JP2000299785A - データ変換装置 - Google Patents

データ変換装置

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JP2000299785A
JP2000299785A JP11104004A JP10400499A JP2000299785A JP 2000299785 A JP2000299785 A JP 2000299785A JP 11104004 A JP11104004 A JP 11104004A JP 10400499 A JP10400499 A JP 10400499A JP 2000299785 A JP2000299785 A JP 2000299785A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誤差拡散の演算を行なう際、拡散した誤差の
累積値をメモリ上においているため、誤差拡散の範囲が
広くなると、メモリアクセス回数が増加し、処理に長時
間を要した。 【解決手段】 高速アクセス可能なレジスタを内蔵した
バッファMB,SBを備え、着目画素Pについて、ドッ
トのオン・オフを決定して濃度誤差erwを演算する
と、これをシフトレジスタSRによりシフトすることで
重み付け濃度誤差erwsを求める。この濃度誤差er
wsを各バッファMB,SBに出力し、ここでそれまで
に求めた濃度誤差と累積すると共に、着目画素が移動す
る度に、各バッファの出力を次段にシフトして行く。こ
の結果、低速のメモリであるSRAM16とのアクセス
回数は、1画素当たり2回に抑制され、誤差拡散の処理
を高速化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンピュータ、
デジタルカメラ、デジタルビデオ等から出力される画像
データから印刷物等を得る際に有用な誤差拡散法を採用
するデータ変換装置およびこの装置を用いた印刷装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ等の出力装置とし
て、数色のインクのドットを印刷媒体上に形成するタイ
プのカラープリンタが広く普及し、コンピュータ等が処
理した画像を多色多階調で印刷するのに広く用いられて
いる。シアン、マゼンタ、イエロー(CMY)の三色の
インクにより多色の画像を印刷する場合、多階調の画像
を形成しようとするにはいくつかの方法が考えられる。
一つは、従来のプリンタで採用されている手法であり、
一度に吐出するインクにより用紙上に形成されるドット
の大きさを一定として、印刷される画像の階調をドット
の密度(単位面積当たりの出現頻度)により表現するも
のである。もう一つの方法は、用紙上に形成するドット
径等を調整して、単位面積当たりの濃度を可変するもの
である。この単位面積当たりの濃度を可変とする他の方
法として、基本の三色よりも淡い色のインク、例えば淡
いシアンと淡いマゼンタを用意するものも存在する。
【0003】いずれの手法でも、原画像が持っている階
調情報をドットの分布、即ちドットのオン・オフにより
表現することになる。即ち、原画像が持っている高い階
調表現を、画素単位では、低い階調に変換する階調変換
を行なっているのである。この場合、平均的な濃度で見
れば、原画像の階調値をある程度正確に再現することが
できるが、画素単位で見れば、元の階調値との間に濃度
誤差が生じることは免れない。そこで、画素単位で生じ
た濃度誤差を、その周辺の画素に分配して、画像全体の
濃度を原画像に近づけようとする手法が提案されてい
る。これが誤差拡散法と呼ばれる手法である。誤差拡散
法を利用してドットを分布させるデータ変換装置は、原
画像の再現性に優れるために、印刷装置において広く用
いられている。
【0004】こうした誤差拡散法を用いた印刷装置の場
合、通常ヘッドが用紙の幅方向(主走査方向と呼ぶ)に
走査しながら、かつ用紙をこの主走査方向とは交差する
方向(副走査方向と呼ぶ)に搬送しながらドットを形成
する。したがって、誤差を拡散できる範囲は、図18に
示すように、通常は着目画素の周辺であって、少なくと
も主走査方向の所定範囲、場合によっては、副走査方向
に隣接するラスタ上の複数の画素ということになる。図
18に示した各画素の値は、濃度誤差を配分する場合の
重み付けの係数を示している。各重み付け係数は、その
和が値1となるように定められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】誤差拡散法は、一定の
領域で見れば、濃度誤差が解消されるという利点が存在
するものの、その誤差配分の演算に、かなりの処理時間
を要するという問題があった。通常、画像データは、画
素を単位とする複数ビットのデータとして、ハードディ
スク等の外部記憶や半導体メモリ等の主記憶の一部に記
憶される。階調変換を行なう際には、記憶された画像デ
ータを読み出し、所定の閾値との大小関係を判定し、そ
の結果から周辺に分散すべき濃度誤差を演算する。濃度
誤差を分散する際には、分散範囲の画素の画像データを
メモリから読み出し、これに拡散誤差を加えて書き戻す
という処理が行なわれる。この結果、着目画素に対する
誤差拡散処理では、多数回のメモリアクセスが発生し、
処理に要する時間が長くなってしまうという問題があっ
た。
【0006】近年、記録されるドット径の微細化が進ん
でおり、1ラスタを構成するドット数が増える傾向にあ
る。この結果、ドット数の増加に応じて誤差拡散処理の
回数は飛躍的に増加し、上記処理時間の問題は看過でき
ないものとなっている。本発明は、1画素当たりの誤差
拡散処理を、誤差拡散の範囲に含まれる画素の数より少
ない回数のメモリアクセスにより実現することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題を解決する本発明の階調データ変換装置は、階
調表現を有する原画像において主走査方向として定めた
一方向に沿って着目画素を移しつつ、該画素の階調を、
その階調よりも少ない階調表現に変換し、該階調変換に
より生じた濃度誤差を、該着目画素の少なくとも主走査
方向に沿った所定範囲の画素に分配する誤差拡散法を採
用し、該誤差拡散による階調変換を、前記主走査方向お
よび該主走査方向に交差する方向である副走査方向に沿
って順次行なうデータ変換装置であって、前記原画像の
階調データを保存するメモりと、前記所定範囲に含まれ
る複数の画素に対応したレジスタを備え、前記メモりよ
り少なくとも書き込み速度の高い誤差バッファと、前記
着目画素が移動する度に、該誤差バッファ内の各レジス
タのデータを該着目画素の移動に合わせてシフトするシ
フト回路と、該シフト回路によりシフトされた前記レジ
スタの最終段の出力を、前記着目画素の階調データに加
えた上で、前記少ない階調表現に変換する変換回路と、
該変換回路による階調変換により、該着目画素について
生じた濃度誤差を演算する誤差演算回路と、該演算され
た濃度誤差に所定の重み付けを施し、前記誤差バッファ
の各レジスタに分配加算し、濃度誤差を前記階調データ
に累積する分配加算回路とを備えたことを要旨としてい
る。
【0008】この階調データ変換装置は、原画像の階調
データを保存するメモリより書き込み速度が高速なレジ
スタを、誤差拡散範囲の画素数に対応して備えており、
着目画素が移動する際、レジスタのデータを着目画素の
移動に応じてシフトする。その上で、このレジスタの最
終段の出力を着目画素の階調データに加えた上で、少な
い階調表現に変換している。このため、メモリへのアク
セスは、着目画素の画像データを読み出すだけで済み、
きわめて高速な処理が可能となる。
【0009】この階調データ変換装置において、誤差拡
散の範囲は、着目画素と同一のラスタ上の画素に限って
もよい。この場合には、各レジスタに蓄積されたデータ
は、着目画素を移動する度にシフトされ、最終段のレジ
スタの出力を着目画素の階調データに加えて階調変換に
供されるから、レジスタのデータをメモリに書き戻す必
要がない。
【0010】他方、誤差拡散範囲を、隣接するラスタ上
まで拡張することもできる。この場合には、誤差バッフ
ァを、主走査方向に並んだ画素列であるラスタを単位と
して配列されたレジスタ群から構成し、前記着目画素が
含まれる第1のラスタ上の所定範囲の画素に対応した第
1のレジスタ群と、該着目画素とは前記副走査方向に隣
接した第2のラスタ上の所定範囲の画素に対応した第2
のレジスタ群とに分けておく。このとき、シフト回路
は、前記着目画素が移動する度に、該誤差バッファ内の
前記第1および第2のレジスタ群のうちの各レジスタの
データを、着目画素の移動に合わせてシフトするものと
しておき、更に、着目画素が移動する度に、前記第2の
ラスタ上の画素であって所定の範囲外となった画素に対
応する前記第2のレジスタ群内のレジスタに累積された
濃度誤差を、前記メモリに書き出す書出回路と、前記着
目画素が移動する度に、前記所定の範囲に新たに含まれ
るものとなった画素について、隣接するラスタの処理時
に前記書出回路によって書き出された濃度誤差の累積値
を、前記メモリから、前記誤差バッファ内の前記第1の
レジスタ群内の対応するレジスタに格納する読込回路と
を設ければ良い。かかる構成を採用すれば、着目画素の
階調データを読み出す他は、メモリからは、誤差分配済
みデータを誤差が配分されるラスタ数−1回、メモリー
書き出し、累積誤差のデータをラスタの数−1回、メモ
リから読み込むだけで、誤差拡散法による階調変換を行
なうことができる。かかる構成により、少なくとも着目
画素が存在するラスタとこれに副走査方向に隣接するラ
スタ上の所定の範囲に、着目画素における濃度誤差を配
分することができる。しかも、メモリへのアクセスとし
ては、第2のレジスタ群の一つからの書出と第1のレジ
スタ群への読込という二つのアクセスが必要になるだけ
であり、演算速度の低下を来たすことがない。
【0011】こうした階調データ変換装置では、レジス
タを、該レジスタに記憶されたデータと前記重み付けを
施した濃度誤差とを加算した結果または該レジスタの前
段のレジスタの出力のいずれか一方を記憶可能なレジス
タとすることも好適である。こうすれば、データのシフ
トと分配加算とを一つの回路で実現することができる。
【0012】なお、上記の構成では、レジスタには、濃
度誤差のみを分配し加算するものとしたが、着目画素が
移動して新たな画素が前記誤差拡散範囲に入ってきた場
合に、その画素の階調データをレジスタに読み込み、順
次これをシフトしつつ、着目画素の濃度誤差を重み付け
して分配加算するものとしても差し支えない。この場合
は、レジスタの最終段の出力と着目画素の階調データと
を加算する必要ない。
【0013】ここで、各レジスタを、誤差の配分加算と
データのシフトとを、同時に可能なレジスタとしても良
い。前のレジスタに保持されていたデータに、新たな濃
度誤差を拡散して加えた結果は、着目画素の移動に伴っ
て順次移動されるので、配分演算とデータのシフトとを
同時に行なうとことができれば、処理を一層高速化する
ことができる。
【0014】なお、こうした変換装置における階調変換
により得られる階調は、元の画像の階調数より低ければ
足り、2階調でも3階調以上でも差し支えない。変換回
路は、一つの閾値を用いれば、原画像の階調データを2
階調に変換することは容易である。同様に、二以上の閾
値を用いて、原画像の階調データを3階調以上に変換す
ることも容易である。
【0015】階調データ変換装置の各回路は、原画像デ
ータが、原色の組み合わせにより原画像を表現する各色
の階調データとして構成されている場合には、各色毎に
設ければよい。
【0016】この階調データ変換装置は、印刷装置に組
み込むことができる。即ち、本発明の印刷装置は、階調
表現を有する画像データを受け取り、複数種類のインク
のドットを形成することにより、該画像データに対応し
た画像を、記録媒体上に形成する印刷装置であって、上
述した階調データ変換装置と、前記画像データを、該階
調データ変換装置に入力するデータ入力手段と、前記階
調データ変換装置による変換結果を受け取り、変換結果
に対応した階調のインクのドットを、印刷媒体上に形成
するドット形成手段とを備えることを要旨とする。
【0017】かかる印刷装置は、原画像データの階調
を、低階調に変換しつつ、印刷媒体上にドットを形成し
て、印刷を行なうことができる。
【0018】
【発明の他の態様】この発明は、以下のような他の態様
も含んでいる。第1の態様は、本発明のデータ変換装置
を、コンピュータの拡張スロットに装着する態様とする
ものである。こうすれば、コンピュータとデータ変換装
