JP2000297146A - ポリエステル重縮合触媒能を有するオリゴマー - Google Patents

ポリエステル重縮合触媒能を有するオリゴマー

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JP2000297146A
JP2000297146A JP11106413A JP10641399A JP2000297146A JP 2000297146 A JP2000297146 A JP 2000297146A JP 11106413 A JP11106413 A JP 11106413A JP 10641399 A JP10641399 A JP 10641399A JP 2000297146 A JP2000297146 A JP 2000297146A
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dicarboxylic acid
aromatic dicarboxylic
polyester
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融紡糸の際に、ベンディングの発生が実質
的に抑制された、製糸安定性の改善されたポリエステル
ポリマーを製造することのできるポリエステル重縮合反
応触媒を提供すること。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコ
ールとを出発原料としてエステル化反応することによっ
て得られるオリゴマーであって、ポリエステル重縮合触
媒能を有するアンチモン化合物を、該オリゴマー中の芳
香族ジカルボン酸を基準として、アンチモン原子換算で
0.1〜1mol%含有し、かつその平均重合度を2〜
15とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルポリ
マーの重縮合反応における触媒に関し、更に詳しくは、
紡糸、延伸等の成形性が良好で、特に紡糸時に紡糸口金
孔周辺に堆積する異物が極めて少ない、製糸安定性の改
善されたポリエステルポリマーを製造することのでき
る、重縮合反応触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルポリマー、特にポリエチレ
ンテレフタレートは多くの優れた特性を有しているた
め、特に繊維、フィルムなど様々な用途に広く利用され
ている。
【0003】ポリエチレンテレフタレートは、通常テレ
フタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応
させるか、テレフタル酸ジメチルのようなテレフタル酸
の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエス
テル交換反応させるかまたはテレフタル酸とエチレンオ
キサイドとを反応させるかしてテレフタル酸のグリコー
ルエステルおよび/またはその低重合体を生成させ、次
いでこの反応生成物を重合触媒の存在下で減圧加熱して
所定の重合度になるまで重縮合反応させて製造されてい
る。
【0004】このようにして得られたポリエステルポリ
マーは、一般には、溶融状態で紡糸ノズルまたはスリッ
トから繊維状またはフィルム状に押し出し、次いで延伸
して実用に供される。
【0005】ところで、上記重縮合反応において適切な
触媒を使用することにより反応が円滑に進行し、商品価
値のあるポリエステルが得られる。すなわち、この反応
に使用する触媒の種類によって反応速度および得られる
ポリエステルの品質が大きく左右されることは知られて
おり、従来より、ポリエチレンテレフタレートの製造に
用いられる重縮合触媒としては、三酸化アンチモンが優
れた重縮合促進効果を有し、また比較的色調の良好なポ
リエステルポリマーが得られる等の理由から最も広く使
用されている。
【0006】しかしながら、三酸化アンチモンを触媒と
して使用して得られるポリエステルは、成形性、特に長
期間にわたる紡糸性に劣る欠点がある。すなわち、重縮
合触媒として三酸化アンチモンを使用して得たポリエス
テルポリマーを溶融紡糸すると、紡糸開始後時間が経つ
と、紡糸孔外周辺においてポリマー流の曲がり現象(以
下ベンディングと略す)が発生し、紡糸、延伸時にラッ
プが多発するようになり、ついには紡糸自体が不能にな
る。このため、ベンディングが発生すると紡糸口金の交
換、または紡糸口金表面の清掃が必要になり、生産が著
しく阻害されるという問題があった。
【0007】この問題について、紡糸開始後、紡糸孔周
辺に付着堆積する異物(以下、口金異物と称することが
ある。)とベンディングとの間には密接な関係があり、
この口金異物の付着堆積を抑制すれば、ベンディングも
抑制可能であることは知られている。さらに該口金異物
は重縮合触媒として使用した触媒金属成分およびポリマ
