JP2000300292A - アンモニアの測定方法 - Google Patents

アンモニアの測定方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間、検体を保存しても、多数の検体中の
アンモニア濃度を短時間で正確に測定することができる
アンモニアの測定方法およびアンモニア測定用キットを
提供することを目的とする。 【解決手段】アンモニアを含む全血検体を、タングステ
ン酸塩とそのタングステン酸塩に対し当量比で0.95
〜1.35倍の無機酸とを含む除タンパク試液で処理
し、処理液を遠心分離して得られる上清の除タンパク検
体は、長期間保存可能であり、この除タンパク検体中の
アンモニアに、α−ケトグルタル酸、NADHまたはN
ADPH、およびグルタミン酸脱水素酵素を作用させて
酵素反応させNADHまたはNADPHの消費量を測定
することにより、全血検体中のアンモニアを正確に測定
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンモニアの測定
方法およびアンモニア測定用キットに関する。更に詳細
には、全血検体を、先ず除タンパク試液で処理して除タ
ンパク検体を得、次いで除タンパク検体中のアンモニア
に、α−ケトグルタル酸、NADHまたはNADPH、
およびグルタミン酸脱水素酵素を作用させて酵素反応さ
せNADHまたはNADPHの消費量を測定してアンモ
ニアを測定する、全血検体中のアンモニアの測定方法お
よび該測定方法に用いるキットに関する。
【0002】
【従来の技術】血中のアンモニアは、主として体内の蛋
白代謝過程でアミノ酸から脱アミノ化されて生成され、
生成されたアンモニアは肝臓内で尿素に合成されて腎臓
から排泄される。従って、高度の肝臓障害では血中のア
ンモニアが増加するため、血中アンモニアの測定は、肝
性昏睡、肝性脳症、劇症肝炎、先天性尿素サイクル酵素
欠損症等の診断、治療において重要視されている。
【0003】血液中のアンモニアの測定法には、主とし
て酵素法とインドフェノール法がある。酵素法の代表的
なものとしては、血漿検体を用いる酵素法が知られてい
る(特開昭50−23699号公報)。この方法は、先
ず全血検体を血漿(プラズマ)にし、その血漿中のアン
モニアに、グルタミン酸脱水素酵素、NADPH及びα
−ケトグルタレートを反応させて、NADPHの減少に
由来する吸光度の変化量を測定することにより、アンモ
ニアを測定するものである。この酵素法は、アンモニア
に対する特異性が高く、検体中のアンモニアを正確に測
定でき、かつ、簡便に短時間でアンモニアを測定できる
ため、自動分析装置に適用できる長所を有する。そのた
め、酵素法は、病院等で一般的に用いられている。しか
し、この方法では、検体として血漿を使用するため、長
期間、検体を保存すると、継時的に、アンモニア測定値
の上昇がおこる。その結果、血漿を作成した病院から遠
く離れた臨床検査センター等でこの方法を適用すると、
検体が届くまで時間がかかるため、アンモニア測定値
が、不正確となりやすい。これを改良するため、測定試
料として除タンパク検体を用いても、検体中のアンモニ
ア濃度が本来低いため、また、NADPHを測定するた
めの波長(通常、340nm付近)では、除タンパクに
よるわずかな濁りも測定値に影響するため、正確にアン
モニアを測定することができない。 その結果、臨床検
査センターでは、この酵素法は、用いることができない
のが実状である。
【0004】インドフェノール法は、全血検体を除タン
パクし、除タンパク検体中のアンモニアと、フェノール
等とを化学反応させることによりインドフェノールを生
成させ、それに由来する吸光度を測定することにより、
アンモニアを測定する方法である。この方法は、全血検
体を直接、除タンパクするため、検体を長期に保存して
も、正確にアンモニアを測定できる長所がある。そのた
め、この方法は、臨床検査センターで広く使用されてい
る。しかし、この方法は、化学反応に用いるための試薬
の種類が多く、また、化学反応の時間が長いため、汎用
の自動分析装置に適用できない。そのため、検体に試薬
を入れる際、ピペット操作を手で行うため、多数の検体
中のアンモニアを短時間で測定できないという問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長期
間、検体を保存しても、多数の検体中のアンモニア濃度
を短時間で正確に測定することができるアンモニアの測
