JP2019177577A - 発泡シート - Google Patents

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Abstract

【課題】意匠性に優れた立体装飾加工が施された紙製包装体に好適な、折り曲げの成形性に優れた発泡シートの提供。【解決手段】紙基材と、前記紙基材の一方の面上に形成された水蒸気バリア性樹脂を含有する水蒸気バリア層と、前記紙基材の他方の面上に形成された熱可塑性樹脂からなる未発泡層と、を有し、前記紙基材と水蒸気バリア層のみの積層体であるバリア基材の水蒸気透過度が400g/m2・day以下である発泡シート。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡シートに関する。
小売店の店頭などに陳列される商品の容器・包装には、消費者に商品の魅力を訴求するために装飾加工が施されることが多い。紙は印刷適性に優れているため、紙製包装体に対しては様々な印刷方法による装飾加工が可能である。しかし、紙は可塑性が極めて低く変形し難いため、紙製包装体に凹凸を付けるような立体的な装飾加工を施すことは困難である。
紙製包装体への立体的な装飾加工方法としては、特許文献1に記載されているようなエンボス加工が知られている。このエンボス加工は、エンボス用押し罫刃と、このエンボス用押し罫刃の周縁より略紙基材の厚さ分の周縁内面でなる凹部を有する雌型を用い、エンボス用押し罫刃と雌型の間に紙基材を挟み込んで押圧して凹凸を付すものである。
しかし、紙は可塑性が低いため、凹凸を大きくすると紙が破断してしまい、意匠に優れた立体装飾加工を施すことは困難であるという問題があった。また、エンボス加工は、特許文献1に記載されているように、通常はエンボス用押し罫刃と雌型で構成されるエンボス版の製作が必要であるから、エンボス版等の製作に要するコストが高くなる、意匠の変更に手間がかかるという問題がある。さらに、エンボス加工工程を別工程とすることが必要となることから、工程数が増えて製造時間が長くなるといった問題があった。
紙製包装体への他の立体的な装飾加工方法としては、特許文献2に記載されているような、基材となる紙に発泡インキを塗布する工程と、表面に凹凸が設けられた一対のロールで基材となる紙にエンボス加工する工程と、発泡インキによる印刷層を発泡させる加熱・発泡工程とにより行われる方法が知られている。
この特許文献2に記載されているような方法も、特許文献1に記載されている方法と同様、エンボス加工により凹凸を大きくすると紙が破断してしまい、意匠性に優れた立体装飾加工を施すことは困難であり、また、発泡インキにより十分な意匠性を発現するほどに凹凸を設けるには、インキ塗布量を非常に多くする必要があり、印刷方式が限定される、インキ使用量が多くなる、などの問題があった。また、エンボス版等の製作に要するコストが高くなる、意匠の変更に手間がかかる、工程数が増えて製造時間が長くなるといった問題があった。
一方で、特許文献3には、容器胴部材および底板部材からなる紙製容器において、容器胴部材の外壁面に低融点の熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートし、加熱することにより、基材である紙に含まれている水分の蒸気圧を利用してフィルムを凹凸に発泡させる技術が開示されている。また、特許文献4には、胴部材の一方の壁面に、紙の表面側から低融点の熱可塑性樹脂の発泡内層とこれよりも高い融点を有する熱可塑性樹脂の非発泡外層とからなる2層構造断熱膜が被着されており、発泡内層と紙との層間強度、紙の坪量、発泡層および非発泡外層の膜厚を規定した紙製容器が開示されている。
しかし、特許文献3、4に記載されている紙製容器は、紙基材の両面に熱可塑性樹脂がラミネートされているため、紙基材よりも折り曲げに対する反発が大幅に上昇する。そのため、特許文献3、4に記載されている紙製容器は、胴部材と底部材から成るカップ型の紙製容器等の、曲げ成形のみで成形される紙製容器に限られ、1枚の平面ブランクを折り曲げて成る紙箱や紙袋等の、折り成形が必要な紙製容器とすることが困難となる。さらに、特に優れた意匠性を得るためには非発泡層側からの水蒸気の抜けを確実に抑制する必要があり、非発泡層側の熱可塑性樹脂を厚くする必要がある。その場合は、さらに折り成形が困難となる。
特開2005−014405号公報 特開2002−254588号公報 特開昭57−110439号公報 特開平05−042929号公報
本発明は、意匠性に優れた立体装飾加工が施された紙製包装体に好適である、折り曲げの成形性に優れた発泡シートを提供することを目的とする。
本発明は、以下の(1)〜(10)を提供する。
(1)紙基材と、前記紙基材の一方の面上に形成された水蒸気バリア性樹脂を含有する水蒸気バリア層と、前記紙基材の他方の面上に形成された熱可塑性樹脂からなる未発泡層と、
を有し、前記紙基材と前記水蒸気バリア層のみの積層体であるバリア基材の水蒸気透過度が400g/m・day以下であることを特徴とする発泡シート。
(2)前記バリア基材の透気抵抗度が50000秒以上であることを特徴とする(1)に記載の発泡シート。
(3)前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレンを含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の発泡シート。
(4)前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレンであることを特徴とする(3)に記載の発泡シート。
(5)前記水蒸気バリア性樹脂が、スチレン・ブタジエン系合成接着剤及び/又はスチレン・アクリル系合成接着剤を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の発泡シート。
