JP2000299676A - 受信装置 - Google Patents

受信装置

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JP2000299676A
JP2000299676A JP11104364A JP10436499A JP2000299676A JP 2000299676 A JP2000299676 A JP 2000299676A JP 11104364 A JP11104364 A JP 11104364A JP 10436499 A JP10436499 A JP 10436499A JP 2000299676 A JP2000299676 A JP 2000299676A
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Hiroaki Sudo
浩章 須藤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 OFDM方式の移動体通信に用いられる
受信装置のシンボル同期引き込み特性を向上させるこ
と。 【解決手段】 第一同期獲得部103が、受信信号中の
既知シンボルと予め保持する既知シンボルとの相関値を
積算し、この積算値が最大値を取るタイミングを検出
し、第二同期獲得部104が、受信信号と受信信号を1
シンボル遅延させた信号との相関値を積算し、この積算
値が最大値を取るタイミングを検出し、大小比較部10
6が、セレクタ105からシンボル同期タイミングが出
力された回数を監視し、予め保持する任意のしきい値と
比較し、この比較結果に基づいてセレクタ105の切替
を制御し、第一同期獲得部103の出力タイミング又は
第二同期獲得部104の出力タイミングのいずれか一方
をFFT回路107に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信装置に関し、
特にOFDM方式の移動体通信に用いられる受信装置及
びその同期獲得方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、OFDM方式の移動体通信におけ
る同期獲得方法においては、A)受信信号中の既知シン
ボルと予め保持する既知シンボルとの相関値を算出し、
最大相関値を得るタイミングを検出する方法(以下、
「第1の方式」という)、B)受信信号と受信信号を1
シンボル遅延させた信号との相関値を算出し、最大相関
値を得るタイミングを検出する方法(以下、「第2の方
式」という)、の2通りの同期獲得方法が提案されてい
る。
【0003】以下、図9から図15を用いて、従来のO
FDM方式の移動体通信における受信装置及びその同期
獲得方法について、第1の方式及び第2の方式に分けて
説明する。図9は、それぞれ、第1の方式及び第2の方
式に共通する、OFDM方式の移動体通信におけるフレ
ームフォーマットの一例を示す模式図であり、図10
は、従来提案されている第1の方式における受信装置の
概略構成を示す要部ブロック図であり、図11は、従来
提案されている第1の方式における受信装置の相関器の
概略構成を示す要部ブロック図であり、図12は、従来
提案されている第1の方式における相関値算出結果を示
す模式図であり、図13は、従来提案されている第1の
方式における受信装置の相関器の別の概略構成を示す要
部ブロック図であり、図14は、従来提案されている第
2の方式における受信装置の概略構成を示す要部ブロッ
ク図であり、図15は、従来提案されている第2の方式
における相関値算出結果を示す模式図である。
【0004】図9において、(a)、(b)はそれぞれ
フレームフォーマットの一例であり、図9(a)に示す
フレームフォーマットは、AGC用シンボル901と、
位相基準シンボル902と、ガード区間903と、有効
シンボル904と、から構成される。ここで、位相基準
シンボル902は、例えば、パイロットシンボルであ
る。
【0005】図9(b)に示すフレームフォーマット
は、AGC用シンボル901と、同期用シンボル905
と、位相基準シンボル902と、ガード区間903と、
有効シンボル904と、から構成される。ここで、AG
C用シンボル901の前半部分は同期用シンボル905
の前半部分と同じ信号であり、AGC用シンボル901
の後半部分は同期用シンボル905の後半部分を極性反
転させた信号である。
【0006】図10において、アンテナ1001は、無
線信号を受信し、A/D変換器1002は、受信信号に
対してA/D変換処理を行う。
【0007】相関器1003は、受信信号中の既知シン
ボルと予め保持する既知シンボルとの相関値を算出し、
最大値検出部1004は、算出された相関値の積算値が
最大となるタイミングを検出し、後述するFFT回路1
005に出力する。相関器1003については、後に詳
述する。
【0008】FFT回路1005は、A/D変換処理後
の受信信号に対して、FFT(高速フーリエ変換)処理
を行い、復調部1006が復調処理を行い、判定部10
07が判定を行って、復調信号を得る。
【0009】次いで、図11を用いて、相関器1003
について詳述する。図11において、IFFT(逆高速
フーリエ変換)回路1101は、予め保持する既知シン
ボルに対してIFFT処理を行う。
【0010】硬判定部1102は、IFFT処理後の各
信号に対して硬判定を行い、1ビットから成る判定結果
を後述する乗算器1104にそれぞれ出力する。
【0011】なお、硬判定部1102は、後述する乗算
器1104における演算量を減らすために設けられたも
のであり、IFFT回路1101の出力をそのまま後述
する乗算器1104に出力するようにしてもよい。
【0012】遅延回路1103は、複数個設けられ、こ
れらはカスケード接続され、入力されたA/D変換処理
後の受信信号を一定時間遅延して次の段の遅延回路11
03に出力すると共に、遅延回路1103に対応して設
けられる乗算器1104に出力する。
【0013】乗算器1104は、それぞれ、受信信号中
の既知シンボル部分の信号のうち、遅延回路1103に
おける遅延時間分の信号が入力され、硬判定部1102
