JP2000304880A - アナログ電子時計 - Google Patents
アナログ電子時計Info
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- JP2000304880A JP2000304880A JP11109198A JP10919899A JP2000304880A JP 2000304880 A JP2000304880 A JP 2000304880A JP 11109198 A JP11109198 A JP 11109198A JP 10919899 A JP10919899 A JP 10919899A JP 2000304880 A JP2000304880 A JP 2000304880A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gear
- reverse transmission
- arc side
- driven gear
- rotation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 逆伝達防止機構を設け大きな指針の使用を可
能にするアナログ電子時計を提供する。 【解決手段】 輪列が部分歯車と該部分歯車の回転軸と
同軸上に配置され連動して回転する凸円弧部材とからな
る駆動歯車と、前記部分歯車とかみ合う従動歯車と、該
従動歯車と連動するように配置される逆伝達防止部材と
を有し、前記凸円弧部材には前記回転軸を中心とし等角
度間隔に配置される少なくとも2つの凸円弧側面部を設
け、前記部分歯車の歯は前記凸円弧側面部が形成されて
いない部分に対応する位置に設け、前記逆伝達防止部材
には前記凸円弧部材における凸円弧側面部の2カ所と接
する複数の接触部を設け、前記従動歯車の回転中心と駆
動歯車の回転中心との距離d、前記円弧側面部の円弧半
径p、前記円弧側面部と前記逆伝達防止部材との接触部
から前記従動歯車の回転中心までの距離Rが、R>d−
pを満足するように構成する。
能にするアナログ電子時計を提供する。 【解決手段】 輪列が部分歯車と該部分歯車の回転軸と
同軸上に配置され連動して回転する凸円弧部材とからな
る駆動歯車と、前記部分歯車とかみ合う従動歯車と、該
従動歯車と連動するように配置される逆伝達防止部材と
を有し、前記凸円弧部材には前記回転軸を中心とし等角
度間隔に配置される少なくとも2つの凸円弧側面部を設
け、前記部分歯車の歯は前記凸円弧側面部が形成されて
いない部分に対応する位置に設け、前記逆伝達防止部材
には前記凸円弧部材における凸円弧側面部の2カ所と接
する複数の接触部を設け、前記従動歯車の回転中心と駆
動歯車の回転中心との距離d、前記円弧側面部の円弧半
径p、前記円弧側面部と前記逆伝達防止部材との接触部
から前記従動歯車の回転中心までの距離Rが、R>d−
pを満足するように構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は時計の構成に関し、
特に外部からの衝撃に対し指針位置を正しく保持するこ
とが可能な時計の構成に関する。
特に外部からの衝撃に対し指針位置を正しく保持するこ
とが可能な時計の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】アナログ電子時計において、できるだけ
小型に作りたいという要求は強い。しかも小型でありな
がら電池寿命も延ばしたいという要求がある。これらを
同時に満足させるためにはアナログ電子時計の低消費電
力化が避けられない。
小型に作りたいという要求は強い。しかも小型でありな
がら電池寿命も延ばしたいという要求がある。これらを
同時に満足させるためにはアナログ電子時計の低消費電
力化が避けられない。
【0003】また従来よりアナログ電子時計においては
以下の同時に満たされなければならない2つの機能があ
る。一つは指針を設定時間内に一定角度だけ回転駆動さ
せることであり、もう一つは外部衝撃に対して針飛び現
象が起きないよう指針を保持することである。
以下の同時に満たされなければならない2つの機能があ
る。一つは指針を設定時間内に一定角度だけ回転駆動さ
せることであり、もう一つは外部衝撃に対して針飛び現
象が起きないよう指針を保持することである。
【0004】従来のアナログ電子時計においては、前述
の指針の駆動と保持という機能をステップモータを用い
ることで実現している。図7は従来のアナログ電子時計
におけるステップモータから指針までの機構を表す模式
図を示している。磁石2とロータカナ3からなるロータ
1の回転はロータカナ3を通じて5番歯車6に伝達さ
れ、5番歯車6と同じ回転を行う5番カナ7を通じて4
番歯車21に伝達され、秒針41を回転させる。そして
秒針41と同じ回転を行う4番カナ22を通じて3番歯
車23に伝達され、3番カナ24を通じて2番歯車25
に伝達され、分針42を回転させる。さらに分針42と
同じ回転を行う2番カナ26を通じて図には示されてい
ない日の裏歯車に伝達され、同じく図には示されていな
い日の裏カナを通じて筒車40に伝達され、時針43に
まで回転が伝達される。すなわちロータ1から時針43
までは輪列機構によって回転動作が双方向に伝達される
構造になっている。
の指針の駆動と保持という機能をステップモータを用い
ることで実現している。図7は従来のアナログ電子時計
におけるステップモータから指針までの機構を表す模式
図を示している。磁石2とロータカナ3からなるロータ
1の回転はロータカナ3を通じて5番歯車6に伝達さ
れ、5番歯車6と同じ回転を行う5番カナ7を通じて4
番歯車21に伝達され、秒針41を回転させる。そして
秒針41と同じ回転を行う4番カナ22を通じて3番歯
車23に伝達され、3番カナ24を通じて2番歯車25
に伝達され、分針42を回転させる。さらに分針42と
同じ回転を行う2番カナ26を通じて図には示されてい
ない日の裏歯車に伝達され、同じく図には示されていな
い日の裏カナを通じて筒車40に伝達され、時針43に
まで回転が伝達される。すなわちロータ1から時針43
までは輪列機構によって回転動作が双方向に伝達される
構造になっている。
【0005】ステップモータには保持エネルギーが存在
するため外部からの衝撃で発生したある程度の外乱エネ
