JP2000301156A - 電気式脱イオン水製造装置及びこれを用いる通水方法 - Google Patents
電気式脱イオン水製造装置及びこれを用いる通水方法Info
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Abstract
スケール発生防止を抑制することができると共に、電流
効率を維持しつつ脱塩室の電気抵抗を低減する最適脱塩
室厚さに設計可能な電気式脱イオン水製造装置及びこれ
を用いる通水方法を提供すること。 【解決手段】 濃縮室3、アニオン交換体10が充填さ
れた第1脱塩室1a、濃縮室3、カチオン交換体とアニ
オン交換体の混合イオン交換体9が充填された第2脱塩
室1bを順次に配し、これを複数積層し、これらの脱塩
室1及び濃縮室3の積層体を陽極6と陰極5の間に配置
して形成される電気式脱イオン水製造装置20aにおい
て、第2脱塩室流出管12と第1脱塩室流入管13が連
接されたものである電気式脱イオン水製造装置。
Description
医製薬製造分野、原子力や火力等の発電分野、食品工業
などの各種の産業又は研究所施設において使用され、カ
ルシウムやマグネシウムなどの硬度成分のスケール発生
を抑制する電気式脱イオン水製造装置及びこれを用いる
通水方法に関するものである。
からイオン交換樹脂に被処理水を通して脱イオンを行う
方法が知られているが、この方法ではイオン交換樹脂が
イオンで飽和されたときに薬剤によって再生を行う必要
があり、このような処理操作上の不利な点を解消するた
め、近年、薬剤による再生が全く不要な電気式脱イオン
法による脱イオン水製造方法が確立され、実用化に至っ
ている。
水製造装置の模式断面図を示す。図4に示すように、カ
チオン交換膜101及びアニオン交換膜102を離間し
て交互に配置し、カチオン交換膜101とアニオン交換
膜102で形成される空間内に一つおきにイオン交換体
103を充填して脱塩室とする。脱塩室の被処理水流入
側(前段)にはアニオン交換樹脂103aが充填され、
脱塩室の被処理水流出側(後段)にはカチオン交換樹脂
とアニオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂103bが充
填されている。また、脱塩室104のそれぞれ隣に位置
するアニオン交換膜102とカチオン交換膜101で形
成されるイオン交換体103を充填していない部分は濃
縮水を流すための濃縮室105とする。
101とアニオン交換膜102と、その内部に充填する
イオン交換体103とで脱イオンモジュール106を形
成する。
の一方の側にカチオン交換膜101を封着し、枠体10
7のくり抜かれた部分の上方部(前段)にアニオン交換
樹脂103aを、下方部(後段)に混合イオン交換樹脂
103bをそれぞれ充填し、次いで、枠体107の他方
の部分にアニオン交換膜102を封着する。なお、イオ
ン交換膜101と102は比較的柔らかいものであり、
枠体107内部にイオン交換体103を充填してその両
面をイオン交換膜で封着した時、イオン交換膜が湾曲し
てイオン交換体103の充填層が不均一となるのを防止
するため、枠体107の空間部に複数のリブ108を縦
設するのが一般的である。また、図では省略するが、枠
体107の上方部に被処理水の流入口が、また枠体の下
方部に処理水の流出口が付設されている。
数個をその間に図では省略するスペーサーを挟んで、並
設した状態が図4に示されたものであり、並設した脱イ
オンモジュール106の一端側に陰極109を配設する
と共に、他端側に陽極110を配設する。なお、前述し
たスペーサーを挟んだ位置が濃縮室105であり、また
両端の濃縮室105の両外側に必要に応じカチオン交換
膜101、アニオン交換膜102、あるいはイオン交換
性のない単なる隔膜等の仕切り膜を配設し、仕切り膜で
仕切られた両電極109、110が接触する部分をそれ
ぞれ陰極室112及び陽極室113とする。
