JP4238443B2 - ボイラ発電設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイラ発電設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市ゴミの有効利用として注目を浴びているゴミ固形化燃料(RDF:Refuse Derived Fuel)やバイオマス等の廃棄物を使ったボイラ発電設備の開発が進められている。
【0003】
前記ボイラ発電設備の形式の一つとして外部循環流動層ボイラがあり、これは、図4に示される如く、空気分散ノズル2から吹き出される一次空気Aによりゴミ固形化燃料等の廃棄物を砂や石灰石等からなるベッド材3と共に流動化させながら燃焼させる火炉1と、該火炉1の上部に接続され且つ火炉1内での燃焼により発生した排ガス中に含まれる灰を捕集するサイクロン4と、該サイクロン4で捕集された灰が灰落下管5を介して導入され、該灰を冷却し灰戻し管6を介して前記火炉1の底部に戻し循環させる外部熱交換器7と、前記サイクロン4で灰が捕集された排ガスが導入され、内部に過熱器8と節炭器9とが配設された後部伝熱部10とを備えてなる構成を有している。
【0004】
前記後部伝熱部10の節炭器9の下流側には、排ガスの熱により押込通風機11から圧送される空気を加熱するガスエアヒータ12を設け、該ガスエアヒータ12で加熱された空気を、一次空気ライン13を介して前記火炉1の底部へ一次空気Aとして供給すると共に、一次空気ライン13から分岐する二次空気ライン14を介して前記火炉1の上下方向中間部所要位置へ二次空気Bとして供給する。更に、流動用空気ブロワ15から圧送される空気を流動用空気ライン18を介して前記外部熱交換器7の底部へ流動用空気Cとして供給するようにしてある。尚、前記二次空気ライン14の分岐部より下流側における一次空気ライン13途中には、一次空気Aの流量調節用のダンパ16を設け、二次空気ライン14途中には、二次空気Bの流量調節用のダンパ17を設けてある。
【0005】
前記外部熱交換器7は、前記灰落下管5が接続されるシールボックス19内底部に、流動用空気Cを空気分散ノズル20から上方へ吹き出すためのウィンドボックス21を形成し、空気分散ノズル20の上方におけるシールボックス19内に、循環灰との熱交換により過熱蒸気を発生させて蒸気タービンへ導入するための最終過熱器22を配設してなる構成を有している。又、前記外部熱交換器7は、一般的にサイクロン4下部の圧力よりも火炉1内下部の圧力の方が高くなっていることを考慮し、この状態において、火炉1内の排ガスがサイクロン4下部の灰落下管5側に流れ込むことを防止し、且つサイクロン4で分離された灰を火炉1内に確実に流下させて戻し得るよう、いわゆるサイホンのような形に形成してある。
【0006】
前述の如きボイラ発電設備としての外部循環流動層ボイラにおいては、押込通風機11から圧送される空気がガスエアヒータ12で加熱され、一次空気ライン13を介して火炉1の底部へ一次空気Aとして供給されると共に、一次空気ライン13から分岐する二次空気ライン14を介して火炉1の上下方向中間部所要位置へ二次空気Bとして供給され、更に、一次空気ライン13から分岐する流動用空気ライン15を介して外部熱交換器7の底部へ流動用空気Cとして供給されており、この状態で、火炉1の空気分散ノズル2上にゴミ固形化燃料等の廃棄物を投入すると、該廃棄物が空気分散ノズル2から吹き出される一次空気Aによりベッド材3と共に流動化しながら燃焼する。
【0007】
火炉1内での廃棄物の燃焼により発生した排ガスは、灰と一緒に吹き上げられてサイクロン4へ導入され、該サイクロン4において灰が捕集され、該サイクロン4で捕集された灰は、サイクロン4下部に接続された灰落下管5から灰再循環装置としての外部熱交換器7へ導入され、該外部熱交換器7において抜熱されて冷却された後、灰戻し管6を介して前記火炉1の底部に戻され、循環される。
