JP7189096B2 - 無機酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バーナを用いた気相燃焼法を利用した無機酸化物粒子生成工程と、パルスジェット式ろ過集塵装置を用いて生成粒子を捕集する工程を含む無機酸化物粉末の製造において、当該無機酸化物粉末を連続して安定的に製造する方法に関する。
多重管バーナを用いて原料を燃焼させ、シリカ等の無機酸化物粉末を生成させる気相燃焼法は広く知られている。
当該気相燃焼法で無機酸化物粒子を生成させる多重管バーナとして、少なくとも、中心管、中心管の外周に形成された第1環状管、第1環状管の外周に形成された第2環状管、を有するバーナを用いることができるのは公知である。そして、当該バーナの中心管に無機酸化物の原料を含有するガスを供給し、第1環状管に水素あるいは炭化水素を可燃性成分として含有するガスを供給し、第2環状管に酸素を含有するガスを供給することも公知である(特許文献1)。
このような多重管バーナを用いた気相燃焼法を利用した無機酸化物粒子の製造において、パルスジェット式ろ過集塵装置により生成粒子の捕集を行うことも知られている(特許文献2)。
また、当該多重管バーナを用いた無機酸化物粉末の製造にあたり、火炎をバーナ先端に定着させ、安定燃焼、安定運転、安定操業することを目的に、第2環状管の出口ガス流速を5~50Nm/sにすること、さらに好ましくは10~30Nm/sにすること、第2環状に供給するガスを酸素単独にすることも公知である(特許文献3)。
気相燃焼法により生成した粒子は、一般にろ過集塵装置を用いて回収される。生成粒子はろ過集塵装置のろ過材上に堆積していくので、これを払い落として回収する必要がある。
ろ過集塵装置の粉末払い落とし法には、パルスジェット式、振動式や逆洗式等がある。振動式や逆洗式では、払い落とし前に、ろ過材上流から下流への無機酸化物粒子を含むガスの流通を一旦停止する必要がある。
一方、パルスジェット式ろ過集塵装置による無機酸化物粉末の捕集は、ろ過材の下流側からろ過材上流側に高圧ガスを瞬間的(0.2~1.0秒間)に噴出し、ろ過材上流側に堆積した無機酸化物粒子からなる粉末を払い落すことでなされる(特許文献2、非特許文献1)。そのため、パルスジェット式の場合には、ガスの流通を一旦停止する必要はない(非特許文献1)。
つまり、振動式や逆洗式は、流通、流通停止、払い落とし、再流通が繰り返されるバッチ式であるのに対し、パルスジェット式は流通停止操作が不要な連続式である。従って、得られる無機粉末の品質安定性、運転の安定性、生産効率の観点で、断続操作のないパルスジェット式は優れた方式である。
特開2008-19157号公報 特開2010-53001号公報 特開2014-152048号公報
林恒美 編、「粉体技術ポケットブック 初版」、工業調査会、1996
パルスジェット式ろ過集塵装置による生成粒子の捕集方法そのものは、安定性や効率に優れる利点があるが、これを、バーナを用いた気相燃焼法と組み合わせたとき、粉末払い落としの際の高圧ガスの瞬間的な噴出に起因するガスの逆流が必然的に生じるため、バーナ出口に形成された火炎が吹き消えるおそれがあり、このような現象が生じると、安定性、効率性、安全性を著しく損ねるという課題があった。
従って、本発明の目的は、バーナを用いた気相燃焼法を利用した無機酸化物粒子生成工程とパルスジェット式ろ過集塵装置による生成粒子の捕集工程を含む無機酸化物粉末の製造において、火炎の吹き消えを防止することで、安定性、効率性、安全性に優れた工業的な製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記技術課題を解決すべく、多重管バーナを用いた気相燃焼法を利用した無機酸化物粒子生成工程とパルスジェット式ろ過集塵装置による生成粒子の捕集工程を含む無機酸化物粉末の製造方法に対し、燃焼条件とバーナ周辺部の逆流が火炎に与える影響について鋭意検討を行った結果、火炎が吹き消えることなく安定に燃焼が継続する条件を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも中心管、中心管の外周に形成された第1環状管及び第1環状管の外周に形成された第2環状管を有する多重管バーナを用い、
