JP2000302122A - ブランクおよびその製造方法 - Google Patents
ブランクおよびその製造方法Info
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- JP2000302122A JP2000302122A JP11112399A JP11239999A JP2000302122A JP 2000302122 A JP2000302122 A JP 2000302122A JP 11112399 A JP11112399 A JP 11112399A JP 11239999 A JP11239999 A JP 11239999A JP 2000302122 A JP2000302122 A JP 2000302122A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ブランクの折り曲げ部分の紙剛性を向上し、折
り曲げ形状が明瞭で、成型性が良好なブランクおよびそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】紙製成型物を得るためのブランクにおい
て、ブランクの折り曲げ部分に設けられた罫線上あるい
は罫線近傍のみに樹脂溶液を塗工あるいは含浸すること
により、罫線近傍の紙剛性を向上させ、罫線部分の折り
曲げ降伏角度を小さくする。
り曲げ形状が明瞭で、成型性が良好なブランクおよびそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】紙製成型物を得るためのブランクにおい
て、ブランクの折り曲げ部分に設けられた罫線上あるい
は罫線近傍のみに樹脂溶液を塗工あるいは含浸すること
により、罫線近傍の紙剛性を向上させ、罫線部分の折り
曲げ降伏角度を小さくする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スナック菓子の紙
箱、調味料や缶ビールなどの個包装がなされたものを集
積包装するマルチパックの外装紙箱などの食料品や飲料
品、および小型家電製品の外装紙箱、粉末コンパクト洗
剤容器の紙箱などの包装資材の原紙に関するものであ
り、詳しくは、紙製成型物を得るためのブランクにおい
て、このブランクの折り曲げ部分に設けられた罫線で折
り曲げ形状が明瞭にかつ容易に得ることができるブラン
クおよびその製造方法に関するものである。
箱、調味料や缶ビールなどの個包装がなされたものを集
積包装するマルチパックの外装紙箱などの食料品や飲料
品、および小型家電製品の外装紙箱、粉末コンパクト洗
剤容器の紙箱などの包装資材の原紙に関するものであ
り、詳しくは、紙製成型物を得るためのブランクにおい
て、このブランクの折り曲げ部分に設けられた罫線で折
り曲げ形状が明瞭にかつ容易に得ることができるブラン
クおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への関心が大変高まって
おり、製品が廃棄されたときの易処理性は商品設計にお
いて重要なポイントとなっている。廃棄物の増加が大き
な社会問題になっており、リサイクル材料を使用した製
品の要求が高い。特に、リサイクル材を使用し、なおか
つ、焼却処理の容易な紙製品の需要が極めて大きい。ま
た、容器市場においても、金属缶やガラス瓶、プラスチ
ックボトルに代わって、紙を主材料とする容器が利用さ
れるケースが多くなってきた。
おり、製品が廃棄されたときの易処理性は商品設計にお
いて重要なポイントとなっている。廃棄物の増加が大き
な社会問題になっており、リサイクル材料を使用した製
品の要求が高い。特に、リサイクル材を使用し、なおか
つ、焼却処理の容易な紙製品の需要が極めて大きい。ま
た、容器市場においても、金属缶やガラス瓶、プラスチ
ックボトルに代わって、紙を主材料とする容器が利用さ
れるケースが多くなってきた。
【0003】プラスチック容器や金属容器に較べて、紙
容器は紙素材自体の強度が弱く変形しやすい。そのため
重量物の包装容器や、大きい圧力、荷重がかかる環境で
使用される場合には、要求される容器強度を満足に維持
できない場合がある。しかしながら、易廃棄性、リサイ
クル性に優れる紙製容器は、利用分野が広がるにつれ
て、より大きい強度物性が要求されている。
容器は紙素材自体の強度が弱く変形しやすい。そのため
重量物の包装容器や、大きい圧力、荷重がかかる環境で
