みステップST12において書き込まれ
る。従来は、この消去シーケンスにおいて、この消去前
書き込みの時間が長くかかり、消去時間の短縮が困難で
あった。
【0026】例えば、CHE方式による書き込みを行う
NOR型のセルアレイで、512kbitsのブロック
が同一ビット線上に256ビット/同一ワード線上に2
048bitsの配置で構成されていたとする。消去前
書き込みにおいて、32bitsを一度に選択し書き込
みを行ったとする。一度の書き込み時間が〜20μse
cであったとしても、2048/32×256×20μ
s=0.328secを要する。
【0027】従って、例えば1Mbitsの容量をもっ
たチップが上記ブロック構成で構成されていたとする
と、消去コマンド入力後には消去前書き込み動作だけで
0.328sec×2=0.65secかかることにな
る。実際の消去時間(セルを低Vth状態にまで持って
いく動作)に関しては、消去時に酸化膜に印加されるF
Nトンネル電界を高めれば約0.1sec程度にまでは
短縮できるにも拘らず、過消去セルの発生を抑えるため
の消去前書き込みだけでその6倍近くの時間を要するこ
とになってしまっていた。
【0028】なお、上記においては、従来のNOR型フ
ラッシュメモリを例に取り上げて説明したが、DINO
R型フラッシュメモリについても補足して説明する。図
40は、従来のDINOR型フラッシュメモリのセル構
造を示す断面概略図であり、図において、17は低濃度
のN型ドレイン領域即ちN−ドレイン領域であることを
除いて、他の構成要素は図28のものと同一なので同一
符号は同一構成要素または相当部分を示しその説明は省
略する。
【0029】DINOR型のセル構造ではCHE書き込
みを用いるNOR型のものとは異なり、以下の特徴を有
する。 (1)アレイ構成はDINOR型も上記のNOR型フラ
ッシュメモリと同様でよい(図26参照)。 (2)書き込みは低Vth状態、消去は高Vth状態で
行う。 (3)書き込み動作はVdに正バイアス、Vcgに負バ
イアスをかけ、フローティングゲートからドレイン接合
領域にFNトンネルで電子を引き抜く。 (4)消去動作はVcgに正バイアス、Vsubにバイ
アスをかけ、チャネル全面でのFNトンネルによりフロ
ーティングゲートに電子を注入する。
【0030】なお、図42にDINOR型フラッシュメ
モリにおける動作電圧をまとめて示す。次に、不揮発性
半導体記憶装置の動作方法として書き込みシーケンスに
ついて説明する。図41のフローチャートにおいて、従
来のDINOR型フラッシュメモリにおける書き込みシ
ーケンスを示す。図において、ST21は書き込みステ
ップ、ST22は書き込み確認ステップ、ST23は全
ビット終了か否かの判断ステップ、ST24は書き戻し
ステップである。動作については、DINOR型では各
ビット毎に確認(ベリファイ)を行うため(ST2
2)、NOR型に比べセルVthがデプレッション状態
になる(NOR型では過消去状態であるが、DINOR
型では過書き込み状態)ことは少ない。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】従来のフラッシュメモ
リ等の不揮発性半導体記憶装置ならびにその駆動方法は
以上のように構成されているので、ゲート電圧Vgがド
レイン電圧Vdよりも高い通常のCHE方式を用いた書
き戻しでは、セルへの書き込み動作時とは異なる電位発
生を要すること、過消去セルのビット選択が必要である
こと、チャネル電流を積極的に流すために書き戻し時の
駆動電流が大きいこと等の課題があった。
【0032】一方、DAHE/DAHHゲート電流によ
る自己収束法を用いた書き戻しでは、自己収束的に書き
戻せるのでビット選択は不要であることや、電位発生も
書き込み時とほぼ同じ設定でよいという長所はあるが、
電圧低下を起こすと収束に至るまでの時間が長くなるこ
と(典型例としては、〜0.1secから1secに延
びる)、収束電流がアレイ全体で流れることにより書き
戻し時の駆動電流が大きいことや、セルのチャネルコン
ダクタンスが劣化する等の課題があった。
【0033】また、従来の不揮発性半導体記憶装置の動
作方法は以上のように構成されているので、過消去セル
の発生を抑えるために消去前書き込みの時間が長くかか
り消去時間の短縮が困難であることや、偶発的に書き込
み速度が増し、過書き込みを起こす等の課題があった。
【0034】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、消費電流を低減するとともに書き
戻し動作時間を短縮でき、しかもチャネルコンダクタン
スの劣化を防止しながら自己収束的に過消去セルを書き
戻したり、過書き込みセルを消し戻すことができる不揮
発性半導体記憶装置ならびにその駆動方法、動作方法お
よび製造方法を得ることを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】この発明に係る不揮発性
半導体記憶装置の駆動方法は、半導体基板上に、第1導
電型のチャネル領域を介して対向する第2導電型の第
1、第2の拡散層と、第1導電型のチャネル領域上にゲ
ート絶縁膜を介して形成されたフローティングゲートお
よびコントロールゲートから構成される2層ゲート電極
とを具備したトランジスタを配置しており、第1導電型
のチャネル領域および第1、第2の拡散層の一方を第1
の電圧レベルに設定するステップと、第1、第2の拡散
層の他方を第2の電圧レベルに設定するステップと、コ
ントロールゲートを第1または第3の電圧レベルに設定
するステップと、第1の電圧レベルと第2の電圧レベル
との電位差が第1の電圧レベルと第3の電圧レベルとの
電位差よりも絶対値において大きく設定したことによ
り、チャネル電流が流れるトランジスタに対してそのチ
ャネル領域を流れる電荷の一部をフローティングゲート
に注入するステップとを備えたものである。
【0036】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置の
駆動方法は、トランジスタを配置しており、第1導電型
のチャネル領域を第1の電圧レベルに設定するステップ
と、第1、第2の拡散層の一方を第2の電圧レベルに設
定するステップと、第1、第2の拡散層の他方を第3の
電圧レベルに設定するステップと、コントロールゲート
を第1、第2または第4の電圧レベルに設定するステッ
プと、第1の電圧レベルと第2の電圧レベルとの電位差
が、第1の電圧レベルと第3の電圧レベルとの電位差お
よび第1の電圧レベルと第4の電圧レベルとの電位差よ
りも絶対値において大きく設定したことにより、チャネ
ル電流が流れるトランジスタに対して、そのチャネル領
域を流れる電荷の一部をフローティングゲートに注入す
るステップとを備えたものである。
【0037】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置の
駆動方法は、トランジスタがNOR型またはDINOR
型フラッシュメモリに適用されるものである。
【0038】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置
は、半導体基板の表層部に第1導電型のチャネル領域を
介して対向する第2導電型の第1、第2の拡散層と、第
1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成
されたフローティングゲートおよびコントロールゲート
から構成される2層ゲート電極と、第1、第2の拡散層
の少なくともいずれか一方とチャネル領域との間に形成
される第2導電型の電界緩和層とを具備したトランジス
タを備えたものであり、電界緩和層と隣接する拡散層は
2層ゲート電極とはオーバラップしないものである。
【0039】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置
は、第1導電型の半導体基板の表層部に形成され、該半
導体基板よりも高濃度の第1導電型領域と、第1導電型
