JP2000302436A - スメクタイト複合体、その製法及び用途 - Google Patents

スメクタイト複合体、その製法及び用途

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JP2000302436A
JP2000302436A JP11109424A JP10942499A JP2000302436A JP 2000302436 A JP2000302436 A JP 2000302436A JP 11109424 A JP11109424 A JP 11109424A JP 10942499 A JP10942499 A JP 10942499A JP 2000302436 A JP2000302436 A JP 2000302436A
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smectite
composite
calcium salt
copper sulfate
sulfate calcium
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JP11109424A
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English (en)
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Masanori Tanaka
正範 田中
Hideaki Kurosaki
英昭 黒崎
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Kurosaki Hakudo Kogyo KK
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Kurosaki Hakudo Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造安定性にすぐれ、また顕著に優れた消臭
性能、持続した抗菌作用をもつスメクタイト・塩基性硫
酸銅カルシウム塩の複合体を提供すること。 【解決手段】スメクタイトと塩基性硫酸銅カルシウム塩
との複合体であって、前記複合体はCuO換算でスメク
タイト(110℃乾燥基準)当り0.1乃至20重量%
の塩基性硫酸銅カルシウム塩を含有するスメクタイト複
合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スメクタイト複合
体、その製法及び用途に関するもので、より詳細には優
れた消臭性能、抗菌性能を有するスメクタイト−塩基性
硫酸銅カルシウム塩複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】モンモリロナイトに代表されるスメクタ
イトは代表的な粘土鉱物であり、水分子が層間に入り、
底面に平行な水分子層を形成することが知られている。
このように層間に入る分子は、水に限定されず、エチレ
ングリコールや、グリセロールのような多価アルコー
ル、アミン類、ベンゼン、ピペリジンなどが知られてい
る。
【0003】また、スメクタイトは、一般にカチオン交
換容量(CEC)を有しており、無機或いは有機の陽イ
オンと交換することが知られており、例えばモンモリロ
ナイトではCECが80〜150meq/100gにも
達することが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、スメク
タイトが塩基性硫酸銅カルシウム塩と複合体を形成し、
この複合体では面指数[001]層間結晶構造が安定に
維持されるという予想外の事実を見い出すに至った。ま
た、この複合体は顕著に優れた消臭性能を示すと共に、
持続した抗菌作用をも示すことも見い出した。
【0005】本発明の目的は、スメクタイトと塩基性硫
酸銅カルシウム塩とから成る新規スメクタイト複合体を
提供するにある。本発明の他の目的は、面指数[00
1]の層間結晶構造が安定に維持されたスメクタイト複
合体を提供するにある。本発明の更に他の目的は、上記
のスメクタイト複合体を簡単な手段で製造できる方法を
提供するにある。本発明の別の目的は、優れた消臭性能
や抗菌作用を有するスメクタイト複合体を提供するにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、スメク
タイトと塩基性硫酸銅カルシウム塩との複合体であっ
て、前記複合体はCuO換算でスメクタイト(110℃
乾燥基準)当り0.1乃至20重量%の塩基性硫酸銅カ
ルシウム塩を含有し、且つ110℃で24時間熱処理後
の該複合体をX線回折(Cu−Kα)に付したとき、面
指数[001]に対応する明確な回折ピークを有し、こ
の回折ピークの半価幅が1.5度以下であることを特徴
とするスメクタイト複合体が提供される。本発明によれ
ば、また、スメクタイトと塩基性硫酸銅カルシウム塩と
を、塩基性硫酸銅カルシウム塩がスメクタイト(110
℃乾燥基準)当りCuO換算で0.1乃至20重量%と
なる割合で水中で混合し、得られる混合物を乾燥するこ
とを特徴とするスメクタイト複合体の製法が提供され
る。本発明によれば、更に、上記スメクタイト複合体か
