JP2000301561A - 射出成形で形成された環状密封材を備えた容器蓋 - Google Patents

射出成形で形成された環状密封材を備えた容器蓋

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JP2000301561A
JP2000301561A JP11113645A JP11364599A JP2000301561A JP 2000301561 A JP2000301561 A JP 2000301561A JP 11113645 A JP11113645 A JP 11113645A JP 11364599 A JP11364599 A JP 11364599A JP 2000301561 A JP2000301561 A JP 2000301561A
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sealing material
shell
annular sealing
container
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Shinji Odajima
慎次 小田嶋
Ryuichi Tsukamoto
龍一 塚本
Hiroaki Kikuchi
裕昭 菊地
Nobutaka Imani
延孝 今仁
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Nippon Closures Co Ltd
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Japan Crown Cork Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含塩素重合体以外の熱可塑性エラストマーを
用いた場合にも、容器蓋シェル内で成形可能な環状密封
材を有する金属製容器蓋を提供することにある。 【解決手段】 金属製容器蓋シェルと該シェルの内面に
施された環状密封材とから成る容器蓋において、該密封
材が、(1)JIS A硬度が80度以下であり、
(2)70℃及び22時間後の圧縮永久歪みが65%以
下であり、且つ(3)230℃−2.16kg荷重下で
のメルトフローレート(MFR)が1.0乃至30g/
10minの範囲にある含塩素系以外の熱可塑性エラス
トマーから成り、且つ該エラストマーの射出成形で密封
材が形成されていることを特徴とする容器蓋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含塩素系以外の熱
可塑性エラストマーから成る密封材が形成された金属製
容器蓋に関し、より詳細には、かかる密封材が環状に、
しかも射出成形により容器蓋シェル内で成形されている
ことを特徴とする金属製容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製容器蓋の内面には、容器蓋の密封
性を保持するため密封材が不可欠であり、かかる密封材
は、容器口部が当接する容器蓋シェル内に設けられてい
ればその目的を達成するため、密封材の使用樹脂量を低
減する観点からは環状に設けることが好ましく、特に口
径の大きな容器蓋においてはその要求は大きい。更に生
産工程を短縮するためにも容器蓋シェル内で密封材を形
成することが要望されている。
【0003】このような密封材に対する要望を満足する
材料としては、優れた弾性及び加工性の観点から塩化ビ
ニル樹脂のプラスチゾルが用いられている。塩化ビニル
樹脂のプラスチゾルを用いた場合には、容器蓋シェル内
にスピンコートすることにより、容易に環状の密封材を
容器蓋シェル内で作成することが可能である(例えば、
特開平3−115452号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】塩化ビニル樹脂を廃棄
する際に生じる問題から、塩化ビニル樹脂以外のオレフ
ィン系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いた密封材も提案され
ている。例えば、特開平4−71788号公報には、ア
ルケニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重
合体の水素添加物とポリオレフィンとを10:90乃至
80:20の重量比で含有するブレンド物から成るライ
ナー材を用いた耐熱性ライナー付容器蓋が記載されてい
る。しかしながら、かかる熱可塑性樹脂を用いた密封材
は、溶融樹脂の流動性の観点から、容器蓋シェル内中央