に充填されるイオン交換体は、前述のように、被処理水
側をアニオン交換体、処理水側をカチオン交換体とアニ
オン交換体の混合イオン交換体とする形態、被処理水側
をアニオン交換体、処理水側をカチオン交換体とする形
態及び脱塩室内をカチオン交換体とアニオン交換体の混
合イオン交換体とする形態などがあるものの、複数個設
置された各脱塩室はいずれも全て同じイオン交換体の配
置構造となっていた。また、脱塩室に流入する被処理水
の流通方向は、各脱塩室共に同一方向で且つ一過式であ
り、各脱塩室からの流出水は処理水として、そのままユ
ースポイントあるいは後段装置へと送られていた。
うな電気式脱イオン水製造装置においては、濃縮室のカ
ルシウムやマグネシウムなどの硬度成分が移動してくる
箇所で局所的にpHが高くなり、スケール発生が頻繁に
起こるという問題があった。これは脱塩室のカチオン交
換体が充填されている箇所でカチオン交換され溶離した
硬度成分がカチオン交換膜を通して濃縮室に移動する
が、硬度成分が移動する濃縮室の隣り合う反対側の脱塩
室にもカチオン交換体が充填されており、塩化物イオン
や硫酸イオンなどのアニオン成分が極微量しか移動しな
いため濃縮室の当該部分ではpHが上昇することと、更
に移動イオン量が極端に少ないために水の電気分解が起
こることから、炭酸カルシウムや水酸化マグネシウムな
どのスケールが発生するものと思われる。
水製造装置によって脱イオン水を製造する場合につい
て、図4及び脱塩室と濃縮室の関係を原理的に示した図
3を参照して説明する。すなわち、陰極109と陽極1
10間に直流電流を通じ、また、被処理水流入管111
から被処理水が流入すると共に、濃縮水流入管115か
ら濃縮水が流入し、且つ電極水流入管117、117か
らそれぞれ電極水が流入する。被処理水流入管111か
ら流入した被処理水は脱塩室104を流下し、先ず、前
段のアニオン交換樹脂103aを通過する際、塩酸イオ
ンや硫酸イオンなどのアニオン成分が除去され、次に、
後段のカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂の混合イ
オン交換樹脂103bを通過する際、マグネシウムやカ
ルシウムなどの硬度成分が除去される。従って、このマ
グネシウムやカルシウムなどの硬度成分が移動してくる
箇所は脱塩室104の下流部に隣接する濃縮室105で
ある。この濃縮室105の隣り合う反対側の脱塩室10
4にはカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂の混合イ
オン交換樹脂103bが同様に充填されているため、ア
ニオン成分が移動してくるが、ほとんどのアニオン成分
は脱塩室前段のアニオン交換樹脂103a層において除
去されており、この脱塩室104後段の陽イオン交換樹
脂と陰イオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂103bが
充填されている箇所に隣接する濃縮室105には水の電
気分解によって発生した水酸基が主に移動してくること
になり、これが、pHの上昇を招き、水酸化マグネシウ
ムや炭酸カルシウムなどのスケールが発生する。
脱塩室から流出した処理水を隣合う他方の脱塩室へ更に
流入して部分脱塩を行い、次いで、部分脱塩処理された
中間処理水を他の脱塩室に流入して完全脱塩を行い、脱
イオン水を得る電気式脱イオン水製造装置が開示されて
いる。しかしながら、この電気式脱イオン水製造装置
は、両端の一対の電極に加え、部分脱塩を行う脱塩室と
完全脱塩を行う脱塩室の間に更にもう1個の電極を備え
ているため、積層され難い構造となっている。また、マ
グネシウムやカルシウムなどの硬度成分のスケール発生
防止に関しては何らの対策も施されていない。
おいて、カチオン交換体、アニオン交換体又はカチオン
交換体とアニオン交換体の混合イオン交換体の3種のイ
オン交換体を脱塩室に充填する場合、電気抵抗と電流効