使用される場合には、要求される容器強度を満足に維持
できない場合がある。しかしながら、易廃棄性、リサイ
クル性に優れる紙製容器は、利用分野が広がるにつれ
て、より大きい強度物性が要求されている。
【0004】また、環境問題、省資源化に対応するため
に、包装資材などに用いられるための原紙は、要求物性
を満たす範囲の中で、パルプ繊維の使用量を極力少なく
するためにパルプ繊維の長さが大きいバージンパルプが
選択使用されたり、故紙をリサイクルした再生パルプで
抄造された原紙であるために坪量が多少大きい原紙が使
用されたりしていた。
に、包装資材などに用いられるための原紙は、要求物性
を満たす範囲の中で、パルプ繊維の使用量を極力少なく
するためにパルプ繊維の長さが大きいバージンパルプが
選択使用されたり、故紙をリサイクルした再生パルプで
抄造された原紙であるために坪量が多少大きい原紙が使
用されたりしていた。
【0005】さらに故紙再生パルプの使用により、例え
ば強度物性などの紙自身の失われた物性を補うために、
パルプ繊維に目的とする機能を発現できる添加剤を施
す、いわゆる内添処方が従来から行われていた。そのた
め包装容器などの最終形態に要求される、例えば高剛性
化やはっ水性などの機能を備えるためには、抄紙段階の
時点から原紙材料の仕様決定が必要とされた。そのため
紙容器として要求される個々に対応することは困難であ
り、コストアップを招くものであった。
ば強度物性などの紙自身の失われた物性を補うために、
パルプ繊維に目的とする機能を発現できる添加剤を施
す、いわゆる内添処方が従来から行われていた。そのた
め包装容器などの最終形態に要求される、例えば高剛性
化やはっ水性などの機能を備えるためには、抄紙段階の
時点から原紙材料の仕様決定が必要とされた。そのため
紙容器として要求される個々に対応することは困難であ
り、コストアップを招くものであった。
【0006】そこで、コストアップを抑えながら使用目
的に適応すべく高機能化された原紙を得るため、一般グ
レードの紙に含浸加工を行った含浸加工紙を使用した包
装資材が、プラスチック容器や金属容器に代わり生産、
使用されることが多くなってきた。この含浸加工紙が利
用されることにより、容器個々に対応した機能が容易に
付与できるようになった。しかしながら、剛性がさほど
要求されない紙製容器においても成形する過程におい
て、折り曲げ加工段階で折り曲げ部に設けた罫線で明瞭
な折り曲げ形状が得られなく成形不良を生じてしまうこ
とがあった。この問題により、要求される強度は満たし
ているにもかかわらず、成型性の問題で、坪量が大きい
紙を使用せざるを得ないという問題が現状では少なくな
かった。
的に適応すべく高機能化された原紙を得るため、一般グ
レードの紙に含浸加工を行った含浸加工紙を使用した包
装資材が、プラスチック容器や金属容器に代わり生産、
使用されることが多くなってきた。この含浸加工紙が利
用されることにより、容器個々に対応した機能が容易に
付与できるようになった。しかしながら、剛性がさほど
要求されない紙製容器においても成形する過程におい
て、折り曲げ加工段階で折り曲げ部に設けた罫線で明瞭
な折り曲げ形状が得られなく成形不良を生じてしまうこ
とがあった。この問題により、要求される強度は満たし
ているにもかかわらず、成型性の問題で、坪量が大きい
紙を使用せざるを得ないという問題が現状では少なくな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決することを目的として、発明者らにより鋭意研究
の結果考案されたものであり、紙製成型物を得るための
ブランクにおいて、ブランクの折り曲げ部分の紙剛性を
向上し、折り曲げ形状が明瞭で、成型性が良好なブラン
クおよびその製造方法を提供することにある。
を解決することを目的として、発明者らにより鋭意研究
の結果考案されたものであり、紙製成型物を得るための
ブランクにおいて、ブランクの折り曲げ部分の紙剛性を
向上し、折り曲げ形状が明瞭で、成型性が良好なブラン
クおよびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の発明は、紙製成型物を得るためのブランクにおいて、
このブランクの折り曲げ部分に設けられた罫線上あるい
は罫線近傍のみに樹脂溶液を塗工あるいは含浸すること
により罫線近傍の紙剛性を向上させたことを特徴とする
ブランクである。