ら成ることを特徴とする消臭剤が提供される。本発明に
よれば更にまた、上記スメクタイト複合体から成ること
を特徴とする抗菌剤が提供される。
【0007】
【発明の実施形態】[作用]本発明は、スメクタイトと
塩基性硫酸銅カルシウム塩とが反応して複合体を形成す
るという新規知見に基づくものである。スメクタイト
は、Si−Oの四面体が互いに結合して層状を形成し、
これが構造の基本体となっているケイ酸塩鉱物であり、
天然或いは合成の鉱物として多くのものが知られてい
る。一方、塩基性硫酸銅カルシウム塩は、古くからボル
ドー液として知られている殺菌液の主成分であり、硫酸
銅と石灰とを反応させることにより得られる水難溶性の
銅剤である。
【0008】本発明においては、上記のスメクタイトと
塩基性硫酸銅カルシウム塩とが混合物の形で存在するの
ではなく、混合物とは異なった複合体の形で存在する。
両成分の反応により複合体が形成されているという事実
は、各原料及び生成物のX線回折像を対比することによ
り、確認することができる。
【0009】添付図面の図1は、スメクタイトの一例と
して用いたモンモリロナイト(酸性白土)のX線回折像
であり、図2は上記のモンモリロナイトを110℃で2
4時間熱処理したもののX線回折像であり、図3は塩基
性硫酸銅カルシウム塩液の乾燥物のX線回折像であり、
図4は本発明によるスメクタイトと塩基性硫酸銅カルシ
ウム塩との複合体のX線回折像であり、図5は、図4の
複合体を110℃で24時間熱処理したもののX線回折
像である。
【0010】既に述べたとおり、塩基性硫酸銅カルシウ
ム塩は、硫酸銅と石灰との反応により生成するが、この
反応では、硫酸銅の複分解によって石膏(硫酸カルシウ
ム)が副生する。図3のX線回折像では、副生石膏に特
有のX線回折ピーク(○印)の外に多くのX線回折ピー
クが認められ、これらのX線回折ピークは塩基性硫酸銅
カルシウム塩に特有の回折ピーク(△印)と判断され
る。
【0011】一方、本発明による複合体のX線回折像
(図4)を参照すると、この複合体では、図1に示した
モンモリロナイトに特有のX線回折ピーク(×印)と石
膏に特有のX線回折ピーク(○印)とが認められる反
面、塩基性硫酸銅カルシウム塩に特有の回折ピーク(△
印)が消失している。この事実は、塩基性硫酸銅カルシ
ウム塩が遊離の状態で存在するのではなく、塩基性硫酸
銅カルシウム塩がモンモリロナイトに結合した複合体の
形で存在していることを物語っている。
【0012】更に、図1,2,4,5を参照すると、更
に次の興味のある事実が明らかとなる。即ち、モンモリ
ロナイトでは、図1に示すとおり、2θ=5乃至7度に
面指数[001]のX線回折ピークが比較的ブロードに
現れる。ところが、このモンモリロナイトを110℃で
24時間乾燥すると、図2に示すとおり、面指数[00
1]のX線回折ピークが減衰(消滅)するのである。ス
メクタイトでは、水分子が層間に入り、底面に平行な水
分子層を形成することは先に述べたとおりであるが、上
記の乾燥条件では層間水が揮散して失われる結果とし
て、層間隔の規則性が失われることを示している。
【0013】これに対して、本発明の複合体では、図4
に示す様に、面指数[001]のX線回折ピークが明確
に保持されているばかりか、図5の様に、110℃で2
4時間の熱処理が行われた場合にも、面指数[001]
のX線回折ピークの減衰は抑えられており、層間隔の規
則性が安定に維持されているのである。
【0014】この事実は、本発明の複合体においては、
モンモリロナイトの基本層の層間に塩基性硫酸銅カルシ
ウム塩分子が入り込み、この層間分子が水分子層の揮散
に伴う層間の収縮を抑制しているためと思われる。ま
た、明確な回折ピークが形成されているという事実は、
層間構造の規則性も向上しているということを示してい
る。また、塩基性硫酸銅カルシウム塩がモンモリロナイ
トの基本層の層間に入り込んでおらず、両者が単に混合
物の形で存在しているに過ぎないものでは、110℃に
24時間保持した時には、面指数[001]のX線回折
ピークは減衰する。例えば、モンモリロナイト粒子の表
面に塩基性硫酸銅カルシウム塩を担持させたに過ぎない
ものは、110℃×24時間の熱処理によって、面指数
[001]のX線回折ピークは減衰することが確認され
ている。
【0015】ここで、スメクタイトの面指数について説
明する。結晶のX線回折では、下記のBraggの式
(2) nλ = 2dhkl Sinθ ‥‥(2) 式中、nは次数であり、λはX線の波長であり、dhkl
は結晶の(hkl)の面間隔であり、θは回折角であ
る、を満足するとき、回折強度ピークが現れることが知
られており、この回折ピークの鋭さと結晶の大きさとの
間にも、下記のScherrerの式(3) Lhkl = Kλ/Hcosθ ‥‥(3) 式中、Lhkl は結晶の(hkl)面に垂直な方向の寸
法、Kは約0.9の定数、Hは回折ピークの半価幅(ラ
ジアン)、λ及びθは前記式(2)と同一である、で表
される関係がある。
【0016】本発明の複合体は、110℃で24時間熱
処理後の試料をX線回折(Cu−Kα)に付したとき、
面指数[001]に対応する明確な回折ピークを有す
る。
【0017】本明細書において、面指数[001]に対
応する明確な回折ピークを有するとは、スメクタイトの