置をコンパクトに構成することができるので好適であ
る。また、プリンタに限らず、種々のハードコピー装置
を用いても、本発明のデータ変換装置による高速な誤差
拡散処理の恩恵を被ることができる。
【0019】第2の態様は、本発明のデータ変換装置
を、印刷装置の拡張スロットに装着した態様、若しくは
印刷装置と一体に構成した態様である。このようにすれ
ば、データ変換装置と印刷装置をコンパクトに構成する
ことができるので好適である。また、デジタルカメラや
デジタルビデオからの原画像データを直接処理すること
が可能となり、コンピュータなどを介することなく高品
質の印刷物を高速に得ることが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】A.装置の構成 本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1
は、本発明の実施例としての階調データ変換装置(以
下、単にデータ変換装置とも呼ぶ)10を備えた印刷装
置の構成を示す説明図である。図示するように、この印
刷装置は、コンピュータ80とデータ変換装置10とカ
ラープリンタ20とから構成されている。印刷装置は、
コンピュータ80上で動作するグラフィックソフト等の
アプリケーションソフトが処理・出力する画像データ
を、階調データ変換装置10により階調変換し、これを
用いてカラープリンタ20で印刷することにより、全体
として印刷装置として機能する。コンピュータ80は、
カラー画像データORGをデータ変換装置10に出力
し、データ変換装置10は、受け取ったカラー画像デー
タORGをカラープリンタ20で印刷可能なデータ形式
に変換して、カラープリンタ20に出力する。カラープ
リンタ20は、データ変換装置10から受け取った変換
済みの画像データFNLに基づいて、印刷用紙上にドッ
トを形成することによってカラー画像を印刷する。この
結果、コンピュータ80から出力されたカラー画像デー
タに対応したカラー画像が、印刷用紙上に得られること
になる。
【0021】コンピュータ80は、各種の演算処理を実
行するCPU81、ROM82,RAM83,ハードデ
ィスク84,およびインターフェイス85等から構成さ
れており、これらは図示しないバスによって接続され、
相互にデータのやり取りが可能になっている。ROM8
2は、CPU81で各種の演算処理を実行する際に必要
なプログラムやデータを予め格納するために使用され
る。RAM83は、CPU81で各種演算処理を行なう
ために必要なプログラムやデータを一時的に記憶するた
めに使用される。ハードディスク84は、ROM82や
RAM83に記憶しきれないプログラムやデータを記憶
しておくために使用される。インターフェイス85は、
コンピュータ80が外部とデータをやり取りするために
使用される。
【0022】コンピュータ80の外部に接続されたカラ
ースキャナ24は、カラー原稿を読み取ってコンピュー
タ80が解釈可能な画像データに変換する。また、コン
ピュータ80を、モデム91を介して公衆電話回線PN
Tに接続すれば、外部のネットワーク上にあるサーバS
Vから必要なデータを受け取ることが可能となる。
【0023】コンピュータ80に電源を入れると、RO
M82およびハードディスク84に記憶されていたオペ
レーティングシステムが起動し、オペレーティングシス
テムの管理の下で、各種アプリケーションプログラムが
動くようになっている。印刷すべきカラー原稿はアプリ
ケーションプログラムを使用して作成され、インターフ
ェイス85を介してデータ変換装置10に出力される。
また、カラースキャナ24やモデム91を介して外部か
ら取り込んだカラー画像を、アプリケーションプログラ
ムで加工してカラー原稿を作成する場合もある。
【0024】データ変換装置10は、図示するように、
外部からデータを受け取る入力モジュール(INM)1
1、INM11から入力された原画像の解像度をいわゆ
るバイリニアやバイキュービックなどの補完処理により
カラープリンタ20の解像度に変換すると共に原画像の
データが赤・緑・青の三原色表現の場合にはカラープリ
ンタ20にて採用されるCYMの三原色表現に変換する
カラールックアップモジュール(CLM)12、ディザ
法や本実施例に特徴的な誤差拡散方法により濃度誤差を
補正するハーフトーンモジュール(HTM)13、HT
M13により生成された印刷データをカラープリンタ2
0の処理に適した順序で記憶してマイクロウェーブなど
の独特な印刷を可能とする画素再配置モジュール(MW
M)14、カラープリンタ20にデータを出力する出力
モジュール(OTM)15、データを一時的に蓄えてお
くSRAM16、これらを相互に接続しデータのやり取
りを可能とするバス17、とから構成されている。バス
17は、詳しくはアドレス値が流れるアドレスバスとデ
ータが流れるデータバスとから構成されているが、図1
では両者をまとめてバス17と表している。
【0025】なお、図1では、SRAM16は、各モジ
ュールからアクセスできる一つのメモリとして記載した
が、各モジュールごとに分割して設けるものとしても良
い。図1に示した構成より、データ変換装置10は、コ
ンピュータ80から供給された画像データORGを、I
NM11を介して受け取り、初めにCLM12がバス1
7上にある画像データを取り込んで、色変換を行なう。
色変換されたデータを、HTM13が取り込んでハーフ
トーン処理を行ない、最終的に、MWM14により、カ
ラープリンタ20がそのまま使用できるデータFNLと
して出力している。なお、MWM14は、変換結果をS
RAM16に一旦蓄えており、OTM15により、カラ
ープリンタ20が要求するタイミングで、SRAM16
に蓄えられている画像データを順次読み出してカラープ
リンタ20に供給される。この結果、コンピュータ80
から供給された画像データORGは、プリンタで印刷可
能な画像データFNLとしてカラープリンタ20に出力
されるのである。
【0026】カラープリンタ20は、カラー画像の印刷
が可能なプリンタであり、本実施例では、印刷用紙上に
シアン・マゼンタ・イエロ・ブラックの4色のドットを
形成することによって、カラー画像を印刷するインクジ
ェットプリンタを使用している。もちろん、レーザープ
リンタや熱転写式プリンタ等の、他の方式のカラープリ
ンタを使用することも可能である。
【0027】このカラープリンタ20は、シアン、マゼ
ンタ、イエロの三原色および黒色インクにより、幅広い
階調および色範囲の画像を形成することができるが、シ
アン,マゼンタについては、濃淡2種類のインクを吐出
可能である。更に、各色インクについては、小ドット、
中ドット、大ドットの3種類のインク滴を吐出可能であ
る。このため、データ変換装置10も、このプリンタ2
0に応じた階調変換を行なっている。そこで、まずカラ
ープリンタ20の概略構成について説明する。
【0028】図2に、本実施例のカラープリンタ20の
概略構成を示す。このカラープリンタ20は、図示する
ように、キャリッジ40に搭載された印字ヘッド41を
駆動してインクの吐出およびドット形成を行なう機構
と、このキャリッジ40をキャリッジモータ30によっ
てプラテン36の軸方向に往復動させる機構と、紙送り
モータ35によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御
回路60とから構成されている。キャリッジ40をプラ
テン36の軸方向に往復動させる機構は、プラテン36
の軸と並行に架設されたキャリッジ40を摺動可能に保
持する摺動軸33と、キャリッジモータ30との間に無
端の駆動ベルト31を張設するプーリ32と、キャリッ
ジ40の原点位置を検出する位置検出センサ34等から
構成されている。印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテ
ン36と、プラテン36を回転させる紙送りモータ35
と、図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ35の
回転をプラテン36および給紙補助ローラに伝えるギヤ
トレイン(図示省略)とから構成されている。制御回路
60は、プリンタの操作パネル59と信号をやり取りし
つつ、紙送りモータ35やキャリッジモータ30、印字
ヘッド41の動きを適切に制御している。カラープリン
タ20に供給された印刷用紙Pは、プラテン36と給紙
補助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラ
テン36の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0029】キャリッジ40には黒(K)インクを収納
するインクカートリッジ42と、シアン(C1)・ライ
トシアン(LC)・マゼンタ(M1)・ライトマゼンタ
(LM)・イエロ(Y1)の合計5色のインクを収納す
るインクカートリッジ43とが装着されている。もちろ
ん、KインクとLCインク・LMインクとを同じインク
カートリッジに収納したり、KインクとYインクとを同
じインクカートリッジに収納させる等してもよい。複数
のインクを1つのカートリッジに収納可能とすれば、イ
ンクカートリッジをコンパクトに構成することができ
る。キャリッジ40の下部にある印字ヘッド41には、
K・C・M・Y・LC・LMの各インクに対して、イン
ク吐出用ヘッド44・45・46・47・48・49が
それぞれ形成されている。キャリッジ40の底部には図
示しない導入管が各インク毎に立設されており、キャリ
ッジ40にインクカートリッジを装着すると、カートリ
ッジ内の各インクは導入管を通じて、それぞれのインク
吐出用ヘッド44ないし49に供給される。各ヘッドに
供給されたインクは、以下に説明する方法によって印字
ヘッド41から吐出され、印刷用紙上にドットを形成す
る。
【0030】図3(a)は各色ヘッドの内部構造を示し
た説明図である。各色のインク吐出用ヘッド44ないし
49には、各色毎に48個のノズルNzが設けられてい
て、各ノズルには、インク通路50とその通路上にピエ
ゾ素子PEが設けられている。ピエゾ素子PEは、周知
のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高
速に電気−機械エネルギの変換を行なう素子である。本
実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間
に所定時間幅の電圧を印可することにより、図3(b)
に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸
張し、インク通路50の一側壁を変形させる。この結
果、インク通路50の体積はピエゾ素子PEの伸張に応
じて伸縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ip
となってノズルNzから高速で吐出される。このインク
Ipがプラテン36に装着された印刷用紙Pに染み込む
ことにより、印刷用紙Pの上にドットが形成される。
【0031】図4は、インク吐出用ヘッド44ないし4
9におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明
図である。図示するように、インク吐出用ヘッドの底面
には、各色毎のインクを吐出する6組のノズルアレイが
形成されており、1組のノズルアレイ当たり48個のノ
ズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されて
いる。尚、各ノズルアレイに含まれる48個のノズルN
zは、千鳥状に配列されている必要はなく、一直線上に
配列されていてもよい。ただし、図4に示すように千鳥
状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さく設定
し易いという利点がある。
【0032】図4に示すように、各色のインク吐出用ヘ
ッド44ないし49は、キャリッジ40の搬送方向にヘ
ッドの位置がずれている。また、各色ヘッド毎のノズル
に関しても、ノズルが千鳥状に配置されている関係上、
キャリッジ40の搬送方向に位置がずれている。カラー
プリンタ20の制御回路60は、キャリッジ40を搬送
しながらノズルを駆動する際に、ノズルの位置の違いに
よるヘッド駆動タイミングの違いを考慮しながら、適し
たタイミングでそれぞれのヘッドを駆動している。
【0033】本実施例のカラープリンタ20は、図3,
図4に示したように一定径のノズルNzを備えている