の発明は、紙製成型物を得るためのブランクにおいて、
このブランクの折り曲げ部分に設けられた罫線上あるい
は罫線近傍のみに樹脂溶液を塗工あるいは含浸すること
により罫線近傍の紙剛性を向上させたことを特徴とする
ブランクである。
【0009】次に、本発明の第2の発明は、第1の発明
に記載のブランクにおいて、前記樹脂溶液を塗工あるい
は含浸することにより罫線部分の折り曲げ降伏角度が小
さくなることを特徴とするブランクである。
に記載のブランクにおいて、前記樹脂溶液を塗工あるい
は含浸することにより罫線部分の折り曲げ降伏角度が小
さくなることを特徴とするブランクである。
【0010】次に、本発明の第3の発明は、第1の発明
に記載のブランクにおいて、前記樹脂溶液がブランクの
折り曲げ部の内面側から塗工あるいは含浸されたことを
特徴とするブランクの製造方法である。
に記載のブランクにおいて、前記樹脂溶液がブランクの
折り曲げ部の内面側から塗工あるいは含浸されたことを
特徴とするブランクの製造方法である。
【0011】そして、本発明の第4の発明は、第3の発
明に記載のブランクの製造方法において、前記ブランク
の表面加飾印刷工程とインライン工程で罫線近傍に前記
樹脂溶液を塗工あるいは含浸することを特徴とするブラ
ンクの製造方法である。
明に記載のブランクの製造方法において、前記ブランク
の表面加飾印刷工程とインライン工程で罫線近傍に前記
樹脂溶液を塗工あるいは含浸することを特徴とするブラ
ンクの製造方法である。
【0012】
【発明の実施形態】以下本発明の実施の形態について、
さらに詳細に説明する。まず、第1の発明は、紙製成型
物を得るためのブランクにおいて、このブランクの折り
曲げ部分に設けられた罫線上あるいは罫線近傍のみに樹
脂溶液を塗工あるいは含浸することにより罫線近傍の紙
剛性を向上させたブランクである。
さらに詳細に説明する。まず、第1の発明は、紙製成型
物を得るためのブランクにおいて、このブランクの折り
曲げ部分に設けられた罫線上あるいは罫線近傍のみに樹
脂溶液を塗工あるいは含浸することにより罫線近傍の紙
剛性を向上させたブランクである。
【0013】ところで、重量物や液体が封入される紙製
容器は、プラスチック容器や金属容器と同等の強度物性
が要求されるが、軽量物が封入される紙製容器や小箱に
成型された紙容器では、紙素材自身のもつ強度や成型さ
れた形状により、容器としての強度が充分確保される場
合が少なくない。しかしながら容器形状を成型する過程
において、紙素材のもつ柔軟性、しなやかさにより目的
とする容器の形状が得られないことがある。このため充
分な強度物性をもつ紙素材であるにもかかわらず、成型
性の問題で、より高剛性の紙素材を選択せざるを得ない
ことがある。
容器は、プラスチック容器や金属容器と同等の強度物性
が要求されるが、軽量物が封入される紙製容器や小箱に
成型された紙容器では、紙素材自身のもつ強度や成型さ
れた形状により、容器としての強度が充分確保される場
合が少なくない。しかしながら容器形状を成型する過程
において、紙素材のもつ柔軟性、しなやかさにより目的
とする容器の形状が得られないことがある。このため充
分な強度物性をもつ紙素材であるにもかかわらず、成型
性の問題で、より高剛性の紙素材を選択せざるを得ない
ことがある。
【0014】また、内容物保護を目的とした紙素材を選
択して、紙製容器としての成型がなされた場合に、成型
段階での折り曲げ加工で、折り曲げ加工に対する剛性が
不足した紙素材では罫線部分で折れ曲がらず成型が困難
となる。そこで、罫線部および罫線近傍に樹脂溶液を塗
工あるいは含浸することにより、折れ曲がり部およびそ
の近傍を高剛性化でき、罫線での折れ曲がり形状を明瞭
にすることが可能となる。
択して、紙製容器としての成型がなされた場合に、成型
段階での折り曲げ加工で、折り曲げ加工に対する剛性が
不足した紙素材では罫線部分で折れ曲がらず成型が困難
となる。そこで、罫線部および罫線近傍に樹脂溶液を塗
工あるいは含浸することにより、折れ曲がり部およびそ
の近傍を高剛性化でき、罫線での折れ曲がり形状を明瞭
にすることが可能となる。
【0015】罫線部で折れ曲がりを容易にするための塗
工剤、含浸剤は、紙素材の繊維のからみあいを強化する
樹脂系のものが好ましく用いられる。紙素材中の樹脂
は、紙素材を構成する繊維間の接合部に付着することに
より作用し、紙素材を構成する繊維同士が絡み合う接合
