JP2000302124A - 紙器、段ボール箱等の中仕切 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一枚のシートのみで製作でき、しかも板紙シ
ート、Ｚフルート、Ｂフルート等の薄手のシートを用い
て、Ａフルート、Ｗフルート等の厚手のシート同様の強
度を保持し、且つ形状保持に優れた安定性のある中仕切
りを提供することにある。 【解決手段】 一枚の紙製シート１を中央で半折し、そ
の半折線上及び半折された両シートに、挿入する製品に
応じて、紙製シートの厚さ全部を切断する全切りｄ、紙
製シートの厚さの一部を切断する半切りｂ、及び折り曲
げを適宜施して、紙製シート２枚分の厚さの仕切壁部か
らなる中仕切りを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は紙器、段ボール箱等
の中仕切に関し、詳しくは一枚の紙製シートの切断、折
り曲げ等で製作する中仕切に関する。

【０００２】

【従来の技術】紙器、段ボール箱等のケースに製品を単
体、又は複数個を収納する場合、製品同士の接触による
傷及び破損、並びに物流、保管時に移動、振動、積み重
ね等の負荷による変形、破損を防ぐ為に緩衝材として様
々なものが用いられているが、簡単で、しかも製品同士
の接触などを防ぐ観点から仕切りが用いられている。

【０００３】その仕切は、段ボール紙又は板紙を用いて
図１５に示すように、二枚以上のシート13，14，15を井
桁に組み合わせて使用するもので、各シートに該シート
の厚さ分に相当する幅の溝16を複数個切欠き形成し、そ
の溝16を相互に組み合わせて形成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかして、二枚以上の
シートを井桁状に組み立てるには工数がかかる上に、組
み合わせる為の溝幅の切欠きによっては弛みを生じ、強
度を保持し得るものではなかった。その為、強度を必要
とする場合、強度のあるＡフルート強化シートや、Ｗフ
ルート等の厚いシートを使用せざるを得ず、その為に更
に組み立て工数を強いられるものであった。

【０００５】又、上記中仕切りに商品説明、部品説明、
或いは美粧性を持たせたい場合でも、一枚のシートの表
・裏の組み合わせの為、該シートに部分印刷、全面印刷
は不可能であった。即ち、従来の中仕切りは複数枚のシ
ートを組み合わせなければ完成させることはできず、し
かも複数の仕切りを要する場合は、溝の嵌合に工数が掛
かると同時に、一枚ずつの単体のシートの組み合わせの
為、不安定で、且つ仕切りが動く為、区画される空間も
変動し、従って仕切り内への製品挿入に時間を要すると
いった問題点を有する。

【０００６】本発明は、上記した従来の技術が有する問
題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところ
は、一枚のシートのみで製作でき、しかも板紙シート、
Ｅフルート、Ｂフルート等の薄手のシートを用いて、Ａ
フルート、Ｗフルート等の厚手のシート同様の強度を保
持し、且つ形状保持に優れた安定性のある中仕切りを提
供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
本発明が講じた技術的手段は、一枚の紙製シートを中央
で半折し、その半折線上及び半折された両シートに、挿
入する製品に応じて、紙製シートの厚さ全部を切断する
全切り、紙製シートの厚さの一部を切断する半切り、及
び折り曲げを適宜施して、紙製シート２枚分の厚さの仕
切壁部を区画形成した構成を特徴とする。上記中仕切り
に使用する紙製シートとしては、板紙シート、段ボール
シート等が挙げられ、段ボールシートの場合はＥフルー
ト，Ｂフルート等の薄手のシートを用いる。

【０００８】又、中仕切りに使用する段ボールシート
は、シートの目に平行に使用することにより強度を保持
することができる。そして、中仕切りの製作に使用する
シートの大きさは、製作しようとする中仕切りの高さの
２倍の大きさのシートを用い、その中心において半切り
（逆折り曲げ）、全切り（切断）の加工を施し、折り曲
げて密着した二重構造の仕切壁部を構成する。上記構成
によって形成される中仕切りの形態は、十字状（仕切り
個数：４個，仕切り個数：６個）の他に、仕切壁部で区
画された空間の外周を囲繞する周壁部を一体に備えた周
壁付中仕切り（四角形、三角形）、ハニカム形状等が挙
げられる。