ルギーまでは針飛びを防止することが可能であるが、そ
れには限界があり、極端に大きな指針を使用した場合に
は外乱エネルギーが大きくなり、針飛びを起こしてしま
う。
するため外部からの衝撃で発生したある程度の外乱エネ
ルギーまでは針飛びを防止することが可能であるが、そ
れには限界があり、極端に大きな指針を使用した場合に
は外乱エネルギーが大きくなり、針飛びを起こしてしま
う。
【0006】時計は装飾品でもあることを考えると、外
から見える部分は自由にデザインしたい、すなわち指針
に対しても何ら制約は付けたくないものである。そこで
大きな指針でも針飛びを起こさないようにするには、ス
テップモータの保持エネルギーを大きく設計するのが従
来の方法であった。
から見える部分は自由にデザインしたい、すなわち指針
に対しても何ら制約は付けたくないものである。そこで
大きな指針でも針飛びを起こさないようにするには、ス
テップモータの保持エネルギーを大きく設計するのが従
来の方法であった。
【0007】しかし保持エネルギーを大きくすること
は、指針を駆動するときにより多くの電力を必要とする
こととなり、今度は低消費電力化したいという要求を満
たせなくなってしまう。したがって低消費電力化したい
という要求と大きな指針を採用したいという要求を両立
するためには、保持エネルギーを大きくすることで保持
できるようにするのではなく、保持エネルギーに頼らな
い機構が必要である。
は、指針を駆動するときにより多くの電力を必要とする
こととなり、今度は低消費電力化したいという要求を満
たせなくなってしまう。したがって低消費電力化したい
という要求と大きな指針を採用したいという要求を両立
するためには、保持エネルギーを大きくすることで保持
できるようにするのではなく、保持エネルギーに頼らな
い機構が必要である。
【0008】指針の保持とは言い換えると外部からの衝
撃時に指針からステップモータへの回転運動の伝達を防
止する機能すなわち逆伝達防止機能である。逆伝達防止
機能を実現する手段として、通常時駆動側となる歯車の
歯形形状を工夫することにより、通常時被駆動側の歯車
からの回転に対し歯先同士が突っ張りを生じることで逆
伝達防止を実現しているものがある。このような逆伝達
防止機構は特公昭60−11270に開示されている。
撃時に指針からステップモータへの回転運動の伝達を防
止する機能すなわち逆伝達防止機能である。逆伝達防止
機能を実現する手段として、通常時駆動側となる歯車の
歯形形状を工夫することにより、通常時被駆動側の歯車
からの回転に対し歯先同士が突っ張りを生じることで逆
伝達防止を実現しているものがある。このような逆伝達
防止機構は特公昭60−11270に開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では通常時駆動側の歯形形状が特殊であることから、
一般の歯車の歯形よりも接触面における滑りが大きくな
り、摩擦による損失が大きく伝達効率がよくない。また
駆動歯車と従動歯車の突っ張りの発生は歯車間の真心距
離の設計値からの誤差に大きく左右され、逆伝達防止機
能の安定性の問題などがある。
法では通常時駆動側の歯形形状が特殊であることから、
一般の歯車の歯形よりも接触面における滑りが大きくな
り、摩擦による損失が大きく伝達効率がよくない。また
駆動歯車と従動歯車の突っ張りの発生は歯車間の真心距
離の設計値からの誤差に大きく左右され、逆伝達防止機
能の安定性の問題などがある。
【0010】本発明の目的は、上記課題を解決して伝達
効率を劣化させることなく逆伝達防止機能を実現するこ
とである。さらにそれにより大きな指針を使用しかつ低
消費電力化を可能にするアナログ電子時計を提供するこ
とにある。
効率を劣化させることなく逆伝達防止機能を実現するこ
とである。さらにそれにより大きな指針を使用しかつ低
消費電力化を可能にするアナログ電子時計を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明におけるアナログ
電子時計は、時刻表示するための指針と、静止時に前記
指針を保持するための保持エネルギ−を有し運針時には
その保持エネルギ−を越えるように駆動エネルギ−を発
生するステップモ−タと、前記ステップモ−タの動きを
前記指針に伝達するための輪列とを有するアナログ式電
子時計であって、前記輪列が部分歯車と該部分歯車の回
転軸と同軸上に配置され該部分歯車と連動して回転する
凸円弧部材とからなる駆動歯車と、前記部分歯車とかみ
合う従動歯車と、該従動歯車と連動するように配置され
る逆伝達防止部材とを有し、前記凸円弧部材には前記回
転軸を中心とし等角度間隔に配置される少なくとも2つ
の凸円弧側面部を設け、前記部分歯車の歯は前記凸円弧
側面部が形成されていない部分に対応する位置に設け、
前記逆伝達防止部材には前記凸円弧部材における凸円弧
側面部の2カ所と接する複数の接触部を設け、前記従動
歯車の回転中心と駆動歯車の回転中心との距離d、前記
円弧側面部の円弧半径p、前記円弧側面部と前記逆伝達
防止部材との接触部から前記従動歯車の回転中心までの
距離Rが、R>d−pを満足するように構成されている
ことを特徴とする。
電子時計は、時刻表示するための指針と、静止時に前記
指針を保持するための保持エネルギ−を有し運針時には
その保持エネルギ−を越えるように駆動エネルギ−を発
生するステップモ−タと、前記ステップモ−タの動きを
前記指針に伝達するための輪列とを有するアナログ式電
子時計であって、前記輪列が部分歯車と該部分歯車の回
転軸と同軸上に配置され該部分歯車と連動して回転する
凸円弧部材とからなる駆動歯車と、前記部分歯車とかみ
合う従動歯車と、該従動歯車と連動するように配置され
る逆伝達防止部材とを有し、前記凸円弧部材には前記回
転軸を中心とし等角度間隔に配置される少なくとも2つ
の凸円弧側面部を設け、前記部分歯車の歯は前記凸円弧
側面部が形成されていない部分に対応する位置に設け、
前記逆伝達防止部材には前記凸円弧部材における凸円弧
側面部の2カ所と接する複数の接触部を設け、前記従動
歯車の回転中心と駆動歯車の回転中心との距離d、前記
円弧側面部の円弧半径p、前記円弧側面部と前記逆伝達
防止部材との接触部から前記従動歯車の回転中心までの
距離Rが、R>d−pを満足するように構成されている