に樹脂を注加して型押成形するため、容器口部が当接す
る部分以外の容器蓋シェル内全域にわたって樹脂が施さ
れることが一般的であり、環状に成形することは困難で
あった。従って、環状の密封材を得るためには、別個に
成形した密封材を容器蓋シェル内に接着せざるを得ず、
生産性が悪く実用に供することは困難である。特に口径
の大きな容器蓋においては、インシェルモールドによっ
て熱可塑性樹脂を用いた環状の密封材を形成すること
は、生産性及び製造コストの観点から望まれている。従
って、本発明の目的は、含塩素重合体以外の熱可塑性エ
ラストマーを用いた場合にも、容器蓋シェル内で成形可
能な環状密封材を有する金属製容器蓋を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属製
容器蓋シェルと該シェルの内面に施された環状密封材と
から成る容器蓋において、該密封材が、(1)JIS
A硬度が80度以下であり、(2)70℃及び22時間
後の圧縮永久歪みが65%以下であり、且つ(3)23
0℃−2.16kg荷重下でのメルトフローレート(M
FR)が1.0乃至30g/10minの範囲にある含
塩素系以外の熱可塑性エラストマーから成り、且つ該エ
ラストマーの射出成形で密封材が形成されていることを
特徴とする容器蓋が提供される。本発明においては、容
器蓋シェルがスチール或いはアルミニウムで形成されて
いると共に、環状密封材と少なくとも部分的に、特に内
周側で接着され外周側で非接着の状態に維持されている
ことが好ましく、また天面部にセーフティボタンを有し
ていることが好ましい。
【0006】
【発明の実施形態】本発明の金属製容器蓋においては、
密封材を形成する熱可塑性エラストマーが含塩素系以外
のものであり、かかる熱可塑性エラストマーが以下の物
性を有することが重要な特徴である。すなわち、 (1)JIS A硬度が80度以下、 (2)70℃及び22時間後の圧縮永久歪みが65%以下 (3)230℃−2.16kg荷重下でのメルトフローレー
ト(MFR)が1.0乃至30g/10分という物性を
有するものである。
【0007】上記(1)のJIS A硬度は、熱可塑性エラスト
マーの柔軟性を規定するものである。かかる硬度が80
度以下、特に70度以下であることにより、密封材は容
器口部に対して充分な緩衝機能を発揮でき、耐衝撃性及
び密封性能に優れたものとなる。
【0008】また上記(2)の70℃及び22時間後の圧
縮永久歪みは、JIS K 6301に準拠して測定され、熱可塑
性エラストマーの弾性の持続性を規定するものである。
かかる圧縮永久歪みが65%以下、特に45%以下であ
ることにより、密封材の弾性は長期にわたって持続し、
耐衝撃性に優れたものとなる。
【0009】更に、上記(3)の230℃−2.16kg荷
重下でのメルトフローレート(MFR)は、使用する熱
可塑性エラストマーを230℃で溶融し、これを2.1
6kgの荷重で押し出すとき10分間の流量をグラム数
で表わしたものであり、射出成形における熱可塑性エラ
ストマーの溶融時の流動性を規定するものである。かか
るメルトフローレートが1.0乃至30g/10分の範
囲内にあることにより、射出ゲートから射出される溶融
エラストマーのキャビティ内への周りがよく、口径の大
きな容器蓋であっても環状密封材を生産性よく成形する
ことができる。
【0010】本発明においては、上記(1)〜(3)の条件を
満たす含塩素系以外の熱可塑性エラストマーを用いるこ
とにより、金属製容器蓋シェル内に射出成形で直接環状
密封材を成形できるため高速生産が可能であり、また容
器口部に対応する形状を容易に形成できるため、密封性
に優れた容器蓋を成形することが可能となる。
【0011】本発明においては、上記(1)〜(3)の条件を
満たす含塩素系以外の熱可塑性エラストマーから成る環
状密封材を、容器蓋シェルに部分的に接着していること
が好ましい。すなわち、金属蓋シェルと環状密封材の間
に非接着の部分を設けておくことにより、非接着部分の
密封材は自由度を持って容器蓋シェル内に位置している
ため、例えば衝撃荷重が加えられたような場合にも非接
着の部分が伸縮して、衝撃を緩和することが可能とな
り、耐衝撃性に優れたものになる。このことは後述する
実施例の結果からも明らかであり、例えば比較例3にお
いては非接着部分を設けていることにより、JIS A硬度
が本願発明範囲にない場合でも耐衝撃性においては優れ
た結果が得られているのである。特に、環状密封部材の
内周側で接着され、外周側で非接着のフリーの状態に維
持されていることが好ましい。このように外部からの衝
撃により最も衝撃を受けやすい角部に対応する外周側に