(6)前記水蒸気バリア層が、アスペクト比10以上の顔料を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の発泡シート。
(7)前記水蒸気バリア層の塗工量(固形分)が、3g/m以上50g/m以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の発泡シート。
(8)前記水蒸気バリア層が、撥水剤を含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の発泡シート。
(9)前記水蒸気バリア層の面上に、ガスバリア層を有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の発泡シート。
本発明の発泡シートは、熱可塑性樹脂からなる未発泡層を備えており、この未発泡層が発泡した発泡層に、意匠性に優れた立体的な装飾を施すことができる。また、本発明の発泡シートは、様々な紙製包装体に利用することができるが、折り曲げの成形性に優れているため、特に、箱や袋などの折り曲げ加工が施された紙製包装体に好適に利用することができる。
本発明の発泡シートは、紙基材と、この紙基材の一方の面上に形成された水蒸気バリア性樹脂を含有する水蒸気バリア層と、この紙基材の他方の面上に形成された熱可塑性樹脂からなる未発泡層と、を有し、紙基材と水蒸気バリア層のみの積層体であるバリア基材の水蒸気透過度が400g/m・day以下であることを特徴とする。
下記で詳述するが、本発明の発泡シートは、加熱して紙基材中に含まれる水分を水蒸気とし、発生した水蒸気により未発泡層を発泡させることにより、未発泡層を発泡層とする。
(紙基材)
本発明において紙基材とは、パルプ、填料、各種助剤等からなるシートである。
パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未漂白パルプ(NUKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプなどの木材繊維、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維などを用いることができ、適宜配合して用いることが可能である。これらの中でも、原紙中への異物混入が発生し難いこと、使用後の紙製容器を古紙原料に供してリサイクル使用する際に経時変色が発生し難いこと、高い白色度を有するため印刷時の面感が良好となり、特に包装材料として使用した場合の使用価値が高くなることなどの理由から、化学パルプ、機械パルプを用いることが好ましく、化学パルプを用いることがより好ましい。
本発明において、紙基材が含有する全パルプに対し、針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)が20重量%未満であると、紙基材の紙力と均質性、成形加工適性、美麗性のバランスが良好であるため好ましい。
填料としては、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
本発明で、填料は無配合とすることも可能である。紙基材の填料を無配合とすると、発泡性が向上する。一方、紙基材に填料を配合すると、得られる発泡シートの不透明度が向上する。
紙基材の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、公知の長網フォーマー、オントップハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙して紙基材を製造することができる。また、紙基材は1層であってもよく、2層以上の多層で構成されていてもよい。
さらに、紙基材の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などを例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。さらに、これらの各種薬剤と顔料を併用してもよい。顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコア−シェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。
紙基材の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリングサイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロールコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなど公知の塗工装置を用いることができる。
この様にして得られる紙基材としては、上質紙、中質紙、塗工紙、片艶紙、クラフト紙、片艶クラフト紙、晒クラフト紙、グラシン紙、板紙、白板紙、ライナーなどの各種公知のものが例示可能である。
紙基材の坪量は、発泡シートに所望される各種品質や取り扱い性等により適宜選択可能であるが、通常は20g/m以上500g/m以下程度のものが好ましく、100g/m以上400g/m以下のものがより好ましい。
本発明の発泡シートは、紙基材中に含まれる水分から発生する水蒸気により未発泡層を発泡層とする機構であることから、紙基材に含まれる水分量が重要である。紙基材に含まれる水分量は、紙基材の坪量および含水率により決定されるが、本発明の紙基材に含まれる水分量は、好ましくは5g/m以上であり、より好ましくは10g/m以上であり、さらに好ましくは15g/m以上である。また、好ましくは60g/m以下であり、より好ましくは40g/m以下である。
本発明の紙基材の密度は、所望に応じて適宜設定すればよく、特に限定されることはないが、0.60g/cm以上0.99g/cm以下とすることが好ましい。紙基材の密度が低いと、水蒸気が通りやすくなり、発泡性が向上する傾向が見られるが、紙基材の密度が0.60g/cm未満であると、発泡シートに必要な紙力が得られないことがある。一方、紙基材の密度が0.99g/cmを超えると、水蒸気が通りにくくなり、発泡性が低下する傾向が見られる。
