JP2000299531A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JP2000299531A
JP2000299531A JP11108770A JP10877099A JP2000299531A JP 2000299531 A JP2000299531 A JP 2000299531A JP 11108770 A JP11108770 A JP 11108770A JP 10877099 A JP10877099 A JP 10877099A JP 2000299531 A JP2000299531 A JP 2000299531A
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JP
Japan
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layer
active layer
gaas
cladding layer
slope
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JP11108770A
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English (en)
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Chikashi Anayama
親志 穴山
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体レーザ装置に関し、極めて簡単な手段
で段差基板上のGaInP層にGaAs層を積層しても
厚さ分布が発生しないようする。 【解決手段】 斜面をもつ段差基板上にS−MQW活性
層43、S−MQW活性層43に接して積層されて斜面
に沿う領域で高いキャリヤ濃度をもち且つS−MQW活
性層43の主表面に沿う領域で低いキャリヤ濃度をもつ
p−GaInPクラッド層44、p−GaInPクラッ
ド層44に接して積層されて斜面に沿う領域でp型であ
るp側第二クラッド層及び主表面に沿う領域でn型であ
る電流ブロック層を成している電流ブロック兼クラッド
層45を備える半導体レーザ装置に於いて、クラッド層
を構成する五族元素がPであり、S−MQW活性層43
を構成する主成分がAsであり、段差基板の主表面が
(100)面から(111)A方向に約8度傾斜した面
方位であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に斜面の段差
をもつ基板を用いて横モードを制御する構造を実現する
半導体レーザ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、0.98〔μm〕帯の半導体レー
ザは、光通信に用いられるErドープ光ファイバの励起
光源として重要度が高まっている。
【0003】前記0.98〔μm〕帯の半導体レーザで
は、基板材料にGaAsを用いた場合、活性層としてG
aAsよりも格子定数が小さい材料であるGa0.8 In
0.2Asなどを用いなければならないが、その理由は、
0.98〔μm〕帯の長い発振波長を得る為、格子定数
が小さい材料を用いる必要があることに由来する。
【0004】このように、GaAs基板に比較して格子
定数が小さいGaInAsを活性層に用いる場合、歪多
重量子井戸(strained multiple q
uantum wells:S−MQW)にしなければ
ならない。
【0005】その理由は、Ga0.8 In0.2 AsとGa
Asとの格子不整合が2〔%〕程度と大きい為、量子井
戸のように極めて薄い層のみが格子不整合に依って生じ
る歪に耐えることが可能であり、そして、量子井戸より
も厚い活性層では、転位などの格子欠陥が発生すること
に依る。
【0006】ところで、Ga0.8 In0.2 Asは量子井
戸構造にした場合であっても、転位などの格子欠陥がな
い材料として略限界に近いほど歪んでいるので、GaA