定方法およびアンモニア測定用キットを提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、全血検体中の
アンモニアの測定方法であって、 a)アンモニアを含む全血検体を、タングステン酸塩とそ
のタングステン酸塩に対し当量比で0.95〜1.35
倍の無機酸とを含む除タンパク試液で処理し、 b)得られる処理液を遠心分離し、次いで c)得られる上清の除タンパク検体中のアンモニアに、α
−ケトグルタル酸、NADHまたはNADPH、および
グルタミン酸脱水素酵素を作用させて酵素反応させNA
DHまたはNADPHの消費量を測定してアンモニアを
測定する、ことを特徴とする全血検体中のアンモニアの
測定方法である。更に本発明は、全血検体中のアンモニ
ア測定用キットであって、 i)タングステン酸塩と、タングステン酸塩に対し当量
比で0.95〜1.35倍の無機酸とを含む除タンパク
試液、及び ii)α−ケトグルタル酸、NADHまたはNADP
H、およびグルタミン酸脱水素酵素とを含む酵素試液と
を必須構成成分とするアンモニア測定用キットである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で対象とする全血検体と
は、血漿成分と血球成分とを分離していない血液検体を
指し、除タンパクされていない血液検体であればよく、
特に限定されない。通常、全血、すなわち、注射器で生
体から取り出したばかりの血液であってかつ何も添加し
ない血液が用いられるが、全血に生理食塩水またはアン
モニアを含む液を添加した検体でも構わない。また、全
血検体として、全血にヘパリンまたはEDTA等の抗凝
固剤を添加させた検体でも構わない。
【0008】本発明で用いる除タンパク試液は、タング
ステン酸塩と、そのタングステン酸塩に対し当量比で
0.95〜1.35倍の無機酸とを含む液である。無機
酸の量は、タングステン酸塩に対し当量比で0.95〜
1.35倍であることが必要であり、さらに、1.00
〜1.30倍が好ましい。無機酸の量がタングステン酸
塩に対し当量比で0.95倍未満であると、除タンパク
を効果的にできにくく、また、遠心分離操作をしても、
除タンパク検体を透明にしにくいため、正確にアンモニ
アを測定できない。一方、無機酸の量がタングステン酸
塩に対し当量比で1.35倍を越えると、遠心分離操作
をしても、除タンパク液を透明にしにくいか、除タンパ
ク液を透明にできても、酵素反応以外の非特異的な反応
が起こるため、正確にアンモニアを測定できない。
【0009】除タンパク試液に用いるタングステン酸塩
の濃度は、全血検体を除タンパク試液で処理させた処理
液中でタングステン酸濃度が60〜115mMになるよ
うにタングステン酸塩の濃度を調整させておくことが好
ましい。 60mMを越えないと除タンパクしづらく、
115mMを越えると、アンモニア測定の酵素反応の
際、初期吸光度が高くなりやすくアンモニアを正確に測
定できにくい。除タンパク試液に用いられるタングステ
ン酸塩としては、水溶性のタングステン酸塩であれば限
定されないが、通常、タングステン酸ナトリウム(Na
2WO4)、タングステン酸カリウム(K2WO4)等が用
いられる。 除タンパク試液に用いる無機酸としては、
通常除タンパクする際に無機酸として用いられるもので
あれば特に限定されないが、通常、硫酸単独、硫酸とリ
ン酸との混合物等が用いられる。 調製した除タンパク
試液を安定にするため、無機酸中にリン酸を1〜10当
量%含むことが好ましく、1〜10当量%のリン酸を含
む硫酸水溶液を用いることが特に好ましい。
【0010】本発明では、アンモニアを含む全血検体を
除タンパク試液で処理する。この際の除タンパク試液の
使用量が、全血検体に対して体積比で1−3倍量である
ことが好ましく、1.5−2.6倍量であることが更に
好ましい。用いる除タンパク試液の量が、全血検体の量
を越えないと、除タンパクのため遠心分離操作をしても
濁りやすく、除タンパク検体を調製しにくい。また、除
タンパク試液の量が全血検体の3倍を越えると、もとも
と全血中のアンモニア濃度が薄いのに加えて稀釈率が大
きくなるため、測定試料中のアンモニア濃度が低くな
り、アンモニア濃度を正確に測定できにくい。本発明で
は、処理液を得るには、通常の除タンパクの操作が用い
られるが、例えば、除タンパク試液に全血検体を振りま
ぜながら加えて行うことができる。得られる処理液を遠
心分離する際は、通常、1000〜5000r.p.