(水蒸気バリア層)
水蒸気バリア層は、紙基材の一方の面上に形成される。水蒸気バリア層は、発泡シートに水蒸気バリア性を付与するものであるが、発泡層形成時に蓋の役割を果たすものでもある。すなわち、未発泡層、紙基材、水蒸気バリア層からなる積層体を加熱すると、紙基材中で生じた水蒸気は、水蒸気バリア層側へ移動できないため、紙基材の未発泡層側に噴出し、発泡層を形成することができる。
本発明において、水蒸気バリア層に含有させる水蒸気バリア性樹脂としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、パラフィン(WAX)系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、またはそれらのパラフィン(WAX)配合合成接着剤等を単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。これらの中では、水蒸気バリア性の点からスチレン・ブタジエン系合成接着剤及び/又はスチレン・アクリル系合成接着剤を使用することが好ましい。
本発明においてスチレン・ブタジエン系合成接着剤とは、スチレンとブタジエンを主構成モノマーとし、またこれに変性を目的とする各種のコモノマーを組み合わせ、乳化重合したものである。コモノマーの例として、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレートや、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸などの不飽和カルボン酸などが挙げられる。また、乳化剤としては、オレイン酸ナトリウム、ロジン酸石鹸、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を単独、またはノニオン性界面活性剤と組み合わせて用いることができる。目的によっては、両性またはカチオン性界面活性剤を用いることもできる。
本発明においてスチレン・アクリル系合成接着剤とは、スチレンとアクリルを主構成モノマーとし、これに変性を目的とする各種のコモノマーを組み合わせ、乳化重合したものである。
なお、水蒸気バリア性に問題がない程度であれば、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムなどの水溶性高分子を、上記水蒸気バリア性樹脂と併用することも可能である。
本発明において、水蒸気バリア層に顔料を含有させることは、水蒸気バリア性と発泡性の点から好ましい。また、水蒸気バリア層の上にガスバリア層を有する構成とする場合、水蒸気バリア層とガスバリア層の密着性の点から好ましい。
顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコア−シェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。
これらの顔料の中でも、水蒸気バリア性の向上、発泡性の向上、ガスバリア層の浸透抑制の観点から、形状が扁平なカオリン、マイカ、タルクなどの無機顔料が好ましく、カオリン、マイカがより好ましい。これらの中で、アスペクト比が10以上の無機顔料を単独または2種類以上混合して使用することが好ましい。アスペクト比は100以上がより好ましく、200以上がさらに好ましい。また、体積50%平均粒子径(D50)(以下、「平均粒子径」とも言う。)が5μm以上の無機顔料を単独または2種類以上混合して使用することがより好ましい。使用する無機顔料の平均粒子径またはアスペクト比が上記範囲より小さいと、水蒸気バリア性の改善効果が小さくなり、結果として発泡性が低下する。
本発明において、水蒸気バリア性の向上、発泡性の向上、ガスバリア層との密着性向上のため、平均粒子径が5μm以上の無機顔料を含有する水蒸気バリア層に、さらに平均粒子径が5μm以下の顔料を含有させてもよい。平均粒子径が5μm以下の顔料を併用することにより、平均粒子径が5μm以上の無機顔料により形成された水蒸気バリア層中の空隙を減少させることができるため、さらに優れた水蒸気バリア性と発泡性が発現する。つまり、水蒸気バリア層に平均粒子径の異なる顔料を含有させた場合、水蒸気バリア層中で大きな平均粒子径の無機顔料により形成される空隙に小さな平均粒子径の顔料が充填された状態となり、水蒸気は顔料を迂回して通過するため、異なる平均粒子径の顔料を含有していない水蒸気バリア層と比較して、高い水蒸気バリア性を有し、結果として高い発泡性を有するものと推測される。
本発明において、平均粒子径が5μm以上の無機顔料と、平均粒子径が5μm以下の顔料を併用する場合、平均粒子径が5μm以上の無機顔料と、平均粒子径が5μm以下の顔料の配合比率は、乾燥重量で、50/50〜99/1であることが好ましい。平均粒子径が5μm以上の無機顔料の配合比率が上記範囲より少ないと、水蒸気が水蒸気バリア層中を迂回する回数が減少し、移動する距離が短くなるため、水蒸気バリア性と発泡性の改善効果が小さくなることがある。一方、上記範囲より多いと、水蒸気バリア層中の大きな平均粒子径の無機顔料が形成する空隙を平均粒子径が5μm以下の顔料で十分に埋めることができないため、水蒸気バリア性と発泡性のさらなる向上は見られない。
本発明において、平均粒子径が5μm以上の無機顔料と併用する平均粒子径が5μm以下の顔料としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコア−シェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの顔料の中では、重質炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
