JP2000302788A - アルミノキサンの製造方法 - Google Patents
アルミノキサンの製造方法Info
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Abstract
ノキサンを良好な収率で合成する方法を提供すると共
に、この触媒成分を用いて品質の良好なオレフィン系重
合体を工業的に有利に効率よく、しかも安価に製造する
方法を提供する。 【解決手段】トリアルキルアルミニウムと水との反応に
おいて、多孔体を用いて微分散させた水を用いて反応を
行う一般式Iのアルミノキサンの製造方法。 [−(R1)AIO−]n [I] (R1はC1〜8の直鎖あるいは分岐したアルキル基、
nは2以上の整数を表す。)
Description
レン、ブタジエン重合の触媒成分として遷移金属化合物
と共に使用する有用なアルミノキサンの製造方法に関
し、その際、反応に必要な水を多孔質膜を介して反応器
に供給する方法に関する。
ル基を表し、nは2以上の整数を表す。)で示されるア
ルミノキサンは、高活性のオレフィン重合触媒の成分と
して使用されることは公知であり、これらはアルキルア
ルミニウムに水を添加することによって製造できること
も良く知られている。例えばジン(Sinn)等による
トリメチルアルミニウムをトルエン中で硫酸銅五水和物
と反応させる方法(米国特許第4404344号)やカ
ミンスキー(Kaminsky)等による硫酸アルミニ
ウムの水和物を用いて水を供給する方法(米国特許第4
544762号)など、トリアルキルアルミニウム化合
物と水との激しい反応を制御するために無機塩の配位結
晶水を利用する方法が提案されている。また、水を不活
性炭化水素溶媒中に微分散または溶解させることにより
トリアルキルアルミニウムと水との激しい局部的発熱反
応を抑制しようとする試みとして、炭化水素溶媒に溶解
されたトリアルキルアルミニウムを水で飽和されている
炭化水素化合物と反応させる方法(米国特許第3300
458号)、超音波処理により不活性炭化水素溶媒中に
水を分散させた溶液とトリアルキルアルミニウム化合物
の溶液を反応させる方法(特開昭63−36390
号)、静止ミキサーを用いて有機溶媒に分散させた水と
トリアルキルアルミニウム溶液をT字型反応器中で接触
反応させる方法(特開平2−219805号)などの提
案がなされている。
結晶水を用いる方法については製造する際に使用する無
機塩に多量のアルミニウム化合物が吸着され、収率の著
しい低下を引き起こす。また、水を微分散する公知の方
法では、トリアルキルアルミニウムとの反応自体が爆発
的に進行するため反応を制御するのが非常に難しく、大
過剰の不活性溶媒を使用しなければならず、生成するア
ルミノキサンの溶液濃度が低くなってしまい、濃縮など
の後処理が必要となり不経済である。
重合用触媒成分として有用なアルミノキサンを良好な収
率で合成する方法を提供すると共に、この触媒成分を用
いて品質の良好なオレフィン系重合体を工業的に有利に
効率よく、しかも安価に製造する方法を提供するもので
ある。
続けた結果、トリアルキルアルミニウムと水との反応に
おいて多孔質膜を使用した管型反応器を用いて、水を不
活性溶媒中に分散させながら反応を行うことで温和な条
件下に安全かつ連続的にアルミノキサンを高収率にて得
られることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて
完成したものである。
のトリアルキルアルミニウムの溶液に水を供給すること
により、一般式[I] (式中R1はC1〜C8の直鎖あるいは分岐したアルキ
ル基を表し、nは2以上の整数を表す。)で示されるア
ルミノキサンを製造する方法において、反応に必要な水
を多孔質膜を通して微分散した状態で供給することを特
徴とするアルミノキサンの製造方法である。好ましく
は、微分散された水と不活性溶媒中のトリアルキルアル
ミニウムの接触反応を多孔質膜を直接組み込んだT字型
反応器中で行うことおよびトリアルキルアルミニウムと
水とを反応させる際に、それらを連続的に導入するアル
ミノキサンの製造方法である。
に説明する。アルキルアルミニウムとは下記一般式[I
I] で示される化合物であり、アルミノキサンとは一般式
[I] で表されるユニットから成る直鎖型および分岐型もしく
は環状型の組み合わせから成る化合物を示す。
同一もしくは異なったC1〜C8の直鎖あるいは分岐し
