JP2000303117A - 長尺状ワークの焼入装置と長尺状ワークの焼入方法 - Google Patents

長尺状ワークの焼入装置と長尺状ワークの焼入方法

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JP2000303117A
JP2000303117A JP11108955A JP10895599A JP2000303117A JP 2000303117 A JP2000303117 A JP 2000303117A JP 11108955 A JP11108955 A JP 11108955A JP 10895599 A JP10895599 A JP 10895599A JP 2000303117 A JP2000303117 A JP 2000303117A
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cooling
long
distortion
heating coil
long work
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JP11108955A
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Hiyoshi Watanabe
日吉 渡邊
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Fuji Electronics Industry Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electronics Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、長尺状ワークを焼入れする
際に、噴射する冷却液などに基づく冷却ムラ等を防止し
て、歪みが少ない焼入作業を行うことにある。 【解決手段】 本発明は、長手方向Xに相対的に移動す
る長尺状ワークWを加熱コイル200によって加熱し、
この加熱コイル200で加熱された焼入面を冷却手段3
00により冷却する長尺状ワークの焼入装置であって、
冷却手段300は、長尺状ワークWの焼入面を冷却する
ために該焼入面に当接すべく設けられた冷却ローラ31
0から構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、例えばレール等
の長尺状ワークを高周波焼入する際に用いられるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】レール等の断面方形状の長尺状ワークの
対向した側面を高周波加熱する長尺状ワークの焼入装置
としては、図4(イ)に示すように、長尺状ワークWを
搬送するために上流および下流に搬送ローラ100が設
けられ、この上流および下流の搬送ローラ100の間に
は、搬送ローラ100により搬送される長尺状ワークW
の側面WL、WR(焼入面WA)を加熱する高周波加熱
コイル、および、この高周波加熱コイルにより加熱され
た部分(焼入面WA)を冷却する冷却ジャケット300
が設けられているものが公知である。
【0003】この焼入面WAを冷却する冷却ジャケット
300は、冷却水又は冷却油(冷却液)を焼入面WAに
向けてノズルによって噴射し、この噴射した冷却液を回
収して、この回収した冷却液を再度ノズルから噴射し
て、冷却液を循環して使用するものが一般的に用いられ
ている。
【0004】また、上面および下面の歪みを制御するた
めに、図4(ロ)に示すように、冷却ジャケット300
のノズル301を、長尺状ワークWの側面WL,WRの
焼入面WAの側方のみならず上下にも設けて、上下左右
から冷却液を噴射するものも使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置により焼入を行った場合、加熱コイル200に
よる加熱ムラ、冷却ジャケット300における冷却ムラ
によって、長尺状ワークWに歪みが生ずるため、焼入作
業が終了し、下流側の排出ローラ100から排出され長