が、かかるノズルNzを用いて、互いに大きさの異なる
3種類のドットを形成することができる。以下に、この
原理について説明する。図5は、インクが吐出される際
のノズルNzの駆動波形と吐出されるインクIpとの関
係を示した説明図である。図5において破線で示した駆
動波形が通常のドットを吐出する際の波形である。区間
d2において一旦、基準電圧よりも低い電圧をピエゾ素
子PEに印加すると、先に図3で説明したのとは逆にイ
ンク通路50の断面積を増大する方向にピエゾ素子PE
が変形する。ノズルへのインクの供給速度には限界があ
るため、インク通路50の拡大に対してインクの供給量
が不足して、インク通路内の圧力が低下する。この結
果、図5の状態Aに示した通り、インク界面Meはノズ
ルNzの内側にへこんだ状態となる。これは、インク通
路の負圧とインク界面での表面張力とが釣り合っている
状態である。また、図5の実線で示す駆動波形を用いて
区間d1に示すように電圧を急激に低くすると、インク
通路の圧力は更に低下し、状態aで示すように状態Aに
比べて大きく内側にへこんだ状態となる。
【0034】次に、ピエゾ素子PEに高い電圧を印加す
ると(区間d3)、インク通路50の断面積の減少によ
り通路内のインクが圧縮され、インク圧力の増加に対応
して、インク滴がインクノズルから吐出される。このと
き、圧縮開始時のインク圧力が低いと、圧縮後の圧力も
低くなるので、吐出されるインク滴も小さくなる。従っ
て、インク圧力があまり低くない状態、すなわちインク
界面があまり内側にへこんでいない状態(状態A)から
は、状態Bおよび状態Cに示すごとく大きなインク滴が
吐出され、インク界面が大きくへこんだ状態(状態a)
からは状態bおよび状態cに示すごとく小さなインク滴
が吐出される。このように、駆動電圧を低くする際(区
間d1,d2)の変化率を変えれば、ドット径を変化さ
せることができる。
【0035】カラープリンタ20は、2種類の駆動波形
を連続的に出力する。この様子を図6に示した。電圧を
低くする際の変化率を比べれば、駆動波形W1とW2
は、それぞれ小さなインク滴Ipsと大きなインク滴I
pmとに対応していることが分かる。キャリッジ40が
主走査方向に移動しながら、駆動波形W1を出力し、次
いで駆動波形W2を出力する場合を考える。駆動波形W
1により吐出される小さなインク滴Ipsは飛翔速度が
比較的小さく、駆動波形W2により吐出される大きなイ
ンク滴Ipmは飛翔速度が大きいので、吐出されてから
印刷用紙に到着するまでの所要時間は、小さなインク滴
IPsの方が長くなる。当然、インクの吐出位置から印
刷用紙に到着した位置の主走査方向へ移動距離も、小さ
なインク滴IPsの方が大きなインク滴IPmより長く
なる。従って、駆動波形W1と駆動波形W2のタイミン
グを調節すれば、図6に示すように、小さなインク滴I
Psと大きなインク滴IPmとを同一画素に吐出するこ
とが可能となる。
【0036】本実施例のカラープリンタ20では、駆動
波形W1のみをピエゾ素子PEに供給することによって
小さなドットを、駆動波形W2のみをピエゾ素子PEに
供給することによって中ドットを、駆動波形W1とW2
をともに供給し、2つのインク滴を同一画素に吐出する
ことによって大ドットを形成している。もちろん、駆動
波形の種類を増やすことによって、更に多種類の大きさ
のドットを形成することも可能である。
【0037】図7は、カラープリンタ20の制御回路6
0の内部構成を示す説明図である。図示するように、制
御回路60の内部には、CPU61・PROM62・R
AM63・コンピュータ80とのデータのやり取りを行
なうPCインターフェース64・紙送りモータ35やキ
ャリッジモータ30等とデータのやり取りを行なう周辺
機器入出力部(PIO)65・タイマ66・駆動バッフ
ァ67等が設けられている。駆動バッファ67は、イン
ク吐出用ヘッド44ないし49にドットのオン・オフ信
号を供給するバッファとして使用される。これらは互い
にバス68で接続され、相互にデータにやり取りが可能
となっている。また、制御回路60には、所定周波数で
駆動波形を出力する発振器70、および発振器70から
の出力をインク吐出用ヘッド44ないし49に所定のタ
イミングで分配する分配出力器69も設けられている。
【0038】図7に示す構成を有する制御回路60は、
コンピュータ80から画像データFNLを受け取ると、
ドットのオン・オフ信号を一時RAM63に蓄える。C
PU61は、紙送りモータ35やキャリッジモータ30
の動きと同期を採りながら、所定のタイミングでドット
データを駆動バッファ67に出力する。
【0039】次に、CPU61が駆動バッファ67にド
ットのオン・オフ信号を出力することによって、ドット
が吐出されるメカニズムについて説明する。図8は、イ
ンク吐出用ヘッド44ないし49の1つのノズル列を例
にとって、その接続を示す説明図である。インク吐出用
ヘッド44ないし49のノズル列は、駆動バッファ67
をソース側とし、分配出力器69をシンク側とする回路
に介装されており、ノズル列を構成する各ピエゾ素子P
Eは、その電極の一方が駆動バッファ67の各出力端子
に、他方が一括して分配出力器69の出力端子に、それ
ぞれ接続されている。分配出力器69からは、図8に示
す通り、発振器70の駆動波形が出力されている。CP
U61が駆動バッファ67に、各ノズル毎のドットのオ
ン・オフ信号を出力すると、オン信号を受け取ったピエ
ゾ素子PEだけが駆動波形によって駆動される。この結
果、駆動バッファ67からオン信号を受け取っていたピ
エゾ素子PEのノズルから一斉にインク粒子Ipが吐出
される。
【0040】以上のようなハードウェア構成を有するカ
ラープリンタ20は、キャリッジモータ30を駆動する
ことによって、各色のインク吐出用ヘッド44ないし4
9を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙
送りモータ35を駆動することによって、印刷用紙Pを
副走査方向に移動させる。制御回路60の制御の下、キ
ャリッジ40の主走査および副走査を繰り返しながら、
適切なタイミングで印字ヘッド41を駆動することによ
って、カラープリンタ20は印刷用紙上にカラー画像を
印刷している。
【0041】尚、本実施例では、上述のようにピエゾ素
地PEを用いてインクを吐出する方式のカラープリンタ
20を用いているが、他の方式によるプリンタを用いる
ものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒー
タに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によ
ってインクを吐出する方式のプリンタや、熱転写等の他
の方式のプリンタに適用するものとしてもよい。また、
形成するドットの大きさ、インクの濃淡を更に増加させ
て濃度表現の解像度を更に向上させてもよい。
【0042】B.データ変換処理 カラープリンタ20は、上述のようにカラー画像を印刷
する機能を有するが、カラープリンタ20が扱うことの
できる画像データの形式は、コンピュータ80が扱うこ
とのできる画像の形式とは異なっている。一般には、解
像度、色表現形式、濃度表現の階調などが異なる。この
ため、コンピュータ80上にあるカラー画像をカラープ
リンタ20で印刷するためには、データ形式をカラープ
リンタ20の扱うことができるものに変換する必要があ
る。このデータ変換を行なうのが、階調データ変換装置
10である。
【0043】階調データ変換装置10の内部構成は、図
1によって既に大まかには説明した。本実施例では、こ
のデータ変換装置10は、いわゆるディスクリートな回
路構成によりハードウェアとして実現されている。かか
るデータ変換装置10の内部で実行されるデータ変換処
理の概要について、図9を用いて簡単に説明する。な
お、図9は、データ変換装置10が行なう処理の概要を
示しており、プリンタ20内部やコンピュータ80内部
のCPUが実行するソフトウェアを示すものではない。
【0044】コンピュータ80の中では、画像はマトリ
ックスデータとして、つまり数字を縦・横に多数(例え
ば1000行ずつ)並べた大きな表のようなものとして
扱われている。表を構成している各マスは画素と呼ばれ
ていて、コンピュータ80は画素の値(階調値)をその
地点での明るさと解釈する。階調値が8ビットで表現さ
れている場合は、それぞれの階調値は0から255の間
の値を取ることができ、階調値0は最も暗い状態を、階
調値255は最も明るい状態を表している。このように
してコンピュータ80の中では、白黒画像は1枚のマト
リックスデータによって表現されている。また、カラー
画像もマトリックスデータを用いて表現することができ
る。すなわち、色彩学の教えるところによれば、赤色・
緑色・青色の3色の光を適切に混合することであらゆる
色を表現することができるので、赤色・緑色・青色の各
色の明暗画像を表すマトリックスデータ、すなわちR画
像・G画像・B画像が合成されたものとして、カラー画
像を扱うことができる。
【0045】このような画像データをカラープリンタ2
0で印刷するために、データ変換装置10は、解像度変
換処理を行なう(ステップS100)。この処理の内容
を以下に説明する。例えば、縦・横1000×1000
の画素からなる画像データを、縦・横10cmの大きさ
に印刷する場合を考える。この場合は1画素が印刷用紙
上では0.1mmに相当する。1画素が印刷用紙上の何
mmに相当するかは、画像を印刷しようとする大きさに
よって、当然変わってくる。ここで、プリンタが単位長
さ当たりに形成するドットの数(これをプリンタの解像
度と呼ぶ)は、プリンタ機種によって決まっているか
ら、画像を印刷しようとする大きさによって、原画像の
解像度とプリンタの解像度とが一致する場合としない場
合が生じる。プリンタの解像度が原画像の解像度と異な
っているのでは、データ処理の都合上不便なので、画素
を間引いて原画像の画素の数を減らしたり、逆に補間に
より画素の数を増やす等して、原画像の解像度をプリン
タの解像度に一致させておくと便利である。解像度変換
処理では、このような処理を行なう。
【0046】解像度変換処理が終わると、データ変換装
置10は、色変換処理を行なう(ステップS102)。
前述したように、コンピュータは一般に、カラー画像を
赤色(R)・緑色(G)・青色(B)の3色で表現する
が、プリンタは一般にカラー画像を、シアン色(C)・
マゼンタ色(M)・イエロ色(Y)の3色で表現する。
従って、カラー画像の印刷に際しては、R・G・Bの3
色による色の表現方法を、C・M・Yの3色による色の
表現方法に変更する必要がある。色変換処理はこのよう
な変換を行なう処理である。色変換処理を行なうと、そ
れぞれ256階調を持ったR・G・B階調画像データ
が、256階調を持ったC・M・Yの階調画像データに
変換される。
【0047】実際には、コンピュータは、図10に示す
ような色変換表を参照して、R・G・B階調値をC・M
・Yの階調値に変換している。図示するように、変換表
は、R・G・Bの階調値を軸とする3次元の数表であ
り、各軸の値は0から255の値を採りうる。このよう
に1辺の長さが255で、各辺がR・G・B軸となって
いるような立方体を色立体と呼ぶ。また、互いに直交す
るR・G・B各軸が張る空間を色空間と呼ぶ。変換表
は、色立体を小さな立方体に細分し、小さな各立方体の
頂点毎に、対応するC・M・Yの階調値を記憶したもの
である。変換表を参照して色変換を行なうには、次のよ
うにして行なう。例えば、R・G・B階調値がそれぞれ
RA・GA・BAで表される色をC・M・Y階調値で表
現する場合、色空間上で座標(RA,GA,BA)の点
Aを考え、点Aを含むような小さな立方体(dV)を見
つけ出す。この立方体の各頂点のC・M・Y階調値を、
変換表を参照して求め、得られたC・M・Y階調値か
ら、補間によって点AのC・M・Y階調値を求める。
【0048】また、ほとんどの場合は、色変換処理の中
で色補正や下色除去も併せて行なう。色補正とは、R・
G・Bそれぞれの階調値を補正することによって、カラ
ー画像を読み込む際に装置毎に感度特性が違う影響を除
いたり、または、C・M・Yの各階調値を予め補正して
印刷装置毎の色再現特性の違いを除くための処理をい
う。色補正を行なうことにより、画像を読み込む機器や
印刷装置の違いによらず、正確な色を表現することが可
能となる。
【0049】下色除去とは、C・M・Y階調画像から黒
色(K)成分を抽出し、C・M・Y・Kの階調画像デー
タに変換する処理である。下色除去を行なうことによ
り、等量ずつのC・M・Y3色のインクを同量のKイン