領域内に第1導電型のチャネル領域を介して対向する第
2導電型の第1、第2の拡散層と、第1導電型のチャネ
ル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたフローティ
ングゲートおよびコントロールゲートから構成される2
層ゲート電極と、第1、第2の拡散層の少なくともいず
れか一方とチャネル領域との間に第1導電型領域内で形
成された第2導電型の電界緩和層とを具備したトランジ
スタを備えたものであり、電界緩和層と隣接する拡散層
は2層ゲート電極とはオーバラップしないものである。
【0040】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置
は、第1導電型の半導体基板の表層部に形成され、第1
導電型のチャネル領域を介して対向する第2導電型の第
1、第2の拡散層と、第1導電型のチャネル領域上にゲ
ート絶縁膜を介して形成されたフローティングゲートお
よびコントロールゲートから構成される2層ゲート電極
と、第1、第2の拡散層の少なくともいずれか一方とチ
ャネル領域との間に第1導電型領域内で形成された第2
導電型の電界緩和層と、電界緩和層およびこれと隣接す
る拡散層を包含して形成され、半導体基板よりも高濃度
の第1導電型領域とを具備したトランジスタを備えたも
のであり、電界緩和層と隣接する拡散層は2層ゲート電
極とはオーバラップしないものである。
【0041】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置
は、電界緩和層の第2導電型濃度がこれに隣接する拡散
層のものよりも低いものである。
【0042】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置
は、トランジスタはNOR型またはDINOR型フラッ
シュメモリに適用されるものである。
【0043】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置の
製造方法は、第1導電型の半導体基板の表層部にこの基
板よりも高濃度で所定の深さに第1導電型領域を形成す
るステップと、第1導電型領域上にゲート絶縁膜を介し
てコントロールゲートおよびフローティングゲートから
構成される2層ゲート電極を形成するステップと、この
2層ゲート電極をマスクにして不純物注入を行い表層部
に第2導電型の拡散層を形成するステップと、絶縁膜を
全面に形成した後、異方性エッチングを行い2層ゲート
電極の側面にサイドウォールを形成するステップと、2
層ゲート電極およびサイドウォールをマスクにして不純
物注入を行い、所定の深さの範囲で第2導電型の第1、
第2の拡散層を形成することにより拡散層の一部は電界
緩和層に形成するステップとを備えたものである。
【0044】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置の
製造方法は、第1導電型の半導体基板上にゲート絶縁膜
を介してコントロールゲートおよびフローティングゲー
トから構成される2層ゲート電極を形成するステップ
と、この2層ゲート電極をマスクにして不純物注入を行
い基板の表層部に第2導電型の拡散層を形成するステッ
プと、拡散層を少なくとも含むように基板よりも高濃度
で不純物注入を行い所定の深さに第1導電型領域を形成
するステップと、絶縁膜を全面に形成した後、異方性エ
ッチングを行い2層ゲート電極の側面にサイドウォール
を形成するステップと、2層ゲート電極およびサイドウ
ォールをマスクにして不純物注入を行い、所定の深さの
範囲で第2導電型の第1、第2の拡散層を形成すること
により拡散層の一部は電界緩和層に形成するステップと
を備えたものである。
【0045】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置の
製造方法は、第1導電型領域を形成するステップは、不
純物の注入角度を基板法線に対して30度以内にして行
うものである。
【0046】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置の
動作方法は、半導体基板の表層部に第1導電型のチャネ
ル領域を介して対向する第2導電型の第1、第2の拡散
層と、第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介
して形成されたフローティングゲートおよびコントロー
ルゲートから構成される2層ゲート電極と、第1、第2
の拡散層の少なくともいずれか一方とチャネル領域との
間に形成される第2導電型の電界緩和層とを具備したト
ランジスタを備えており、電界緩和層と隣接する拡散層
は2層ゲート電極とはオーバラップしない装置構成にお
いて、トランジスタが所定のしきい値以下に消去または
書き込みされたことを確認するステップと、第1導電型
のチャネル領域および第1、第2の拡散層の一方を第1
の電圧レベルに設定するステップと、第1、第2の拡散
層の他方を第2の電圧レベルに設定するステップと、コ
ントロールゲートを第1または第3の電圧レベルに設定
するステップと、第1の電圧レベルと第2の電圧レベル
との電位差が第1の電圧レベルと第3の電圧レベルとの
電位差よりも絶対値において大きく設定したことによ
り、チャネル電流が流れるトランジスタに対してそのチ
ャネル領域を流れる電荷の一部をフローティングゲート
に注入するステップとを備えたものである。
【0047】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置の
動作方法は、半導体基板の表層部に第1導電型のチャネ
ル領域を介して対向する第2導電型の第1、第2の拡散
層と、第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介
して形成されたフローティングゲートおよびコントロー
ルゲートから構成される2層ゲート電極と、第1、第2
の拡散層の少なくともいずれか一方とチャネル領域との
間に形成される第2導電型の電界緩和層とを具備したト
ランジスタを備えており、電界緩和層と隣接する拡散層
は2層ゲート電極とはオーバラップしない装置構成にお
いて、トランジスタが所定のしきい値以下に消去または
書き込みされたことを確認するステップと、第1導電型
のチャネル領域を第1の電圧レベルに設定するステップ
と、第1、第2の拡散層の一方を第2の電圧レベルに設
定するステップと、第1、第2の拡散層の他方を第3の
電圧レベルに設定するステップと、コントロールゲート
を第1、第2または第4の電圧レベルに設定するステッ
プと、第1の電圧レベルと第2の電圧レベルとの電位差
が、第1の電圧レベルと第3の電圧レベルとの電位差お
よび第1の電圧レベルと第4の電圧レベルとの電位差よ
りも絶対値において大きく設定したことにより、チャネ
ル電流が流れるトランジスタに対して、そのチャネル領
域を流れる電荷の一部をフローティングゲートに注入す
るステップとを備えたものである。
【0048】この発明に係る不揮発性半導体記憶装置の
動作方法は、確認するステップに先立って、過消去トラ
ンジスタの発生を抑えるため、トランジスタに書き込み
を行うステップを備えたものである。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による不
揮発性半導体記憶装置のセル構造を示す断面概略図であ
り、一例としてNOR型フラッシュメモリに適用したも
のを示す。図2は図1の円Xを部分拡大して示すもの
で、セルトランジスタのドレイン近傍のセル構造におけ
る不純物プロファイルを示す。このフラッシュメモリは
NOR型のアレイ構成に配置されるもので図26のもの
に対応する。そして、図3(a)〜(d)は図1のフラ
ッシュメモリの製造手順を示す工程図である。
【0050】図において、1はP型半導体基板(半導体
基板)、1aは高濃度のP型領域即ちP+領域(第1導
電型領域)、2bは高濃度のN型ドレイン領域即ちN+
ドレイン領域、2b’は電界緩和層としてのN+ドレイ