非接着部分を形成しておくことにより、環状密封材の非
接着部分が若干動いて衝撃を吸収することができるの
で、内容液が漏れるのを防止でき、高い密封性を保持す
ることができる。
【0012】本発明の容器蓋は、例えば通常のねじ付き
キャップやラグキャップの他、容器蓋天面にスコアが設
けられ、かかるスコアに連なるタブリングが設けられた
易開封性の容器蓋等従来公知のすべての容器蓋に適用す
ることができる。中でも、本発明の容器蓋においては、
環状の密封部材を有するため、口径が大きく、且つ容器
蓋シェル天面中央にセーフティボタンを有する容器蓋に
好適に適用することができる。セーフティボタンとは、
容器蓋天面に上に凸の撓み変形及び復元可能な部分であ
り、かかるセーフティボタンが設けられた容器蓋は、容
器蓋が開栓されるまでは、容器内の減圧によりセーフテ
ィボタンは下に凸の状態を維持し、開栓されると減圧が
解かれ上に凸の状態へと復元して、その後再び閉栓して
も上に凸の状態を維持することになる。従って、密封性
が保持されていることを目視により容易に確認できると
共に、容器蓋が開栓されたものであることを一目でわか
るようにした開封明示機能をも有するものである。
【0013】かかるセーフティボタンが設けられた容器
蓋において、上に凸の変形及び復元可能な部分の位置に
密封部材が存在すると、セーフティボタンの上下動が妨
げられ、確実な密封性の確認機能や開封明示機能を発揮
できないおそれがある。従って、本発明のように環状密
封部材がインシェルモールドによって設けられた容器蓋
においては、セーフティボタンの機能を損なうことな
く、生産性よく製造することが可能となるのである。
【0014】本発明の容器蓋を、添付図面を用いて詳細
に説明する。図1は、本発明の容器蓋の一実施例の平面
図であり、図2は図1に示す容器蓋の底面図であり、図
3は、図1のX−X矢印方向から見た側面図であり、図
4は図1のY−Y矢印方向から見た側面図であり、図5
は図1のZ−Z線断面を示す断面図である。また、図6
は、図1の開封用スリットの詳細を説明する部分拡大図
であり、図7は、容器蓋を容器口部に適用した状態にお
ける、図1のZ−Z線断面に対応する側断面図である。
【0015】全体を1で表す本発明の容器蓋は、天面2
及び天面2の周囲から垂下する短いスカート部3から成
る金属製のシェル4と、環状密封部材5から成ってい
る。スカート部3には、その下端から延びる径方向に延
びる開封用把持部6と、該把持部6の両側端部から周方
向に間隔をおいて下端から高さ方向に延びる少なくとも
一対の開封用スリット乃至スコア、この例では第一のス
リット71,71と、第二のスリット72,72とが設
けられている。これらの開封用スリット71,72は容
器蓋の容器口部から取り外しに役立つものである。
【0016】この例のキャップにおいては、図5によく
示されている通り、天面2は、スカート部3から小間隔
をおいてリング状の頂面部21があり、このリング状の
頂面部21の内周側から径内方向且つ下方向に傾斜して
垂下するリム部22があり、このリム部22にフラット
な中央パネル部23が接続されている。かくしてスカー
ト部3の上部、リング状頂面部21及びリム部22で囲
まれた内面側の部分が環状密封材収納溝51になってい
る。
【0017】開封用把持部6は、樹脂製のリング61か
ら成っており、スカート部3の下端から延びている舌片
62に分離不能に固着されている。開封に際して、スカ
ート部3による容器口部8への巻締め力を弱めるため
に、開封用把持部6の両側付け根63からスカート部3
の高さ方向に延び、且つ頂面部21の周縁を開封用把持
部の反対方向に短い距離だけ延びている開封開始用スコ
ア73が形成されている。
【0018】一方、第一のスリット71は、開封に際し
てスカート部3のうち、開封用把持部側の部分を容器口
部8から取り外しやすくするものであり、また第二のス
リット72は、開封に際してスカート部3のうち第二の
スリット72よりも後方の部分(開封用把持部と反対側
の部分)を容器口部8から取り外しやすくするものであ
る。かくして第一のスリット71は、スカート部3を開
封用把持部6の側とその反対側に二分したとき、開封用
把持部6の側に形成されており、第二のスリット72は
開封用把持部6側に反対側に形成されている。
【0019】これらのスリット71,72の詳細な構造
を示す図6において、スカート部3の下端部には切欠き
部(ノッチ)74が形成されており、この切欠き部74
の最深部には下方スリット75が接続しており、この下
方スリット75と一直線になるように、上方スリット7
6がブリッジ77を介して設けられている。
【0020】図1乃至7に示す実施例においては、溝5