率は脱塩室の厚さにより異なり、3種のイオン交換体に
ついて、それぞれ最適な脱塩室厚さが存在するにもかか
わらず、上記3種類のイオン交換体のうち2種以上のイ
オン体が存在する限り、電気抵抗を低減する観点からの
厚さ設計はできなかった。
カルシウムなどの硬度成分のスケール発生防止を抑制す
ることができると共に、電流効率を維持しつつ脱塩室の
電気抵抗を低減する最適脱塩室厚さに設計可能な電気式
脱イオン水製造装置及びこれを用いる通水方法を提供す
ることにある。
発明者らは鋭意検討を行った結果、従来の電気式脱イオ
ン水製造装置において、隣合う脱塩室を第1脱塩室と第
2脱塩室とし、被処理水が最初に流入する脱塩室(第1
脱塩室又は第2脱塩室)には少なくともアニオン交換体
を充填し、隣合う他の脱塩室(第2脱塩室又は第1脱塩
室)には少なくともカチオン交換体を充填し、最初の脱
塩室の流出水を隣合う他の脱塩室に流入させて脱イオン
水を得れば、従来、濃縮室内であって被処理水流入側の
アニオン膜表面近傍で析出しがちであったマグネシウム
やカルシウムなどの硬度成分のスケールがほとんど発生
せず、長期間に亘って、安定した運転が継続できること
などを見出し、本発明を完成するに至った。
脱塩室、濃縮室、第2脱塩室を順次に配し、これを複数
積層し、これらの脱塩室及び濃縮室の積層体を陽極と陰
極の間に配置して形成される電気式脱イオン水製造装置
において、前記第1脱塩室流出管と前記第2脱塩室流入
管が連接されたものであるか、又は前記第2脱塩室流出
管と前記第1脱塩室流入管が連接されたものであること
を特徴とする電気式脱イオン水製造装置を提供するもの
である。
出管と前記第2脱塩室流入管が連接されたものである場
合、前記第1脱塩室には少なくともアニオン交換体が充
填され、且つ前記第2脱塩室には少なくともカチオン交
換体が充填され、前記第2脱塩室流出管と前記第1脱塩
室流入管が連接されたものである場合、前記第2脱塩室
には少なくともアニオン交換体が充填され、且つ前記第
1脱塩室には少なくともカチオン交換体が充填されたも
のであることを特徴とする前記(1)記載の電気式脱イ
オン水製造装置を提供するものである。
もアニオン交換体を充填した第1脱塩室、濃縮室、少な
くともカチオン交換体を充填した第2脱塩室を順次に配
し、これを複数積層し、これらの脱塩室及び濃縮室の積
層体を陽極と陰極の間に配置し、電圧を印加しながら第
1脱塩室に被処理水を流入し、次いで、前記第1脱塩室
の流出水を前記第2脱塩室に流入すると共に、濃縮室に
濃縮水を流して被処理水中の不純物イオンを除去し、脱
イオン水を製造することを特徴とする通水方法を提供す
るものである。
もカチオン交換体を充填した第1脱塩室、濃縮室、少な
くともアニオン交換体を充填した第2脱塩室を順次に配
し、これを複数積層し、これらの脱塩室及び濃縮室の積
層体を陽極と陰極の間に配置し、電圧を印加しながら第
2脱塩室に被処理水を流入し、次いで、前記第2脱塩室
の流出水を前記第1脱塩室に流入すると共に、濃縮室に
濃縮水を流して被処理水中の不純物イオンを除去し、脱
イオン水を製造することを特徴とする通水方法を提供す
るものである。
流入する脱塩室は、アニオン交換体の単床であり、次い
で、該脱塩室の流出水が流入する脱塩室は、アニオン交
換体とカチオン交換体の混合床であることを特徴とする
前記(3)又は(4)記載の通水方法を提供するもので
ある。
おける被処理水の通水方向と前記第2脱塩室における被
処理水の通水方向が同一方向であり、且つ濃縮室におけ
る通水方向が、これと逆方向であることを特徴とする前
記(3)〜(5)のいずれか1項記載の通液方法を提供
するものである。
ムなどの硬度成分のスケール発生防止を抑制することが
できると共に、イオン交換体の種類に応じて電流効率を
維持しつつ脱塩室の電気抵抗を低減する最適脱塩室厚さ
に設計可能である。また、第1脱塩室と第2脱塩室の1
組を所望の複数組で積層すれば、電気式脱イオン水製造