ン領域、2aa,2bbはそれぞれ更に高濃度のN型ソ
ース、ドレイン領域即ちN++ソース、ドレイン領域
(第1、第2拡散層)、3は第1のゲート絶縁膜(ゲー
ト絶縁膜)、4は多結晶シリコン等により構成されるフ
ローティングゲート、5はリーク防止対策のため酸化
膜、窒化膜、酸化膜の3層構造を有しONOと略称され
る第2のゲート絶縁膜、6は多結晶シリコン等により構
成されるコントロールゲート、7a,7bはそれぞれソ
ース側、ドレイン側の絶縁膜であるサイドウォール、8
はレジストである。これらのフローティングゲート4、
第2のゲート絶縁膜5、コントロールゲート6により2
層ゲート電極が構成される。
【0051】以下、図3に基づき、この発明の実施の形
態1によるフラッシュメモリの製造方法を説明する。ま
ず、チャネル領域即ちP+領域1aの構造を作成するた
め、図3(a)に示すように、P型半導体基板1の表面
層におけるP濃度が1×1018cm-3程度にボロンB等
のイオン注入によりチャネルドープを行う。例えば、ド
ープ後の熱処理の条件にもよるが、注入されたボロンは
P型半導体基板1にその表面から約0.4μm程度の深
度まで熱処理の結果拡がりP+領域1aが形成できる。
具体的には、ボロンを4×1013cm-2以上注入すれ
ば、P+領域1aのP濃度は4×1013/0.4μm=
1×1018cm-3となる。
【0052】次に、図3(b)に示すように、P型半導
体基板1に第1のゲート絶縁膜3を介してフローティン
グゲート4を形成し、さらに第2のゲート絶縁膜5を介
してコントロールゲート6を形成して2層電極を完成す
る。これに続けて、セルドレイン構造を形成するため、
同図に示すように、レジスト8をパターニングして2層
電極の片側にのみ砒素As等をイオン注入してN+ドレ
イン領域2bを作成して熱処理をすれば、N+ドレイン
領域2bが表層より約0.2μm程度の深度にまで拡が
る。例えば、次工程のサイドウォール7a,7bの形成
前(図3(b)参照)に砒素As等を1×1015cm-2
以下で注入すれば、約5×1019cm-3程度の濃度を有
するN+ドレイン領域2bが得られる。
【0053】更に図示しないが、ドレイン側N+注入工
程と同様にソース側のみをレジストパターンで開口し、
ソース側N+構造2aを形成する。次に、図3(c)に
示すように、これらの上面に所定の厚さの絶縁膜を形成
し、この酸化膜を異方性全面エッチングするとサイドウ
ォール7a,7bがゲート電極の側面に形成される。こ
の表面構成に対して、図3(d)に示すように、高濃度
のAs等をイオン注入すれば、2層電極およびサイドウ
ォールがマスクとなって更に高濃度のN++ソース、ド
レイン領域2aa,2bbが得られるとともに、電界緩
和層としてのN+ドレイン領域2b’がこれに隣接して
得られる。
【0054】その後、図示しないが、全面に層間絶縁膜
を形成し、N++のソース領域2aaおよびドレイン領
域2bbの存在するP型半導体基板1に到達するように
層間絶縁膜の一部を開口し、コンタクト孔を形成する。
さらに、アルミニウム等の金属膜を蒸着法、スパッタ
法、化学気相成長法等により成膜し、レジスト等でパタ
ーニングしてソース電極Vsおよびドレイン電極Vdを
形成すれば、当該発明によるフラッシュメモリのセル構
造が完成する。
【0055】このフラッシュメモリのセル構造における
特徴部分について説明する。図1と図2の不純物プロフ
ァイルに関しては、トランジスタのホットキャリア劣化
(ドレインアバランシェ電流の発生)を抑制するために
は、LDD(Lightly Doped Drai
n)構造を用いれば良いことが一般的に知られている。
そこで、この実施の形態1では、CHEにより電子書き
込みを行うフラッシュメモリのメモリセル(以下、単に
セルという)において、P+領域1aと接するN+ドレ
イン領域2bのサイドウォール下部近傍で、N+拡散層
の濃度を低下したN+ドレイン領域2b’を生成しドレ
インアバランシェの発生を抑えるとともに、これに隣接
するP+領域1aの濃度を高くしてCHE効率を稼ぐよ
うにした。
【0056】例えば、図5はこの発明の実施に形態1に
よるセル構造のドレイン端部近傍におけるチャネル表面
での不純物分布を示すグラフ図であり、従来セル構造と
比較して掲載してある。図において、aは従来セル構造
のカーブで、bはこの発明のセル構造のカーブであり、
表層位置P1〜P2がサイドウォール7b(SW領域)
下方部に相当する。ここで、N+ドレイン領域2bの形
成としては、砒素As濃度をAs<1×1015cm-2
度に注入量を抑えた。この結果、サイドウォール7b下
部のN+ドレイン領域2bの濃度は1×1019cm-3
上は確保したが、従来の1×1020cm-3に比べ低い設
定で済んでいる。
【0057】また、N+ドレイン領域2bのN+濃度を
下げたことによりドレイン近傍での電界が緩和されCH
E効率が下がるという不具合に対しては、P+領域1a
の濃度を従来の1×1018cm-3以下より濃く形成(1
×1018cm-3以上)とすることにより回避した。
【0058】さらに、NOR型フラッシュメモリのセル
構造としては、ドレイン近傍にて隣接するP+領域1a
の濃度が1×1018cm-3以上であり、かつそのP+領
域1aに接するN+ドレイン領域2bの濃度が1×10
20cm-3以下となるように設定した。その結果、収束V
thでチャネル電流がカットオフされる特徴が得られ
た。
【0059】次に上記発明のセル構造の動作について説
明する。セルへの書き込みは、CHE方式によるもの
で、ドレイン近傍の急峻な電界で加速されたチャネル電
子のうち、第1のゲート絶縁膜3のバリア高さ以上に加
速された高エネルギ電子をフローティングゲート4に注
入することにより行う。一方、セルへの書き戻しは、ア
レイ全体のビット線に対して書き込み時と同じドレイン
電圧Vdを与え、かつゲート電位Vcgは例えばGND
レベル(0V)に保持する(Vs=Vsub=GND)
ことにより行う。
【0060】この結果、収束時のチャネル電流がカット
オフされるように自己収束的に過消去セルを書き戻すこ
とが可能となる。また、基板にバックゲート電位(負バ
イアス)を加えCHEの書き込み効率を高める(Vs=
GND,Vsub<0V)こともできる。
【0061】以上のように、この発明の実施の形態1に
よるフラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置は上
記のセル構造を備えたので、従来のようなセルアレイの
ビット線全体に電位を与え、コントロールゲートを全て
GNDレベルに保持したまま、過消去セルを選択すると
いう段階を踏む必要なしに、選択的に収束Vth以下の
セルのVthを収束Vthまで高速に書き戻すことがで
きる。しかも、収束Vth状態ではセル電流がカットオ
フされるため、Vthが収束するにしたがい消費電流を
抑制することができる。
【0062】次に、この発明の実施の形態1による不揮
発性半導体記憶装置の消去方法について説明する。図4
は上記のフラッシュメモリによる消去シーケンスを示す
フローチャートである。図において、ST1はコマンド
入力ステップ、ST2は消去ステップ、ST3は消去確
認(ベリファイ)ステップ、ST4は書き戻しステップ
である。
【0063】次に動作について説明する。消去シーケン
スを開始し消去コマンドがステップST1で入力される
と、消去前書き込みは行わず消去確認ステップST3に
入り、全ビットがあるVth以下にまで消去されたこと
を確認した後に、書き戻しステップST4に入り消去シ
ーケンスは終了となる。
【0064】ここで、注目すべき点は、書き戻しステッ
プST4では従来のDAHE/DAHHのゲート電流を
用いた書き戻しとは異なりセル特性が劣化することはな
いことである。また、この書き戻しステップST4に要
する時間は〜10msec程度で十分である。この結
果、従来の消去動作時間で最も時間を要していた消去前
書き込みステップST12を省いても、過消去セルの発
生を抑え、かつ消去時間を0.1sec(消去)+0.