ことを特徴とする。
【0012】(作用)本発明においては駆動歯車に凸円
弧側面部を形成し、従動歯車に複数の対になった逆伝達
防止部材としての干渉ピンを形成している。駆動歯車が
静止している時には駆動歯車の回転中心と従動歯車の回
転中心を結んだ中心線上に凸円弧側面部の円弧の中点が
存在するようになっている。このとき従動歯車の一対の
干渉ピンは前述の中心線に対して対称である2カ所の接
触部において凸円弧側面部に接触するようになってい
る。このような構成にすることで駆動歯車から回転を伝
達するときには一対の干渉ピンは駆動歯車の回転を阻害
することはないので駆動歯車の回転は歯のかみ合いによ
り従動歯車に伝達される。逆に従動歯車から回転を伝達
しようとすると一対のうちのどちらかの干渉ピンと凸円
弧側面部が干渉し、駆動歯車と従動歯車の回転を防止す
ることが可能になる。
弧側面部を形成し、従動歯車に複数の対になった逆伝達
防止部材としての干渉ピンを形成している。駆動歯車が
静止している時には駆動歯車の回転中心と従動歯車の回
転中心を結んだ中心線上に凸円弧側面部の円弧の中点が
存在するようになっている。このとき従動歯車の一対の
干渉ピンは前述の中心線に対して対称である2カ所の接
触部において凸円弧側面部に接触するようになってい
る。このような構成にすることで駆動歯車から回転を伝
達するときには一対の干渉ピンは駆動歯車の回転を阻害
することはないので駆動歯車の回転は歯のかみ合いによ
り従動歯車に伝達される。逆に従動歯車から回転を伝達
しようとすると一対のうちのどちらかの干渉ピンと凸円
弧側面部が干渉し、駆動歯車と従動歯車の回転を防止す
ることが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下に本発明
の第1の実施形態を図1から図4を用いて説明する。第
1の実施形態においては2極ステップモータを使用し、
時・分・秒を示す3針を有するアナログ電子時計を取り
上げ、駆動歯車としては部分歯車であるロータ間欠カナ
4と凸円弧部材5を、また従動歯車として5番歯車6を
用いた例で説明する。
の第1の実施形態を図1から図4を用いて説明する。第
1の実施形態においては2極ステップモータを使用し、
時・分・秒を示す3針を有するアナログ電子時計を取り
上げ、駆動歯車としては部分歯車であるロータ間欠カナ
4と凸円弧部材5を、また従動歯車として5番歯車6を
用いた例で説明する。
【0014】図1に本発明のアナログ電子時計の断面模
式図を示す。複合ロータ30から時針43までの回転の
伝達機構は図7に示した従来技術とほぼ同じであるので
重複する説明は省略し、逆伝達防止を実現するための伝
達機構に関して説明する。
式図を示す。複合ロータ30から時針43までの回転の
伝達機構は図7に示した従来技術とほぼ同じであるので
重複する説明は省略し、逆伝達防止を実現するための伝
達機構に関して説明する。
【0015】逆伝達防止を実現するための伝達機構、す
なわち逆伝達防止機構は図2に示すように複合ロータ3
0と、逆伝達防止部材として干渉ピン8を取り付けた5
番歯車6とから構成されている。図2は複合ロータ30
のステップ回転時の静止状態を表している。複合ロータ
30は磁石2と、ロータ間欠カナ4と、凸円弧部材5と
から構成され、それぞれが一つの回転中心を共有する。
図3(a)にロータ間欠カナ4の平面図を、図3(b)
にロータ間欠カナ4の側面図を示す。ロータ間欠カナ4
は16個の歯がある歯車から180度対向する位置にお
いて4個ずつ歯が削除されている形状である。この歯が
削除されている方向を図3(a)の中で直線mで示して
いる。本実施形態ではロータ間欠カナ4の歯形形状は円
弧歯形のものを採用したが、インボリュート歯形もしく
はサイクロイド歯形など比較的すべりが発生しにくく伝
達効率のよい歯形を採用してもよい。
なわち逆伝達防止機構は図2に示すように複合ロータ3
0と、逆伝達防止部材として干渉ピン8を取り付けた5
番歯車6とから構成されている。図2は複合ロータ30
のステップ回転時の静止状態を表している。複合ロータ
30は磁石2と、ロータ間欠カナ4と、凸円弧部材5と
から構成され、それぞれが一つの回転中心を共有する。
図3(a)にロータ間欠カナ4の平面図を、図3(b)
にロータ間欠カナ4の側面図を示す。ロータ間欠カナ4
は16個の歯がある歯車から180度対向する位置にお
いて4個ずつ歯が削除されている形状である。この歯が
削除されている方向を図3(a)の中で直線mで示して
いる。本実施形態ではロータ間欠カナ4の歯形形状は円
弧歯形のものを採用したが、インボリュート歯形もしく
はサイクロイド歯形など比較的すべりが発生しにくく伝
達効率のよい歯形を採用してもよい。
【0016】図4(a)に凸円弧部材5の平面図を、図
4(b)に凸円弧部材5の側面図を示す。凸円弧部材5
は図4(a)に示すように円盤形状に対してDカットを
施し、対向する位置に2つの凸円弧側面部11が残るよ
うに成形された部材である。凸円弧部材5の外径はロー
タ間欠カナ4の歯先円よりもやや大きくし、5番歯車6
と係合状態にあるとき5番歯車6の歯底円と交わる程度
の大きさとした。2つの凸円弧側面部11が必要な部分
であるので、それらが残っていれば他の部分はどのよう
な形状になっていてもよい。すなわち図4(a)に示さ
れている直線部分は中心に向かって凸であるような曲線
であってもよい。また2つの凸円弧側面部11の中点を
通る方向を直線nで示している。そして凸円弧部材5と
ロータ間欠カナ4は、直線nと、直線mとが一致するよ
うに組み合わされる。
4(b)に凸円弧部材5の側面図を示す。凸円弧部材5
は図4(a)に示すように円盤形状に対してDカットを
施し、対向する位置に2つの凸円弧側面部11が残るよ
うに成形された部材である。凸円弧部材5の外径はロー
タ間欠カナ4の歯先円よりもやや大きくし、5番歯車6
と係合状態にあるとき5番歯車6の歯底円と交わる程度
の大きさとした。2つの凸円弧側面部11が必要な部分
であるので、それらが残っていれば他の部分はどのよう
な形状になっていてもよい。すなわち図4(a)に示さ
れている直線部分は中心に向かって凸であるような曲線
であってもよい。また2つの凸円弧側面部11の中点を
通る方向を直線nで示している。そして凸円弧部材5と
ロータ間欠カナ4は、直線nと、直線mとが一致するよ