sを基板として用いる場合、これ以上の長波長化は実用
面から見て困難である。
【0007】このようなことから、GaAs基板上に形
成した0.98〔μm〕帯の半導体レーザでは、Ga
0.8 In0.2 Asを用いたS−MQW構造が最長波長
(狭バンド・ギャップ)の発振波長を得る為の必須の構
成であり、そして、現状では前記活性層以外に長波長の
発振波長を実現できる材料及び構成がないことに起因
し、特に、横モードの制御性が悪い旨の問題を回避する
ことができない。
【0008】一般に、半導体レーザに於ける横モードを
安定化させるには、半導体レーザのストライプ側方に屈
折率差をつければよいが、それには、ストライプ側方に
於ける材料の屈折率を低くする実屈折率ガイド構造を採
用するか、或いは、ストライプ側方の材料が光を吸収す
るロス・ガイド構造を採用することになる。
【0009】従来、GaAs基板上に形成された半導体
レーザとしては、0.76〔μm〕帯のもの、或いは、
0.68〔μm〕帯のものなどが実用化されているが、
これ等の半導体レーザでは、ストライプ側方の電流ブロ
ック層を光を吸収する材料、例えばGaAsで埋め込ん
だ構造にしてあるのが普通である。
【0010】0.98〔μm〕帯の半導体レーザでは、
光を吸収する材料としてGaAsは用いることができな
いので、0.76〔μm〕帯、或いは、0.68〔μ
m〕帯の半導体レーザに於ける構造は採用できない。
尚、GaAsは0.98〔μm〕帯の光を吸収しない。
【0011】図2は0.98〔μm〕帯の現用リッジ型
半導体レーザを表す要部切断斜面図である。
【0012】図に於いて、1はn−GaAs基板、2は
GaAsバッファ層、3はn−Al 0.4 Ga0.6 Asク
ラッド層、4はS−MQW活性層、5はp−Al0.4
0. 6 Asクラッド層、6はp−GaInPエッチング
停止層、7はp−Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層、8
はn−Al0.5 Ga0.5 As電流ブロック層、9はp−
GaAsコンタクト層を示している。
【0013】ここで、S−MQW活性層4は、 厚さが500〔Å〕のAl0.2 Ga0.8 Asガイド層 厚さが50〔Å〕のGaAsバリヤ層 厚さが70〔Å〕のGaInAsウエル層 厚さが50〔Å〕のGaAsバリヤ層 厚さが70〔Å〕のGaInAsウエル層 厚さが50〔Å〕のバリヤ層 厚さが500〔Å〕のAl0.2 Ga0.8 Asガイド層を
積層して構成されている。
【0014】図から明らかなように、電流ブロック層8
の材料にはAlGaAsを用いていて、しかも、クラッ
ド層のAlGaAsに比較してエネルギ・バンド・ギャ
ップを大きく、即ち、Al組成を大きくして実屈折率ガ
イド構造を実現している。
【0015】然しながら、クラッド層に比較してAl組
成が大きい材料を電流ブロック層8として用いることに
ついては大きな困難がある。
【0016】その第一の問題としては、Alを含んだ層
の選択埋め込み結晶成長が困難であることが挙げられ
る。
【0017】図3及び図4は選択埋め込み結晶成長を説
明する為の工程要所に於けるリッジ型半導体レーザを表
す要部切断正面図であり、以下、これ等の図を参照しつ
つ説明する。尚、図2に於いて用いた記号と同記号は同
部分を示すか或いは同じ意味を持つものとする。
【0018】図3(A)参照 3−(1) MOVPE(metalorganicvapor p
hase epitaxy)法を適用することに依り、
GaAsバッファ層2、n−AlGaAsクラッド層
3、S−MQW活性層4、p−AlGaAsクラッド層
5、p−GaInPエッチング停止層6、p−AlGa
Asクラッド層7を成長させる。
【0019】図3(B)参照 3−(2) CVD(chemical vapour depos
ition)を適用することに依り、SiO2 膜を形成
する。
【0020】3−(3) リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス、及び、