01msec(書き戻し)=0.11secと短縮する
ことができる。この消去時間短縮の効果は、集積度が上
がる程(即ち、ビット数/ブロック数が多いほど)顕著
に現れるので装置全体のアクセス速度の向上に多いに寄
与する。なお、図33で示したような消去前書き込みス
テップST12を入れた図6のフローチャートでも上記
と同様な消去時間短縮の効果が得られるのはいうまでも
ない。
【0065】以下、この発明の実施の形態1によるフラ
ッシュメモリにおけるセルの書き戻しはCHEのみで行
われることをグラフ図を参考に説明する。図7はこの実
施の形態1によるフラッシュメモリのセルでの収束特性
および書き戻し特性を示すグラフ図である。本図にかか
る測定では、Vd=4.5V、Vcg=0V、Vs=V
sub=GNDとDAHE/DAHHゲート電流による
書き戻しと同じ電位配置に設定した。この図から、デプ
レッション状態になっているセルのVthが約1mse
cでVth>2.0Vまで書き戻されていることが判
る。
【0066】図8は、図7よりも更に短い書き戻し時間
での書き戻し測定の結果を示すグラフ図である。従来の
DAHE/DAHHゲート電流による書き戻しでは約
0.1secかかっていた書き戻し時間が、約0.1m
secと約3桁も時間が短縮されているのが判る。
【0067】更に、この実施の形態1にかかるセルの書
き戻しでは、従来のDAHE/DAHHゲート電流によ
る書き戻しと同じくドレインにのみ電位を与え、ゲート
は0Vに保持するにも拘らず、従来とは異なり、収束V
th以上にあるセルのVthが下がることはない(図7
参照)。これは、この実施の形態1にかかるセル構造で
ドレインアバランシェ発生を抑え、かつCHE効率を上
げたためである。
【0068】図9では、本方式の書き戻しでのドレイン
電圧依存性を示す。従来と比べ、Vd=4Vでも高速な
書き戻しが行われている。図10では、さらにVdが低
電圧(2〜4V)における書き戻しの例を示している。
図11は、書き戻しの収束状態になったセルでのVg−
Vth測定結果を示すグラフ図である。これによれば、
従来のDAHE/DAHHゲート電流による書き戻しの
場合とは異なり、収束状態のセルではチャネル電流がカ
ットオフされることが判る。即ち、従来のDAHE/D
AHHゲート電流による書き戻しでは、約0.1sec
の書き戻しの間に512kbitsアレイでは約500
mA程度の電流が流れ続けるが、本発明によれば収束さ
れるに従い電流がカットオフされる。これにより、従来
に比べ消費電流が著しく低減される。
【0069】図12は、上記の収束法使用時のゲート電
流特性のグラフ図である。ここでIgは新セル構造での
ゲート電流を示し、Ig’は従来のセル構造でのゲート
電流を示すものである。この発明によるゲート電流Ig
側の曲線は、logId/Igがゲート電圧Vgの増大
とともにVg**地点から急峻に立ち上がった後次第に
緩やかに収束していき、ドレイン電流Idの曲線と整合
したものとなっているが、従来構造でのゲート電流I
g’側の曲線はゲート電圧Vgの増大とともにVg**
地点からVg*地点に至る間にlogId/Igが0に
落ち込み、その後立ち上がってまた少し下がりというよ
うな山と谷がある。
【0070】この検討結果により、上記のセルドレイン
構造を採用したおかげで、DAHH/DAHEのゲート
電流が抑えられ、さらにCHE効率が数段に高められた
と考えられる。即ち、本構造を用いれば、チャネル領域
を流れるサブスレッシュホールドリーク電流のうちエネ
ルギ的に加速された成分がゲート電流としてフローティ
ングゲートに注入される。この結果、フローティングゲ
ートの電位が下がり、チャネルがカットオフされる状態
にセルVthが収束する。即ち、サブスレッシュホール
ドリーク電流のCHEで書き戻しを行っていることにな
る。
【0071】図13は、この実施の形態1にかかるセル
構造を用いた256kbitsアレイでの書き戻しの例
を示す。消去後に過消去を起こしていたVth分布が、
Vth>2V以上に書き戻されていることが判る。即
ち、単体セルでの現象がセルアレイにおいても実証され
た。
【0072】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、セルドレイン構造において、高濃度のP領域と接す
るドレインのN++拡散層よりも濃度を低下した電界緩
和層なるN+拡散層を設け、チャネル領域側からP領域
がこれらN++拡散層およびN+拡散層を含むように構
成したので、ドレインアバランシェホール・電子の発生
を抑制し、かつCHE効率を向上することができる。こ
れにより、アレイ構成をしたフラッシュメモリ等の不揮
発性半導体記憶装置においては、過消去セルを選択する
必要なく選択的に収束Vth以下のセルのVthを収束
Vthに高速に書き戻すことができるので、装置のアク
セス時間が向上する効果がある。
【0073】また、収束Vth状態ではセル電流がカッ
トオフされるためVthが収束するにしたがい消費電流
を抑えることができるので装置全体の消費電力を低減で
きる効果がある。さらに、上記構成においては、消去前
書き込みステップを省略する代わりに、上記の書き込み
ステップを使用することにより消去シーケンスの高速化
が図れるとともに、アバランシェホール・電子が第1の
絶縁膜を介してコントロールゲートに注入されないので
チャネルコンダクタンスの劣化を防止できる効果があ
る。さらにまた、第1の絶縁膜のようなトンネル酸化膜
の絶縁破壊を防止できるので、装置寿命を向上できる効
果がある。
【0074】実施の形態2.図14はこの発明の実施の
形態2による不揮発性半導体記憶装置を示す断面概略図
であり、上記の実施の形態1と同様にNOR型のフラッ
シュメモリに適用したものを示す。図15は図14の円
Yを部分拡大して示すもので、セルトランジスタのドレ
イン近傍のセル構造における不純物プロファイルを示
す。図16(a)〜(c)は図14のフラッシュメモリ
の製造手順を示す工程図である。図において、1bはP
濃度が高いP+ポケット領域(第1導電型領域)であ
り、その他の構成要素は実施の形態1と同一であるから
同一構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。
【0075】以下、図16(a)〜(c)に基づき、こ
の発明の実施の形態2によるフラッシュメモリの製造方
法を説明する。まず、図16(a)に示すように、P型
半導体基板1に第1のゲート絶縁膜3を介してフローテ
ィングゲート4を形成し、さらに第2のゲート絶縁膜5
を介してコントロールゲート6を形成して2層電極を完
成する。これに続けて、セルドレイン構造を形成するた
め、図16(b)に示すように、レジスト8をパターニ
ングして2層電極の片側にのみ砒素As等をイオン注入
してN+ドレイン領域2bを形成し、続けてボロン等を
イオン注入してP+ポケット領域1bを形成する。更
に、図示しないがドレイン側N+形成の場合と同様にソ
ース側領域のみを開口して、ソース側N+構造2aを形
成する。次に、図16(c)に示すように、これらの上
面に所定の厚さの酸化膜を形成し、この酸化膜を異方性
全面エッチングするとサイドウォール7a,7bがゲー
トの側面に形成される。この表面構成に対して、さらに
高濃度のAs等をイオン注入すると2層電極およびサイ
ドウォール7a,7bがマスクになって更に高濃度のN
++ソース、ドレイン領域2aa,2bbが得られると
ともに、電界緩和層としてのN+ドレイン領域2b’が
これに隣接して得られる。
【0076】その後、上記実施の形態1の場合と同様
に、形成した層間絶縁膜にコンタクト孔を形成して、ソ
ース電極Vsおよびドレイン電極Vdを形成すれば、当
該発明によるフラッシュメモリのセル構造が完成する。
なお、このセル構造についての動作と、これを用いたフ
レッシュメモリの消去シーケンスの内容は、実施の形態
1の場合と同様なのでその説明を省略する。
【0077】このフラッシュメモリのセル構造の特徴部
分は、上記実施の形態1のものとほぼ同様であるが、P
+領域1aをP型半導体基板1の表層部全面に高濃度の
P+領域1aを生成した場合とは異なり、セルドレイン
近傍のみを選択的にP濃度を高くしてP+ポケット領域
1bを生成した点である。これにより、セルVthを必
要以上に高めることなく上記実施の形態1の効果が得ら
れる。
【0078】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、上記実施の形態1の効果に加えて、セルVthを必
要以上に高めることなく通常のままで装置を安定に動作