1の内周縁よりも内側に位置する中央パネル部23に、
円周状の付け根部24を介して上に凸の撓み変形及び復
元可能な部分(ボタン)9が設けられている。すなわ
ち、この易開封性の容器蓋1においては、開栓前の状態
では、図5の断面図に最もよく示されるように、容器口
部に適用する前においては上に凸の撓み変形及び復元可
能な部分9は天面部の頂面部21よりも突出しない範囲
で上に凸の状態で存在していることが好ましい。一方、
この易開封性容器蓋1で容器を密封する際しては、内容
物を熱間充填した後、スカート部3の下端部を径が縮小
するようにかしめて容器口部と係合させて密封する。そ
の後、内容物の冷却に伴って容器内部が減圧となり、そ
の結果、図7に示す通り、撓み変形及び復元可能な部分
9は下側に凸の撓んだ状態となる。
【0021】上に凸の撓み変形及び復元可能な部分9
は、部分球殻を変形した形状になっており、具体的には
円周状付け根部24よりも内側の幅の狭いリング状立ち
上がり部91、このリング状立ち上がり部91の内周縁
に接続された円錐台部92及び円錐台部92の内周縁に
接続されたフラットな円形部93から成っている。立ち
上がり部91の傾斜角度は円錐台の傾斜角度よりも大き
く、これにより立ち上がり部91は減圧下でそれ自体も
若干下方に撓み変形すると共に、円錐台部92の下方へ
の反転変形を補助するように作用する。フラットな円形
中心部93を設けたのは、この部分に加工硬化を付与す
るためであり、これにより円形部93が、その形状を維
持したままで、ある一定圧力以上で或いは以下で上下に
移動可能としている。このような変形を可能にすること
により、例えば開封時に音を発生するようにすることも
できる。
【0022】図1乃至7に示した易開封性容器蓋の開封
操作は次のように行われる。まず開封用把持部6のリン
グ61を指で保持して、手前に引き寄せる。これにより
把持部6の両側付け根63乃至その近傍に設けられてい
る開封開始用スコア73が剪断されて、把持部側のスカ
ート部が変形可能な状態となる。次いで把持部6を保持
したまま、これを上方に持ち上げると、第一の開封用ス
リット71のブリッジ77が剪断されて、スリット71
の上方端縁の部分を支点として、天面部及びスカート部
は上方に屈曲乃至屈折可能となり、更に上方への持ち上
げを続行することにより、第二の開封用スリット72の
ブリッジ76が剪断されて、スリット72の上方端縁の
部分を支点として、天面部及びスカート部は後方に移動
可能及び上方に屈曲乃至屈折可能となり、結局、容器蓋
全体が容器口部8から取り外され、開封が完了すること
になる。
【0023】本発明の蓋シェルは、易開封性の容器蓋で
ある場合には、アルミニウム製であることが好ましい。
この蓋シェルは純アルミニウムから成るものでもよい
が、一般に、強度、剛性、耐腐食性等の見地から、アル
ミニウム合金を使用するのが好ましく、このアルミニウ
ム中には、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、T
i、Ni等の合金金属が含有されている。好適なアルミ
ニウム基体は、Cu 0 〜0.8 %、Mg 0 〜2.8 %、Mn
0 〜1.5%、Fe 0 〜0.5 %、Si 0 〜0.5 %(%は重
量基準)を含む組成を有するものであり、例えばJIS
規格(H 4000)による金属番号が1070、10
50、1100、1200などの純アルミニウム、20
11、2014、2017、2024などのAl−Cu
系合金、3003、3004、3024などのAl−M
n系合金、5005、5052、5154、5082な
どのAl−Mg系合金、合金番号5182、5056、
5083、5086などのAl−Mn−Mg系合金、6
061、6063などのAl−Mg−Si系合金、70
75、7N01などのAl−Zn系合金、などが好適な
ものである。アルミニウムの厚みは、一般に0.15乃
至0.21mm、特に0.18乃至0.20mmの範囲
にあることが望ましい。
【0024】また、ねじキャップやラグキャップにおい
ては、上記アルミニウム板の他、各種表面処理鋼板を用
いることができる。表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板
を焼き鈍し後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、
ニッケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の
表面処理の一種または二種以上を行ったものを用いるこ
とができる。かかる表面処理鋼板の厚みは、一般に0.
