JP2000297773A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JP2000297773A
JP2000297773A JP11106021A JP10602199A JP2000297773A JP 2000297773 A JP2000297773 A JP 2000297773A JP 11106021 A JP11106021 A JP 11106021A JP 10602199 A JP10602199 A JP 10602199A JP 2000297773 A JP2000297773 A JP 2000297773A
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Japan
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oil
chamber
separation
discharge
discharge chamber
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JP11106021A
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English (en)
Inventor
Shuzo Kumagai
修三 熊谷
Shunji Muta
俊二 牟田
Kazutaka Kowada
一隆 小和田
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Bosch Corp
Original Assignee
Bosch Automotive Systems Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機のオイル回収能力を向上させて分離さ
れたオイルを油溜室にできるだけ溜め、引いては、圧縮
機の耐久性の向上を図り、冷凍サイクルに用いる場合に
あっては冷房能力の向上を図る。 【解決手段】 圧縮されたガスを吐出する吐出室と、吐
出室から導入された流入ガスにより旋回流を形成してガ
ス中に混在する油を分離する遠心分離機構を備えた分離
室22と、分離された油を溜める油溜室20とを備え、
吐出室と分離室22との間に高圧チャンバ19を設け、
吐出室から高圧チャンバ19に通じる通孔21を高圧チ
ャンバの最下部に設ける。分離室22で分離された油を
排出するための排油孔28を分離室22の内周面22b
から吐出ガスの旋回流の接線方向に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧縮されたガス
に混在する潤滑油を分離するための機能を備えた圧縮機
に関し、冷凍サイクルの冷媒から潤滑油を分離して冷凍
サイクルを循環するオイル量を低減するためなどに利用
されるものである。
【0002】
【従来の技術】冷凍サイクルに用いられる圧縮機は、そ
の摺動部分の潤滑を保つためにサイクル内の冷媒と一緒
にオイルを循環させている。しかし、このようなオイル
は、凝縮器や蒸発器の熱伝達を低下させたり、蒸発器内
でオイルと冷媒との間で熱交換が行われてしまう等の理
由から冷房能力を低下させる原因となっている。つま
り、冷凍サイクル内を循環するオイル量が多いと、圧縮
機の摺動部の潤滑が保たれて圧縮機の耐久性は向上する
が、冷房能力は低下してしまう。このため、耐久、冷房
能力の両方を向上させるために、圧縮機にオイル分離機
構を持たせて潤滑に必要なオイルを圧縮機内部に留め、
サイクル内を循環するオイル量を低減して冷房能力の低
下を防ぐことが考えられている。
【0003】このようなオイル分離機構を備えた圧縮機
としては、遠心分離型のオイル分離機構などが考えられ
ており、特開平4−175492号公報や特開平4−1
53596号公報で示されるものが公知となっている。
【0004】前者は、吐出孔から吐出弁を介して吐出す
る高圧ガスを吐出口部へ導く経路の途中に衝突分離型の
セパレータを設けると共に、その下流側に遠心分離室を
設け、吐出孔から吐出した冷媒ガスをセパレータの壁部
に衝突させて冷媒ガス中に混在している潤滑油を分離す
ると共に、遠心分離室によってさらに冷媒ガス中に混在