の出力ビットを乗ずる。
【0014】加算器1105は、遅延回路1103及び
乗算器1104に対応して設けられ、各乗算器1104
の出力である相関結果の総和を演算し、最大値検出部1
004に出力する。
【0015】図12に相関結果の一例を示す。図示する
ように、受信信号中の既知シンボルと予め保持する既知
シンボルとの相関値の積算結果は、ガード区間の先頭に
おいて最大値を採り、同期を獲得することができる。
【0016】図13は、従来提案されている第1の方式
における相関器1003の別の一概略構成を示す要部ブ
ロック図である。図13において、硬判定部1302に
おける硬判定結果は、各相関値算出部1301に出力さ
れる。各相関値算出部1301は、極性反転器1302
と、硬判定部1302の出力を切替制御信号とするセレ
クタ1303と、から成る。
【0017】各相関値算出部1301は、受信信号中の
既知シンボル部分の信号のうち、遅延回路1103にお
ける遅延時間分の信号が入力され、硬判定部1302の
出力ビットを乗じて相関値を算出した場合と同等の値を
出力する。
【0018】すなわち、セレクタ1303は、硬判定部
1302の出力である硬判定結果に基づき、硬判定結果
が「1」の時は、相関値算出部1301への入力信号を
そのまま相関値として出力し、硬判定結果が「−1」の
時は、極性反転器1302の出力である相関値算出部1
301への入力信号を極性反転させた信号を相関値とし
て出力する。
【0019】このように、従来提案されている第1の方
式においては、受信信号中の既知シンボルと予め保持す
る既知シンボルとの相関を取ることによって、FFT処
理開始タイミングとして用いる同期タイミングを獲得す
る。
【0020】又、予め保持する既知シンボルをIFFT
処理後に硬判定してから乗算器に出力することにより、
複数ビットから成るIFFT処理後の既知シンボルの代
わりに、硬判定結果を表わす1ビットのみを乗算器にお
ける乗算処理に用いるため、演算量を減らすことができ
る。
【0021】更に、図13を用いて示したような構成を
採ることによって、回路規模低減及び処理速度向上を図
ることができる。
【0022】次いで、従来提案されている第2の方式に
ついて説明する。
【0023】図14において、アンテナ1401は、無
線信号を受信し、A/D変換器1402は、受信信号に
対してA/D変換処理を行う。遅延器1403は、A/
D変換処理後の受信信号を1OFDMシンボル分遅延さ
せ、乗算器1404は、A/D変換器1402の出力で
ある受信信号と、遅延器1403の出力である1シンボ
ル遅延された受信信号と、を乗算処理し、相関値を算出
する。
【0024】積算器1405は、乗算器1404の出力
を積算し、最大値検出部1406は、算出された相関値
の積算値が最大となるタイミングを検出し、後述するF
FT回路1407に出力する。
【0025】FFT回路1407は、A/D変換処理後
の受信信号に対して、FFT処理を行い、復調部140
8は、復調処理を行い、判定部1409は、判定を行っ
て、復調信号を得る。
【0026】図15に相関結果の一例を示す。ここで、
例えば同期用シンボルを用いて同期を取るとすると、図
示するように、受信信号と、受信信号を1シンボル遅延
させた信号との相関値の積算結果は、ガード区間の先頭
において最大値を採り、同期を獲得することができる。
【0027】このように、従来提案されている第2の方
式においては、受信信号と、受信信号を1シンボル遅延
させた信号との相関を取ることによって、FFT処理開
始タイミングとして用いる同期タイミングを獲得する。
【0028】なお、上記二方式においては、既知シンボ
ルとしてパイロットシンボルを用いることが可能であ
り、又、パイロットシンボルの前段に設けられた専用の
同期用シンボルを用いることも可能である。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
二方式のいずれかを用いる従来のOFDM受信装置は、
二方式がそれぞれ有する問題の影響により、良好なシン
ボル同期引き込み特性(同期獲得精度)を得られないと
いう問題がある。
【0030】すなわち、第2の方式は、受信信号同士の
相関値を算出するため、受信信号中の既知シンボルと予
め保持する既知シンボルとの相関値を算出する第1の方
式に比べてシンボル同期引き込み特性が劣化するという
固有の問題がある。
【0031】しかしながら、受信信号に位相回転が生じ
た場合、第2の方式は受信信号同士の相関値を算出する
ため影響はないが、受信信号中の既知シンボルと予め保
持する既知シンボルとの相関値を算出する第1の方式に
おいては、シンボル同期引き込み特性が大きく劣化す
る。
【0032】このように、前述の二方式のいずれかを用
いる従来のOFDM受信装置は、第2の方式を用いる
と、第1の方式を用いた場合に比べてシンボル同期引き
込み特性が悪くなり、第1の方式を用いると、受信信号
に位相回転等の変動が生じる場合にシンボル同期引き込
み特性が劣化する、という問題を有する。
【0033】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、シンボル同期引き込み特性を向上させた受信装置
を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、前述の
同期獲得方法に関する二方式を併用し、回線品質及び受
信信号が受けている例えば位相回転等の変動に応じて上
記二方式を切り替えて適用し、例えば、周波数オフセッ
トが大きい時は第2の方式を適用し、周波数オフセット
が充分に小さいと考えられる時は第1の方式を適用す
る、ことである。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様に係る受信装
置は、回線品質情報及び受信信号の位相回転量を検出す
る検出手段と、複数の異なる方式でシンボル同期タイミ
ングを検出する同期獲得手段と、前記検出手段の出力に
基づいて前記同期獲得手段によって検出されたいずれか
のタイミングを選択する選択手段と、この選択手段によ
って選択されたタイミングに基づいて受信したOFDM
