JP2000302417A - 金属酸化物の製造方法 - Google Patents

金属酸化物の製造方法

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JP2000302417A
JP2000302417A JP11112761A JP11276199A JP2000302417A JP 2000302417 A JP2000302417 A JP 2000302417A JP 11112761 A JP11112761 A JP 11112761A JP 11276199 A JP11276199 A JP 11276199A JP 2000302417 A JP2000302417 A JP 2000302417A
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metal halide
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metal oxide
combustion
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JP11112761A
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English (en)
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Shinji Oka
信治 岡
Yutaka Ozaki
裕 尾崎
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Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属ハロゲン化物を加熱加水分解して金属酸化
物を製造する方法において、粒子径が小さく均一で、白
色度の高い且つ光触媒活性の高い金属酸化物を工業的に
有利に製造することのできる方法を提供する。 【解決手段】燃料ガスと酸素含有ガスとを燃焼域に供給
して燃焼反応させ、金属ハロゲン化物含有ガスを乱流状
態または乱流過渡状態になるように燃焼域の下流部にあ
る反応域に供給し、金属ハロゲン化物を該燃焼反応で生
成する水と400〜1500℃の温度で接触させて加熱
加水分解反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、金属ハロゲン化物を火炎の影響
を受けない場所で加熱加水分解反応させる方法であっ
て、且つ金属ハロゲン化物を気相にて高速度で噴射する
ことにより、低次酸化物をほとんど含まず、白色度が高
く、粒子径が小さく均一で、非結晶性成分の少ない酸化
チタン、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化アルミニウムなど
の金属酸化物を工業的に有利に製造する方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、光触媒活性の高い金属酸化
物の製造方法に関する。金属酸化物の中でも、特に二酸
化チタンの場合、平均粒子径が0.1μm以下である微
粒子のものは、それより粒子径の大きい顔料用二酸化チ
タンより紫外線吸収能が高く、透明性を有するので、従
来より化粧料や塗料などの紫外線遮蔽剤として利用され
てきたが、最近その優れた光触媒活性の利用が注目され
ている。尚、二酸化チタンの結晶形はルチル形でも、ア
ナターゼ形でもよい。
【従来の技術】
【0002】燃料の燃焼によって形成される火炎の中、
またはその近辺で金属ハロゲン化物ガスを燃焼と同時に
加水分解反応させて金属酸化物を製造する方法は、火炎
加水分解法として従来より知られている。燃料が燃焼す
れば水が生成し、この水が反応に利用される。このよう
な燃料として、通常水素または炭化水素化合物等の水素
含有の可燃性の気体が用いられる。
【0003】特公昭36−3359号公報には、ハロゲ
ン化合物、燃焼ガスおよび酸素含有ガスとを、予め均一
に混合した後、該混合ガスを反応室下部のバーナーのノ
ズルから反応域に供給し、燃焼、反応させる方法が開示
されている。この方法では、ハロゲン化合物が燃焼ガス
で希釈されて、生成した酸化物粒子同士の衝突が抑制さ