当該多重管バーナの前記中心管からは無機酸化物の原料を含有するガスを、第1環状管からは水素及び/又は炭化水素を可燃性成分として含有するガスを、第2環状管からは酸素を含有するガスを供給し、燃焼室で燃焼させることにより無機酸化物粒子を生成させる工程、及び
生成した無機酸化物粒子をパルスジェット式ろ過集塵装置により捕集する工程、
を含む気相燃焼法による無機酸化物粉末の製造方法において、
以下の条件を全て満足する状態で運転を行うことを特徴とする無機酸化物粉末の製造方法である。
(1)前記第2環状管に供給する酸素を含有するガスにおける酸素濃度が45体積%以上
(2)下記式で定義される逆流速Vに対する、前記第2環状管の出口におけるガス流速Vの比(V/V)が0.3以上
= [2ΔP/ρ]1/2
(上記式中、ΔPは前記ろ過集塵装置でのパルスジェット噴射時と非噴射時の燃焼室内の圧力差(Pa)、ρは標準状態での空気の質量密度で1.29kg/Nmである。)
本発明においては、上記第2環状管出口ガス流速Vが10~20Nm/sであることが好ましい。
本発明によれば、バーナを用いた気相燃焼法による無機酸化物粉末を、品質安定性、運転安定性、生産効率性、安全性、保安性を保って工業的に安価に製造することができる。
本発明の製造方法を実施する設備の代表例を示す模式図である。 パルスジェット式ろ過集塵装置での粉末払い落としの際の高圧ガス瞬間噴出により生じるバーナ周辺の圧力変動を示す模式図である。
本発明は多重管バーナを用い、気相燃焼法を利用して無機酸化物粒子を生成させる工程と、生成した粒子をパルスジェット式ろ過集塵装置により捕集する工程を含む。以下、これらについて詳細に説明する。
本発明における製造対象は気相燃焼法により製造可能な無機酸化物粒子であれば特に限定されない。具体的には、シリカ、チタニア、アルミナ等の単独酸化物や、これらが組み合わさった複合酸化物の製造に適用できる。
本発明において用いるバーナは、少なくとも中心管、中心管の外周に形成された第1環状管及び第1環状管の外周に形成された第2環状管を有する多重管バーナである。
当該多重管バーナの前記中心管からは無機酸化物の原料を含有するガスを、第1環状管からは水素及び/又は炭化水素を可燃性成分として含有するガスを、第2環状管からは酸素を含有するガスを供給し、燃焼室で燃焼させる。
このような構成を採用すると、中心管が原料の反応と粒子生成をつかさどり、第1環状管が保炎をつかさどり、第2環状管が原料の反応と粒子生成、加えて保炎をつかさどる。中心管単独、あるいは中心管と第1環状管のみの構成では自由度が足らず、反応、粒子生成、保炎が両立しない。このため、少なくとも、第2環状管まで有することが特に重要である。なお、目的に応じ、第2環状管の外周に第3環状管を設けてもよく、さらに、第3環状管の外周に第4環状管を設置してもよい。第4環状管以降の環状管の形成も同様である。
上記中心管に供給する無機酸化物の原料としては、製造対象とする無機酸化物に応じて公知の原料を採用すればよい。具体的には、無機酸化物がシリカであれば、クロロシラン、シロキサン、ケイ素粉末等が、チタニアであれば四塩化チタン等が、アルミナであれば三塩化アルミニウム等が挙げられる。
中心管に供給されるガスには、上記のような無機酸化物の原料以外に、当該原料のバーナへの供給を円滑にし、また良好な火炎状態を保つために、さらには生成粒子が所望の特性を獲得するように、窒素、水素、酸素等の他のガスが原料と混合されていてもよく、気相燃焼法における公知の技術を適宜選択して適用することができる。
中心管のガス供給について、より具体的にシリカ粒子生成を例にとって示すと、クロロシランの火炎加水分解によりシリカを生じさせるのであれば、四塩化ケイ素と水素と酸素と窒素の混合ガスの供給が、シロキサンの燃焼によりシリカを生じさせるのであれば、オクタメチルシクロテトラシロキサンと酸素と窒素の混合ガスの供給が挙げられる。
なお、中心管以外の管、すなわち環状管に原料を含有するガスを供給すると、環状管は管の断面積当たりのリム長・縁長が長いため、無機酸化物粒子が析出しやすく、不適である。
本発明においては、第1環状管には保炎を目的に水素及び/又は炭化水素を可燃性成分として含有するガスを供給する。当該第1環状管に供給されるガスには、水素及び/又は炭化水素の燃焼反応速度の制御等を目的とした供給体積濃度調整のために、窒素等の不活性ガスが混合されていてもよい。具体例としては、水素単独、炭化水素単独、水素と炭化水素の混合ガス、水素と窒素の混合ガス、等の供給が挙げられる。