ク1色で置き換えることができるので、インク使用量を
減少させることができ、インクデューティの面からも好
ましい。
【0050】色変換処理を終了すると、データ変換装置
10は、ハーフトーニング処理を行なう(ステップS1
04)。以下にこの処理の内容について説明する。色変
換後の画像データは、C・M・Y・Kの4色のマトリッ
クスデータとなっていて、それぞれの画素は256階調
のいずれかの値を採る。一方プリンタは、印刷用紙上に
ドットを形成することによって画像を印刷しており、ド
ットは形成するか否かの2つの状態しか採り得ない。こ
れを改善するために、前述のようにドットの大きさを変
える、インクとして淡い三原色を用意するなどして中間
状態を含めた多値のドットを印刷可能なプリンタも存在
するが、これら機械的な対処では依然として表現しうる
階調値には限界がある。従って、256階調を有する画
像を、プリンタが表現できる非常に少ない階調で表現さ
れた画像に変換する必要がある。このような変換を行な
う処理がハーフトーニング処理である。
【0051】図11は、ハーフトーニング処理を行なっ
た様子を示す説明図であり、図11(a)はハーフトー
ニング処理を行なう前の色変換後の画像データを、また
図11(b)はハーフトーニング処理を行なった後の画
像データの原理を示している。図示するように、ハーフ
トーニング処理前の画像を構成する各画素には、256
階調のいずれかの値が書き込まれているが、ハーフトー
ニング処理後の画素には、ドットを形成する(ON)
か、しないか(OFF)を表すいずれかの値が書き込ま
れている。尚、図11(b)では、ドットの分布状況を
分かり易くするために、ONが書き込まれている画素に
はハッチを施し、OFFが書き込まれている画素は白抜
きで表している。なお、この図11は、シアン,マゼン
タ,イエロ,ブラックの4色について、ドットを形成す
る・しないという単純な2値化の例を示しているが、本
実施例のプリンタ20は、通常のシアン,マゼンタイン
クの他に、濃度の低いライトシアンインク,ライトマゼ
ンタインクによりドットが形成可能であり、更に、各色
について大中小のドットが形成可能である。従って、実
施例におけるハーフトニングは、単純な2値化ではな
く、シアン,マゼンタについては、最大7値化が可能で
あり、イエロ,ブラックについては、最大4値化が可能
である。
【0052】256階調を有する画像データを、プリン
タで表現可能な階調数に応じて単に2値化もしくは3値
化等するだけなら、所定の閾値と各画素の階調値とを比
較し、値の大小によって多値化することも可能である。
しかし、このように多値化した画像を印刷すると、原画
像には存在しないいわゆる疑似輪郭が印刷画像に現れる
という問題が生じる。そこで、この問題を回避すべく、
ハーフトーニングの手法には多くの方法が提案されてお
り、代表的なものに、組織的ディザ法と呼ばれる方法
と、誤差拡散法と呼ばれる方法とがある。これらの処理
は、通常は、コンピュータ80にインストールされたプ
リンタドライバ内で実行されるが、本実施例では、デー
タ変換装置10の内部で、ハードウェアにより実行され
る。その具体的構成については後述する。
【0053】ハーフトーニング処理が終了すると、画素
の再配置を行なう(ステップS106)。この処理は、
ハーフトーニング処理によってドット形成の有無を表す
形式に変換された画像データを、カラープリンタ20に
転送すべき順序に並べ替える処理である。すなわち、前
述のようにカラープリンタ20は、キャリッジ40の主
走査と副走査を繰り返しながら、印字ヘッド41を駆動
して、印刷用紙Pの上にドット列を形成していく。図4
を用いて説明したように、各色毎のインク吐出用ヘッド
44ないし47には、複数のノズルNzが設けられてい
るので、1回の主走査で複数本のドット列を形成するこ
とができるが、それらのドット列は、互いにノズルピッ
チkだけ離れている。ノズルピッチkはできるだけ小さ
な値とすることが望ましいが、ヘッド製造の都合上、ノ
ズルピッチkを画素の間隔(ノズルピッチkが1の場合
に相当)まで小さくすることは困難である。その結果、
画素間隔で並ぶドット列を形成するには、先ず、ノズル
ピッチkだけ離れた複数のドット列を形成し、次にヘッ
ド位置を少しずらして、ドット列の間に新たなドット列
を形成していくといった制御が必要となる。
【0054】また、印刷画質を向上させるために、1本
のドット列を複数回の主走査に分けて形成したり、更に
は、印刷時間を短縮するため、主走査の往動時と復動時
のそれぞれでドットを形成するといった制御も行なわれ
る。これらの制御を行なうと、カラープリンタ20が実
際にドットを形成する順序は、画像データ上で画素の順
序と異なったものとなるので、画素再配置処理におい
て、データの並べ替えを行なうのである。画素再配置処
理を行なうと、画像データはプリンタ20が印刷可能な
形式の画像データFNLに変換される。
【0055】C.データ変換装置の内部構成および動作 前述したようにデータ変換装置10は、ディスクリート
な回路構成により実現されたCLM(カラールックアッ
プモジュール)12を初めとする複数のモジュールによ
って構成されている。各モジュールは、前述した画像デ
ータ変換の各工程(図9参照)を、分担して行なってお
り、コンピュータ80から供給された画像データORG
は、それぞれのモジュールで所定の処理を加えられ、最
終的には、カラープリンタ20で印刷可能な画像データ
FNLに変換される。以下に、それぞれのモジュールの
動作について説明する。
【0056】(1)カラールックアップモジュール(C
LM) CLM(カラールックアップモジュール)12は、解像
度変換(ステップS100)と色変換(ステップS10
2)とを行なうモジュールであり、図12に、その構成
を、ブロック図として示した。図12に示すように、こ
のモジュールは、バス17からデータの取り込みを行な
うIPM120と、取り込んだデータの解像度変換を行
なうスキャンコンバータ(以下、SCV)121、変換
されたデータの色変換を行なうカラーコンバータ(CC
V)122、変換したデータをバス17に出力するOP
M(アウトプットインターフェイスモジュール)12
3、SRAM16との間でデータのやり取りを司るメモ
リインタフェースモジュール(MIF)126の5つの
サブモジュールから構成されている。OPM123に
は、次段のハーフトーンモジュール(HTM)13に割
り付けられたアドレス値が予め設定されており、該アド
レス値とともに、CCV122の変換結果をバス17に
出力する。また、SRAM16には解像度変換に必要な
バイリニアあるいはバイキュービクルのマップ、色変換
処理に必要な色立体(図10参照)データが記憶されて
おり、SCV121、CCV122は、受け取った画像
データを、メモリインターフェース(MIF)126に
よりアドレスに変換し、このアドレスを用いてSRAM
16内を参照することにより、SRAM16から、解像
度変換されたデータおよびこれを色変換されたデータを
読み出すことができる。
【0057】通常の場合、すなわちコンピュータ80か
ら出力されるデータがRGBの階調画像データである場
合は、CLM12のSCV121、CCV122による
上記変換処理が必要となる。ところが、コンピュータ8
0から供給される画像データが、解像度に関する指定が
無く、白黒画像である場合または色変換済みの画像デー
タである場合などには、データ変換装置10で色変換処
理を行なう必要はない。このような場合は、IPM12
0が入力したデータは、図12に示したように、SCV
121,CCV122を介することなく、OPM123
からバス17に出力される。なお、図1では、前段のモ
ジュールが処理したデータは、次段のモジュールが直接
受け取るものとして描いてあるが、データに、次に処理
を行なうべきモジュールに予め割り当てられたアドレス
値を付加しておき、各モジュールがバス17に現われた
データから、自分が取り込むべきデータを判断して処理
を行なうものとしてもよい。この場合には、各モジュー
ルのOPMが出力するデータに付加するアドレス値を変
更することによって、そのデータを受け取って処理を行
なうモジュールを自由に指定することができる。
【0058】なお、これらの演算を実行するには相応の
処理能力を有する制御回路が必要となる。この様な複雑
な処理を実行する制御回路には、2つの方式が知られて
いる。1つ目の方式はランダムロジック方式と呼ばれる
方式であって、フリップフロップと、ANDゲートやO
Rゲート等の基本ゲートとを組み合わせ、いわゆる順序
回路を形成し、所定の制御信号を発生させるものであ
る。もう1つの方式は、マイクロプログラム方式と呼ば
れる方式と呼ばれるものであって、一連の制御信号を予
め記憶しておき、記憶しておいた制御信号を次々と読み
出して演算回路部に供給することにより、演算回路部に
所定の演算を行なわせるものである。どちらの方式を採
用することもできるが、本実施例の各モジュールでは、
動作の迅速性に優れるランダムロジック方式を採用して
いる。
【0059】(2)ハーフトーンモジュール(HTM) ハーフトーンモジュール(HTM)13の構成を、図1
3に示す。このHTM13は、色補正済みのデータを用
いて多値化の処理を行なうモジュールである。図示する
ように、このモジュールも、他のモジュールと同様に、
バス17からデータの取り込みを行なうIPM(インプ
ットサブモジュール)130と、取り込んだデータに対
して、ハーフトーニング処理のための予備的な処理を行
なうプレディザテーブルモジュール(PRDT)13
1、PRDT131の出力するデータを用いて誤差拡散
法を基本とするハーフトニング処理を行なうハーフトー
ンブロックモジュール(HB)132、変換したデータ
をバス17に出力するOPM(アウトプットインタフェ
ースモジュール)133、SRAM16との間でデータ
のやり取りを司るメモリインタフェースモジュール(M
IF)136の5つのサブモジュールから構成されてい
る。
【0060】PRDT131は、ハーフトニングのため
の予備的な処理を行なうモジュールであり、次の処理を
行なう。まず、階調データDSを入力し、1ビットモー
ドが指定されている場合には、図14により、他方2ビ
ットモードが指定されている場合には、図15により、
それぞれ、各ドットのドット記録率の期待値のデータに
変換する処理を行なう。1ビットモードとは、形成され
るドットが各色について単一の場合を言う。また、2ビ
ットモードとは、形成されるドットが各色について、大
中小の3種類である場合を言う。後者においては、ドッ
トなし、小ドット、中ドット、大ドットの4階調が一つ
の画素について実現可能であり、4階調=2ビットであ
ることから、2ビットモードと呼んでいる。カラープリ
ンタ20が発生し得るドットが、複数種類(例えば本実
施例のように大中小の3種類)の場合、図15に示した
例では、階調値が増加するにつれて、小ドット記録率が
増加し、階調値がある値DS1以上になると中ドットか
形成されるようになり、更に階調値DSが所定値DS2
以上になると大ドットが形成されるように設計されてい
る。また、濃度表現力の分解能が最も高い小ドットは、
濃度階調の総ての範囲において出現するように設計され
ている。
【0061】PRDT131の内部構成は特に図示しな
いが、与えられた階調データを用いて、SRAM16内
に記憶されたテーブルを参照することにより、大中小の
各ドットの記録率の期待値のデータを読み出す簡易な構
成により、ハードウェアとして容易に実現可能である。
例えば、入力階調値をアドレスの下位ビットに割り当
て、各色の違いを上位ビットに割り当て、両者を合成し
て得られたアドレスによりSRAM16からデータを読
み出す構成などが考えられる。読み出された各データ、
即ち大中小のドットの記録率の期待値を、それぞれ大ド
ットデータLin、中ドットデータMin、小ドットデ
ータSinと呼ぶものとする。変換後のデータを単にド
ット記録率とせず、ドット記録率の期待値と呼ぶのは、
最終的に各ドットを形成するか否かは、HB132によ
り判断されるからである。HB132内部の処理につい
ては、後で詳しく説明する。
【0062】1ビットモードまたは2ビットモードのい
ずれにせよ、PRDT131により、原画像の階調デー
タDSは、ドット記録率に対応したデータに置き換えら
れることになる。なお、図14では、階調値とドット記
録率との関係をほぼ直線的に描いているが、階調値とド
ット記録率との関係は、カラープリンタ20が有する画
像再現上のγ特性などを補正して原稿画像の濃度を正確
に再現するよう定められるので、必ずしも直線的な関係