装置の任意の流量を設定できる。
る電気式脱イオン水製造装置を図1を参照して説明す
る。図1は本実施の形態における電気式脱イオン水製造
装置の原理図である。図1に示すように、カチオン交換
膜7及びアニオン交換膜8を離間して交互に配置し、カ
チオン交換膜7とアニオン交換膜8で形成される空間内
に一つおきにイオン交換体103を充填して脱塩室1と
する。この脱塩室1はカチオン交換体とアニオン交換体
の混合イオン交換体9が充填された第1脱塩室1aと、
アニオン交換体10が充填された第2脱塩室1bを1組
として、複数組が設置された構造であり(図では2組の
設置)、第2脱塩室流出管12と第1脱塩室流入管13
は連接されている。また、脱塩室1のそれぞれ隣に位置
するアニオン交換膜8とカチオン交換膜7で形成される
イオン交換体を充填していない部分は濃縮水を流すため
の濃縮室3とする。このような第1脱塩室1aと第2脱
塩室1bを配する1組の脱塩室を複数併設した積層体の
一端側に陰極5を配設すると共に、他端側に陽極6を配
設する。また両端の濃縮室3の両外側に必要に応じカチ
オン交換膜7、アニオン交換膜8、あるいはイオン交換
性のない単なる隔膜等の仕切り膜を配設し、仕切り膜で
仕切られた両電極5、6が接触する部分を電極室4、4
とする。
よって脱イオン水を製造する場合、以下のように操作さ
れる。すなわち、陰極5と陽極6間に直流電流を通じ、
また被処理水流入管11から被処理水が流入すると共
に、濃縮水流入管15から濃縮水が流入し、かつ図では
省略する電極水流入管17、17からそれぞれ電極水が
流入する。被処理水流入管11から流入した被処理水は
第2脱塩室1bを流下し、アニオン交換体10の充填層
を通過する際に不純物イオンが除去される。更に、第2
脱塩室1bの処理水流出管12を通った流出水は、第1
脱塩室1aの被処理水流入管13を通って第1脱塩室1
aを流下し、ここでもカチオン交換体とアニオン交換体
の混合イオン交換体9の充填層を通過する際に不純物イ
オンが除去され、脱イオン水が脱イオン水流出管14か
ら得られる。また、濃縮水流入管15から流入した濃縮
水は各濃縮室3を上昇し、カチオン交換膜7及びアニオ
ン交換膜8を介して移動してくる不純物イオンを受取
り、不純物イオンを濃縮した濃縮水として濃縮水流出管
16から流出され、さらに図では省略する電極水流入管
から流入した電極水は電極水流出管から流出される。上
述の操作によって、被処理水中の不純物イオンは電気的
に除去される。
カルシウムなどの硬度成分がカチオン交換膜7を通して
第1脱塩室1aから移動する濃縮室3では、この濃縮室
3の隣接する反対側の第1脱塩室1bからは塩化物イオ
ンや硫酸イオンなどのアニオンが移動してくる。このた
め、1組の第2脱塩室1bと隣接する他の組の第1脱塩
室1aに挟まれる濃縮室の内部のpHは常時中性から酸
性に保たれるためスケールの発生を防止する。すなわ
ち、第1脱塩室1aにはカチオン交換体とアニオン交換
体の混合イオン交換体9が充填されているため、上記の
如く、カチオン交換膜を通して濃縮室3にカチオン成分
が移動してくる。一方、この濃縮室3と隣接する反対側
の第2脱塩室1bにはアニオン交換体10が充填されて
いるため、水の電気分解から発生する水酸基は極力低減
され、pHを低下させる塩化物イオンや硫酸イオンの当
該濃縮室3への移動が活発となりスケールの発生を抑制
する。また、濃縮室3に移動する不純物イオンは被処理
水流入側で起こりやすいが、濃縮水の流れは脱塩室の被
処理水の流れと逆の上昇流であるため、不純物イオンは
速やかに系外に排出されるという効果も有する。
分割して第1脱塩室と第2脱塩室とし、第1脱塩室1a
にはカチオン交換体とアニオン交換体の混合イオン交換
体9を充填し、第2脱塩室1bにはアニオン交換体10
を充填しているため、イオン交換体の種類に応じて、電
流効率を維持しつつ電気抵抗を低減できる最適な脱塩室
厚さを設定することができる。