【０００９】上記の手段によれば、一枚のシートを半折
し、且つその半折したシートを山折り、谷折りして仕切
壁部を形成する為、完成される中仕切りは全体が繋がっ
ており、薄手のシートで、Ａフルート，Ｗフルート（Ａ
＋Ｂフルート，Ａ＋Ａフルート，Ｂ＋Ｂフルート）等の
厚手のシートに匹敵する強度を持たせることが出来る。
又、シートの同一面が中仕切り組み立て時には表面にな
るため、従来不可能だった全面印刷が可能となり、美粧
性のある中仕切りを製作することが可能である。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１乃至図３は平面形状が十字状
をなした仕切り個数が４個の中仕切りを示し、１は中仕
切りを構成する紙製シートで、その紙製シート１の大き
さは、横幅を製品の寸法の約４倍の寸法とし、縦幅は必
要とされる仕切り高さの２倍の寸法とする。尚、図面で
はＢフルートの段ボールシートを材料シートとして使用
した状態を示している。

【００１１】そして、上記の材料シートにおける縦幅の
丁度中央で上下シート部１ａ，１ｂに区画し、その上下
シート部１ａ，１ｂの面に夫々横幅を４等分する押し罫
ａ、或いは、半切りｂを加工する。即ち、上下シート部
１ａ，１ｂの横幅の丁度中心部には半切り刃で少なくと
も内側のライナーのみを残して切断する半切りｂ1，ｂ
1’を施し、半切りｂ1，ｂ1’で区画された左右のシー
ト部分が内側のライナーで連結された状態とする。尚、
上記の半切りは外側のライナーのみを切断し、中芯原紙
と内側のライナーを切断せずに残す形態でも勿論よいも
のである。又、上下シート部１ａ，１ｂにおける前記半
切りｂ，ｂ’で区画された左右１／２横幅の中心部には
押し罫ａ1，ａ2、ａ1’，ａ2’を施し、該部位での折り
曲げ（谷折り）を容易にし得るようにする。

【００１２】更に、紙製シート１の縦幅を上下に二分割
する中心線上には、前記した左右の押し罫ａ1，ａ2（ａ
1’，ａ2’）の間はシートの肉厚全体を完全に切断する
全切り刃で上下に分離する全切り（切断）ｄを施し、押
し罫ａ1(ａ1’)，ａ2(ａ2’)とシート側縁との間には半
切り刃で前記と同様の半切りｂ2，ｂ2’を施す。

【００１３】上記の如く加工した紙製シート１を、上下
に二分割する全切りｄと半切りｂ2，ｂ2’とで半折し、
且つ上下シート部１ａ，１ｂは半切りｂ1，ｂ1’で山折
りし、更に押し罫ａ1，ａ2、ａ1’，ａ2’で谷折りする
ことで、図１に示す平面略十字状の中仕切りが完成さ
れ、その中仕切りを構成する十字状の仕切壁部２は紙製
シート１を２枚重ね合わせた厚さに形成される。

【００１４】図４及び図５は仕切り個数が６個で、上下
の各列に２個の仕切壁部が形成された中仕切りを示し、
該中仕切りを形成する紙製シート３の大きさは、横幅を
製品の寸法の約７倍の寸法とし、縦幅は必要とされる仕
切り高さの２倍の寸法とする。そして、前記した実施例
と同様、紙製シート３における縦幅の丁度中央で上下シ
ート部３ａ，３ｂに区画し、その上下シート部３ａ，３
ｂの面に夫々横幅を７等分する押し罫ａ、或いは、半切
りｂを加工する。即ち、上下シート部３ａ，３ｂの左右
両縁から夫々２／７の区分線上に半切り刃で少なくとも
内側のライナーのみを残して切断する半切りｂ1，ｂ2、
ｂ1’，ｂ2’を施し、半切りｂ1，ｂ2、ｂ1’，ｂ2’で
区画されたのシート部分が内側のライナーで連結された
状態とする。又、上下シート部１ａ，１ｂにおける前記
半切りｂ1，ｂ2、ｂ1’，ｂ2’とシート側縁とで区画さ
れた左右２／７横幅の中心部、及び上下シート部１ａ，
１ｂの半切りｂ1，ｂ2間、ｂ1’，ｂ2’間を３等分する
線上には押し罫ａ1，ａ2，ａ3，ａ4、ａ1’，ａ2’，ａ
3’，ａ4’を施し、折り曲げ（谷折り）を容易にし得る
ようにする。