【0008】
前記サイクロン4で灰が分離された排ガスは、後部伝熱部10へ導かれ、該後部伝熱部10の過熱器8及び節炭器9において熱回収され、更にガスエアヒータ12において熱回収された後、図示していない集塵機等を経て煙突から大気に放出される。
【0009】
一方、ボイラ給水は、節炭器9において排ガスにより加熱され、図示していない蒸気ドラムを経て火炉1の炉壁内を流れ、再び蒸気ドラムへ戻り、飽和蒸気となって過熱器8へ導入され排ガスにより過熱され、該過熱器8において過熱された過熱蒸気は、最終過熱器22へ導かれ循環灰により更に過熱され、該最終過熱器22において過熱された過熱蒸気は、蒸気タービンへ導入され、発電が行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如きボイラ発電設備としての外部循環流動層ボイラの場合、火炉1内で石灰による脱硫を行わせると共に、灰の溶融によるベッド材3の流動阻害を防止するために、火炉1内における燃焼温度はおよそ850[℃]程度に制御されている。
【0011】
しかしながら、これでは燃焼温度が低く、ダイオキシンの発生並びにダイオキシンの前駆体の生成に対しては不利な条件での燃焼となっており、ボイラの下流側に設けられる排ガス処理設備に高価なダイオキシン処理設備が必要となり、コストアップにつながるという欠点を有していた。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、ダイオキシンの発生並びにダイオキシンの前駆体の生成を大幅に低減しつつ、ゴミ固形化燃料等の廃棄物を用いて高効率発電を行うことができ、排ガス処理設備の簡素化をも図り得るボイラ発電設備を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、廃棄物を底部から吹き出される一次空気によりベッド材と共に流動化させながら部分燃焼させてガス化する流動層ガス化炉部と、該流動層ガス化炉部の上部に接続されるよう設けられ、流動層ガス化炉部でガス化した未燃ガスを二次空気と混合させ完全燃焼させる完全燃焼炉部とを有する火炉と、
該火炉の流動層ガス化炉部での廃棄物の部分燃焼により残存する未燃のチャーが導入され、該チャーを底部から吹き出される一次空気により流動化させながら燃焼させ、その燃焼ガスを火炉の流動層ガス化炉部と完全燃焼炉部との接続部へ導入する流動層式チャー燃焼室と、
前記火炉の完全燃焼炉部で完全燃焼させた燃焼ガスの熱を回収するための後部伝熱部と、
該後部伝熱部内に配設され、過熱蒸気を発生させる一次過熱器と、
前記流動層式チャー燃焼室内に配設され、一次過熱器で発生した過熱蒸気を過熱する二次過熱器と、
前記火炉の流動層ガス化炉部と完全燃焼炉部との接続部に配設され、二次過熱器で過熱された過熱蒸気を過熱して蒸気タービンへ導く最終過熱器と
を備え、
前記火炉の流動層ガス化炉部と完全燃焼炉部との接続部をくびれた形状として二次空気及び流動層式チャー燃焼室からの燃焼ガスが導入される風箱を形成すると共に、該風箱の部分を、並設された伝熱管の間をフィンでつないだ壁状構造で且つその内面側に耐蝕用の耐火物が施工された最終過熱器により形成したことを特徴とするボイラ発電設備にかかるものである。
【0014】
【0015】
前記ボイラ発電設備においては、風箱を円筒形としてその接線方向へ二次空気を供給するよう構成することが望ましい。
【0016】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0017】
廃棄物は、火炉の流動層ガス化炉部において底部から吹き出される一次空気によりベッド材と共に流動化しながら部分燃焼してガス化され、火炉の流動層ガス化炉部での廃棄物の部分燃焼により残存する未燃のチャーは、流動層式チャー燃焼室へ導入され、該流動層式チャー燃焼室において底部から吹き出される一次空気により流動化しながら燃焼し、その燃焼ガスは火炉の流動層ガス化炉部と完全燃焼炉部との接続部へ導入され、前記火炉の流動層ガス化炉部でガス化した未燃ガスは完全燃焼炉部において二次空気並びに流動層式チャー燃焼室からの燃焼ガスと混合され完全燃焼する。