うに組み合わされる。
【0017】次に再び図2を用いて干渉ピン8について
説明する。5番歯車6には図2(a)に示すように16
個の干渉ピン8が5番歯車6の回転中心からある半径の
円周上に接着剤で取り付けられている。取り付け方法は
5番歯車6に穴を開けて干渉ピン8を圧入するような方
法でもよい。干渉ピン8が逆伝達を防止するためのもの
であるという観点から考えると、16個の干渉ピン8は
2個ずつの対になっていて、図2(a)に示す一対の干
渉ピン8aと8bは30度の中心角を持つ。そして8対
の干渉ピン8が45度の等間隔で円周上に配置されてい
る。
説明する。5番歯車6には図2(a)に示すように16
個の干渉ピン8が5番歯車6の回転中心からある半径の
円周上に接着剤で取り付けられている。取り付け方法は
5番歯車6に穴を開けて干渉ピン8を圧入するような方
法でもよい。干渉ピン8が逆伝達を防止するためのもの
であるという観点から考えると、16個の干渉ピン8は
2個ずつの対になっていて、図2(a)に示す一対の干
渉ピン8aと8bは30度の中心角を持つ。そして8対
の干渉ピン8が45度の等間隔で円周上に配置されてい
る。
【0018】さらに凸円弧板5と干渉ピン8の位置関係
について説明する。逆伝達を防止するために干渉ピン8
aおよび8bは、複合ロータ30の静止時に、複合ロー
タ30の回転中心と5番歯車6の回転中心を結ぶ中心線
に対して対称な2カ所の接触部において凸円弧側面部1
1と接触する。そこで、干渉ピン8と凸円弧側面部11
の接触部から5番歯車6の回転中心Ofまでの距離をR
とし、複合ロータ30の回転中心Odと5番歯車6の回
転中心Ofの距離をdとし、凸円弧側面部11の円弧半
径をpとしたとき、Ofから接触部までの距離Rは次の
式(1)を満たさなければならない。 R>d−p (1)
について説明する。逆伝達を防止するために干渉ピン8
aおよび8bは、複合ロータ30の静止時に、複合ロー
タ30の回転中心と5番歯車6の回転中心を結ぶ中心線
に対して対称な2カ所の接触部において凸円弧側面部1
1と接触する。そこで、干渉ピン8と凸円弧側面部11
の接触部から5番歯車6の回転中心Ofまでの距離をR
とし、複合ロータ30の回転中心Odと5番歯車6の回
転中心Ofの距離をdとし、凸円弧側面部11の円弧半
径をpとしたとき、Ofから接触部までの距離Rは次の
式(1)を満たさなければならない。 R>d−p (1)
【0019】そして対になっている干渉ピン8aと8b
はOdとOfを結ぶ中心線lに対して対称に配置される
ことが望ましい。接触部までの距離Rは凸円弧側面部1
1に干渉ピン8が接触しなければならないことから、自
ずとその上限値が決まってくる。
はOdとOfを結ぶ中心線lに対して対称に配置される
ことが望ましい。接触部までの距離Rは凸円弧側面部1
1に干渉ピン8が接触しなければならないことから、自
ずとその上限値が決まってくる。
【0020】以上の構成において、複合ロータ30の回
転はロータ間欠カナ4により5番歯車6に伝えられ、そ
れにより5番カナ7に伝達される。本実施形態では5番
歯車6には円弧歯形を採用したが、ロータ間欠カナ4と
同様にインボリュート歯形もしくはサイクロイド歯形の
使用が可能である。これによりロータ間欠カナ4と5番
歯車6の間の伝達効率は、従来のアナログ電子時計と同
等であることが保証されることになる。
転はロータ間欠カナ4により5番歯車6に伝えられ、そ
れにより5番カナ7に伝達される。本実施形態では5番
歯車6には円弧歯形を採用したが、ロータ間欠カナ4と
同様にインボリュート歯形もしくはサイクロイド歯形の
使用が可能である。これによりロータ間欠カナ4と5番
歯車6の間の伝達効率は、従来のアナログ電子時計と同
等であることが保証されることになる。
【0021】図2において明らかなように複合ロータ3
0が回転するとき凸円弧部材5は干渉ピン8によってそ
の回転を妨害されることはない。しかし外部からの衝撃
を受けたときに、指針の片重りやイナーシャが原因とな
って発生する回転が5番歯車6から複合ロータ30に伝
えられようとすると、干渉ピン8aもしくは8bと凸円
弧側面部11が干渉するため5番歯車6と複合ロータ3
0は回転することができず、回転の伝達は行われない。
また複合ロータ30と5番歯車6の回転中心間の距離d
が設計値よりもずれていたとしても、凸円弧側面部11
と干渉ピン8が衝突を起こす範囲内であれば逆伝達は防
止される。
0が回転するとき凸円弧部材5は干渉ピン8によってそ
の回転を妨害されることはない。しかし外部からの衝撃
を受けたときに、指針の片重りやイナーシャが原因とな
って発生する回転が5番歯車6から複合ロータ30に伝
えられようとすると、干渉ピン8aもしくは8bと凸円
弧側面部11が干渉するため5番歯車6と複合ロータ3
0は回転することができず、回転の伝達は行われない。
また複合ロータ30と5番歯車6の回転中心間の距離d
が設計値よりもずれていたとしても、凸円弧側面部11
と干渉ピン8が衝突を起こす範囲内であれば逆伝達は防
止される。
【0022】干渉ピン8aと8bの間隔が広いと逆伝達
が防止される回転中心間の距離dの許容公差が大きくな
るし、逆に干渉ピン8aと8bの間隔が狭いと逆伝達が
防止される回転中心間の距離dに対する許容公差は小さ
くなる。しかし、干渉ピン8の間隔が広いときには逆伝
達が正しく防止されるための複合ロータ30の静止時位
置公差が小さくなるが、逆に干渉ピン8aと8bの間隔
が狭いときには逆伝達が正しく防止されるための複合ロ
ータ30の静止時位置公差が大きくなるという性質があ
る。したがって目的にあわせて干渉ピン8aと8bの間
隔は設定すればよい。
が防止される回転中心間の距離dの許容公差が大きくな
るし、逆に干渉ピン8aと8bの間隔が狭いと逆伝達が
防止される回転中心間の距離dに対する許容公差は小さ
くなる。しかし、干渉ピン8の間隔が広いときには逆伝
達が正しく防止されるための複合ロータ30の静止時位
置公差が小さくなるが、逆に干渉ピン8aと8bの間隔
が狭いときには逆伝達が正しく防止されるための複合ロ
ータ30の静止時位置公差が大きくなるという性質があ
る。したがって目的にあわせて干渉ピン8aと8bの間
隔は設定すればよい。
【0023】ロータ間欠カナ4において歯のない部分を