になるとは限らない。
【0063】次に、HB132の内部構成とその働きに
ついて説明する。HB132の内部構成は、処理の高速
化のために、ディスクリートなハードウェア構成により
実現されている。この構成を、図16〜図22に階層的
に示す。各図の関係を予め説明すると、図16はHB1
32の概略構成を示すブロック図である。図17は、H
B132内部で多値化の処理をしている第1のハーフト
ーン回路210の構成を示すブロック図、図18は、同
じく第2のハーフトーン回路220の構成を示すブロッ
ク図である。更に、図19は、ディザマトリクスの考え
方を示す説明図、図20は、第2のドット形成判定回路
212,小ドット形成判定回路223の内部構成を示す
機能ブロック図、図21は、ドットデータ出力回路EE
の機能ブロック図である。更に図22は、誤差拡散範囲
を示す説明図、図23は、HB132における誤差演算
回路250の内部構成を示すブロック図、図24は、誤
差演算回路250における主走査バッフアMBおよび副
走査バッファSBの内部構成を示すブロック図である。
【0064】図16に示したように、HB132は、シ
アン,マゼンタ,イエロ,ブロックの4色についてハー
フトーン処理を行なうハーフトーン回路210、ライト
シアン,ライトマゼンタの2色に対応したハーフトーン
処理を行なうハーフトーン回路220、これらのハーフ
トーン回路210,220の動作を制御する制御回路2
30、各ハーフトーン回路210,220の動作を受け
て誤差拡散の計算を行なう誤差演算回路250、各ハー
フトーン回路210,220の出力を受けてこれをフォ
ーマットしかつ選択的に出力する出力回路270等を備
える。なお、シアン,マゼンタ,イエロ,ブロックの4
色についてハーフトーン処理を行なうハーフトーン回路
210は、4つとも同一の構成を有するが、以下の説明
で区別が必要になる場合には、それぞれハーフトーン回
路210K1,210C1,210M1,210Y1と
表記する。また、ライトシアン,ライトマゼンタの2色
に対応したハーフトーン処理を行なうハーフトーン回路
220も、同様に、ハーフトーン回路220C2,22
0M2として区別する。
【0065】ハーフトーン回路210は、図17に示す
ように、組織的ディザ法により大ドットおよび中ドット
のオン・オフを判定する第1のドット形成判定回路21
1と、誤差拡散により小ドットのオン・オフを判定する
第2のドット形成判定回路212とを備える。他方、ハ
ーフトーン回路220は、図18に示すように、組織的
ディザ法により大ドットのオン・オフを判定する大ドッ
ト形成判定回路221と、誤差拡散により中ドットのオ
ン・オフを判定する中ドット形成判定回路222と、同
じく小ドットの判定を行なう小ドット形成判定回路22
3とを備える。各図に示したように、ハーフトーン回路
210は、大ドットおよび中ドットのドット形成を、一
括してディザ法により判定し、小ドットのドット形成を
誤差拡散により判定する構成となっている。他方、ハー
フトーン回路220は、大ドットのドット形成をディザ
法により判定し、中ドットおよび小ドットの判定を、誤
差拡散により行なう構成となっている。
【0066】ハーフトーン回路210および220に
は、前段のPRDT131による処理によって求められ
た大中小ドットそれぞれの記録率の期待値のデータ、即
ち大ドットデータLin、中ドットデータMin、小ド
ットデータはSinを入力し、これらのデータに対して
組織的ディザ法及び誤差拡散法による濃度調整を行な
い、最終的に大ドット、中ドット、小ドットの形成を行
なうか否かの二値的なデータ(Lon、Mon、So
n)を出力する。
【0067】そこで、次に第1のドット形成判定回路2
11の内部構成とその働きについて簡略に説明する。な
お、入出力の信号線は異なるものの、大ドット形成判定
回路221もほぼ同様の回路構成を備える。第1のドッ
ト形成判定回路211には、各画素の各色(C,M,
Y,LC,LM,K)について大ドットおよび中ドット
のドット記録率の期待値である大ドットデータLin,
中ドットデータMinと、ディザマトリクスからの閾値
データDthとが入力される。即ち、第1のドット形成
判定回路211は、SRAM16に記憶したディザマト
リクスから得られる閾値データDthを参照して、ドッ
トのオン・オフの割合を決定する回路である。閾値デー
タDthは、次のように決定する。SRAM16の所定
のアドレスには、図19に示すように、横方向のサイズ
がDX、縦方向のサイズがDYの分散型ディザマトリク
スを大中のドット用にそれぞれ記憶しておく。第1のド
ット形成判定回路211には、各画素の位置の情報
(X,Y)を入力し、この画素の位置情報(X,Y)
を、ディザマトリクスのサイズDX,DYでそれぞれ除
した余りを求める演算器が設けられている。この演算器
からの出力をMIF136によりアドレスに変換し、変
換済みのアドレスを用いて、SRAM16に記憶された
ディザマトリクスから大中のドットについての閾値デー
タDthを読み出す。第1のドット形成判定回路211
の内部には、二つの比較器が設けられており、それぞれ
の比較器により、大ドット用の閾値データDthlと大
ドットデータLin、中ドット用の閾値データDthm
と中ドットデータMinとを比較する。大ドットデータ
Linの方が大きければ、大ドットをオン(ドットを形
成)とし、閾値データDthlより大ドットデータLi
nが小さければ、大ドットをオフ(ドットを非形成)と
する。なお、大ドットを形成しない場合のみ、中ドット
についても同様の判断を行ない、中ドットの形成につい
て判断する。
【0068】分散型のディザマトリクスは、一様なドッ
トデータが入力されたとき、ドットの分散性を確保し
て、ドットが順次オンになっていくように、閾値を定め
てあるから、このディザマトリクスを用いて、各画素の
ドットのオン・オフを決定することにより、原画像の階
調値を反映させたハーフトニングを、高速に完了するこ
とができる。なお、上記の説明では、大ドットと中ドッ
トについて、別々の閾値データDthl,Dthmを用
いるものとして説明したが、実際の回路では単一の閾値
データDthを入力し、これをシフトすることにより、
両ドットで共用している。この場合には、大ドットや中
ドット単独での分散性に加えて、大中の両ドット全体で
の分散性も確保されることになり好適である。
【0069】以上第1のドット形成判定回路211の構
成と働きについて説明したが、大ドット形成判定回路2
21もほぼ同一の回路構成を有する。異なるのは、大ド
ット形成判定回路221が、大ドットデータLinと閾
値データDthのみを入力しており、大ドットについて
のみドット形成の有無を判断する点だけである。
【0070】次に、第2のドット形成判定回路212の
構成と働きについて説明する。なお、中ドット形成判定
回路222,小ドット形成判定回路223も、この第2
のドット形成判定回路212とほぼ同一の回路構成を有
する。基本的な考え方、回路構成、動作は同一であり、
判断の対象のみ異なる。そこで、第2のドット形成判定
回路212を代表例として、以下誤差拡散を用いてハー
フトニングする回路について説明する。第2のドット形
成判定回路212は、前段のPRDT131から出力さ
れる小ドットデータSinと、誤差拡散により周辺の画
素から拡散されてきた誤差の累積値er00とを外部か
ら受け取り、更に内部的には、第1のドット形成判定回
路211によるドット形成の判断結果Lon,Monと
を入力する。第1のドット形成判定回路211からのそ
の判断結果を受け取るのは、大ドットや中ドットが形成
された場合には、小ドットを形成しないからである。即
ち、判断結果を示す信号Lon,Monは、第2のドッ
ト形成判定回路212の動作において小ドットの形成を
行なわせないためのマスク信号として働いている。
【0071】第2のドット形成判定回路212は、小ド
ットデータSinに誤差の累積値er00を加えた値と
予め内部に用意した閾値とを比較し、加算値が閾値より
大きければ小ドットを形成するものと判断し、逆の場合
には、小ドットを形成しないと判断する回路である。こ
のドット形成の判定結果が、信号Sonとして出力され
る。また、小ドットがオン・オフいずれかに決定される
と、小ドットの形成の有無に応じて、その画素における
濃度誤差が求められる。これが、周辺に拡散すべき濃度
誤差erwとして、誤差演算回路250に出力される。
【0072】第2のドット形成判定回路212の動作の
概要は、以上の通りであるが、実際には、更に種々の条
件を考慮して、小ドットのオン・オフを判定している。
図20は、実際の第2のドット形成判定回路212の内
部構成を示すブロック図である。図20に示すように、
第2のドット形成判定回路212は、ドットデータ生成
回路213、閾値生成回路214、比較器215、マス
ク回路216、ホワイトフラグ回路217および誤差算
出回路218から構成されている。ドットデータ生成回
路213は、修正ドットデータpdsrcと誤差の累積
値er00とを加算する加算回路add1と、その加算
値を保持するラッチLL1とからなる。誤差の累積値e
r00は、誤差演算回路250により演算されるが、そ
の詳細については後述する。
【0073】ドットデータ生成回路213に入力される
修正ドットデータpdsrcは、図21に示したドット
データ出力回路EEにより生成される信号であり、図示
するように、小ドットデータSinのみならず、大ドッ
トデータLin,中ドットデータMin、更には黒色イ
ンクについてのドットデータKin、ペアレントカラー
についてのドットデータPCinをも考慮して生成され
る値である。ここで、ペアレントカラーとは、淡インク
の場合の濃インクを意味しており、ライトシアンインク
についての判定を行なう場合には、シアンインクのドッ
トデータを参照することになる。このドットデータ出力
回路EEは、ゲートアレイにより形成されており、ドッ
ト形成判定回路が判定する対象が小ドットである場合に
は、小ドットデータSinに基づき、これを他のドット
データで補正した信号を出力する。例えば、ハーフトー
ン回路210がライトシアンの小ドットについて判定を
行なう場合には、ライトシアンインクの小ドットのドッ
トデータSinをそのまま誤差拡散によるハーフトニン
グに供するのではなく、その周辺に仮に黒色のドットが
形成されている場合には、ここにライトシアンのインク
による小ドットが形成されにくくなるように、局所的に
小ドットデータを小さくするよう局所的に補正を行なう
のである。こうした補正を受けたドットデータを修正ド
ットデータpdsrcと呼んでいる。
【0074】併せて、図21に示したドットデータ出力
回路EEが生成する信号を説明する。ドットデータ出力
回路EEは、上述した修正ドットデータpdsrcの
他、後段のハーフトニング処理における閾値を決めるた
めのデータatsrc、着目画素にドットを形成した際
の影響の及ぶ範囲を決定する信号pogsrcなども出
力している。信号atsrcは、この値を利用してSR
AM16を参照し、閾値データsrmdinを求めるた
めに利用される信号である。閾値データsrmdinに
ついては、後述する。また、信号pogsrcは、ポス
トガンマ補正などに用いられる信号であり、ドットを形
成した場合の影響の度合いを、ドット形成の状況により
変更する目的で用いられる。本実施例では、この信号に
ついての説明は省略する。
【0075】図20に示したドットデータ生成回路21
3に入力される修正ドットデータpdsrcは、上記の
通り、他のドットデータによっても影響を受けたデータ
ではあり、判断しようとする画素自体の小ドットデータ
Sinのみならず、他のドットデータの影響を考慮した
ものとなっている。これらを考慮したドットデータと周
辺の画素から配分された誤差の累積値er00とが、ド
ットデータ生成回路213の加算器add1により加算
され、ラッチLL1により保持され、出力されることに
なる。
【0076】他方、閾値生成回路214は、ドット形成
の判定を行なう閾値データsrmdinとノイズ信号n
osとを加算する加算器add2と、その加算値を保持
するラッチLL2とからなる。ここで、閾値データsr
mdinは、先に図21に示したゲートアレイにより生
成される信号atsrcに基づいて、SRAM16を参
照することにより得られた信号である。閾値データsr
mdinは、誤差拡散における尾引きなどの問題解消す
るために、ドットデータに応じた値が生成されるが、平
均値は、小ドットデータの平均値と略同一の値となる。
また、ノイズ信号noiseは、誤差拡散における疑似