している潤滑油を分離し、これら分離したオイルをセパ
レータ及び遠心分離室のそれぞれから直接貯油室へ落下
させて集溜するようにしたものである。
【0005】また、後者は、ベーン型圧縮機のハウジン
グ内に設けられた油溜室の上方に油分離器を設け、この
油分離器を、円柱状の密閉された中空部を有する主体部
と、この主体部の頂壁を介して中空部内に挿入されたガ
ス導出管とによって構成し、中空部の上部に吐出室と連
通するガス導入路を接線方向に開口すると共に、主体部
の底壁に油溜め室に通じる排油孔を穿設するようにした
ものである。このような構成により、吐出室からガス導
入路を介して中空部に導入された冷媒ガスを旋回させ、
冷媒よりも慣性力の大きなオイルミストを中空部の内周
壁に衝突させて分離させ、中空部の底壁に溜まったオイ
ルを排油孔を介して油溜め室に落下させるようになって
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
圧縮機においては、セパレータの下方に設けられる貯油
室へ油を導く通路を設けなければならず、ハウジングの
構造や設計も複雑になり、セパレータと貯油室との間を
直接連通する通路が技術的に困難である場合には、セパ
レータで分離された潤滑油が貯油室へ落下されなくな
り、セパレータの下部に溜まってしまう不都合がある。
また、貯油室を遠心分離室のみならずセパレータにも直
接連通する場合には、オイルミストの貯油室からの戻り
が多くなることも懸念される。
【0007】後者の圧縮機においても、圧縮機で用いら
れる遠心分離型のオイル分離機構は、分離されたオイル
が中空部に挿入されたガス導出管の開口端と対峙する主
体部の底壁に集められ、この底壁に設けられた排油孔か
ら重力に任せて油溜め室に落下させるものであるので、
オイルを分離した冷媒が方向を大きく変えてガス導出管
へ導かれる際に、底壁に集められたオイルがこの冷媒に
巻き上げられて冷媒と共にガス導出管から送出されてし
まい、オイルの回収能力が低下し、オイル分離機構が充
分に機能していないという不都合がある。
【0008】このようなオイルの巻き上げによる不都合
を緩和するには、上記公報の図面で示されるように、主
体部の底壁に穿設される排油孔の数を複数とし、オイル
が底壁に溜まってしまうことがないように留意する工夫
も考えられるが、複数の排油孔を形成すれば、オイルミ
ストの油溜め室からの戻りが多くなることが懸念され
る。また、圧縮機を傾けて取付ける場合には、底壁に穿
設される排油孔の位置によっては、たとえ排油孔を複数
形成したとしても油溜室にオイルが落下しにくくなり、
主体部の底壁にオイルが溜まって冷媒と共に巻き上げら
れて圧縮機外へ送出されてしまう。
【0009】そこで、この発明においては、圧縮機のオ
イルの回収能力を向上させて分離されたオイルを油溜室
にできるだけ溜め、引いては、圧縮機の耐久性の向上を
図ると共に、冷凍サイクルに用いる場合にあっては冷房
能力の向上を図るようにしたオイル分離機構を有する圧
縮機を提供することを課題としている。また、分離され
たオイルの油溜室からの戻りを低減することや、圧縮機
の取り付け角度によらずにオイルを油溜室へ導くことを
も課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明に係る圧縮機は、圧縮されたガスを吐出す
る第1の吐出室と、この第1の吐出室と連通し該第1の
吐出室から導入された前記ガス中に混在する油を分離す
る分離室と、この分離室と連通し該分離室で分離された
油を溜める油溜室とを有するベーン型の圧縮機におい
て、前記第1の吐出室と前記分離室との間に第2の吐出
室を設け、前記第1の吐出室から前記第2の吐出室に通
じる通路を前記第2の吐出室の最下部に設けたことを特
徴としている(請求項1)。
【0011】ここで、第1の吐出室を2つ設け、第2の
吐出室がその中間部を高くすると共に両端部を低くする
ように形成されている場合には、第1の吐出室から第2
の吐出室に通じる通路を第2の吐出室の両端部に形成す
るとよい。このような構成においては、第1の吐出室へ
間欠的に噴出される高圧ガスが第2の吐出室へ送られ、
吐出ガスの脈動が抑えられて分離室へ送られる。この
際、第2の吐出室の壁面に衝突するなどして分離された
オイルは、この第2の吐出室の最下部に溜まろうとする