ドライ・エッチング法を適用することに依り、工程B−
(2)で形成したSiO2 膜のエッチングを行ってリッ
ジ・パターンのマスク膜10を形成する。
【0021】3−(4) ドライ・エッチング法を適用することに依り、p−Al
GaAsクラッド層7のエッチングを行ってリッジ7A
を形成する。
【0022】図4(A)参照 4−(1) MOVPE法を適用することに依り、n−Al0.5 Ga
0.5 As電流ブロック層8を形成する。
【0023】4−(2) マスク膜10を剥離してから、MOVPE法を適用する
ことに依って、p−GaAsコンタクト層9を形成す
る。
【0024】4−(3) この後、通常の技法を適用することに依り、絶縁膜や電
極を形成して完成させる。
【0025】前記のような工程を経てリッジ型半導体レ
ーザを作製するに際し、MOVPE法を適用してリッジ
7Aの埋め込みを行っているが、マスク膜10を選択成
長用マスクとして電流ブロック層8を形成する場合、S
iO2 のような誘電体膜からなるマスク膜10上には結
晶が成長せず、その他の部分には結晶成長が起こること
を利用している。
【0026】ところが、電流ブロック層8を構成する材
料のAl組成が大きくなると選択成長性が失われ、マス
ク10上にも結晶が成長されるようになるので、それを
補う為、ハロゲン系ガスを同時に添加する特殊な方法が
必要になっている。
【0027】現在、0.98〔μm〕帯の半導体レーザ
を作製する場合、ハロゲン系ガスを添加して選択成長を
行うことが主流になっているのであるが、その手段も絶
対的なものではなく、選択成長性の劣化は、半導体レー
ザの最終的な製造歩留りや寿命短縮の原因になってい
る。
【0028】前記したように、従来の埋め込み選択成長
を必要とするリッジ型半導体レーザを製造するには種々
な問題があるので、本発明者等は、埋め込み選択成長を
必要とせず、Al組成の大小に無関係に作製することが
できる斜面発光型半導体レーザを開発した(要すれば
「特願平4−250280号」を参照)。
【0029】因みに、前記の斜面発光型半導体レーザ
は、S3 レーザ(self−aligned step
ped substrate laser)、或いは、
エスキューブレーザなどと呼ばれている。
【0030】図5は本発明者等が開発した従来の標準的
なS3 レーザを表す要部切断斜面図である。
【0031】図に於いて、11はn−GaAs基板、1
2はGaAsバッファ層、13はGaInP中間層、1
4はn−AlGaInPクラッド層、15はMQW活性
層、16はp−AlGaInP第一クラッド層、17は
AlGaInP電流ブロック兼クラッド層、18はp−
AlGaInP第三クラッド層、19はGaInP中間
層、20はp−GaAsコンタクト層を示している。
尚、電流ブロック兼クラッド層17はn−AlGaIn
P電流ブロック層17A及びp−AlGaInP第二ク
ラッド層17Bからなっている。
【0032】S3 レーザはロス・ガイド構造ではないか
ら、光の吸収損失は考慮する必要がなく、また、低非点
収差であって、一回のMOVPE成長で作製することが
できる為、製造歩留りが高く、低価格で提供することが
できる。
【0033】S3 レーザを製造する場合の大きな特徴
は、MOVPE法を適用してAlGaInP電流ブロッ
ク兼クラッド層17を形成する際、不純物ドーピングに
面方位依存性があることを利用してn−AlGaInP
電流ブロック層17A及びp−AlGaInP第二クラ
ッド層17Bを作り分けていることである。
【0034】図6及び図7は不純物ドーピングの面方位
依存性を説明する為の線図であり、何れの図に於いても
横軸に基板のオフ角度を、また、縦軸に不純物の相対的
な取り込まれ率をそれぞれ採ってあり、図6はMgとZ
nの場合、図7はSeの場合をそれぞれ示し、何れの場
合も化合物半導体結晶はAlGaInPである。
【0035】各図から明らかなように、Znなどのp型
不純物の取り込まれ率は、 (311)A>100 なる依存性があるのに対し、Seなどのn型不純物の取