することができる効果が得られる。
【0079】実施の形態3.図17はこの発明の実施の
形態3による不揮発性半導体記憶装置のセル構造を示す
断面概略図であり、一例として、DINOR型フラッシ
ュメモリに適用したものである。この構造の特徴部分
は、上記実施の形態2のセル構造で示したようなP+ポ
ケット領域1bを、ドレイン側の代わりにソース側に設
けその中に電界緩和層であるN+ドレイン領域2bを設
けた点にある。したがって、図面の符号および製造方法
については省略する。なお、図18にこの発明の実施の
形態3にかかるDINOR型フラッシュメモリにおける
動作電圧をまとめて示す。
【0080】従来では、例えば、ドレインVdに7V、
ゲートVcdに8Vを印加することにより書き戻しを行
っていたが、この発明のセル構造を適用すれば、図41
に参照される従来のDINOR型フラッシュメモリの書
き込みシーケンスにおいて、セルがオーバプログラム即
ちディプレッション状態になった場合、DINORの書
き込み・消去とは異なる電位をセルに発生し、CHEに
て書き戻す、いわゆるビット選択の必要はないので、図
18の動作電圧設定に基づく書き戻しは、ソースに5〜
6V程度の電位を約10msec程度与えるだけで、過
書き込み状態のセルを選択的に消し戻す、即ちVthを
エンハンス状態に戻すことができる。
【0081】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、DINOR型フラッシュメモリにおけるデプレッシ
ョン状態のセル即ち過書き込み状態のセルをソースに所
定の電圧を印加するだけで、ビット選択をする必要なく
自己収束的に救済できる効果がある。
【0082】以下、上記発明の実施の形態1〜発明の実
施の形態3によるフラッシュメモリと従来例のものとを
特性比較して検討する。図19、図20、図22および
図24は、従来のフラッシュメモリにおける単体セルを
DAHE/DAHHにより書き戻した際の特性を示すグ
ラフ図であり、図19はVd=5V、図20と図24は
Vd=8V、図22はVd=6Vの場合である。一方、
図21、図23および図25は、上記発明のフラッシュ
メモリにおける単体セルをサブスレッシュホールドリー
ク電流にかかるCHEを利用した際の特性を示すグラフ
図である。
【0083】図19と図20からは約10msecで過
消去ビットを救済するには6V以上の電位差が必要であ
ることと、DAHE/DAHHの収束点を用いるため、
収束Vth以上の状態もシフトすることが判る。一方、
本発明のように、CHEを利用したものでは、図21に
示されるように、DAHE/DAHH方式に比べ、低電
圧(Vd>4V)かつ高速(約10msec)で過消去
ビットの救済が可能であることと、電子のみが注入され
るため、収束Vth以上の状態はシフトしないことが判
る。次に、図22と図23を比較すると、書き戻し状態
にて放置した場合に、前者ではチャネルコンダクタンス
が劣化するが、後者では劣化しないことが判る。さら
に、図24と図25を比較すると、収束状態において、
前者では約100μAレベルのチャネル電流が流れてい
るが、後者ではチャネル電流がカットオフされているこ
とが判る。
【0084】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、不揮
発性半導体記憶装置の駆動方法は、半導体基板上に、第
1導電型のチャネル領域を介して対向する第2導電型の
第1、第2の拡散層と、第1導電型のチャネル領域上に
ゲート絶縁膜を介して形成されたフローティングゲート
およびコントロールゲートから構成される2層ゲート電
極とを具備したトランジスタを配置した当該装置に対し
て、第1導電型のチャネル領域および第1、第2の拡散
層の一方を第1の電圧レベルに設定するステップと、第
1、第2の拡散層の他方を第2の電圧レベルに設定する
ステップと、コントロールゲートを第1または第3の電
圧レベルに設定するステップと、第1の電圧レベルと第
2の電圧レベルとの電位差が第1の電圧レベルと第3の
電圧レベルとの電位差よりも絶対値において大きく設定
したことにより、チャネル電流が流れるトランジスタに
対してそのチャネル領域を流れる電荷の一部をフローテ
ィングゲートに注入するステップとを適用するように構
成したので、アバランシェホットホール・電子の発生を
抑制し、かつチャネルホット電子(CHE)効率を向上
できる効果がある。
【0085】また、収束しきい値Vth状態ではセル電
流がカットオフされるためトランジスタのしきい値Vt
hが収束するにしたがい消費電流を抑えることができ、
装置全体の消費電力を低減できる効果がある。また、ア
バランシェホットホール・電子が第1の絶縁膜を介して
コントロールゲートに注入されないのでチャネルコンダ
クタンスの劣化を防止できる効果がある。さらにまた、
ゲート絶縁膜のようなトンネル酸化膜の絶縁破壊を防止
できるので、装置寿命を向上できる効果がある。
【0086】この発明によれば、上記の不揮発性半導体
装置に対して、第1導電型のチャネル領域を第1の電圧
レベルに設定するステップと、第1、第2の拡散層の一
方を第2の電圧レベルに設定するステップと、第1、第
2の拡散層の他方を第3の電圧レベルに設定するステッ
プと、コントロールゲートを第1、第2または第4の電
圧レベルに設定するステップと、第1の電圧レベルと上
記第2の電圧レベルとの電位差が、上記第1の電圧レベ
ルと上記第3の電圧レベルとの電位差および上記第1の
電圧レベルと上記第4の電圧レベルとの電位差よりも絶
対値において大きく設定したことにより、チャネル電流
が流れる上記トランジスタに対して、そのチャネル領域
を流れる電荷の一部をフローティングゲートに注入する
ステップとを適用するように構成したので、上記効果に
加えて、チャネルホット電子の書き込み効率を高めるこ
とができる効果がある。
【0087】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置の駆動方法は、トランジスタがNOR型またはDIN
OR型フラッシュメモリに適用されるように構成したの
で、NOR型のアレイ構成では過消去状態のトランジス
タセルを選択する必要なく選択的に収束Vth以下のト
ランジスタセルのVthを収束Vthに高速に書き戻す
ことができ、あるいは、DINOR型のアレイ構成でも
過書き込み状態のトランジスタセルを選択的に消し戻す
ことができるので、装置のアクセス時間が向上する効果
がある。
【0088】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置は、第2導電型の電界緩和層が第1、第2の拡散層の
少なくともいずれか一方と上記チャネル領域との間に形
成され、フローティングゲートおよびコントロールゲー
トから構成される2層ゲート電極と電界緩和層に隣接す
る上記拡散層とは表層部にてオーバラップしないトラン
ジスタに構成したので、隣接する拡散層の不純物濃度を
電界緩和層よりも高めに設定することにより、通常のア
バランシェホット電子・ホールによるゲート電流による
書き戻し電位配置でも収束Vth以上にあるトランジス
タのVthが下がることはなく高速な書き戻しを行うこ
とができるとともに、収束状態のトランジスタはチャネ
ル電流がカットオフされるので、装置の消費電力を低減
しアクセス時間を向上する効果がある。
【0089】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置は、高濃度の第1導電型領域内に、第1導電型の電界
緩和層と第1、第2の拡散層とが形成され、この電界緩
和層がチャネル領域との間に形成され、しかもフローテ
ィングゲートおよびコントロールゲートから構成される
2層ゲート電極と電界緩和層に隣接する拡散層とは表層
部にてオーバラップしないトランジスタに構成したの
で、上記の効果に加えて、電界緩和層によるトランジス
タへの電子書き込み効率を向上する効果がある。
【0090】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置は、高濃度の第1導電型領域内に、第1導電型の電界
緩和層と第1、第2の拡散層の少なくともいずれか一方
とが形成され、この電界緩和層がチャネル領域との間に
形成され、しかも上記2層ゲート電極と電界緩和層に隣
接する拡散層とは表層部にてオーバラップしないトラン
ジスタに構成したので、チャネル領域の一部だけを第1
導電型領域とすることができるため、上記の効果に加え
て、トランジスタのVthを基板レベルにまで低減でき
る効果がある。