水蒸気バリア層に顔料を含有させる場合、顔料の配合量は、乾燥重量で顔料100重量部に対して、水蒸気バリア性樹脂と水溶性高分子の合計で5重量部以上200重量部以下の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは水蒸気バリア性樹脂と水溶性高分子の合計で10重量部以上150重量部以下である。
本発明において、水蒸気バリア層に多価金属塩などに代表される架橋剤を添加することができる。架橋剤は水蒸気バリア層に含有される水蒸気バリア性樹脂や水溶性高分子と架橋反応を起こすため、水蒸気バリア層内の結合の数(架橋点)が増加する。つまり、水蒸気バリア層が緻密な構造となり、良好な水蒸気バリア性と発泡性を発現することができる。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、水蒸気バリア層に含有される水蒸気バリア性樹脂や水溶性高分子の種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタンなどの多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物などのイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸など適宜選択して使用することが可能である。
水蒸気バリア性と発泡性に優れた効果を発現するスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系などのスチレン系の水蒸気バリア性樹脂を用いた場合、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましく、カリウムミョウバンを使用することがより好ましい。
架橋剤の配合量については、塗工可能な塗工液濃度や塗工液粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができるが、好ましくは顔料100重量部に対して、架橋剤が1重量部以上10重量部以下であり、より好ましくは3重量部以上5重量部以下である。1重量部未満であると架橋剤の添加効果が十分に得られないことがある。また、10重量部より多いと塗工液の粘度上昇が著しくなり、塗工が困難となることがある。
本発明において、水蒸気バリア層用塗工液に架橋剤を添加する場合、アンモニアなどの極性溶媒に架橋剤を溶解させてから塗工液へ添加することが好ましい。架橋剤を極性溶媒に溶解させると架橋剤と極性溶媒で結合を作るため、塗工液へ添加しても直ちには水蒸気バリア性樹脂や水溶性高分子との架橋反応が起こらないため、塗工液の増粘を抑制することができる。その場合、紙基材への塗工後に乾燥することにより極性溶媒成分が揮発し、水蒸気バリア性樹脂や水溶性高分子との架橋反応が起こり、緻密な水蒸気バリア層が形成されると推測される。
本発明において、水蒸気バリア性と発泡性向上の観点から、水蒸気バリア層に撥水剤を含有させることが好ましい。撥水剤としては、アルカン化合物を主体とするパラフィン系撥水剤、カルナバやラノインなどの動植物由来の天然油脂系撥水剤、シリコーンまたはシリコーン化合物を含有するシリコーン含有系撥水剤、フッ素化合物を含有するフッ素含有系撥水剤など例示することができる。これらの中では、水蒸気バリア性と発泡性発現の観点からパラフィン系撥水剤を使用することが好ましい。また、これらの撥水剤を単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。
本発明において、撥水剤の配合量は特に限定されるものではないが、撥水剤の配合量は、乾燥重量で水蒸気バリア性樹脂と水溶性高分子の合計100重量部に対して、撥水剤が1重量部以上100重量部以下であることが好ましい。撥水剤の配合量が1重量部未満であると、水蒸気バリア性と発泡性の向上効果が十分に得られない場合がある。一方、100重量部を超えた場合には、水蒸気バリア層上にガスバリア層を設ける場合にガスバリア層が均一に形成し難くなるため、ガスバリア性が低下する場合がある。
また、水蒸気バリア層には、上記した水蒸気バリア性樹脂、水溶性高分子、顔料、架橋剤、撥水剤の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
(ガスバリア層)
本発明の発泡シートは、水蒸気バリア層の上にさらに水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子を含有するガスバリア層を有することができる。水蒸気バリア層の上にさらにガスバリア層を有することで、水蒸気の透過遮断性が向上し、発泡性がさらに向上する。またガスバリア性に優れるため、箱や袋などの紙製包装体として使用する際に、匂いを遮断する効果も有する。
ガスバリア層に使用される水溶性高分子としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムなどを例示することができる。これらの中では、ガスバリア性の点から、ポリビニルアルコール類、セルロース誘導体が好ましく、ポリビニルアルコール類がさらに好ましい。
また、ガスバリア層に使用される水分散性高分子としては、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂などを例示することができる。
本発明において、ガスバリア層に顔料を含有させることは、発泡性やガスバリア性の向上の観点から好ましい。ガスバリア層に使用される顔料としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコア−シェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。
これらの中では、ガスバリア性の点から無機顔料を使用することが好ましく、平均粒子径が3μm以上の無機顔料を使用することがより好ましく、平均粒子径が5μm以上の無機顔料を使用することがさらに好ましい。また、アスペクト比が10以上の無機顔料を使用することがより好ましく、アスペクト比が30以上の無機顔料を使用することがさらに好ましい。