15乃至0.21mm、特に0.15乃至0.20mm
の範囲にあることが望ましい。
【0025】本発明に用いる容器蓋シェルの少なくとも
内面は、それ自体公知の保護塗膜を有しているか、或い
は樹脂フィルム等でラミネートされていることが好まし
い。特に密封材と接着性のあるポリマーから成るものを
用いた場合には、後述する接着剤が不要になるため望ま
しい。例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル
−1−ペンテンあるいはエチレン、ピロピレン、1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同
士のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフ
ィン、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重
合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体
等のスチレン系樹脂等、あるいはこれらの混合物を好適
に使用することができる。保護用塗膜或いはフィルムの
厚みは一般に4乃至8μmの範囲にあるのが適当であ
る。
【0026】本発明に用いる容器蓋シェルの製造は、そ
れ自体公知の任意の方法で行うことができ、例えば、塗
装或いはラミネート金属板を天面部及びスカート部の形
にプレス成形あるいは絞り成形し、易開封性容器蓋の場
合にはスコア乃至スリット加工を行い、樹脂の圧縮成形
や射出成形でシェルと一体に把持リングの形成を行えば
よく、またねじキャップの場合にはスカート部にねじ加
工を行い、ラグキャップの場合はコップ形状にプレス加
工を行った後、環状密封材を形成し、その後スカート先
端にヘミング加工が施され、その部分にカーリング及び
ラグ成形加工を行えばよい。
【0027】環状密封材を構成する素材は、密封に必要
なクッション性、柔軟性などを有すると共に、容器蓋シ
ェル内に射出成形によって成形可能であることが必要で
あり、このため、本発明においては、前述したように、
(1)JIS A硬度が80度以下であり、(2)70
℃及び22時間後の圧縮永久歪みが65%以下であり、
且つ(3)230℃−2.16kg荷重下でのメルトフ
ローレート(MFR)が1.0乃至30g/10min
の範囲にある含塩素系以外の熱可塑性エラストマーから
成る。
【0028】含塩素系以外の熱可塑性エラストマーとし
ては、従来公知のものを使用することができ、例えば、
熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー、熱可塑性スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体や、熱可
塑性スチレン−イソプレン−スチレン共重合体などの熱
可塑性スチレン系エラストマー、エチレン−プロピレン
・ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン・ゴム、
スチレン−ブタジエン・ゴム、ニトリル−ブタジエン・
ゴム、ブチルゴム、天然ゴム、ポリブタジエン、クロロ
プレン・ゴム、ポリウレタン、アクリルゴム、シリコー
ン・ゴム等が挙げられる。これらの中でもスチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体ゴム(SBS
R)、イソブチレン−イソプレンゴム(IIR)、エチ
レン−プロピレンゴム(EPR)等を好適に使用し得
る。これらは単独で用いることもまた必要に応じて二種
類以上組み合わせて使用することも可能である。これら
の熱可塑性エラストマー中には、それ自体公知の樹脂配
合剤、例えば、充填剤、着色剤、熱安定剤、発泡剤、架
橋剤等をそれ自体公知の処方に従って配合することがで
きる。
【0029】上記塗膜乃至フィルムを密封材の接着剤と
しても使用する場合には、用いる熱可塑性エラストマー