設けたのは、複合ロータ30が静止の状態から回転を始
めるときに5番歯車6とかみ合いをしない時間を作り出
すためである。ロータ間欠カナ4が静止の状態から回転
を始めて直ちに5番歯車6とかみ合い始めてしまうと干
渉ピン8が凸円弧部材5と干渉して回転できなくなって
しまうからである。ロータ間欠カナ4がかみ合いを行わ
ない区間を設けることで凸円弧部材5がある角度だけ回
転することを許し、その後かみ合い始めるようにすると
干渉ピン8と凸円弧部材5の干渉が起こらなくなり、複
合ロータ30の回転を5番歯車6に伝達することが可能
になる。
設けたのは、複合ロータ30が静止の状態から回転を始
めるときに5番歯車6とかみ合いをしない時間を作り出
すためである。ロータ間欠カナ4が静止の状態から回転
を始めて直ちに5番歯車6とかみ合い始めてしまうと干
渉ピン8が凸円弧部材5と干渉して回転できなくなって
しまうからである。ロータ間欠カナ4がかみ合いを行わ
ない区間を設けることで凸円弧部材5がある角度だけ回
転することを許し、その後かみ合い始めるようにすると
干渉ピン8と凸円弧部材5の干渉が起こらなくなり、複
合ロータ30の回転を5番歯車6に伝達することが可能
になる。
【0024】また図2(a)における凸円弧部材5の幅
wは複合ロータ30の静止時位置公差および回転中心間
の距離dの許容公差と密接に関係している。幅wが大き
い方が複合ロータ30の静止時位置に対する許容公差は
大きくなるし、回転中心間の距離dの許容公差も大きく
なる。しかし、幅wを大きくすると今度は前述の、ロー
タ間欠カナ4がかみ合いを行わない区間を大きくしなけ
ればならない。そしてかみ合いをしない区間を大きくす
ることで複合ロータ30の1ステップの回転に対して5
番歯車6の回転角も小さくなってしまう。したがって凸
円弧部材5の幅wは目的に応じて設計される必要があ
る。
wは複合ロータ30の静止時位置公差および回転中心間
の距離dの許容公差と密接に関係している。幅wが大き
い方が複合ロータ30の静止時位置に対する許容公差は
大きくなるし、回転中心間の距離dの許容公差も大きく
なる。しかし、幅wを大きくすると今度は前述の、ロー
タ間欠カナ4がかみ合いを行わない区間を大きくしなけ
ればならない。そしてかみ合いをしない区間を大きくす
ることで複合ロータ30の1ステップの回転に対して5
番歯車6の回転角も小さくなってしまう。したがって凸
円弧部材5の幅wは目的に応じて設計される必要があ
る。
【0025】本実施形態ではロータ間欠カナ4において
4個ずつ歯が削除されている形状のものを使用したが、
前述のように複合ロータ30が回転を始めるときに干渉
ピン8によって回転を阻害されないようにロータ間欠カ
ナ4において歯が削除されている形状であればよく、4
個ずつという数値に限定されることはない。
4個ずつ歯が削除されている形状のものを使用したが、
前述のように複合ロータ30が回転を始めるときに干渉
ピン8によって回転を阻害されないようにロータ間欠カ
ナ4において歯が削除されている形状であればよく、4
個ずつという数値に限定されることはない。
【0026】ロータ間欠カナ4と凸円弧部材5の回転方
向の位置関係は図3及び図4に示す直線mと直線nが一
致するようにしてあると前に述べたが、それら2直線が
若干の角度を持つように組み合わせても問題はない。複
合ロータ30の回転方向が常に一方向だけで使用する状
況においては、むしろ直線mと直線nが角度をもつよう
にしたほうが複合ロータ30からの回転の伝達がより円
滑に行われることがある。また凸円弧部材5の円弧半径
は式(1)を満足するのであれば本実施形態よりも大き
くてもよいが、減速輪列においてはイナーシャの増加を
抑えるため可能な限り小さい方が低消費電力化には望ま
しい。
向の位置関係は図3及び図4に示す直線mと直線nが一
致するようにしてあると前に述べたが、それら2直線が
若干の角度を持つように組み合わせても問題はない。複
合ロータ30の回転方向が常に一方向だけで使用する状
況においては、むしろ直線mと直線nが角度をもつよう
にしたほうが複合ロータ30からの回転の伝達がより円
滑に行われることがある。また凸円弧部材5の円弧半径
は式(1)を満足するのであれば本実施形態よりも大き
くてもよいが、減速輪列においてはイナーシャの増加を
抑えるため可能な限り小さい方が低消費電力化には望ま
しい。
【0027】図2において凸円弧側面部11と干渉ピン
8は接触する位置関係として説明してきたが、若干の隙
間があってもかまわない。逆にその方が駆動時の回転の
伝達は円滑に行われる。
8は接触する位置関係として説明してきたが、若干の隙
間があってもかまわない。逆にその方が駆動時の回転の
伝達は円滑に行われる。
【0028】(第2の実施形態)次に第2の実施形態を
図5に基づき説明する。本実施形態においても第1の実
施形態と同様に2極ステップモータを使用し、時・分・
秒を示す3針を有するアナログ電子時計を取り上げ説明
する。またここでも駆動歯車としてロータ間欠カナ4と
凸円弧部材5が、また従動歯車として5番歯車6が用い
られている。逆伝達防止機構は駆動側となる複合ロータ
30と従動側となる5番歯車6の間で実現する。第1の
実施形態との違いは逆伝達防止部材がV溝部材10で構
成されている点である。図5(a)はロータ間欠カナ4
と同じ回転を行う凸円弧部材5と、5番歯車6と同じ回
転を行うV溝部材10が係合している様子の平面図で、
図5(b)はその側面図を表している。
図5に基づき説明する。本実施形態においても第1の実
施形態と同様に2極ステップモータを使用し、時・分・
秒を示す3針を有するアナログ電子時計を取り上げ説明
する。またここでも駆動歯車としてロータ間欠カナ4と
凸円弧部材5が、また従動歯車として5番歯車6が用い
られている。逆伝達防止機構は駆動側となる複合ロータ
30と従動側となる5番歯車6の間で実現する。第1の
実施形態との違いは逆伝達防止部材がV溝部材10で構
成されている点である。図5(a)はロータ間欠カナ4
と同じ回転を行う凸円弧部材5と、5番歯車6と同じ回
転を行うV溝部材10が係合している様子の平面図で、
図5(b)はその側面図を表している。
【0029】V溝部材10はここでは8個のV字型溝部
12が外周に形成されているが、V字型溝部12の個数
はロータ間欠カナ4の歯数と5番歯車6の歯数との関係