信号に対するフーリエ変換処理を開始する復調手段と、
を具備する構成を採る。
【0036】この構成によれば、複数の同期獲得の方式
の特性に鑑み、受信信号の位相回転量に応じて用いる方
式を変えることによって、常に適切な方式によって獲得
されたシンボル同期タイミングを得ることができるた
め、シンボル同期引き込み特性を向上させることができ
る。
【0037】本発明の第2の態様に係る受信装置は、第
1の態様において、前記同期獲得手段は、受信信号中の
既知信号と予め保持する既知信号との相関値を積算し、
この積算値が最大値を取るタイミングを検出する第一タ
イミング検出部と、受信信号中の既知信号と受信信号を
所定の単位データ量分遅延させた信号中の既知信号との
相関値を積算し、この積算値が最大値を取るタイミング
を検出する第二タイミング検出部と、を有する構成を採
る。
【0038】この構成によれば、同期引き込み精度は相
対的に良いが位相回転等の変動に対する劣化が大きい方
式と、同期引き込み精度は相対的に悪いが位相回転等の
変動による影響を受けない方式と、を検出された受信信
号の位相回転量に応じて切り替えて適用することによっ
て、常に適切な方式によって獲得されたシンボル同期タ
イミングを得ることができるため、シンボル同期引き込
み特性を向上させることができる。
【0039】本発明の第3の態様に係る受信装置は、第
1の態様又は第2の態様において、前記選択手段は、前
記検出手段によって検出された受信信号の位相回転量が
任意のしきい値を下回る時は前記第一タイミング検出部
の出力タイミングを選択し、前記検出手段によって検出
された受信信号の位相回転量が任意のしきい値以上の時
は前記第二タイミング検出部の出力タイミングを選択す
る構成を採る。
【0040】この構成によれば、通常時には、同期引き
込み精度は相対的に良いが位相回転等の変動に対する劣
化が大きい方式を適用し、受信信号の位相回転量が大き
い時には、同期引き込み精度は相対的に悪いが位相回転
等の変動による影響を受けない方式を適用することによ
って、位相回転等の変動によりシンボル同期引き込み特
性が劣化することを防止することができるため、シンボ
ル同期引き込み特性を向上させることができる。
【0041】本発明の第4の態様に係る受信装置は、第
3の態様において、前記検出手段によって検出された回
線品質情報に基づいて前記任意のしきい値を可変とし、
回線品質が悪い時ほど前記任意のしきい値を大きくする
構成を採る。
【0042】この構成によれば、回線品質が悪い場合に
は、受信信号に定常的な位相回転が生じていると判断
し、位相回転量に対するしきい値を大きくすることによ
って、同期引き込み精度は相対的に悪いが位相回転等の
変動による影響を受けない方の方式が適用される時間が
必要以上に長くなることを防止することができるため、
シンボル同期引き込み特性を向上させることができる。
【0043】本発明の第5の態様に係る受信装置は、第
3の態様又は第4の態様において、前記選択手段は、前
記検出手段によって検出された受信信号の位相回転量が
前記任意のしきい値を下回った回数を計数し、この計数
結果が所定連続回数に達した時に前記第一タイミング検
出部の出力タイミングを選択する構成を採る。
【0044】この構成によれば、位相回転量がしきい値
を下回った回数を監視し、この回数が所定回数連続で続
いた時に、同期引き込み精度は相対的に良いが位相回転
等の変動に対する劣化が大きい方式に切り替えるため、
偶発的に位相回転量が小さい値を示した時に切替が行わ
れてしまうことを防止できるため、シンボル同期引き込
み特性を向上させることができる。
【0045】本発明の第6の態様に係る受信装置は、第
2の態様から第5の態様のいずれかにおいて、前記選択
手段は、通信開始時から所定期間は前記第一タイミング
検出部の出力タイミングを選択し、前記所定期間経過後
は前記第二タイミング検出部の出力タイミングを選択す
る構成を採る。
【0046】この構成によれば、通信開始直後は、周波
数オフセットが充分に補償されておらず位相回転量が大
きいことに鑑み、同期引き込み精度は相対的に悪いが位
相回転等の変動による影響を受けない方式を適用し、位
相回転量が充分に小さくなってから同期引き込み精度は
相対的に良いが位相回転等の変動に対する劣化が大きい
方式を適用するため、シンボル同期引き込み特性を向上
させることができる。
【0047】本発明の第7の態様に係る受信装置は、第
6の態様において、前記検出手段によって検出された回
線品質情報に基づいて前記所定期間長を可変とし、回線
品質が悪い時ほど前記所定期間を長くする構成を採る。
【0048】この構成によれば、周波数オフセットの補
償には、回線品質が悪い場合ほど長い時間を要すること
に鑑み、しきい値を回線品質に応じて可変として、周波
数オフセットが確実に補償され、位相回転量が充分に小
さい値となってから切り替えることによって、周波数オ
フセットの補償が不十分な状態下で同期引き込み精度は
相対的に良いが位相回転等の変動に対する劣化が大きい
方式が適用され、シンボル同期引き込み特性が劣化する
ことを防止できるため、シンボル同期引き込み特性を向
上させることができる。
【0049】本発明の第8の態様に係る受信装置は、第
4の態様又は第5の態様又は第7の態様のいずれかにお
いて、前記検出手段は、受信信号の複数のフレームにつ
いて回線品質情報を検出し、これらを平均化したものを
出力する構成を採る。
【0050】この構成によれば、複数フレームにおいて
検出された回線品質情報を平均化してから用いるため、
回線品質推定精度が向上し、しきい値設定がより適切に
行われ、シンボル同期引き込み特性を向上させることが
できる。
【0051】本発明の第9の態様に係る通信端末装置
は、第1の態様から第8の態様における受信装置を具備
する構成を採る。
【0052】本発明の第10の態様に係る基地局装置
は、第9の態様における通信端末装置と無線通信を行う
構成を採る。
【0053】本発明の第11の態様に係る基地局装置
は、第1の態様から第8の態様における受信装置を具備
する構成を採る。
【0054】本発明の第12の態様に係る通信端末装置
は、第9の態様における基地局装置と無線通信を行う構
