JP2000263677A - 積層含浸物 - Google Patents

積層含浸物

Info

Publication number
JP2000263677A
JP2000263677A JP11073395A JP7339599A JP2000263677A JP 2000263677 A JP2000263677 A JP 2000263677A JP 11073395 A JP11073395 A JP 11073395A JP 7339599 A JP7339599 A JP 7339599A JP 2000263677 A JP2000263677 A JP 2000263677A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
impregnated
laminated
container
fiber structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11073395A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kawasaki
浩志 河崎
Takehito Tomita
岳人 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP11073395A priority Critical patent/JP2000263677A/ja
Publication of JP2000263677A publication Critical patent/JP2000263677A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】紙をはじめとする繊維構造物積層物に含浸剤を
含浸させることにより、材料コストアップを最小限に抑
えて優良な包装資材を提供する。 【解決手段】2以上の繊維構造物層を接着剤又はプラス
チックフィルムを介して積層し、該積層物の少なくとも
一方の面から含浸剤を含浸させた積層含浸物とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スナック菓子の紙
箱、調味料や缶ビールなどの個包装がなされたものを集
積包装するマルチパックの外装紙箱などの食料品や飲料
品、および小型家電製品の外装紙箱、粉末コンパクト洗
剤容器の紙箱などの包装資材、あるいは壁紙などの建装
材として使用される紙や不繊布およびその他の複合材料
等からなる繊維構造物に機能性物質を含浸して得られる
積層含浸物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題が深刻化し、容器類なら
びに包装材料の易廃棄性が必要とされ、易焼却性、リサ
イクル性、またはリサイクル材料を使用した容器類なら
びに包装材料の需要が高まっており、廃棄物の増加は大
きな社会問題となっている。ゴミの減容化、リサイクル
化の社会的要求は大きく、包装容器市場においても、金
属缶やガラス瓶、プラスチックボトル、木箱等に代わっ
て、軽く、焼却処理可能で、再生紙としてリサイクルも
できる紙を主材料とする包装資材が利用されるケースが
多くなってきている。
【0003】プラスチック容器や金属容器に較べて、紙
容器は紙素材自体の強度が弱く変形しやすい。そのため
重量物の包装容器や、大きい圧力、荷重がかかる環境で
使用される場合には、要求される容器強度を満足に維持
できない場合もある。しかしながら、易廃棄性、リサイ
クル性に優れる紙製容器は、利用分野が広がるにつれ
て、より大きい強度物性、ならびに金属材料、プラスチ
ック材料が備える物性に近い物性が要求されている。
【0004】従来、例えば繊維構造物である紙容器の包
装設計を考える場合には、包装資材の原紙となる紙の機
能の一例としての強度を向上させる方法としては、 (ア)紙の構成要素の一つであるパルプ繊維に着目し
て、例えば紙の坪量が大きい原紙で紙の厚みが厚いもの
使用する方法。 (イ)紙の構成要素に着目して、例えばパルプ繊維長が
大きいバージンパルプ、または繊維長が大きいパルプ繊
維原料を使用する方法。 (ウ)抄紙工程にて紙の強度向上するための機能性物質
を主成分とする薬剤を添加し、薬剤をパルプに定着さ
せ、紙の強度を改良する方法。 (エ)ポリエチレン樹脂等のポリマーを表面にラミネー
トする方法。 (オ)抄造された紙の表面に塗工等によりコート層、含
浸層等を形成する方法。等が広く一般的に行われてい
る。
【0005】環境問題、省資源化に対応するために、包
装資材などに用いられるための原紙は、要求物性をみた
す範囲の中で、パルプ繊維の使用量を極力少なくするた
めに、パルプ繊維の長さが大きいバージンパルプが選択
使用されたり、故紙をリサイクルした再生パルプで抄造
された原紙では坪量が大きいものが使用されている。ま