面指数[001]以外の回折ピーク、例えば面指数[0
20]の回折ピークに比べても、上記の回折ピークが明
瞭であることを意味し、一般に下記式(1) RI=Hb/Hs ‥‥(1) 式中、Hsは上記X線回折において面指数[020]の
回折ピークの高さを表し、Hbは上記X線回折において
面指数[001]の回折ピークの高さを表す、で定義さ
れる相対強度比(RI)が0.5以上、特に0.6乃至
2.0の範囲にあるのがよい。
【0018】この相対強度比(RI)が上記範囲を下回
ると、複合体の熱的安定性が低下する傾向があると共
に、上記範囲にあるものに比して、後述する消臭作用や
その持続性が低下したり、また抗菌作用やその持続性も
低下する傾向がある。
【0019】また、110℃で24時間熱処理後の試料
をX線回折(Cu−Kα)に付したとき、面指数[00
1]の回折ピークの半価幅が2.0度以下、特に0.5
乃至1.5度の範囲にあるという特徴がある。
【0020】この半価幅が上記範囲を下回ると、複合体
の構造的及び化学的安定性が損なわれる傾向があり、後
述する消臭作用の持続性が低下したり、また抗菌作用の
持続性も低下する傾向がある。一方、上記範囲を上回る
と、結晶子のサイズが大きくなりすぎて、後述する消臭
作用そのものが低下したり、また抗菌作用そのものが低
下する傾向がある。
【0021】本発明の複合体はCuO換算でスメクタイ
ト(110℃乾燥基準)当り0.1乃至20.0重量
%、特に1.0乃至10.0重量%の塩基性硫酸銅カル
シウム塩を含有するのがよい。塩基性硫酸銅カルシウム
塩の含有量が上記範囲を下回ると、上記範囲内にある場
合に比して、消臭作用や抗菌作用が低下する傾向があ
り、一方上記範囲を上回ると、遊離の塩基性硫酸銅カル
シウム塩の量が増える結果として、安定性が損なわれる
ことになる。
【0022】本発明のスメクタイト複合体は、上述した
とおり、スメクタイトに基づく多層構造と、層間に組み
込まれた塩基性硫酸銅カルシウム塩とを有するという特
徴を有する。この構造に由来して、この複合体は種々の
有臭成分に対する物理的及び化学的吸着性を有してお
り、消臭剤として特に有用である。例えば、硫化水素や
メルカプタン等の悪臭成分に対して、極めて高い吸着容
量と、優れた持続性を示す。
【0023】また、本発明のスメクタイト複合体は、層
間に組み込まれた塩基性硫酸銅カルシウム塩を備えてお
り、この塩基性硫酸銅カルシウム塩に特有の抗菌作用を
示す。即ち、この複合体に組み込まれた塩基性硫酸銅カ
ルシウム塩は、そのままの状態では水不溶性のものであ
るが、空気中の炭酸ガスと反応して、pHが低下するに
従って、銅イオンを溶出し、これが抗菌作用に役立つも
のである。本発明の複合体では、塩基性硫酸銅カルシウ
ム塩が層間に組み込まれているため、上記炭酸ガスとの
反応が徐々に進行し、銅イオンの徐放性に優れており、
これが抗菌作用の持続性に優れている理由と考えられ
る。
【0024】上記複合体は、スメクタイトと塩基性硫酸
銅カルシウム塩とを、塩基性硫酸銅カルシウム塩がスメ
クタイト(110℃乾燥基準)当りCuO換算で0.1
乃至20.0重量%、特に1.0乃至10.0重量%と
なる割合で水中で混合し、得られる混合物を乾燥すると
いう簡単な操作で製造できる。スメクタイトのシリカ四
面体層は水中で負に帯電しており、一方塩基性硫酸銅カ
ルシウム塩粒子は液中で負に帯電しているので、両者を
液中で混合することにより、複合体の形成が容易に進行
するものと解される。
【0025】本発明で用いるスメクタイトは、先にも述
べた通り、Si−Oの四面体層状構造を有するケイ酸塩
鉱物であり、各種の天然或いは合成の粘土鉱物を使用す
ることができる。例えばモンモリロナイト(酸性白土や
ベントナイトなど)、バイデライト、ノントロナイトな
どのジオクタヘドラル型スメクタイト;サポナイト、ヘ
クトライト、ソーコナイト、フライポンタイトなどのト
リオクタヘドラル型スメクタイト;及びスチブンサイト
等を例示することができ、これらは、1種単独で使用し
てもよいし、2種以上組み合わせて使用することもでき
る。本発明においては、特に、取り扱い性や粉立ち防止
などの点で、酸性白土やベントナイトなどのモンモリロ
ナイトが最も好適である。さらにSi−Oの四面体層状
構造を有し且つ層間に十分な量の塩基性硫酸銅カルシウ
ム塩を保持し得る限り、その変性品、例えば酸性白土や
ベントナイトを酸処理或いはアルカリ処理して得られる
活性白土や活性ベントナイト等も使用することができ
る。
【0026】例えば酸性白土は、主な交換性陽イオンと
して、HやMg2+を含み、その組成は産地等によっ
て異なっているが、一般に非晶質シリカの含有量が多い
(モル基準で一般にSiO/Al=7〜8)も
のであり、活性白土は、この様な酸性白土を、希硫酸等
の酸で処理して比表面積や細孔容積を高めたものであ
る。また、ベントナイトは、主な交換性陽イオンとし
て、NaやCa2+を含み、一般に酸性白土に比して
非晶質シリカの含有量が少なく(モル基準で一般にSi
/Al=4〜6)、活性ベントナイトは、こ
の様なベントナイトを炭酸ナトリウム等のアルカリで処
理し、膨潤性や粘性を向上させたものである。
【0027】また本発明において用いるスメクタイト
は、50乃至150m/gのBET比表面積と、1.