から決まるので、それぞれの歯数を変えればV字型溝部
12の個数も変わることになる。V字型溝部12を形成
する2つの斜面は、図5(a)に示すように複合ロータ
30が静止時に、複合ロータ30の回転中心と5番歯車
6の回転中心とを結ぶ中心線に対して対称な2カ所の接
触部において凸円弧部材5と接触する。このときその接
触部から5番歯車6の回転中心Ofまでの距離をRとす
ると、第1の実施形態で説明した式(1)を満たすよう
にV字型溝部12は設計されなければならない。また図
5(b)から明らかなように複合ロータ30が静止時に
はロータ間欠カナ4は5番歯車6とかみ合いを行わな
い。
12が外周に形成されているが、V字型溝部12の個数
はロータ間欠カナ4の歯数と5番歯車6の歯数との関係
から決まるので、それぞれの歯数を変えればV字型溝部
12の個数も変わることになる。V字型溝部12を形成
する2つの斜面は、図5(a)に示すように複合ロータ
30が静止時に、複合ロータ30の回転中心と5番歯車
6の回転中心とを結ぶ中心線に対して対称な2カ所の接
触部において凸円弧部材5と接触する。このときその接
触部から5番歯車6の回転中心Ofまでの距離をRとす
ると、第1の実施形態で説明した式(1)を満たすよう
にV字型溝部12は設計されなければならない。また図
5(b)から明らかなように複合ロータ30が静止時に
はロータ間欠カナ4は5番歯車6とかみ合いを行わな
い。
【0030】図5に示すように複合ロータ30が静止状
態で、外部から衝撃を受け通常とは逆方向の回転の伝達
が行われようとすると、V溝部材10と凸円弧部材5が
干渉するので5番歯車6から複合ロータ30を回転させ
ることはできない。V字型溝部12の幅は確実な逆伝達
防止の観点から、相対する凸円弧側面部11の両端の長
さw1は凸円弧部材5の幅wより小さい値に設定すると
よい。またV字型溝部12の開き角度は凸円弧側面部1
1と接するという条件を満たす範囲内で設定すればよ
く、本実施形態ではV字型溝部12は140度の開き角
度を持つように設計した。
態で、外部から衝撃を受け通常とは逆方向の回転の伝達
が行われようとすると、V溝部材10と凸円弧部材5が
干渉するので5番歯車6から複合ロータ30を回転させ
ることはできない。V字型溝部12の幅は確実な逆伝達
防止の観点から、相対する凸円弧側面部11の両端の長
さw1は凸円弧部材5の幅wより小さい値に設定すると
よい。またV字型溝部12の開き角度は凸円弧側面部1
1と接するという条件を満たす範囲内で設定すればよ
く、本実施形態ではV字型溝部12は140度の開き角
度を持つように設計した。
【0031】しかし複合ロータ30が回転するときには
V溝部材10は凸円弧部材5の回転を妨害することがな
いので複合ロータ30からの回転の伝達は円滑に行われ
る。凸円弧部材5が滑らかに回転するために凸円弧側面
部11とV字型溝部12との間にわずかな隙間が存在す
る方がよいことは言うまでもない。第2の実施形態にお
いてもロータ間欠カナ4と5番歯車6の歯形は第1の実
施形態と同じことが言えるので、伝達効率は従来のアナ
ログ電子時計の歯車の伝達効率と同等であることが保証
される。
V溝部材10は凸円弧部材5の回転を妨害することがな
いので複合ロータ30からの回転の伝達は円滑に行われ
る。凸円弧部材5が滑らかに回転するために凸円弧側面
部11とV字型溝部12との間にわずかな隙間が存在す
る方がよいことは言うまでもない。第2の実施形態にお
いてもロータ間欠カナ4と5番歯車6の歯形は第1の実
施形態と同じことが言えるので、伝達効率は従来のアナ
ログ電子時計の歯車の伝達効率と同等であることが保証
される。
【0032】(第3の実施形態)次に第3の実施形態を
図6に基づき説明する。本実施形態においても第1の実
施形態と同様に2極ステップモータを使用し、時・分・
秒を示す3針を有するアナログ電子時計を取り上げ説明
する。またここでも駆動歯車としてロータ間欠カナ4と
凸円弧部材5が、また従動歯車として5番歯車6が用い
られている。逆伝達防止機構は駆動側である複合ロータ
30と従動側である5番歯車6の間で実現する。第1及
び第2の実施形態との違いは逆伝達防止部材が凹円弧部
材10で構成されている点である。図6(a)はロータ
間欠カナ4と同じ回転を行う凸円弧部材5と、5番歯車
6と同じ回転を行う凹円弧部材9が係合している様子の
平面図を、図6(b)はその側面図を表している。
図6に基づき説明する。本実施形態においても第1の実
施形態と同様に2極ステップモータを使用し、時・分・
秒を示す3針を有するアナログ電子時計を取り上げ説明
する。またここでも駆動歯車としてロータ間欠カナ4と
凸円弧部材5が、また従動歯車として5番歯車6が用い
られている。逆伝達防止機構は駆動側である複合ロータ
30と従動側である5番歯車6の間で実現する。第1及
び第2の実施形態との違いは逆伝達防止部材が凹円弧部
材10で構成されている点である。図6(a)はロータ
間欠カナ4と同じ回転を行う凸円弧部材5と、5番歯車
6と同じ回転を行う凹円弧部材9が係合している様子の
平面図を、図6(b)はその側面図を表している。
【0033】凹円弧部材9はその外縁部に8個の凹円弧
側面部13が45度ごとに形成された部材である。凹円
弧側面部13の個数はロータ間欠カナ4の歯数と5番歯
車6の歯数との関係から決まるので、それぞれの歯数を
変えれば凹円弧側面部13の個数も変わることになる。
図6(a)に示すように凹円弧側面部13は、複合ロー
タ30の静止時に、複合ロータ30の回転中心と5番歯
車6の回転中心とを結ぶ中心線に対して対称な2カ所の
接触部において凸円弧側面部11と接触する。このとき
凹円弧側面部13と凸円弧側面部11の接触点から5番
歯車6の回転中心Ofまでの距離をRとすると、第1の
実施形態で説明した式(1)を満たすように凹円弧側面
部13は設計されなければならない。また図6(b)か
ら明らかなように複合ロータ30の静止時においてロー
タ間欠カナ4は5番歯車6とかみ合いを行わない。
側面部13が45度ごとに形成された部材である。凹円
弧側面部13の個数はロータ間欠カナ4の歯数と5番歯
車6の歯数との関係から決まるので、それぞれの歯数を
変えれば凹円弧側面部13の個数も変わることになる。
図6(a)に示すように凹円弧側面部13は、複合ロー
