JP2000297639A - 往復動内燃機関のシリンダライナ内壁の温度分布制御方法 - Google Patents

往復動内燃機関のシリンダライナ内壁の温度分布制御方法

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JP2000297639A
JP2000297639A JP11102680A JP10268099A JP2000297639A JP 2000297639 A JP2000297639 A JP 2000297639A JP 11102680 A JP11102680 A JP 11102680A JP 10268099 A JP10268099 A JP 10268099A JP 2000297639 A JP2000297639 A JP 2000297639A
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JP
Japan
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cylinder liner
cooling water
heat insulating
wall
temperature distribution
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JP11102680A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Umemoto
義幸 梅本
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Diesel United Ltd
Original Assignee
Diesel United Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 往復動内燃機関のシリンダライナ内面のピス
トン上死点位置におけるピストンリング位置以下の温度
分布を、硫酸の露点以上で潤滑油の油膜の強度を劣化さ
せない温度に制御する方法を提供する。 【解決手段】 シリンダライナ1の上部カラー1aに、
シリンダライナ1の中心軸線と略平行な方向に穿孔した
冷却水孔15を設け、該冷却水孔15に断熱管21を挿
入して断熱特性を調整することによりシリンダライナ1
内壁の温度分布を調整するに際し、断熱管21の壁面に
開口22を形成することにより断熱管21による断熱特
性を冷却水孔15の長さ方向に変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、往復動内燃機関の
シリンダライナ内壁の温度分布制御方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図2は従来の往復動内燃機関のシリンダ
ライナの中心軸線に沿った正面断面図、図3は図2のシ
リンダライナの上部を拡大して示した断面図である。図
2において、1はシリンダライナ、2はライナ支持環で
あり、シリンダライナ1は、その外周がライナ支持環2
の円筒状内面の軸方向略中央に設けられた環状の座2b
に水密に嵌合し、かつ、上部カラー1aの下面がライナ
支持環2のカラー2aの上面に当接しており、シリンダ
ライナ1及びライナ支持環2は、シリンダ外衣3上に組
み立て保持されている。
【0003】シリンダライナ1の上部カラー1aの上面
には、シリンダカバー4と排気弁筐5の組立体が気密に
当接し、上部カラー1aの上部外周とシリンダカバー4
の下部外周とを包むように冷却水案内環6が気密に取り
付けられている。図2中7はピストン、8はコネクティ
ングロッド、9はピストン7のピストンリング溝に嵌入
されたピストンリング、10は排気弁、11は燃焼室で
ある。図2では2サイクルディーゼル機関の例で示した
ので排気弁10のみが示されているが、4サイクルディ
ーゼル機関の場合は燃焼室11の上部には図示しない吸
気弁も備えられている。
【0004】ピストンリング9はピストン7の外周とシ
リンダライナ1の内壁との隙間の気密を保つように機能
しており、更に、シリンダライナ1内壁のピストン7及
びピストンリング9の摺動範囲は潤滑油により円滑に摺
動するように設計されている。
【0005】シリンダライナ1の外周とライナ支持環2
の中央部の環状の座2bより上部で囲われた環状の空間
はシリンダライナ1を冷却するシリンダライナジャケッ
ト12を構成している。13はライナ支持環2に穿孔さ
れてシリンダライナジャケット12に連通する冷却水入
口孔である。
【0006】シリンダライナ1の上部カラー1aとシリ
ンダカバー4の外周及び冷却水案内環6で囲まれた環状
の空間は冷却水通路14を構成している。