ーの熱劣化物が主成分であり、紡糸中にポリマー中の触
媒粒子や、紡糸中にポリマーが熱分解して生じた劣化物
といった異物が口金異物として堆積していることも知ら
れており、各種の検討がなされている。
【0008】たとえば、特開平7−70298号公報、
特開平10−176040号公報では、ポリエステルの
末端を封鎖することにより、ポリマー中のアンチモンを
安定化し、析出を抑制する、という方法が提案されてい
る。しかしながら、これらの方法では逆に未反応の末端
封鎖剤が析出したり、ポリマーの異物となってしまうと
いう問題があった。また、口金異物の大きな要因である
アンチモン化合物を使用せず、チタンや亜鉛といった金
属成分を使用する方法も数多く提案されているが、これ
らの方法で得られたポリマーは熱安定性や色相の面でア
ンチモンを使用したポリマーに及ばないのが現状であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、上記従来技術が有していた問題点を解消し、溶融紡
糸の際に、ベンディングの発生が実質的に抑制された、
製糸安定性の改善されたポリエステルポリマーを製造す
ることのできるポリエステル重縮合反応触媒を提供する
ことにある。また、本発明の第2の目的は、上記触媒を
用いたポリエステルポリマーの製造方法を提供すること
にある。さらに、本発明の第3の目的は、上記製造方法
によって得られるポリエステルポリマーを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記従来技術
が有していた問題を解決すべく、鋭意検討を行った結
果、アンチモン化合物とポリエステルポリマー中のカル
ボキシル末端基とを結合させることによってアンチモン
化合物を安定化させれば、該アンチモン化合物の析出が
抑制されることを究明し、さらに鋭意検討を重ね、上記
の結合を増やすためには、重縮合反応時に反応の最終
内温を上昇させるなどして、ポリマーのカルボキシル末
端を増加させて、アンチモン化合物を安定化させる、
アンチモン化合物をより早い時機に添加して、あらかじ
め末端カルボキシル基とアンチモン触媒の結合をつくて
安定化させておく、の2つの方法があることを見出し
た。
【0011】しかしながら方法では反応中のカルボキ
シル基が少ないエステル交換法においては、この方法は
有効ではない、方法では口金孔周辺へのアンチモン粒
子の析出抑制には効果を有するが、一方でポリマーのカ
ルボキシル末端の増加によりポリマーやその成形物の耐
熱性、耐加水分解性が悪化するという問題があった。
【0012】そこで本発明者は、最終的に得られるポリ
マー中のカルボキシル末端基量を変えることなく、反応
中のカルボキシル末端基数を増加させてアンチモン化合
物を安定化すべく、重ねて鋭意検討を重ねた結果、本発
明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明の第1の目的は、芳香族ジカ
ルボン酸とアルキレングリコールとを出発原料としてエ
ステル化反応することによって得られるオリゴマーであ
って、ポリエステル重縮合触媒能を有するアンチモン化
合物を、該オリゴマー中の芳香族ジカルボン酸を基準と
して、アンチモン原子換算で0.1〜1mol%含有
し、かつその平均重合度が2〜15であることを特徴と
する、ポリエステル重縮合触媒能を有するオリゴマーに
より達成することができる。
【0014】また、本発明の第2の目的は、芳香族ジカ
ルボン酸エステルとアルキレングリコールとをエステル
交換反応させることによって得られたエステル交換反応
生成物に対して、該芳香族ジカルボン酸を基準として、
請求項1記載のオリゴマーを、芳香族ジカルボン酸換算
で3〜20モル%添加し、重縮合反応を行う、ポリエス
テルポリマーの製造方法により達成することができる。
【0015】さらに、本発明の第3の目的は、請求項2
記載の製造方法によって得られる、下記条件で測定した
アンチモン昇華量が100μg以下の製糸安定性の改善
されたポリエステルポリマーにより達成される。 測定条件:内径8cm、高さ20cmのステンレス製の
筒にポリマー40gを入れ、1torr、300℃で2
hr加熱し、筒内の上部に設置した水冷装置をつけた直
径4cmのアルミニウム板上に付着した物質の重量を測
定する。さらにその付着物中のアンチモン濃度を蛍光X
線分光分析装置で測定することによりアンチモンの昇華
量を求める。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルポリマーは、テレフタル酸
を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるジオ
ール成分とするポリエチレンテレフタレートを対象とす
る。なお、「主たる」とは、本発明の効果が実質的に損
なわれない範囲内、具体的にはテレフタル酸成分に対し
て10mol%以下の範囲内で、テレフタル酸以外の二