と同種のものを用いることが好ましく、また別途接着剤
を塗布する場合には、例えば密封材としてポリオレフィ
ン系エラストマーを用いる場合にはポリプロピレン系接
着剤、ポリエチレン系接着剤等、またスチレン系エラス
トマーの場合にも、ハードセグメントとしてポリプロピ
レンが含有されているため、ポリプロピレン系の接着剤
が使用できる。またこれらの酸変性物等も好適に用いる
ことができる。
【0030】容器蓋シェルと密封材を接着するため、上
記保護用塗膜或いはフィルムが、密封材と接着性のある
ものである場合には、上記保護用塗膜或いはフィルムを
もって接着剤とすることが可能であるが、勿論接着剤を
塗布しておくことも可能である。本発明においては環状
密封材は部分的、特に内周側で接着され、外周側で非接
着のフリーの状態に維持されることが好ましいため、容
器蓋シェル全面に接着剤となる上記塗膜乃至フィルムを
設けている場合には、非接着の部分にマスキング材を施
しておくことが望ましい。また接着剤を塗布する場合で
も、接着部分のみに接着剤を塗布する以外に、接着剤を
塗布した後非接着部分にマスキング材を施すことによっ
ても部分接着が可能となる。
【0031】環状密封材の成形は、容器蓋シェルと容器
口部に対応した形状の型によりキャビティを作成し、こ
のキャビティ内に上述した熱可塑性エラストマーを溶融
射出して、過冷却されることにより、密封材は容器蓋シ
ェル内で成形が完了する。射出機としては、射出プラン
ジャーまたはスクリューを備えたそれ自体公知のものが
使用され、ノズル、スプルー、ゲートを通してキャビテ
ィ内に射出する。射出温度は180乃至240℃、圧力
は250乃至2000kg/cm程度が好ましい。
【0032】
【実施例】表1に示す材料を、180〜240℃の温度
で加熱溶融させ、表1に示す射出圧力で、容器蓋シェル
内面に環状の密封材を成形し、アルミニウム性易開封性
容器蓋(口径56mm 以下、リンプルキャップと呼
ぶ)及びスチール製ラグキャップ(口径63mm 以
下、単にラグキャップと呼ぶ)を試作した。清酒用ワン
カップ瓶に70℃の温水を200ml充填したものに、
上記リンプルキャップを坂口式王冠打栓機を用いて打栓
した。また、ジャム用ガラス瓶に90度の温水を125
ml充填したものに、上記ラグキャップをキャッピング
し、90℃−10分の熱処理を行った。これらの充填品
を所定温度に所定期間放置した後、以下の減圧密封性、
耐衝撃性を評価した。以下、評価結果を合わせて表1に
示す。
【0033】(環状密封材の成形性) 〇:連続成形可能 ×:連続成形不能 (耐衝撃性)スチール製ラグキャップをキャッピングし
たものは、容器蓋側面上部の4等配4箇所に各1回づつ
10インチポンドの衝撃を加え、漏れが発生するまでの
衝撃回数及び漏れたものの数を測定した。減圧密封時は
容器天面のセフティボタンは下に凸であるが、衝撃によ
り密封が損なわれると、セフティボタンは平面又は上に
凸になる。アルミニウム製リンプルキャップをキャッピ
ングしたものは、10゜傾斜面鉄塊上に30cm及び4
0cmの高さから倒立落下し、容器内への気泡の進入を
目視にて判定し、気泡の進入したものの数を測定した。
【0034】(密封性)スチール製ラグキャップをキャ
ッピングしたものは、40℃−1ヶ月放置後、15℃に
調整し、容器内減圧値をバキュームキャンテスターにて
測定した。また、アルミニウム製リンプルキャップをキ
ャッピングしたものは、室温で1週間放置後、15℃に
調整し、容器内減圧値をバキュームキャンテスターで測
定した。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示すライナー材の記号は以下の材料
を示す。 ATBC:アセチル化トリブチルサイトレート SEBS:スチレンエチレンブタジエンスチレン EPR:エチレン−プロピレンゴム EPDM:エチレン−プロピレンジエンゴム IIR:イソブチレンーイソプレンゴム PP:ポリプロピレン LLDPE:線状低密度ポリエチレン MO:ミネラルオイル