5乃至3.0ml/gの細孔容積を有していることが好
ましい。BET比表面積や細孔容積が上記範囲を下回る
と、消臭性や抗菌性の持続性が低下する傾向があり、一
方、上記範囲を上回ると、得られる複合体の粒子強度や
耐摩耗性が低下する傾向がある。
【0028】本発明において用いる塩基性硫酸銅カルシ
ウム塩は、下記一般式(4): CuSO・xCu(OH)・yCa(OH)・zHO (4) で表され、硫酸銅の水溶液に、なるべく低温で生石灰
(消石灰は炭酸カルシウムを含んでいるので適当でな
い)を加えて反応させることにより、ボルドー液として
知られる水分散液の形で得られ、この水分散液は、調製
直後において、通常12程度のpHを示す。上記式中の
x,yの値は、硫酸銅に対する石灰の使用量によって異
なり、通常、硫酸銅100に対して生石灰36以上の重
量比であれば、x=7,y=6程度の値である。
【0029】本発明においては、上記の様にして得られ
た塩基性硫酸銅カルシウム塩の水分散液(所謂ボルドー
液)を、必要により粒度調整されたモンモリロナイト等
のスメクタイトの所定量に添加混合して、塩基性硫酸銅
カルシウム塩とスメクタイトとを反応させ、次いで乾燥
させることにより目的とする本発明の複合体が得られ
る。この場合、塩基性硫酸銅カルシウム塩の水分散液
は、これを調製した後、できるだけ速くスメクタイトと
混合することが好ましい。この水分散液を長期間放置し
ておくと、空気中の炭酸ガスを吸収してpHが低下し、
pHが7程度になると、CuSO・3Cu(OH)
が生成し、消臭性、抗菌性が失われてしまうからであ
る。
【0030】また塩基性硫酸銅カルシウム塩とスメクタ
イトとの混合は、スメクタイトの四面体層間に塩基性硫
酸銅カルシウム塩が十分に入り込む限り任意の手段で行
うことができるが、一般的には、水分量を調整して、ニ
ーダー、ロールミル等を用いての混練により両者を混合
することが最も効率がよい。この混合が十分に行われな
いと、110℃で24時間保持した時のX線回折におい
て、面指数〔001〕対応する回折ピークが前述した相
対強度比や半価幅の条件を満たさなくなり、抗菌性、消
臭性或いはこれら特性の持続性が不満足となるので注意
を要する。更に、予め調整された塩基性硫酸銅カルシウ
ム塩の水溶液をスメクタイトと混合する代わりに、スメ
クタイトの存在下で、硫酸銅水溶液と生石灰とを反応さ
せることにより、本発明の複合体を得ることも可能であ
る。
【0031】上述したスメクタイトと硫酸銅カルシウム
塩との反応後、必要により濾過を行い、次いで乾燥をし
て不必要な水分を除去するが、この乾燥は、スメクタイ
トの層間に入り込んでスメクタイトと複合体を形成して
いる硫酸銅カルシウム塩が分解しない程度の条件(通
常、150℃以下)で行われる。またこの硫酸銅カルシ
ウム塩成分が分解しない限り、可及的に高い温度、特に
100℃以上の温度で乾燥を行うことが好ましい。即
ち、このような温度で乾燥を行うと、複合体の表面部分
に存在し、層間に入り込んでいない硫酸銅カルシウム塩
成分は分解し、この複合体中に含まれる硫酸銅カルシウ
ム塩成分は、ほとんど層間に含まれるもののみとなる。
この結果、一定の消臭性、抗菌性が持続して長期間にわ
たって発現することになる。例えば、複合体の層間に十
分な量の硫酸銅カルシウム塩成分が入り込んでいるとし
ても、その表面部分に存在する層間に入り込んでいない
硫酸銅カルシウム塩成分の量が多いと、初期に強力な消
臭性、抗菌性が発現するとしても、この様な強力な消臭
性、抗菌性は短時間で失われてしまう。従って、初期の
段階から、常に一定の消臭性、抗菌性を発現させるため
にも、層間に入り込んでいない硫酸銅カルシウム塩成分
を分解させておくことが望ましいわけである。
【0032】(用途)かくして得られる本発明の複合体
は、抗菌性や消臭性及びその持続性に優れており、その
用途に応じて、粉砕、分級或いは造粒、打錠などの公知
の手段で所定形状に成形して、抗菌剤、消臭剤として使
用に供される。勿論、これらの処理は、乾燥前に行うこ
とも可能である。また、かかる複合体は、硫酸銅成分を
含有していることから、一定の消臭性、抗菌性が発現し
ている間は青色を呈している。即ち、本発明の複合体
は、消臭性、抗菌性が失われると、青色が消失するた
め、その有効期間を示すインジケーター特性に優れてい
るという予想外の利点も有している。
【0033】更に、本発明の複合体においては、消臭性
や抗菌性などの持続性を高めるために、複合体100重
量部当り0.5乃至10重量部、特に1乃至5重量部の
表面処理剤で表面処理して被覆層を形成することができ
る。このような表面処理剤としては、以下のものが好適
である。 (1)シリコンオイル。 (2)炭素数が8〜22の高級脂肪酸またはその金属塩
(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、Zn塩、Al
