JP2000296663A - ホットスタンプ用転写シート及びその製造方法並びにその製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーコピー技術を利用したポットスタンプ
用転写シートを提供する。 【解決手段】 長尺樹脂フィルムａ上に剥離層ｂを介し
て透明受像層ｃが形成され、受像層上にトナー画像ｄを
長手方向に間欠的に形成され、更に保護層ｅを介して接
着剤層ｆが乾燥状態で積層形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ホットスタンプ方式の
印刷に使用される転写シートを、カラー複写機で採用さ
れているトナー画像形成手段を利用してなる製造方法並
びに製造装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】カラー複写機によるトナーによる複写像
を他物品の表面に転写する手段は、種々提案されてい
る。基本的な手法としては、紙や合成樹脂フィルムから
なるベース上に、剥離層を形成し、剥離層上にカラー複
写機を使用してトナー画像を形成定着させ、更にその上
に接着層（感圧接着剤やホットメルト接着剤）を形成し
て転写シートを形成し、非転写物の表面に加圧或いは加
熱もしくはその両方をもって転写し、ベースを剥離する
手段が知られている（特開平３−１２９３７６号公
報）。また特に複写トナー画像が崩れるのを防止するた
めに、接着剤層形成前に、透明アクリルウレタン層（保
護層）を定着したトナー画像上にスクリーン印刷を行
い、当該透明層上にホットメルト接着剤層を形成したり
（特許第２８４０９１８号公報）、トナー定着を低温半
定着として、トナー粒子内への接着剤の浸透を行う手段
（特公平７−７１８６号公報、特開平１０−２３６０８
７号公報）等が提案されている。

【０００３】更に前記転写シートは、コピー画像が表裏
逆となって転写されるので、透明シートの裏面に接着層
及び剥離シートを設けたベースにコピーを施し、剥離シ
ートを除去して透明フィルムを介して被転写物に貼着し
たり（特開平１−１９８３８４号公報）、ベース上に接
着層を形成し、更に白色トナー定着面を形成して、白色
トナー面にカラートナー画像を定着させ、ベースを剥離
して被転写物への転写を行っている（特公平７−８６６
９５号公報）。

【０００４】

【発明が解決使用とする課題】ところで転写印刷の一手
段としてホットスタンプ方式が知られている。これは長
尺の転写シートを被転写物上に重ね、加熱押圧部材で転
写紙上から打撃を加え、転写紙上の模様部分を被転写物
に転写する技術で、特に転写シートの順送りと、被転写
物の順送りを対応させての連続印刷が可能であり、効率
的な印刷手段である。そしてこの長尺転写シートは、従
前より通常の印刷手段で形成されており、予め異なる模
様や色彩を備えた少量多模様の転写シートの供給はなさ
れていない。勿論他品種少量製造に適するカラーコピー
機を利用した手段も採用されていなかった。

【０００５】そこでホットスタンプ方式に採用できる転
写シートを、単に、前記の従前のカラー複写技術を利用
して製造しようとした場合に、第一に長尺シートへの連
続コピーがなされていないし、短時間での加圧加熱のみ
によっては堅牢な印刷とはならない。特にトナー定着を
カラーコピー機に備え付けられた加熱ローラーで行う
と、定着時にトナーが加熱ローラーに付着しないように
ローラにはオイルが塗布されており、定着したトナー像
の表面にもオイルが付着した状態となる。このためトナ
ー像上に接着層や保護層を形成したとしても、トナー像
との密着が確実堅牢になされない虞がある。更に印刷時
の加圧の程度も大きいので、トナー画像の縁がぼやけて
しまうという問題も生ずる。

【０００６】そこで本発明は、カラーコピー技術を利用
したホットスタンプ用転写シート、及びその製造方法並
びに製造装置を提案したものである。

【０００７】

【課題を解決する手段】本発明に係るホットスタンプ用
転写シートは、長尺樹脂フィルム上に剥離層を介して透
明受像層が形成され、受像層上にトナー画像を長手方向
に間欠的に形成され、更に保護層を介して接着層が乾燥
状態で積層形成されてなることを特徴とするものであ
る。

【０００８】従ってトナー画像の採用によって他種類の
画像を備えた転写シートを容易に得ることができ、同一
印刷対象物に対して、ホットスタンプ方式での多模様の
連続印刷が可能となるものである。

【０００９】また本発明に係るホットスタンプ用転写シ
ート製造装置は、ベースとなる長尺シート部材の供給並
びに各機構中を移動し、更に回収を行うシート搬送機構
部と、カラートナーの静電転写手段を有する画像形成部
と、画像形成部の静電画像の形成を制御する画像決定部
と、画像に非接触状態で加温してトナー画像の定着を行
う画像定着部と、保護層の塗布乾燥を行う保護層コーテ
ィング部と、接着剤のを塗布乾燥を行う接着剤コーティ
ング部とを備えてなることを特徴とするものである。

【００１０】しかしてその製造方法は、長尺樹脂フィル
ム上に剥離層を介して透明受像層を形成した長尺シート
部材を、シート搬送機構部によって連続供給並びに各部
の連続通過を行い、画像決定部で画像の決定並びに画像
形成部の動作制御（シート部材に対する所定間隔での画
像形成）を行い、画像形成部で、移動するシート部材の
表面にトナー画像を形成し、画像定着部で、画像に非接
触状態で加温雰囲気中を通過させてトナー画像の定着を
行い、定着したトナー画像の表面を清浄な状態とし、次
の保護層コーティング部及び接着剤コーティング部で保
護膜及び接着剤層を積層形成するもので、転写シートの
連続製出がなされ、特にトナー画像表面並びに受像層に
オイルの付着がなく清浄であるから、保護層がトナー画
像及び受像層と密着して一体となり、ホットスタンプ印
刷時の加圧に際しても、画像の歪みが生じない。