【0018】
一方、前記火炉の完全燃焼炉部で完全燃焼させた燃焼ガスは後部伝熱部へ導かれ、該後部伝熱部内に配設された一次過熱器において過熱蒸気が発生され、該一次過熱器において過熱された過熱蒸気は、流動層式チャー燃焼室内の二次過熱器へ導かれ、未燃のチャーの燃焼によって発生する熱により過熱された後、火炉の流動層ガス化炉部と完全燃焼炉部との接続部に設けられた最終過熱器へ導かれ未燃ガスの燃焼によって発生する熱により更に過熱され、該最終過熱器において過熱された過熱蒸気は、蒸気タービンへ導入され、高効率発電が行われる。
【0019】
本発明におけるボイラ発電設備の場合、火炉の流動層ガス化炉部内で石灰による脱硫を行わせると共に、灰の溶融によるベッド材の流動阻害を防止するために、火炉の流動層ガス化炉部内における部分燃焼温度は、従来の場合と同様、およそ850[℃]程度に制御する必要があるが、火炉の流動層ガス化炉部内での廃棄物の部分燃焼により発生した未燃ガスを、完全燃焼炉部においておよそ1200[℃]程度の高温で完全燃焼させることにより、ダイオキシンはほとんど発生せず且つダイオキシンの前駆体もほとんど生成されなくなり、ボイラの下流側に設けられる排ガス処理設備に高価なダイオキシン処理設備を具備しなくて済み、コストダウンにつながる。
【0020】
一方、廃棄物を燃焼させると高濃度の塩素ガスが生成されるが、二次過熱器は、塩素ガスがほとんど混入しない流動層式チャー燃焼室に配設してあるため、二次過熱器に塩素ガスによる高温腐食が発生することはない。尚、後部伝熱部内に配設された一次過熱器にも廃棄物の燃焼による高濃度の塩素ガスが流通するが、一次過熱器における過熱蒸気温度は低く抑えられているため、一次過熱器が塩素ガスにより高温腐食を起こす心配もない。
【0021】
又、火炉の流動層ガス化炉部と完全燃焼炉部との接続部をくびれた形状として二次空気及び流動層式チャー燃焼室からの燃焼ガスが導入される風箱を形成すると共に、該風箱の部分を、並設された伝熱管の間をフィンでつないだ壁状構造で且つその内面側に耐蝕用の耐火物が施工された最終過熱器により形成しているため、風箱の部分において火炉の流動層ガス化炉部内での廃棄物の部分燃焼により発生した未燃ガスを、二次空気及び流動層式チャー燃焼室からの燃焼ガスと効率よく混合させ、完全燃焼炉部において安定且つ確実に完全燃焼させることが可能となり、しかも、最終過熱器の伝熱管が塩素ガスにより高温腐食を起こすことも防止可能となる。
【0022】
又、風箱を円筒形としてその接線方向へ二次空気を供給するよう構成すると、二次空気が風箱内で旋回流となり、火炉の流動層ガス化炉部内での廃棄物の部分燃焼により発生した未燃ガスと二次空気との混合が促進され、完全燃焼炉部における未燃ガスの完全燃焼がより安定して且つ確実に行われることとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0024】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、廃棄物を底部から吹き出される一次空気Aによりベッド材3と共に流動化させながら部分燃焼させてガス化する流動層ガス化炉部1aと、該流動層ガス化炉部1aの上部に接続されるよう設けられ、流動層ガス化炉部1aでガス化した未燃ガスDを二次空気Bと混合させ完全燃焼させる完全燃焼炉部1bとによって火炉1を構成し、該火炉1の流動層ガス化炉部1aでの廃棄物の部分燃焼により残存する未燃のチャーが導入され、該チャーを底部から吹き出される一次空気Eにより流動化させながら燃焼させる流動層式チャー燃焼室23を、火炉1の外部に設置し、該流動層式チャー燃焼室23で未燃のチャーを燃焼させた燃焼ガスFを火炉1の流動層ガス化炉部1aと完全燃焼炉部1bとの接続部へ導入するようにし、又、後部伝熱部10内に配設された過熱器を一次過熱器8aとし、該一次過熱器8aで発生した過熱蒸気を過熱する二次過熱器8bを前記流動層式チャー燃焼室23内に配設し、前記火炉1の流動層ガス化炉部1aと完全燃焼炉部1bとの接続部に、二次過熱器8bで過熱された過熱蒸気を過熱して蒸気タービンへ導く最終過熱器24を設けたものである。