部分を拘束するとともに、外的応力が作用したときの繊
維のズレを防ぐ効果が極めて大きい。従って、罫線部分
およびその近傍に樹脂溶液が塗工あるいは含浸されたブ
ランクは罫線部での折り曲げ加工時に容易に紙素材が折
れ曲がり、罫線によりその折れ曲がり形状を明瞭にする
ことができる。
工剤、含浸剤は、紙素材の繊維のからみあいを強化する
樹脂系のものが好ましく用いられる。紙素材中の樹脂
は、紙素材を構成する繊維間の接合部に付着することに
より作用し、紙素材を構成する繊維同士が絡み合う接合
部分を拘束するとともに、外的応力が作用したときの繊
維のズレを防ぐ効果が極めて大きい。従って、罫線部分
およびその近傍に樹脂溶液が塗工あるいは含浸されたブ
ランクは罫線部での折り曲げ加工時に容易に紙素材が折
れ曲がり、罫線によりその折れ曲がり形状を明瞭にする
ことができる。
【0016】本発明おブランクに使用される含浸剤の樹
脂成分としては、アクリル、アクリル酸エステル、アク
リロニトリルあるいはスチレンとブタジエンの共重合
体、およびポリシラン化合物等が好ましく用いられる。
本発明においては、ブランク罫線部に配される含浸剤に
ついては、その材質、構成に限定されるものではない。
脂成分としては、アクリル、アクリル酸エステル、アク
リロニトリルあるいはスチレンとブタジエンの共重合
体、およびポリシラン化合物等が好ましく用いられる。
本発明においては、ブランク罫線部に配される含浸剤に
ついては、その材質、構成に限定されるものではない。
【0017】また、本発明の含浸物の製造方法に用いら
れる含浸物となる繊維構造物は、紙が使用されることが
多く、ボール、クラフト等の板紙、または再生紙が主体
となりクラフト紙が表層に配された板紙で、紙の厚みが
450μm以下の薄めの板紙が好ましく用いられる。ま
た、バージンパルプ100%で抄造された紙であって
も、故紙をリサイクルした再生紙であっても、または抄
紙行程でこれらの紙を積層して抄造された原紙のいずれ
を使用することも可能である。本発明の含浸物の製造方
法においては、含浸物を構成する繊維構造物は、材質、
構成に限定されるものではない。
れる含浸物となる繊維構造物は、紙が使用されることが
多く、ボール、クラフト等の板紙、または再生紙が主体
となりクラフト紙が表層に配された板紙で、紙の厚みが
450μm以下の薄めの板紙が好ましく用いられる。ま
た、バージンパルプ100%で抄造された紙であって
も、故紙をリサイクルした再生紙であっても、または抄
紙行程でこれらの紙を積層して抄造された原紙のいずれ
を使用することも可能である。本発明の含浸物の製造方
法においては、含浸物を構成する繊維構造物は、材質、
構成に限定されるものではない。
【0018】次に、第2の発明は、第1の発明のブラン
クにおいて、樹脂溶液を塗工あるいは含浸することによ
り、罫線部分の折り曲げ降伏角度が小さくなるようにし
たブランクである。
クにおいて、樹脂溶液を塗工あるいは含浸することによ
り、罫線部分の折り曲げ降伏角度が小さくなるようにし
たブランクである。
【0019】紙製容器を成型するための紙素材におい
て、特に紙目方向に垂直な方向で折り曲げ加工を施す際
に罫線部分での折り曲げ形状が得られにくく、また、坪
量が小さい原紙になるほどその傾向が大きくなる。そこ
で罫線部および罫線近傍に樹脂溶液を塗布、含浸させる
ことにより折り曲げ部分のパルプを拘束することができ
る。
て、特に紙目方向に垂直な方向で折り曲げ加工を施す際
に罫線部分での折り曲げ形状が得られにくく、また、坪
量が小さい原紙になるほどその傾向が大きくなる。そこ
で罫線部および罫線近傍に樹脂溶液を塗布、含浸させる
ことにより折り曲げ部分のパルプを拘束することができ
る。
【0020】また,紙素材に較べて硬質な樹脂成分を罫
線部に配することにより、紙素材中のパルプ繊維が拘束
され、紙素材としてはその柔軟性が失われる。さらに,
紙を構成するパルプ繊維に付着した樹脂成分が、折り曲
げの外的応力が加わった際に、罫線をきっかけとしてそ
の樹脂成分の一部が破断され、結果的に罫線部での折れ
曲がり形状を得ることが容易になる。また樹脂成分に硬
質なもので破断伸度の小さいものを選定することによ
り、折り曲げ降伏角度を小さくすることができ、さらに
は、罫線部では折り曲げ形状が明瞭になる。
線部に配することにより、紙素材中のパルプ繊維が拘束
され、紙素材としてはその柔軟性が失われる。さらに,