れ、粒子の成長、凝集の発生が妨げられるので、微細な
粒子が得られ易い。また、反応域にはバーナーのノズル
からハロゲン化合物と燃料ガスが均一に混合された状態
で供給されるため、燃料ガスの燃焼で形成される火炎が
比較的大きくなっても、反応する場所に依らず均一な粒
子径の粒子が得られ易い。しかし、この方法では粒子同
士の衝突を抑制するように、火炎が乱流や渦流にならな
いように操作する必要がある。また、バーナーノズルか
らの混合ガスの供給が速すぎると火炎の吹き消えが生
じ、遅すぎると逆火が生じるため、供給速度の調整が困
難である。さらにハロゲン化合物は燃焼阻止剤として作
用するので、燃料ガスを大量に必要とする等問題が多
い。
【0004】特公昭31−6307号公報には、金属の
塩化物と酸素含有ガスとの混合ガスを、可燃性ガスの燃
焼によって形成される火炎と接触反応させて、金属塩化
物が燃焼阻止剤となる問題を解決する方法が開示されて
いる。しかし、この方法では均一な粒子を得るために
は、混合ガスを厚さ1cm程度の薄い層で供給する必要
があり、また装置を大型化する場合、多数の小さい火炎
を用いる必要がある。
【0005】また、いずれの技術も火炎が反応域中にあ
るか、または火炎と反応域が非常に接近しているため、
生成する金属酸化物粒子の特性が、火炎の燃焼状態に左
右されやすい。これら従来技術では、均一な金属酸化物
を得るには、生成した粒子の衝突を抑制し焼結を防ぐた
め、燃焼による火炎を層流炎に調整することが必要とな
る。しかし、火炎加水分解においては、層流炎での燃焼
は必ずしも工業的に有利ではなく、むしろ問題が多い。
例えば、装置を大型化した場合、燃焼ガスに炭化水素化
合物を使用すると、炭化水素の不完全燃焼物の煤が発生
し、生成した金属酸化物粒子が黒色または灰色に着色す
るという問題が生じる。火炎を高温にすれば炭化水素燃
料を完全燃焼させることはできるが、金属酸化物粒子の
一部が過焼成され、また火炎の周辺が著しい還元性雰囲
気となり、低次酸化物が生成し易い。燃料ガスとして水
素を使用すれば黒色または灰色に着色するという問題は
生じないが、炭化水素より取扱い面でも、コスト面でも
不利である。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】本発明は、以上に述べた従来技術の問題点
を克服し、低次酸化物をほとんど含まないので白色度が
高く、粒子径が小さく均一で、非結晶性成分が少なく、
光触媒活性の高い金属酸化物を工業的に有利に製造する
ことのできる方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】本発明者らは、上記課題を解決するために
鋭意研究を重ねた結果、反応域内に一定の水分と高温を
確保できれば、反応域と燃焼域が異なる場所にあっても
よく、火炎の影響を受けずに加熱加水分解反応を行える
ので、特に火炎が高温であっても、低次酸化物の生成を
防ぐことができ、さらに金属ハロゲン化物含有ガスの反
応域への供給速度を高速にすることにより、該金属ハロ
ゲン化物含有ガスを乱流状態または乱流過渡状態とする
ことで、燃焼により生成する水との接触が一層良好とな
り、その結果、生成する金属酸化物の反応域での滞留時
間を短くし、微粒子の金属酸化物が工業的に有利に得ら
れるとの知見に基づいて本発明を完成した。また、本発
明を実施するにあたっては、金属ハロゲン化物含有ガス
の供給口が金属酸化物の析出によって閉塞しないよう
に、供給口の周囲に不燃性乾燥気体を供給することが必
要であることを見出した。すなわち、本発明は、(1)
燃料ガスと酸素含有ガスとを燃焼域に供給して燃焼反応
させ、(2)金属ハロゲン化物含有ガスを乱流状態また
は乱流過渡状態になるように、該燃料ガス及び該酸素含
有ガスの進行方向に対して燃焼域より下流部にある反応
域に供給し、(3)金属ハロゲン化物含有ガス供給口の
周囲に不燃性乾燥気体を供給しながら、(4)金属ハロゲ
ン化物と燃焼反応により生成する水とを400〜150
0℃の温度下で接触させ加熱加水分解反応させることを
特徴とする金属酸化物の製造方法である。
【発明の実施の形態】
【0008】本発明においては、反応域に、金属ハロゲ
ン化物含有ガスを乱流状態または乱流過渡状態となるよ
うに供給する。本発明における反応域とは、燃料ガスお