塩。 (3)アマイド、アミン、一価乃至多価アルコールの脂
肪酸エステル:例えば、高級脂肪酸アマイド、エルカ酸
アミド、ステアリルエルカミド、2−ステアロミドエチ
ルステアレート、エチレンビス脂肪酸アマイド、脂肪酸
ジエタノールアミン、ステアリン酸n−ブチル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール、ポリエチ
レングリコールジステアレート、ポリエチレングリコー
ルジラウレート、ジエチレングリコールステアリン酸ジ
エステル。 (4)ワックス類:例えば、トリグリセライドワック
ス、ポリエチレンワックス、エポキシ変性ポリエチレン
ワックス。 (5)融点或いは軟化点が40乃至160℃の低融点乃
至低軟化点樹脂:例えば、エポキシ樹脂、キシレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、スチレン系樹脂、アルキッド樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、低融点アクリル樹
脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、石油樹脂。
上記の表面処理剤は,単独でも2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0034】また本発明の複合体は、それ単独で、トイ
レ、居間、寝室、タンスや押し入れ内、事務所内、自動
車内などの所定の空間内,或いはエアコンデショナー内
のフィルター内に詰めて消臭剤乃至抗菌剤として使用さ
れるが、熱可塑性重合体或いはエラストマーに配合して
熱可塑性重合体組成物として使用に供することもでき
る。即ち、この組成物を所定形状に成形して、抗菌性、
消臭性を有する熱可塑性重合体成形品が得られる。この
様な用途に用いる場合、本発明の複合体は、一般に、体
積基準メジアン径が2乃至10μm程度の微粉末とする
のが、熱可塑性重合体或いはエラストマー中への均一分
散性の点で好ましい。
【0035】このような熱可塑性重合体としては、低密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリブテン−
1、ポリ(4−メチルペンテン−1)、又はエチレン、
プロピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1など
のα−オレフィン同士のランダム或いはブロック共重合
体等のポリオレフィン;エチレン/酢酸ビニル共重合
体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/
塩化ビニル共重合体等のエチレン/ビニル化合物共重合
体;ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン共重合
体、ABS、α−メチルスチレン/スチレン共重合体等
のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化
合物;ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−1
0、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド;ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等の熱可塑性ポリエステル;ポリカーボネート;ポリフ
ェニレンオキサイド;などを例示することができる。
【0036】エラストマー重合体としては、ニトリル−
ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム
(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリブタジエ
ン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、ブチルゴム、
天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチ
レン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリウレ
タン、シリコーンゴム、アクリルゴム、スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体等を挙げることが
できる。
【0037】上記の熱可塑性重合体或いはエラストマー
重合体は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用
することができる。また、これら重合体の成形性を損な
わず、本発明の複合体の消臭性や抗菌性を十分に活かし