m、好ましくは2000〜4000r.p.mで3〜1
0分間、遠心分離することができる。
【0011】本発明では、処理液を遠心分離して得られ
る上清を除タンパク検体とし、それを測定試料として酵
素反応させて、検体中のアンモニアを測定する。この測
定では、血漿の代わりに除タンパク検体を測定試料とし
て用いた以外は、通常のアンモニア測定のための酵素法
と同様に操作してアンモニアを求めることができる。す
なわち、除タンパク検体中のアンモニアに、α−ケトグ
ルタル酸、NADHまたはNADPH、およびグルタミ
ン酸脱水素酵素を作用させて酵素反応させNADHまた
はNADPH消費に由来する酵素反応前後での反応液の
吸光度変化を測定して検体中のアンモニアを測定するこ
とができる。吸光度は、通常、波長320〜360n
m、好ましくは330〜350nmの吸光度を用いる。
【0012】以上の説明から明らかな通り、本発明の全
血検体中のアンモニア測定用キットは、 i)タングステン酸塩と、タングステン酸塩に対し当量
比で0.95〜1.35倍の無機酸とを含む除タンパク
試液、及び ii)α−ケトグルタル酸、NADHまたはNADP
H、およびグルタミン酸脱水素酵素とを含む酵素試液と
を必須構成成分とする。構成成分の一つである除タンパ
ク試液は前記した通りであり、特に無機酸中にリン酸を
1〜10当量%含むものが好ましい。他の構成成分の一
つである酵素試液は、通常の方法で調製されたものを用
いることができ、例えば、α−ケトグルタル酸と、NA
DHまたはNADPHとを適当な緩衝液中に含む第一試
薬、並びにグルタミン酸脱水素酵素を適当な緩衝液中に
含む第二試薬とからなる酵素試液が挙げられる。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、検体を長期間保存して
も、検体中のアンモニア濃度を短時間で正確に測定する
ことができる。また、臨床検査センターにおいても、自
動分析装置を適用して検体中のアンモニア濃度を正確に
測定できる。従って、臨床検査分野に寄与すること大で
ある。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0015】一般的操作法1除タンパク試液の調製 0.30モル/リットル(0.60当量/リットル)の
タングステン酸(IV)ナトリウム水溶液と、0.33
モル/リットル(0.66当量/リットル)の硫酸水溶
液(ただし、その水溶液中に0.06当量/リットルリ
ン酸を含む)とを、体積量で同量づつ加えて除タンパク
試液を調製した。なお、当量の計算は、タングステン酸
ナトリウム・2水和物(分子量329.86)では1当
量を164.9g、硫酸(分子量98.08)では1当
量を49.0g、リン酸(分子量98.00)では1当
量を32.7gとして計算した。
【0016】一般的操作法2遠心分離による測定試料の作成 除タンパク試液に全血検体を振りまぜながら加え、得ら
れる処理液を3000r.p.mで5分間、遠心分離し
た。上清を除タンパク検体とし、それを測定試料とし
た。なお、用いた除タンパク試液の量は、全血検体の2
倍(体積比)とした。
【0017】一般的操作法3酵素法によるアンモニアの一般的測定法 第一試薬として、トリス(100mM)、NaCl(1
50mM)、α−ケトグルタル酸(10mM)、アジ化
ナトリウム(0.1%)及びNADPH(0.125m
M)を含むpH9.0の溶液を用いた。第二試薬とし
て、トリス(100mM)、EDTA・2Na(200
mM)、アジ化ナトリウム(0.1%)及びグルタミン
酸脱水素酵素(150KU/l)を含むpH8.5の溶
液を用いた。自動分析装置として日立7170型自動分
析装置を用い、主なパラメーターを以下の通りに設定し
た。 波長: 主波長340nm/副波長700nm、 分析法: 2ポイントエンド、 測定ポイント: 16・34、 試薬量: 測定試料/第一試薬/第二試薬 (30μl/150μl/30μl)。
【0018】この方法では、以下のように測定された。
30μlの測定試料と150μlの第一試薬とを混合し
て37℃で5分間インキュベーション後、この溶液の3