電気式脱イオン水製造装置を図2を参照して説明する。
図2は本実施の形態における電気式脱イオン水製造装置
の原理図である。第2の実施の形態例において、図1の
第1の実施の形態例と同一構成要素には同一符号を付し
てその説明を省略し、異なる点について説明する。すな
わち、図2において、図1と異なる点は、被処理水が最
初に流入する脱塩室を第1脱塩室とし、第1脱塩室流出
水を第2脱塩室に流入させ第2脱塩室流出水を脱イオン
水とする点、及び第1脱塩室にはアニオン交換体を充填
し、第2脱塩室には第2脱塩室流入側にアニオン交換体
を、第2脱塩室流出側にカチオン交換体とアニオン交換
体の混合イオン交換体を充填した点である。
よって脱イオン水を製造する場合、第1の実施の形態例
と同様に操作される。この場合、被処理水流入管11か
ら流入した被処理水は第1脱塩室1aを流下し、アニオ
ン交換体10の充填層を通過する際に不純物イオンが除
去される。更に、第1脱塩室1aの処理水流出管12a
を通った流出水は、第2脱塩室1bの被処理水流入管1
3aを通って第2脱塩室1bを流下し、ここでもアニオ
ン交換体10及びカチオン交換体とアニオン交換体の混
合イオン交換体9の充填層を通過する際に不純物イオン
が除去され、脱イオン水が脱イオン水流出管14から得
られる。また、濃縮水流入管15から流入した濃縮水は
各濃縮室3を上昇し、カチオン交換膜7及びアニオン交
換膜8を介して移動してくる不純物イオンを受取り、不
純物イオンを濃縮した濃縮水として濃縮水流出管16か
ら流出される。上述の操作によって、被処理水中の不純
物イオンは電気的に除去される。
カルシウムなどの硬度成分がカチオン交換膜7を通して
第2脱塩室1bから移動する濃縮室3では、この濃縮室
3の隣接する反対側の第1脱塩室1aからは塩化物イオ
ンや硫酸イオンなどのアニオンが移動してくる。このた
め、1組の第1脱塩室1aと隣接する同じ組の第2脱塩
室1bに挟まれる濃縮室の内部のpHは常時中性から酸
性に保たれるためスケールの発生を防止する。すなわ
ち、第2脱塩室1bの後段にはカチオン交換体とアニオ
ン交換体の混合イオン交換体9が充填されているため、
上記の如く、カチオン交換膜を通して濃縮室3にカチオ
ン成分が移動してくる。一方、この濃縮室3と隣接する
反対側の第1脱塩室1aにはアニオン交換体10が充填
されているため、水の電気分解から発生する水酸基は極
力低減され、pHを低下させる塩化物イオンや硫酸イオ
ンの当該濃縮室3への移動が活発となりスケールの発生
を抑制する。
る脱塩室(第1脱塩室又は第2脱塩室)に充填されるイ
オン交換体としては、少なくともアニオン交換体を含む
ものであれば特に制限されないが、アニオン交換体の単
床が好ましい。アニオン交換とカチオン交換体の混床で
ある場合には、混床に占めるアニオン比率を高めたもの
が好ましい。
室(被処理水が最初に流入する脱塩室が第1脱塩室であ
れば、第2脱塩室であり、被処理水が最初に流入する脱
塩室が第2脱塩室であれば、第1脱塩室である)に充填
されるイオン交換体としては、少なくともカチオン交換
体を含むものであれば特に制限されないが、カチオン交
換体とアニオン交換体の混床が好ましい。また、その他
に前段部分をアニオン交換体の単床、後段部分をカチオ
ン交換体とアニオン交換体の混床する形態及び前段部分
をカチオン交換体とアニオン交換体の混床でアニオン比
率を高めたもの、後段部分をカチオン交換体とアニオン
交換体の混床でカチオン比率を高めたものか、カチオン
交換体の単床とする形態が挙げられる。本発明の好まし
いイオン交換体の充填例としては、被処理水が最初に流
入する脱塩室に充填されるイオン交換体がアニオン交換
体の単床であり、且つ当該脱塩室の流出水が流入する脱
塩室に充填されるイオン交換体がカチオン交換体とアニ
オン交換体の混床である。
イオン交換繊維などイオン交換機能を有する物質であれ
ばいずれでもよく、また、それらを組合せたものであっ
てもよい。