たアルキル基を表し、好ましくはC1〜C4のアルキル
基を表す。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、デシル基、ドデシル基、シクロヘキシル基等
の炭化水素基等を例示することが出来る。また、式
[I]中のR1は、式[II]中のR2、R3、R4の
中のいずれかを示し、nは2以上の整数であり、好まし
くは2〜20である。
ルキルアルミニウム化合物としては具体的にはトリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリペ
ンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ
シクロヘキシルアルミニウム、トリヘプチルアルミニウ
ム、トリオクチルアルミニウム、トリイソオクチルアル
ミニウム、メチルジエチルアルミニウム、エチルジブチ
ルアルミニウム、ジエチルプロピルアルミニウム等のト
リアルキルアルミニウムを挙げることができる。また、
これらのトリアルキルアルミニウムを単独あるいは組み
合わせて用いることにより望ましいアルミノキサンの調
製に利用することができる。この中で最も好ましいトリ
アルキルアルミニウムおよびその組み合わせは、トリメ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
オクチルアルミニウムおよびこれらの組み合わせであ
る。
アルミノキサンを溶解させる溶媒の選択にあたっては、
トリアルキルアルミニウムまたは水と反応しない事およ
び重合反応を阻害しないものを選定する必要がある。こ
のような不活性炭化水素溶媒としては例えば、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンおよ
び精製ケロシン等の飽和脂肪族炭化水素化合物;シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の環状飽
和脂肪族炭化水素化合物;ベンゼン、トルエン、エチル
ベンゼンおよびキシレン等の芳香族炭化水素化合物;ジ
クロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
化合物が挙げられる。これらの化合物の中で、最も好ま
しいものはトルエンである。
と反応するためにその製造が最も困難なものはPMA
O、ポリエチルアルミノキサンである。そして最も好ま
しい実施態様はPMAOの製造方法への適用である。
ミナ多孔質膜、セラミックス多孔質膜のような耐水性お
よび耐溶剤性を有するものであれば何でも用いることが
できる。水とトリアルキルアルミニウムの反応で生成す
るわずかな不溶性固体の多孔質膜表面への析出を抑制す
るため、疎水性の膜で多孔質膜表面を保護することも有
用である。その一例として、オクタデシルトリクロロシ
ランとトリメチルクロロシランによる疎水化処理を挙げ
ることができる。限外濾過膜のような液体透過性の有機
膜も利用することができる。好ましいものとしては、多
孔体の細孔が0.1〜50ミクロンであり、これらの細
孔が多孔体表面に均質に分布していることが望ましい。
濃度は任意の濃度で良いが、好ましくはアルミニウム原
子換算で1〜30wt%である。水はそのまま用いても
よく、任意の方法によって有機溶媒中に分散もしくは溶
解させても構わない。
で反応を実施する。好ましくは−10〜10℃である。
反応器への水の導入は任意の方法で可能であり、溶液の
状態での加圧による送液が好ましいが、気体(蒸気)も
しくは不活性溶媒に懸濁させた状態での送液も行うこと
ができる。
の割合で混合することが出来るが、水とトリアルキルア
ルミニウムのモル比としては0.2〜1.5の範囲が好
ましい。また、このモル比は反応中のトリアルキルアル
ミニウム濃度と水の添加速度により制御することができ
る。水の添加速度は、通常0.3mol/hr〜100
0mol/hrの範囲で行われるが、好ましくは0.3
mol/hr〜100mol/hrである。さらに、多
孔質膜の管内に供給されるトリアルキルアルミニウム溶
液は、通常0.5〜1.0m/sec.で実施される
が、水の分散を妨げないように0.5m/sec.以上
の線速度であれば任意の速度での供給が可能である。水
とトリアルキルアルミニウムとの反応時の状態について
は特に限定されるものではない。その状態はどのような