【００１５】更に、紙製シート３の縦幅を上下に二分割
する中心線上には、紙製シート３の左右側縁から内側に
それぞれ横幅の１／７の位置から内側へ更に横幅の２／
７の位置まで（半切りｂ1（ｂ1'），ｂ2’（ｂ2’）を
挟む左右の押し罫ａ1（ａ1’），ａ3（ａ3’）との間、
ａ2（ａ2’），ａ4（ａ4’）との間）シートの肉厚全体
を完全に切断する全切り刃で上下に分離する全切り（切
断）ｄ1，ｄ1’を施し、押し罫ａ1（ａ1’），ａ2（ａ
2’）とシートの左右側縁との間、及び全切りｄ1，ｄ
1’の間には半切り刃で前記と同様の半切りｂ3，ｂ
3’、ｂ4を施す。

【００１６】上記の如く加工した紙製シート３を、上下
に二分割する全切りｄ1，ｄ1’と半切りｂ3，ｂ3’，ｂ
4とで半折し、且つ上下シート部３ａ，３ｂは半切りｂ
1，ｂ2、ｂ1'，ｂ2’で山折りし、更に押し罫ａ1，ａ
2，ａ3，ａ4、ａ1’，ａ2’，ａ3’，ａ4’で谷折りす
ることで、図４に示す平面略十字状の中仕切りが完成さ
れ、その中仕切りを構成する十字状の仕切壁部４は紙製
シート３を２枚重ね合わせた厚さに形成される。

【００１７】図６乃至図８は中仕切りの外周を囲繞する
周壁を一体に備えた周壁付四角仕切りで、縦・横３個づ
つの合計９個の四角形の中仕切りを区画形成する紙製シ
ート５は図７の展開図に示すように、四角形（正方形）
の仕切り空間（製品収容空間）の一辺の１６倍の長さを
横幅とし、縦幅は前記した実施例と同様、必要とされる
仕切り高さの２倍の寸法とする。

【００１８】そして、この紙製シート５の縦幅を上下に
二分割する中心線に沿って半切りｂと、全切りｄを図示
する如く施して上下シート部５ａ，５ｂを区画し、上シ
ート部５ａには横幅を１６等分する各線上に、押し罫ａ
と半切りｂを図示の如く施して四角仕切りを区画する仕
切り辺７ａ〜７ｐが形成され、下シート部５ｂには横幅
方向の一側から他側に向かって、中仕切りの外周を囲繞
する５個の周壁部６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ，６ｅを区画
する半切りｂと、周壁内に折り込んで中仕切りの二重区
画に貢献する仕切り辺７’が押し罫ａで区画形成されて
いる。本実施例の場合は、上下シート部５ａ，５ｂに区
画する中心線上に施した半切りｂ部分は、上下シート部
５ａ，５ｂが該部分で連結されて二重壁構造を呈し、製
品を完全に保護するに必要な強度を保持する。

【００１９】図９乃至図１１は異形の製品を収容する平
面略正三角形の中仕切りを示し、前示実施例と同様、中
仕切りの周囲を囲繞する３つの周壁を有するもので、平
面略正三角形の周枠の内部に、合計９個の正三角形の中
仕切りを区画形成する紙製シート８は図１０の展開図に
示すように、正三角形の仕切り空間（製品収容空間）の
一辺の１０倍（一辺は重合）の長さを横幅とし、縦幅は
前記した実施例と同様、必要とされる仕切り高さの２倍
の寸法とする。

【００２０】そして、この紙製シート８の縦幅を上下に
二分割する中心線に沿って半切りｂと、全切りｄを図示
する如く施して上下シート部８ａ，８ｂを区画し、上シ
ート部８ａには横幅方向の一側から他側に向かって、中
仕切りの外周を囲繞する４個の周壁部９ａ，９ｂ，９
ｃ，９ｄを区画する半切りｂが形成され、下シート部８
ｂには横幅を１０等分する各線上に、押し罫ａと半切り
ｂを図示の如く施して三角仕切りを区画する仕切り辺10
ａ〜10ｊが形成されている。尚、頂部の一辺のみ短冊状
のシート11を必要とするが、中仕切りのコーナーに挿入
する為、該シート11を定着する為の溝などは必要としな
い。本実施例の場合は、上下シート部８ａ，８ｂに区画
する中心線上に施した半切りｂ部分は、三角形周壁の各
辺の中央部で上下シート部８ａ，８ｂを連結して二重壁
構造を呈するため、十分な強度を備えた中仕切りが完成
される。