が、最下部には第1の吐出室から送られる高圧ガスが流
入する通路が設けられているので、第2の吐出室で分離
されたオイルは高圧ガスによって巻き上げられて高圧ガ
スと共に分離室へ導かれ、この分離室から油溜室へ送ら
れる。よって、第2の吐出室にオイルが溜ることがなく
なり、分離されたオイルを全て油溜室に溜めることが可
能となり、オイルの回収能力を高めることができる。ま
た、第2の吐出室から分離室を介して分離されたオイル
を油溜室へ導くようにし、第2の吐出室と油溜室とを直
接連通しない構成としていることから、オイルミストの
油溜室からの戻りを懸念する必要もなくなる。
【0012】また、この発明に係る圧縮機は、圧縮され
たガスを吐出する吐出室と、この吐出室に連通し、前記
吐出室から導入された前記ガスにより旋回流を形成して
前記ガス中に混在する油を分離する遠心分離機構を備え
た分離室と、この分離室に前記分離された油を排出する
排油路を介して連通し、前記分離された油を溜める油溜
室とを有し、前記排油路を前記分離室の内周面から前記
旋回流の接線方向に形成するようにしてもよい(請求項
2)。
【0013】ここで、分離室を円柱状の空間によって構
成し、遠心分離機構を、分離室の上部から中心線上にオ
イル分離筒を挿入し、吐出室との連通箇所を分離室の上
部において接線方向に開口し、吐出室から分離室へ導か
れる高圧ガスをオイル分離筒の周囲を旋回させて旋回流
を形成する構成にするとよい。さらに、旋回流の接線方
向に設けられる分離室と油溜室とを連通する排油路は、
分離室の下部、より具体的には、オイル分離筒の開口端
と対峙する分離室の底面周縁から旋回流の接線方向に穿
設された排油孔で構成してもよい。
【0014】したがって、この構成によれば、吐出室か
ら分離室に導入するガスは、遠心分離機構によって旋回
され、混在している比重の重いオイルが遠心方向に寄せ
られて分離室の内周壁と衝突するなどして分離され、こ
の分離されたオイルは旋回しながら油溜室と連通する排
油路に至る。この排油路は旋回流の接線方向に設けられ
ていることから、排油路に至ったオイルは、そのまま移
動方向を束縛されることなくスムーズに排油路を通って
油溜室へ導かれ、分離室の底部に溜まることが殆どなく
なる。
【0015】よって、分離されたオイルを速やかに油溜
室へ導き、分離室にとどめることがなくなるので、オイ
ルが分離されたガスと共に巻き上げられて圧縮室外へ送
出されてしまうことが少なくなり、また、分離室と油溜
室とを連通する通路を旋回流の接線方向に設けたことか
ら、排油路が1つであっても、分離されたオイルを旋回
流によって効率よく排油路へ導くことができるので、オ
イルミストの油溜室からの戻りが懸念されることは殆ど
なく、しかも、圧縮機の傾きによらずに分離されたオイ
ルを油溜室へ導くことが可能となる。
【0016】さらに、第2の吐出室を設けて第1の吐出
室から第2の吐出室に通じる通路を第2の吐出室の最下
部に設ける前述の構成と、分離室と油溜室とを連通する
排油路を分離室の内周面から旋回流の接線方向に形成す
る前述の構成とを組合せるようにしてもよい(請求項
3)。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の態様を図
面に基づいて説明する。図1及び図2において、オイル
分離機構を有する圧縮機として、ベーン型圧縮機の例が
示され、この圧縮機は、略楕円形状の内周面を備えたシ
リンダブロック1と、このシリンダブロック1のリア側
を閉塞するリアヘッド2と、シリンダブロック1のフロ
ント側を閉塞するようにあてがわれたフロントサイドブ
ロック3及びこのフロントサイドブロック3を覆うよう
にシリンダブロック1に取付けられたフロントヘッド4
とを有して構成されている。
【0018】シリンダブロック1には、断面が真円をな
す円柱状のロータ5が収納配置され、このロータ5は、
リアヘッド2及びフロントサイドブロック3に軸受6、
8を介して軸支された駆動軸9に固く外嵌され、ロータ
5の周囲に所定の間隔でベーン溝5aを複数形成し、こ
のベーン溝5aに径方向で摺動自在にベーン10が挿入
されている。このベーン10は、ベーン溝5aとの間に
供給される背圧によって先端がシリンダブロック1の内
周面に常時当接されており、ロータ5の回転に伴ってシ