官能性カルボン酸成分および/またはエチレングリコー
ル以外のジオール成分、またはヒドロキシカルボン酸類
を共重合してもよいことを意味する。
【0017】ここでテレフタル酸以外の共重合してもよ
い二官能性カルボン酸としては、例えばアジピン酸、セ
バシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの
脂肪族、脂環式の二官能性ジカルボン酸、またはイソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボ
ン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸などの二官能性芳香族カルボン酸
を挙げることができる。
【0018】また、エチレングリコール以外の共重合し
てもよいジオール化合物としては、例えば構成炭素数3
個以上のアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールSのような脂肪族、脂環式、芳
香族のジオール化合物およびポリオキシアルキレングリ
コールを挙げることができる。また、ヒドロキシカルボ
ン酸類としては、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p
−オキシ安息香酸などを挙げることができる。
【0019】本発明において、触媒として用いるオリゴ
マー(以下、単に触媒オリゴマーと称することもあ
る。)は、ポリエステル重縮合触媒能を有するアンチモ
ン化合物を、該オリゴマー中の芳香族ジカルボン酸を基
準として、アンチモン原子換算で0.1〜1mol%含
有している必要がある。
【0020】該含有量が0.1mol%未満では触媒オ
リゴマー中のアンチモン濃度が低すぎるため、触媒とし
て使用する量が膨大となって製造上効率が悪い。一方、
1.0mol%を越えると、アンチモン濃度が高すぎて
アンチモン化合物が凝集し、ポリマー中で異物となって
しまう。該含有量は好ましくは0.3〜0.7mol%
である。
【0021】更に、本発明の触媒オリゴマーは、その平
均重合度が2〜15である必要がある。該平均重合度が
2未満であると、重合反応速度は著しく低下し、目的の
ポリマーは得られない。一方15を越えると、オリゴマ
ーの溶融粘度が高くなるために触媒の分散性が悪くな
り、触媒の凝集異物が発生しやすくなる。好ましい平均
重合度は5〜12である。
【0022】該触媒オリゴマーを製造するには、例え
ば、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステ
ル化反応する際に、該エステル化反応が終了する前の任
意の段階で、ポリエステル重縮合触媒能を有するアンチ
モン化合物を芳香族ジカルボン酸を基準としてアンチモ
ン原子換算で0.1〜1.0mol%添加すればよい。
【0023】この方法によって触媒オリゴマーを得るに
は、アンチモン化合物の添加時期は、エステル化反応が
終了する前であれば特に限定されないが、エステル化反
応を行う前に、あらかじめ添加することが好ましい。
【0024】また、添加するアンチモン化合物として
は、ポリエステル重合触媒能を有するアンチモン化合物
である限り特に限はされないが、三酸化二アンチモン、
酢酸アンチモン、アンチモングリコレートを好ましく用
いることができる。
【0025】なお、エステル化反応終了以前の任意の段
階であれば、必要に応じて安定剤としてのリン化合物を
添加することもできる。
【0026】また、本発明の製造方法においては、触媒
オリゴマーとは別に、テレフタル酸ジメチルのようなテ
レフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコー
ルとをエステル交換反応させるかまたはテレフタル酸と
エチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタル酸
のグリコールエステルおよび/またはその低重合体を生
成させるエステル交換反応を行い、得られたエステル交
換反応生成物に、該反応生成物中の芳香族ジカルボン酸
を基準として、該触媒オリゴマーを、芳香族ジカルボン
酸換算で3〜20モル%添加し、減圧加熱して所望の重
合度になるまで重縮合反応させることによって目的のポ
リエステルポリマーを製造する。
【0027】ここで、触媒オリゴマーの添加量が、該反
応生成物中の芳香族ジカルボン酸換算で3モル%未満で
は、その後の重縮合反応を行うのに十分な量のアンチモ
ン化合物が含まれず、逆に20モル%を越えると添加す
る触媒オリゴマー量が多すぎ、効率が悪くなる。なお、
触媒オリゴマーは、製造後溶融状態のままで触媒として
エステル交換反応生成物に添加しても、または一旦冷却
固化した後に再度溶融して添加しても良い。
【0028】なお、ここでいう芳香族ジカルボン酸換算
のモル量とは、オリゴマーのモル量を芳香族ジカルボン