40nmでの吸光度を測定した(吸光度1)。次いで、
その溶液に、30μlの第二試薬を加え37℃で5分
間、酵素反応を行ったのち、再度、溶液の340nmで
の吸光度を測定した(吸光度2)。得られた吸光度1及
び吸光度2の値に液量補正等をして、酵素反応前後での
吸光度変化量を求めた。一方、あらかじめアンモニア濃
度既知の標準液を同様に操作することにより検量線を求
めておき、それとの比較から測定試料中のアンモニア濃
度を求めた。
【0019】実施例1本発明法と従来法とによるアンモニア測定の比較 50個の全血を、一般的操作法1により調製した除タン
パク試液を用いて除タンパクし、さらに、一般的操作法
2により遠心分離することにより除タンパク検体を作成
し、それを測定試料とした。その測定試料を一般的操作
法3の測定法で操作することにより、全血検体中のアン
モニア濃度を測定した(本発明の方法)。また、同一の
50個の全血にEDTA・2Naを添加して血漿を調製
し、それを測定試料として用い直ちに一般的操作法3の
方法で血漿中のアンモニア濃度を測定した(従来の酵素
法)。本発明の方法と従来の酵素法との相関性の結果を
図1に示す。従来の酵素法の測定値をXとし、本発明の
方法の測定値をYとすると、Y=0.955X+2.2
7(相関係数0.94)で表された。このことより、本
発明では、測定試料として除タンパク検体を用いたにも
かかわらず、除タンパクしない血漿検体を用いて直ちに
測定したものと同程度に正確に全血検体中のアンモニア
濃度を測定できることがわかった。
【0020】実施例2本発明で長期に保存した除タンパク検体を用いてアンモ
ニアを測定した例 全血を、一般的操作法1および一般的操作法2により除
タンパク・遠心分離することにより除タンパク検体を作
成した。その除タンパク検体を0〜4日間、4℃で保存
した後、一般的操作法3に従い検体中のアンモニア濃度
(単位μg/dl)を測定した。また、比較として、同
一全血から得たEDTA・2Na添加血漿を、同様に保
存してそのアンモニア濃度を測定した。それらの測定結
果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1の結果から明らかな通り、本発明の方
法では、除タンパク検体を数日、保存しておいても、E
DTA・2Na添加血漿検体と異なり、正確にアンモニ
ア濃度を測定することができた。
【0023】実施例3〜11アンモニア添加回収試験 1)除タンパク試液の調製 所定濃度のタングステン酸(IV)ナトリウム水溶液
と、所定濃度の硫酸水溶液(実施例12に使用したもの
以外はすべて0.06当量/リットルのリン酸を含む)
とを、同量づつ加えて除タンパク試液を調製した。タン
グステン酸(IV)ナトリウムの濃度は、除タンパク試
液を検体に処理させた処理液中でのタングステン酸濃度
が、表2に記載した濃度になるよう調製した。硫酸の濃
度は、タングステン酸ナトリウムを中和するための計算
当量に対して実際に用いた当量の比[(酸使用当量)/
(酸計算当量)]が表2に記載した比になるように調製
した。なお、当量の計算は、一般的操作法1に記載した
ものと同様にした。
【0024】2)除タンパク試液の安定性 リン酸を含まない除タンパク試液(実施例12に使用し
た除タンパク試液)は、1日、室温に放置すると沈殿が
発生し使用できなくなったので、すぐに調製したものを
用いた。なお、本実施例で用いた他の除タンパク試液
(リン酸を含む)は、1日、室温に放置しても沈殿が発
生しなかった。
【0025】3)添加回収試験のための測定試料の作成 全血9に対し、1000μg/dl塩化アンモニウム水
溶液1の割合で添加し、全血検体とした。また、塩化ア
ンモニウム水溶液の代わりに、生理食塩水を用いてブラ
ンク検体を調製した。除タンパク試液に、全血検体また
はブランク検体を振りまぜながら加え、その混合物を3
000r.p.mで5分間、遠心分離した。得られる上
清すなわち除タンパク検体を、測定試料とした。なお、
用いた除タンパク試液と全血検体との比は、表2に示し
た通りである。
【0026】4)添加回収試験 添加回収試験は常法(例えば、「臨床検査教育双書12