り込まれ率は、 (100)>(311)A なる依存性があり、従って、異なる面方位をもつ半導体
結晶層表面に対し、前記p型不純物及びn型不純物を同
時にドーピングすれば、p型半導体結晶層とn型半導体
結晶層とを同時に形成することが可能である。
【0036】図8はp型不純物及びn型不純物を同時に
ドーピングした際の面方位依存性を説明する為の線図で
あり、横軸には(100)面から(111)A面方向へ
のオフ角を、また、縦軸にはキャリヤ濃度をそれぞれ採
ってある。
【0037】前記した通り、面方位に応じてp型半導体
結晶とn型半導体結晶とを一回の工程で成長させること
ができるので、例えば主面の面指数が(100)である
半導体結晶層に側面の面指数が(311)Aである溝を
形成し、そこに前記同時ドーピングの手段で結晶を成長
させることで、主面にはn型半導体結晶層が、また、溝
の側面にはp型半導体結晶層がそれぞれ成長される。
【0038】図5に見られるS3 レーザに於いて、電流
が流れるp型の部分は、直線状の斜面になっていて、M
QW活性層15に於ける発光部分である中央部分も同じ
く直線状の斜面になっている。
【0039】本発明者等は、前記説明したS3 レーザの
長所を採り入れて0.98〔μm〕帯の半導体レーザを
実現させた(要すれば、特開平10−75007号公
報、を参照)。
【0040】図9は本発明者等が開発した0.98〔μ
m〕帯のS3 レーザを表す要部切断斜面図である。
【0041】図に於いて、21はn−GaAs基板、2
2はGaAsバッファ層、23はn−AlGaAs第一
クラッド層、24はMQW活性層、25はp−AlGa
Asクラッド層、26はGaInP電流ブロック兼クラ
ッド層、27はp−AlGaAs第三クラッド層、28
はp−GaAsコンタクト層を示している。尚、電流ブ
ロック兼クラッド層26はn−GaInP電流ブロック
層26A及びp−GaInP第二クラッド層26Bから
なっている。
【0042】通常、0.98〔μm〕帯の半導体レーザ
に於けるクラッド層には、材料としてAlGaAsを用
いているが、0.98〔μm〕帯のS3 レーザに於いて
は、電流ブロック兼クラッド層を形成する際、n型電流
ブロック層とp型第二クラッド層との作り分けを行う
為、面方位に依るドーパントの取り込み依存性を利用し
ていることは前記した通りである。
【0043】この電流ブロック兼クラッド層の材料とし
て従来のようにAlGaAsを用いた場合、面方位に依
るドーパントの取り込み依存性が小さく、ドーパントに
ZnやSeを用いた場合、例えば6度オフ基板と(41
1)A面間でAlGaInPやGaInPを用いた場合
に比較して約1/4の変化しか付与することができな
い。
【0044】そこで、図5や図9に見られるS3 レーザ
では、少なくともクラッド層の一部をAlGaInPや
GaInPで構成することに依って、面方位に依るドー
パントの取り込み依存性を大きくして、例えば6度オフ
基板と(411)A面間に於いて、実用上充分な程度の
n型電流ブロック層とp型第二クラッド層との作り分け
を行っている。
【0045】ところが、図9に見られる構造のS3 レー
ザを実現する場合、Alを多量に含むクラッド層の結晶
性を向上させる為、700〔℃〕以上の高温成長を実施
する必要があり、この条件でAlGaInPやGaIn
Pを成長させた場合、As系材料とP系材料との界面が
不安定になり、良質のAlGaInP結晶やGaInP
結晶を成長させることができない旨の欠点がある。
【0046】そこで、本発明者等は、クラッド層の材料
を全てGaInPのみにして成長温度を低下させ、Ga
InPクラッド層とMQW活性層に於けるAlGaAs
層との界面を安定化することができた。
【0047】ここで、MQW活性層に用いているAlG
aAs層は、そのAl組成がクラッド層に於けるそれと
比較すると1/2以下であることから低温で成長させた
場合に於いても結晶性は良好である。
【0048】このように、結晶成長温度と結晶性とのト
レード・オフ関係は解消できたが、斜面からなる段差を
もった基板上にGaInPとGaAsとを交互に結晶成