輪郭の発生などを防止するために、閾値に加えられるラ
ンダムノイズである。この閾値生成回路214により、
誤差拡散法の判断における閾値が適切に求められ、これ
がラッチLL2により保持され出力されることになる。
【0077】ドットデータ生成回路213および閾値生
成回路214からの出力は、比較器215に入力され、
ここでその大小の比較が行なわれる。比較器215によ
る比較の結果は、マスク回路216および誤差算出回路
218に出力される。マスク回路216に出力された判
定結果は、最終的には、小ドットのオン・オフを示す信
号Sonとして出力される。また、小ドットデータSi
nを入力しているホワイトフラグ回路217の出力も、
マスク回路216および誤差算出回路218に入力され
ている。更に、誤差算出回路218には、ドットデータ
生成回路213の出力や、小ドットを形成した場合のド
ットの濃度評価値(オンバリュー)onvなどの信号も
入力されている。
【0078】マスク回路216には、この他、他の色や
他の大きさのドットに関するドット形成の判定結果も入
力されている。即ち、黒色インク用のハーフトーン回路
210K1の判定結果Kon、同じ色のインクの大ドッ
トの判定結果Lon、同じく中ドットの判定結果Mo
n、更にペアレントカラーについての判定結果PCon
が入力されている。ペアレントカラーについての判定結
果PConは、ライトシアンインクについてのドット形
成判定回路ではシアンインクについての判定結果Con
が、ライトマゼンタインクについてのドット形成判定回
路ではマゼンタインクについての判定結果Monが、そ
れぞれ相当する。マスク回路216は、これらの判定結
果を入力し、比較器215による判定結果がオン、即ち
その画素に小ドットを形成すると判断した場合でも、黒
色ドットやペアレントカラーのドット、あるいは同じ色
のインクの大または中ドットが形成されている場合に
は、小ドットをオンにする信号をマスクして、判定結果
Sonをオフとする。なお、マスク回路216により信
号がマスクされたことは、誤差算出回路218にも出力
され、通知される。
【0079】ホワイトフラグ回路217は、修正ドット
データpdsrcを入力し、この修正ドットデータpd
srcが値0の場合に、ホワイトフラグと呼ばれるフラ
グ信号を出力する回路である。この信号が出力される
と、マスク回路216はドットが形成されないように比
較器215の判定結果をマスクし、誤差算出回路218
は誤差計算を一旦打ち切る。これは、濃度の高い二つの
領域の間に真っ白の細い領域が存在する場合で、この白
い領域が誤差拡散の範囲を超えている場合に有用な技術
である。誤差拡散の範囲については、まだ説明していな
いが、通常ラスタ方向に数画素から十数画素、場合によ
っては数十画素の範囲に亘って、誤差は拡散される。こ
の場合、白い細い領域の幅が、誤差拡散の範囲より狭い
と、誤差は、真っ白な領域を越えて、隣接する領域に影
響を与えることがあり得る。こうした場合にホワイトフ
ラグ回路217が出力するホワイトフラグを用いてこの
影響を除くのである。また、真っ白な領域では、ドット
を強制的に形成しないようにマスクするのである。
【0080】誤差算出回路218は、誤差の演算をする
ものであり、基本的には、比較器215および誤差算出
回路218の出力を参照して、ドットを形成するとの判
断がなされた場合には、ドットデータ生成回路213の
出力と評価値onvとの差分を、濃度誤差erwとして
演算、ドットを形成しないと判断された場合には、ドッ
トデータ生成回路213の出力を濃度誤差として演算す
る回路である。
【0081】以上図17ないし図21を用いて説明した
回路構成により、シアン,マゼンタ,イエロ,ブラック
インクのドットについては、大ドットデータLinおよ
び中ドットデータMinを分散型ディザにより処理して
大ドットおよび中ドットのオン・オフを決定し、この判
定結果その他を利用して、小ドットデータSinと周辺
画素からの濃度誤差の累積値er00に基づいて、誤差
拡散法により小ドットのオン・オフを決定することがで
きる。また、ライトシアン,ライトマゼンタインクのド
ットについては、大ドットデータLinについては分散
型ディザにより処理して大ドットのオン・オフを決定
し、中ドットおよび小ドットについては、それぞれ誤差
拡散方により、各ドットのオン・オフを決定することが
できる。
【0082】以上の説明したように、第2のドット形成
判定回路212や中ドット形成判定回路222,小ドッ
ト形成判定回路223による誤差拡散処理では、現在処
理中である画素に中ドットや小ドットを形成するか否か
を判断するために、各画素で発生した濃度誤差erwに
所定重み付けをしつつ累積した濃度誤差の累積値er0
0のデータが必要となる。本実施例では、誤差拡散の範
囲は、図22に示すように、着目している画素Pと同じ
ラスタ内で主走査方向に16画素分、着目画素Pが属す
るラスタに副走査方向に隣接するラスタ内で18画素
分、計34画素分となっている。したがって、一つの画
素についてドットを形成するか否かの判断を行なうと、
ドット形成の有無により生じた濃度誤差erwを、所定
の重み付けを行ないつつ、34個のデータに分けてこれ
を逐次累積していくことが必要になる。この様な時系列
的に過去のデータを累積したデータである累積値er0
0は、通常ならば各画素の処理によって濃度誤差erw
が発生するたびにSRAM16の34画素分のアドレス
に一旦記憶し、着目画素Pについての判断を行なう際に
SRAM16から読み出して処理することが情報処理の
技術分野では一般的である。しかし、この様に多数のデ
ータをSRAM16を介して得ていたのでは、処理時間
が長いSRAM16へのアクセス処理を多数回に亘って
行なうことになり、誤差拡散処理に多大な処理時間を必
要とする。SRAM16の参照などをCPUを用いず、
ハードウェアにより行なっても、アクセスの回数が多い
ため、処理時間が長くかかることには変わりがなかっ
た。
【0083】本実施例では、かかる問題を考慮して、高
速アクセス可能なレジスタ群からなる誤差演算回路25
0を採用している。そこで、以下この誤差演算回路25
0の構成と働きについて、詳しく説明する。なお、図2
2に例示したように、本実施例では、着目している画素
Pについて発生した誤差を、周辺の34の画素に配分す
るが、その際の重み付けは、着目画素に主走査方向また
は副走査方向に隣接する画素については1/8、主走査
方向に一つ隔たった画素については1/16、二つおよ
び三つ隔たった画素については1/32、主走査方向に
それ以上に隔たった残り12の画素については1/64
である。また着目画素が属するラスタに隣接するラスタ
内では、着目画素に隣接する1/8の重み付けの画素の
両隣が1/16、このラスタ内で主走査方向に一つ戻っ
た位置の画素については1/16、更に二つおよび三つ
戻った位置の画素については1/32、このラスタ内で
それ以上に隔たった残り12の画素については1/64
となっている。これらの重み付けの総和は、値1(=2
×1/8+4×1/16+4×1/32+24×1/6
4)である。
【0084】誤差演算回路250は、SRAM16への
アクセスを最小限度としつつ上記誤差拡散処理に必要な
データであるer00を演算し、図16に示したよう
に、各ハーフトーン回路210,ハーフトーン回路22
0に出力する回路である。図23は、この誤差演算回路
250の内部構成を示すブロック図である。誤差演算回
路250は、図23に示すように、階調変換する着目画
素の階調変換により生じた濃度誤差erwを主走査方向
に分配する画素数(実施例では16個)に対応して設け
られた主走査バッファMBと、着目画素の階調変換によ
り生じた濃度誤差erwを着目画素の隣接ラスタ上で主
走査方向に分配する画素数(実施例では18個)に対応
して設けられた副走査バッファSBと、着目画素の階調
変換により生じた濃度誤差erwに主走査バッファMB
と副走査バッファSBの各バッファに応じた所定の重み
付けを施すシフトレジスタ群SRと、各シフトレジスタ
群SRに動作信号を出力するレジスタ群制御回路251
と、このレジスタ群制御回路251を更に制御する重み
付け切り換え回路255を備える。
【0085】シフトレジスタ群SRは、着目している画
素Pについて第2のドット形成判定回路212や小ドッ
ト形成判定回路223により求められた濃度誤差erw
を入力し、これをレジスタ群制御回路251から指示さ
れた回数右シフトすることにより、1/2のべき乗で小
さくする、即ち割り算するために設けられている。濃度
誤差erwは、8ビットのディジタルデータとして与え
られるから、これを右シフトすれば、シフト回数に応じ
て、順次1/2,1/4,1/8,1/16,1/3
2,1/64にすることができる。シフト回数は、レジ
スタ群制御回路251から出力され、シフトレジスタ群
SRは、この信号を受けて、濃度誤差erwのデータを
所定回数右シフトする。どのシフトレジスタ群SRのデ
ータをどれだけ右シフトさせるかは、図22に示したよ
うに、どの範囲にどのような重みを付けて、誤差を配分
するかにより決定される。本実施例では、上述したよう
に、着目画素Pに隣接する2画素では1/8の重み付け
で、その外側の4画素に1/16の重み付けで、更にそ
の外側の4画素に1/32の重み付けで、それ以外の2
4画素に1/64の重み付けで、それぞれ誤差を配分す
るものを標準としているが、この誤差拡散範囲は、修正
ドットデータpdsrcや着目している画素Pにドット
を形成するか否かを示す信号Sonにより可変すること
ができる。これを決定しているのが、重み付け切り換え
回路255である。重み付け切り換え回路255は、修
正ドットデータpdsrcや着目している画素Pにドッ
トを形成するか否かを示す信号Sonにより、例えば形
成されるドットが周辺にない場合とある場合等で、誤差
拡散の範囲を変更するようレジスタ群制御回路251に
制御信号を出力している。レジスタ群制御回路251
は、重み付け切り換え回路255からの信号を受けて、
シフトレジスタ群SRに出力する信号を一斉に切り換
え、重み付けの総和が1であるという条件を守りつつ、
誤差拡散の範囲を、条件に応じて適正に切り換えてい
る。
【0086】各シフトレジスタ群SRで1/2n にされ
た濃度誤差(以下、これを重み付け濃度誤差erwsと
呼ぶ)は、主走査バッファMBおよび副走査バッファS
Bに、出力される。主走査バッファMBは、図22に示
した誤差拡散範囲PERAのうち、着目画素Pと同じラ
スタに属する16個の画素に対応して設けられている。
また副走査バッファSBは、図22に示した誤差拡散範
囲PERAのうち、着目画素Pとは副走査方向に隣接す
るラスタに属する18個の画素に対応して設けられてい
る。符号は異なるが、主走査バッファMBと副走査バッ
ファSBは、内部構成は同一である。各バッファ内部の
構成は、後述するが、これらのバッファは、基本的に
は、前段のバッファからの出力と、シフトレジスタ群S
Rからの出力とを加算して、後段に出力する機能を有す
る。
【0087】18個の副走査バッファSBは、前段の出
力が後段の入力となるように接続されており、初段の副
走査バッファSBには、誤差拡散による誤差の配分が初
めて行なわれることから、値0が入力される。副走査バ
ッファSBの最終段からの出力srmeは、SRAM1
6の対応するアドレスに、MIF136を介して書き込
まれる。最終段の出力をSRAM16に書き戻すのは、
この実施例では、濃度誤差は、2つのラスタに亘る画素
に拡散されるから、着目している画素Pが属するラスタ
に隣接するラスタの画素については、配分された濃度誤
差は、一旦SRAM16に書き戻しておき、次の主走査
で再度読み出して、誤差の配分を受けるからである。1
6個の主走査バッファMBも、副走査バッファSB同
様、前段の出力が後段の入力となるように接続されてい
る。但し、初段の主走査バッファMBには、SRAM1
6から読み出された対応画素の濃度誤差の累積値srm
eが入力される。これは、一つ前のラスタにおける主走
査で配分された誤差の累積値である。また、最終段の主
走査バッファMBの出力は、着目画素Pについての濃度
誤差の累積値er00に相当し、これが、先に説明した
ハーフトーン回路210,ハーフトーン回路220に出
力され、誤差拡散による判定に用いられるのである。
【0088】各バッファMB,SBの内部構成につい
て、図24を参照して説明する。バッファMB,SB
は、図示するように、二つの入力値に対して加算演算を
行なう加算器301,二つの信号のいずれか一方を択一
的に出力する入力用セレクタ310,8本のレジスタ3