且つブリードを生じない様にするためには、該複合体粉
末を上記重合体100重量部当り、0.5乃至10重量
部、特に1乃至5重量部の量で用いるのがよい。
【0038】また複合体を上記重合体に配合するには、
いわゆるドライブレンドやメルトブレンド方式を採用す
ることができ、さらに、この複合体を比較的高濃度で含
有するマスターバッチを、この複合体が配合されていな
い重合体にブレンドする方法を採用することができる。
この複合体と重合体との混練は、重合体が溶融する温度
で且つ比較的低温、例えば200℃以下の温度で行うの
がよい。高温で混練を行うと、複合体中の塩基性硫酸銅
カルシウム塩成分が分解し、消臭性や抗菌性が損なわれ
るおそれがあるからである。本発明の複合体が配合され
た重合体組成物の成形は、押出成形、射出成形、ブロー
成形、カレンダー成形、同時押出成形、同時射出成形等
の任意の成形手段を採用することができ、これにより、
フィルム、シート、パイプ、タンク、各種のハウジング
や部品等の成形品とすることができる。勿論、上記成形
も、塩基性硫酸銅カルシウム塩成分が分解しない様に、
200℃以下のできるだけ低い温度で行うことが望まし
い。
【0039】また前述した重合体中に配合して使用され
るような微粉末の複合体は、それ自体公知の塗料に配合
して、抗菌性の塗料組成物として使用することもでき
る。塗料としては、例えば、ニトロセルロース塗料、ア
ルキッド樹脂塗料、アミノアルキッド樹脂塗料、ビニル
樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリ
エステル樹脂塗料、塩化ゴム塗料などが挙げられる。ま
た、フェノール系レジン、変性フェノール系レジン、ア
ルキド系レジン、ビニル系レジン、石油レジン、エポキ
シ系レジン、ポリエステル系レジン、スチレン系レジ
ン、シリコーン系レジン、塩素化物系レジン、ウレタン
系レジン、ポリアミド系レジン、ポリイミド系レジン、
フッ素系レジン等の1種或いは2種以上を含有する塗料
を用いることもできる。
【0040】また用いる塗料は、その用い方によって、
溶剤型塗料、水性塗料、紫外線硬化型塗料、粉体塗料等
の任意のものであってよいが、本発明の複合体は、特に
溶剤型塗料や水性塗料に適している。溶剤型塗料の有機
溶媒としては、トルエン、キシレン、n−ヘプタン、n
−ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
エタノール、プロパノール、ブタノール、ダイアセトン
アルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチル、ジメチル
スルホキシド等の1種または2種以上を用いることがで
きる。水性塗料としては、水溶液型の塗料の他、自己乳
化型或いは界面活性剤乳化型の塗料が使用される。
【0041】さらに本発明の複合体の粒状乃至粉状物
は、無機繊維、動植物繊維、合成樹脂繊維等から成る通
気性の織布又は不織布に、或いはこれらの間に充填して
抗菌性乃至消臭性のシート、フィルターとして使用する
こともできる。また、所謂猫砂等のペット用トイレ砂に
混合して、その抗菌性や消臭性を高めることもできる。
この場合ベントナイトの造粒物に0.1乃至30部混合
することが好ましい。
【0042】更に本発明品にその性能を損なわない程度
に他の有機、無機の消臭剤、抗菌剤を添加することもで
きる。例えばシリカ無機消臭剤としては、ホワイトカー
ボン、その他の湿式法非晶質シリカや、酸性白土、モン
モリロナイト、フラースアースアロフェン、パーライト
等の粘土鉱物及びこれらを酸処理して得られるシリカ
等、層状ケイ酸塩としてマガディアイト、ケニヤアイ
ト、マカタイト、アイラアイト、カネマイト及びこれら
を酸で処理して得られるもの、ケイ酸塩としては、ケイ
酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムの如きケイ酸アルカ
リ土類金属塩、ケイ酸亜鉛の如きケイ酸の第IIb族金属
塩を添加することができる。
【0043】アルミノケイ酸塩としては、層状アルミノ
ケイ酸塩、特に各種粘土鉱物や、テクトケイ酸塩、ゼオ
ライト、例えばモルデナイト、クリノプチロライト、ホ
ージャサイト、ゼオライトA,ゼオライトX,ゼオライ
トY、ゼオライトP、アナルサイム、ソーダライト等
と、更にこれらゼオライトを銀、銅、亜鉛等の抗菌性イ
オンでイオン交換したゼオライトを添加することもでき
る。
【0044】有機抗菌剤としては、ポビドンヨード等の
ヨードホールを上記無機化合物に担持したものを配合す
ることもできる。
【0045】リン酸塩としては、リン酸チタン、リン酸
ジルコニウム、リン酸銅、リン酸スズを添加することが
でき、加えて吸着した有害物質を分解し、抗菌性を付与
するために酸化チタン等の光反応性半導体を配合するこ