脱塩室に流入する場合、第1脱塩室の流出水は第2脱塩
室に流入され、第2脱塩室の流出水が処理水となり、被
処理水が最初に第2脱塩室に流入する場合、第2脱塩室
の流出水は第1脱塩室に流入され、第1脱塩室の流出水
が処理水となる。第1脱塩室と第2脱塩室における流通
水の流れ方向としては、共に同一方向であっても、ま
た、互いに逆の方向であってもよい。濃縮室における濃
縮水の流通方向としては、特に制限されないが、第1脱
塩室と第2脱塩室における被処理水の流れ方向が同一方
向である場合に、これと逆方向とするのが、脱塩室から
濃縮室に移動した不純物イオンを速やかに系外へ排出さ
せることができる点で好ましい。
説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限す
るものではない。 実施例1 下記装置仕様及び運転条件下において、図1に準ずる構
成、すなわち3組の脱塩室積層体(6個の脱塩室)を並
設して構成される電気式脱イオン水製造装置の脱塩室及
び濃縮室にそれぞれ通水して、1万時間の通水運転を行
った。結果を表1に示す。表1中、「スケール発生」は
1万時間の通水運転後、電気式脱イオン水製造装置を分
解して、濃縮室内のアニオン膜表面のスケール発生状況
を目視観察し、スケール発生無しを「○」、少量のスケ
ール発生を認めるを「△」、多量のスケール発生を認め
るを「×」として評価した。 ・被処理水及び濃縮水;工業用水を逆浸透膜装置で処理
して得た透過水 ・被処理水の抵抗率;0.31MΩ- cm ・第1脱塩室;幅300mm、高さ600mm、厚さ3mm ・第1脱塩室充填イオン交換樹脂;アニオン交換樹脂
(A)とカチオン交換樹脂(K)との混合イオン交換樹
脂(混合比は体積比でA:K=1:1) ・第2脱塩室;幅300mm、高さ600mm、厚さ8mm ・第2脱塩室充填イオン交換樹脂;アニオン交換樹脂 ・装置全体の流量;200リットル/h.
成の電気式脱イオン水製造装置とする以外は、実施例1
と同様の方法で通水運転を行った。結果を表1に示す。 ・第1脱塩室;幅300mm、高さ600mm、厚さ8mm ・第1脱塩室充填イオン交換樹脂;アニオン交換樹脂 ・第2脱塩室;幅300mm、高さ600mm、厚さ3mm ・第2脱塩室充填イオン交換樹脂;前段(高さ300mm
相当)はアニオン交換樹脂、後段(高さ300mm相当)
はアニオン交換樹脂(A)とカチオン交換樹脂(K)と
の混合イオン交換樹脂(混合比は体積比でA:K=1:
1)
成、すなわち6個の脱塩室(脱イオンモジュール)を並
設して構成される電気式脱イオン水製造装置の脱塩室及
び濃縮室にそれぞれ通水して、1万時間の通水運転を行
った。結果を表1に示す。但し、被処理水、濃縮水の水
質及び装置全体の流量は実施例1と同様である。 ・脱塩室;幅300mm、高さ600mm、厚さ8mm ・脱塩室充填イオン交換樹脂;脱塩室内の上半分に実施
例1と同じアニオン交換樹脂を配置し、下半分に実施例
1と同じ混合イオン交換樹脂を配置した。
1に比して、1.5Aの電流を流すのに約28%の電力
を低減することができる。このように、本発明の電気式
脱イオン水製造装置ではイオン交換体の充填方式に対す
る電気抵抗を低減する観点からの適正な厚さ設計が可能
である。また、実施例1及び実施例2では、スケールの
発生が全く認められないのに対して、比較例1では少量
のスケールの発生が認められた。
これを用いる通水方法によれば、マグネシウムやカルシ
ウムなどの硬度成分のスケール発生防止を抑制すること
ができると共に、電流効率を維持しつつイオン交換体の
種類に応じて脱塩室の電気抵抗を低減する最適脱塩室厚
さに設計可能である。従って、スケール発生の無い省電
力型通水運転を長期間に亘って安定して行える。また、
第1脱塩室と第2脱塩室の1組を所望の複数組で積層す
れば、電気式脱イオン水製造装置の任意の流量に設定で
きる。
製造装置の原理図である。
ン水製造装置の原理図である。
る。
る。