た再生パルプを使用した原紙の場合には、必然的に低下
した強度をはじめとする諸物性を補うために、抄紙段階
で何らかの機能を有する機能性薬剤が添加された原紙が
抄造されている。
【0006】ところが、故紙再生パルプの使用により、
例えば強度および耐水性などの紙自身の失われた物性を
補うために、あるいはバージンパルプ使用の原紙に更な
る機能性を付与するために、紙に機能性薬剤を含浸する
方法が従来から行われており、紙の抄紙段階で薬剤を添
加する含浸処方が一般的である。そのため包装容器など
の最終形態に要求される機能を付与するためにある特定
の機能を有する原紙を抄造することは、従来の抄紙設備
での内添方法では小ロット対応での抄造は容易ではな
い。そのため、小ロット対応の特定の機能を有する紙が
抄造されることはなかった。
【0007】したがってある特定の仕様の原紙を抄造す
ることは、一般的な紙の製造工程から考えた場合には大
量生産が余儀なくされるところであり、また大量生産に
より製造コストのアップを抑えていたのが現状である。
従来の抄紙段階での含浸処理では、少ロットでの機能性
含浸紙の抄造は容易ではないことからも、あまり個々の
要求する機能に対応した含浸紙が抄造されることがなか
った。そこで大量生産によって製造コストを抑えるため
にも、必要以外の機能が付与された原紙が抄造され使用
されることも少なくない。すなわち、より要求されてい
る性能に近く、さらに/あるいは少ロット生産に対応す
ることによる、材料コストアップおよび製造コストアッ
プは、抄紙段階でも発生する問題となっていた。
【0008】また包装資材としての紙に求められる機能
として、強度、撥水性などがあるが、例えば、紙の強度
を補う方法としては、ポリエチレンなどのポリマーを表
面層にラミネートさせたり、表面層に硬質な樹脂をコー
ティングあるいは表面層に含浸させる方法が行われてき
た。また撥水性を付与させる方法においても、ポリエチ
レンなどのポリマーを表面層にラミネートさせたり、紙
の表面層にロジンやワックス等の撥水性発現する物質を
コーティングあるいは表面層に含浸させる方法が用いら
れてきた。すなわち従来の抄紙された紙を後から改質さ
せ、要求される機能を付与する含浸方法では、紙の表層
および表層近傍の層に作用する改質技術でしかなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
解決することを目的として、発明者らにより鋭意研究の
結果発明されたものであり、紙、不繊布およびその他の
複合材料等からなる繊維構造物を貼合した積層物におい
て、少なくとも2つ以上の繊維構造物を接着剤、又はプ
ラスチックフィルムを介して積層し、該積層物の少なく
とも一方の面から含浸剤を含浸させてなることを特徴と
することにより、紙をはじめとする繊維構造物に要求さ
れる機能を付与できるとともに、紙素材等の材料コスト
アップを最小限に抑え、包装資材等を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
2以上の繊維構造物層を接着剤を介して積層し、該積層
物の少なくとも一方の面から含浸剤を含浸させたことを
特徴とする積層含浸物である。
【0011】本発明の第2の発明は、2以上の繊維構造
物層をプラスチックフィルムを介して積層し、該積層物
の少なくとも一方の面から含浸剤を含浸させたことを特
徴とする積層含浸物である。
【0012】また本発明は上記第1又は第2の発明にお
いて、接着剤又はプラスチックフィルムを介して相隣り
あった繊維構造物層として互いに異なる素材からなる積
層物を用いた積層含浸物である。
【0013】また本発明は上記発明において、積層物に
含浸される含浸剤が片面ずつ異なる積層含浸物である。
【0014】
【発明の実施形態】本発明の第1の発明では、まず、少
なくとも2つ以上の紙、不繊布およびその他の複合材料
等からなる繊維構造物を接着剤を介して積層されている
ものが用いられる。この接着剤には積層含浸物に耐水お
よび強度等の目的の機能を発現できる添加剤を配合す
る。例えば、強度および耐水性を満足させる添加剤の一
例として、ウレタン系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着
剤、アクリル系エマルジョン等がある。
【0015】例えば、本発明において使用し得るアクリ
ル系エマルジョンは、アクリルポリマー、アクリル−ス
チレンコポリマー等の共重合体エマルジョンや自己架橋
型アクリル系共重合体エマルジョン等の各種エマルジョ
ンを使用することができ、具体的には、スチレンおよび
スチレン誘導体、アクリル酸(メタクリル酸)およびア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸エ
ステルやメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステルなどを共重
合したアクリル系コポリマーである。
【0016】また、接着剤に添加する改質剤としては、
これらの添加剤のみに限らず、さらに、ワックス系エマ
ルジョン等を併用することもできる。ワックス系エマル
ジョンは、パラフィン系ワックス、ポリエチレン系ワッ
クス、マイクロクリスタリン系ワックス等の公知のワッ
クスエマルジョンを使用することができるが、2種以上
のワックス系エマルジョンを混合して使用することも可
能である。
【0017】本発明においては、少なくとも2つ以上の
紙、不繊布およびその他の複合材料等からなる繊維構造
物を少なくとも耐水性を有する樹脂成分を含む接着剤で
貼合することが目的である。上記のアクリル系エマルジ
ョンをはじめとする、ウレタン系樹脂接着剤、アクリル
系樹脂接着剤など接着剤添加剤は、乾燥後に樹脂塗工層
および樹脂含浸層が高強度な樹脂層を形成できるため、
好ましく用いられる。ここに、本発明は接着剤に添加す
る樹脂成分に限定されるものではない。
【0018】本発明に用いられる繊維構造物は、広葉樹
晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ等の化学パ
ルプ、GP、RGP、TMP等の機械パルプを原料とし
て用いた原紙で、公知の長網多筒型抄紙機、長網ヤンキ
ー型抄紙機、円網抄紙機等で抄造される上質紙、中質
紙、片艶紙及びクラフト紙等の酸性紙、中性紙、アルカ
リ性紙を包含するものである。原紙中には紙力増強剤、
サイズ剤、填料、歩留向上剤等の抄紙補助薬品が含まれ
る。本発明においては、これらの繊維構造物に限定され
るものではない。
【0019】また、本発明の積層含浸物は、上述の繊維
構造物の積層物の少なくとも一方の面から含浸剤を含浸
させてなる。この時に使用される含浸剤は、本発明の積
層含浸物の要求物性により決められる。例えば本発明の
積層含浸物が包装資材として用いられる場合には、要求
される容器物性としては、外部からの水気を遮断する撥
水性、耐水性、また容器内部では、内容物の油分が容器
外面に浸透するのを防止する耐油性が挙げられる。さら
には容器内面外面を問わず容器自体の強度を向上させる
ことが目的とされる。
【0020】そこで容器外面には、撥水性、耐水性を付
与するための含浸剤が、容器内面には、撥油性、耐油性
を有する含浸剤が、また容器内面または外面のどちらか
一方に強度物性を向上させるための含浸剤が含浸加工さ
れる。そこで該積層物の容器外表面となる面には、撥水
性、耐水性を付与するための含浸剤が含浸され、内側表
面となる面には撥油性、耐油性を付与するための含浸剤
が含浸される。
【0021】包装資材として容器の外側表面あるいは内
側表面のどちらか一方の表面および表層近傍に上述の機
能が備われば良い場合には、その表面あるいは裏面側か
ら目的の機能を発現できる含浸剤を含浸させる。ここに
該積層物は中間層に接着剤に添加した耐水性樹脂からな
る耐水層あるいは耐水樹脂含浸層を有している。したが
って、容器の外面に要求される、例えば耐水性を発現す
るための、積層物の片側から含浸させる含浸剤は、積層
物の中間層をこえて浸透することがなく、より少量かつ
高濃度で作用することができる。
【0022】上述の容器外側表面から含浸される含浸剤
としては、例えば、撥水性、耐水性を容器外表面に付与
する場合においては、その成分としては、積層物の接着
剤に添加した、ウレタン系樹脂接着剤、アクリル系樹脂
接着剤、アクリル系エマルジョンをはじめとし、さらに
強い耐水性、撥水性を付与するためにポリシラン系の化
合物が用いられる。これらは包装資材として要求される
耐水性、撥水性のレベルによって任意のものが使用する
ことができる。勿論これらは本発明において限定される
ものではない。
【0023】含浸剤の含浸方法は、グラビアコーター、
バーコーター、ロールコーター、エアーナイフコータ
ー、ブレードコーター等から任意に選定された公知の塗
工設備において繊維構造物に塗工でき含浸できる。な
お、含浸剤の塗工量は所望の品質を得る上で極めて重要
であり、使用する含浸剤の性能および物性により、また
積層物を構成する繊維構造物の種類、厚みなどにより決
定すればよい。
【0024】また本発明の積層含浸物は、包装資材、建
装資材などに使用される場合に於いて、表面可飾のため
の印刷および表面コーティングがなされることが多い
が、その場合の印刷インキ、コーティング剤に耐水性、
表面強度等の機能性インキが使用されることもあるが、
本発明においては表面可飾インキ、表面コーティング剤
の機能により限定されるものではなく、積層含浸物の構
成によるものである。以下の発明においても同様であ
る。
【0025】本発明の第2の発明の積層含浸物は、紙、
不繊布およびその他の複合材料等からなる繊維構造物を