不完全燃焼によるカーボン煤の発生がなく、よってカーボンが無機酸化物粉末にコンタミとして混入する可能性を低減できるため、可燃性成分としては水素が好ましい。
第2環状管からは、後述する理由により濃度45体積%以上で酸素を含有するガスを供給する。
バーナに供給された上記の各ガス成分は、バーナ先端から燃焼室内部へ吐出されつつ燃焼させられ、そこで生じた高温の反応場で前記原料から無機酸化物粒子を生じる。生成した無機酸化物粒子を含むガスは配管等を通じて後述するろ過集塵装置へと移送される。
本発明の実施にあたっては、前記中心管、第1環状管及び第2環状管から供給される無機酸化物の原料、可燃性成分、酸素及びその他のガス成分の濃度や供給量、燃焼条件は、後述する2つの条件を満足する範囲で、3重管以上の多重管バーナを用いて気相燃焼法で無機酸化物を製造する公知の方法に従い、適宜設定すればよい。
本発明においては、燃焼室内で生成した無機酸化物粒子を、併存する燃焼ガス等と分離して粉末として回収するために、ろ過集塵装置による生成粒子の捕集工程を実施するが、本発明では、当該捕集工程においてはパルスジェット式ろ過集塵装置を使用する。パルスジェット式ろ過集塵装置を用いる利点は前述の通りである。
本発明においては、パルスジェット式ろ過集塵装置であれば、特に制限なく使用でき、その運転条件も用いる装置に応じて適宜設定すればよい。ろ過材も捕集工程の温度や圧力に応じ適宜選定すればよい。ろ過材の例として、フッ素樹脂等の耐熱樹脂フィルター、焼結金属フィルター、セラミックスフィルターが挙げられる。
パルスジェット式ろ過集塵装置を用いて生成粒子を回収する場合、バーナ炎の吹き消えを防止し、安定して連続的に無機酸化物粒子を製造するためには、以下の2つの条件を満たす必要がある。
即ち第一の条件は、前記の通り第2環状管に供給する酸素を含有するガスにおける酸素濃度を45体積%以上とすることである。当該濃度が45体積%を下回ると、第1環状管に供給した可燃性成分との間の反応活性が低すぎて、燃焼反応を維持できず、バーナ先端に火炎を定着させられず、保炎できない。言い換えると、酸素濃度が45体積%を下回る場合、後述するパルスジェット式ろ過集塵装置での高圧ガスの瞬間的な噴出によるろ過材上の無機酸化物粉末の払い落とし操作で生じる逆流によって、火炎が吹き消え、製造運転を継続できないおそれが高まる。なお、酸素濃度の調整方法としては、純酸素を窒素あるいは空気で希釈する方法が挙げられるが、保炎の点では希釈なしの酸素単独、すなわち酸素濃度100体積%が好ましい態様である。
そして第二の条件は、下記式で定義される逆流速Vに対する、第2環状管の出口におけるガス流速Vの比(V/V)を0.3以上とすることである。
= [2ΔP/ρ]1/2
(上記式中、ΔPは前記ろ過集塵装置でのパルスジェット噴射時と非噴射時の燃焼室内の圧力差(Pa)、ρは標準状態での空気の質量密度で1.29kg/Nmである。)
以下に各因子について詳述するが、V/Vを0.3以上とする意義について簡単に述べると、パルスジェット噴射時に生じてしまう、バーナ炎を吹き消す方向に働くガスの動き(本発明では逆流速Vとして把握する)に対して、バーナからのガスの流速を速くすることにより火炎の吹き消えを防止せんとするものである。バーナは中心管、第1環状管及び第2環状管を有するが、本発明者等の検討によれば、上記効果には、第2環状管の出口におけるガス流速Vが決定的な役割を果たす。当該V/Vは、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上である。
第2環状管出口ガス流速Vは、第2環状管出口ガス体積流量と第2環状管出口断面積から算出される。第2環状管出口ガス体積流量は標準状態(0℃、大気圧)に換算した値を用いる。第2環状管出口ガス流速Vの単位は逆流速Vと同じくNm/sである。
上記式において、ΔPは前記ろ過集塵装置でのパルスジェット噴射時と非噴射時の燃焼室内の圧力差(Pa)である。バーナ炎は燃焼室内に形成されているが、当該燃焼室は、生成した粒子を移動させるためにパルスジェット式ろ過集塵装置と配管等で繋がっている。そしてパルスジェット式ろ過集塵装置においては、ろ過材上の無機酸化物粉末を払い落とすために、ろ過材の下流側からろ過材上流側に高圧ガスを瞬間的に噴射させるが、この噴射により燃焼室に向かっての逆流が発生する。そのため燃焼室内の圧力は、パルスジェットを噴射していない状態のときよりも、パルスジェット噴射時の方が高くなる。本発明では、このようにして生じるパルスジェット噴射時の燃焼室内の圧力値(Pa)から、非噴射時の燃焼室内の圧力値(Pa)を引いた値を圧力差ΔPとして用いる。