【0091】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置は、電界緩和層の第2導電型濃度がこれに隣接する拡
散層のものよりも低くなるように構成したので、アバラ
ンシェホット電子・ホールの発生を抑制するとともに、
チャネルホット電子のフローティングゲートへの注入効
率を向上する効果がある。
【0092】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置は、トランジスタはNOR型またはDINOR型フラ
ッシュメモリに適用されるように構成したので、前者の
場合は書き戻しの際にドレインアバランシェホット電子
・ホールの発生を抑えるとともに、チャネルホット電子
の注入効率を向上する効果があり、後者の場合は過書き
込み状態のトランジスタを選択的に消し戻すことができ
る効果がある。
【0093】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置の製造方法は、半導体基板の第1導電型領域上に2層
ゲート電極を形成するステップと、この2層ゲート電極
をマスクにして不純物注入を行い第1導電領域内の表層
部に第2導電型の拡散層を形成するステップと、2層ゲ
ート電極の側面にサイドウォールを形成するステップ
と、これに対して不純物注入を行い、所定の深さの範囲
で第2導電型の第1、第2の拡散層を形成することによ
り拡散層の一部を分離して電界緩和層を形成するステッ
プとを備えるように構成したので、上記の隣接する拡散
層の不純物濃度を電界緩和層よりも高めに設定すること
により、通常のアバランシェホット電子・ホールによる
ゲート電流による書き戻し電位配置でも収束Vth以上
にあるトランジスタのVthが下がることはなく高速な
書き戻しを行うことができるとともに、収束状態のトラ
ンジスタはチャネル電流がカットオフされるので、装置
の消費電力を低減しアクセス時間を向上する装置が得ら
れる効果がある。
【0094】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置の製造方法は、半導体基板上に2層ゲート電極を形成
するステップと、この2層ゲート電極をマスクにして不
純物注入を行い上記基板の表層部に第2導電型の拡散層
を形成するステップと、この拡散層を少なくとも含むよ
うに上記基板よりも高濃度で不純物注入を行い所定の深
さに第1導電型領域を形成するステップと、2層ゲート
電極の側面にサイドウォールを形成するステップと、こ
れに対して不純物注入を行い、所定の深さの範囲で第2
導電型の第1、第2の拡散層を形成することにより拡散
層は電界緩和層に形成するステップとを備えるように構
成したので、上記効果に加えて、トランジスタのVth
を低減できる効果がある。
【0095】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置の製造方法は、第1導電型領域を形成するステップ
は、不純物の注入角度を基板法線に対して30度以内に
して行うように構成したので、電界緩和層のチャネル領
域方向への拡がりを抑えた装置構造とすることができる
効果がある。
【0096】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置の動作方法は、第1導電型のチャネル領域を介して対
向する第2導電型の第1、第2の拡散層と、第1導電型
のチャネル領域上に形成された2層ゲート電極と、第
1、第2の拡散層の少なくともいずれか一方とチャネル
領域との間に形成される第2導電型の電界緩和層とを具
備したトランジスタであって、電界緩和層と隣接する上
記拡散層は2層ゲート電極とはオーバラップしない装置
構成において、トランジスタが所定のしきい値以下に消
去または書き込みされたことを確認するステップと、第
1導電型のチャネル領域および第1、第2の拡散層の一
方を第1の電圧レベルに設定するステップと、第1、第
2の拡散層の他方を第2の電圧レベルに設定するステッ
プと、コントロールゲートを第1または第3の電圧レベ
ルに設定するステップと、第1の電圧レベルと上記第2
の電圧レベルとの電位差が上記第1の電圧レベルと第3
の電圧レベルとの電位差よりも絶対値において大きく設
定したことにより、チャネル電流が流れるトランジスタ
に対してそのチャネル領域を流れる電荷の一部をフロー
ティングゲートに注入するステップとを備えるように構
成したので、その後に行われる書き戻しステップでのト
ランジスタ特性の劣化はみられないことに加えて、確認
するステップが消去されたことに対してなされる場合に
は、従来必要であった消去前書き込みステップが不要と
なるので、その分消去時間を短縮でき装置のアクセス速
度を向上する効果があり、一方、確認するステップが書
き込みされたことに対してなされる場合にはトランジス
タがデプレッション状態になっても自己収束的に救済で
きる効果がある。しかも、これらの効果は装置の集積度
が高まるにつれて大きくなる。
【0097】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置の動作方法は、半導体基板の表層部に第1導電型のチ
ャネル領域を介して対向する第2導電型の第1、第2の
拡散層と、第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜
を介して形成されたフローティングゲートおよびコント
ロールゲートから構成される2層ゲート電極と、第1、
第2の拡散層の少なくともいずれか一方と上記チャネル
領域との間に形成される第2導電型の電界緩和層とを具
備したトランジスタを備えており、電界緩和層と隣接す
る拡散層は上記2層ゲート電極とはオーバラップしない
装置構成において、トランジスタが所定のしきい値以下
に消去または書き込みされたことを確認するステップ
と、第1導電型のチャネル領域を第1の電圧レベルに設
定するステップと、第1、第2の拡散層の一方を第2の
電圧レベルに設定するステップと、第1、第2の拡散層
の他方を第3の電圧レベルに設定するステップと、コン
トロールゲートを第1、第2または第4の電圧レベルに
設定するステップと、第1の電圧レベルと第2の電圧レ
ベルとの電位差が、第1の電圧レベルと第3の電圧レベ
ルとの電位差および第1の電圧レベルと第4の電圧レベ
ルとの電位差よりも絶対値において大きく設定したこと
により、チャネル電流が流れる上記トランジスタに対し
て、そのチャネル領域を流れる電荷の一部をフローティ
ングゲートに注入するステップとを備えるように構成し
たので、上記の効果に加えて、第1導電型のチャネル領
域に負バイアスを印加することができ、チャネルホット
電子の書き込み効率を向上する効果がある。
【0098】この発明によれば、不揮発性半導体記憶装
置の動作方法は、確認するステップに先立って、過消去
トランジスタの発生を抑えるため、トランジスタに書き
込みを行うステップを備えるように構成したので、アク
セス速度の向上には寄与しないが、過消去トランジスタ
の発生はより確実に抑えることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による不揮発性半導
体記憶装置のNOR型セル構造を示す断面概略図であ
る。
【図2】 図1における円Xのドレイン近傍を示す拡大
図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による不揮発性半導
体記憶装置の製造手順を示す工程図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による不揮発性半導
体記憶装置の消去シーケンスを示すフローチャートであ
る。
【図5】 この発明の実施の形態1による不揮発性半導
体記憶装置のドレイン近傍におけるチャネル表面での不
純物分布を示すグラフ図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による不揮発性半導
体記憶装置の他の消去シーケンスを示すフローチャート
である。
【図7】 この発明の実施の形態1による不揮発性半導
体記憶装置の収束特性/書き戻し特性を示すグラフ図で
ある。
【図8】 この発明の実施の形態1による不揮発性半導
体記憶装置の収束特性/書き戻し特性を示すグラフ図で
ある。
【図9】 この発明の実施の形態1による不揮発性半導
体記憶装置の書き戻し特性を示すグラフ図である。
【図10】 この発明の実施の形態1による不揮発性半
導体記憶装置の書き戻し特性を示すグラフ図である。
【図11】 この発明の実施の形態1による不揮発性半