成を採る。
【0055】これらの構成によれば、複数の同期獲得の
方式の特性に鑑み、例えば受信信号の位相回転量に応じ
て用いる方式を変えることによって、常に適切な方式に
よって獲得されたシンボル同期タイミングを得ることが
できるため、シンボル同期引き込み特性を向上させるこ
とができる。
【0056】本発明の第13の態様に係る同期獲得方法
は、回線品質情報及び受信信号の位相回転量に基づい
て、受信信号中の既知信号と予め保持する既知信号との
相関値を積算し、この積算値が最大値を取るタイミング
をシンボル同期タイミングとする第一の方法と、受信信
号中の既知信号と受信信号を所定の単位データ量分遅延
させた信号中の既知信号との相関値を積算し、この積算
値が最大値を取るタイミングをシンボル同期タイミング
とする第二の方法と、を切り替えて適用するようにし
た。
【0057】この方法によれば、同期引き込み精度は相
対的に良いが位相回転等の変動に対する劣化が大きい方
式と、同期引き込み精度は相対的に悪いが位相回転等の
変動による影響を受けない方式と、を検出された受信信
号の位相回転量に応じて切り替えて適用することによっ
て、常に適切な方式によって獲得されたシンボル同期タ
イミングを得ることができるため、シンボル同期引き込
み特性を向上させることができる。
【0058】本発明の第14の態様に係る同期獲得方法
は、第13の態様において、受信信号の位相回転量が任
意のしきい値を下回る時は前記第一の方法を適用し、受
信信号の位相回転量が任意のしきい値以上の時は前記第
二の方法を適用するようにした。
【0059】この方法によれば、通常時には、同期引き
込み精度は相対的に良いが位相回転等の変動に対する劣
化が大きい方式を適用し、受信信号の位相回転量が大き
い時には、同期引き込み精度は相対的に悪いが位相回転
等の変動による影響を受けない方式を適用することによ
って、位相回転等の変動によりシンボル同期引き込み特
性が劣化することを防止することができるため、シンボ
ル同期引き込み特性を向上させることができる。
【0060】本発明の第15の態様に係る同期獲得方法
は、第14の態様において、回線品質情報に基づいて前
記任意のしきい値を可変とし、回線品質が悪い時ほど前
記任意のしきい値を大きくするようにした。
【0061】この方法によれば、回線品質が悪い場合に
は、受信信号に定常的な位相回転が生じていると判断
し、位相回転量に対するしきい値を大きくすることによ
って、同期引き込み精度は相対的に悪いが位相回転等の
変動による影響を受けない方の方式が適用される時間が
必要以上に長くなることを防止することができるため、
シンボル同期引き込み特性を向上させることができる。
【0062】本発明の第16の態様に係る同期獲得方法
は、第14の態様又は第15の態様において、受信信号
の位相回転量が前記任意のしきい値を下回った回数が所
定連続回数に達した時に前記第一の方法を適用するよう
にした。
【0063】この方法によれば、位相回転量がしきい値
を下回った回数を監視し、この回数が所定回数連続で続
いた時に、同期引き込み精度は相対的に良いが位相回転
等の変動に対する劣化が大きい方式に切り替えるため、
偶発的に位相回転量が小さい値を示した時に切替が行わ
れてしまうことを防止できるため、シンボル同期引き込
み特性を向上させることができる。
【0064】本発明の第17の態様に係る同期獲得方法
は、第13の態様から第16の態様のいずれかにおい
て、通信開始時から所定期間は前記第一の方法を適用
し、前記所定期間経過後は前記第二の方法を適用するよ
うにした。
【0065】この方法によれば、通信開始直後は、周波
数オフセットが充分に補償されておらず位相回転量が大
きいことに鑑み、同期引き込み精度は相対的に悪いが位
相回転等の変動による影響を受けない方式を適用し、位
相回転量が充分に小さくなってから同期引き込み精度は
相対的に良いが位相回転等の変動に対する劣化が大きい
方式を適用するため、シンボル同期引き込み特性を向上
させることができる。
【0066】本発明の第18の態様に係る同期獲得方法
は、第17の態様において、回線品質情報に基づいて前
記所定期間長を可変とし、回線品質が悪い時ほど前記所
定期間を長くするようにした。
【0067】この方法によれば、周波数オフセットの補
償には、回線品質が悪い場合ほど長い時間を要すること
に鑑み、しきい値を回線品質に応じて可変として、周波
数オフセットが確実に補償され、位相回転量が充分に小
さい値となってから切り替えることによって、周波数オ
フセットの補償が不十分な状態下で同期引き込み精度は
相対的に良いが位相回転等の変動に対する劣化が大きい
方式が適用され、シンボル同期引き込み特性が劣化する
ことを防止できるため、シンボル同期引き込み特性を向
上させることができる。
【0068】本発明の第19の態様に係る同期獲得方法
は、第15の態様又は第16の態様又は第18の態様の
いずれかにおいて、前記回線品質情報は、受信信号の複
数のフレームについての回線品質情報が平均化処理され
たものであるようにした。
【0069】この方法によれば、複数フレームにおいて
検出された回線品質情報を平均化してから用いるため、
回線品質推定精度が向上し、しきい値設定がより適切に
行われ、シンボル同期引き込み特性を向上させることが
できる。
【0070】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照して詳細に説明する。
【0071】(実施の形態1)本実施の形態に係る受信
装置は、前述の同期獲得方法に関する二方式を併用し、
周波数オフセットが充分に補償されていない通信開始直
後は第2の方式を用いて同期を獲得し、通信開始からし
ばらくして周波数オフセットが充分に補償されると第1
の方式を用いて同期を獲得するものである。
【0072】以下、図1から図3を用いて、本実施の形
態に係る受信装置について説明する。図1は、本発明の
実施の形態1に係る受信装置の概略構成を示す要部ブロ
ック図であり、図2は、本発明の実施の形態1に係る受
信装置の第一同期獲得部の概略構成を示す要部ブロック
図であり、図3は、本発明の実施の形態1に係る受信装