尺状ワークWの歪みを別途修正する工程が不可欠であっ
た。
【0006】特に、循環した冷却液をノズル301によ
り噴射する場合には、埃、ごみ等の不純物等がノズル3
01の噴出孔に詰まり、冷却液が所望どおりに噴出され
ず、冷却ムラが生じるという問題を有していた。
【0007】また、図4(ロ)に示すように、上下左右
のノズル301により冷却する場合には、上方のノズル
301から噴出される冷却液が長尺状ワークWの側面W
L、WRをつたって下りるため、この冷却液が側方のノ
ズル301から噴出される冷却液による冷却を邪魔して
しまい、冷却ムラが生ずることとなる。
【0008】しかも、冷却油のように粘度の比較的高い
冷却液を用いると、長尺状ワークWの残熱によって側面
WL、WRに冷却液が膜を形成してしまう。この冷却液
により形成された膜は、側方のノズル301からの冷却
を妨げるばかりか、焼入れ作業後の研磨工程に支障をき
たすため、研磨工程の前工程として洗浄工程を設ける必
要があった。
【0009】さらに、装置全体の小型化を図るために
は、加熱コイル200と冷却ジャケット300との間を
狭くする必要があるが、両者の間を狭めると、冷却ジャ
ケット300の冷却液が加熱コイル200側に入り込
み、加熱ムラを生じるため、歪みが生ずるという問題を
有するばかりか、その歪みにより焼入加工したワークW
が不良品になるおそれもあった。
【0010】一方、冷却ジャケット300の冷却液が加
熱コイル200側に入り込むことを防止すべく、加熱コ
イル200と冷却ジャケット300との間を十分に広く
設けると、上流および下流の搬送ローラ100の間が広
くなるため、比較的短いワークに不適であるばかりか、
加熱ムラ等により生じた歪みで、長尺状ワークWの先端
部が的確に下流側の搬送ローラ100に受け渡されない
という問題をも有していた。
【0011】また、ノズル301により冷却液を噴射す
ることにより長尺状ワークWを冷却する場合には、焼入
面WAのみならず、不必要な部分をも冷却してしまうと
いう不具合があった。
【0012】そこで、本願発明は上記問題点を解決すべ
くなされたものであり、本願発明の課題は、長尺状ワー
クを相対的に移動させて焼入れする際に、従来のように
噴射された冷却液に基づく冷却ムラ等を防止して、得ら
れた製品の歪みが少ない長尺状ワークの焼入装置、およ
び、長尺状ワークの焼入方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本願請求項1記載の発明に係る長尺状ワークの焼入装置
は、長手方向に相対的に移動する長尺状ワークを加熱コ
イルによって加熱し、この加熱コイルで加熱された焼入
面を冷却手段により冷却する長尺状ワークの焼入装置で
あって、前記冷却手段は、長尺状ワークの焼入面を冷却
するために該焼入面に当接すべく設けられた冷却ローラ
から構成されてなることを特徴とする。
【0014】該構成からなる本願請求項1記載の発明に
係る長尺状ワークの焼入装置にあっては、長手方向に相
対的に移動する長尺状ワークの焼入面を加熱コイルで加
熱した後、この当接すべく設けられた冷却ローラによっ
て冷却することができ、このように当接すべく設けられ
た冷却ローラにより冷却するので、所望箇所を的確に冷
却することができる。
【0015】また、上記課題を解決すべく、本願請求項
2記載の発明に係る長尺状ワークの焼入装置は、長手方
向に相対的に移動する長尺状ワークを加熱コイルによっ
て加熱する長尺状ワークの焼入装置であって、前記加熱
コイルよりも下流側には、長尺状ワークの歪みを検出す
る歪み検出手段、及び、長尺状ワークの歪みを修正すべ
く歪み検出手段の検出データに基づいて長尺状ワークを
押圧する押圧ローラが設けられてなることを特徴とす
る。
【0016】該構成からなる本願請求項2記載の発明に
係る長尺状ワークの焼入装置にあっては、長手方向に相
対的に移動する長尺状ワークの焼入面を加熱コイルで加
熱した後に、歪み検出手段によって長尺状ワークの歪み
を検出して、この検出データに基づいて長尺状ワークを
押圧ローラで押圧して、加熱ムラによる長尺状ワークの
歪みを修正できる。