長した場合、斜面の角度がGaAsとGaInPとで異
なってしまうことが判り、これについては、成長層の断
面を走査電子顕微鏡(scanning electr
on microscopy:SEM)に依って測定し
て確認されている。
【0049】図10は段差基板上に成長させた結晶層の
断面を走査電子顕微鏡で測定して得られた写真である。
【0050】図10に於いて、31は段差をもつGaA
sからなるバッファ層、32はGaInP層、33はG
aAs層、34はGaInP層、35はGaAs層、3
6はGaInP層をそれぞれ示している。
【0051】(100)6°オフ(111)A方向の段
差基板、その段差基板上のGaAsバッファ層31、G
aAs層33、GaAs層35に於ける斜面(a)の基
板面との交差角は14°であり、GaInP層32、G
aInP層34、GaInP層36に於ける斜面(b)
の基板面との交差角は19°であり、従って、それら角
度の間には5°程度の相違がある。
【0052】その結果、GaInP層上のGaAs層は
斜面(a)の角度に戻ろうとするので、斜面下端近傍の
厚さ(c)と斜面上端近傍の厚さ(d)とに差が発生す
ることになる。
【0053】このような斜面部分のGaAs層がMQW
活性層の一部である場合には、活性層に厚さの分布が存
在する構造になるから、半導体レーザの光分布が不均一
になることは勿論、MQWの波長も分布をもち、従っ
て、損失が大きい劣悪な特性しか得られない。
【0054】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、極めて簡
単な手段をとることに依り、段差基板上のGaInP層
にGaAs層を積層しても厚さ分布が発生しないように
して、S3 レーザの性能を向上しようとする。
【0055】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、段差基板
を用いた光半導体装置について、多くの研究開発を行っ
ているところであり、そのなかで、基板のオフ角度と結
晶層成長との関係を調べた結果として、例えばAlGa
InPは、基板のオフ角度を変化させた場合に斜面に成
長する結晶層の角度が変化することが判った。
【0056】そこで、GaInPを成長させる場合につ
いても、段差基板のオフ角度を変化させる実験を行った
ところ、8°オフの段差基板を用いてGaAs層とGa
InP層とを成長させると、それ等の斜面角度を略一致
させることができ、従って、五族元素としてPのみを用
いたクラッド層、そして、その他にはGaAs/GaI
nAsを用いてS3 レーザを構成すると大変優れた特性
のものが得られる。
【0057】前記したところから、本発明に依る半導体
レーザ装置に於いては、(1)(100)面或いは(n
11)A(7<n n:実数)面が表出した主表面をも
つと共に(n' 11)A(2≦n' ≦7 n’:実数)
面が表出した斜面をもつ段差基板(例えばGaAs基板
又はInP基板)と、(100)面或いは(n11)A
(7<n n:実数)面が表出した主表面をもつと共に
(n" 11)A(3≦n”≦7 n”:実数)面が表出
した斜面をもつ活性層(例えばS−MQW活性層43:
図1を参照、以下同じ)と、該活性層に接して積層され
て斜面に沿う領域で高いキャリヤ濃度をもち且つ該活性
層の主表面に沿う領域で低いキャリヤ濃度をもつp側第
一クラッド層(例えばp−GaInPクラッド層44)
と、該p側第一クラッド層に接して積層されて斜面に沿
う領域でp型であるp側第二クラッド層及び主表面に沿
う領域でn型である電流ブロック層のそれぞれを成して
いる同一の半導体層(例えば電流ブロック兼クラッド層
45)とを備える半導体レーザ装置に於いて、前記クラ
ッド層を構成する五族元素がPのみであると共に前記活
性層を構成する主成分がAsであり且つ前記段差基板の
主表面が(100)面から(111)A方向に約8度傾
斜した面方位であることを特徴とするか、或いは、
【0058】(2)前記(1)に於いて、前記クラッド
層を構成する材料がGaInPであり且つ前記活性層が