紙を構成するパルプ繊維に付着した樹脂成分が、折り曲
げの外的応力が加わった際に、罫線をきっかけとしてそ
の樹脂成分の一部が破断され、結果的に罫線部での折れ
曲がり形状を得ることが容易になる。また樹脂成分に硬
質なもので破断伸度の小さいものを選定することによ
り、折り曲げ降伏角度を小さくすることができ、さらに
は、罫線部では折り曲げ形状が明瞭になる。
【0021】含浸あるいは塗布する樹脂溶液は、硬質で
破断伸度が小さいものが好ましく使用されるが、ブラン
クの紙素材との組み合わせにより、ブランクの表面に割
れ(いわゆる罫線割れ)が生じない程度でその組成を選
定でき、塗布量、含浸量を調整することができる。
破断伸度が小さいものが好ましく使用されるが、ブラン
クの紙素材との組み合わせにより、ブランクの表面に割
れ(いわゆる罫線割れ)が生じない程度でその組成を選
定でき、塗布量、含浸量を調整することができる。
【0022】次に、第3の発明は、第1の発明のブラン
クにおいて、樹脂溶液をブランクの折り曲げ部の内面側
から塗工あるいは含浸したブランクの製造方法である。
クにおいて、樹脂溶液をブランクの折り曲げ部の内面側
から塗工あるいは含浸したブランクの製造方法である。
【0023】ブランク基材の折り曲げ部内面側から前述
の樹脂溶液を塗工あるいは含浸させることにより、折り
曲げ加工においては、樹脂成分で固定されたパルプ繊維
は圧縮変形をおこす。折り曲げ罫線部の外面から樹脂溶
液を塗布含浸すると、拘束されたパルプ繊維は、折り曲
げ加工時に外側にひっぱられ、紙表面が断列する罫線割
れをおこしやすい。そこで折り曲げ内面よりパルプ繊維
を拘束することにより内側に圧縮されるため、罫線割れ
を防止することができ、外観を損なわなくすることがで
きる。
の樹脂溶液を塗工あるいは含浸させることにより、折り
曲げ加工においては、樹脂成分で固定されたパルプ繊維
は圧縮変形をおこす。折り曲げ罫線部の外面から樹脂溶
液を塗布含浸すると、拘束されたパルプ繊維は、折り曲
げ加工時に外側にひっぱられ、紙表面が断列する罫線割
れをおこしやすい。そこで折り曲げ内面よりパルプ繊維
を拘束することにより内側に圧縮されるため、罫線割れ
を防止することができ、外観を損なわなくすることがで
きる。
【0024】また、ブランク基材に高剛性化薬剤を塗
工、含浸させる方法としては、グラビアコータなどが好
ましく用いられる。罫線部および罫線部近傍のみに含浸
剤を配することはグラビア版により容易に行うことがで
きる。また、グラビアコータを用いることにより、その
含浸剤の含浸量の設計も容易になり、剛性を付与する部
分には最適量の含浸剤を含浸することが可能となる。ま
た、これらの塗工設備は、ブランクの罫線および罫線近
傍に樹脂溶液を塗工することができるものであれば、任
意に選定された公知の塗工設備において紙基材に塗工で
き含浸できる。
工、含浸させる方法としては、グラビアコータなどが好
ましく用いられる。罫線部および罫線部近傍のみに含浸
剤を配することはグラビア版により容易に行うことがで
きる。また、グラビアコータを用いることにより、その
含浸剤の含浸量の設計も容易になり、剛性を付与する部
分には最適量の含浸剤を含浸することが可能となる。ま
た、これらの塗工設備は、ブランクの罫線および罫線近
傍に樹脂溶液を塗工することができるものであれば、任
意に選定された公知の塗工設備において紙基材に塗工で
き含浸できる。
【0025】そして、第4の発明は、第3の発明のブラ
ンクの製造方法において、ブランクの表面加飾印刷工程
とインライン工程で、罫線近傍に樹脂溶液を塗工あるい
は含浸するブランクの製造方法である。
ンクの製造方法において、ブランクの表面加飾印刷工程
とインライン工程で、罫線近傍に樹脂溶液を塗工あるい
は含浸するブランクの製造方法である。
【0026】また、紙基材の罫線近傍に、樹脂溶液を塗
工、含浸する方法としてグラビア印刷機等の公知の塗工
設備が使用される場合においては、ブランクの表面印刷
を行う工程でインラインにて、ブランクの好ましくは裏
面側から罫線近傍に含浸液を含浸、塗工することによ
り、工程数を削減でき、より安価にブランクを提供する
ことが可能となる。
工、含浸する方法としてグラビア印刷機等の公知の塗工
設備が使用される場合においては、ブランクの表面印刷
を行う工程でインラインにて、ブランクの好ましくは裏
面側から罫線近傍に含浸液を含浸、塗工することによ