酸のモル量に換算した値のことを言う。すなわち、重合
度が10のオリゴマーが1モルあるとすれば、該オリゴ
マーの芳香族ジカルボン酸換算のモル量は10モルにな
る。
【0029】さらに本発明の製造方法によって得られた
ポリエステルポリマーは、下記条件で測定したアンチモ
ンの昇華量が100μg以下である。 測定条件:内径8cm、高さ20cmのステンレス製の
筒にポリマー40gを入れ、1torr、300℃で2
hr加熱し、筒内の上部に設置した水冷装置をつけた直
径4cmのアルミニウム板上に付着した物質の重量を測
定する。さらにその付着物中のアンチモン濃度を蛍光X
線分光分析装置で測定することによりアンチモンの昇華
量を求める。
【0030】ここで、昇華量が100μgを越えると、
このポリエステルポリマーを溶融紡糸した際、紡糸口金
孔表面にアンチモン化合物に起因する口金異物が多くな
るため、紡糸時にベンディングが発生しやすくなり、製
糸の安定性が大幅に低下する。
【0031】なお、本発明のポリエステルには、必要に
応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、蛍光増白
剤、艶消剤、着色剤、消泡剤その他の添加剤等を配合し
てもよい。
【0032】さらに、本発明のポリエステルポリマーか
ら繊維を製造する場合には、任意の製糸条件を何等支障
なく採用することができ、例えば500〜2500m/
minの速度で溶融紡糸し、延伸・熱処理する方法、1
500〜5000m/minの速度で溶融紡糸し、延伸
と仮撚加工とを同時にまたは続いて行う方法、5000
m/min以上の高速で溶融紡糸し、用途によっては延
伸を省略する方法等の任意の製糸条件を採用することが
できる。
【0033】また、本発明のポリエステルポリマーから
フィルムを製造するには、従来公知のフィルムの形成方
法を用いることができ、例えば、ポリエステルを溶融
し、シート状に押し出し、冷却ドラムで冷却して未延伸
フイルムを得、次いで該未延伸フイルムを二軸方向に延
伸し、熱固定し、必要であれば熱弛緩処理することによ
って製造することができる。その際、フイルムの表面特
性、密度、熱収縮率の性質は、延伸条件その他の製造条
件により変わるので、必要に応じて適宜条件を選択して
製膜すればよい。
【0034】
【発明の効果】本発明の触媒を用いて製造したポリエス
テルポリマーは、触媒としてのアンチモン化合物がポリ
マー中で安定化されており、溶融紡糸時の該アンチモン
化合物の析出が抑制されているので、ベンディングの発
生を実質的に抑制することができる。
【0035】
【実施例】以下実施例で本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。な
お、各測定値は下記の方法に従って求めた。
【0036】(1)固有粘度:35℃のオルソクロロフェ
ノール溶液中で常法に従って測定した。
【0037】(2)アンチモン昇華量:内径8cm、高さ
20cmのステンレス製の筒にポリマー40gを入れ、
1torr、300℃で2hr加熱し、筒内の上部に設
置した水冷装置をつけた直径4cmのアルミニウム板上
に付着した物質の重量を測定した。さらにその付着物中
のアンチモン濃度を蛍光X線分光分析装置(リガク社製
3270)で測定することにより、アンチモンの昇華量
を求めた。
【0038】[実施例1]テレフタル酸166重量部、
エチレングリコール75重量部、三酸化二アンチモン
0.79重量部(テレフタル酸を基準として0.54m
ol%)を用いて、常法に従ってエステル化反応をさせ
た。得られた平均重合度8.9の触媒オリゴマーを取り
出し、冷却固化した。
【0039】一方、テレフタル酸ジメチル100重量
部、エチレングリコール10重量部、酢酸マンガン4水
塩0.031重量部をエステル交換反応缶に仕込み、窒
素ガス雰囲気下3時間かけて140℃から240℃まで
昇温して生成するメタノールを系外に留出しながらエス
テル交換反応を行った。
【0040】エステル交換を終了させた後、安定剤とし
てリン酸0.024重量部および重縮合反応触媒として
上述の触媒オリゴマー10重量部を添加し、ただちに2
85℃まで昇温し、減圧下、重縮合反応を行い、ポリマ
ーを得た。
【0041】また、得られたポリマーを乾燥させた後、
常法に従って290℃で溶融し、スリット幅0.15m
mの孔を12個有する紡糸口金を使用して、吐出量20
g/min、巻取速度600m/minにて紡糸した。
【0042】このポリマーを用いて2日間連続で溶融紡
糸を行ったところ、ベンディングは全く認められず、紡
糸性は極めて良好であり、2日後の口金面異物の高さは
8μmにすぎなかった。その他の評価結果は表1に示し
た。
【0043】[実施例2、3]実施例1において、触媒
オリゴマーに添加するアンチモン化合物の量と、エステ
ル交換反応物への触媒オリゴマーの添加量を、表1記載
の通りに変更したこと以外は同様の操作を行った。これ