【0017】この請求項2記載の発明にあっては、加熱
コイルの下流側に冷却手段を設けることが好ましく、さ
らに、該冷却手段の下流側に、前記歪み検出手段、およ
び、押圧ローラを設けることが好ましく、これにより加
熱ムラ、冷却ムラによる歪みを修正することができる。
【0018】また、上記課題を解決すべく、本願請求項
4記載の発明に係る長尺状ワークの焼入方法は、長尺状
ワークを長手方向に加熱コイルおよび冷却手段に対して
相対的に移動し、この長尺状ワークを加熱コイルによっ
て加熱する加熱工程、および、加熱工程後に、焼入面に
当接すべく設けられた冷却ローラにより焼入面を冷却す
る冷却工程とを具備することを特徴とする。
【0019】該構成からなる本願請求項4記載の発明に
係る長尺状ワークの焼入方法にあっては、加熱工程にお
いて長尺状ワークの焼入面を加熱コイルで加熱して、冷
却工程において加熱工程で加熱された焼入面を冷却ロー
ラによって冷却でき、所望箇所を的確に冷却することが
できる。
【0020】また、上記課題を解決すべく、本願請求項
5記載の発明に係る長尺状ワークの焼入方法は、長尺状
ワークを長手方向に加熱コイルと歪み修正手段と押圧ロ
ーラとに対して相対的に移動し、この長尺状ワークを加
熱コイルによって加熱する加熱工程、および、加熱工程
後に、長尺状ワークの歪みを歪み検出手段により検出
し、この検出手段の検出データに基づいて押圧ローラに
より長尺状ワークを押圧して歪みを修正する歪み修正工
程とを具備することを特徴とする。
【0021】該構成からなる本願請求項5記載の発明に
係る長尺状ワークの焼入方法にあっては、加熱工程にお
いて長尺状ワークの焼入面を加熱コイルで加熱して、こ
の加熱工程で生じた歪みを押圧ローラにより歪み修正工
程において修正することができ、加熱ムラによる長尺状
ワークの歪みを修正できる。
【0022】なお、この請求項5記載の発明にあって
は、加熱工程後に焼入面を冷却する冷却工程を設けるこ
とが好ましく、さらに冷却工程の後に前記歪み修正工程
を設けることが好ましく、これにより加熱ムラ、冷却ム
ラによる歪みを防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本願発明の実施の形態に係る長尺
状ワークの焼入装置について、図1乃至図3を参酌しつ
つ、以下説明する。ここで、図1は、本願発明の実施の
形態に係る長尺状ワークの焼入装置の概略的構成図を示
す。図2は、図1の長尺状ワークの焼入装置に用いられ
る加熱コイルの概略的斜視図を示す。図3は、図1の長
尺状ワークの焼入装置に用いられる冷却ローラの概略的
断面図を示す。
【0024】本発明の実施の形態に係る長尺状ワークの
焼入装置は、レール等の長尺状ワークWを長手方向Xに
送る搬送機構100と、この搬送機構100によって送
られている長尺状ワークWを加熱する加熱コイル200
と、この加熱コイル200で加熱された部分(焼入面W
A)を冷却するための冷却手段300と、この冷却手段
300により冷却された長尺状ワークWの歪みを修正す
るための歪み修正手段400とを有している。
【0025】まず、前記長尺状ワークWは、断面略方形
状で、左右両側面WL、WRが高周波電源(図示せず)
からの電流を利用して加熱されるものであり、長手方向
X(搬送方向)に垂直の断面が略同一の形状(方形状)
に形成されている。
【0026】前記搬送機構100は、長尺状ワークWを
長手方向Xに搬送するよう構成されており、長尺状ワー
クWを上下方向から挟み込む二組の搬送ローラ110,
120と、各搬送ローラ110,120を回転駆動する
駆動モータ(図示せず)とを有している。前記二組の搬
送ローラ110,120のうち、上流側に設けられた上
流側搬送ローラ110は、長尺状ワークWの搬入側であ
って、後述する加熱コイル200より上流側に設けられ
ている。
【0027】この上流側の搬送ローラ110は、上方の
従動ローラと、下方の駆動ローラとからなり、下方の駆
動ローラが前記駆動モーターで駆動されるよう構成され
ている。なお、上方の従動ローラは、長尺状ワークWを
挟み込むように長尺状ワークWに対して圧接されるよう