【００２１】図１２乃至図１４はハニカム形状の中仕切
りで、これも図１３及び図１４に示すように一枚のシー
トを半折し、且つ折り曲げ接合して形成されるものであ
る。即ち、所定の横幅、及び必要とされる仕切り高さの
２倍の寸法の縦幅を有した紙製シート12に、図１３に示
すように縦幅を上下に二分割する中心線に沿って半切り
ｂと、全切りｄを図示する如く施して上下シート部12
ａ，12ｂを区画し、その上下シート部12ａ，12ｂには横
幅方向の一側から他側に向かって、ハニカム形状（六角
形）を区画する押し罫ａと、半切りｂが図示の如く施さ
れている。そして、縦幅の中心線上に施された半切りｂ
部分が上下シート部12ａ，12ｂを連結し、図１２に示す
ハニカム形状の中仕切りが完成される。尚、図１２の仮
想線で示す中仕切りは同じものを2個並設した状態を示
し、中仕切りにおけるハニカム形状の頂部3ヶ所を接合
することで、壁面の一部は二重構造となる。

【００２２】

【発明の効果】本発明の中仕切りは、請求項１に記載の
構成により、従来2枚以上のシートで構成されていた中
仕切りを一枚のシートで加工成形することが可能とな
り、組み立ての際の煩わしさや、間違いが無く、従来の
作業と比較して工数を大幅に削減でき、作業の難易度を
大幅に改善することができる。そして、完成される中仕
切りは山折り、谷折りで中仕切りの各辺が構成され、し
かも半折したシート部は半切り部分で連結されている
為、Ｅフルート，Ｂフルート等の薄手のシートで、Ａフ
ルート，Ｗフルート等の厚手のシートに匹敵する強度を
付与することが出来る。更に、シートの同一面が中仕切
り組み立て時には表面に成る為、従来不可能だった全面
印刷が可能となり、今までにない美粧性を有した中仕切
りを製作することができる。又、請求項２、３に記載の
構成により、中仕切りの外周を囲繞する周壁部を一体に
備えた中仕切りを一枚のシートで構成でき、しかもその
周壁部と内側の中仕切りは部分的に連結されている為、
形状が安定し、十分な強度を備えた中仕切りが得られ
る。そして、従来不可能とされていた様々な形状の中仕
切りが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る中仕切りの実施の一例を示し、
十字状の中仕切りを示す斜視図である。

【図２】 図１の中仕切りを構成するシートの展開図で
ある。

【図３】 シートを半折した状態を示す同斜視図であ
る。

【図４】 ６相仕切りの実施例を示す斜視図である。

【図５】 図４の中仕切りを構成するシートの展開図で
ある。

【図６】 周壁付四角仕切りの実施例を示す斜視図であ
る。

【図７】 図６の中仕切りを構成するシートの展開図で
ある。

【図８】 （ａ）は同シートを半折し、下シート部（周
壁部）側から見た斜視図、（ｂ）は上シート部側から見
た斜視図である。

【図９】 周壁付三角仕切りの実施例を示す斜視図であ
る。

【図１０】 図９の中仕切りを構成するシートの展開図
である。

【図１１】 （ａ）は同シートを半折し、下シート部
（仕切り辺）側から見た斜視図、（ｂ）は上シート部
（周壁部）側から見た斜視図、（ｃ）は差込シートであ
る。

【図１２】 ハニカム形状の中仕切りを示す斜視図であ
る。

【図１３】 図１２の中仕切りを構成するシートの展開
図である。

【図１４】 同シートを半折した状態を示す斜視図であ
る。

【図１５】 従来の中仕切りを示す斜視図である。

【符号の説明】

１，３，５，８，12…紙製シート ａ…押し
罫 ｂ…半切り ｄ…全切り

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一枚の紙製シートを中央で半折し、その
   半折線上及び半折された両シートに、挿入する製品に応
   じて、紙製シートの厚さ全部を切断する全切り、紙製シ
   ートの厚さの一部を切断する半切り、及び折り曲げを適
   宜施して、紙製シート２枚分の厚さの仕切壁部を区画形
   成した紙器、段ボール箱等の中仕切。
2. 【請求項２】 上記中仕切が、仕切壁部を囲繞する周壁
   部を同一体に有することを特徴とする請求項１記載の紙
   器、段ボール箱等の中仕切。
3. 【請求項３】 上記中仕切を複数個、部分的に接合した
   請求項１記載の紙器、段ボール箱等の中仕切。