導体記憶装置の駆動方法における収束時Vg−Vth特
性を示すグラフ図である。
【図12】 この発明の実施の形態1による不揮発性半
導体記憶装置の駆動方法における収束時のゲート電流特
性を示すグラフ図である。
【図13】 この発明の実施の形態1による不揮発性半
導体記憶装置の駆動方法における書き戻し例を示すグラ
フ図である
【図14】 この発明の実施の形態2による不揮発性半
導体記憶装置のNOR型セル構造を示す断面概略図であ
る。
【図15】 図14における円Yのドレイン近傍を示す
拡大図である。
【図16】 この発明の実施の形態2による不揮発性半
導体記憶装置の製造手順を示す工程図である。
【図17】 この発明の実施の形態3による不揮発性半
導体記憶装置のDINOR型セル構造を示す断面概略図
である。
【図18】 図17における不揮発性半導体記憶装置の
動作電圧設定を示す表図である。
【図19】 従来の不揮発性半導体記憶装置におけるD
AHE/DAHH書き戻し特性評価を示すグラフ図であ
る。
【図20】 従来の不揮発性半導体記憶装置におけるD
AHE/DAHH書き戻し特性を示すグラフ図である。
【図21】 この発明の実施の形態1〜3による不揮発
性半導体記憶装置の書き戻し特性を示すグラフ図であ
る。
【図22】 従来の不揮発性半導体記憶装置におけるV
g−Id特性を示すグラフ図である。
【図23】 この発明の実施の形態1〜3による不揮発
性半導体記憶装置における収束時Vg−Id特性を示す
グラフ図である。
【図24】 従来の不揮発性半導体記憶装置におけるV
g−Id特性を示すグラフ図である。
【図25】 この発明の実施の形態1〜3による不揮発
性半導体記憶装置におけるId/Is特性を示すグラフ
図である。
【図26】 NOR型フラッシュメモリのセルアレイ構
成図である。
【図27】 従来の不揮発性半導体記憶装置による過消
去不良のVth分布を示すグラフ図である。
【図28】 従来の不揮発性半導体記憶装置のCHEに
よる過消去ビット書き戻しを説明するために示す断面概
略図である。
【図29】 従来の不揮発性半導体記憶装置のセル構造
におけるドレイン端近傍でチャネル表面での不純物分布
を示すグラフ図である。
【図30】 従来の不揮発性半導体記憶装置のDAHE
/DAHHによる過消去ビット書き戻しを説明するため
に示す断面概略図である。
【図31】 従来の不揮発性半導体記憶装置において自
己収束法使用時のゲート電流特性を示すグラフ図であ
る。
【図32】 従来の不揮発性半導体記憶装置の断面概略
図である。
【図33】 従来の不揮発性半導体記憶装置のNOR型
による消去シーケンスを示すフローチャートである。
【図34】 従来の不揮発性半導体記憶装置による自己
収束法での書き戻しを示すグラフ図である。
【図35】 従来の不揮発性半導体記憶装置による自己
収束法での書き戻しを示すグラフ図である。
【図36】 従来の不揮発性半導体記憶装置による自己
収束法での書き戻しを示すグラフ図である。
【図37】 従来の不揮発性半導体記憶装置によるDA
HE/DAHH発生を示す説明図である。
【図38】 従来の不揮発性半導体記憶装置によるドレ
インディスターブ特性を示すグラフ図である。
【図39】 従来の不揮発性半導体記憶装置による書き
戻し動作時の電流収束特性を示すグラフ図である。
【図40】 従来の不揮発性半導体装置のDINOR型
セル構造を示す断面概略図である。
【図41】 従来の不揮発性半導体装置のDINOR型
による書き込みシーケンスを示すフローチャートであ
る。
【図42】 従来の不揮発性半導体装置のDINOR型
の動作電圧設定の表図である。
【符号の説明】
1 P型半導体基板(半導体基板)、1a P+領域
(第1導電型領域)、1b P+ポケット領域(第1導
電型領域)、2b,2b’ N+ドレイン領域(電界緩
和層)、2aa,2bb N++ソース、ドレイン領域
(第1、第2の拡散層)、3 第1のゲート絶縁膜(ゲ
ート絶縁膜)、4 フローティングゲート、6 コント
ロールゲート、7a,7b サイドウォール。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、第1導電型のチャネル
    領域を介して対向する第2導電型の第1、第2の拡散層
    と、上記第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を
    介して形成されたフローティングゲートおよびコントロ
    ールゲートから構成される2層ゲート電極とを具備した
    トランジスタを配置した不揮発性半導体記憶装置の駆動
    方法において、 上記第1導電型のチャネル領域および上記第1、第2の
    拡散層の一方を第1の電圧レベルに設定するステップ
    と、 上記第1、第2の拡散層の他方を第2の電圧レベルに設
    定するステップと、 上記コントロールゲートを第1または第3の電圧レベル
    に設定するステップと、 上記第1の電圧レベルと上記第2の電圧レベルとの電位
    差が上記第1の電圧レベルと第3の電圧レベルとの電位
    差よりも絶対値において大きく設定したことにより、チ
    ャネル電流が流れる上記トランジスタに対してそのチャ
    ネル領域を流れる電荷の一部をフローティングゲートに
    注入するステップとを備えた不揮発性半導体記憶装置の
    駆動方法。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に、第1導電型のチャネル
    領域を介して対向する第2導電型の第1、第2の拡散層
    と、上記第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を
    介して形成されたフローティングゲートおよびコントロ
    ールゲートから構成される2層ゲート電極とを具備した
    トランジスタを配置した不揮発性半導体記憶装置の駆動
    方法において、 上記第1導電型のチャネル領域を第1の電圧レベルに設
    定するステップと、 上記第1、第2の拡散層の一方を第2の電圧レベルに設
    定するステップと、 上記第1、第2の拡散層の他方を第3の電圧レベルに設
    定するステップと、 上記コントロールゲートを第1、第2または第4の電圧
    レベルに設定するステップと、 上記第1の電圧レベルと上記第2の電圧レベルとの電位
    差が、上記第1の電圧レベルと上記第3の電圧レベルと
    の電位差および上記第1の電圧レベルと上記第4の電圧
    レベルとの電位差よりも絶対値において大きく設定した
    ことにより、チャネル電流が流れる上記トランジスタに
    対して、そのチャネル領域を流れる電荷の一部をフロー
    ティングゲートに注入するステップとを備えた不揮発性
    半導体記憶装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】 トランジスタがNOR型フラッシュメモ
    リに適用されることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の不揮発性半導体記憶装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】 トランジスタがDINOR型フラッシュ
    メモリに適用されることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の不揮発性半導体記憶装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】 半導体基板の表層部に第1導電型のチャ
    ネル領域を介して対向する第2導電型の第1、第2の拡
    散層と、 上記第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介し
    て形成されたフローティングゲートおよびコントロール
    ゲートから構成される2層ゲート電極と、 上記第1、第2の拡散層の少なくともいずれか一方と上
    記チャネル領域との間に形成される第2導電型の電界緩
    和層とを具備したトランジスタを備えた不揮発性半導体
    記憶装置において、 上記電界緩和層と隣接する上記拡散層は上記2層ゲート
    電極とはオーバラップしないことを特徴とする不揮発性
    半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 第1導電型の半導体基板の表層部に形成