【0025】
前記流動層式チャー燃焼室23内底部には、一次空気Eが吹き出される空気分散ノズル25を配設し、該空気分散ノズル25には、一次空気ライン13から分岐し且つ途中に流量調節用のダンパ26が設けられた一次空気分岐ライン27を接続してあり、又、前記流動層式チャー燃焼室23の底部からは、未燃のチャーを燃焼させた後の焼却灰を、ロータリーフィーダ等の切出装置28の作動により必要に応じて適宜外部へ排出するようにしてある。尚、火炉1の流動層ガス化炉部1aでの廃棄物の部分燃焼により残存する未燃のチャーは、火炉1の流動層ガス化炉部1aと流動層式チャー燃焼室23とをつなぐ連結管36途中に図示していない空気ノズルを設け、該空気ノズルから噴射される空気により流動層式チャー燃焼室23内へ導入するようにしてある。
【0026】
前記火炉1の流動層ガス化炉部1aと完全燃焼炉部1bとの接続部は、くびれた形状とし、二次空気Bが二次空気ライン14を介して導入され且つ流動層式チャー燃焼室23からの燃焼ガスFが燃焼ガスライン29を介して導入される風箱30を形成すると共に、該風箱30の部分については、最終過熱器24を、図2及び図3に示す如く、並設された伝熱管31の間をフィン32でつないだ壁状構造とし且つその内面側に耐蝕用の耐火物33を施工することにより、形成するようにしてある。
【0027】
本図示例の場合、風箱30は円筒形としてその接線方向へ二次空気ライン14から二次空気Bを供給するよう構成してある。尚、燃焼ガスライン29からの燃焼ガスFについては、図3の例では、風箱30の略中心へ向けて供給するようにしてあるが、二次空気Bと同様に、風箱30の接線方向へ供給するようにしてもよいことは言うまでもない。又、最終過熱器24の入口ヘッダ34と出口ヘッダ35はそれぞれ、風箱30を円筒形としたことに伴い、リング状に形成してある。
【0028】
次に、上記図示例の作動を説明する。
【0029】
押込通風機11から圧送される空気は、ガスエアヒータ12で加熱され、一次空気ライン13を介して火炉1の底部へ一次空気Aとして供給されると共に、一次空気ライン13から分岐する一次空気分岐ライン27を介して流動層式チャー燃焼室23の底部へ一次空気Eとして供給され、更に、一次空気ライン13から分岐する二次空気ライン14を介して火炉1の流動層ガス化炉部1aと完全燃焼炉部1bとの接続部へ二次空気Bとして供給されており、この状態で、火炉1の流動層ガス化炉部1aの空気分散ノズル2上にゴミ固形化燃料等の廃棄物を投入すると、該廃棄物が空気分散ノズル2から吹き出される一次空気Aによりベッド材3と共に流動化しながら部分燃焼する。
【0030】
前記火炉1の流動層ガス化炉部1aでの廃棄物の部分燃焼により残存する未燃のチャーは、連結管36を介して流動層式チャー燃焼室23へ抜き出され、空気分散ノズル25から吹き出される一次空気Eにより流動化されながら燃焼し、その燃焼ガスFが燃焼ガスライン29を介して火炉1の流動層ガス化炉部1aと完全燃焼炉部1bとの接続部へ導入される。尚、未燃のチャーを燃焼させた後の焼却灰は、前記流動層式チャー燃焼室23の底部からロータリーフィーダ等の切出装置28の作動により必要に応じて適宜外部へ排出される。
【0031】