よび酸素含有ガスの進行方向に対して燃焼域より下流部
にあり、金属ハロゲン化物の加水分解反応が開始し、金
属酸化物粒子の生成が終了するまでの領域を意味する。
金属ハロゲン化物含有ガスは、例えば燃焼域より上流部
に設けたノズルより供給でき、不燃性乾燥気体はこのノ
ズルの外周に設けたノズルより供給することができる。
燃料ガスや酸素含有ガスは燃焼域に設けたバーナーノズ
ルより供給することができる。本発明においては、後述
の金属ハロゲン化物含有ガス供給ノズルが燃焼域から突
出した多重管バーナーを用いるのが好ましい。このよう
に反応域と燃焼域とが異なる場所にあれば、反応域で生
成した金属酸化物が火炎によって低次酸化物に還元され
るのを防ぐことができ、特に酸化チタンの場合、白色度
の高いものが得られる。さらに、燃焼状態が反応に影響
を与え難いため、燃料へ酸素含有ガスを混合するなどし
て燃焼速度を上げ、早期に完全燃焼させることもでき
る。また、燃焼域と反応域の周囲に例えば壁面を設けて
燃焼保護管とし、該保護管内で燃焼反応と加熱加水分解
反応とを行うこともできる。該保護管により熱が拡散さ
れ難くなるので、反応域が燃焼域と異なる場所であって
も、反応域内に金属ハロゲン化物の加熱加水分解反応に
必要な熱量を確保でき、さらには燃費も改善される。
【0009】金属ハロゲン化物含有ガスは、例えば金属
ハロゲン化物溶液を蒸発器で160〜400℃の温度に
加熱し、蒸発させることにより得ることができる。本発
明においては、金属ハロゲン化物含有ガスとして、上記
金属ハロゲン化物溶液を蒸発させる際に、キャリアガス
として不活性ガスまたは乾燥空気を供給して金属ハロゲ
ン化物ガスとキャリアガスの混合ガスとし、該混合ガス
を反応域に供給するのが望ましい。キャリアガスを供給
することにより、金属ハロゲン化物ガスが希釈され、粒
子同士の衝突が抑制されるので、微粒子が得られ易い。
また、キャリアガスを金属ハロゲン化物を蒸発させる際
に混合することにより、金属ハロゲン化物をより低い温
度でガス化させることができる利点もある。不活性ガス
としては、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素など
を用いることができ、特に窒素ガスが望ましいものであ
る。金属ハロゲン化物とキャリアガスの混合比は通常
0.5:1〜5:1(重量比)である。本発明におい
て、金属ハロゲン化物とは、四塩化チタン、四塩化ケイ
素、四塩化スズ等が挙げられ、特に四塩化チタンを用い
て得られる酸化チタンは非結晶成分が少なく、且つ光触
媒活性に優れているため、好ましいものである。さら
に、生成する金属酸化物の物性を改質するために、金属
ハロゲン化物含有ガスに、アルミニウム、ケイ素や鉄な
どの、これとは金属種の異なる金属のハロゲン化物ガス
を混合し、上記の方法により加熱加水分解することで、
これらの異種の酸化物を金属酸化物に固溶させてもよ
い。金属ハロゲン化物含有ガスを乱流状態、または乱流
過渡状態となるように反応域に供給することにより、後
述する燃料ガスと酸素含有ガスとの燃焼反応により、生
成する水と、金属ハロゲン化物含有ガスとの接触が良好
になる。特に、金属ハロゲン化物含有ガスを30〜30
0m/秒で反応域に供給することにより、良好な乱流状
態、または乱流過渡期状態が得られるため好ましい。
【0010】次いで、金属ハロゲン化物含有ガスを別に
供給される燃料ガスと酸素含有ガスとの燃焼反応により
生成する水と接触させて加熱加水分解させて、本発明の
金属酸化物を得る。燃料ガスとしては、メタン、エタ
ン、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素化合物ガ
ス、あるいは水素ガス等、燃焼により水を生成するもの
であれば、何れでも使用することができる。また、酸素
含有ガスとしては、酸素、空気もしくはその混合ガス、
不活性ガスと酸素との混合ガス等を使用することができ
る。
【0011】本発明においては、加水分解反応が燃焼の
影響をほとんど受けないので、燃料ガスの燃焼による火
炎は、層流炎、乱流炎、乱流過渡状態炎のいずれでもよ
いが、特に、乱流炎または乱流過渡状態炎が好ましい。
乱流炎または乱流過渡状態炎とすることにより、燃料を
早期に完全燃焼できるので、より不完全燃焼の煤が発生
し難くなる。さらに燃料ガスに酸素含有ガスを予め混合