置の第二同期獲得部の概略構成を示す要部ブロック図で
ある。
【0073】図1において、アンテナ101は、無線信
号を受信し、A/D変換器102は、受信信号に対して
A/D変換処理を行う。
【0074】第一同期獲得部103は、受信信号中の既
知シンボルと予め保持する既知シンボルとの相関値を算
出する方法、すなわち前述の第1の方式、を用いてシン
ボル同期タイミングを獲得し、第二同期獲得部104
は、受信信号と受信信号を1シンボル遅延させた信号と
の相関値を算出する方法、すなわち前述の第2の方式、
を用いてシンボル同期タイミングを獲得する。
【0075】セレクタ105は、第一同期獲得部103
の出力である同期タイミング又は第二同期獲得部104
の出力である同期タイミングのいずれか一方を後述する
FFT回路107に出力するように入力元を切り替え
る。
【0076】大小比較部106は、セレクタ105から
シンボル同期タイミングが出力された回数を監視し、予
め保持する任意のしきい値と比較し、この比較結果に基
づいてセレクタ105の切替を制御する。
【0077】すなわち、通信開始直後は、周波数オフセ
ットの補償が充分に行われておらず、周波数オフセット
によって受信信号に生じている位相回転量がまだ大きい
と考えられるため、受信信号が受けている位相回転の影
響を受けずにシンボル同期引き込みを行うことができる
第2の方式を用い、通信開始後しばらくして周波数オフ
セットが充分に補償された後は、より精度の高い第1の
方式を用いる。
【0078】大小比較部106におけるしきい値は、セ
レクタ105の出力回数と比較することによって、周波
数オフセットの補償に要すると考えられる期間、すなわ
ち通信開始から第2の方式を用いる期間、を設定するた
めのものであり、しきい値を任意に定めることによっ
て、通信開始から第2の方式を用いる期間を定めること
ができる。
【0079】FFT回路107は、A/D変換処理後の
受信信号に対して、FFT処理を行い、復調部108
は、復調処理を行い、判定部109は判定を行い、復調
信号を得る。
【0080】次いで、図2を用いて、第一同期獲得部1
03の構成を説明する。IFFT回路201は、予め保
持する既知シンボルに対してIFFT処理を行う。
【0081】硬判定部202は、IFFT処理後の各信
号に対して硬判定を行い、1ビットから成る判定結果を
後述する乗算器204にそれぞれ出力する。
【0082】なお、硬判定部202は、後述する乗算器
204における演算量を減らすために設けられたもので
あり、IFFT回路201の出力をそのまま後述する乗
算器204に出力するようにしてもよい。
【0083】遅延回路203は、複数個設けられ、これ
らはカスケード接続され、入力されたA/D変換処理後
の受信信号を一定時間遅延して次の段の遅延回路203
に出力すると共に、遅延回路203に対応して設けられ
る乗算器204に出力する。
【0084】乗算器204は、それぞれ、受信信号中の
既知シンボル部分の信号のうち、遅延回路203におけ
る遅延時間分の信号が入力され、硬判定部202の出力
ビットを乗ずる。
【0085】加算器205は、遅延回路203及び乗算
器204に対応して設けられ、各乗算器204の出力で
ある相関結果の総和を演算し、最大値検出部206に出
力する。最大値検出部206は、算出された相関値の積
算値が最大となるタイミングを検出し、セレクタ105
に出力する。
【0086】次いで、図3を用いて、第二同期獲得部1
04の構成を説明する。遅延器301は、A/D変換処
理後の受信信号を1OFDMシンボル分遅延させ、乗算
器302は、A/D変換器102の出力である受信信号
と、遅延器301の出力である1シンボル遅延された受
信信号と、を乗算処理し、相関値を算出する。
【0087】積算器303は、乗算器302の出力を積
算し、最大値検出部304は、算出された相関値の積算
値が最大となるタイミングを検出し、セレクタ105に
出力する。
【0088】次いで、上記構成を有する受信装置の動作
について説明する。
【0089】アンテナ101によって受信されたOFD
M信号は、A/D変換器102によってディジタル信号
に変換される。
【0090】受信信号は、第一同期獲得部103によっ
て、予め保持された既知シンボルとの相関値が算出さ
れ、積算された相関値が最大値を取るタイミングが検出
される。
【0091】又、受信信号は、第二同期獲得部104に
よって、受信信号を一OFDMシンボル遅延させた信号
との相関値が算出され、積算された相関値が最大値を取
るタイミングが検出される。
【0092】大小比較部106の出力に基づいてセレク
タ105によって選択された第一同期獲得部103の出
力又は第二同期獲得部104の出力いずれか一方は、F
FT回路107に入力され、受信信号に対するFFT処
理開始タイミングとして用いられる。
【0093】このように、本実施の形態によれば、通信
開始直後は、周波数オフセットの影響を受けない第2の
方式で同期を獲得し、周波数オフセットが充分に補償さ
れると、第2の方式より精度が高い第1の方式を用いて
同期を獲得するため、シンボル同期引き込み特性を向上
させることができる。
【0094】なお、図2に示す第一同期獲得部103の
構成については、硬判定部202を省いた構成を採って
もよく、又、図13に示したような乗算器を用いない構
成としてもよい。
【0095】(実施の形態2)本実施の形態に係る受信
装置は、実施の形態1と同様の構成を有し、但し回線品
質に応じてしきい値を可変とするものである。
【0096】通常、周波数オフセットの補償には、回線
品質が悪い場合ほど長い時間を要する。そこで、本実施
の形態においては、第2の方式から第1の方式に切り替
えるまでの時間を決定するしきい値を回線品質に応じて
可変とし、周波数オフセットが確実に補償され、充分に
小さい値となってから第1の方式に切り替えるものであ
る。
【0097】なお、ここでは、しきい値として、しきい
値A及びしきい値B(しきい値A>しきい値B)の2値
を設けるものとし、回線品質が悪い場合にはしきい値A
を用いて第1の方式に切り替えるまでの時間を長くし、
回線品質が良い場合にはしきい値Bを用いて第1の方式