ガスバリア層に顔料を含有させた場合、水蒸気の透過遮断性が向上し、発泡性がさらに向上する。また、酸素などのガスは顔料を迂回して通過するため、顔料を含有していない水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子からなるガスバリア層と比較して高湿度雰囲気下における優れたガスバリア性を有する。
本発明において、ガスバリア層に顔料を含有させる場合、顔料と水溶性高分子および水分散性高分子の配合比率は、乾燥重量で、顔料/(水溶性高分子と水分散性高分子の合計)=1/100〜1000/100であることが好ましい。顔料の比率が上記範囲外であると、発泡性やガスバリア性の改善効果が小さくなることがある。
なお、本発明において、顔料を水溶性高分子、水分散性高分子中に配合する際に、顔料がスラリー化したものを添加し混合することが好ましい。
本発明において、ガスバリア層に多価金属塩などに代表される架橋剤を添加することができる。架橋剤はガスバリア層に含有される水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子と架橋反応を起こすため、ガスバリア層内の結合の数(架橋点)が増加する。つまり、ガスバリア層が緻密な構造となり、良好な発泡性やガスバリア性を発現することができる。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、ガスバリア層に含有される水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子の種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタンなどの多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物などのイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸などを適宜選択して使用することが可能である。なお、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましく、カリウムミョウバンを使用することがより好ましい。
架橋剤の配合量については、塗工可能な塗工液濃度や塗工液粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができるが、好ましくは顔料100重量部に対して、架橋剤が1重量部以上10重量部以下であり、より好ましくは3重量部以上5重量部以下である。1重量部未満であると架橋剤の添加効果が十分に得られないことがある。また、10重量部より多いと塗工液の粘度上昇が著しくなり、塗工が困難となることがある。
本発明において、水蒸気バリア層との密着性の観点より、ガスバリア層中に界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤のイオン性は制限されるものはなく、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれの種類でも単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、具体的な種類としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アルコール系界面活性剤、アセチレン基を有するアセチレン系界面活性剤、アセチレン基と2つの水酸基を有するアセチレンジオール系界面活性剤、アルキル基とスルホン酸基を有するアルキルスルホン酸系界面活性剤、エステル系界面活性剤、アミド系界面活性剤、アミン系界面活性剤、アルキルエーテル系界面活性剤、フェニルエーテル系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤、フェノール系界面活性剤などを例示することができる。これらの中では塗工液のレベリング性の向上効果が大きい、アセチレンジオール系界面活性剤を使用することが好ましい。なお、塗工液のレベリング性が向上すると、ガスバリア層の均一性が向上するため、ガスバリア性が向上する。
本発明において、ガスバリア層には、上記した水溶性高分子、水分散性高分子、顔料、架橋剤、界面活性剤の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
(水蒸気バリア層、ガスバリア層の塗工)
本発明において、水蒸気バリア層、ガスバリア層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置および塗工系で塗工することができる。例えば、塗工装置としてはブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工系としては、水等の溶媒を使用した水系塗工、有機溶剤等の溶媒を使用した溶剤系塗工などが挙げられる。
水蒸気バリア層、ガスバリア層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
本発明において、水蒸気バリア層の塗工量は、乾燥重量で3g/m以上50g/m以下とすることが好ましく、5g/m以上40g/m以下とすることがより好ましく、7g/m以上30g/m以下とすることがさらに好ましい。水蒸気バリア層の塗工量が3g/m未満であると、紙基材を塗工液が完全に被覆することが困難となり、十分な水蒸気バリア性が得られなくなり発泡性が低下することや、ガスバリア層用塗工液が紙基材にまで浸透して、発泡性が向上しなかったり、十分なガスバリア性が得られなくなることがある。一方、50g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなる。