【0007】シリンダライナ1の上部カラー1aの内部
には、シリンダライナジャケット12に連通してシリン
ダライナ1の中心軸線と略平行な方向に穿孔された冷却
水孔15と、該冷却水孔15の上端及び冷却水通路14
に連通してシリンダライナ1の中心軸線と略直角方向
(略半径方向)に穿孔された冷却水孔16とを形成して
いる。冷却水孔15,16は、周方向複数箇所に穿孔さ
れている。
【0008】更に、シリンダカバー4の内部には、冷却
水通路14に連通する冷却水孔17が設けられており、
冷却水孔17は冷却水孔18を介して排気弁ジャケット
19に連通している。
【0009】次に冷却水の流れを説明すると、冷却水は
冷却水入口孔13より流入し、シリンダライナジャケッ
ト12を満たしてシリンダライナ1を冷却し、冷却水孔
15,16を通過する間にシリンダライナ1の最上部を
冷却して冷却水通路14に入る。さらに冷却水孔17,
18を通過して排気弁ジャケット19に入り排気管を冷
却して外部に流出する。
【0010】燃焼室11内では、図示しない燃料弁から
の燃料噴射、図示しない吸気弁、排気弁10の開閉によ
り、ピストン7とピストンリング9の組立体の上下動を
伴う内燃機関の燃焼サイクルが行われ、動力がコネクテ
ィングロッド8を介して出力機構に伝達される。
【0011】燃焼室11は、前記燃焼サイクルによって
間欠的に高温に曝される。特にピストン7が圧縮行程か
ら爆発行程の初期の上死点に近い状態ではガス温度が高
く、膨張行程でピストン7が下降するにつれてガス温度
は低下する。
【0012】図3では、ピストン7とピストンリング9
の組立体が上死点にある時の位置と、燃焼サイクルが行
われている時のシリンダライナ1の内壁の上下方向の温
度分布を示している。
【0013】図3において、軸Y−Yはシリンダライナ
1の中心線であると共に温度グラフのシリンダライナ1
内壁の上下方向の位置を示す縦軸である。軸X−Xは温
度グラフの温度軸で、Y−Y軸との交点を0℃とし矢印
Aの方向に摂氏で温度を目盛ってある。
【0014】冷却水孔15、冷却水孔16の冷却効果は
高く、温度分布はa−b−cとなるが、燃料に硫黄分を
含む重油を使用する場合、燃焼後にシリンダライナ1の
内壁温度が硫酸の露点温度以下となると硫酸腐食が発生
してシリンダライナ1の腐食磨耗を促進するという問題
がある。特にピストンリング9が摺動する部分では其の
傾向が著しい。しかし、硫酸の露点温度よりも高い適正
温度To(以下、適正温度Toと略称する。)以上に保て
ば腐食磨耗を軽減できる。従がって、ピストン7が上死
点位置にある時ピストンリング9の位置(以下、ピスト
ンリング9の上死点位置と略称する。)以下の温度分布
が問題であるが、ピストン7が上死点位置にある間に冷
却水孔15を通過する冷却水がピストンリング9以下の
シリンダライナ1の内壁を過度に冷却してa−b−cと
いう適正温度Toより遥かに低い温度分布にしてしま
う。
【0015】従来、過度の冷却を防止するために、図3
に示すように、冷却水孔15に断熱管20を挿入するこ
とが行われている。しかし、冷却水孔15に断熱管20
を挿入して、ピストンリング9の上死点位置を適正温度
oに保とうとすると、温度分布はa−e−cとなっ
て、ピストンリング9の上死点位置以下のシリンダライ
ナ1の摺動部分の温度をT1のようにかえって高めてし
まう。これは硫酸による腐食磨耗の改善にはなるが、潤
滑油の油膜強度を低下させてピストンリング9とシリン
ダライナ1相互の摺動面を傷つけるスカフを発生させ、
焼き付きの危険性を生じるために好ましくない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】そこで断熱管20の下
端側を切り詰めて短くする試みがなされているが、ピス
トンリング9の上死点位置以下の温度を適正温度To
制御すると、a−d−cの如くピストンリング9の上死
点位置の温度が適正温度Toより低い温度T2となり、さ
らにdの一部がbと共通となる温度まで下がるため、適
切な対策とはならないという問題がある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリンダライ
ナの上部カラーに、シリンダライナの中心軸線と略平行
な方向の冷却水孔を設け、該冷却水孔に断熱管を挿入し
て断熱特性を調整することによりシリンダライナ内壁の
温度分布を調整するに際し、断熱管の壁面に開口を形成
することにより断熱管による断熱特性を冷却水孔の長さ
方向に変化させることを特徴とする往復動内燃機関のシ
リンダライナ内壁の温度分布制御方法、に係るものであ
る。
【0018】本発明によれば、冷却水孔に挿入される断
熱管の長さとは独立に断熱管の壁面に形成した開口によ