になっている。
【0028】また、前記二組の搬送ローラ110,12
0のうち、下流側に設けられた下流側の搬送ローラ12
0は、長尺状ワークWの搬出側であって、後述する冷却
手段300、および、歪み修正手段400よりも下流側
に設けられている。下流側搬送ローラ120は、上流側
搬送ローラ110と同様に、下方の駆動ローラと、上方
の従動ローラとからなり、前記駆動ローラが駆動モータ
ーで駆動されるよう構成されている。なお、上方の従動
ローラは、長尺状ワークWを挟み込むように長尺状ワー
クWに対して圧接されるようになっている。
【0029】前記加熱コイル200は、図1および図2
に示すように、前記長尺状ワークWの左右の両側面W
L、WRを、高周波電源からの電流を利用して加熱する
ものであって、長尺状ワークWの搬送方向Xに対して構
造上略左右対称に形成されている。
【0030】この加熱コイル200は、図2に示すよう
に、長尺状ワークWの側面の加熱対象位置(焼入面W
A)近傍に搬送方向Xと略平行に配設される一対のリニ
ヤ状の加熱導体部210と、この一対の加熱導体部21
0の一端の間を接続する第1の接続導体部220と、前
記一対の加熱導体部210の他端に接続される略コの字
状の一対の第2の接続導体部230と、この第2の接続
導体部230に接続される一対の給電導体部240とを
有している。
【0031】前記第1の接続導体部220は、長尺状ワ
ークWから所定距離以上離して迂回接続する略角張った
C字を伏せたような形状に形成されている。従って、長
尺状ワークWの上面には、第1の接続導体220に起因
する誘導電流が生じないように構成されている。
【0032】また、前記第1の接続導体部230も、一
対組み合わせることによって、長尺状ワークWから所定
距離以上離して迂回接続する略角張ったC字を伏せたよ
うな形状と略等しく形成され、長尺状ワークWの上面に
は、第1の接続導体220に起因する誘導電流が生じな
いように構成されている。
【0033】なお、一対の給電導体部240には、板状
のリード板部241がそれぞれ接続されている。そし
て、この一対のリード板241の間には、絶縁板242
が介在されている。
【0034】この加熱コイル200は、例えば導電性の
良い銅製の角パイプからなり、加熱導体部210と、第
1の接続導体部220と、第2の接続導体部230と、
給電導体部240とが、上述のように相互に固定接続さ
れて一本の接続されたコイルとなっている。
【0035】そして加熱コイル200を構成する角パイ
プの内部には、加熱コイル200を冷却するコイル冷却
液が循環するようになっている。このコイル冷却液は、
給電導体部240に設けられている液管接続口243に
接続される液管(図示せず)によって、給液・排液され
ている。
【0036】このように、加熱コイル200は、加熱導
体部210以外の部分つまり第1の接続導体部220と
第2の接続導体部230とが長尺状ワークWから所定距
離以上離れて迂回するように設けられ、これによって長
尺状ワークWの左右両側面WL、WR以外の部分を加熱
せず、所望の焼入面WAのみを適切に加熱することがで
きるよう構成されている。
【0037】前記冷却手段300は、この加熱コイル2
00の下流側に設けられ、搬送機構100によって送ら
れる長尺状ワークWの焼入面WAを冷却するよう構成さ
れている。
【0038】この冷却手段300は、図1に示すよう
に、搬送機構100によって送られる長尺状ワークWの
側面WL、WRの焼入面WAと当接しつつ回転する冷却
ローラ310から構成されている。本実施形態において
は、この冷却ローラ310は、長尺状ワークWの右側お
よび左側にそれぞれ配設されており、その左右のいずれ
にも上流および下流側に連続して二つ設けられている。
【0039】この冷却ローラ310は、図1および図3
に示すように、保持フレーム320に回転自在に保持さ
れており、この保持フレーム320が基台で固定されて
いるため、冷却ローラ310は基台と相対的な距離が不
変に設けられている。
【0040】また、この冷却ローラ310は、金属部材
より構成され、図3に示すように、内部に空洞部311
