JP2000297613A - 廃棄物燃焼発電方法及び装置 - Google Patents

廃棄物燃焼発電方法及び装置

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JP2000297613A
JP2000297613A JP11107135A JP10713599A JP2000297613A JP 2000297613 A JP2000297613 A JP 2000297613A JP 11107135 A JP11107135 A JP 11107135A JP 10713599 A JP10713599 A JP 10713599A JP 2000297613 A JP2000297613 A JP 2000297613A
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gas
temperature
waste
superheated steam
heat exchanger
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JP11107135A
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Takahiro Oshita
孝裕 大下
Tetsuhisa Hirose
哲久 広勢
Nobuo Nakada
信夫 中田
Koichi Takahashi
孝一 高橋
Tsutomu Hiramoto
努 平本
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Ebara Corp
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/12Heat utilisation in combustion or incineration of waste

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物の燃焼排ガスあるいは反応炉の流動層
内に含まれる高温溶融塩などの腐食性成分により、熱交
換器が腐食するという問題を引きおこすことなく、過熱
蒸気温度を上げて発電効率を高めることができる廃棄物
を燃焼させて発電する廃棄物燃焼発電方法及び装置を提
供する。 【解決手段】 廃棄物燃焼による高温の燃焼排ガスか
ら、または廃棄物を燃焼させるか又はガス化させる反応
炉の流動層から、熱交換器12により気体を加熱し、該
加熱された気体を熱源として、過熱蒸気を昇温し、昇温
した過熱蒸気を蒸気タービンに供給し、蒸気タービンに
より駆動される発電機15により発電する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種のごみ(廃棄
物)を燃焼した後の燃焼排ガスの熱を利用するか、又は
焼却炉やガス化炉等の反応炉の流動層の熱を利用して、
高温溶融塩腐食による熱交換器のトラブルを避けて高温
高圧の蒸気を得て、発電効率を高くする過熱蒸気の間接
加熱方式に関するものである。なお、流動層の熱を利用
する方式には、バブリング式、内部循環型、外部循環型
流動床ボイラ等がある。
【0002】
【従来の技術】21世紀のごみ(廃棄物)処理は、大き
く変化し、単純な焼却処理からダイオキシン排出がゼロ
で、かつ高効率でエネルギーを回収する循環型システム
へ変革していくと考えられる。まず、ごみの分別収集が
徹底されることから、廃棄物の種類に応じた循環型技術
が求められる。一般的な廃棄物は、ダイオキシン対策と
灰溶融を自己の燃焼熱で同時に達成できるガス化溶融燃
焼技術が主流になり、プラスチック系混合ごみは、化学
原料へ転換するケミカルリサイクル技術が主流になると
考えられる。そして、高効率ごみ発電は発電効率30%
以上の技術が必要になってくると考えられる。
【0003】ごみの燃焼による熱エネルギーを発電に利
用するサーマルリサイクル方式には、ごみの燃焼熱を廃
熱ボイラで蒸気回収し、蒸気タービン・発電機で発電す
る方式が一般的である。係る従来のごみ焼却を利用した
発電方式の一例を図8に示す。これは焼却炉又はガス化
溶融炉11で廃棄物を燃焼し、燃焼排ガスを廃熱ボイラ
13で熱回収し、過熱蒸気を生成する。そして、過熱蒸
気を蒸気タービンに供給して、蒸気タービンに直結した
発電機15により発電する。発電された電力はごみ焼却
場内で消費される他、電力会社に売電される。廃熱ボイ
ラ13を通過した燃焼排ガスは、エコノマイザ等の予熱
器16、バグフィルタ17等を通り、低温のクリーンガ
スとして煙突から大気に放出される。
【0004】ところで、このような蒸気タービン発電に
おいては、その発電効率は蒸気タービンに供給される過
熱蒸気の蒸気温度に大きく依存する。そして、蒸気温度
は高い方が効率が格段に上がるが、従来、実用的なごみ
焼却発電システムにおいては、次の原因で蒸気温度は4
00℃程度が限界とされ、その結果、発電効率は20%
程度にとどまっていた。
【0005】蒸気温度を400℃程度以上に実用的に上
げられない原因は、ごみの燃焼によって生じる塩化水素
などの腐食性ガス成分による腐食及び高温溶融塩腐食の
問題があるためである。飽和蒸気の場合、100kg/cm
程度の圧力でも310℃程度の比較的低温の飽和蒸気
が流れるため、金属伝熱管を使用しても腐食は避けられ
る。しかしながら、過熱蒸気の場合、蒸気温度が400
℃以上の高温となるため、金属伝熱管表面が高温溶融塩