とも好ましい。
【0046】
【実施例】本発明を次の実施例及び比較例で詳細に説明
する。尚、以下の実施例及び比較例において、X線回
折、比表面積及び細孔容積は、以下の条件乃至方法で行
った。 (1)X線回折:理学電気(株)製ガイガーフレックス
RAD−1Bシステムを用いて、Cu−Kαにて以下の
条件で測定した。 ターゲット Cu フィルター Ni 管電圧 35kV 管電流 15mA 走査速度 2deg/min 時定数 1sec スリット DS(SS) 1deg RS 0.3
mm (2)比表面積:カルロエルバ社製 Sorptomatic Serie
s 1900を使用して、BET法により比表面積を測定し
た。 (3)細孔容積:カルロエルバ社製 Sorptomatic Serie
s 1900を使用し、N吸着法により半径150オングス
トローム以下の細孔容積を求めた。
【0047】(実施例1)石灰乳(CaO:36wt%)
100gに硫酸銅溶液(12wt%)500gを攪拌しな
がら徐々に加え塩基性硫酸銅カルシウム塩の16重量%
水分散液(溶液1)を得た。次にモンモリロナイトを主
成分とする酸性白土粉末(110℃乾燥基準)900g
をミキサーで攪拌し、そこに溶液1を全量加え、均一に
なるよう攪拌混合した。得られた混合粉末(EX−0)
を110℃で24時間乾燥し、試料(EX−1)を得た
(乾燥後CuO換算での塩基性硫酸銅カルシウム塩濃度
=約3重量%:有り姿で約10%)。尚、塩基性硫酸銅
カルシウム塩濃度は、酸性白土(スメクタイト)と該カ
ルシウム塩との合計量当たりの濃度で示した。以下の実
施例或いは比較例でも同様である。上記酸性白土とその
110℃24時間乾燥品のX線チャートを図1、2に示
した。また、上記で用いられた塩基性硫酸銅カルシウム
塩のX線チャートを図3に示し、得られた複合体のX線
回折チャートを図4に示し、その110℃で24時間乾
燥品のX線回折チャートを図5に示した。また、図4に
おいては、面指数[001]に対応する回折ピークの半
価幅及び相対強度比を測定し、その結果を表1に示し
た。更に、得られた試料EX−1の複合体について、以
下の方法で消臭性、抗菌性を評価し、その結果を表1に
示した。
【0048】消臭性試験:ガス採取用シリコンゴム栓付
1.8リットル密閉ガラス容器に、1gの試料を置き、次
に注射器にて硫化水素ガス或いはアンモニアガスを一定
量注入し、24時間後にガス検知管を用いて容器内のガ
ス濃度を測定し、このガス吸着容量により消臭性を評価
した。(消臭性が高い程、このガス吸着容量が大き
い。)また、各試料の消臭持続性を評価するために、各
試料を室内に2ヶ月間放置したのち、上記消臭性試験を
行い、そのガス吸着容量が初期(2ヶ月前)に比較して
50%以上ある場合を○とし、それ未満の場合を×と評
価した。
【0049】抗菌性試験:被験株(緑膿菌)を生理食塩
水に懸濁させた液(約1×10個/ml)1mlを使
用し、この懸濁液を、予め50℃に保温したペプトン0.
2%、食塩0.7%、寒天0.8%を含有する培地2mlに
混合し、1.5%の寒天を含む以外は同一組成の寒天培地
に重層する。次いで、重層部分の上に、一定量の試料を
載せ、37℃にて24時間培養後、試料の周囲に生じる
増殖阻止帯の幅を測定する。(参照:特開平9−151
106号)
【0050】(実施例2)石灰乳(CaO:36wt%)
200gに硫酸銅溶液(12wt%)400gを攪拌しな
がら徐々に加え塩基性硫酸銅カルシウム塩の16重量%
水分散液(溶液2)を得た。実施例1の塩基性硫酸銅カ
ルシウム塩水分散液(溶液1)の替わりにこの溶液2を
用い、それ以外は実施例1と同様の操作を行い試料(E
X−2)を得た。この試料EX−2の複合体について消
臭性、抗菌性を評価し、その結果を表1に示した。
【0051】(実施例3)モンモリロナイトを主成分と
する酸性白土粉末900gと石灰乳(36wt%)100
gをミキサーで混合しながら硫酸銅水溶液(12wt%)
500gを徐々に加え、十分に混合して得られた混合粉
末を110℃で24時間乾燥し、試料(EX−3)を得
た。この得られた試料EX−3の複合体について消臭
性、抗菌性を評価し、その結果を表1に示した。
【0052】(実施例4)実施例1の酸性白土粉末をN
a−ベントナイト粉末に変更した以外は実施例1と同様
の操作を行い試料(EX−4)を得た。この得られた試
料EX−4の複合体について消臭性、抗菌性を評価し、
その結果を表1に示した。
【0053】(実施例5)実施例1の酸性白土粉末の5
0wt%を活性白土粉末に変更した以外は実施例1と同
様の操作を行い試料(EX−5)を得た。この得られた
試料EX−5の複合体について消臭性、抗菌性を評価
し、その結果を表1に示した。
【0054】(比較例1)実施例1の酸性白土粉末をカ
オリン粘土粉末に変更した以外は実施例1と同様の操作