に切り替えるまでの時間を短くするものとする。
【0098】以下、図4を用いて、本実施の形態に係る
受信装置について説明する。図4は、本発明の実施の形
態2に係る受信装置の概略構成を示す要部ブロック図で
ある。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号
を付し、詳しい説明は省略する。
【0099】図4において、セレクタ401は、回線品
質情報を切替制御信号とし、回線品質が悪い場合にはし
きい値Aを大小比較部106に出力し、回線品質が良い
場合にはしきい値Bを大小比較部106に出力する。
【0100】回線品質情報を得る方法については、既に
様々な方法が提案されているため、ここでは詳細な説明
は省略するが、例えば、判定部109の入力信号と出力
信号との差、すなわち判定誤差を用いてもよく、又、い
わゆるCRCチェックの判定結果を用いてもよい。
【0101】このように、本実施の形態によれば、第2
の方式から第1の方式に切り替えるまでの時間を決定す
るしきい値を回線品質に応じて可変とし、周波数オフセ
ットが確実に補償され、受信信号の位相回転量が充分に
小さい値となってから第1の方式に切り替えるため、周
波数オフセットの補償が不十分なまま第1の方式に切り
替わり、シンボル同期引き込み特性が劣化することを防
止することができる。
【0102】なお、ここでは、予め保持され選択的に用
いられるしきい値として大小2値を設ける場合について
説明したが、本発明はこの条件に拘束されるものではな
く、回線品質が悪い時ほど第2の方式から第1の方式に
切り替える時期を遅くすることができるのであれば、し
きい値の数及び各値は任意に定めることができる。
【0103】(実施の形態3)本実施の形態に係る受信
装置は、実施の形態1と同様の構成を有し、但し周波数
オフセット検出値に応じて二方式を切り替えるものであ
る。
【0104】実施の形態1、2に示したように、セレク
タにおけるタイミングの出力回数に基づいて第2の方式
から第1の方式に切り替える方法は、簡便ではあるが、
周波数オフセットが充分に補償されたか不確実であるた
め、本実施の形態においては、受信信号の位相回転量を
監視し、周波数オフセットが充分に補償されたと判断さ
れた時に第1の方式に切り替えるようにする。
【0105】以下、図5を用いて、本実施の形態に係る
受信装置について説明する。図5は、本発明の実施の形
態3に係る受信装置の概略構成を示す要部ブロック図で
ある。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号
を付し、詳しい説明は省略する。
【0106】図5において、アークタンジェント演算部
501には、第二同期獲得部104の積算器303の出
力が入力され、積算結果に対してアークタンジェント演
算が行われ、周波数オフセットにより生じた受信信号の
位相回転量が検出される。
【0107】大小比較部502は、アークタンジェント
演算部501の出力である受信信号の位相回転量を任意
のしきい値と大小比較し、位相回転量がしきい値を下回
った時に、周波数オフセットの補償が充分にされたと判
断して、通信開始時から用いられている第2の方式を第
1の方式に切り替えるようにセレクタ105を制御す
る。
【0108】このように、本実施の形態によれば、受信
信号の位相回転量を監視し、周波数オフセットが充分に
補償されてから第1の方式に切り替えるようにするた
め、周波数オフセットの値が大きい状態で第1の方式に
切り替わることがなく、シンボル同期引き込み特性が劣
化することを防止することができる。
【0109】(実施の形態4)本実施の形態に係る受信
装置は、実施の形態3と同様の構成を有し、但し回線品
質に応じてしきい値を可変とするものである。
【0110】実施の形態3においては、回線品質が悪い
場合、熱雑音等の影響により、周波数オフセットが既に
充分に補償されているにもかかわらず、受信信号の位相
回転量が大きい値を示し、第1の方式よりも精度の劣る
第2の方式が適用される時間が必要以上に長くなる場合
が生じる。
【0111】そこで、本実施の形態においては、第2の
方式から第1の方式に切り替える際の基準となる位相回
転量に対するしきい値を回線品質に応じて可変とし、回
線品質が悪い場合には、受信信号に定常的な位相回転が
生じていると判断し、位相回転量に対するしきい値を大
きくする。
【0112】なお、ここでは、しきい値として、しきい
値C及びしきい値D(しきい値C>しきい値D)の2値
を設けるものとし、回線品質が悪い場合にはしきい値C
を用い、回線品質が良い場合にはしきい値Dを用いるも
のとする。
【0113】以下、図6を用いて、本実施の形態に係る
受信装置について説明する。図6は、本発明の実施の形
態4に係る受信装置の概略構成を示す要部ブロック図で
ある。なお、実施の形態3と同様の構成には同一の符号
を付し、詳しい説明は省略する。
【0114】図6において、セレクタ601は、回線品
質情報を切替制御信号とし、回線品質が悪い場合にはし
きい値Cを大小比較部502に出力し、回線品質が良い
場合にはしきい値Dを大小比較部502に出力する。
【0115】回線品質情報を得る方法については、既に
様々な方法が提案されているため、ここでは詳細な説明
は省略するが、例えば、判定部109の入力信号と出力
信号との差、すなわち判定誤差を用いてもよく、又、い
わゆるCRCチェックの判定結果を用いてもよい。
【0116】このように、本実施の形態によれば、回線
品質が悪い場合には、受信信号に定常的な位相回転が生
じていると判断し、位相回転量に対するしきい値を大き
くするため、第1の方式よりも精度の劣る第2の方式が
用いられる時間が必要以上に長くなることを防止するこ
とができる。
【0117】なお、ここでは、予め保持され選択的に用
いられるしきい値として大小2値を設ける場合について
説明したが、本発明はこの条件に拘束されるものではな
く、回線品質が悪い時ほど大小比較部502におけるし
きい値を大きくすることができるのであれば、しきい値
の数及び各値は任意に定めることができる。
【0118】(実施の形態5)本実施の形態に係る受信