などの腐食性成分に腐食され損傷してしまう。
【0006】その腐食の機構は複雑で、いろいろな要因
が重なり合って反応が生じる。腐食の最大のポイント
は、HCl濃度よりも、NaCl、KClの溶融塩の環
境下に、伝熱管がさらされるか否かである。この環境下
の場合、塩類は溶融して、伝熱管に付着し、これが加速
度的に伝熱管の腐食を進める。
【0007】本発明者らの長年の経験と、都市ごみ焼却
炉を用いた腐食試験から推定した、燃焼排ガス温度ある
いは流動層温度と伝熱管表面温度をパラメータにとっ
た、伝熱管表面の腐食形態を図9に示す。図9に示すよ
うに、燃焼排ガス温度あるいは流動層温度と伝熱管表面
温度によって定まる「激しい腐食領域」、「腐食進行領
域」、「軽腐食領域」及び「腐食しない領域」の4つの
腐食形態が存在する。燃焼排ガスの熱を利用して、過熱
蒸気温度を400℃に昇温した場合、伝熱管表面温度は
その過熱蒸気温度より約30℃高い430℃程度とな
り、図9から排ガス温度600℃近辺が、「腐食進行領
域」と「腐食しない領域」との温度境界になる。このこ
とは、都市ごみ用焼却炉の廃熱ボイラにおいて、ボイラ
バンク部(蒸発水管が密集している部分)へ入る排ガス
温度を600℃以上とすると、塩類が伝熱管に付着して
排ガス流路を閉塞することと一致する。すなわち、塩類
が溶融している状態か固化している状態かの境界が60
0℃近辺にあると考えられる。これは、複合塩の固化温
度と一致する。すなわち塩類の融点は、NaClは80
0℃、KClは776℃であるが、塩類は溶融後複合塩
となるため、固化温度は550〜650℃と低くなり、
また、この固化温度はごみ質(地域差)によっても異な
る。この境界温度は、海岸際の地方都市では600℃以
下になる場合もある。これは塩類の濃度が高いためと考
えられる。また、図9から排ガス温度が500℃以上6
00℃以下であっても、伝熱管表面温度が約430℃以
上になると、「軽腐食領域」に入り、溶融塩腐食よりは
軽微であるが腐食は進行する。従って、この領域で使用
する場合、過熱器管の材料選定は重要となる。尚、通
常、燃焼排ガスの熱を利用する場合には、伝熱管表面温
度は過熱蒸気温度より約30℃高くなる。また、流動層
の熱を利用する場合には、伝熱管表面温度は過熱蒸気温
度より50℃以上高くなるが、HClが少ない分燃焼排
ガスの熱を利用するよりは多少腐食環境は軽微である。
したがって、過熱蒸気温度の腐食許容限界(腐食しない
領域での蒸気温度上限)は約400℃とみてよい。しか
しながら、過熱蒸気温度が400℃の場合は、タービン
のドレンアタックの問題から、蒸気圧力は3.9MPa
程度に抑えられ、ごみ焼却発電の場合、発電端効率は2
0%程度にしか上げられない。
【0008】従って、「腐食進行領域」を避けて、40
0℃以上の過熱蒸気を得るためには、図9から燃焼排ガ
スあるいは流動層の温度が500〜600℃の温度領域
に、過熱蒸気管を設置しなければならない。しかしなが
ら、この場合燃焼排ガス(500〜600℃)と過熱蒸
気(400℃以上)との温度差が小さくなるため、所望
の熱伝達を行うためには熱交換器の伝熱面を大きくする
必要が生じて効率が悪く、設備が大型化するという問題
があった。
【0009】一方、腐食に耐える金属材料を開発して伝
熱管の腐食なしに高い蒸気温度を用いて発電効率を高め
ようとする、材料開発による高効率発電の実用化が試み
られてきた。しかしながら材料開発は、技術的にも経済
的にも難しく、未だ実用的な目途は立っていない。ま
た、ごみに石灰等を添加して固形燃料化することで、脱
塩素、脱硫を図るRDF発電方式が試みられている。し
かしながら、この方式ではHCl成分は少なくできて
も、溶融塩腐食は従来とほぼ同等である。従って、温度
500℃の過熱蒸気を、温度600℃以上の排ガスまた
は流動層で得ようとすると、伝熱管表面温度は530℃
程度以上となり、図9で見ると、「腐食進行領域」また
は「激しい腐食領域」に伝熱管がさらされてしまうこと
になる。
【0010】また、ガスタービンで発電すると共に、ガ
スタービンの廃熱でごみ廃熱ボイラの蒸気を再加熱し、
蒸気タービン・発電機の発電効率を高めるスーパーごみ
発電が試みられている。しかしながら、この方式は廃棄
物以外に他の良質燃料を多量に使う必要があること、及
び経済性に問題がある。更にまた、ごみ廃熱ボイラの蒸
気を別途燃料で追い焚きして再加熱し、蒸気タービンの
発電効率を高める燃料追い焚き方式が検討されている。
しかしながら、この方式も廃棄物以外に他の良質燃料を
多量に使うので、経済性に問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した事情
に鑑みて為されたもので、廃棄物の燃焼排ガスあるいは
反応炉の流動層内に含まれる高温溶融塩などの腐食性成
分により、熱交換器が腐食するという問題を引きおこす
ことなく、過熱蒸気温度を上げて発電効率を高めること
ができる廃棄物を燃焼させて発電する廃棄物燃焼発電方
法及び装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明の廃棄物燃焼発電方法は、廃棄物燃焼によ
る高温の燃焼排ガスから、または廃棄物を燃焼させるか
又はガス化させる反応炉の流動層から、熱交換器により
気体を加熱し、該加熱された気体を熱源として、過熱蒸
気を昇温し、昇温した過熱蒸気を蒸気タービンに供給
し、蒸気タービンにより駆動される発電機により発電す
ることを特徴とするものである。