貼合した積層物において、少なくとも2つ以上の繊維構
造物をプラスチックフィルムを介して貼合積層し、該積
層物の少なくとも一方の面から含浸剤を含浸させてなる
ことを特徴とする積層含浸物である。
【0026】本発明の積層含浸物は、少なくとも2つ以
上の紙、不繊布およびその他の複合材料等からなる繊維
構造物をプラスチックフィルムを介して貼合積層してい
る。このプラスチックフィルムには、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル等の任意のものが選択でき
る。
【0027】包装資材として容器の外側表面あるいは内
側表面のどちらか一方の表面および表層近傍に上述の機
能が備われば良い場合には、その表面あるいは裏面側か
ら目的の機能を発現できる含浸剤を含浸させる。ここに
該積層物は中間層にプラスチックフィルムを接着させる
ことにより、上述と同様に、容器の外面に要求される、
例えば耐水性を発現するための、積層物の片側から含浸
させる含浸剤は、積層物の中間層をこえて浸透すること
がなく、より少量かつ高濃度で作用することができる。
【0028】さらには繊維構造物に紙を用いた場合に
は、含浸加工時に水系の含浸剤を使用する場合には、紙
の強度低下により、いわゆる紙切れをおこす場合があ
る。しかしながら中間層にプラスチックフィルムを介在
させることにより、紙からなる積層物の引っ張り強度が
向上し、紙切れを防止することができ、含浸剤のタイプ
を有機溶剤系の含浸剤であれ、水系の含浸剤であれ、自
由に選択することが可能である。
【0029】また本発明の第2の発明のように、プラス
チックフィルムを貼合した積層物が用いられる場合に
は、容器表面からの水分の浸入を容器外面側の耐水化含
浸紙層と積層物中間体のプラスチックフィルムでほぼ完
全に遮断できるが、本発明の第2の発明のように、繊維
構造物の接着剤に耐水化薬剤が漆加される場合には、容
器外面からの水分の浸入が、積層物中間層で十分に遮断
できない場合がある。その場合には容器内面側からの耐
水、撥水化剤による含浸処理がなされることがある。
【0030】さらには飲料容器等に使用される場合に
は、容器内面、外面側共に耐水性が要求されるが、特に
容器内面側に強い耐水性が要求される。この場合には容
器内面側に耐水化薬剤としての含浸剤を高濃度で使用さ
れる。さらには容器内面外面側ともにポリエチレン等の
フィルムがラミネート加工されるが、本発明の積層含浸
物に、更なる表面加工がなされて使用される場合もあ
る。上記の発明においても同様である。
【0031】これらの積層含浸物および積層物の構成
は、前述の耐水機能を含めた使用される形態に応じて、
その構成を選択することができる。
【0032】また上記第1又は第2の発明において、繊
維構造物が異なる2種の材料からなる積層含浸物のと
き、これが包装資材あるいは壁紙等の建装資材として使
用される場合には、表面に何らかの印刷、または表面加
飾がなされることが多く、あらかじめ表面を白色に仕上
げられ表面光沢処理のなされた比較的高価な材料が用い
られる。また裏面材料としては、強度、耐内容物性(包
装容器)、外壁剤との密着性(壁紙)など表面に要求さ
れる物性とは異なる物性を要求されることが多い。これ
らの物性を異種材料の貼合および裏面側からの含浸剤に
よる機能付与を行うことにより、表面物性と裏面物性を
共に満足できる高価な材料を使用することなく安価に製
造できる。
【0033】また上記第1又は第2の発明において、繊
維構造物の両面から含浸剤を含浸させてなる積層含浸物
のとき、これが食品容器、医薬品の包装資材として用い
られ、特に外部からの水分により内容物が湿ることを防
止する場合には、容器の内面、外面共に耐水化が求めら
れ、内面側、外面側共に耐水化含浸剤が含浸される。特
に容器の外面側には内容物保護を目的として強い撥水性
を要求される他、容器自身の機能としての内容物表示な
どの目的から耐水性が求められる。したがって容器外面
には、容器内面と比較して耐水、撥水化薬剤として使用
される含浸剤を比較的高濃度で含浸される。
【0034】また上記第1又は第2の発明において、繊
維構造物に含浸される含浸剤が片面ずつ異なる積層含浸
物のとき、包装資材では、容器外側面と容器内側面で異
なることが多いため、積層物のそれぞれの面において要
求される機能が異なる。例えば、表面に強い撥水を要求
され、箱形状に成形する前のいわゆるブランクスの状態
での強度および箱形状にした後の強度が要求される場合
がある。この場合には、積層物の外面側には、ラテック
ス系エマルジョンのような水系の耐水性、撥水性含浸剤
を含浸させ、容器内面側からポリイソシアネート系、ア
クリル系等の高剛性化含浸剤を含浸させる。
【0035】ここに、積層物の中間層に耐水化樹脂から
なる樹脂層、樹脂含浸層を有することにより、前述の容