して燃焼速度を一層高めることもできる。
【0012】本発明において、金属ハロゲン化物含有ガ
ス、不燃性乾燥気体、燃料ガス及び酸素含有ガスの供給
は、火炎加水分解法において通常用いられている同心円
多重管バーナーを用いるのが望ましい。この種のバーナ
ーでは一般的には、最も内側の1重管目のノズルより金
属ハロゲン化物含有ガスを1〜20m/秒の速度で、2
重管目のノズルより支燃用と洗浄用を兼ねた酸素含有ガ
スを1〜10m/秒の速度で、最も外側の3重管目のノ
ズルより燃料ガスを0.3〜0.6m/秒の速度で反応
域に供給して、反応域内で層流炎を形成して燃焼、加水
分解反応させている。しかしながら、本発明において
は、異なる場所に燃焼域と反応域とを設けるため、1重
管目と2重管目のノズルの先端が燃焼域から突出した5
重管を用いる。1重管目のノズルより金属ハロゲン化物
含有ガスを乱流状態または乱流過渡状態となるように供
給し、かつ2重管目のノズルより洗浄用ガスとして不燃
性乾燥気体を供給する。3重管目から5重管目は燃焼用
のノズルで、その3重管目および5重管目のノズルより
供給される燃料の支燃用の酸素含有ガスと、4重管目の
ノズルより供給される燃料ガスとを燃焼反応させて水を
生成させた後に、1重管目のノズルより供給される金属
ハロゲン化物含有ガスとが反応域において接触し、加熱
加水分解反応により金属酸化物が生成する。
【0013】燃料ガスおよび酸素含有ガスの進行方向に
対し燃焼域より下流部に反応域を設けるように、1〜2
重管目のノズルは3〜5重管目のノズルより突出させ
る。このようにすれば、金属酸化物粒子が火炎の影響を
受けない場所で生成するので、還元性雰囲気中で低次酸
化物となるのを防ぐことができ、特に酸化チタンの場
合、白色度の高いものが得られる。突出ノズルの突出部
の長さは、熱の放散を防ぐため、突出ノズルの目的を損
なわない範囲で、できるだけ火炎に近づけるのが好まし
い。
【0014】1重管目のノズルから金属ハロゲン化物含
有ガスを乱流状態または乱流過渡状態となるように反応
域に供給することにより、燃料ガスの燃焼により生成し
た反応域内の水分と急速に混合、反応して均一な小粒子
径の金属酸化物を得ることができる。供給速度は、乱流
または乱流過渡状態となる速度であれば特に制限はない
が、30〜300m/秒の範囲が好ましい。供給速度が
上記範囲より速いとノズル部分での圧損が大きくなり、
装置の耐久性の点で好ましくなく、また遅いと層流状態
となり、高温滞留時間が長くなり生成する粒子が大きく
なるため好ましくない。1重管目のノズルからの反応域
への供給速度は1重管目のノズルの口径もしくは、ノズ
ル先端の口径を変化させることにより制御することがで
きる。
【0015】2重管目のノズルより洗浄用ガスを供給す
ることにより、1重管目のノズル表面へのヒゲ状の金属
酸化物の付着、析出を防止できる。連続的に加水分解反
応を行うには、このような付着防止対策を取ることが必
要である。洗浄用ガスは水分が0.2重量%以下の不燃
性乾燥気体であれば、窒素、炭酸ガスなどの不活性ガス
または空気などの酸素含有ガスなどのいずれでもよい。
また、反応に関与するものではないので、供給量はでき
るだけ少量にすることが望ましく、好ましい供給速度は
0.5〜5m/秒である。
【0016】3重管目及び5重管目のノズルから供給す
る燃料の支燃用の酸素含有ガスは、4重管目のノズルよ
り供給される燃料ガスと燃焼反応して火炎を形成し、水
を生成する。燃焼を支配しているのは5重管目のノズル
より供給される酸素含有ガスであるが、燃焼を円滑に行
うには3重管目のガスも必要である。3重管目の支燃用
ガスの供給は層流状態でもよい。5重管目のガスを渦巻
状に旋回させながら供給することで、燃料ガスと支燃用
ガスとの接触を良好にし、燃料の燃焼性をさらに向上さ
せることもできる。さらに、燃焼速度を上げて早期に完
全燃焼させるために、燃料ガスに予め酸素含有ガスを混
合しておくのが好ましい。
【0017】本発明においては、反応域と燃焼域の周囲
に壁面を設けて燃焼保護管とし、該保護管内で燃焼反応
及び加熱加水分解反応を行うことが望ましい。燃焼保護
管は燃焼域及び反応域が外気と接触しないようにし、熱
が拡散して温度が低下するのを防ぐことが目的である。
燃焼保護管の使用により、燃焼域と異なる場所にあって