を有する中空状に形成されている。ここで、冷却ローラ
310の材質は、銅等の熱伝導性の高い金属が好適に採
用される。
【0041】冷却ローラ310の内部の空洞部311に
は、冷却ローラ310を冷却する冷却流体が循環するよ
うになっている。この冷却流体は、冷却ローラ310の
軸部に設けられている冷却流体管接続口312に接続さ
れる冷却流体管(図示せず)によって、給排されてい
る。このように、冷却ローラ310は、内部を循環する
冷却流体によって常時所望の温度に保たれるように構成
されている。なお、冷却流体は、冷却水、冷却油などの
冷却液、若しくは冷却ガスなどが用いられる。
【0042】この冷却手段300の下流側には、図1に
示すように、前記歪み修正手段400が設けられてお
り、この歪み修正手段400は、長尺状ワークWの歪み
を検出する歪み検出手段410と、この歪み検出手段4
10の検出データに基づいて長尺状ワークWを押圧する
押圧ローラ430とを備えている。
【0043】歪み検出手段410は、押圧ローラ430
より下流側に配置されており、本実施形態においては距
離センサーを採用している。この距離センサーは、長尺
状ワークWの側面WLまたはWRとの距離を検出するよ
う構成されており、この検出データを入力する制御部4
20に接続されている。
【0044】前記押圧ローラ430は、長尺状ワークW
の側面WL、WRを押圧して、長尺状ワークWに生じた
歪みを修正するよう構成されており、該押圧ローラ43
0は長尺状ワークWの側面WL、WRと当接しつつ回転
するように設けられている。この押圧ローラ430は、
図1に示すように、長尺状ワークWの両側にそれぞれ設
けられている。
【0045】各押圧ローラ430は、進退手段440に
より長尺状ワークW側に進退可能に設けられており、こ
の進退手段440は、前記歪み検出手段410の検出デ
ータに基づいて押圧ローラ430を進退させるべく、前
記制御部420に接続されている。ここで、進退手段4
40は、油圧、空圧などを用いた流体圧シリンダ、およ
び電動シリンダなどが使用される。
【0046】なお、押圧ローラ430の押圧力は、長尺
状ワークWの材質等によって適宜変更するものである
が、30〜100Kg/cm2 の範囲とすることが好ま
しい。
【0047】さらに、各押圧ローラ430と対向する位
置には、長尺状ワークWの側面WL、WRと当接し回転
する受けローラ450がそれぞれ設けられている。この
受けローラ450は、押圧ローラ430の進退にともな
って長尺状ワークW側に進退するように基台に取付けら
れている。具体的には、押圧ローラ430が長尺状ワー
クW側に進出した場合、受けローラ450は長尺状ワー
クWによって押圧ローラ430の押圧方向に移動し、逆
に、押圧ローラ430が長尺状ワークWから離反する方
向に退出した場合、受けローラ450はバネなどの弾性
手段451によって長尺状ワークW側に進出するよう
に、設けられている。
【0048】また、押圧ローラ430の下流で、歪み検
出手段410の上流側には、図1に示すように、長尺状
ワークWを両側WL、WRより支持する支持ローラ46
0が配設されており、この支持ローラ460は保持フレ
ーム461に回転自在に保持されており、保持フレーム
461が基台に固定されているため、支持ローラ460
は基台との相対的な距離は不変である。
【0049】次に、上記構成からなる長尺状ワークWの
焼入装置を使用する方法について、以下説明する。
【0050】まず、長尺状ワークWの先端部が搬送機構
100によって下流側に順次搬送され、この搬送された
長尺状ワークWの焼入面WA(ここでは未だ焼入れされ
ておらず、焼入れが予定される面)が加熱コイル200
によって加熱される(加熱工程)。
【0051】ここで、長尺状ワークWの搬送は、まず上
流側の搬送ローラ110によって上下から把持された状
態で行われる。また、加熱コイル200による加熱は、
加熱導体部210によって長尺状ワークWの両側面W
L、WRの焼入面WAにのみ行われる。
【0052】そして、加熱コイル200により加熱され
た長尺状ワークWの焼入面WAが冷却手段300へと搬