り、工程数を削減でき、より安価にブランクを提供する
ことが可能となる。
【0027】
【実施例】以下に本発明の一実施形態の実施例と比較例
およびそれらの評価結果を詳細に説明する。
およびそれらの評価結果を詳細に説明する。
【0028】<実施例1>紙基材として、故紙を原料と
して抄紙された再生紙を用いた。坪量は310g/m2
である。この基材に、折り曲げ罫線を設ける部分および
その近傍にグラビアコータにてアクリル樹脂系の高剛性
化含浸剤を含浸させた含浸加工紙ブランクを得た。この
ブランクで直方体の紙容器を成形した。
して抄紙された再生紙を用いた。坪量は310g/m2
である。この基材に、折り曲げ罫線を設ける部分および
その近傍にグラビアコータにてアクリル樹脂系の高剛性
化含浸剤を含浸させた含浸加工紙ブランクを得た。この
ブランクで直方体の紙容器を成形した。
【0029】<比較例1>紙基材として、実施例1に記
載のものと同じものを使用した。この基材の全面にグラ
ビアコータにて、実施例1と同じアクリル樹脂系の高剛
性化含浸剤を含浸させた含浸加工紙ブランクを得た。こ
のブランクで直方体の紙容器を成形した。
載のものと同じものを使用した。この基材の全面にグラ
ビアコータにて、実施例1と同じアクリル樹脂系の高剛
性化含浸剤を含浸させた含浸加工紙ブランクを得た。こ
のブランクで直方体の紙容器を成形した。
【0030】<比較例2>紙基材として、実施例1に記
載のものと同じものを使用した。この紙基材に含浸加工
を施さずブランクを得、直方体の紙容器を成形した。
載のものと同じものを使用した。この紙基材に含浸加工
を施さずブランクを得、直方体の紙容器を成形した。
【0031】<比較例3>紙基材として、実施例1に記
載のものと同じ種類のもので坪量が400g/m2のも
のを使用した。この紙基材に含浸加工を施さずブランク
を得、直方体の紙容器を成形した。
載のものと同じ種類のもので坪量が400g/m2のも
のを使用した。この紙基材に含浸加工を施さずブランク
を得、直方体の紙容器を成形した。
【0032】<比較評価>上記実施例1および比較例1
に記載のブランクは、比較例2に比較して罫線での折れ
曲がり降伏角度が小さくなり、且つ罫線部の折れ曲がり
形状が明瞭に得られるものであった。さらに比較例3に
比較しても折れ曲がり降伏角度が小さく、罫線部の折れ
曲がり形状は明瞭に得られた。また、比較例1はブラン
ク全面に含浸加工を施したため、ブランク自体の剛性も
必要以上に向上できたが、含浸液の使用量が多く製造コ
ストが高くなるものであった。これらの紙目に垂直の方
向での折り曲げ降伏角度を測定した値(deg.)と製
造コスト増加の結果を表1に示す。
に記載のブランクは、比較例2に比較して罫線での折れ
曲がり降伏角度が小さくなり、且つ罫線部の折れ曲がり
形状が明瞭に得られるものであった。さらに比較例3に
比較しても折れ曲がり降伏角度が小さく、罫線部の折れ
曲がり形状は明瞭に得られた。また、比較例1はブラン
ク全面に含浸加工を施したため、ブランク自体の剛性も
必要以上に向上できたが、含浸液の使用量が多く製造コ
ストが高くなるものであった。これらの紙目に垂直の方
向での折り曲げ降伏角度を測定した値(deg.)と製
造コスト増加の結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から分かるように、従来の紙からなる
ブランクおよびその製造方法では、罫線部の折り曲げ性
を向上する目的で坪量の大きい紙を使用したが、実施例
1のように罫線部のみのパルプ繊維の絡み合いを拘束す
ることにより、ブランクから紙製容器などの成型物を成
形する時の折れ曲がり降伏角度を小さくでき、実施例1
に記載ののブランクでは、容易に成型できた。
ブランクおよびその製造方法では、罫線部の折り曲げ性
を向上する目的で坪量の大きい紙を使用したが、実施例
1のように罫線部のみのパルプ繊維の絡み合いを拘束す
ることにより、ブランクから紙製容器などの成型物を成
形する時の折れ曲がり降伏角度を小さくでき、実施例1
に記載ののブランクでは、容易に成型できた。
【0035】
【発明の効果】本発明は、ブランクの折り曲げ部分に設
けられた罫線上あるいは罫線近傍のみに樹脂溶液を塗工
あるいは含浸することにより、罫線近傍の紙剛性を向上
させ、また、折れ曲がり降伏角度を小さくすることによ
り、坪量の小さい原紙を用いた場合にでも容易に成型加
工ができ、製造コストアップを最小限に抑えた紙製成型