21ないし328,これら8本のレジスタ321ないし
328のいずれかのデータを択一的に出力する出力用セ
レクタ330から構成されている。レジスタ321ない
し328は、シアン,マゼンタ,イエロ,ブラックの各
色用に各1本、ライトシアン,ライトマゼンタの各色用
に各2本、それぞれ用意されている。なお、レジスタの
本数は8個以外にすることも差し支えない。たとえば、
イエロをディザ法のみで処理することにし、誤差拡散を
用いないものとしたり、ライトシアン,ライトマゼンタ
の各色について誤差拡散を1段(小ドットについて)の
み行なうものしてレジスタの数をそれぞれ1個としたり
すれば、レジスタの総数を低減することができる。ま
た、誤差拡散を各ドットについて行なう場合には、レジ
スタの本数を増やせばよい。レジスタの本数の増減はい
ずれの場合でも容易に行なうことができる。加算器30
1は、各シフトレジスタSRから出力される重み付け濃
度誤差erwsとバッファMB,SBの出力用セレクタ
330の出力値er(n)とを加算する。入力用セレク
タ310は、前段のバッファからの出力値er(n−
1)と、加算器301の出力とを選択的に出力する。レ
ジスタ321ないし326は、データを高速に書き込み
・読み出し可能な16ビットのレジスタであり、誤差拡
散を行なっている色を選択する選択信号SELにより、
いずれか一つのレジスタが読み書きの対象に切り換えら
れる構成となっている。
【0089】以上回路構成を説明した誤差演算回路25
0の働きを、図23および図24を中心に説明する。ま
ずどの色についての誤差拡散を行なうかにより、レジス
タ321ないし326のいずれか一つが選択される。画
像のデータを読み出しながら誤差拡散の演算を行なう
際、着目画素Pから主走査前後方向に誤差が配分される
領域がそれぞれM画素およびN画素分存在するのであれ
ば、端部処理として、原画像の先端にM画素分のダミー
領域を、後端にN画素分のダミー領域を、それぞれ設け
ておくことが望ましい。図25に示すようにダミー領域
を設け、誤差拡散の処理を、このダミー領域を含んだ範
囲に対して行なうものとすれば処理を簡略化できるから
である。誤差拡散の処理をこのダミー領域の端から開始
すると、主走査方向先端から16画素については、画像
の階調値は値0なので総てのドットはオフとされ、拡散
される濃度誤差も値0、延いてはシフトレジスタSRを
介して各バッファMB,SBに書き込まれる重み付け濃
度誤差erweも値0である。もとよりこれらの処理の
間にも、SRAM16から累積誤差Srceは順次読み
込まれるが、画像の最初のラスタについては、累積誤差
は値0である。後述するように、画像の上端から2番目
のラスタ以降は、その前のラスタを主走査した際に演算
され拡散された誤差のそれまでの累積値が、SRAM1
6から順次読み出され、主走査バッファMBの初段のレ
ジスタに書き込まれる。
【0090】ダミー領域が終了し、原画像の最初の画素
のデータが読み込まれると、その画像の階調に応じて、
大中小のドットのオン・オフが判定され、第2のドット
形成判定回路212または小ドット形成判定回路223
により、濃度誤差erwが演算され、出力される。この
濃度誤差erwは、直ちにシフトレジスタSRにより所
定量だけシフトされることで1/2n に重み付けされ、
各バッファMB,SBに出力される。このとき、各バッ
ファ内では、その内部のレジスタが記憶しており出力用
セレクタ330を介して出力されていた値と、重み付け
された濃度誤差erwsとを、加算器301により加算
し、入力用セレクタ310を介して、同じレジスタに書
き込む処理を行なう。この結果、既にバッファMB,S
B内のレジスタに記憶されていた累積誤差が更新された
ことになる。このとき、副走査バッファSBの最終段の
出力は、SRAM16の所定のアドレスに書き込まれ
る。これは、次の主走査時に読み込まれ、再度、濃度誤
差の拡散を受ける対象となるデータである。
【0091】こうして誤差拡散の処理を瞬時に完了した
後、各バッファMB,SBは、入力用セレクタ310を
切り換えることにより、着目画素を一つ進める処理を行
なう。入力用セレクタ310を切り換えることにより、
図26に示したように、主走査バッファMBの初段に
は、新しく誤差拡散範囲に入ってきた画素に関して一つ
前の主走査時に記憶された累積誤差が、SRAM16か
ら読み込まれる。と同時に、前段のバッファの出力用セ
レクタ330が出力している累積誤差のデータが、次段
のレジスタに読み込まれる。この動作により、誤差拡散
範囲の各画素のそれまでの累積誤差が一つずつ隣のバッ
ファに移されることになる。かかる処理は、バッファM
B,SB内のレジスタ間のデータ転送として実現されて
いるので、極めて高速に完了する。主走査バッファMB
の最終段にも、同様にして一つ前のバッファの出力が読
み込まれる。主走査バッファMBの最終段は、着目画素
に対応したバッファなので、このバッファMBの出力
は、そのまま誤差拡散における累積値er00として用
いれば良い。したがって、主走査バッファMBの最終段
は、各色いんくについての判断に応じて各レジスタを切
り換えるためにのみ用いられている。
【0092】画像データの両端にダミー領域を設けるこ
とは既に説明した。着目画素が画像の終端まで至れば、
本来は、もはや誤差拡散の処理をそれ以上同じラスタに
ついて行なう必要はない。但し、その場合には、18個
の副走査バッファSBのデータを直接SRAM16に書
き出す構成が必要となる。これに対して、図25に示し
たように、18画素分のダミー領域を設けておけば、着
目画素Pをダミー領域内において順次進めて行くだけ
で、副走査バッファSBの最終段から順次必要な累積誤
差が出力され、SRAM16の所定の領域に書き込まれ
て行くことになり、好適である。着目画素がダミー領域
の端まで至ったときは、そのラスタについての画像処理
を終了するものとし、総ての主走査バッファMB,副走
査バッファSBのレジスタの内容を図示しないリセット
信号を用いて値0にリセットし、着目画素の位置を示す
ポインタを次のラスタの先頭に移動する。ここで、次の
ラスタの先頭とは、先に説明したダミー領域を含んだ処
理領域の先頭である。
【0093】以上説明した処理を、原画像の先頭から終
端まで繰り返すことにより、また各インク色についてレ
ジスタを切り換えつつ処理を繰り返すことにより、原画
像について、ハーフトニングの処理が完了することにな
る。なお、着目画素Pに対して副走査方向に隣接するラ
スタに拡散される誤差は、一旦SRAM16に書き戻し
ておくが、ハーフトニングの対象となる画素が主走査方
向にL個存在する場合、ダミー領域を加えてL+18個
の領域をSRAM16上に確保すれば足りる。着目画素
から主走査方向に並んだ拡散範囲については、一旦SR
AM16からデータを読み出してしまえば、その後、新
しいデータにより書き直しても何ら差し支えないからで
ある。
【0094】以上説明した誤差拡散の処理を行ないつ
つ、一方で、各色インクの大中小のドットのオン・オフ
がハーフトーン回路210およびハーフトーン回路22
0により決定される。この判定結果Lon,Mon,S
onは、HB132から、SRAM16内の所定のアド
レスに書き込まれる。この結果、以上説明したHTM1
3によるハーフトニングの処理が完了すると、SRAM
16には、各画素について、各インク色の大中小のドッ
トのオン・オフの情報が記憶される。HTM13により
SRAM16に書き込まれたデータは、実際のカラープ
リンタ20におけるヘッド44ないし49のノズル配置
を考慮した順序とはなっていない。そこで、次に、MW
M14により、ハーフトニング済みのデータの並べ替え
を行なう。
【0095】(3)画素再配置モジュール(MWM1
4) MWM14の内部構成を、図27に示した。図示するよ
うに、MWM14は、データを入力するインプットモジ
ュール(IPM)140と、SRAM16内のデータを
再配置する画素再配置サブモジュール(MWSM)14
1と、データを出力するアウトプットモジュール(OP
M)143と、SRAM16とのインタフェースを司る
メモリインタフェース(MIF)145とから構成され
ている。IPM140、OPM143の動作は、前述し
たCLM12やHTM13におけるIPM120,13
0やOPM123,133の動作と同様である。
【0096】画素再配置サブモジュール(MWSM)1
41は、画素再配置処理を行なうモジュールである。M
WSM141の内部構成も、SCM(解像度変換サブモ
ジュール)121等と同様に、演算回路部と制御回路部
とから構成されている。前述したように、画素再配置処
理は、ハーフトーニング処理によってドット形成の有無
を表す形式に変換された画像データを、カラープリンタ
20に転送すべき順序に並べ替える処理である。MWS
M141の演算回路部は、制御回路部から供給される制
御信号に従って、アドレス計算を行ない、ハーフトーニ
ング処理済みのデータを、MIF145を介してSRA
M16上の所定位置に書き込んでいく。本実施例では、
そのデータ変換は図28に示すように行なわれる。すな
わち、同色のデータを副走査方向のライン順番に並べる
ことにより、後段の出力モジュールOTM15からさま
ざまなデータの読み出しに応える。
【0097】(4)出力モジュール(OTM) 出力モジュール(OTM)15は、SRAM16からデ
ータを読み出して、外部に出力するモジュールである。
OTM15は、他のモジュールと同様、SRAM16か
らデータを読み出すことが可能となっており、MWM1
4がSRAM16上に配置したドットデータを、順に読
み出してカラープリンタ20に出力する。その結果、デ
ータ変換装置10に供給された画像データは、印刷可能
な画像データFNLとしてカラープリンタ20に出力さ
れる。MWM14は、インク吐出用ヘッド44ないし4
9の構成に合わせて、各色のデータの配置を決定し、S
RAM16に書き戻すことにより、各色のデータを、再
配置している。したがって、OTM15は、SRAM1
6の所定の領域のデータを連続的に読み出すことによ
り、カラープリンタ20のインク吐出用ヘッド44ない
し49のノズル構成に適したデータを出力することがで
きる。カラープリンタ20は、階調データ変換装置10
から受け取ったデータをそのままヘッドに出力すればよ
い。したがって、コンピュータ80側はもとより、カラ
ープリンタ20側の処理も簡略なものとすることができ
る。
【0098】上記詳しく説明したように、本実施例のH
TM13によれば、誤差拡散の演算を行なう誤差演算回
路250を、図23,図24に示したとおり、ハードウ
ェアにより構成しており、かつSRAM16のアクセス
は、SRAM16から主走査バッファMBの初段への読
み込みと、副走査バッファSBの最終段からSRAM1
6への書き込みに限られている。しかも、誤差拡散領域
内のデータの受け渡しを、高速動作可能なレジスタを用
いて、同時並列的に実行し、濃度誤差の配分に必要なデ
ータを、いちいちSRAM16に書き戻すことなく処理
している。従って、誤差拡散処理の中で所要時間の長い
SRAM16のアクセスは、1画素の処理に対して読み
書き各1回だけで足りることになり、誤差拡散処理の高
速化を実現している。また、濃度誤差の重み付けはシフ
トレジスタSRによって行なわれており、その濃度誤差
の累積はバッファMB,SBという純粋なハード処理に
よって行なわれる。しかも、こうして得られた誤差の累
積値er00を用いた誤差拡散処理も、図17、図18
に示したように第1のドット形成判定回路211,第2
のドット形成判定回路212,大ドット形成判定回路2
21,中ドット形成判定回路222,および小ドット形
成判定回路223という各々ディスクリートなハードウ
ェアにより構成された回路によって瞬時に、即ち回路を
構成する各ゲートの遅れ時間の累積時間程度で実行され
る。このため、誤差拡散処理に要する総時間は、SRA
M16の2回のアクセス時間と略等しくなり、高速化が
実現される。即ち、ハーフトーニング処理を行なう処理
中で最も処理時間を要する誤差拡散の回路が、純粋にハ
ード構成され、かつ、SRAM16のアクセスを最小限
度に抑えているのて、誤差拡散処理が高速に実行され、
極めて高速に高画質の印刷物を得ることができるのであ
る。更に、この処理のために必要となるSRAM16の
記憶容量は、主走査方向の画素数に対応した僅かな容量
で足りる。
【0099】なお、本実施例では、SRAM16に対す
るアクセスは、読み書き各1回、計2回必要となってい
るが、1回分のアクセス時間で処理を完了するようにす
ることも可能である。この場合には、SRAM16を2