なお、本発明において、水蒸気バリア層は1層であってもよく、2層以上の多層で構成してもよい。水蒸気バリア層を2層以上の多層で構成する場合は、全ての水蒸気バリア層を合計した塗工量を上記範囲とすることが好ましい。
本発明において、ガスバリア層の塗工量は、乾燥重量で0.2g/m以上20g/m以下とすることが好ましい。ガスバリア層の塗工量が0.2g/m未満であると、均一なガスバリア層を形成することが困難であるため、発泡性が向上しなかったり、十分なガスバリア性が得られなくなることがある。一方、20g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなる。
なお、本発明において、ガスバリア層は1層であってもよく、2層以上の多層で構成してもよい。ガスバリア層を2層以上の多層で構成する場合は、全てのガスバリア層を合計した塗工量を上記範囲とすることが好ましい。
(未発泡層)
本発明の発泡シートは、紙基材の一方の面上に水蒸気バリア層、他方の面上に熱可塑性樹脂からなる未発泡層を有する。本発明の発泡シートは、この紙基材に含まれる水分を加熱蒸発させ、発生させた水蒸気により未発泡層を発泡させ発泡層とする。
本発明の未発泡層に使用する熱可塑性樹脂は、積層が可能であり、且つ発泡可能であれば特に制限されず、結晶性樹脂、非結晶性樹脂のどちらの熱可塑性樹脂も使用することが可能である。
結晶性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、PPS樹脂等が例示可能である。非結晶性樹脂の例としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、変性PPE、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、非結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)等が例示可能である。これらの熱可塑性樹脂は、単一の樹脂を単層で使用しても、複数の樹脂を複層で使用してもよいが、発泡性の点から単層であることが好ましい。
本発明の未発泡層に使用する熱可塑性樹脂は、押出しラミネート適性および発泡性が優れることからポリエチレンが好ましい。ポリエチレンは、大きくは低密度ポリエチレン(密度:0.880〜0.925g/cm、融点:55℃〜120℃)、中密度ポリエチレン(密度:0.925〜0.940g/cm、融点:115〜130℃)、高密度ポリエチレン(密度:0.940〜0.970g/cm、融点:125〜140℃)に区分される。本発明では、押出しラミネート適性および発泡性が特に優れることから、低密度ポリエチレンが好ましい。
本発明の未発泡層の厚さは、所望する品質の発泡シートが得られればよく特に限定されないが、30〜80μm程度が一般的である。なお、本発明において、未発泡層は1層であってもよく、2層以上の多層で構成してもよい。未発泡層を2層以上の多層で構成する場合は、全ての未発泡層を合計した厚さを上記範囲とすることが好ましい。
(未発泡層の積層方法)
本発明において、未発泡層の積層方法は特に制限されず、紙基材上に、押出しラミネート法、ウェットラミネート法、ドライラミネート法等の各種方法を適宜使用して積層すればよいが、紙基材と未発泡層の密着性、発泡性が良好となるため、押出しラミネート法が好ましい。押出しラミネート法とは、紙基材の表面に、熱可塑性樹脂をTダイから溶融樹脂膜の状態で押出し、クーリングロールとこれに対向するニップロールとの間で冷却しつつ押圧・圧着する方法である。なお、本発明において、水蒸気バリア層と未発泡層の積層順は特に制限されないが、未発泡層を先に積層した場合は、水蒸気バリア層を塗工する際に、先に積層した未発泡層の表面性が低下しやすくなる、未発泡層が発泡しない温度で乾燥する必要があるなどの制約が発生することから、水蒸気バリア層を先に積層することが好ましい。
本発明において、押出しラミネート法の操業条件、即ち、熱可塑性樹脂の溶融温度、積層速度等は、使用する熱可塑性樹脂の種類や装置により適宜設定すればよく特に制限されないが、一般に、溶融温度は200〜350℃程度、積層速度は50〜200m/分程度である。また、ニップロールとしては硬度70度以上(JIS K−6253)のものを使用し、クーリングロールとこれに対向するニップロールによる押圧・圧着は、線圧15kgf/cm以上で行うことが好ましい。
さらに、本発明では、未発泡層を積層する場合、未発泡層同士の接着性を向上させるため未発泡層間に接着性樹脂層を挟む、あるいは、紙基材と未発泡層の接着性を向上させるためコロナ処理、オゾン処理等を行うなどしてもよい。
本発明の発泡シートは、紙基材と水蒸気バリア層のみの積層体であるバリア基材のJIS K7129Aに規定される水蒸気透過度が400g/m・day以下である。水蒸気透過度が400g/m・dayより大きいと、発泡層形成時に水蒸気バリア層が果たす蓋の役割が不十分となり、未発泡層が十分に発泡しない。
本発明の発泡シートは、紙基材と水蒸気バリア層のみの積層体であるバリア基材のJIS P8117:2009に規定される透気抵抗度(王研式試験機法)が50000秒以上であることが好ましい。透気抵抗度(王研式試験機法)が50000秒未満であると、発泡層形成時に水蒸気が発泡に寄与し難くなり、発泡性が低下する。
以下、実施例により本発明の効果を詳細に説明する。なお、特にことわらない限り、部および%は重量部および重量%を示す。各パルプのカナダ標準ろ水度(C.S.F.)はJIS P8121に準じて測定した。
[実施例1]
[紙基材]
LBKP19部(CSF180ml)とLBKP81部(CSF480ml)からなるパルプ100部に対して、硫酸アルミニウム2.5部、ロジンサイズ剤0.5部を添加した紙料スラリーを長網抄紙機で抄紙して原紙を得た。
次いで、得られた原紙の両面に、カレンダーサイズプレスによりポリビニルアルコール(完全ケン化ポリビニルアルコール、クラレ社製、製品名:PVA117)を片面当たり固形分で0.2g/m(両面で0.4g/m)になるように塗工、乾燥し、坪量320g/m、密度0.88g/cm、水分量23.4g/mの紙基材を得た。