送されてくると、焼入面WAに冷却ローラ310が接触
しつつ回転し、焼入面WAは冷却ローラ310により吸
熱されて、冷却される(冷却工程)。
【0053】一方、吸熱した冷却ローラ310も、内部
で循環する冷却流体によって吸熱され、一定温度に保た
れる。
【0054】このように冷却ローラ310によって冷却
された長尺状ワークWの焼入面WAは、押圧ローラ43
0、受けローラ450、支持ローラ460と当接しつ
つ、歪み検出手段410の側方まで移動する。そして、
歪み検出手段410によって長尺状ワークWの歪みの有
無が検出される。もし、歪み検出手段410により歪み
が検出された場合には、その検出データに基づいて押圧
ローラ430により長尺状ワークWを押圧して、その歪
みを修正する(歪み修正工程)。
【0055】具体的には、例えば距離センサー(歪み検
出手段410)から長尺状ワークWの側面が所定範囲以
上離間している場合には、制御部420は距離センサー
410側に位置する押圧ローラ430のシリンダ440
(図1の上流側のシリンダ)を伸張せしめて、長尺状ワ
ークWの歪みを修正する。逆に、距離センサー410か
ら長尺状ワークWの側面が所定範囲以内に近接している
場合には、制御部420は距離センサー410の反対側
に位置する押圧ローラ430のシリンダ440(図1の
下流側のシリンダ)を伸張せしめ、長尺状ワークWの歪
みを修正する。なお、一方のシリンダ440(例えば上
流側のシリンダ)が伸張する際には他方のシリンダ44
0(例えば下流側のシリンダ)が収縮するように制御し
ている。
【0056】以上のように、長尺状ワークWの側面W
L、WRの焼入が順次行われ、側面WL、WRの焼入が
全て完了すると、長尺状ワークWは下流側の搬送ローラ
120から排出され、この排出された長尺状ワークWに
別途研磨工程等を行うことによって最終製品が得られ
る。
【0057】本実施形態は以上の構成により上述のよう
に使用されるので、以下のような利点を有する。
【0058】冷却ローラ310が長尺状ワークWの焼入
面WAと接触して冷却するものであるので、所望箇所を
的確に冷却することができる。
【0059】このように従来の如くノズルで冷却液を噴
射する方法によらず、ノズルの噴出孔の目詰まりによる
冷却ムラを起こすおそれがないので、従来のものに比し
て歪みが生じ難く、しかも冷却液による膜の形成などの
問題をも解消でき、研磨工程などの前に別途洗浄工程を
必ずしも行う必要がないという利点を有する。
【0060】さらに、冷却液を噴出するものではないの
で、加熱コイル200と冷却手段300との間を狭く設
けても、加熱コイル200への冷却液が入り込むおそれ
がない。このため、加熱コイル200と冷却手段300
との間を狭く設けて装置全体の小型化が図られるととも
に、従来のものに比して加熱ムラによる歪みが生じ難い
という利点を有する。
【0061】また、冷却ローラ310の内部には冷却流
体が循環するよう構成されているので、この冷却流体に
より冷却ローラ310が一定温度が保たれ、順次搬送さ
れる長尺状ワークWの焼入面WAを的確に冷却すること
ができる。
【0062】しかも、冷却手段300として回転自在な
冷却ローラ310を採用しているため、これに接触して
いる状態で長尺状ワークWが移動しても冷却ローラ31
0は回転することができ、長尺状ワークWを連続して搬
送でき、これにより焼入作業の連続化が図られる。
【0063】さらに、仮に長尺状ワークWに歪みが生じ
ても、歪み修正手段400によって的確にその歪みを修
正することができる。このため、長尺状ワークWの歪み
により先端部が下流側の搬送ローラ120に挟み込まれ
ない等の不慮の事故を的確に防止できるとともに、焼入
作業終了後に別途歪みを修正する工程が必らずしも必要
でないという利点を有する。
【0064】また、長尺状ワークWを回転自在な押圧ロ
ーラ430により押圧して、歪みを修正するものである
ので、これに接触している状態で長尺状ワークWが移動
しても押圧ローラ430は回転でき、長尺状ワークWを
連続して搬送でき、これにより焼入作業の連続化が図ら
れる。