リンダブロック1の内周面にベーン10の先端が案内さ
れながら回転するようになっている。したがって、シリ
ンダブロック1、ロータ5、リアヘッド2、フロントサ
イドブロック3、及び、隣合うベーン10で囲まれた空
間によって圧縮室11が形成され、この圧縮室11の容
積がロータ5の回転によって変化するようになってい
る。
【0019】フロントヘッド4、シリンダブロック1、
及びリアヘッド2は、例えばリアヘッド側から挿入され
るねじにより一体に組付けられ、フロントサイドブロッ
ク3は、フロントヘッド4とシリンダブロック1との間
に挟持されて固定されている。このうち、リアヘッド2
にはチェック弁12を備えた吸入通路13が形成され、
この吸入通路13は、前記圧縮室11の容積が徐々に拡
大するシリンダブロック1との当接端面に開口された図
示しない吸入ポートに通じている。
【0020】シリンダブロック1には、吐出室14が形
成されると共にこの吐出室14と圧縮室11とを連通す
る吐出ポート15が形成され、吐出ポート15は、ロー
タ5の回転方向に対して圧縮室11が充分に縮小する位
置においてシリンダブロック1の内周面に開口してい
る。吐出室14及びこれに臨む吐出ポート15は、図2
に示されるように、ロータ5を挟んで2箇所に形成さ
れ、それぞれの吐出室14には、弾性部材をロール状に
巻いて形成された吐出弁16が前記吐出ポート15を閉
塞するようにバルブストッパ17と共にシリンダブロッ
ク1に螺子止めされている。
【0021】フロントヘッド4には、図3にも示される
ように、その中央に駆動軸9を挿通すると共に図4にも
示すフロントサイドブロック3を嵌合する中心孔18が
形成され、その周囲にフロントサイドブロック3との間
によって高圧チャンバ19と油溜室20とが形成されて
いる。ここで、高圧チャンバ19は、本発明の第2の吐
出室に相当するもので、吐出室14に吐出した吐出ガス
の脈動を抑えると共に、高圧ガスをフロントヘッドに衝
突させて一次的なオイル分離を図ることなどを目的とし
て設けられており、フロントサイドブロック3に形成さ
れた通孔21を介して前記吐出室14と連通し、図1で
示されるように、吐出室14と高圧チャンバ19とは、
駆動軸9の軸方向に沿って前後する位置関係にレイアウ
トされている。
【0022】特にこの構成で特徴的であるのは、高圧チ
ャンバ19の最下部に通孔21が形成されている点であ
る。即ち、この構成例においては、図3及び図4に示さ
れるように、高圧チャンバ19が中心孔18の上側約半
分にかけて弧状に形成され、油溜室20が中心孔18の
下側約半分にかけて弧状に形成され、ロータ5を挟んで
形成された2つの吐出室14が高圧チャンバ19の周方
向の両端部に開口するよう通孔21が形成されている。
このような構成とすれば、圧縮機が多少傾いても通孔2
1を高圧チャンバ19の最下部に位置させることができ
る。図1においては、説明の都合上、正確な位置関係を
無視して通孔21が描かれているが、図2乃至図4では
正確な位置を把握することができ、一方の吐出室14に
吐出した高圧ガスは、そのまま吐出室に臨む通孔21を
介して高圧チャンバ19の一端部に至り、他方の吐出室
14に吐出した高圧ガスは、シリンダブロック1の当接
端面に形成された溝30を通り、通孔21を介して高圧
チャンバ19の他端部に至るようになっている。ここ
で、溝30をシリンダブロック1の当接端面に形成し、
フロントサイドブロック3に形成された通孔21を吐出
室14から高圧チャンバ19にかけて直接斜めに穿設せ
ずに溝30を介して連通するようにしているのは、通孔
21をフロントサイドブロック3に斜めに穿設するより
もシリンダブロック1の素材の段階で当接端面に溝30
を形成してそこに当接端面と垂直方向に通孔21を形成
した方が作りやすいこと、また、斜めの通孔では、高圧
チャンバ19への吐出方向が不自然になることなどの事
情による。
【0023】また、フロントヘッド4には、前記高圧チ
ャンバ19のフロント側に位置する部分において分離室
22が形成されている。この分離室22は、円柱状の空
間を駆動軸9に対して略直角方向に延びるように構成さ
れ、フロントヘッド4と、これに取付けられた連結部材
26とによって画成されている。連結部材26は、図5
にも示されるように、冷凍サイクルの高圧配管を接続す