なお、パルスジェット式ろ過集塵装置と燃焼室には必然的に空間的な距離があるから、燃焼室内の圧力変動はパルスジェットの噴射とは若干のライムラグがある。上記パルスジェット噴射時の燃焼室内の圧力とは、パルスジェット噴射後、燃焼室内の圧力が最も高くなった時点での値をいう(図2参照)。
また、燃焼室はバーナの吐出口等のガス供給口及びろ過集塵装置への出口配管接続部を除き閉鎖系のため、パスカルの法則に従えば原理上は燃焼室内の圧力は測定部位によらず同一であるが、出口配管接続部周辺は、上記逆流が生じた瞬間の圧力が均一化される前の状態の影響が出やすい。よって、上記圧力は燃焼室内の出口配管接続部から離れた箇所で測定する方がより正確性が高い。具体的には、燃焼室の空間をバーナ接続部を含む空間と、出口配管接続部を含む空間とに体積的に半分ずつに分け、そのうちのバーナ接続部を含む空間側で圧力を測定することが正確性の点で好ましい。さらには、バーナは燃焼室の上端側に、出口配管接続部は下端側に設け、圧力はバーナを設ける上端で測定することがより好ましい(図1参照)。
上記ΔPは下記式で定義される動圧の考えに基づき、圧力変動(圧力差)=動圧と捉えることで、流体の質量密度ρを用いてガス流速、すなわち、逆流速Vに換算できる。
動圧 = (1/2)×ρ×(ガス流速)
よって、
ΔP = (1/2)×ρ×V
そしてこの式を、Vを求める下記式のかたちに改めれば、測定された圧力差ΔPから逆流速Vを求めることができる。
= [2×ΔP/ρ]1/2
また本発明の実施に際しては、上記ρとして、標準状態での空気の質量密度(1.29kg/Nm)を用いれば、事実上問題のない精度で逆流速Vを算出することができる。
本発明の製造方法を適用すれば、パルスジェット式ろ過集塵装置を用いても炎が吹き消えることなく安定に燃焼が継続するため、品質安定性、運転安定性、生産効率性、安全性、保安性を保って無機酸化物粉末を工業的に安価に製造することができる。
なおバーナの供給ガス流そのものに起因する火炎流の乱れが品質安定性に与える影響を考慮すると、品質安定性の観点で第2環状管出口ガス流速Vは10~20Nm/sであることがさらに好ましい。
本発明を具体的に説明するために実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各実施例・比較例では、いずれも中心管と、第1から第3の3つの環状管を有する同心円4重管バーナA、又はバーナBを用いた。バーナAとバーナBとでは、中心管と第1環状管は同一であるが、第2環状管の断面積(ガス出口面積)が、バーナAは、バーナBの4.2倍となるように構成されている。従って、同一流量のガスを供給した場合には、バーナBの第2環状管出口ガス流速はバーナAの4.2倍となる。また、バーナAとバーナBとでは第2環状管と第3環状管の合計断面積は同一に設定している。
また各ガスの供給割合を示す略記は、各々以下の定義の通りである。
中心管RO = 中心管に供給した酸素のモル数/(16×中心管に供給した原料のモル数)
中心管ガス酸素濃度(%) =中心管に供給した酸素のモル数/(中心管に供給した酸素のモル数+中心管に供給した窒素のモル数)×100
第1環状管RH = 第1環状管に供給した水素のモル数/(32×中心管に供給した原料のモル数)
第1環状管ガス水素濃度(%) = 第1環状管に供給した水素のモル数/(第1環状管に供給した水素のモル数+第1環状管に供給した窒素のモル数)×100
第2環状管RO = 第2環状管に供給した酸素のモル数/(16×中心管に供給した原料のモル数)
第2環状管ガス酸素濃度(%) = 第2環状管に供給した酸素のモル数/(第2環状管に供給した酸素のモス数+第2環状管に供給した窒素のモル数)×100
/V =第2環状管出口ガス流速V/逆流速V
なお上記酸素濃度、水素濃度はモルで計算するが、同一の条件下では気体のモル濃度は体積濃度と等しいから、上記のモルを用いた計算結果をそのまま体積%の値とできる。
実施例1