【0013】本発明の廃棄物燃焼発電装置は、廃棄物を
燃焼させるか又はガス化させる反応炉と、前記反応炉か
らの燃焼排ガスと気体との間で熱交換を行うか又は反応
炉内の流動層と気体との間で熱交換を行い前記気体を加
熱する熱交換器と、前記加熱された気体と過熱蒸気との
間で熱交換を行い前記過熱蒸気を昇温する加熱器と、前
記昇温された過熱蒸気が供給される蒸気タービンと、蒸
気タービンにより駆動される発電機とを備えたことを特
徴とするものである。
【0014】本発明は、廃棄物の燃焼によって得られた
燃焼排ガスの熱を利用するか、または焼却炉やガス化炉
等の反応炉の流動層の熱を利用して、熱交換器の伝熱管
内を流れる空気等の気体を加熱し、この加熱された気体
を熱源として、廃熱ボイラ等によって得られた過熱蒸気
を昇温し、昇温した過熱蒸気を蒸気タービンに供給し、
発電をするものである。即ち、燃焼排ガス又は流動層の
熱で直接過熱蒸気を昇温するのではなく、空気等の気体
を加熱し、この加熱された気体によって過熱蒸気を昇温
するようにしたものである。燃焼排ガスや流動層によっ
て空気等の気体を加熱する熱交換器は、蒸気の場合のよ
うに高圧にする必要がないため、ボイラー構造規格や発
電用火力設備の技術水準等の法規に定められた材料を使
用する必要がない。そのために、高温強度が不要で、腐
食に強い規格外の材料を使用することができる。特に耐
熱性鋳鋼やセラミックスは腐食に強いことが知られてい
たが、従来の方法では、これらの材料を法規上過熱蒸気
管に使用することができなかったが、本発明では過熱蒸
気管としてではなく低圧の気体加熱用としてであるため
にこれらの材料を使用できるようになる。
【0015】上述した本発明によれば、高温の燃焼排ガ
スあるいは流動層の熱は高温熱交換器の管路に接触し
て、管路中を流れる空気等の気体を加熱する。次に、廃
熱ボイラで得られた400℃程度の過熱蒸気をこの70
0℃程度の空気などの気体で再加熱することにより、5
00℃程度の過熱蒸気を容易に生成することができる。
この再加熱に使用される熱媒体は、燃焼排ガスではない
ので、過熱蒸気管の高温溶融塩腐食の問題は生じない。
更に、過熱蒸気管は燃焼排ガスあるいは流動層ではなく
て空気が加熱源であるため、ダスト等の管表面への付着
による熱伝達係数の低下がなく、過熱蒸気加熱器はコン
パクトなものとすることができる。そして、この500
℃以上の高温の過熱蒸気を蒸気タービン・発電機に供給
することで、腐食の問題なしに発電効率30%以上の高
効率発電が達成可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本発明の
廃棄物燃焼発電方法の第1の態様のフロー図である。焼
却炉又はガス化溶融炉11では、ごみ(廃棄物)を燃焼
して、燃焼排ガスを生成する。燃焼排ガスは、耐熱性鋳
鋼又はセラミックス等を使用した高温熱交換器12を通
され、空気等の気体を好ましくは700℃程度に加熱す
る。高温熱交換器12を通過した燃焼排ガスは、廃熱ボ
イラ13により、給水された水から蒸気を生成し、更に
これらを加熱して蒸気圧力100kg/cm程度、蒸気温
度400℃程度の過熱蒸気を生成する。過熱蒸気は、高
温熱交換器12により加熱された700℃程度の空気等
の気体と過熱蒸気加熱器14で熱交換され、500℃程
度に加熱される。この過熱蒸気が蒸気タービン・発電機
15に供給され、発電する。廃熱ボイラ13を出た燃焼
排ガスは、空気予熱器16で空気等の流体を予熱し、ま
た、エコノマイザで給水を加熱して給水水温を高める。
空気予熱器16等を通り低温となった燃焼排ガスは、バ
グフィルタ17等により集塵されてクリーンガスとし
て、煙突から排出される。
【0017】このように、焼却炉又はガス化溶融炉から
出る高温排ガスラインに高温熱交換器を設置し、ここで
空気等の気体を600℃以上、好ましくは700℃以上
に昇温し、該高温空気により、過熱蒸気加熱器14に
て、400℃程度の過熱蒸気を500℃程度に昇温す
る。過熱蒸気加熱器14を出た蒸気は蒸気タービンに供
給され、蒸気タービンに直結した発電機15で発電す
る。過熱蒸気加熱器14で熱交換して温度が下がった空
気等の気体は、循環ファン31により再び高温熱交換器
12に戻り、ここで再加熱された後に過熱蒸気加熱器1
4に循環する。なお、循環しないで焼却炉又はガス化溶
融炉11の燃焼用空気として使用してもよい。
【0018】また、高温の空気等の気体の循環量を多く
すると、高温熱交換器出口の気体温度を高温にしなくて
も、600℃程度でも過熱蒸気加熱器出口の過熱蒸気温
度を500℃以上に加熱することができる。過熱蒸気加
熱器の伝熱面積は大きくなるが、高温熱交換器の管表面
温度が低めとなるので、材料寿命を延ばすことができ
る。図1に示す例においては、焼却炉又はガス化溶融炉
へ供給する燃焼用空気を加熱するための高温熱交換器は
図示していないが、発熱量の低い廃棄物の場合には、別
途設けてもよい。
【0019】なお、焼却炉の場合は、排ガス温度が85
0℃程度のため、高温熱交換器において排ガスと空気等
の気体との温度差が小さくなるため、伝熱面積が大きく
なるが、ガス化溶融炉の場合には、燃焼温度が1200
℃以上となるため、温度差が大きくなり、伝熱面積は小
さくて済む。前記気体としては、空気以外には、窒素等
の不活性ガスが好ましい。
【0020】図2は、本発明の廃棄物燃焼発電方法の第
2の態様のフロー図であり、夜間等に発電出力を抑える
場合、あるいは低負荷運転を行う場合の方法を示す。高
温熱交換器12と過熱蒸気加熱器14との間で空気等の