る継手部23と分離室22に挿入されるオイル分離筒2
4とを取付ブロック25に一体に形成して構成され、オ
イル分離筒24の中心線を分離室22の中心線と一致さ
せて取付ブロック25をフロントヘッド4に固定して取
付けられている。
【0024】オイル分離筒24の分離室22に挿入され
た先端開口部は、分離室22の底面22aに対して所定
の距離だけ離して対峙しており、高圧チャンバ19と分
離室22とは、分離室22の上部において導入孔27を
介して連通しており、この導入孔27は、高圧チャンバ
19の最上部、即ち、高圧チャンバ19の略中央に形成
されており、例えば分離室22の中心線と平行に延びる
長孔として形成され、分離室22の内周面22bの接線
方向に設けられて、高圧チャンバ19から導かれる高圧
ガスを分離室22の中心線と直角方向から分離室22の
内周面上へ導き、オイル分離筒24の周囲を旋回させて
旋回流αを形成するようになっている。また、分離室2
2と油溜室20とは、上下方向にずらして分離室22の
下部と油溜室20の上部が部分的に同レベルとなるよう
に形成され、分離室22の下部において排油孔28を介
して連通している。この排油孔28は、分離室22の最
下部において内周面22bから前記旋回流αの接線方
向、即ち、底面22aの周縁部に位置する内周面22b
から底面22aの中心を結ぶ線に対して直角となる方向
に形成され、油溜室20の上部に開口している。
【0025】この例では、分離室22と油溜室20とを
連通する排油孔28を油溜室20の上部に形成し、ま
た、高圧チャンバ19と分離室22とを連通する導入孔
27を高圧チャンバ19の周方向の中程、即ち高圧チャ
ンバ19の最上部に形成しており、このため、分離室2
2は、図3に示されるように、上下方向に対して傾けて
形成されている。また、高圧チャンバ19と分離室22
とを連通する導入孔27は高圧チャンバ19に対して、
また、分離室22と油溜室20とを連通する排油孔28
は油溜室20に対して、それぞれ直角に接続され、各々
の孔の長さを短くすると共に、これら孔を容易に加工で
きるようにしている。
【0026】上記構成において、駆動軸9が回転される
と、ロータ4とベーン11とがシリンダ1の内面に沿っ
て回転し、圧縮室11が容積変化する。圧縮室11が拡
大する吸入工程時には、圧縮室11に冷媒ガスが吸入さ
れ、その後、圧縮室11の容積が縮小して冷媒ガスが圧
縮されていく。そして、ベーン11が吐出ポート15近
づくと、圧縮室11と吐出ポート15とが連通するた
め、圧縮室11のガス圧により吐出弁16が押し開らか
れ、吐出室14に圧縮された冷媒ガスが吐出される。こ
の吐出室14に吐出された冷媒ガスは、通孔21を介し
て高圧チャンバ19の両端部に至り、高圧チャンバ19
を構成するフロントヘッド4の内壁面に衝突し、ここで
高圧ガス中のオイルが一次的に分離され、さらに導入孔
27を介して分離室22へ導かれる。
【0027】高圧チャンバ19で分離されたオイルは、
重力によって下方へ導かれ、高圧チャンバ19の最下部
に溜まろうとするが、吐出室14と連通する通孔21
は、弧状に形成された高圧チャンバ19の周方向の両端
部、即ち、高圧チャンバ19の最下部に形成されている
ので、吐出室14から高圧チャンバ19に勢いよく送ら
れる高圧ガスによって最下部に溜まろうとするオイルを
吹き散らし、高圧ガスによって巻き上げて高圧チャンバ
19の最上部に形成されている導入孔27を介して分離
室22へ導かれる。
【0028】また、分離室22へ導かれた冷媒ガスは、
分離室22の内周面22bに案内されてオイル分離筒2
4の外周を旋回して旋回流αを形成し、底面22aに向
かって旋回しながら流れる。この際、冷媒ガス中に混在
している比重の重いオイルミストは、遠心方向に寄せら
れて分離室22の内周面22bと衝突するなどして二次
的に分離され、オイルが分離された冷媒βは、オイル分
離筒24を介して冷凍サイクルの高圧配管へ送出され、
分離されたオイルγは、旋回流の勢いによって旋回しな
がら底面22bに向かって送られる。油溜室20と連通
する排油孔28は、分離室22の最下部において内周面
22bから旋回流の接線方向に設けられていることか
ら、底面22aに向かって送られるオイルは、そのまま
排油孔28へ導かれ、或いは、底面22aに到達した後
に旋回流の圧力によって排油孔28へ導かれ、しかる後