ものでもよく、均一溶液、エマルジョン等の状態が用い
られる。水とトリアルキルアルミニウムとの反応はT字
型反応器を構成する多孔質膜を外壁とする管内で速やか
に行われる事が好ましく、トリアルキルアルミニウムが
多孔質膜壁内あるいは管外部へ浸透するような反応条件
下では、多孔質膜の穴の閉塞等が起こるために良好な効
果を得ることは出来ない。
度を保持したまま、しばらく放置することが望ましい
が、反応溶媒の沸点より低い温度で加熱することも可能
である。また、得られたアルミノキサン溶液は、その使
用の際の条件に応じて、溶媒および低沸点のトリアルキ
ルアルミニウムを減圧留去あるいは不活性溶媒添加によ
って、濃度調製を行っても良いし、溶媒を留去、乾燥し
て使用することも可能である。
して、溶媒を用いる溶液重合、溶媒を用いないバルク重
合や気相重合等のいずれの方法にも適した性能を発揮す
る。また、連続重合、回分式重合のいずれの方法におい
ても好ましい性能を発揮する。用いられるモノマーにつ
いて、オレフィン系、スチレン系、ジエン系モノマーお
よびそれらの組み合わされた共重合においても好ましい
性能を発揮する。
ために使用し得る装置を描写する。タンクA中の水は窒
素加圧あるいは適当なポンプを用い、ラインaを通って
Bで示される多孔質膜を組み込んだT字型反応器に多孔
質膜の外側より供給される。トリアルキルアルミニウム
は、適当な不活性溶剤中に溶解希釈したタンクCに調製
され、ラインbを通じて多孔質膜で形成されるT字型反
応器の内側ヘ供給される。T字型反応器の構造は、これ
までに知られているものとは異なり、ラインaからの供
給される水を不活性溶媒により希釈せずに、水を微粒子
状態でT字型反応器内の反応場へ供給することができ
る。T字型反応器の反応場で発生したガスを系外に放出
する必要があるが、これはラインcよりタンクCへ回送
されるときに、タンクCに接続してあるベントラインよ
り系外へ放出される。すなわち、本発明の鍵となる概念
は、従来の多くの提案と異なり、多孔質膜を用いて微分
散水を生成せしめ、これとトリアルキルアルミニウムと
を速やかに接触させることにある。
説明するが、本発明の範囲はそれによって限定されるも
のではない。以下の反応においては、窒素ガス雰囲気下
に行い、溶媒はすべて脱水したものを、また水にはイオ
ン交換水を用いた。
ミニウム(TMAL)144.3g(2.00mol)
とトルエン267.0gを入れた。また、磁気撹拌装置
を持ち、かつ反応中に発生するメタンガスを放出する為
にベントラインを備えた1500mlの四つ口フラスコ
にトルエン250mlを入れた。次に、図1に示される
タンクAに水27g(1.50mol,水/TMALモ
ル比=0.75)を仕込み、多孔質膜を用いて形成され
るT字型反応管を準備した。次に1500mlの四つ口
フラスコとT字型反応管をポンプを介して接続し、水と
接触したTMAL/トルエン溶液がフラスコに戻る循環
ラインを設けた。四つ口フラスコを−5℃に冷却し撹拌
しながら循環ライン中のポンプを作動させ、まずトルエ
ンのみの循環流を作った。この反応系にTMALのトル
エン溶液を四つ口フラスコに滴下し、水の添加を多孔質
膜より同時に行った。TMALおよび水の添加中は、十
分穏やかに反応は進行し、急激な発熱現象等は観測され
なかった。滴下終了後、1時間撹拌しながら熟成し、そ
の後60℃で1時間加熱した。得られた反応液を放冷し
た後に生成したゲル状物を濾過した。得られたアルミノ
キサンのトルエン溶液の収率はアルミニウム原子基準で
65.5%であった。
エン250mlを導入し、34℃に保温した。これにア
ルミニウム原子換算で0.16gのPMAOのトルエン
溶液を加え、さらにアルミニウム/ジルコニウムのモル
比が10000となるようにジシクロペンタジエニルジ
ルコニウムジクロライドを加え、40℃に昇温しながら
エチレンガスを吹き込んだ。10分後に、エチレンガス
の供給を止め、メタノールを投入して触媒を失活させ
た。生成したポリエチレンを濾過し、重合活性を測定す
ると32×106g−PE/mol−Zr・atm・h
rであった。
して反応を行った以外は、実施例1と同様に行った。得
られたアルミノキサンのトルエン溶液のアルミニウム原
子基準での収率は82%であった。
ろ、重合活性は28×106g−PE/mol−Zr・
atm・hrであった。
して反応を行った以外は、実施例1と同様に行った。得