物を得るためのブランクおよびその製造方法を提供でき
る。
けられた罫線上あるいは罫線近傍のみに樹脂溶液を塗工
あるいは含浸することにより、罫線近傍の紙剛性を向上
させ、また、折れ曲がり降伏角度を小さくすることによ
り、坪量の小さい原紙を用いた場合にでも容易に成型加
工ができ、製造コストアップを最小限に抑えた紙製成型
物を得るためのブランクおよびその製造方法を提供でき
る。
Claims (4)
- 【請求項1】紙製成型物を得るためのブランクにおい
て、該ブランクの折り曲げ部分に設けられた罫線上ある
いは罫線近傍のみに樹脂溶液を塗工あるいは含浸するこ
とにより罫線近傍の紙剛性を向上させたことを特徴とす
るブランク。 - 【請求項2】請求項1に記載のブランクにおいて、前記
樹脂溶液を塗工あるいは含浸することにより罫線部分の
折り曲げ降伏角度が小さくなることを特徴とするブラン
ク。 - 【請求項3】請求項1に記載のブランクにおいて、前記
樹脂溶液がブランクの折り曲げ部の内面側から塗工ある
いは含浸されたことを特徴とするブランクの製造方法。 - 【請求項4】請求項3に記載のブランクの製造方法にお
いて、前記ブランクの表面加飾印刷工程とインライン工
程で罫線近傍に前記樹脂溶液を塗工あるいは含浸するこ
とを特徴とするブランクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11112399A JP2000302122A (ja) | 1999-04-20 | 1999-04-20 | ブランクおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11112399A JP2000302122A (ja) | 1999-04-20 | 1999-04-20 | ブランクおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000302122A true JP2000302122A (ja) | 2000-10-31 |
Family
ID=14585696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11112399A Pending JP2000302122A (ja) | 1999-04-20 | 1999-04-20 | ブランクおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000302122A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015147589A (ja) * | 2014-02-05 | 2015-08-20 | 大日本印刷株式会社 | ブランク板およびブランク板を用いて容器を製造する方法 |
WO2024127738A1 (ja) * | 2022-12-13 | 2024-06-20 | 日本製紙株式会社 | ゲーブルトップ型紙容器 |
WO2024127737A1 (ja) * | 2022-12-13 | 2024-06-20 | 日本製紙株式会社 | ゲーブルトップ型紙容器 |
-
1999
- 1999-04-20 JP JP11112399A patent/JP2000302122A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015147589A (ja) * | 2014-02-05 | 2015-08-20 | 大日本印刷株式会社 | ブランク板およびブランク板を用いて容器を製造する方法 |
WO2024127738A1 (ja) * | 2022-12-13 | 2024-06-20 | 日本製紙株式会社 | ゲーブルトップ型紙容器 |
WO2024127737A1 (ja) * | 2022-12-13 | 2024-06-20 | 日本製紙株式会社 | ゲーブルトップ型紙容器 |
JP7534561B1 (ja) | 2022-12-13 | 2024-08-14 | 日本製紙株式会社 | ゲーブルトップ型紙容器 |
JP7534560B1 (ja) | 2022-12-13 | 2024-08-14 | 日本製紙株式会社 | ゲーブルトップ型紙容器 |
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