らのポリマーを用いて2日間連続で溶融紡糸を行ったと
ころ、ベンディングは全く認められず、紡糸性も極めて
良好であり、2日後の口金面異物の高さはいずれも9μ
mにすぎなかった。その他の評価結果は表1に示した。
【0044】[比較例1、2]実施例1において、触媒
オリゴマーに添加するアンチモン化合物の量と、エステ
ル交換反応物への触媒オリゴマーの添加量を、表1記載
の通りに変更したこと以外は同様の操作を行った。触媒
としてのアンチモンの量が少なくなるため、重合反応速
度が遅くなり、実用的ではなかった。
【0045】[比較例3]実施例1において、触媒オリ
ゴマーに添加するアンチモン化合物の量を表1記載の通
りに変更したこと以外は同様の操作を行った。得られた
触媒オリゴマー中には黒色異物が多く生成し、触媒とし
て試用に供することはできなかった。
【0046】[比較例4]テレフタル酸ジメチル100
重量部、エチレングリコール10重量部、酢酸マンガン
4水塩0.031重量部をエステル交換缶に仕込み、窒
素ガス雰囲気下3時間かけて140℃から240℃まで
昇温して生成するメタノールを系外に留出しながらエス
テル交換反応した。
【0047】エステル交換を終了させた後、安定剤とし
てリン酸0.024重量部および重縮合反応触媒として
三酸化二アンチモン0.041重量部を添加し、ただち
に285℃まで昇温し、減圧下、重縮合反応を行い、ポ
リマーを得た。
【0048】また、得られたポリマーを常法により乾燥
した後、290℃で溶融し、スリット幅0.15mmの
孔を12個有する紡糸口金を使用して、吐出量20g/
min、巻取速度600m/minで紡糸した。
【0049】このポリマーを用いて、2日間連続で溶融
紡糸を行なった結果、ベンディングが多発し、口金面異
物の高さは40μmであった。その他の評価結果は表1
に示した。
【0050】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AC48 BA13 BC34 4J029 AA03 AB01 AB04 AC01 AC04 AD01 AD10 AE02 AE03 BA03 CB06A HA01 HB01 HD01 JA081 JA091 JA111 JF471 KB05 KB15 KB25 KC01 KE02 4L035 GG02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコ
    ールとを出発原料としてエステル化反応することによっ
    て得られるオリゴマーであって、 ポリエステル重縮合触媒能を有するアンチモン化合物
    を、該オリゴマー中の芳香族ジカルボン酸を基準とし
    て、アンチモン原子換算で0.1〜1mol%含有し、
    かつその平均重合度が2〜15であることを特徴とす
    る、ポリエステル重縮合触媒能を有するオリゴマー。
  2. 【請求項2】 芳香族ジカルボン酸エステルとアルキレ
    ングリコールとをエステル交換反応させることによって
    得られたエステル交換反応生成物に対して、該芳香族ジ
    カルボン酸を基準として、請求項1記載のオリゴマー
    を、芳香族ジカルボン酸換算で3〜20モル%添加し、
    重縮合反応を行う、ポリエステルポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の製造方法によって得られ
    る、下記条件で測定したアンチモン昇華量が100μg
    以下の製糸安定性の改善されたポリエステルポリマー。 測定条件:内径8cm、高さ20cmのステンレス製の
    筒にポリマー40gを入れ、1torr、300℃で2
    hr加熱し、筒内の上部に設置した水冷装置をつけた直
    径4cmのアルミニウム板上に付着した物質の重量を測
    定する。さらにその付着物中のアンチモン濃度を蛍光X
    線分光分析装置で測定することによりアンチモンの昇華
    量を求める。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019070099A (ja) * 2017-10-05 2019-05-09 遠東新世紀股▲ふん▼有限公司 ポリエステル樹脂製造用の安定剤、その製造方法、該安定剤を用いたポリエステル樹脂の製造方法、及びそれにより製造されたポリエステル樹脂

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JP2019070099A (ja) * 2017-10-05 2019-05-09 遠東新世紀股▲ふん▼有限公司 ポリエステル樹脂製造用の安定剤、その製造方法、該安定剤を用いたポリエステル樹脂の製造方法、及びそれにより製造されたポリエステル樹脂

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