気体が循環する循環ラインを閉止し、高温熱交換器12
において燃焼排ガスとの熱交換により高温になった空気
等の気体を焼却炉又はガス化溶融炉11へ直接供給する
ことにより、発電出力は低下する。即ち、廃熱ボイラ1
3により生成された過熱蒸気は、過熱蒸気加熱器14で
は過熱されることなく蒸気タービンに流入するので、発
電機15の発電出力は低下する。空気等の気体は予熱器
16を介して高温熱交換器12に供給され、ここで加熱
された後、前述したように焼却炉又はガス化溶融炉11
に供給される。本例においては、各経路には4つのバル
ブV1,V2,V3,V4が設置されており、バルブV
1,V2を開き、バルブV3,V4を閉じることによ
り、空気等の気体は予熱器16、高温熱交換器12を介
して焼却炉又はガス化溶融炉11に直接供給される。ま
た、廃棄物供給量を減らすことにより焼却炉又はガス化
溶融炉の高温を維持する熱量が不足するが、本方式によ
れば高温の空気等の気体を流動化用ガス又はガス化剤又
は酸化剤として供給することができるので、低負荷時に
も安定な運転を行うことができる。
【0021】次に、図2に示す本発明の態様の背景およ
び効果を説明する。電力会社は、廃棄物発電が行われ自
家消費された後の余剰電力を、朝8時頃から夜10時頃
までのいわゆる「昼間」には電力需要が多いので高い購
入電力単価で、逆に、夜10時頃から朝8時頃までのい
わゆる「夜間」には電力需要が少ないため安い購入電力
単価で、購入する制度を設けている。電力会社によって
は、昼間の余剰電力購入単価が夜間の余剰電力購入単価
の4〜5倍になっているものもある。
【0022】そこで、限られた量の廃棄物を利用して廃
棄物発電を行うという観点からは、電力会社の購入単価
の高い昼間に高負荷燃焼し発電電力量を最大限多くし、
購入単価の安い夜間に低負荷燃焼運転にして廃棄物量の
消費を抑制するという運転方法が求められる。しかしな
がら、従来の焼却炉やガス化溶融燃焼方法で低負荷運転
を行う場合には自己燃焼熱のみによる高温維持ができな
くなるという問題点があった。
【0023】さらに、焼却炉の場合、廃棄物燃焼発電に
よりエネルギー回収された発電電力が場内で消費される
だけでなく廃棄物燃焼灰を溶融処理するために、アーク
式、電気抵抗式、プラズマ式等の電気溶融処理方式が用
いられることが多いが、廃棄物燃焼灰の溶融処理のため
には大量の電力を消費するため、売電電力量が結果とし
て大幅に低下してしまうという問題点があった。
【0024】そこで、図2に示す本発明の廃棄物燃焼発
電方法は、高負荷時に、廃棄物の焼却又はガス化溶融燃
焼による高温の燃焼排ガスから、高温熱交換器12によ
り、空気または酸素含有気体を加熱し、該加熱された空
気又は酸素含有気体を熱源として、過熱蒸気加熱器14
にて過熱蒸気を昇温し、昇温した過熱蒸気を蒸気タービ
ンに供給し、蒸気タービンにより駆動される発電機によ
り発電する廃棄物燃焼発電システムにおいて、低燃焼負
荷時に、該加熱された空気または酸素含有気体の全部ま
たは一部が過熱蒸気加熱器14をバイパスし、焼却炉又
はガス化溶融炉11へ直接供給され、熱エネルギーを補
填し同時に発電することを可能とするものである。即
ち、焼却炉においては、低負荷運転を伴う場合に油など
の助燃材を使用せず、完全燃焼に必要な高温を維持し、
廃棄物ガス化溶融発電方法においては、低負荷運転を伴
う場合に油などの助燃材を使用せず、廃棄物中の灰分を
廃棄物の自己燃焼熱により溶融スラグ化することができ
る。
【0025】さらに、廃棄物ガス化溶融発電方法におい
て、限られた量の廃棄物を利用して廃棄物発電を行うと
いう観点からは、電力会社の購入単価の高い昼間に高負
荷燃焼し発電電力量を最大限多くし、購入単価の安い夜
間に低負荷燃焼運転にして廃棄物量の消費を抑制すると
いう運転方法を採用することが好ましい。
【0026】図3は、本発明の廃棄物燃焼発電方法の第
3の態様のフロー図であり、層内伝熱管付の流動床炉の
例を示す。即ち、廃棄物を燃焼させるか、又はガス化さ
せる反応炉としての流動床炉32の流動層33内には、
層内伝熱管からなる高温熱交換器12が配設されてい
る。層内伝熱管内の流体は過熱蒸気ではなく空気等の気
体である。高温熱交換器12で過熱された気体は、図1
に示す例と同様に過熱蒸気加熱器14を循環するように
なっている。流動層33内の流動媒体の保有する熱によ
り高温熱交換器12にて、空気等の気体を600℃以
上、好ましくは700℃以上に昇温し、該高温空気によ
り、過熱蒸気加熱器14にて、400℃程度の過熱蒸気
を500℃程度に昇温する。過熱蒸気加熱器14を出た
蒸気は蒸気タービンに供給され、蒸気タービンに直結し
た発電機15で発電する。過熱蒸気加熱器14で熱交換
して温度が下がった空気等の気体は、循環ファン31に
より再び高温熱交換器12に戻り、ここで再加熱され
る。図3に示す例においても図1と同様の作用、効果を
奏する。
【0027】図4は、本発明の廃棄物燃焼発電方法の第
4の態様のフロー図であり、外部熱交換器を備えた外部
循環流動床ボイラの例を示す。外部循環流動床ボイラ
は、コンバスタ41とサイクロン42とを備えており、
コンバスタ41とサイクロン42とは上下部にて相互に
接続されており、流動媒体はコンバスタ41とサイクロ
ン42との間を循環するようになっている。またサイク
ロン42の底部とコンバスタ41との間には高温熱交換
器12が配置されている。そして、サイクロン42と高
温熱交換器12との間のバルブV5を開くことにより、