り断熱特性を調整できるため、シリンダライナの内壁の
温度分布を自由に制御できる。
【0019】従って、ピストンリングの上死点位置以下
のシリンダライナ内壁温度分布を適正温度に保つことが
できる。よって、硫酸による腐食磨耗を軽減し、かつ、
油膜の強度を保持することが可能となり、内燃機関の寿
命向上に寄与することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を図1
により説明する。なお図1において、従来技術と共通す
る部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0021】図1において、21は、シリンダライナ1
の上部カラー1aに、シリンダライナ1の中心軸線と略
平行な方向に穿孔されている冷却水孔15に挿入した断
熱管である。断熱管21の下部の壁面には、複数の円形
孔からなる開口22が分布して形成されている。
【0022】図1に示した断熱管21は、次のように作
用する。断熱管21の開口22のない上部については従
来技術と同様に冷却され難いが、開口22のある下部に
ついては開口22を通して冷却水が直接冷却水孔15の
壁面を部分的に冷却することになる。このため、断熱管
21の長さ、開口22の大きさ、数及び分布密度などを
適宜調節することにより、ピストンリング9の上死点位
置以下の部分のシリンダライナ1内壁の温度分布を、a
−f−cの如く所定の範囲を適正温度Toに維持するこ
とができ、よって、腐食磨耗を軽減させ、油膜強度低下
に伴うシリンダライナ1とピストンリング9との間での
スカッフや焼き付きを回避することが出来る。
【0023】なお本発明の実施の形態の一例においては
断熱管21の一部に円形孔による開口22を設けること
により熱特性を変える例を説明したが、開口の形状を種
々変更したり、伝熱管の材質や厚み寸法などを組み合わ
せて変更するようにしてもよく、その他、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で変更は自由であることは勿論であ
る。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、シリンダライナの内壁
温度を適正温度に保ちうるため、腐食磨耗を軽減し、シ
リンダライナとピストンリングとの間でのスカッフ、焼
き付きを回避し、内燃機関の信頼性向上に寄与しうると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるシリンダライナ上部冷却構造と
シリンダライナ内壁の温度分布を示す部分拡大断面図で
ある。
【図2】従来技術における内燃機関のシリンダライナ内
壁上部冷却構造を示す正面断面図である。
【図3】図2におけるシリンダライナ上部冷却構造とシ
リンダライナ内壁の温度分布を示す部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 シリンダライナ 1a 上部カラー 15 冷却水孔 21 断熱管 22 開口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダライナの上部カラーに、シリン
    ダライナの中心軸線と略平行な方向の冷却水孔を設け、
    該冷却水孔に断熱管を挿入して断熱特性を調整すること
    によりシリンダライナ内壁の温度分布を調整するに際
    し、断熱管の壁面に開口を形成することにより断熱管に
    よる断熱特性を冷却水孔の長さ方向に変化させることを
    特徴とする往復動内燃機関のシリンダライナ内壁の温度
    分布制御方法。
JP11102680A 1999-04-09 1999-04-09 往復動内燃機関のシリンダライナ内壁の温度分布制御方法 Pending JP2000297639A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011220204A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Diesel United:Kk ディーゼル機関の状態監視運転方法
KR101385792B1 (ko) 2009-06-29 2014-04-16 에이치.세지엘스키-서비스 에스피. 지 오.오. 저속 압축-점화 2-행정 엔진에서 피스톤-실린더 라이너 유닛용 작동 파라미터 결정 방법
CN108917962A (zh) * 2018-07-27 2018-11-30 中国核动力研究设计院 一种用于运动条件下的细棒窄间隙壁温测温装置

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