【0065】なお、上記実施形態は、上記構成により上
述の如き利点を有するものであったが、本願発明はこれ
に限定されるものではなく、本願発明の意図する範囲内
において、適宜設計変更可能である。
【0066】すなわち、上記実施形態に係る長尺状ワー
クの焼入装置は、長尺状ワークWが加熱コイル200、
冷却手段300に対して移動するものであったが、本願
発明はこれに限定されず、長尺状ワークWに対して加熱
コイル200および冷却手段300が移動するものであ
っても本願発明の意図する範囲内であり、要は、加熱コ
イル200に対して長手方向Xに相対的に長尺状ワーク
Wが移動するものであれば、本願発明の意図する範囲内
である。
【0067】また、上記実施形態においては、長尺状ワ
ークWとして断面方形状のものを例にとり説明したが、
例えば円筒形状の長尺状ワークWであっても本願発明は
適用することができ、特に、長手方向に連続して焼入面
WAを形成する長尺状ワークWに本願発明は好適に用い
られる。
【0068】さらに、上記実施形態において冷却手段3
00たる冷却ローラ310は、基台に固定された保持フ
レーム320に保持され、基台との相対的な距離が不変
に設けられているものであったが、本願請求項1記載の
発明はこれに限定されず、冷却ローラ310を基台に対
して移動可能に設けても良く、冷却ローラ310は冷却
対象たる焼入面WAに当接すべく設けられているもので
あれば本願請求項1記載の発明の意図する範囲内であ
る。
【0069】また、冷却ローラ310を左右に配したも
のについて説明したが、例えば上記実施形態の長尺状ワ
ークWの上面及び下面など、焼入面WA以外の部分にも
冷却ローラ310を当接すべく設けることもできる。
【0070】さらに、上記実施形態において、押圧ロー
ラ430と対向して受けローラ450を配設したものに
ついて説明したが、受けローラ450は本願請求項2記
載の発明において必須の要件ではなく、例えば押圧ロー
ラ430同士を対向させて設けることも可能であり、さ
らには冷却ローラ310によって長尺状ワークWを押圧
して歪みを修正するように構成して、冷却ローラ310
の機能と押圧ローラ430の機能とを一つのローラに持
たせることも可能である。また、押圧ローラ430を左
右のみではなく、長尺状ワークWの上方及び下方にも配
列することもできる。また、歪み検出手段410を押圧
ローラ430の下流側に設けたが、歪み検出手段410
を押圧ローラ430の上流側に設けるものも、本願請求
項2記載の発明の意図する範囲内である。
【0071】但し、本実施形態の如く押圧ローラ430
により歪みが修正された部分の歪みを検出する歪み検出
手段410を設け、この検出データに基づいて押圧ロー
ラ430の押圧力を調整することにより、歪みの発生が
的確に防止された焼き入れされた長尺状ワークWを得る
ことができるという利点を有する。さらに、上記実施形
態においては歪み検出手段410の検出データにより押
圧ローラ430の押圧力のみを変更するものについて説
明したが、例えば検出データに基づいて、冷却ローラ3
10内部の冷却流体の温度を変更して、冷却ローラ31
0の温度を調整することも可能である。このように、冷
却ローラ310の温度を変更することによって長尺状ワ
ークWの歪みの発生をさらに減少させることができる。
【0072】
【発明の効果】本願請求項1記載の発明に係る長尺状ワ
ークの焼入装置は、相対的に移動する長尺状ワークの焼
入面を加熱コイルで加熱した後、焼入面に当接すべく設
けられた冷却ローラによって冷却することができ、この
冷却ローラにより所望の焼入面を的確に冷却することが
でき、このため、従来例のような歪みの発生を防止する
ことができるという効果を有する。また本願請求項2記
載の発明に係る長尺状ワークの焼入装置は、相対的に移
動する長尺状ワークの焼入面を加熱コイルで加熱した後
に、歪み検出手段で歪みを検出し、押圧ローラの押圧に
より歪みを修正でき、このため、従来例に比して歪みの
発生を的確に防止できるという効果を奏する。さらに、
本願請求項4記載の発明に係る長尺状ワークの焼入方法
は、加熱工程において長尺状ワークの焼入面を加熱コイ