サイクロン42の底部から高温の流動媒体を高温熱交換
器12に導き、空気等の気体を加熱することができるよ
うになっている。また高温熱交換器12内の流動媒体は
気体と熱交換を行ったあとコンバスタ41に戻る。熱交
換により加熱された気体は、過熱蒸気加熱器14に供給
された後に循環ファン31により高温熱交換器12に循
環するようになっている。
【0028】一方、サイクロン42を出た燃焼排ガス
は、廃熱ボイラ13、エコノマイザ44を通ってバグフ
ィルタ17に流入し、その後、煙突45から排出され
る。一方、給水は、エコノマイザ44にて給水水温が高
められた後、コンバスタ41のメンブレンを通って廃熱
ボイラ13にて400℃程度の過熱蒸気となる。過熱蒸
気は、高温熱交換器12により加熱された700℃程度
の空気等の気体と過熱蒸気加熱器14で熱交換され、5
00℃程度に加熱される。この過熱蒸気が蒸気タービン
・発電機15に供給され、発電する。図4に示す例にお
いては、コンバスタ41、サイクロン42、高温熱交換
器12の三者が反応炉を構成し、この反応炉内に循環流
動層が形成されている。図4に示す例においても、図1
に示す例と同様の作用、効果を奏する。なお、図示して
いないが、図3および図4に示す例においても、図2に
示す例と同様の低負荷運転の方式を行うこともできる。
【0029】図5は、熱交換器の一例であるバヨネット
式熱交換器の構造例を示す。バヨネット式熱交換器は、
多数の二重管構造の熱交換部51を具備している。図5
では一個の二重管構造の熱交換部のみを示す。二重管構
造の熱交換部51は、一端が開口し他端が閉塞した略円
筒容器状の外筒52と、両端が開口した円筒状の内筒5
3とからなっている。高温の燃焼排ガスは、外筒52の
外面に接触する。低温の空気等の気体は、内筒53の一
端から流入し、他端の開口から外筒52と内筒53の間
の環状空間に流入し、外筒52の一端の開口より流出す
る。この間に、空気等の気体は燃焼排ガスと熱交換を行
い加熱される。バヨネット式熱交換器は、二重管構造の
熱交換部51を具備しているため、燃焼排ガスと気体と
の熱交換が二段階にわたって行われる。即ち、内筒53
内を流れる流体と外筒52と内筒53との間の空間を流
れる気体との間で行われる熱交換と、外筒52の外部の
燃焼排ガスと、外筒52と内筒53との間の空間を流れ
る気体との間で行われる熱交換とからなる2段階の熱交
換である。また、高温熱交換器の材料は高温のため、熱
膨張量が多いので、伝熱管を両端固定すると、熱膨張対
策を施さなければならないため構造が複雑となるので、
本方式のような片持ちが構造が簡単で有利である。
【0030】バヨネット式熱交換器に使用される耐熱性
鋳鋼はJISのSCH材あるいは相当品が望ましい。特
にNi、Cr含有率の多い鋳鋼は、材料温度1000℃
以上でもクリープ強度が10MPa以上のものがある。
セラミックスの場合には、SiC(炭化珪素)が好まし
い。ガス化溶融炉の1350℃程度の高温排ガスに、S
iC、アルミナ、窒化ケイ素の素材片を1ヶ月暴露した
ところ、アルミナ、窒化珪素は完全に溶けてしまった
が、SiCは、厚さ10mmから5mmまで減肉したが、原
形をとどめていた。また、排ガスの流れ方向での減肉が
大きく、流れが弱いところでは減肉は少なかった。排ガ
ス温度とSiCの減肉の関係は、SiC表面温度が10
00℃以下ならば、排ガスの流れ方向での減肉もほとん
ど生じていない。
【0031】以上のことから、耐熱性鋳鋼またはSiC
を熱交換器材料として、材料表面温度を1000℃以下
とすれば、耐用時間を大幅に延ばすことが可能である。
もちろん、使用材料は使用条件により選定されるが、基
本的にはいかなる材料を使ってもよい。尚、熱交換器は
バヨネット式に限定されるものではないが、熱膨張対策
が不要の本方式が好ましい。
【0032】図6は、本発明の廃棄物燃焼発電方法の第
5の態様のフロー図であり、流動床ガス化炉と旋回溶融
炉とを用いて、廃棄物をガス化して燃焼させるガス化溶
融システムに適用した例を示す。廃棄物はまず、流動床
ガス化炉21に投入され、廃棄物の燃焼に必要な理論酸
素量よりも低い酸素量の酸欠状態で500〜600℃に
加熱され、ガス化される。尚、この流動床ガス化炉によ
れば、流動層温度が低く、しかも還元雰囲気であるた
め、鉄、銅、アルミなどの金属を未酸化の状態で回収可
能である。流動床ガス化炉で生成された、チャー、ター
ル等を含む熱分解ガスは旋回溶融炉22に送られ、補助
燃料なしで1200〜1500℃の高温で燃焼する。ガ
ス燃焼が主体となるため、1.3程度の低空気比燃焼が
可能であり、これにより排ガス量を低減できる。そし
て、1200℃以上で燃焼するため、ダイオキシンの完
全分解が可能である。そして、旋回流を用いることで遠
心力効果によりスラグを効率よく分離でき、重金属等の
有害物はスラグ中に封じ込め、これを冷却してガラス状
の固体物中に重金属を封じ込めることができる。
【0033】溶融炉22には一体的に廃熱ボイラ24が
接続して設けられ、高温熱交換器23はその輻射伝熱部
に設けられている。高温熱交換器23は、管路材として
耐熱性鋳鋼又はSiC(セラミックス)等を使用した熱
交換器であり、管路中を流れる150〜300℃程度に
予熱された空気を600〜800℃に加熱する。この時
の燃焼排ガスの温度は1000〜1300℃、好ましく
は1200℃程度が灰分の付着を避けるため都合良く、
温度差が大きく取れるので、熱交換面積を小さくでき
る。このため、熱交換器をコンパクトな構造とすること