タ30の静止時に、複合ロータ30の回転中心と5番歯
車6の回転中心とを結ぶ中心線に対して対称な2カ所の
接触部において凸円弧側面部11と接触する。このとき
凹円弧側面部13と凸円弧側面部11の接触点から5番
歯車6の回転中心Ofまでの距離をRとすると、第1の
実施形態で説明した式(1)を満たすように凹円弧側面
部13は設計されなければならない。また図6(b)か
ら明らかなように複合ロータ30の静止時においてロー
タ間欠カナ4は5番歯車6とかみ合いを行わない。
【0034】図6の状態で複合ロータ30が静止するよ
うにしておくと、外部から衝撃を受け、通常とは逆方向
の回転の伝達が行われようとしたときに、凹円弧部材9
と凸円弧部材5が干渉するので5番歯車6から複合ロー
タ30を回転させることはできない。第1の実施形態で
は凹円弧側面部13の曲率半径は凸円弧側面部11の曲
率半径よりも若干小さくしたが、凹円弧側面部13の曲
率半径は凸円弧側面部11の曲率半径以下に設定すれば
よい。そしてそれらの曲率半径を等しくした場合には、
第1の実施形態の干渉ピン8を用いた場合に比べより確
実に逆伝達防止を実現できる。
うにしておくと、外部から衝撃を受け、通常とは逆方向
の回転の伝達が行われようとしたときに、凹円弧部材9
と凸円弧部材5が干渉するので5番歯車6から複合ロー
タ30を回転させることはできない。第1の実施形態で
は凹円弧側面部13の曲率半径は凸円弧側面部11の曲
率半径よりも若干小さくしたが、凹円弧側面部13の曲
率半径は凸円弧側面部11の曲率半径以下に設定すれば
よい。そしてそれらの曲率半径を等しくした場合には、
第1の実施形態の干渉ピン8を用いた場合に比べより確
実に逆伝達防止を実現できる。
【0035】しかし複合ロータ30が回転するときには
凹円弧部材9は凸円弧部材5の回転を妨害することがな
いので複合ロータ30からの回転の伝達は円滑に行われ
る。凹円弧側面部13の両端の長さw2は確実な逆伝達
防止の観点から、相対する凸円弧側面部11の両端の長
さ以下にするとよい。凹円弧側面部13の曲率半径は凸
円弧側面部11の曲率半径と同じかそれ以下にするとよ
い。凸円弧部材5が滑らかに回転するために凸円弧側面
部11と凹円弧側面部13の間にわずかな隙間が存在す
る方がよいことは言うまでもない。第3の実施形態にお
いてもロータ間欠カナ4と5番歯車6の歯形は第1の実
施形態と同じことが言えるので、伝達効率は従来のアナ
ログ電子時計の歯車の伝達効率と同等であることが保証
される。
凹円弧部材9は凸円弧部材5の回転を妨害することがな
いので複合ロータ30からの回転の伝達は円滑に行われ
る。凹円弧側面部13の両端の長さw2は確実な逆伝達
防止の観点から、相対する凸円弧側面部11の両端の長
さ以下にするとよい。凹円弧側面部13の曲率半径は凸
円弧側面部11の曲率半径と同じかそれ以下にするとよ
い。凸円弧部材5が滑らかに回転するために凸円弧側面
部11と凹円弧側面部13の間にわずかな隙間が存在す
る方がよいことは言うまでもない。第3の実施形態にお
いてもロータ間欠カナ4と5番歯車6の歯形は第1の実
施形態と同じことが言えるので、伝達効率は従来のアナ
ログ電子時計の歯車の伝達効率と同等であることが保証
される。
【0036】以上第1から第3の実施形態においては2
極ステップモータを用いた輪列に対して、複合ロータ3
0と5番歯車6に逆伝達防止機構を適用する例を挙げて
説明してきたが、それに限られることなく、2極ステッ
プモータ以外の6極ステップモータなどを用いた場合に
も適用できる。また、5番カナ7と4番歯車21の間で
本発明による逆伝達防止機構を適用することも可能であ
るし、任意の位置の係合して回転する歯車間において有
効であることは言うまでもない。ただし1ステップあた
りの回転角に応じて凸円弧側面部11の数は設定しなけ
ればならないし、歯車間の減速比に応じて凸円弧側面部
11と相対する従動歯車上の受け部、すなわち第1の実
施形態であれば干渉ピン8であるし、第2の実施形態で
あればV字型溝部12であるし、第3の実施形態であれ
ば凹円弧側面部13の個数も設定されなければならな
い。
極ステップモータを用いた輪列に対して、複合ロータ3
0と5番歯車6に逆伝達防止機構を適用する例を挙げて
説明してきたが、それに限られることなく、2極ステッ
プモータ以外の6極ステップモータなどを用いた場合に
も適用できる。また、5番カナ7と4番歯車21の間で
本発明による逆伝達防止機構を適用することも可能であ
るし、任意の位置の係合して回転する歯車間において有
効であることは言うまでもない。ただし1ステップあた
りの回転角に応じて凸円弧側面部11の数は設定しなけ
ればならないし、歯車間の減速比に応じて凸円弧側面部
11と相対する従動歯車上の受け部、すなわち第1の実
施形態であれば干渉ピン8であるし、第2の実施形態で
あればV字型溝部12であるし、第3の実施形態であれ
ば凹円弧側面部13の個数も設定されなければならな
い。
【0037】また凸円弧部材5とロータ間欠カナ4は一
体で作製してもよい。そして5番歯車6と干渉ピン8、
5番歯車6とV溝部材10、5番歯車6と凹円弧部材9
もまたそれぞれ一体形状で作製してもよい。従来の輪列
における歯車に凸円弧部材5や干渉ピン8やV溝部材1
0や凹円弧部材9を付加することになるので、歯車のイ
ナーシャが増加することにはなるが、逆伝達防止を実現
するために必要な要素は凸円弧部材5においては凸円弧
側面部11、干渉ピン8においては凸円弧部材5と接触
する外周側面、V溝部材10においてはV溝側面部、凹
円弧部材9においては凹円弧側面部13であるので、そ
れぞれの部材において不必要な部分を削除した形に成形
することでイナーシャ増加分はわずかなものになり、消
費電力はほとんど増加することはない。
体で作製してもよい。そして5番歯車6と干渉ピン8、
5番歯車6とV溝部材10、5番歯車6と凹円弧部材9
もまたそれぞれ一体形状で作製してもよい。従来の輪列
における歯車に凸円弧部材5や干渉ピン8やV溝部材1
0や凹円弧部材9を付加することになるので、歯車のイ
ナーシャが増加することにはなるが、逆伝達防止を実現
するために必要な要素は凸円弧部材5においては凸円弧
側面部11、干渉ピン8においては凸円弧部材5と接触
する外周側面、V溝部材10においてはV溝側面部、凹