バーナAを使用し、図1に模式図を示すような構成で反応器(バーナ+燃焼室)、パルスジェット式ろ過集塵装置及びその他付属機構を有する気相燃焼法による粉体製造装置を準備した。なおバーナは第2環状管の外周に形成された第3環状管も有しているが、図示はしていない。
バーナの中心管には加熱気化させたオクタメチルシクロテトラシロキサン原料と酸素と窒素を混合し200℃で供給した。バーナ第1環状管には水素と窒素を混合し150℃で供給、第2環状管には酸素を単独で150℃で供給した。第3環状管からは、中心管に供給したオクタメチルシクロテトラシロキサン量の33モル倍の空気を供給した。これらのガスの供給比率は表1に示した。
また燃焼室にはその側壁から空気を実質に均等に供給した。その空気の供給モル数は中心管に供給したオクタメチルシクロテトラシロキサン量の640モル倍とした。
ろ過材として焼結金属フィルターを使用したパルスジェット式ろ過集塵装置における、当該ろ過材からの粉末の粉末払い落し条件、即ち、高圧ガス噴出条件は、高圧ガスとして600kPaG(圧縮空気ドラム内圧)の圧縮空気を用い、電磁弁開閉時間(閉→開→閉に要する時間)を0.4sとすることにより、高圧ガス噴出時間を0.4sに制御して実施した。
上記噴出による燃焼室内の圧力変動(ΔP)は燃焼室上端のバーナ傍に設置した圧力計で計測した。当該ΔPから前記式によって算出される逆流速Vと、第2環状管に供給した酸素ガス量から算出されるVとから計算されるV/Vも合わせて表1に示した。
上記条件でオクタメチルシクロテトラシロキサンを燃焼させてシリカ粒子の製造運転を行ったところ、パルスジェット式ろ過集塵装置における粉末払い落とし、すなわち、高圧ガスの瞬間的な噴出の際にも、火炎は安定して燃焼し、製造運転を継続することができた。
実施例2~5、比較例1,2
実施例1と同一の装置を用い、中心管、第1環状管及び第2環状管からの各ガスの供給割合を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてオクタメチルシクロテトラシロキサンを燃焼させてシリカ粒子の製造を行った。また、その際のV/Vも合わせて表1に示した。
表1に示すように、第2環状管における酸素濃度を45体積%以上とし、かつV/Vが0.3以上とした実施例では、いずれも火炎は安定して燃焼し、製造運転を継続することができたが、この条件のどちらか一方を満たしていない比較例では、高圧ガスの瞬間的な噴出に起因する逆流により、直ちに火炎が吹き消え、製造運転を継続することができなかった。
Figure 0007189096000001
実施例6~8
バーナAをバーナBに付け替えた以外は実施例1と同一の装置を用い、各ガスの供給条件を表2記載の通りとしたことを除き、実施例1と同様に製造運転を実施した。実施例6~8においても、パルスジェット式ろ過集塵装置での高圧ガスの瞬間的な噴出の際にも火炎は安定して燃焼し、製造運転を継続することができた。
Figure 0007189096000002

Claims (2)

  1. 少なくとも中心管、中心管の外周に形成された第1環状管及び第1環状管の外周に形成された第2環状管を有する多重管バーナを用い、
    当該多重管バーナの前記中心管からはシリカの原料を含有するガスを、第1環状管からは水素及び/又は炭化水素を可燃性成分として含有するガスを、第2環状管からは酸素を含有するガスを供給し、燃焼室で燃焼させることによりシリカ粒子を生成させる工程、及び
    生成したシリカ粒子をパルスジェット式ろ過集塵装置により捕集する工程、
    を含む気相燃焼法によるシリカ粉末の製造方法において、
    以下の条件を全て満足する状態で運転を行うことを特徴とするシリカ粉末の製造方法。
    (1)前記第2環状管に供給する酸素を含有するガスにおける酸素濃度が45体積%以上
    (2)下記式で定義される逆流速Vbに対する、前記第2環状管の出口におけるガス流速V2の比(V2/Vb)が0.3以上
    Vb = [2×ΔP/ρ]1/2
    (上記式中、ΔPは前記ろ過集塵装置でのパルスジェット噴射時と非噴射時の燃焼室内の圧力差(Pa)、ρは標準状態での空気の質量密度で1.29kg/Nm3である。)
  2. V2が10~20Nm/sである請求項1記載のシリカ粉末の製造方法。
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