ルで加熱した後、冷却工程において焼入面に当接すべく
設けられた冷却ローラで焼入面を冷却するものゆえ、所
望の焼入面を的確に冷却することができ、このため、従
来例に比して歪みの発生を的確に防止できるという効果
を有する。さらに、本願請求項5記載の発明に係る長尺
状ワークの焼入方法は、加熱工程において長尺状ワーク
の焼入面を加熱コイルで加熱した後に、歪み修正工程に
おいて加熱工程で生じた歪みを修正でき、このため、従
来例に比して歪みの発生を的確に防止できるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係る長尺状ワークの焼
入装置の概略的構成図を示す。
【図2】図1の長尺状ワークの焼入装置に用いられる加
熱コイルの概略的斜視図を示す。
【図3】図1の長尺状ワークの焼入装置に用いられる冷
却ローラの概略的断面図を示す。
【図4】従来の長尺状ワークの焼入装置の説明図であっ
て、(イ)は概略的構成図を示し、(ロ)は図(イ)の
A−A線断面図を示す。
【符号の説明】
100 搬送機構 200 加熱コイル 300 冷却手段 310 冷却ローラ 400 歪み修正手段 410 歪み検出手段 420 制御部 430 押圧ローラ 440 進退手段 W 長尺状ワーク WA 焼入面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に相対的に移動する長尺状ワー
    クを加熱コイルによって加熱し、この加熱コイルで加熱
    された焼入面を冷却手段により冷却する長尺状ワークの
    焼入装置であって、前記冷却手段は、長尺状ワークの焼
    入面を冷却するために該焼入面に当接すべく設けられた
    冷却ローラから構成されてなることを特徴とする長尺状
    ワークの焼入装置。
  2. 【請求項2】 長手方向に相対的に移動する長尺状ワー
    クを加熱コイルによって加熱する長尺状ワークの焼入装
    置であって、前記加熱コイルよりも下流側には、長尺状
    ワークの歪みを検出する歪み検出手段、及び、長尺状ワ
    ークの歪みを修正すべく歪み検出手段の検出データに基
    づいて長尺状ワークを押圧する押圧ローラが設けられて
    なることを特徴とする長尺状ワークの焼入装置。
  3. 【請求項3】 長手方向に相対的に移動する長尺状ワー
    クを加熱コイルによって加熱し、この加熱コイルで加熱
    された焼入面を冷却手段により冷却する長尺状ワークの
    焼入装置であって、前記冷却手段は、長尺状ワークの焼
    入面を冷却するために該焼入面に当接すべく設けられた
    冷却ローラからなり、且つ前記加熱コイルよりも下流側
    には、長尺状ワークの歪みを検出する歪み検出手段、及
    び、長尺状ワークの歪みを修正すべく歪み検出手段の検
    出データに基づいて長尺状ワークを押圧する押圧ローラ
    が設けられてなることを特徴とする長尺状ワークの焼入
    装置。
  4. 【請求項4】 長尺状ワークを長手方向に加熱コイルお
    よび冷却手段に対して相対的に移動し、この長尺状ワー
    クを加熱コイルによって加熱する加熱工程、および、加
    熱工程後に、焼入面に当接すべく設けられた冷却ローラ
    により焼入面を冷却する冷却工程とを具備することを特
    徴とする長尺状ワークの焼入方法。
  5. 【請求項5】 長尺状ワークを長手方向に加熱コイルと
    歪み修正手段と押圧ローラとに対して相対的に移動し、
    この長尺状ワークを加熱コイルによって加熱する加熱工
    程、および、加熱工程後に、長尺状ワークの歪みを歪み
    検出手段により検出し、この検出手段の検出データに基
    づいて押圧ローラにより長尺状ワークを押圧して歪みを
    修正する歪み修正工程とを具備することを特徴とする長
    尺状ワークの焼入方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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