(水蒸気バリア層用塗工液A1の調製)
エンジニアードカオリン(イメリス社製、バリサーフHX、平均粒子径9.0μm、アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2%)、セリエミキサーで分散して固形分濃度60%のカオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に、顔料100部(固形分)に対し水蒸気バリア性樹脂としてスチレン・ブタジエン系共重合体エマルション(日本ゼオン社製、PNT7868)を100部(固形分)となるように配合し、固形分濃度45%の水蒸気バリア層用塗工液A1を得た。
得られた紙基材の一方の面上に、水蒸気バリア層用塗工液A1を乾燥重量で塗工量12g/mとなるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工し、乾燥して、バリア基材を得た。
上記で得られたバリア基材の他方の面上に、厚さ40μmとなるように熱可塑性樹脂((低密度ポリエチレン、密度0.918g/cm、融点108℃))を溶融温度330℃、積層速度50m/分で押出し、クーリングロールとニップロール(硬度70度)を用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着し、未発泡層を積層して、発泡シートを得た。
[実施例2]
(水蒸気バリア層用塗工液A2の調製)
エンジニアードカオリン(イメリス社製、バリサーフHX、平均粒子径9.0μm、アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2%)、セリエミキサーで分散して固形分濃度60%のカオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に、顔料100部(固形分)に対し水蒸気バリア性樹脂としてスチレン・アクリル系共重合体エマルション(サイデン化学社製、X−511−374E)を30部(固形分)となるように配合し、さらにパラフィン系撥水剤(丸芳化学社製、MYE−35G、ワックス含有ポリエチレンエマルション)を30部(固形分)となるように配合し、固形分濃度45%の水蒸気バリア層用塗工液A2を得た。
水蒸気バリア層用塗工液A1に替えて水蒸気バリア層用塗工液A2を使用し、乾燥重量で塗工量8g/mとなるように塗工した以外は、実施例1と同様にして発泡シートを得た。
[実施例3]
水蒸気バリア層用塗工液A1に替えて水蒸気バリア層用塗工液A2を使用し、乾燥重量で塗工量12g/mとなるように塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にして発泡シートを得た。
[実施例4]
(水蒸気バリア層用塗工液A3の調製)
エンジニアードカオリン(イメリス社製、バリサーフHX、平均粒子径9.0μm、アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2%)、セリエミキサーで分散して固形分濃度60%のカオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に、顔料100部(固形分)に対し水蒸気バリア性樹脂としてスチレン・アクリル系共重合体エマルション(サイデン化学社製、X−511−374E)を100部(固形分)となるように配合し、さらにパラフィン系撥水剤(丸芳化学社製、MYE−35G、ワックス含有ポリエチレンエマルション)を100部(固形分)となるように配合し、固形分濃度45%の水蒸気バリア層用塗工液A3を得た。
水蒸気バリア層用塗工液A1に替えて水蒸気バリア層用塗工液A3を使用し、乾燥重量で塗工量12g/mとなるように塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にして発泡シートを得た。
[実施例5]
(ガスバリア層用塗工液B1の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)水溶液を固形分濃度12%となるよう調製し、ガスバリア層用塗工液B1を得た。
実施例1のバリア基材の水蒸気バリア層上に、ガスバリア層用塗工液B1を乾燥重量で塗工量2.0g/mとなるよう塗工速度300m/minでカーテンコーターを用いて塗工し、乾燥して、ガスバリア層を設けた以外は、実施例1と同様にして発泡シートを得た。
[比較例1]
(塗工層用塗工液C1の調製)
重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製、FMT−90、濃度78%)100部(固形分)に対しスチレン・ブタジエン系共重合体エマルション(日本ゼオン社製、PNT8110)を10部(固形分)、酸化澱粉(敷島スターチ製、マーメイドM210)を5部(固形分)となるように配合し、固形分濃度45%の塗工層用塗工液C1を得た。
水蒸気バリア層用塗工液A1に替えて塗工層用塗工液C1を使用し、乾燥重量で塗工量12g/mとなるように塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にして発泡シートを得た。
[比較例2]
(塗工層用塗工液C2の調製)
カオリンA(KaMin社製、ハイドラグロス)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2%)、セリエミキサーで分散して固形分濃度60%のカオリンスラリーAを調製した。また、カオリンB(イメリス社製、CapimDG)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2%)、セリエミキサーで分散して固形分濃度60%のカオリンスラリーBを調製した。