も、加熱加水分解反応に必要な熱量を反応域に確保でき
るばかりでなく、反応域の温度を燃料ガスの反応熱の理
論計算値と同等まで上げることができるので経済的に非
常に有利であり、装置の大型化にも対応が容易である。
燃焼保護管には大きさ、形状、材質とも特に制限は無い
が、熱の拡散を有効に防ぐには、例えば上記5重管バー
ナーノズルの最も外側の管を反応域まで延長することも
できる。また、燃焼保護管を長くすれば、反応域を大き
く取れ、加水分解反応を十分に行うことができるが、長
過ぎると生成した金属酸化物粒子が焼桔によって大粒子
化する。
【0018】さらに、本発明は、前記加熱加水分解反応
で生成した金属酸化物を、フィルターを用いて分離する
ことを特徴とする金属酸化物の製造方法である。フィル
ターとしては、バグフィルター,セラミックフィルター
等を用いることができる。バグフィルターを用いる場合
は、その耐熱温度が200℃程度であるので、500〜
900℃の高温になる反応後の金属酸化物を含有するガ
スを一旦冷却した後、バグフィルターで金属酸化物を分
離する。セラミックフィルターを用いると、バグフィル
ターに比べて耐熱性が高いため、該ガスを一旦冷却する
ことなく連続的に操業できるため好ましい。補集した金
属酸化物粒子をフィルターより分離、回収するには、一
般的にはフィルターに空気等を逆流させる、いわゆる逆
洗を行うが、この逆洗を火炎の燃焼中に行うと、燃焼を
不安定にしたり、消火に至る場合もある。しかし、本発
明において燃焼保護管を用いた場合、逆洗を行っても火
炎は安定しているので、長時間の連続操業が可能とな
る。
【0019】このようにして回収された金属酸化物粒子
には、原料となる金属ハロゲン化物に由来するハロゲン
化水素が含まれている。例えば、金属ハロゲン化物とし
て塩化物を用いた場合、塩酸を含有しているので、最終
製品として仕上げるには350〜700℃の温度で焼成
して塩酸を除去することが好ましい。
【0020】本発明方法によって得られる金属酸化物
は、金属ハロゲン化物を火炎の影響を受けない場所で加
熱加水分解するので、低次酸化物を殆ど含まず、白色度
が優れている。さらに、金属ハロゲン化物含有ガスを高
速で反応域に供給することにより、高温の反応域での滞
留時間が短くなるので、焼結による凝集がきわめて少
く、従来技術より粒子径の小さい微細な粒子が得られ
る。例えば、本発明で得られた酸化チタンの場合、白色
度に優れ、平均粒子径が0.1μm以下、特に0.04
μm以下という微粒子で、さらに非結晶性成分が少な
く、アナターゼ形の結晶を有するものであって、光触媒
活性の高いものである。
【0021】次に、本発明を図1に基づいて説明する。
金属ハロゲン化物(a)をフィードポンプ(1)で定量
的に石英ガラス製蒸発器(2)に供給する。蒸発器を加
熱し、ここで金属ハロゲン化物を蒸発させる。蒸発器に
は金属ハロゲン化物と並流でキャリアガス(b)を供給
し、金属ハロゲン化物含有ガスはこのキャリアガスと混
合した状態で取り出される。本発明においてバーナーは
同心円5重管型(3)で、1重管目のノズルより金属ハ
ロゲン化物含有ガス(c)を、2重管目のノズルより洗
浄用として不燃性乾燥気体(d)を、それぞれ反応域
(5)に供給し、3重管目と5重管目のノズルより、酸
素含有ガス(e)、(g)を、4重管目のノズルより酸
素含有ガスを混合した燃料ガス(f)を、それぞれ燃焼
域(4)に供給する。最も内側の1重管目のノズルの先
端部を2〜5mmφに絞って金属ハロゲン化物含有ガス
の供給速度を制御した。このノズルから金属ハロゲン化
物含有ガスを30〜300m/秒の高速で乱流状態また
は乱流過渡状態となるように反応域(5)に供給する。
1重管目と2重管目のノズルは燃焼域(4)から分離し
た反応域(5)まで突出させる。また、バーナーノズル
の最も外側の管を延長して燃焼保護管(6)とする。生
成した金属酸化物粒子は、フィルター(7)を用いて分
離、回収する。
【0022】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに説明する
が、これらは本発明を限定するものではない。
【0023】実施例1 260℃に加熱した蒸発器に、四塩化チタンを4175
g/時、キャリアガスとして窒素を5280ノルマルリ