器外側表面となる側からの含浸剤が内側表面まで浸透す
ることを防止でき、容器内側表面となる側からの含浸剤
が外側表面まで浸透することを防止できる。したがって
容器内面と外面でそれぞれ異なる機能を付与することが
可能となるのである。
【0036】また、近年ではそれらの要求物質を兼ね備
えた機能性含浸剤も見られるが、本発明においては積層
含浸物の構造を特徴とすることにより、安価な材料を使
用し、要求を満足できる高機能な積層含浸物を提供でき
【0037】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げてより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない
【0038】<実施例1>繊維構造物として、一方の面
に段ボール用白ライナー、坪量210g/m2 を使用
し、もう一方の面に段ボールライナー坪量180g/m
2 を使用した。それらの接着剤には段ボールの貼合に使
用される、通常の澱粉のりにアクリル系エマルジョンを
添加し、段ボール成形用のコルゲータにて貼合し積層物
を得た。次いで、この積層物の白ライナー側から、アク
リル系エマルジョンとロジンをある特定の割合で配合し
た水系の含浸剤を耐水化剤として含浸加工を行った。ま
たその裏面の段ボールライナー側から、ポリイソシアネ
ート系の含浸剤を高剛性化剤として同時に含浸させ、積
層含浸物を得た。さらに、積層含浸物の自ボール面に
は、表面印刷を施し、さらにその上に撥水性ワニスがコ
ーティングを施した。得られた積層含浸物は「JIS
P8125 荷重曲げ方法による板紙のこわさ試験方
法」に従いテーバーこわさを測定したところ、MD方向
656gf・cm、CD方向315gf・cmを示し
た。またこの積層含浸物を用いて、自ボール面が容器表
面となるよう紙容器の成型を行った。得られた紙容器は
表面撥水性のみならず、湿潤状態での耐水性を示した。
さらに積層含浸物の前駆体の積層物の製造費用は、後述
の比較例1に記載のバージンパルプを原料として抄紙さ
れたマニラボールのクレーコート紙の価格よりも安価に
て製造が可能である。
【0039】<比較例1>繊維構造物として、バージン
パルプを原料として抄紙されたマニラボールで、片面
(表面)にクレーコート層が設けられている、坪量は4
75g/m2 の高強度な原紙を用いた。さらに、原紙の
クレーコート面には、実施例1と同じ材料、方法にて、
表面印刷を施し、さらにその上に撥水性ワニスのコーテ
ィングを施した。これを実施例1と同様に、テーバーこ
わさを測定したところ、MD方向607gf・cm、C
D方向282gf・cmを示した。またこの加工紙を用
いて、クレーコート面が容器表面となるよう紙容器の成
型を行った。得られた紙容器は表面撥水性は認められる
が、高湿度環境下における耐水性は認められない。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の積層含浸物は構
成され、繊維構造物を貼合した積層物において、少なく
とも2つ以上の繊維構造物を接着剤又はプラスチックフ
ィルムを介して積層することにより、積層物の中間層に
耐水層および、耐水剤含浸層を設けることにより、該積
層物の一方の面、あるいは両面から、それぞれ目的とさ
れる含浸剤を含浸加工することにより、任意の機能を容
易に付与できる。さらには、本発明においては積層含浸
物の構造を特徴とすることにより、安価な材料を使用
し、要求を満足できる高機能な積層含浸物を提供でき
た。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AJ07G AJ20 AK25 AK25G AK51 BA02 BA12 CA23A CA23B CB00 CB03 DD12 DG01A DG01B DJ05A DJ05B DJ10A DJ10B EJ82A EJ82B GB15 JL00 JL02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2以上の繊維構造物層を接着剤を介して積
    層し、該積層物の少なくとも一方の面から含浸剤を含浸
    させたことを特徴とする積層含浸物。
  2. 【請求項2】2以上の繊維構造物層をプラスチックフィ
    ルムを介して積層し、該積層物の少なくとも一方の面か
    ら含浸剤を含浸させたことを特徴とする積層含浸物。
  3. 【請求項3】接着剤又はプラスチックフィルムを介して
    相隣りあった繊維構造物層として互いに異なる素材から
    なる横層物を用いた請求項1又は2に記載の積層含浸
    物。
  4. 【請求項4】積層物に含浸される含浸剤が片面ずつ異な
    る請求項1乃至3の何れかに記載の積層含浸物。