ができる。熱交換器の管路中には、0.05kg/cm
度の低圧の空気が流れるので、耐圧構造とする必要がな
く、規格外の管材料を用いることができるわけである。
尚、高温熱交換器23の設置場所は、廃熱ボイラの輻射
伝熱部に限定されるものではなく、溶融炉22と廃熱ボ
イラ24の間であればよい。例えば、溶融炉22の後に
ダクトを設け、そのダクト内に設置してもよい。
【0034】高温熱交換器23にて600〜800℃に
加熱された空気は、過熱蒸気加熱器25で熱交換して4
00℃程度の過熱蒸気を450〜540℃に加熱する。
熱交換により温度が下がった空気は、循環ファン31に
より再び高温熱交換器23に戻り再加熱される。なお、
過熱蒸気加熱器25を出たあと高温熱交換器23に戻る
ことなく、即ち、循環しないで旋回溶融炉22に燃焼用
空気として供給してもよい。過熱蒸気加熱器25で昇温
された圧力100kg/cm程度、温度450〜540℃
の過熱蒸気は、蒸気タービン・発電機26の蒸気タービ
ンに供給され、これに直結した発電機で発電する。これ
により、高温溶融塩腐食という問題を避けつつ、発電端
効率約30〜32%が達成される。尚、過熱蒸気温度を
高くするほど発電端効率は高くなる。
【0035】過熱蒸気管30は、高温熱交換器23で空
気との熱交換と、廃熱ボイラ24の輻射伝熱部による熱
吸収とにより、温度が600℃程度に低下した燃焼排ガ
スを用いて、400℃程度の過熱蒸気を生成する。燃焼
排ガスもその温度が600℃程度に低下すると高温溶融
塩腐食の問題が生じないことは、図9に示す通りであ
る。廃熱ボイラ24の燃焼排ガスの出口温度は350℃
程度であり、エコノマイザ27で給水を予熱すると共
に、空気予熱器28で高温熱交換器に供給する空気を1
50〜300℃に予熱する。そして、160℃程度に温
度が低下した燃焼排ガスをバグフィルタ等の除塵器29
を通して除塵してクリーンガスとして煙突より排出す
る。
【0036】廃棄物のガス化・溶融燃焼システムは低空
気比運転ができるのでボイラ効率が高く、通風設備の消
費電力が大幅に下がり、かつ灰溶融のための電力が不要
のため、送電端効率は大きく向上する。言うまでもない
が、高効率サーマルリサイクルとは、高効率発電ではな
く、高効率送電である。また、他の補助燃料を用いるこ
となく運転が可能であり、合理的かつ経済的である。表
1に各方式による送電端効率の比較例を示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1において、100ata×540℃、4
0ata×400℃、100ata×500℃は、いずれも各
システムにおける過熱蒸気の圧力と温度である。表1よ
り、図6に示したガス化溶融システムにより高温・高圧
(100ata×500℃)の過熱蒸気を得て発電する方
式(ガス化溶融−II)が、送電端効率では28.1%と
最も高いことが示される。焼却炉+灰溶融炉の組合せ
は、本発明の高温過熱蒸気を得て発電する方法の採用に
より、発電端効率は最も高いものの、灰溶融炉で消費す
る電力量が大きいため、送電端効率は26.1%に下が
ってしまう。また、燃焼排ガスで直接に加熱して昇温し
た過熱蒸気(40ata×400℃)を用いて発電する従
来型のシステム(ガス化溶融−I)が発電端効率および
送電端効率ともに最も低いことが示される。なお、図6
に示したガス化溶融システムにより、100ata×54
0℃の過熱蒸気を得れば、発電端効率は35%、送電端
効率は32%程度になる。
【0039】図7は図6に示すガス化溶融システムの主
要構成機器の典型的な形状を示したものである。流動床
ガス化炉21は内部旋回流を有する円筒形流動床炉であ
り、原料の炉内拡散性を高めて安定したガス化を行わせ
ている。炉内中央の流動媒体が沈降している部分には酸
素を含まないガスを供給し、炉内周辺部にのみ酸素を供
給することにより、流動床ガス化炉内で発生したチャー
の選択燃焼が可能になり、炭素転換率、冷ガス効率の向
上に寄与する。また溶融炉22は旋回型溶融炉である。
【0040】図7に示す円筒形流動床炉を、以下に詳細
に説明する。円筒形流動床炉の炉床には、円錐状の分散
板106が配置されている。分散板106を介し供給さ
れる流動化ガスは、炉底中央部204付近から炉内へ上
向き流として供給される中央流動化ガス207及び炉底
周辺部203から炉内へ上向き流として供給される周辺
流動化ガス208からなる。
【0041】中央流動化ガス207は酸素を含まないガ
スからなり、周辺流動化ガス208は酸素を含むガスか
らなっている。流動化ガス全体の酸素量が、可燃物の燃
焼に必要な理論燃焼酸素量の10%以上30%以下とさ
れ、炉内は、還元雰囲気とされる。
【0042】中央流動化ガス207の質量速度は、周辺
流動化ガス208の質量速度より小にされ、炉内周辺部
上方における流動化ガスの上向き流が壁206により炉
の中央部へ向かうように転向される。それによって、炉
の中央部に流動媒体(硅砂を使用)が沈降拡散する移動
層209が形成されるとともに炉内周辺部に流動媒体が
活発に流動化している流動層210が形成される。流動
媒体は、矢印118で示すように、炉周辺部の流動層2
10を上昇し、次に壁206により転向され、移動層2
09の上方へ流入し、移動層209中を下降し、次に矢
印112で示すように、分散板106に沿って移動し、
流動層210の下方へ流入することにより、流動層21
0と移動層209の中を矢印118および112で示す
ように循環する。