装置は、実施の形態4と同様の構成を有し、但し回線品
質情報を複数フレーム分平均化してから用いるものであ
る。
【0119】以下、図7を用いて、本実施の形態に係る
受信装置について説明する。図7は、本発明の実施の形
態5に係る受信装置の概略構成を示す要部ブロック図で
ある。なお、実施の形態4と同様の構成には同一の符号
を付し、詳しい説明は省略する。
【0120】図7において、平均化部701は、フレー
ム毎に検出された回線品質情報を、複数フレーム分平均
化して、セレクタ601に出力する。
【0121】このように、本実施の形態によれば、複数
フレームにおいて検出された回線品質情報を平均化して
から用いるため、回線品質推定精度が向上し、しきい値
設定がより適切に行われ、シンボル同期引き込み特性を
向上させることができる。
【0122】(実施の形態6)本実施の形態に係る受信
装置は、実施の形態5と同様の構成を有し、但し位相回
転量がしきい値を下回る回数が所定回数続いた時に同期
方式を切り替えるものである。
【0123】実施の形態3から5で述べた切替方法にお
いては、算出された受信信号の位相回転量が一度でもし
きい値を下回れば、第2の方式から第1の方式に切替を
行うため、周波数オフセットが充分に補償されたいない
にもかかわらず、偶発的に位相回転量が小さい値を示し
た時に第1の方式に切り替わってしまう。
【0124】そこで、本実施の形態においては、位相回
転量がしきい値を下回った回数を監視し、この回数が所
定回数連続で続いた時に、第2の方式から第1の方式に
切り替えるようにする。
【0125】以下、図8を用いて、本実施の形態に係る
受信装置について説明する。図8は、本発明の実施の形
態6に係る受信装置の概略構成を示す要部ブロック図で
ある。なお、実施の形態5と同様の構成には同一の符号
を付し、詳しい説明は省略する。
【0126】図8において、カウンタ801は、大小比
較部502の出力である比較結果に基づいて、アークタ
ンジェント演算部501の出力である受信信号の位相回
転量がしきい値を下回った連続回数を計数する。
【0127】大小比較部802は、カウンタ801によ
って係数された連続回数がしきい値に達したか否かを判
定し、連続回数がしきい値に達した時には、第1の方式
を用いるようにセレクタ105に切替を指示する。
【0128】このように、本実施の形態によれば、位相
回転量がしきい値を下回った回数を監視し、この回数が
所定回数連続で続いた時に、第2の方式から第1の方式
に切り替えるため、周波数オフセットが充分に補償され
たいないにもかかわらず、偶発的に位相回転量が小さい
値を示した時に第1の方式に切り替わってしまうことを
防止することができる。
【0129】なお、上記連続回数は任意に定めることが
でき、又、回線品質に応じて可変とすることも可能であ
る。
【0130】ここで、上記実施の形態3から6において
は、通信開始時は第2の方式を用い、しばらくして周波
数オフセットが充分に補償されてからは第1の方式を用
いるため、第1の方式に切り替わってからは第二同期獲
得部104を稼動させる必要がなく、電源の供給を停止
し、低消費電力化を図ることも可能である。
【0131】又、上記実施の形態3から6においては、
伝搬環境の時間的な変化によって、通信開始直後に限ら
ず通信中にも受信信号に位相回転が生じ、周波数オフセ
ットの値が大きくなる場合が生じる可能性があることに
鑑み、常に周波数オフセット検出値を監視し、第1の方
式と第2の方式を通信中常に切り替えられるようにする
ことも可能である。
【0132】更に、上記実施の形態1から6において
は、既知シンボルとしてパイロットシンボルを用いるこ
とが可能であり、又、パイロットシンボルの前段に設け
られた専用の同期用シンボルを用いることも可能であ
る。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来提案されている二つの同期獲得方法に関する方式を
併用し、周波数オフセット検出値の大きさに応じて切り
替えて用いるため、シンボル同期引き込み特性を向上さ
せたすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る受信装置の概略構
成を示す要部ブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る受信装置の第一同
期獲得部の概略構成を示す要部ブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係る受信装置の第二同
期獲得部の概略構成を示す要部ブロック図
【図4】本発明の実施の形態2に係る受信装置の概略構
成を示す要部ブロック図
【図5】本発明の実施の形態3に係る受信装置の概略構
成を示す要部ブロック図
【図6】本発明の実施の形態4に係る受信装置の概略構
成を示す要部ブロック図
【図7】本発明の実施の形態5に係る受信装置の概略構
成を示す要部ブロック図
【図8】本発明の実施の形態6に係る受信装置の概略構
成を示す要部ブロック図
【図9】(a)OFDM方式の移動体通信におけるフレ
ームフォーマットの一例を示す模式図 (b)OFDM方式の移動体通信におけるフレームフォ
ーマットの一例を示す模式図
【図10】従来提案されている第1の方式における受信
装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図11】従来提案されている第1の方式における受信
装置の相関器の概略構成を示す要部ブロック図
【図12】従来提案されている第1の方式における相関
値算出結果を示す模式図
【図13】従来提案されている第1の方式における受信
装置の相関器の別の概略構成を示す要部ブロック図
【図14】従来提案されている第2の方式における受信
装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図15】従来提案されている第2の方式における相関
値算出結果を示す模式図
【符号の説明】
103 第一同期獲得部 104 第二同期獲得部 105 セレクタ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回線品質情報及び受信信号の位相回転量