られたアルミノキサンのトルエン溶液のアルミニウム原
子基準での収率は、76%であった。
ろ、重合活性は32×106g−PE/mol−Zr・
atm・hrであった。
した以外は、実施例1と同様に行った。得られたアルミ
ノキサンのトルエン溶液をアルミニウム原子基準での収
率は62%であった。
ろ、重合活性は27×106g−PE/mol−Zr・
atm・hrであった。
リイソブチルアルミニウム(TIBAL)を用い、水/
TIBALモル比を0.5に変更したこと以外は、実施
例1と同様に行った。得られたポリイソブチルアルミノ
キサン(PBAO)のトルエン溶液を定量的に得ること
ができた。
ったが、ポリマーを得ることはできなかった。
為にベントラインを備えた反応器に硫酸銅五水和物30
kg(120.2mol)をトルエン78.5kgに懸
濁させ、懸濁液の温度を0℃にまで降温した。これにT
MALを28.9kg(401.4mol)を8時間で
滴下した。この時の理論水/TMALモル比は1.50
であった。その後25℃で24時間撹拌熟成した。反応
終了後、1μmの孔径を有するフィルターで濾過して硫
酸銅の残査を取り除き、得られた濾液を50℃で50T
orr下に濃縮した後、10Torr以下で70℃にて
乾固を行い、溶媒及び低沸点成分を取り除いた。得られ
た固体にトルエンを20kg加え、再び溶解させること
でPMAOのトルエン溶液を調製した。この時の収率は
アルミニウム原子基準で19.6%であった。
ろ、重合活性は45×106g−PE/mol−Zr・
atm・hrであった。
5g(258.3mmol)を加え、−20℃に冷却し
た。生成した氷にトルエン500mlを加え撹拌下にT
MALを23.9g(331.9mmol)滴下した。
この時の水/TMALモル比は0.78であった。その
後、−30℃で一昼夜撹拌し、室温に昇温した後に得ら
れたスラリーをフィルターで濾過し生成した固体を取り
除いた。得られた濾液を50℃で50Torr下に濃縮
した後、70℃で10Torr以下にて乾固を行い溶媒
及び低沸点成分を取り除いた。得られた固体にトルエン
を加えることでPMAOのトルエン溶液を調製したとこ
ろ、その収率はアルミニウム原子基準で33.4%であ
った。
ろ、重合活性は15×106g−PE/mol−Zr・
atm・hrであった。
75mlを加え、トリメチルアルミニウム(TMAL)1
2.1g(0.168mol)を加え5℃に冷却した。
そこへ水2.72g(0.151mol、H2O/TM
AL=0.9)を120分かけて滴下し、滴下終了後反
応溶液をさらに1時間撹拌した。その後一晩かけてゆっ
くり昇温し、生成した白色固形物を濾過により取り除く
ことでアルミノキサンのトルエン溶液を得た。その時の
収率は、アルミニウム原子基準で36%であった。
ろ、重合活性は20×106g−PE/mol−Zr・
atm・hrであった。
写するものである。
Claims (6)
- 【請求項1】不活性炭化水素溶媒中のトリアルキルアル
ミニウムの溶液に水を供給することにより、一般式
[I] (式中R1はC1〜C8の直鎖あるいは分岐したアルキ
ル基を表し、nは2以上の整数を表す。)で示されるア
ルミノキサンを製造する方法において、反応に必要な水
を多孔質膜を通すことにより微分散した状態で供給する
ことを特徴とするアルミノキサンの製造方法。 - 【請求項2】微分散された水と不活性炭化水素溶媒中の
トリアルキルアルミニウムの接触反応を、多孔質膜を直
接組み込んだT字型反応器中で行うことを特徴とする請
求項1記載の方法。 - 【請求項3】トリアルキルアルミニウムと水とを反応さ
せる際に、それらを連続的に導入することを特徴とする
請求項1または2記載の方法。 - 【請求項4】多孔質膜として、多孔質ガラス膜を使用す
る請求項1〜3までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項5】反応を−30〜50℃で行い、水/トリア
ルキルアルミニウムのモル比が0.2〜1.5:1の範
囲内にある請求項1〜4までのいずれか1項記載の方
法。 - 【請求項6】請求項1〜5までのいずれか1項記載の方
法により製造されたアルミノキサンを助触媒として用
い、遷移金属触媒と組み合わせることによりオレフィ
ン、スチレンおよびジエンの重合体の製造方法。
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