前記火炉1の流動層ガス化炉部1aでの廃棄物の部分燃焼により発生した未燃ガスDは、火炉1の流動層ガス化炉部1aと完全燃焼炉部1bとの接続部における風箱30を通過する際、二次空気ライン14から供給される二次空気B並びに流動層式チャー燃焼室23での未燃のチャーの燃焼による燃焼ガスFと混合され、完全燃焼炉部1bにおいておよそ1200[℃]程度の高温で完全燃焼し、その排ガスがサイクロン4へ導入され、該サイクロン4において排ガス中に含まれる灰が捕集され、該サイクロン4で捕集された灰は、サイクロン4下部に接続された灰落下管5から前記火炉1の流動層ガス化炉部1aに戻され、循環される。尚、前記風箱30はくびれた形状としてあるため、該風箱30の部分において、火炉1の流動層ガス化炉部1a内での廃棄物の部分燃焼により発生した未燃ガスDを、二次空気B及び流動層式チャー燃焼室23からの燃焼ガスFと効率よく混合させ、完全燃焼炉部1bにおいて安定且つ確実に完全燃焼させることが可能となる。又、前記風箱30は円筒形としてその接線方向へ二次空気Bを供給するよう構成してあるため、二次空気Bが風箱30内で旋回流となり、前記未燃ガスDと二次空気Bとの混合がより促進され、完全燃焼炉部1bにおける未燃ガスDの完全燃焼がより安定して且つ確実に行われることとなる。
【0032】
ここで、前記廃棄物を燃焼させるために必要となる理論空気比を1としたとき、押込通風機11からは、空気過剰率がおよそ1.2〜1.3程度となる流量の空気が供給されており、一次空気ライン13途中に設けられたダンパ16と、一次空気分岐ライン27途中に設けられたダンパ26と、二次空気ライン14途中に設けられたダンパ17とをそれぞれ開度調節し、一次空気Aの全体に占める割合をおよそ0.5〜0.6程度、一次空気Eの全体に占める割合をおよそ0.2程度、二次空気Bの全体に占める割合をおよそ0.5程度とすることにより、火炉1の流動層ガス化炉部1aにおいて廃棄物の部分燃焼によるガス化が行われ、流動層式チャー燃焼室23において未燃のチャーの燃焼が行われ、完全燃焼炉部1bにおいて火炉1の流動層ガス化炉部1aでの廃棄物の部分燃焼により発生した未燃ガスDの完全燃焼が行われる。
【0033】
前記サイクロン4で灰が分離された排ガスは、後部伝熱部10へ導かれ、該後部伝熱部10の過熱器8及び節炭器9において熱回収され、更にガスエアヒータ12において熱回収された後、図示していない集塵機等を経て煙突から大気に放出される。
【0034】
一方、ボイラ給水は、節炭器9において排ガスにより加熱され、図示していない蒸気ドラムを経て火炉1の炉壁内を流れ、再び蒸気ドラムへ戻り、飽和蒸気となって一次過熱器8aへ導入され排ガスにより過熱され、該一次過熱器8aにおいて過熱された過熱蒸気は、流動層式チャー燃焼室23内の二次過熱器8bへ導かれ、未燃のチャーの燃焼によって発生する熱により過熱された後、火炉1の流動層ガス化炉部1aと完全燃焼炉部1bとの接続部に設けられた最終過熱器24へ導かれ未燃ガスDの燃焼によって発生する熱により更に過熱され、該最終過熱器24において過熱された過熱蒸気は、蒸気タービンへ導入され、発電が行われる。
【0035】
ここで、前記一次過熱器8aにおいて過熱された過熱蒸気の温度はおよそ400[℃]程度となり、およそ400[℃]程度の過熱蒸気が二次過熱器8bにおいておよそ450[℃]程度まで過熱され、およそ450[℃]程度の過熱蒸気が最終過熱器24においておよそ540[℃]程度まで過熱され、これにより、30[%]台の高効率発電が可能となる。
【0036】
本図示例におけるボイラ発電設備の場合、火炉1の流動層ガス化炉部1a内で石灰による脱硫を行わせると共に、灰の溶融によるベッド材3の流動阻害を防止するために、火炉1の流動層ガス化炉部1a内における部分燃焼温度は、従来の場合と同様、およそ850[℃]程度に制御する必要があるが、火炉1の流動層ガス化炉部1a内での廃棄物の部分燃焼により発生した未燃ガスDを、完全燃焼炉部1bにおいておよそ1200[℃]程度の高温で完全燃焼させることにより、ダイオキシンはほとんど発生せず且つダイオキシンの前駆体もほとんど生成されなくなり、ボイラの下流側に設けられる排ガス処理設備に高価なダイオキシン処理設備を具備しなくて済み、コストダウンにつながる。
【0037】