上記カオリンスラリーA、カオリンスラリーBおよび重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製、FMT−90、濃度78%)を、カオリンAが60部(固形分)、カオリンBが20部(固形分)、重質炭酸カルシウムが20部(固形分)となるように混合し、顔料100部(固形分)に対しスチレン・ブタジエン系共重合体エマルション(日本ゼオン社製、PNT8110)を10部(固形分)、酸化澱粉(敷島スターチ製、マーメイドM210)を5部(固形分)となるように配合し、固形分濃度45%の塗工層用塗工液C2を得た。
水蒸気バリア層用塗工液A1に替えて塗工層用塗工液C1を使用し、乾燥重量で塗工量8g/mとなるように塗工、乾燥し、さらに塗工層上に、塗工層用塗工液C2を乾燥重量で塗工量12.0g/mとなるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工し、乾燥して、バリア基材を得た以外は、実施例1と同様にして発泡シートを得た。
[比較例3]
得られた紙基材の一方の面上に、厚さ70μmとなるように熱可塑性樹脂((中密度ポリエチレン、密度0.939g/cm、融点128℃))を溶融温度330℃、積層速度50m/分で押出し、クーリングロールとニップロール(硬度70度)を用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着した。次いで、他方の面上に、厚さ40μmとなるように熱可塑性樹脂((低密度ポリエチレン、密度0.918g/cm、融点108℃))を溶融温度330℃、積層速度50m/分で押出し、クーリングロールとニップロール(硬度70度)を用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着し、未発泡層を積層して、発泡シートを得た。
以上のようにして得たバリア基材および発泡シートについて以下の評価を行った。
(バリア基材)
<水蒸気透過度(水蒸気バリア性)>
温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、JIS K7129A:2008に準拠して、透湿度測定器(Dr.Lyssy社製、L80−4000)を用いて測定した。
なお、実施例5についても、ガスバリア層を塗工する前の紙基材と水蒸気バリア層のみの積層体からなるバリア基材を測定した。
<透気抵抗度>
JIS P8117:2009に準拠した方法(王研式試験機法)により測定した。
(発泡シート)
<発泡性(美麗性)>
得られた発泡シートから1辺100mmの正方形の試験片を切り出し、熱風を使用して、加熱温度115℃、加熱時間6分間で未発泡層を発泡させて発泡層とした。
発泡後の発泡層の表面を目視で観察し、以下の基準で発泡性(美麗性)を評価した。
◎:全体的に十分な厚みで発泡しており、ムラがなく美麗性が良好。
○:ややムラはあるが、全体的に十分に発泡している。
△:部分的に発泡している所はあるが、全体的に発泡が不十分。
×:全く発泡していない。
<成形性>
得られた発泡シートから試験片を切り出し、熱風を使用して、加熱温度115℃、加熱時間6分間で未発泡層を発泡させて発泡層とした。
これを直方体の箱(縦10cm、横5cm、高さ5cm)に手折り加工した際の、加工のしやすさと成形後の箱の外観を評価した。
〇:手折り加工が容易であり、成形後の箱は形状が整っている。
×:手折り加工時に抵抗があり、成形後の箱は丸みを帯びている。
Figure 2019177577
(まとめ)
本発明である実施例1〜5の発泡シートは、発泡性(美麗性)および折り曲げの成形性に優れていた。
バリア基材の水蒸気透過度が400g/m・dayより大きい比較例1、2は、美麗な発泡層が得られなかった。これは、紙基材中で生じた水蒸気が、熱可塑性樹脂からなる未発泡層側ではなく、水蒸気バリア層側から抜けてしまったためである。
比較例3は、両面に熱可塑性樹脂がラミネートされているため、折り曲げの成形性が劣っていた。

Claims (9)

  1. 紙基材と、
    前記紙基材の一方の面上に形成された水蒸気バリア性樹脂を含有する水蒸気バリア層と、
    前記紙基材の他方の面上に形成された熱可塑性樹脂からなる未発泡層と、
    を有し、
    前記紙基材と前記水蒸気バリア層のみの積層体であるバリア基材の水蒸気透過度が400g/m・day以下であることを特徴とする発泡シート。
  2. 前記バリア基材の透気抵抗度が50000秒以上であることを特徴とする請求項1に記載の発泡シート。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の発泡シート。
  4. 前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項3に記載の発泡シート。
  5. 前記水蒸気バリア性樹脂が、スチレン・ブタジエン系合成接着剤及び/又はスチレン・アクリル系合成接着剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡シート。
  6. 前記水蒸気バリア層が、アスペクト比10以上の顔料を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発泡シート。
  7. 前記水蒸気バリア層の塗工量(固形分)が、3g/m以上50g/m以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発泡シート。
  8. 前記水蒸気バリア層が、撥水剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の発泡シート。
  9. 前記水蒸気バリア層の面上に、ガスバリア層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の発泡シート。
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