ットル/時で供給し、四塩化チタン/窒素=1/10
(容積比)の四塩化チタン含有ガスを製造した。
【0024】5重管目のノズルの外壁をノズル口より1
20mm延長して燃焼保護管とした。燃焼保護管はいず
れも石英ガラス製である。内径9.5mmφの1重管目
のノズルの先端部を4.2mmφに絞り、このノズルか
ら上記の四塩化チタン含有ガスを乱流状態になるように
160m/秒の速度で反応域内に供給し、洗浄用ガスと
して乾燥空気を600ノルマルリットル/時で2重管目
のノズルから反応域内に供給した。これら1重管目及び
2重管目のノズルは、いずれも3〜5重管目のノズルよ
り50mm突出させた。3重管目のノズルより酸素含有
ガスとして空気を3000ノルマルリットル/時で、5
重管目のノズルより該空気を渦巻状に旋回させて120
00ノルマルリットル/時で、4重管目のノズルより燃
料ガスとしてプロパン(380ノルマルリットル/時)
と空気(1800ノルマルリットル/時)の混合ガス
を、それぞれ燃焼域内に供給し、燃焼させて反応域内で
四塩化チタンを加熱加水分解反応させ、酸化チタン(試
料A)を得た。生成した酸化チタン粒子は、セラミック
フィルターを用いて補集し、加水分解反応中に該フィル
ターを30秒間隔で逆洗を行うことで回収した。尚、こ
のときの反応域の温度は1000℃であった。
【0025】実施例2 実施例1で得られた試料A 10gをルツボに入れ、電
気炉で400℃、1時間焼成し、試料Bを得た。このも
のの白色度(L値)は、後記の評価法で測定した結果、9
9.9であった。
【0026】比較例1 260℃に加熱した蒸発器に、四塩化チタンを950g
/時、キャリアーガスとして窒素を1200ノルマルリ
ットル/時で供給し、四塩化チタン/窒素=1/10
(容量比)の四塩化チタン含有ガスを製造した。バーナ
ーは、同心円4重管型で、各ノズルの先端は同位置にあ
る通常の装置を使用し、内径20mmΦの1重管目のノ
ズルの先端を2mmΦに絞り、160m/秒の速度で四
塩化チタン含有ガスを乱流状態となるように反応室に供
給した。酸素含有ガスとして乾燥空気を2重管目のノズ
ルより3600ノルマルリットル/時で、4重管目のノ
ズルより12000ノルマルリットル/時でそれぞれ反
応室に供給し、3重管目のノズルより燃料としてプロパ
ンを530ノルマルリットル/時で反応室に供給して、
四塩化チタンを加熱加水分解させ、酸化チタン(試料
C)を得た。このときの反応室の温度は1000℃であ
った。
【0027】比較例2 市販の超微粒子二酸化チタンP-25(デグッサ社製)
を試料Dとする。
【0028】評価1 試料の比表面積をフローソーブ モデル2300流動式
比表面積自動測定装置(島津製作所(株)製)を用いて
測定した。
【0029】評価2 試料のルチル含有率をX線解析装置 RAD−2CV型
(リガク社(株)製)を用いて測定した。
【0030】評価3 試料5gを、44.9重量%硫酸と30重量%過酸化水
素との5:1混合液150cc中で5分間煮沸した後、
試料を濾別し、溶液中のTiO2量を分光光度計U−3
200型(日立製作所製)を用いて測定して酸溶解率を
求め、これを非結晶成分量とした。
【0031】評価4 試料の光触媒活性をアセトアルデヒドの分解活性で評価
した。アセトアルデヒド濃度はガスクロマトグラフィー
GC−14A型(島津製作所(株)製)を用いて測定
した。
【0032】評価5 試料の白色度を粉体色で評価した。アルミリング(内径
33mmφ、厚5mm)に充填した試料2gをプレス機
にて200kg/cm2 の圧力で10秒間圧縮成形し、
この成形体の明度(L)をカラーコンピューター SM
−5型(スガ試験機(株)製)を用いて測定した。
【0033】評価1〜5の結果を表1に示す。
【表1】 * アセトアルデヒドの分解反応速度定数
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明は、火炎の存在し
ない場所で加熱加水分解反応を行うので、得られる金属
酸化物は低次酸化物を殆ど含まず、さらに、金属ハロゲ
ン化物含有ガスを高速で反応域に供給することにより、
高温滞留時間が短くなるので、焼結による凝集がきわめ
て少く、従来技術より、粒子径の小さい微細な金属酸化
物粒子が得られる。従って、金属ハロゲン化物として四
塩化チタンを用いて得られる二酸化チタンは、白色度が