InGaAs/GaAsからなる歪み量子井戸であるこ
とを特徴とするか、或いは、
【0059】(3)前記(1)に於いて、前記クラッド
層を構成する材料がInPであり且つ前記活性層を構成
する材料がGaInAs或いはInGaAsPであるこ
とを特徴とする。
【0060】前記手段を採ることに依り、0.98〔μ
m〕帯のS3 レーザを作製するに際し、段差基板を用い
てGaAs下地にGaInP層を積層形成しても斜面に
於ける結晶層の厚さに不均一を生ずることはなくなるの
で、光ビーム特性の向上、閾値電流の低減、発光効率の
向上など半導体レーザの特性は大きく改善される。
【0061】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態を説
明する為の0.98〔μm〕帯S3 レーザに於ける段差
基板上に成長させた結晶層の断面を走査電子顕微鏡で測
定して得られた写真である。
【0062】(1) (100)8°オフ(111)A
方向、且つ、約4×1018〔cm-3〕程度のSiをドーピ
ングしてn型にした直径約6.4〔cm〕(2.5〔イ
ンチ〕のGaAs基板(図示せず)にリソグラフィ技術
に於けるレジスト・プロセスを適用することに依り、1
50〔μm〕間隔で、幅150〔μm〕のストライプ・
レジスト膜を形成する。
【0063】(2) フッ酸系エッチング液を用い、ス
トライプ・レジスト膜の間に表出されている幅150
〔μm〕のGaAs基板表面のエッチングを行って、基
板面(斜面を除く基板表面、以下同じ)と約14°の角
度をなす斜面からなる段差を形成する。因みに、この際
の溝の深さは約0.5〔μm〕であって、斜面の面方位
は約(411)Aである。
【0064】(3) MOVPE法を適用することに依
り、GaAs段差基板上に各結晶層を成長させる。この
際、MOVPEの条件は、成長させる全ての結晶層に対
して、 成長圧力:50〔Torr〕 成長効率:約800〔μm/モル〕 総流量:8〔SlM〕 であって、キャリヤ・ガスは水素である。
【0065】(3)−1 温度を670〔℃〕、ソース・ガスにトリメチルガリウ
ム(TMGa:Ga(CH3 3 )、AsH3 を用い
て、五族/三族比100、成長速度2〔μm/時〕と
し、Si2 6 をドーパントとして、n型キャリヤ濃度
が約5×1017〔cm-3〕となるようにして層厚1.5
〔μm〕のn−GaAsバッファ層41を成長する。
【0066】3−(2) 温度を670〔℃〕、ソース・ガスにトリエチルガリウ
ム(TEGa:Ga(C2 5 3 )、トリメチルイン
ジウム(TMIn:In(CH33 )、PH3 を用い
て、五族/三族比100、成長速度1.7〔μm/時〕
とし、Si2 6 をドーパントとして、n型キャリヤ濃
度が約1×1018〔cm-3〕となるようにして層厚2.0
〔μm〕のn−GaInPクラッド層42を成長する。
尚、ここで、n型ドーパントにSiを用いる理由は、斜
面に於けるn型不純物濃度を基板面に於けるn型不純物
濃度に比較して低くしたくないことに依る。
【0067】3−(3) 成長温度670〔℃〕、ソース・ガスにトリメチルイン
ジウム(TMIn:In(CH3 3 )、TEGa、T
MAl、AsH3 などを用い、全てノンドープでS−M
QW活性層43を成長する。この場合、五族/三族比6
0、成長速度1〔μm/時〕、厚さを500〔Å〕とし
てAl0.2 Ga0.8 Asガイド層を両端に二層、五族/
三族比80、成長速度0.8〔μm/時〕、厚さを50
〔Å〕としてGaAsバリヤ層を三層、五族/三族比6
0、成長速度1.2〔μm/時〕、厚さを70〔Å〕と
してGa0.8 In0.2 Asウエル層を二層、のそれぞれ
を積層形成した。
【0068】3−(4) 成長温度670〔℃〕、ソース・ガスにTEGa、TM
In、PH3 などを用い、五族/三族比100、成長速
度1.7〔μm/時〕とし、ジエチル亜鉛(DEZn:
(C2 5 2 Zn)をドーパントとして、斜面のp型
キャリヤ濃度が約1.1×1018〔cm-3〕、基板面のp