に内周面22bによって移動方向が束縛されなくなるこ
とから接線方向にスムーズに進み、この排油孔28を通
って油溜室20へ導かれる。尚、油溜室20に導かれた
オイルは、この油溜室20に開口する油路29を介して
各摺動部へ送られる。
【0029】したがって、高圧チャンバ19で分離され
たオイルは、高圧チャンバ19に溜められることなく分
離室22へ導かれ、分離室22で分離されたオイルと共
に旋回しながら分離室の底部に至り、排油孔28を介し
て油溜室20へ送られるので、圧縮機内の潤滑オイルが
油溜室以外の箇所に溜まって利用できなくなる不都合が
なくなり、吐出ポート15から噴出される高圧ガス中の
オイル回収能力を高めることができる。また、高圧チャ
ンバ19は、吐出ガスの脈動と一次的なオイル分離とを
抑える効果を有するが、ここで分離されたオイルは油溜
室20に分離室を介して導かれるので、油溜室20と直
接連通していないことからオイルミストの油溜室20か
らの戻りを懸念する必要がなくなる。
【0030】また、分離室22で分離されたオイルは、
分離室22の底部22aに至っても溜まることがなくな
ることから、オイル分離筒24から送出される冷媒に巻
き上げられて冷凍サイクルの高圧配管へ引き込まれてし
まうことが少なくなり、分離されたオイルの回収能力を
高めることができる。その結果、圧縮機の潤滑に必要な
オイル量を常時圧縮機内に蓄えておくことができ、ま
た、冷凍サイクルを循環するオイル量を少なくすること
ができるので、冷凍サイクルの凝縮器Bや蒸発器Dの熱
伝達が低下したり、蒸発器内でオイルと冷媒との間で熱
交換が行われて冷房能力が低下することを極力抑えるこ
とが可能となる。
【0031】しかも、上述のように、分離室22と油溜
室20とを連通する排油孔28を旋回流の接線方向に設
けたことから、排油孔28が1つであっても分離された
オイルを旋回流によってこの排油孔28へ導くことがで
きるので、回収能力の低下が心配されることはなく、し
たがって、複数の排油孔を形成する必要はなく、製造工
数を削減することができる。また、複数の排油孔を形成
した場合には、オイルミストの油溜室20からの戻りが
多くなることが懸念されていたが、1つの排油孔28の
形成で済むことから、オイルミストの油溜室20からの
戻りも懸念される程ではなくなる。さらに、上述の構成
のように分離室20が傾斜して設けられる場合でも、或
いは、圧縮機の取付によって分離室20がさらに傾くよ
うな場合でも、旋回流の接線方向に排油孔28が形成さ
れていることから、旋回流の圧力によって分離されたオ
イルを排油孔28へ導くことができ、圧縮機の傾きによ
らずに分離されたオイルを油溜室20へ送ることが可能
になる。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る発明
によれば、圧縮されたガスを吐出する第1の吐出室とは
別にこれに連通する第2の吐出室を分離室との間に設
け、第1の吐出室から第2の吐出室に通じる通路を第2
の吐出室の最下部に設けるようにしたので、第2の吐出
室で分離されて最下部に溜まろうとするオイルを第1の
吐出室から送られる高圧ガスによって吹き散らすと共に
分離室へ導くことができる。その結果、オイル分離の促
進や吐出ガスの脈動を緩和するために設けられた第2の
吐出室にオイルが溜まってしまうことがなくなり、オイ
ルの回収能力を向上させることができる。また、第2の
吐出室から直接油溜室へオイルを導くわけではないの
で、オイルミストの油溜室からの戻りを懸念する必要も
なくなる。
【0033】請求項2に係る発明によれば、圧縮室から
送られる高圧ガスを旋回させて旋回流を形成し、ガス中
に混在している油を分離する遠心分離機構を有する分離
室を備えた圧縮室において、分離室で分離された油を油
溜室へ導く排油路を旋回流の接線方向に設けるようにし
たので、分離されたオイルを速やかに油溜室へ導くこと
ができ、オイルが分離された後のガスと共に巻き上げら
れて圧縮機外へ送出されてしまうことが少なくなり、オ
イルの回収能力を向上させることができる。また、排油
路を旋回流の接線方向に設けるようにしたことから、分
離室で分離されたオイルが排油路に導かれやすくなり、
複数の通路を設けなくても、1つの排油路をもって充分
に分離室から油溜室へオイルを導くことができる。その