高く、非結晶性成分が少なく、且つ光触媒活性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の装置構成を示す。
【符号の説明】 (1)ポンプ (2)蒸発器 (3)同心円5重管バーナー (4)燃焼域 (5)反応域 (6)燃焼保護管 (7)フィルター (a)金属ハロゲン化物 (b)キャリアガス(不活性ガス) (c)金属ハロゲン化物含有ガス (d)不燃性乾燥気体 (e)酸素含有ガス(支燃用) (f)燃料ガス (g)酸素含有ガス(支燃用) (h)排ガス (i)金属酸化物粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G042 DA01 DB10 DB11 DB22 DB24 DB26 DC03 DD04 DD08 DE04 4G047 CA02 CB04 CC03 CD03 4G069 AA02 AA03 BA04A BA04B BA48A FB34 4G075 AA27 BA05 BD09 CA02 CA62 CA63 EC01 EC07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)燃料ガスと酸素含有ガスとを燃焼域
    に供給して燃焼反応させ、(2)金属ハロゲン化物含有
    ガスを乱流状態または乱流過渡状態になるように、該燃
    料ガス及び該酸素含有ガスの進行方向に対して燃焼域よ
    り下流部にある反応域に供給し、(3)金属ハロゲン化
    物含有ガス供給口の周囲に不燃性乾燥気体を供給しなが
    ら、(4)金属ハロゲン化物と燃焼反応により生成する水
    とを400〜1500℃の温度下で接触させ加熱加水分
    解反応させることを特徴とする金属酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】金属ハロゲン化物含有ガスを30〜300
    m/秒の速度で反応域に供給することを特徴とする請求
    項1記載の金属酸化物の製造方法。
  3. 【請求項3】反応域と燃焼域が壁面で囲まれていること
    を特徴とする請求項1記載の金属酸化物の製造方法。
  4. 【請求項4】金属ハロゲン化物含有ガス、不燃性乾燥気
    体、燃料ガス及び酸素含有ガスの供給を、最も内側の1
    重管目及び2重管目のノズルの先端を燃焼域から突出さ
    せた同心円5重管バーナーを用いて行い、1重管目のノ
    ズルより金属ハロゲン化物含有ガスを供給し、2重管目
    のノズルより不燃性乾燥気体を供給し、3重管目及び最
    も外側の5重管目のノズルより酸素含有ガスを供給し、
    4重管目のノズルより燃料ガスを供給することを特徴と
    する請求項1記載の金属酸化物の製造方法。
  5. 【請求項5】金属ハロゲン化物含有ガスが金属ハロゲン
    化物と不活性ガスまたは乾燥空気との混合ガスであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の金属酸化物の製造方法。
  6. 【請求項6】燃料ガスに酸素含有ガスを混合して燃焼域
    に供給することを特徴とする請求項1記載の金属酸化物
    の製造方法。
  7. 【請求項7】不活性ガスが窒素であることを特徴とする
    請求項1記載の金属酸化物の製造方法。
  8. 【請求項8】不燃性乾燥気体が空気または窒素であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の金属酸化物の製造方法。
  9. 【請求項9】加熱加水分解で得られた金属酸化物をフィ
    ルターを用いて分離することを特徴とする請求項1記載
    の金属酸化物の製造方法。
  10. 【請求項10】セラミックフィルターを用いて連続的に
    分離することを特徴とする請求項9記載の金属酸化物の
    製造方法。
  11. 【請求項11】金属ハロゲン化物が四塩化チタンであ
    り、金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする請
    求項1記載の製造方法。
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