型キャリヤ濃度が1.5×1017〔cm-3〕となるように
して、層厚0.3〔μm〕のp−GaInPクラッド層
44を成長する。
【0069】3−(5) 成長温度670〔℃〕、ソース・ガスにTEGa、TM
In、PH3 などを用い、五族/三族比100、成長速
度1.7〔μm/時〕とし、ジメチル亜鉛(DMZn:
(CH3 2 Zn)並びにセレン化水素(H2 Se)を
ドーパントとして交互にドーピングしながら電流ブロッ
ク兼クラッド層45を成長する。
【0070】ドーピングを行うには、Znの場合、斜面
でp型不純物濃度が約1.3×1017〔cm-3〕、基板面
で1.8×1017〔cm-3〕となる条件で、そして、Se
の場合、斜面でn型不純物濃度2.5×1017〔c
m-3〕、基板面で1.1×1017〔cm-3〕なる条件で実
施する。
【0071】このうち、Znドーピング領域の斜面のみ
が、結晶成長中にSeドーピング領域の斜面に自動的に
拡散するので、Znドーピング領域の斜面に於けるZn
濃度は6.5×1017〔cm-3〕に、基板面に於けるZn
濃度は1.8×1017〔cm-3〕となり、Seドーピング
領域の斜面に於けるZn濃度は6.5×1017〔cm-3
に、同じく斜面に於けるSe濃度は2.5×1017〔cm
-3〕に、基板面に於けるSe濃度は1.1×1018〔cm
-3〕となる。
【0072】上記したところから明らかであるが、結果
的に斜面は全てp型になると共に基板面は略n型となる
のである。因みに、基板面に於けるp型不純物濃度は低
いので空乏層化する。
【0073】3−(6) 成長温度670〔℃〕、ソース・ガスにTEGa、TM
In、PH3 などを用い、五族/三族比100、成長速
度1.7〔μm/時〕とし、DMZnをドーパントとし
て斜面のp型キャリヤ濃度が約1.1×1018〔c
m-3〕、基板面のp型キャリヤ濃度が1.5×1017〔c
m-3〕となるようにして、層厚1.3〔μm〕のp−G
aInPクラッド層46を成長する。
【0074】成長温度670〔℃〕、ソース・ガスにT
MGa、AsH3 を用い、五族/三族比100、成長速
度2.0〔μm/時〕とし、DMZnをドーパントとし
て斜面のp型キャリヤ濃度が約2×1018〔cm-3〕とな
るようにし、層厚1.0〔μm〕のp−GaAsコンタ
クト層47を成長する。
【0075】(4) 成長温度670〔℃〕、ソース・
ガスにTEGa、TMIn、PH3 などを用い、五族/
三族比100、成長速度1.0〔μm/時〕とし、アン
ドープで層厚0.1〔μm〕のGaInPキャップ層4
8を成長する。
【0076】(5) この後、GaInPキャップ層4
8を剥離してから、100〔μm〕の幅で素子分離を行
い、n側コンタクト金属、即ち、Au/Ge/Auを、
また、p側コンタクト金属、即ち、AuZn/Auを蒸
着法に依って堆積し、幅300〔μm〕、長さ400
〔μm〕のチップに劈開し、p側アップでヒート・シン
クにボンディングする。
【0077】本発明では、前記説明した実施の形態に限
られることなく、他に多くの改変を実現することができ
る。
【0078】例えば、電流ブロック兼クラッド層を形成
する際、Zn及びSeの交互ドーピングを行うのに代え
てZn及びSeを同時ドーピングしても、同じ結果を得
ることができる。
【0079】また、材料は、GaAs基板を用いる系の
ものに限られることなく、InP基板上にInPクラッ
ド層及びInGaAs活性層を成長させる系のものであ
っても良い。
【0080】
【発明の効果】本発明に依る半導体レーザ装置に於いて
は、段差基板、少なくとも活性層、p側第一クラッド
層、p側第二クラッド層及びn型電流ブロック層のそれ
ぞれを含む同一の半導体層を備え、クラッド層を構成す
る五族元素がPのみであると共に活性層を構成する主成
分がAsであり且つ段差基板の主表面が(100)面か
ら(111)A方向に約8度傾斜した面方位をもってい
る。
【0081】前記構成を採ることに依り、0.98〔μ
m〕帯のS3 レーザを作製するに際し、段差基板を用い
てGaAs下地にGaInP層を積層形成しても斜面に