【0037】
【発明の効果】本発明においては、金属製容器蓋シェル
と該シェルの内面に施された環状密封材とから成る容器
蓋において、(1)JIS A硬度が80度以下であ
り、(2)70℃及び22時間後の圧縮永久歪みが65
%以下であり、且つ(3)230℃−2.16kg荷重
下でのメルトフローレート(MFR)が1.0乃至30
g/10minの範囲にある含塩素系以外の熱可塑性エ
ラストマーから成る密封材を射出成形で成形することに
より、含塩素系以外の材料で密封材をインシェルモール
ドにより生産性よく製造することが可能となった。しか
も、この密封材は密封性能及び耐衝撃性能に優れている
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器蓋の一例を示す平面図である。
【図2】図1の容器蓋の底面図である。
【図3】図1の容器蓋の開封用把持部側からみた側面図
である。
【図4】図1の容器蓋の図3の位置から90度回転した
位置からみた底面図である。
【図5】図1の容器蓋の拡大側面断面図である。
【図6】図1の容器蓋の開封用スリットの詳細な構造を
示す部分拡大側面図である。
【図7】減圧密封状態にある容器蓋を容器口部と共に示
す断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/00 CEZ C08J 5/00 CEZ B29K 21:00 C08L 101:00 (72)発明者 菊地 裕昭 神奈川県平塚市長瀞2番12号 日本クラウ ンコルク株式会社平塚工場内 (72)発明者 今仁 延孝 神奈川県平塚市長瀞2番12号 日本クラウ ンコルク株式会社平塚工場内 Fターム(参考) 3E084 AA12 AB01 BA02 CA01 CC02 DA01 DB01 DB09 DB14 DC02 FA09 FD13 GB08 GB12 GB17 HA03 HB07 HC06 HD01 4F071 AA11 AA12 AA13 AA15 AA15A AA20A AA31 AA53 AA67 AA75 AF58A AH05 BA01 BB05 BC07 CC06 CD05 4F202 AA45 AE10 CA11 CB01 CB11 CQ01 CQ05 4F206 AA45 AE10 JA07 JB11 JQ81

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製容器蓋シェルと該シェルの内面に
    施された環状密封材とから成る容器蓋において、該密封
    材が、(1)JIS A硬度が80度以下であり、
    (2)70℃及び22時間後の圧縮永久歪みが65%以
    下であり、且つ(3)230℃−2.16kg荷重下で
    のメルトフローレート(MFR)が1.0乃至30g/
    10minの範囲にある含塩素系以外の熱可塑性エラス
    トマーから成り、且つ該エラストマーの射出成形で密封
    材が形成されていることを特徴とする容器蓋。
  2. 【請求項2】 前記容器蓋シェルがスチール或いはアル
    ミニウムで形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の容器蓋。
  3. 【請求項3】 前記容器蓋シェルと環状密封材とが少な
    くとも部分的に接着されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載の容器蓋。
  4. 【請求項4】 前記容器蓋シェルと環状密封材とが環状
    密封材の内周側で接着され、外周側で非接着のフリー状
    態に維持されていることを特徴とする請求項1乃至3の
    何れかに記載の容器蓋。
  5. 【請求項5】 前記容器蓋シェルが天面部にセーフティ
    ボタンを有するものであることを特徴とする請求項1乃
    至4の何れかに記載の容器蓋。
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