円弧部材9においては凹円弧側面部13であるので、そ
れぞれの部材において不必要な部分を削除した形に成形
することでイナーシャ増加分はわずかなものになり、消
費電力はほとんど増加することはない。
【0038】さらに本発明による逆伝達防止機構はアナ
ログ電子時計のみならず、間欠的な回転を行う歯車間に
適用することも可能である。
ログ電子時計のみならず、間欠的な回転を行う歯車間に
適用することも可能である。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のアナログ電子時計においては従来のアナログ電子時計
では使用することが困難であった大きな指針を採用して
も外部からの衝撃に対して針飛びを防ぐことが可能にな
り、同時に通常駆動時にも伝達効率を劣化させることの
ない輪列を提供することが可能になる。さらにはステッ
プモータの保持エネルギーにほとんど依存しない逆伝達
防止が可能になるため、消費電力を増大させることなく
大きな指針を駆動することが可能になるなど多くの効果
がある。
のアナログ電子時計においては従来のアナログ電子時計
では使用することが困難であった大きな指針を採用して
も外部からの衝撃に対して針飛びを防ぐことが可能にな
り、同時に通常駆動時にも伝達効率を劣化させることの
ない輪列を提供することが可能になる。さらにはステッ
プモータの保持エネルギーにほとんど依存しない逆伝達
防止が可能になるため、消費電力を増大させることなく
大きな指針を駆動することが可能になるなど多くの効果
がある。
【図1】本発明の第1の実施形態におけるアナログ電子
時計の断面図。
時計の断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態における逆伝達防止機
構を説明する平面図および側面図。
構を説明する平面図および側面図。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるロータ間欠カ
ナを説明する図。
ナを説明する図。
【図4】本発明の第1の実施形態における凸円弧部材を
説明する図。
説明する図。
【図5】本発明の第2の実施形態における逆伝達防止機
構を説明する平面図および側面図。
構を説明する平面図および側面図。
【図6】本発明の第3の実施形態における逆伝達防止機
構を説明する平面図および側面図。
構を説明する平面図および側面図。
【図7】従来の技術におけるアナログ電子時計の断面
図。
図。
1 ロータ 2 磁石 3 ロータカナ 4 ロータ間欠カナ 5 凸円弧部材 6 5番歯車 7 5番カナ 8 干渉ピン 9 凹円弧部材 10 V溝部材 11 凸円弧側面部 12 V字型溝部 13 凹円弧側面部 21 4番歯車 22 4番カナ 23 3番歯車 24 3番カナ 25 2番歯車 26 2番カナ 27 2番軸 30 複合ロータ 40 筒車 41 秒針 42 分針 43 時針
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 重之 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 (72)発明者 島内 岳明 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2F001 AA05 AA08 AG05 AG06 AG13
Claims (1)
- 【請求項1】 時刻表示するための指針と、静止時に前
記指針を保持するための保持エネルギ−を有し運針時に
はその保持エネルギ−を越えるように駆動エネルギ−を
発生するステップモ−タと、前記ステップモ−タの動き
を前記指針に伝達するための輪列とを有するアナログ式
電子時計であって、 前記輪列が部分歯車と該部分歯車の回転軸と同軸上に配
置され該部分歯車と連動して回転する凸円弧部材とから
なる駆動歯車と、前記部分歯車とかみ合う従動歯車と、
該従動歯車と連動するように配置される逆伝達防止部材
とを有し、 前記凸円弧部材には前記回転軸を中心とし等角度間隔に
配置される少なくとも2つの凸円弧側面部を設け、 前記部分歯車の歯は前記凸円弧側面部が形成されていな
い部分に対応する位置に設け、 前記逆伝達防止部材には前記凸円弧部材における凸円弧
側面部の2カ所と接する複数の接触部を設け、 前記従動歯車の回転中心と駆動歯車の回転中心との距離
d、前記円弧側面部の円弧半径p、前記円弧側面部と前
記逆伝達防止部材との接触部から前記従動歯車の回転中
心までの距離Rが、 R>d−p を満足するように構成されていることを特徴とするアナ
ログ電子時計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11109198A JP2000304880A (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | アナログ電子時計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11109198A JP2000304880A (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | アナログ電子時計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000304880A true JP2000304880A (ja) | 2000-11-02 |
Family
ID=14504113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11109198A Pending JP2000304880A (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | アナログ電子時計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000304880A (ja) |
-
1999
- 1999-04-16 JP JP11109198A patent/JP2000304880A/ja active Pending
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051003 |