【0043】原料フィーダ101によって移動層209
の上部へ供給された可燃物aは、流動媒体とともに移動
層209中を下降する間に、流動媒体のもつ熱により加
熱され、主として揮発分がガス化される。移動層209
には、酸素がないか少ないため、ガス化された揮発分か
らなる熱分解ガス(生成ガス)は燃焼されないで、移動
層209中を矢印116のように抜ける。それ故、移動
層209は、ガス化ゾーンGを形成する。フリーボード
107へ移動した生成ガスは、矢印120で示すように
上昇し、フリーボード107を経てガス出口108から
生成ガスgとして排出される。
【0044】移動層209でガス化されない、主として
チャー(固定炭素分)やタールは、移動層209の下部
から、流動媒体とともに矢印112で示すように炉内周
辺部の流動層210の下部へ移動し、比較的酸素含有量
の多い周辺流動化ガス208により燃焼され、部分酸化
される。流動層210は、可燃物の酸化ゾーンSを形成
する。流動層210内において、流動媒体は、流動層内
の燃焼熱により加熱され高温となる。高温になった流動
媒体は、矢印118で示すように、壁206により反転
され、移動層209へ移り、再びガス化の熱源となる。
流動層の温度は、400〜1000℃、好ましくは40
0〜600℃に維持され、抑制された燃焼反応が継続す
るようにされる。流動層ガス化炉の底部外周側の部分に
は、不燃物を排出するための不燃物排出口205が複数
個形成されている。
【0045】図7に示す流動床ガス化炉によれば、流動
層炉内にガス化ゾーンGと酸化ゾーンSが形成され、流
動媒体が両ゾーンにおいて熱伝達媒体となることによ
り、ガス化ゾーンGにおいて、発熱量の高い良質の可燃
ガスが生成され、酸化ゾーンSにおいては、ガス化困難
なチャーやタールを効率よく燃焼させることができる。
それ故、廃棄物等の可燃物のガス化効率を向上させるこ
とができ、良質の生成ガスを生成することができる。な
お、ガス化炉には円筒形流動床炉に限ることなく、キル
ンやストーカー方式の炉を採用してもよい。
【0046】次に、旋回型溶融炉を説明する。溶融炉2
2は垂直の軸線を有する円筒形の1次燃焼室115a、
および水平からわずかに下向きに傾斜した2次燃焼室1
15b、およびその下流に配され、ほぼ垂直の軸線を有
する3次燃焼室115cによって構成されている。2次
燃焼室115bと3次燃焼室115cの間にスラグ排出
口142を有し、ここで大部分の灰分はスラグ化して排
出される。旋回型溶融炉に供給される生成ガスは1次燃
焼室115a内で旋回流を生じるよう、接線方向に供給
される。流入した生成ガスは旋回流を形成し、ガス中の
固形分は遠心力によって周辺の壁面に捕捉されるのでス
ラグ化率、スラグ捕集率が高く、スラグミストの飛散が
少ないのが特長である。
【0047】旋回溶融炉内には炉内を適正な温度分布に
保つよう、複数のノズル134から空気又は酸素が供給
される。1次燃焼室115a、2次燃焼室115bまで
でほぼ完全に炭化水素やカーボン等の可燃物の分解と灰
のスラグ化を完了させるように温度分布を調整する。
【0048】スラグは2次燃焼室115bの下面を流下
し、スラグ排出口142から溶融スラグ126として排
出される。3次燃焼室115cは未燃物質の最終完全分
解をするためと、その下流に設けられた廃熱ボイラから
の輻射冷却によってスラグ排出口142が冷却されない
ようにするための干渉ゾーンの役割を果たしている。3
次燃焼室115cの上端には燃焼排ガスを排気する排気
口144が設けられ、通常その上部に高温熱交換器と廃
熱ボイラが設けられる。なお符号132は始動バーナ、
符号136は助燃バーナである。
【0049】
【発明の効果】本発明は高温の燃焼排ガス中に、あるい
は流動層中に耐熱性鋳鋼又はセラミックス等の管路を配
置して空気等の気体を加熱し、この高温の空気等の気体
と熱交換することで、過熱蒸気を再加熱するようにした
ものである。これにより、腐食性ガスを含む廃棄物の燃
焼排ガス又は流動層から、高温溶融塩腐食を避けて、過
熱蒸気温度450〜540℃を得ることができ、発電端
効率30%以上を得ることが可能となった。
【0050】また、本発明によれば、廃棄物発電システ
ムにおいて、売電単価の高い時間帯に高燃焼負荷運転を
行い、売電単価の低い時間帯に低燃焼負荷運転を行うこ
とにより売電収入の最大化が図られると同時に低燃焼負
荷運転時にも燃焼ガス温度が完全燃焼に必要な高温を維
持し、あるいは灰分の溶融可能温度領域に維持されるの
で、ダイオキシン等を完全分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物燃焼発電方法の第1の態様のフ
ロー図である。
【図2】本発明の廃棄物燃焼発電方法の第2の態様のフ
ロー図であり、夜間等に発電出力を抑える場合、あるい
は低負荷運転を行う場合の方法を示す。
【図3】本発明の廃棄物燃焼発電方法の第3の態様のフ
ロー図であり、層内伝熱管付の流動床炉の例を示す。
【図4】本発明の廃棄物燃焼発電方法の第4の態様のフ
ロー図であり、外部熱交換器を備えた外部循環流動床ボ
イラの例を示す。
【図5】バヨネット式熱交換器の説明図である。
【図6】本発明の廃棄物燃焼発電方法の第5の態様のフ
ロー図であり、流動床ガス化炉と旋回溶融炉とを用い
て、廃棄物をガス化して燃焼させるガス化溶融システム
に適用した例を示す。
【図7】図6に示すガス化溶融システムの主要機器構成
の典型的な形状を示した図である。
【図8】従来の廃棄物燃焼発電方式の概要を示す説明図