ールを示す分解斜視図である。
合イオン交換体 10 アニオン交換体 11、111 被処理水流入管 12 第2脱塩室流出管 12a 第1脱塩室流出管 13 第1脱塩室流入管 13a 第2脱塩室流入管 14、114 脱イオン水流出管 15、115 濃縮水流入管 16、116 濃縮水流出管 20a、20b、100 電気式脱イオン水製造装置 103 イオン交換体 106 脱イオンモジュール 107 枠体 108 補強リブ
Claims (6)
- 【請求項1】 濃縮室、第1脱塩室、濃縮室、第2脱塩
室を順次に配し、これを複数積層し、これらの脱塩室及
び濃縮室の積層体を陽極と陰極の間に配置して形成され
る電気式脱イオン水製造装置において、前記第1脱塩室
流出管と前記第2脱塩室流入管が連接されたものである
か、又は前記第2脱塩室流出管と前記第1脱塩室流入管
が連接されたものであることを特徴とする電気式脱イオ
ン水製造装置。 - 【請求項2】 前記第1脱塩室流出管と前記第2脱塩室
流入管が連接されたものである場合は、前記第1脱塩室
には少なくともアニオン交換体が充填され、且つ前記第
2脱塩室には少なくともカチオン交換体が充填され、前
記第2脱塩室流出管と前記第1脱塩室流入管が連接され
たものである場合は、前記第2脱塩室には少なくともア
ニオン交換体が充填され、且つ前記第1脱塩室には少な
くともカチオン交換体が充填されたものであることを特
徴とする請求項1記載の電気式脱イオン水製造装置。 - 【請求項3】 濃縮室、少なくともアニオン交換体を充
填した第1脱塩室、濃縮室、少なくともカチオン交換体
を充填した第2脱塩室を順次に配し、これを複数積層
し、これらの脱塩室及び濃縮室の積層体を陽極と陰極の
間に配置し、電圧を印加しながら第1脱塩室に被処理水
を流入し、次いで、前記第1脱塩室の流出水を前記第2
脱塩室に流入すると共に、濃縮室に濃縮水を流して被処
理水中の不純物イオンを除去し、脱イオン水を製造する
ことを特徴とする通水方法。 - 【請求項4】 濃縮室、少なくともカチオン交換体を充
填した第1脱塩室、濃縮室、少なくともアニオン交換体
を充填した第2脱塩室を順次に配し、これを複数積層
し、これらの脱塩室及び濃縮室の積層体を陽極と陰極の
間に配置し、電圧を印加しながら第2脱塩室に被処理水
を流入し、次いで、前記第2脱塩室の流出水を前記第1
脱塩室に流入すると共に、濃縮室に濃縮水を流して被処
理水中の不純物イオンを除去し、脱イオン水を製造する
ことを特徴とする通水方法。 - 【請求項5】 被処理水が最初に流入する脱塩室は、ア
ニオン交換体の単床であり、次いで、該脱塩室の流出水
が流入する脱塩室は、アニオン交換体とカチオン交換体
の混合床であることを特徴とする請求項3又は4記載の
通水方法。 - 【請求項6】 前記第1脱塩室における被処理水の通水
方向と前記第2脱塩室における被処理水の通水方向が同
一方向であり、且つ濃縮室における濃縮水の通水方向
が、これと逆方向であることを特徴とする請求項3〜5
のいずれか1項記載の通液方法。
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CN102939266A (zh) * | 2010-06-03 | 2013-02-20 | 奥加诺株式会社 | 用于制备去离子水的电去离子装置 |
CN113426495A (zh) * | 2021-06-11 | 2021-09-24 | 河海大学 | 一种利用离子交换混合床增强脱盐电池性能的装置及方法 |
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1999
- 1999-04-19 JP JP11038799A patent/JP3966491B2/ja not_active Expired - Fee Related
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