頁,1991年,近代出版」に記載されている)に従い
行った。すなわち、得られた測定試料を一般的操作法3
に記載したアンモニアの測定法により、全血検体とブラ
ンク検体とのアンモニア濃度を測定し、(これら2つの
測定値差×100)/(添加濃度からの計算値)をアン
モニア回収率として求めた。また、340nmでの吸光
度の時間変化(1〜34ポイントのタイムコース)をア
ンモニア測定値の妥当性判断基準の一つとして調べた。
結果を表2に示す。なお、タイムコースが不安定なもの
は、1〜16ポイントで吸光度が上昇したり減少したり
して一定でないので、アンモニアを正確に測定できにく
いことを示している。使用する酸の当量が大きすぎると
除タンパクはできにくく、タイムコースが極めて不安定
でアンモニアを正確に測定できにくいことが判明した。
【0027】
【表2】
【表3】 注)*藤井ら,最新医学,1966年,622〜627
頁に記載の組成を参考にして除タンパク試液を調製し
た。**比較例1、比較例2および比較例4では、除タン
パクのため遠心分離してもにごったままであり適当な測
定試料をつくれなかった。***除タンパク試液として和
光純薬(株)製のアンモニア測定用キット中にある除タ
ンパク試液を用いた。
【0028】表2に示された結果から明らかなように、
使用する酸の当量が大きすぎると除タンパクはできにく
く、タイムコースが極めて不安定でアンモニアを正確に
測定できにくいことが判明した。本発明の方法では、添
加したアンモニアの濃度を正確に測定できるので、全血
検体中のアンモニア濃度を正確に測定できることが判明
した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法と従来の酵素法との相関
性の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA01 BA13 BB10 BB50 CA25 CA26 DB06 FA29 FB01 GC10 JA05 4B063 QA01 QA19 QQ03 QQ64 QQ90 QR04 QR41 QR42 QR47 QR50 QS13 QS20 QS28 QX01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全血検体中のアンモニアの測定方法であ
    って、 a)アンモニアを含む全血検体を、タングステン酸塩とそ
    のタングステン酸塩に対し当量比で0.95〜1.35
    倍の無機酸とを含む除タンパク試液で処理し、 b)得られる処理液を遠心分離し、次いで c)得られる上清の除タンパク検体中のアンモニアに、α
    −ケトグルタル酸、NADHまたはNADPH、および
    グルタミン酸脱水素酵素を作用させて酵素反応させNA
    DHまたはNADPHの消費量を測定してアンモニアを
    測定する、ことを特徴とする全血検体中のアンモニアの
    測定方法。
  2. 【請求項2】 全血検体を除タンパク試液で処理した処
    理液中でのタングステン酸濃度が60〜115mMにな
    るように、タングステン酸塩の濃度を調整しておく、請
    求項1のアンモニアの測定方法。
  3. 【請求項3】 アンモニアを含む全血検体を除タンパク
    試液で処理する際の除タンパク試液の使用量が、全血検
    体に対して体積比で1−3倍量である、請求項1または
    2のアンモニアの測定方法。
  4. 【請求項4】 全血検体中のアンモニア測定用キットで
    あって、 i)タングステン酸塩と、タングステン酸塩に対し当量
    比で0.95〜1.35倍の無機酸とを含む除タンパク
    試液、及び ii)α−ケトグルタル酸、NADHまたはNADP
    H、およびグルタミン酸脱水素酵素とを含む酵素試液と
    を必須構成成分とするアンモニア測定用キット。
  5. 【請求項5】 無機酸中にリン酸を1〜10当量%含む
    請求項4のアンモニア測定用キット。
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