を行い試料(CF−1)を得た。この得られた試料CF
−1の複合体について消臭性、抗菌性を評価し、その結
果を表1に示した。
【0055】(比較例2)実施例2の酸性白土粉末をシ
リカゲル粉末に変更した以外は実施例2と同様の操作を
行い試料(CF−2)を得た。この得られた試料CF−
2の複合体について消臭性、抗菌性を評価し、その結果
を表1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の複合体は、スメクタイトと塩基
性硫酸銅カルシウム塩とから成る新規な構造を有してお
り、面指数[001]の層間結晶構造が安定に維持さ
れ、この結果、熱に対する安定性等が高い。また消臭性
能や抗菌作用をが高く、且つこれらの性能が持続して長
期間保持している。本発明の複合体は、消臭剤や抗菌剤
として、それ単独で、或いは熱可塑性樹脂やエラストマ
ー重合体の配合して、抗菌性や消臭性を有する成形品と
して種々の用途に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたモンモリロナイト(酸性白
土)のX線回折像。
【図2】図1のモンモリロナイトを110℃で24時間
乾燥したもののX線回折像。
【図3】実施例1で用いた塩基性硫酸銅カルシウム塩液
の乾燥物のX線回折像。
【図4】実施例1で得られた本発明の複合体(試料EX
−1)のX線回折像。
【図5】実施例1で得られた本発明の複合体(試料EX
−1)を110℃×24時間熱処理した時のX線回折
像。
【図6】回折ピークの半価幅の測定方法を説明するため
の図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒崎 英昭 新潟県新発田市大手町1丁目14番15号 黒 崎白土工業株式会社内 Fターム(参考) 4C058 AA07 AA19 AA23 AA30 BB07 CC08 DD15 JJ02 JJ03 JJ05 4C080 AA03 BB02 BB05 CC04 CC08 CC12 CC13 HH05 JJ04 JJ09 KK08 LL02 MM01 MM02 QQ03 4G066 AA17A AA47A AA47B AA63B BA31 CA02 CA24 CA29 DA03 EA20 FA14 FA34 4G073 BA11 BA48 CM14 CM15 FC25 FD01 FD21 GA03 UB33 4H011 AA02 BA06 BB18 BB20 DA02 DF03 DG03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スメクタイトと塩基性硫酸銅カルシウム
    塩との複合体であって、前記複合体はCuO換算でスメ
    クタイト(110℃乾燥基準)当り0.1乃至20重量
    %の塩基性硫酸銅カルシウム塩を含有し、且つ110℃
    で24時間熱処理後の該複合体をX線回折(Cu−K
    α)に付したとき、面指数[001]に対応する明確な
    回折ピークを有することを特徴とするスメクタイト複合
    体。
  2. 【請求項2】 下記式(1): RI=Hb/Hs ‥‥(1) 式中、Hsは上記X線回折において面指数[020]の
    回折ピークの高さを表し、 Hbは上記X線回折において面指数[001]の回折ピ
    ークの高さを表す、で定義される相対強度比(RI)が
    0.5以上であることを特徴とする請求項1記載のスメ
    クタイト複合体。
  3. 【請求項3】 上記X線回折において、面指数[00
    1]の回折ピークの半価幅が2.0度以下であることを
    特徴とする請求項1または2に記載のスメクタイト複合
    体。
  4. 【請求項4】 スメクタイトがモンモリロナイトである
    請求項1乃至3の何れかに記載のスメクタイト複合体。
  5. 【請求項5】 スメクタイトと塩基性硫酸銅カルシウム
    塩とを、塩基性硫酸銅カルシウム塩がスメクタイト(1
    10℃乾燥基準)当り、CuO換算で0.1乃至20重
    量%となる割合で水中で混合し、得られる混合物を乾燥
    することを特徴とするスメクタイト複合体の製法。
  6. 【請求項6】 前記乾燥を、80℃以上の温度で且つ面
    指数[001]に対応するX線回折ピークが消失しない
    程度の加熱により行う請求項5に記載の製法。
  7. 【請求項7】 請求項1または2に記載のスメクタイト
    複合体から成ることを特徴とする消臭剤。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載のスメクタイト
    複合体から成ることを特徴とする抗菌剤。
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