一方、廃棄物を燃焼させると高濃度の塩素ガス(HCl)が生成されるため、過熱蒸気温度がおよそ540[℃]程度となる最終過熱器24の伝熱管31は、そのまま廃棄物の燃焼排ガスに晒された場合、塩素ガスによる高温腐食を起こす可能性があるが、壁状構造とした最終過熱器24の伝熱管31の内面側には耐蝕用の耐火物33を施工してあるため、最終過熱器24の伝熱管31が塩素ガスにより高温腐食を起こす心配はない。
【0038】
又、二次過熱器8bは、塩素ガスがほとんど混入しない流動層式チャー燃焼室23内に配設してあるため、過熱蒸気温度が400[℃]を越えたとしても二次過熱器8bに塩素ガスによる高温腐食が発生することはない。
【0039】
尚、後部伝熱部10内に配設された一次過熱器8aにも廃棄物の燃焼による高濃度の塩素ガスが流通するが、一次過熱器8aにおける過熱蒸気温度はおよそ400[℃]程度に抑えられているため、一次過熱器8aが塩素ガスにより高温腐食を起こす心配もない。
【0040】
こうして、ダイオキシンの発生並びにダイオキシンの前駆体の生成を大幅に低減しつつ、ゴミ固形化燃料等の廃棄物を用いて高効率発電を行うことができ、排ガス処理設備の簡素化をも図り得る。
【0041】
尚、本発明のボイラ発電設備は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明のボイラ発電設備によれば、ダイオキシンの発生並びにダイオキシンの前駆体の生成を大幅に低減しつつ、ゴミ固形化燃料等の廃棄物を用いて高効率発電を行うことができ、排ガス処理設備の簡素化をも図り得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する形態の一例の全体概要構成図である。
【図2】 本発明を実施する形態の一例における最終過熱器の断面図である。
【図3】 図2のIII−III断面図である。
【図4】 従来例の全体概要構成図である。
【符号の説明】
1 火炉
1a 流動層ガス化炉部
1b 完全燃焼炉部
3 ベッド材
8a 一次過熱器
8b 二次過熱器
10 後部伝熱部
23 流動層式チャー燃焼室
24 最終過熱器
30 風箱
31 伝熱管
32 フィン
33 耐火物
A 一次空気
B 二次空気
D 未燃ガス
E 一次空気
F 燃焼ガス
Claims (2)
- 廃棄物を底部から吹き出される一次空気によりベッド材と共に流動化させながら部分燃焼させてガス化する流動層ガス化炉部と、該流動層ガス化炉部の上部に接続されるよう設けられ、流動層ガス化炉部でガス化した未燃ガスを二次空気と混合させ完全燃焼させる完全燃焼炉部とを有する火炉と、
該火炉の流動層ガス化炉部での廃棄物の部分燃焼により残存する未燃のチャーが導入され、該チャーを底部から吹き出される一次空気により流動化させながら燃焼させ、その燃焼ガスを火炉の流動層ガス化炉部と完全燃焼炉部との接続部へ導入する流動層式チャー燃焼室と、
前記火炉の完全燃焼炉部で完全燃焼させた燃焼ガスの熱を回収するための後部伝熱部と、
該後部伝熱部内に配設され、過熱蒸気を発生させる一次過熱器と、
前記流動層式チャー燃焼室内に配設され、一次過熱器で発生した過熱蒸気を過熱する二次過熱器と、
前記火炉の流動層ガス化炉部と完全燃焼炉部との接続部に配設され、二次過熱器で過熱された過熱蒸気を過熱して蒸気タービンへ導く最終過熱器と
を備え、
前記火炉の流動層ガス化炉部と完全燃焼炉部との接続部をくびれた形状として二次空気及び流動層式チャー燃焼室からの燃焼ガスが導入される風箱を形成すると共に、該風箱の部分を、並設された伝熱管の間をフィンでつないだ壁状構造で且つその内面側に耐蝕用の耐火物が施工された最終過熱器により形成したことを特徴とするボイラ発電設備。 - 風箱を円筒形としてその接線方向へ二次空気を供給するよう構成した請求項1記載のボイラ発電設備。
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