である。
【図9】燃焼排ガス温度(横軸)と管路表面温度(縦
軸)による腐食の関係を示す図である。
【符号の説明】
11 燃焼炉又はガス化溶融炉 12,23 高温熱交換器 13,24 廃熱ボイラ 14,25 過熱蒸気加熱器 15,26 蒸気タービン・発電機 16,28 空気予熱器 17 バグフィルタ 21 流動層ガス化炉 22 溶融炉 29 除塵器 31 循環ファン 32 流動床炉 33 流動層 41 コンバスタ 42 サイクロン 44 エコノマイザ 45 煙突 51 熱交換部 52 外筒 53 内筒 101 原料フィーダ 103 集塵装置 106 分散板 107 フリーボード 108 ガス出口 115a 1次燃焼室 115b 2次燃焼室 115c 3次燃焼室 126 溶融スラグ 134 ノズル 136 助燃バーナ 142 スラグ排出口 144 排気口 203 炉底周辺部 204 炉底中央部 205 不燃物排出口 206 壁 207 中央流動化ガス 208 周辺流動化ガス 209 移動層 210 流動層 a 可燃物 b 生成ガス G ガス化ゾーン S 酸化ゾーン V1,V2,V3,V4,V5 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 信夫 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 高橋 孝一 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 平本 努 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 3G081 BA02 BB00 BC11 3K065 AA11 AB02 AC01 BA01 JA04 JA05 JA14 JA18

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物燃焼による高温の燃焼排ガスか
    ら、または廃棄物を燃焼させるか又はガス化させる反応
    炉の流動層から、熱交換器により気体を加熱し、該加熱
    された気体を熱源として、過熱蒸気を昇温し、昇温した
    過熱蒸気を蒸気タービンに供給し、蒸気タービンにより
    駆動される発電機により発電することを特徴とする廃棄
    物燃焼発電方法。
  2. 【請求項2】 前記熱交換器の燃焼排ガスに接触する伝
    熱管は耐熱性鋳鋼により形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の廃棄物燃焼発電方法。
  3. 【請求項3】 前記熱交換器の燃焼排ガスに接触する伝
    熱管はセラミックスにより形成されていることを特徴と
    する請求項1記載の廃棄物燃焼発電方法。
  4. 【請求項4】 前記熱交換器は、バヨネット式熱交換器
    であることを特徴とする請求項2又は3に記載の廃棄物
    燃焼発電方法。
  5. 【請求項5】 前記過熱蒸気は、燃焼排ガスを廃熱ボイ
    ラに導くことにより生成されることを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか1項に記載の廃棄物燃焼発電方法。
  6. 【請求項6】 前記気体と過熱蒸気との熱交換は、過熱
    蒸気加熱器により行うことを特徴とする請求項1記載の
    廃棄物燃焼発電方法。
  7. 【請求項7】 前記気体は、熱交換器と過熱蒸気加熱器
    の間を循環することを特徴とする請求項6に記載の廃棄
    物燃焼発電方法。
  8. 【請求項8】 低負荷時には、前記熱交換器と過熱蒸気
    加熱器を結ぶ経路を閉止し、熱交換器により加熱された
    高温気体を焼却炉又はガス化溶融炉へ供給することを特
    徴とする請求項7に記載の廃棄物燃焼発電方法。
  9. 【請求項9】 前記気体は空気であり、前記熱交換器に
    は、前記燃焼排ガスの低温部に設置された空気予熱器に
    より予熱された空気を供給することを特徴とする請求項
    1乃至8のいずれか1項に記載の廃棄物燃焼発電方法。
  10. 【請求項10】 廃棄物を燃焼させるか又はガス化させ
    る反応炉と、前記反応炉からの燃焼排ガスと気体との間
    で熱交換を行うか又は反応炉内の流動層と気体との間で
    熱交換を行い前記気体を加熱する熱交換器と、前記加熱
    された気体と過熱蒸気との間で熱交換を行い前記過熱蒸
    気を昇温する加熱器と、前記昇温された過熱蒸気が供給
    される蒸気タービンと、蒸気タービンにより駆動される
    発電機とを備えたことを特徴とする廃棄物燃焼発電装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102338565A (zh) * 2011-07-22 2012-02-01 石家庄市新华工业炉有限公司 一种石灰窑低温热能回收利用的设备
US10260740B2 (en) 2016-01-12 2019-04-16 Hitachi Zosen Inova Ag Method and device for producing superheated steam by means of the heat produced in the boiler of an incineration plant

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