組で構成し、SRAM16から主走査バッファMBの初
段への読み込みと、副走査バッファSBの最終段からS
RAM16への書込とを、それぞれ独立に行なえるよう
に構成し、前者の読込と後者の書込とを同時に行なうも
のとすればよい。かかる構成によれば、1画素について
誤差拡散に要する総時間を、SRAM16の1回のアク
セス時間と略等しくすることができる。
【0100】また、本実施例のデータ変換装置10で
は、各種処理を行なうモジュール毎に固有のアドレス値
が設定されていて、アドレス値を指定してデータを供給
するだけで、所望のモジュールにより処理を行なうこと
ができる。従って、コンピュータ80等から画像データ
を供給する際に、データの処理内容を指定するコマンド
を出力する必要がない。更に、データ変換装置10にお
いては、コマンドを受け取って解釈する必要がない。こ
れらの手間を省くことによっても、データ変換処理の迅
速化を図ることが可能となっている。
【0101】なお、実施例のデータ変換装置10は、コ
ンピュータ80から画像データを受け取るものとして説
明してきたが、画像データを出力する機器はコンピュー
タに限られるものではない。例えば、デジタルカメラ
や、カラースキャナ、ビデオプリンタ,フィルムスキャ
ナ等の各種の画像機器から画像データの供給を受け、画
像データを変換するものであっても構わない。こうすれ
ば、コンピュータ80を介さずに、画像機器から直接画
像データを受け取って、カラープリンタ20で印刷する
ことができるので好適である。
【0102】また、以上、各種の実施例について説明し
てきたが、本発明は上記実施例における実施形態に限ら
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において
種々の態様において実施することが可能である。例え
ば、誤差拡散を行なう範囲を、上記実施例では、着目画
素と同じラスタおよびこれに隣接するラスタ内の34画
素分としているが、画素数は適宜設定することができ
る。また、拡散範囲を、着目画素の属するラスタのみに
限ったり、これに副走査方向に隣接するラスタとさらに
隣のラスタまで拡張することも可能である。重み付けの
係数も適宜設定することができる。また、上記実施例で
は、データ変換装置10はコンピュータ80やカラープ
リンタ20とは、外見的に別体に存在するものとして説
明してきたが、外見上は何ら別体である必要はない。例
えば、データ変換装置10、をコンピュータ80あるい
はカラープリンタ20の拡張スロットに装着し、外見上
はこれらと一体に構成するものとしてもよい。
【0103】同様に、これまで説明してきたデータ変換
装置10においては、それぞれのデータ変換を行なう各
モジュールは、外見的に1つのデータ変換装置10を形
成するものとして説明してきたが、各モジュールを分離
可能に構成しておき、必要に応じて適宜組み合わせて用
いるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての階調データ変換装置1
0を備えた印刷装置の説明図である。
【図2】本実施例で使用されているプリンタの概要説明
図である。
【図3】本実施例で使用されているプリンタのドット形
成原理の説明図である。
【図4】本実施例で使用されているプリンタのノズル配
列を示す説明図である。
【図5】本実施例のプリンタにより大きさの異なるドッ
トを形成する原理を説明する説明図である。
【図6】本実施例のプリンタにおけるノズルの駆動波形
および該駆動波形により形成されるドットの様子を示す
説明図である。
【図7】本実施例のプリンタの制御装置の内部構成を示
す説明図である。
【図8】本実施例のプリンタヘッドが駆動バッファから
データを受けてドットを形成する様子を示す説明図であ
る。
【図9】本実施例のデータ変換工程の概要を示すフロー
チャートである。
【図10】本実施例における色変換表とこれを用いた色
変換の概要を説明する概念図である。
【図11】ハーフトーニング処理の概要を説明する概念
図である。
【図12】本実施例におけるカラールックアップモジュ
ール(CLM)12の構成を示すブロック図である。
【図13】本実施例におけるハーフトーンモジュール
(HTM)13の構成を示すブロック図である。
【図14】ハーフトーンモジュールのプレディザテーブ
ルモジュールで1ビットモードの際に利用されるテーブ
ルを示す説明図である。
【図15】ハーフトーンモジュールのプレディザテーブ
ルモジュールで2ビットモードの際に利用されるテーブ
ルを示す説明図である。
【図16】HTM13におけるHB132の内部構成を
示すブロック図である。
【図17】実際にハーフトーニングを行なうハーフトー
ン回路210の内部構成を示すブロック図である。
【図18】同じくハーフトーン回路220の内部構成を
示すブロック図である。
【図19】ディザマトリクスの概念を示す説明図であ
る。
【図20】HB132内の誤差拡散によりドット形成の
判定を行なう回路を示すブロック図である。
【図21】各ドットデータから、誤差拡散のために必要
な信号を生成するドットデータ出力回路EEを示す説明
図である。
【図22】誤差拡散範囲と、重み付け係数を示す説明図
である。
【図23】HTM13の誤差演算回路250の内部構成
を示すブロック図である。
【図24】誤差演算回路250のバッファMB,SBの
内部構成を示すブロック図である。
【図25】誤差拡散範囲とこれに設けられるダミー領域
を示す説明図である。
【図26】本実施例における誤差拡散処理のデータの転
送の様子を示す説明図である。
【図27】本実施例におけるMWM14の内部構成を示
すブロック図である。
【図28】本実施例におけるデータ変換によるデータの
配置の様子をメモリマップとして示す説明図である。
【符号の説明】
10…階調データ変換装置 11…INM 12…CLM 13…HTM 14…MWM 15…出力モジュールOTM 16…SRAM 17…バス 20…カラープリンタ 24…カラースキャナ 30…キャリッジモータ 31…駆動ベルト 32…プーリ 33…摺動軸 34…位置検出センサ 35…紙送りモータ 36…プラテン 40…キャリッジ 41…印字ヘッド 42…インクカートリッジ 43…インクカートリッジ 44〜49…インク吐出用ヘッド 50…インク通路 59…操作パネル 60…制御回路 61…CPU 62…PROM 63…RAM 64…PCインターフェース 66…タイマ 67…駆動バッファ 68…バス 69…分配出力器 70…発振器 80…コンピュータ 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…ハードディスク 85…インターフェイス 91…モデム 120…IPM 121…SCV 122…CCV 123…OPM 131…PRDT 136…MIF 140…IPM 141…MWSM 143…OPM 145…MIF 210…第1のハーフトーン回路 210K1,210C1,210M1,210Y1…ハ
ーフトーン回路 211…第1のドット形成判定回路 212…第2のドット形成判定回路 213…ドットデータ生成回路 214…閾値生成回路 215…比較器 216…マスク回路 217…ホワイトフラグ回路 218…誤差算出回路 220…第2のハーフトーン回路 220C2,220M2…ハーフトーン回路 221…大ドット形成判定回路 222…中ドット形成判定回路 223…小ドット形成判定回路 230…制御回路 250…誤差演算回路 251…レジスタ群制御回路 255…回路 270…出力回路 301…加算器 310…入力用セレクタ 321…レジスタ 330…出力用セレクタ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 階調表現を有する原画像において主走査
    方向として定めた一方向に沿って着目画素を移しつつ、
    該画素の階調を、その階調よりも少ない階調表現に変換
    し、該階調変換により生じた濃度誤差を、該着目画素の
    少なくとも主走査方向に沿った所定範囲の画素に分配す
    る誤差拡散法を採用し、該誤差拡散による階調変換を、
    前記主走査方向および該主走査方向に交差する方向であ
    る副走査方向に沿って順次行なうデータ変換装置であっ
    て、 前記原画像の階調データを保存するメモりと、 前記所定範囲に含まれる複数の画素に対応したレジスタ
    を備え、前記メモりより少なくとも書き込み速度の高い
    誤差バッファと、 前記着目画素が移動する度に、該誤差バッファ内の各レ
    ジスタのデータを該着目画素の移動に合わせてシフトす
    るシフト回路と、 該シフト回路によりシフトされた前記レジスタの最終段
    の出力を、前記着目画素の階調データに加えた上で、前
    記少ない階調表現に変換する変換回路と、 該変換回路による階調変換により、該着目画素について
    生じた濃度誤差を演算する誤差演算回路と、 該演算された濃度誤差に所定の重み付けを施し、前記誤
    差バッファの各レジスタに分配加算し、濃度誤差を前記
    階調データに累積する分配加算回路とを備えた階調デー
    タ変換装置。
  2. 【請求項2】 前記誤差バッファは、前記主走査方向に
    並んだ画素列であるラスタであり、前記着目画素が含ま
    れるラスタ上の所定範囲の画素に対応した複数のレジス
    タから構成された請求項1記載の階調データ変換装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の階調データ変換装置であ
    って、 前記誤差バッファは、前記主走査方向に並んだ画素列で
    あるラスタを単位として配列されたレジスタ群から構成
    され、前記着目画素が含まれる第1のラスタ上の所定範
    囲の画素に対応した第1のレジスタ群と、該着目画素と
    は前記副走査方向に隣接した第2のラスタ上の所定範囲
    の画素に対応した第2のレジスタ群とを備え、 前記シフト回路は、前記着目画素が移動する度に、該誤
    差バッファ内の前記第1および第2のレジスタ群のうち
    の各レジスタのデータを該着目画素の移動に合わせてシ
    フトするシフトレジスタを備え、 更に、 前記着目画素が移動する度に、前記第2のラスタ上の画
    素であって所定の範囲外となった画素に対応する前記第
    2のレジスタ群内のレジスタに累積された濃度誤差を、
    前記メモリに書き戻す書出回路と、 前記着目画素が移動する度に、前記所定の範囲に新たに
    含まれるものとなった画素について、隣接するラスタの
    処理時に前記書出回路によって書き出された濃度誤差の
    累積値を、前記メモリから、前記誤差バッファ内の前記
    第1のレジスタ群内の対応するレジスタに格納する読込
    回路とを備えた階調データ変換装置。
  4. 【請求項4】 前記レジスタは、該レジスタに記憶され
    たデータと前記重み付けを施した濃度誤差とを加算した
    結果または該レジスタの前段のレジスタの出力のいずれ
    か一方を記憶可能なレジスタである請求項1記載の階調
    データ変換装置。
  5. 【請求項5】 前記変換回路は、一つの閾値を用いて、
    原画像の階調データを2階調に変換する回路である請求
    項1記載の階調データ変換装置。
  6. 【請求項6】 前記変換回路は、二以上の閾値を用い
    て、原画像の階調データを3階調以上に変換する回路で
    ある請求項1記載の階調データ変換装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の階調データ変換装置であ
    って、 前記原画像データは、原色の組み合わせにより原画像を
    表現する各色の階調データとして構成されており、 前記各回路は、前記各色毎に設けられた階調データ変換
    装置。
  8. 【請求項8】 階調表現を有する画像データを受け取
    り、複数種類のインクのドットを形成することにより、
    該画像データに対応した画像を、記録媒体上に形成する
    印刷装置であって、 請求項1記載の階調データ変換装置と、 前記画像データを、該階調データ変換装置に入力するデ
    ータ入力手段と、 前記階調データ変換装置による変換結果を受け取り、変
    換結果に対応した階調のインクのドットを、印刷媒体上
    に形成するドット形成手段とを備えた印刷装置。
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