於ける結晶層の厚さに不均一を生ずることはなくなるの
で、光ビーム特性の向上、閾値電流の低減、発光効率の
向上など半導体レーザの特性は大きく改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を説明する為の0.98
〔μm〕帯S3 レーザに於ける段差基板上に成長させた
結晶層の断面を走査電子顕微鏡で測定して得られた写真
である。
【図2】0.98〔μm〕帯の現用リッジ型半導体レー
ザを表す要部切断斜面図である。
【図3】選択埋め込み結晶成長を説明する為の工程要所
に於けるリッジ型半導体レーザを表す要部切断正面図で
ある。
【図4】選択埋め込み結晶成長を説明する為の工程要所
に於けるリッジ型半導体レーザを表す要部切断正面図で
ある。
【図5】本発明者等が開発した従来の標準的なS3 レー
ザを表す要部切断斜面図である。
【図6】不純物ドーピングの面方位依存性を説明する為
の線図である。
【図7】不純物ドーピングの面方位依存性を説明する為
の線図である。
【図8】p型不純物及びn型不純物を同時にドーピング
した際の面方位依存性を説明する為の線図である。
【図9】本発明者等が開発した0.98〔μm〕帯のS
3 レーザを表す要部切断斜面図である。
【図10】段差基板上に成長させた結晶層の断面を走査
電子顕微鏡で測定して得られた写真である。
【符号の説明】
41 n−GaAsバッファ層 42 n−GaInPクラッド層 43 S−MQW活性層 44 p−GaInPクラッド層 45 電流ブロック兼クラッド層 46 p−GaInPクラッド層 47 p−GaAsコンタクト層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(100)面或いは(n11)A(7<n
    n:実数)面が表出した主表面をもつと共に(n' 1
    1)A(2≦n' ≦7 n’:実数)面が表出した斜面
    をもつ段差基板と、(100)面或いは(n11)A
    (7<n n:実数)面が表出した主表面をもつと共に
    (n" 11)A(3≦n”≦7 n”:実数)面が表出
    した斜面をもつ活性層と、該活性層に接して積層されて
    斜面に沿う領域で高いキャリヤ濃度をもち且つ該活性層
    の主表面に沿う領域で低いキャリヤ濃度をもつp側第一
    クラッド層と、該p側第一クラッド層に接して積層され
    て斜面に沿う領域でp型であるp側第二クラッド層及び
    主表面に沿う領域でn型である電流ブロック層のそれぞ
    れを成している同一の半導体層とを備える半導体レーザ
    装置に於いて、 前記クラッド層を構成する五族元素がPのみであると共
    に前記活性層を構成する主成分がAsであり且つ前記段
    差基板の主表面が(100)面から(111)A方向に
    約8度傾斜した面方位であることを特徴とする半導体レ
    ーザ装置。
  2. 【請求項2】前記クラッド層を構成する材料がGaIn
    Pであり且つ前記活性層がInGaAs/GaAsから
    なる歪み量子井戸であることを特徴とする請求項1記載
    の半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】前記クラッド層を構成する材料がInPで
    あり且つ前記活性層を構成する材料がGaInAs或い
    はInGaAsPであることを特徴とする請求項1記載
    の半導体レーザ装置。
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US8802468B2 (en) 2007-03-19 2014-08-12 Fujitsu Limited Semiconductor light emitting device and fabrication method for semiconductor light emitting device

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