JP11073395A 1999-03-18 1999-03-18 積層含浸物 Pending JP2000263677A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11073395A JP2000263677A (ja) 1999-03-18 1999-03-18 積層含浸物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11073395A JP2000263677A (ja) 1999-03-18 1999-03-18 積層含浸物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000263677A true JP2000263677A (ja) 2000-09-26

Family

ID=13516981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11073395A Pending JP2000263677A (ja) 1999-03-18 1999-03-18 積層含浸物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000263677A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002103522A (ja) * 2000-09-28 2002-04-09 Toppan Printing Co Ltd 耐熱水性を有する包装材料、及びそれを使用した複合容器及び袋状容器
JP2003001629A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Japan U-Pica Co Ltd 繊維強化多孔質硬化物の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002103522A (ja) * 2000-09-28 2002-04-09 Toppan Printing Co Ltd 耐熱水性を有する包装材料、及びそれを使用した複合容器及び袋状容器
JP2003001629A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Japan U-Pica Co Ltd 繊維強化多孔質硬化物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2342227C (en) Paper or paperboard laminate and method to produce such a laminate
CA1296608C (en) Gypsum wallboard paper having imitation manila colored coating
WO2018152082A1 (en) Lightweight paper board
JP2008087765A (ja) 断熱性紙製容器および断熱性紙製容器に用いる原材料シート
JP2009243015A (ja) 断熱性紙製容器に用いる原材料シート、及び断熱性紙製容器
JP2019177577A (ja) 発泡シート
JP2014065991A (ja) 紙製液体容器用基材
JP6394511B2 (ja) 紙製基材
JP2020172086A (ja) 液体容器用基材、液体用容器およびその製造方法
JP2005200773A (ja) ライナー
JP2000263677A (ja) 積層含浸物
JP4372198B2 (ja) 中芯用紙
JP2020196959A (ja) 紙基材、紙製シート、カップ状包装容器およびその製造方法
JP2008246978A (ja) 断熱性紙製容器および断熱性紙製容器に用いる原材料シート
CN116472231A (zh) 瓦楞纸用箱纸板
JP4053765B2 (ja) 古紙再生紙及びその製造方法
JP7283123B2 (ja) 段ボール用ライナ、段ボールシート、積層体及び家具
JP7172818B2 (ja) カップ用基材、液体用カップ容器およびその製造方法
JP2001248097A (ja) 包装用紙
JP2009084745A (ja) 加工用紙
JP6636407B2 (ja) 耐水耐油紙及びその製造方法
JP2009241544A (ja) 断熱性紙製容器に用いる原材料シートおよび断熱性紙製容器
JP3628460B2 (ja) 耐水紙
JP2004196409A (ja) 防湿カートン
JP5593599B2 (ja) 塗工ライナー及びそれを用いた段ボールシート

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040622

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041019