    され、該半導体基板よりも高濃度の第1導電型領域と、 上記第1導電型領域内に第1導電型のチャネル領域を介
    して対向する第2導電型の第1、第2の拡散層と、 上記第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介し
    て形成されたフローティングゲートおよびコントロール
    ゲートから構成される2層ゲート電極と、 上記第1、第2の拡散層の少なくともいずれか一方と上
    記チャネル領域との間に上記第1導電型領域内で形成さ
    れた第2導電型の電界緩和層とを具備したトランジスタ
    を備えた不揮発性半導体記憶装置において、 上記電界緩和層と隣接する上記拡散層は上記2層ゲート
    電極とはオーバラップしないことを特徴とする不揮発性
    半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】 第1導電型の半導体基板の表層部に形成
    され、第1導電型のチャネル領域を介して対向する第2
    導電型の第1、第2の拡散層と、 上記第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介し
    て形成されたフローティングゲートおよびコントロール
    ゲートから構成される2層ゲート電極と、 上記第1、第2の拡散層の少なくともいずれか一方と上
    記チャネル領域との間に上記第1導電型領域内で形成さ
    れた第2導電型の電界緩和層と、 上記電界緩和層およびこれと隣接する上記拡散層を包含
    して形成され、上記半導体基板よりも高濃度の第1導電
    型領域とを具備したトランジスタを備えた不揮発性半導
    体記憶装置において、 上記電界緩和層と隣接する上記拡散層は上記2層ゲート
    電極とはオーバラップしないことを特徴とする不揮発性
    半導体記憶装置。
  8. 【請求項8】 電界緩和層の第2導電型濃度がこれに隣
    接する拡散層のものよりも低いことを特徴とする請求項
    5から請求項7までのいずれか1項記載の不揮発性半導
    体記憶装置。
  9. 【請求項9】 トランジスタがNOR型フラッシュメモ
    リに適用されることを特徴とする請求項5から請求項8
    までのいずれか1項記載の不揮発性半導体記憶装置。
  10. 【請求項10】 トランジスタがDINOR型フラッシ
    ュメモリに適用されることを特徴とする請求項5から請
    求項8までのいずれか1項記載の不揮発性半導体記憶装
    置。
  11. 【請求項11】 第1導電型の半導体基板の表層部にこ
    の基板よりも高濃度で所定の深さに第1導電型領域を形
    成するステップと、 上記第1導電型領域上にゲート絶縁膜を介してコントロ
    ールゲートおよびフローティングゲートから構成される
    2層ゲート電極を形成するステップと、 この2層ゲート電極をマスクにして不純物注入を行い上
    記表層部に第2導電型の拡散層を形成するステップと、 絶縁膜を全面に形成した後、異方性エッチングを行い上
    記2層ゲート電極の側面にサイドウォールを形成するス
    テップと、 上記2層ゲート電極および上記サイドウォールをマスク
    にして不純物注入を行い、上記所定の深さの範囲で第2
    導電型の第1、第2の拡散層を形成することにより上記
    拡散層の一部は電界緩和層に形成するステップとを備え
    たことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 第1導電型の半導体基板上にゲート絶
    縁膜を介してコントロールゲートおよびフローティング
    ゲートから構成される2層ゲート電極を形成するステッ
    プと、 この2層ゲート電極をマスクにして不純物注入を行い上
    記基板の表層部に第2導電型の拡散層を形成するステッ
    プと、 上記拡散層を少なくとも含むように上記基板よりも高濃
    度で不純物注入を行い所定の深さに第1導電型領域を形
    成するステップと、 絶縁膜を全面に形成した後、異方性エッチングを行い上
    記2層ゲート電極の側面にサイドウォールを形成するス
    テップと、 上記2層ゲート電極および上記サイドウォールをマスク
    にして不純物注入を行い、上記所定の深さの範囲で第2
    導電型の第1、第2の拡散層を形成することにより上記
    拡散層の一部は電界緩和層に形成するステップとを備え
    たことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 第1導電型領域を形成するステップ
    は、不純物の注入角度を基板法線に対して30度以内に
    して行うことを特徴とする請求項12記載の不揮発性半
    導体記憶装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 半導体基板の表層部に第1導電型のチ
    ャネル領域を介して対向する第2導電型の第1、第2の
    拡散層と、上記第1導電型のチャネル領域上にゲート絶
    縁膜を介して形成されたフローティングゲートおよびコ
    ントロールゲートから構成される2層ゲート電極と、上
    記第1、第2の拡散層の少なくともいずれか一方と上記
    チャネル領域との間に形成される第2導電型の電界緩和
    層とを具備したトランジスタを備えており、上記電界緩
    和層と隣接する上記拡散層は上記2層ゲート電極とはオ
    ーバラップしない不揮発性半導体記憶装置の動作方法に
    おいて、 上記トランジスタが所定のしきい値以下に消去または書
    き込みされたことを確認するステップと、 上記第1導電型のチャネル領域および上記第1、第2の
    拡散層の一方を第1の電圧レベルに設定するステップ
    と、 上記第1、第2の拡散層の他方を第2の電圧レベルに設
    定するステップと、 上記コントロールゲートを第1または第3の電圧レベル
    に設定するステップと、 上記第1の電圧レベルと上記第2の電圧レベルとの電位
    差が上記第1の電圧レベルと第3の電圧レベルとの電位
    差よりも絶対値において大きく設定したことにより、チ
    ャネル電流が流れる上記トランジスタに対してそのチャ
    ネル領域を流れる電荷の一部をフローティングゲートに
    注入するステップとを備えた不揮発性半導体記憶装置の
    動作方法。
  15. 【請求項15】 半導体基板の表層部に第1導電型のチ
    ャネル領域を介して対向する第2導電型の第1、第2の
    拡散層と、上記第1導電型のチャネル領域上にゲート絶
    縁膜を介して形成されたフローティングゲートおよびコ
    ントロールゲートから構成される2層ゲート電極と、上
    記第1、第2の拡散層の少なくともいずれか一方と上記
    チャネル領域との間に形成される第2導電型の電界緩和
    層とを具備したトランジスタを備えており、上記電界緩
    和層と隣接する上記拡散層は上記2層ゲート電極とはオ
    ーバラップしない不揮発性半導体記憶装置の動作方法に
    おいて、 上記トランジスタが所定のしきい値以下に消去または書
    き込みされたことを確認するステップと、 上記第1導電型のチャネル領域を第1の電圧レベルに設
    定するステップと、 上記第1、第2の拡散層の一方を第2の電圧レベルに設
    定するステップと、 上記第1、第2の拡散層の他方を第3の電圧レベルに設
    定するステップと、 上記コントロールゲートを第1、第2または第4の電圧
    レベルに設定するステップと、 上記第1の電圧レベルと上記第2の電圧レベルとの電位
    差が、上記第1の電圧レベルと上記第3の電圧レベルと
    の電位差および上記第1の電圧レベルと上記第4の電圧
    レベルとの電位差よりも絶対値において大きく設定した
    ことにより、チャネル電流が流れる上記トランジスタに
    対して、そのチャネル領域を流れる電荷の一部をフロー
    ティングゲートに注入するステップとを備えた不揮発性
    半導体記憶装置の動作方法。
  16. 【請求項16】 確認するステップに先立って、過消去
    トランジスタの発生を抑えるため、トランジスタに書き
    込みを行うステップを備えたことを特徴とする請求項1
    4または請求項15記載の不揮発性半導体記憶装置の動
    作方法。
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