    を検出する検出手段と、複数の異なる方式でシンボル同
    期タイミングを検出する同期獲得手段と、前記検出手段
    の出力に基づいて前記同期獲得手段によって検出された
    いずれかのタイミングを選択する選択手段と、この選択
    手段によって選択されたタイミングに基づいて受信した
    OFDM信号に対するフーリエ変換処理を開始する復調
    手段と、を具備することを特徴とする受信装置。
  2. 【請求項2】 前記同期獲得手段は、受信信号中の既知
    信号と予め保持する既知信号との相関値を積算し、この
    積算値が最大値を取るタイミングを検出する第一タイミ
    ング検出部と、受信信号中の既知信号と受信信号を所定
    の単位データ量分遅延させた信号中の既知信号との相関
    値を積算し、この積算値が最大値を取るタイミングを検
    出する第二タイミング検出部と、を有することを特徴と
    する請求項1記載の受信装置。
  3. 【請求項3】 前記選択手段は、前記検出手段によって
    検出された受信信号の位相回転量が任意のしきい値を下
    回る時は前記第一タイミング検出部の出力タイミングを
    選択し、前記検出手段によって検出された受信信号の位
    相回転量が任意のしきい値以上の時は前記第二タイミン
    グ検出部の出力タイミングを選択することを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の受信装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段によって検出された回線品
    質情報に基づいて前記任意のしきい値を可変とし、回線
    品質が悪い時ほど前記任意のしきい値を大きくすること
    を特徴とする請求項3記載の受信装置。
  5. 【請求項5】 前記選択手段は、前記検出手段によって
    検出された受信信号の位相回転量が前記任意のしきい値
    を下回った回数を計数し、この計数結果が所定連続回数
    に達した時に前記第一タイミング検出部の出力タイミン
    グを選択することを特徴とする請求項3又は請求項4記
    載の受信装置。
  6. 【請求項6】 前記選択手段は、通信開始時から所定期
    間は前記第一タイミング検出部の出力タイミングを選択
    し、前記所定期間経過後は前記第二タイミング検出部の
    出力タイミングを選択することを特徴とする請求項2か
    ら請求項5のいずれかに記載の受信装置。
  7. 【請求項7】 前記検出手段によって検出された回線品
    質情報に基づいて前記所定期間長を可変とし、回線品質
    が悪い時ほど前記所定期間を長くすることを特徴とする
    請求項6記載の受信装置。
  8. 【請求項8】 前記検出手段は、受信信号の複数のフレ
    ームについて回線品質情報を検出し、これらを平均化し
    たものを出力することを特徴とする請求項4又は請求項
    5又は請求項7のいずれかに記載の受信装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8のいずれかに記載
    の受信装置を具備することを特徴とする通信端末装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の通信端末装置と無線通
    信を行うことを特徴とする基地局装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項8のいずれかに記
    載の受信装置を具備することを特徴とする基地局装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の基地局装置と無線通
    信を行うことを特徴とする通信端末装置。
  13. 【請求項13】 回線品質情報及び受信信号の位相回転
    量に基づいて、受信信号中の既知信号と予め保持する既
    知信号との相関値を積算し、この積算値が最大値を取る
    タイミングをシンボル同期タイミングとする第一の方法
    と、受信信号中の既知信号と受信信号を所定の単位デー
    タ量分遅延させた信号中の既知信号との相関値を積算
    し、この積算値が最大値を取るタイミングをシンボル同
    期タイミングとする第二の方法と、を切り替えて適用す
    ることを特徴とする同期獲得方法。
  14. 【請求項14】 受信信号の位相回転量が任意のしきい
    値を下回る時は前記第一の方法を適用し、受信信号の位
    相回転量が任意のしきい値以上の時は前記第二の方法を
    適用することを特徴とする請求項13記載の同期獲得方
    法。
  15. 【請求項15】 回線品質情報に基づいて前記任意のし
    きい値を可変とし、回線品質が悪い時ほど前記任意のし
    きい値を大きくすることを特徴とする請求項14記載の
    同期獲得方法。
  16. 【請求項16】 受信信号の位相回転量が前記任意のし
    きい値を下回った回数が所定連続回数に達した時に前記
    第一の方法を適用することを特徴とする請求項14又は
    請求項15記載の同期獲得方法。
  17. 【請求項17】 通信開始時から所定期間は前記第一の
    方法を適用し、前記所定期間経過後は前記第二の方法を
    適用することを特徴とする請求項13から請求項16の
    いずれかに記載の同期獲得方法。
  18. 【請求項18】 回線品質情報に基づいて前記所定期間
    長を可変とし、回線品質が悪い時ほど前記所定期間を長
    くすることを特徴とする請求項17記載の同期獲得方
    法。
  19. 【請求項19】 前記回線品質情報は、受信信号の複数
    のフレームについての回線品質情報が平均化処理された
    ものであることを特徴とする請求項15又は請求項16
    又は請求項18のいずれかに記載の同期獲得方法。
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