結果、オイルミストの油溜室からの戻りを抑えると共
に、圧縮機の傾きによらずに分離されたオイルを排油路
を介して油溜室へ導くことが可能となる。
【0034】請求項3に係る発明によれば、請求項1及
び2の両方の構成要素を有しているので、オイルミスト
の油溜室からの戻りを抑えると共に、オイルの回収能力
の更なる向上を図ることが可能となる。
【0035】また、いずれの発明においても、オイルの
回収能力を高めて潤滑に必要なオイルを圧縮機内の油溜
室に保持しておくことができるので、圧縮機の耐久性の
向上が図れ、冷凍サイクルに用いる圧縮機であれば、サ
イクルを循環するオイル量が低減されることから、循環
オイルに起因する冷房能力の低下を抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかるオイル分離機構を有す
る圧縮機の断面図である。
【図2】図2は、図1で示す圧縮機のシリンダブロック
をフロントサイドブロック側から見た図である。
【図3】図3は、図1で示す圧縮機のフロントヘッドを
ロータ側から見た図である。
【図4】図4は、図1で示す圧縮機のフロントサイドブ
ロッを示す図であり、図4(a)は、ロータ側から見た
図であり、図4(b)は、フロントサイドブロック側か
ら見た図である。
【図5】図5は、分離室に設けられた油を分離するため
の遠心分離機構を示す図であり、図5(a)は、ロータ
側から見た断面図、図5(b)は、図5(a)のI−I
線で切断した断面図である。
【符号の説明】
14 吐出室 19 高圧チャンバ 20 油溜室 21 通孔 22 分離室 28 排油孔 22b 内周面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小和田 一隆 埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39番地 株式会社ゼクセル江南工場内 Fターム(参考) 3H029 AA05 AA15 AA21 AB03 BB03 BB35 BB44 CC09 CC22 CC25 CC33 CC45 3H040 AA09 BB05 BB11 CC06 CC09 CC14 CC15 DD23 DD25 DD28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮されたガスを吐出する第1の吐出室
    と、この第1の吐出室と連通し該第1の吐出室から導入
    された前記ガス中に混在する油を分離する分離室と、こ
    の分離室と連通し該分離室で分離された油を溜める油溜
    室とを有するベーン型の圧縮機において、 前記第1の吐出室と前記分離室との間に第2の吐出室を
    設け、前記第1の吐出室から前記第2の吐出室に通じる
    通路を前記第2の吐出室の最下部に設けたことを特徴と
    する圧縮機。
  2. 【請求項2】 圧縮されたガスを吐出する吐出室と、こ
    の吐出室に連通し、前記吐出室から導入された前記ガス
    により旋回流を形成して前記ガス中に混在する油を分離
    する遠心分離機構を備えた分離室と、この分離室に前記
    分離された油を排出する排油路を介して連通し、前記分
    離された油を溜める油溜室とを有する圧縮機において、 前記排油路を前記分離室の内周面から前記旋回流の接線
    方向に形成したことを特徴とする圧縮機。
  3. 【請求項3】 圧縮されたガスを吐出する第1の吐出室
    と、この第1の吐出室に連通し、前記第1の吐出室から
    導入された前記ガスにより旋回流を形成して前記ガス中
    に混在する油を分離する遠心分離機構を備えた分離室
    と、この分離室に前記分離された油を排出する排油路を
    介して連通し、前記分離された油を溜める油溜室とを有
    する圧縮機において、 前記第1の吐出室と前記分離室との間に第2の吐出室を
    設け、前記第1の吐出室から前記第2の吐出室に通じる
    通路を前記第2の吐出室の最下部に設け、前記排油路を
    前記分離室の内周面から前記旋回流の接線方向に形成し
    たことを特徴とする圧縮機。
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