【００１１】

【発明の実施形態】次に本発明の実施形態を、その製造
装置並びに前記製造装置を使用しての製造方法に基づい
て説明する。

【００１２】実施形態に示したホットスタンプ用転写シ
ート製造装置は、シート搬送機構部１と、画像形成部２
と、画像決定部３と、画像定着部４と、保護層コーティ
ング部５と、接着剤コーティング部６からなる。

【００１３】シート搬送機構部１は、ロール状に巻き込
んでなる長尺のシート部材Ａを連続的に搬送して各部を
通過させるもので、特に各部の前後においてのみ搬送駆
動を行い、製出後に再度ロール状に巻き上げるようにし
たものであり、搬送速度は、後述する画像形成部２の感
光ドラム２２の回転速度と一致させてなるものである。
尚シート部材Ａは、長尺樹脂フィルム（ペットフィル
ム）ａ上に、ワックス系の剥離剤を塗布して剥離層ｂを
形成し、更にその上面にアクリル系樹脂を使用して透明
受像層ｃを形成させてなるものである。

【００１４】画像形成部２は、公知のカラーコピー機の
画像形成と同様に、レーザーユニット２１と、複数の感
光ドラム２２及びトナー現像部２３と、転写ベルト２４
とを備えてなり、後述する画像決定部３からの画像デー
タ信号によって、レーザーユニット２１の半導体レーザ
ーを動作させて感光ドラム２２にレーザー光を照射し、
各色素毎の感光ドラム２２に静電潜像を形成し、同潜像
に現像部２３でトナーを付着させて可視像とし、更に転
写ベルト２４に高圧電流を流して、トナーを転写ベルト
２４上を走行するシート部材Ａに転写されるものであ
る。

【００１５】画像決定部３は、原稿用スキャナー３１
と、画像処理機（パソコン）３２とを備えたもので、原
稿画像を読みとって、画像形成部２に、その動作タイミ
ングに応じて画像データを送って、画像形成部２を動作
させてなり、特に原稿画像の左右反転や色彩のみを変更
したり、取り込み範囲の切り取りを行ったり、更には他
の画像データを取り込み処理する等して、製出しようと
する画像を選択決定するものである。

【００１６】画像定着部４は、表面に非定着のトナー画
像を形成されて搬送されるシート部材Ａの通過位置に、
画像に非接触状態で加温してトナー画像ｄの定着を行う
ようにしたものである。

【００１７】保護層コーティング部５は、塗布部５１と
乾燥部５２とを備えてなり、エポキシ系樹脂液をトナー
画像ｄの定着面上に塗布し、次にこれを乾燥させること
で保護層ｅを形成するものである。

【００１８】接着材コーティング部６は、塗布部６１と
乾燥部６２とを備えてなり、ホットスタンプ用接着剤
を、前記保護層に塗布し、次に乾燥させて接着剤層ｆを
形成するものである。

【００１９】而して前記の製造装置での転写シートの製
造は、長尺シート部材を、シート搬送機構部１によって
各部２，４，５，６を通過させて、巻き取り回収するよ
うにしたもので、その各部の通過時の処置によって所定
の積層がなされて転写シートＢが製出されるもので、予
め印刷模様（トナー画像ｄ）を、画像決定部３で決定
し、その画像データをシート部材Ａにおける画像形成間
隔に合わせて、画像形成部２に送りシート部材上に画像
が形成される。

【００２０】そしてシート部材Ａにトナー画像ｄが非定
着状態で形成された後に、画像形成部４の通過で、トナ
ーが加熱溶融して、受像層ｃに定着する。次に保護層コ
ーティング部５を通過することで、保護層ｅの塗布乾燥
がなされるが、特に前記の定着部４において、画像ｄ部
分と非接触状態で加温雰囲気中を通過させてトナー画像
ｄの定着を行うので、定着したトナー画像ｄの表面が清
浄な状態であるから、受像層ｃと保護層ｅとで画像ｄが
しっかりと保持されることになる。更に接着剤コーティ
ング部６で接着剤層ｆが積層形成されて転写シートＢが
製出され、この転写シートＢは巻き上げられてロール状
に形成し、出荷されるものである。

【００２１】従って製出されるホットスタンプ用転写シ
ートＢはロール状に製出され、出荷運搬に便利となり、
而もその模様画像は、従前の印刷のような製版作業を必
要とせずに、任意の絵柄模様を形成することができ、少
量多模様を容易に実現できたものである。

【００２２】また前記転写シートＢは、従前のホットス
タンプ印刷と同様に、非転写物Ｃに、加熱スタンプ体Ｄ
のスタンプ加圧動作で転写印刷されるもので、同スタン
プ体Ｄの加圧範囲で、接着剤ｆと保護層ｅと画像ｄと受
像層ｃが一体に接着されることになり、特に各積層間に
積層を阻害する要因が無く全体が一体になると共に、画
像ｄが受像層ｃと保護層ｅとでしっかりと保持されてい
るので、画像ｄの縁部分がぼやけること無くしっかりと
した模様が転写印刷されるものである。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明は、ホットスタンプ
方式の印刷に使用する長尺転写シートの模様を、カラー
複写機のトナー画像で形成したもので、長尺シートから
なる少量多模様のホットスタンプ用転写シートを提供で
きたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施装置の全体の構成図。

【図２】本発明の転写シートの製造過程の説明図。

【図３】同実施形態の一部正面図。

【図４】同転写シートの使用状態の説明図。

【図５】同転写シートよる転写印刷状態の説明図。

【符号の説明】

１ シート搬送機構部 ２ 画像形成部 ２１ レーザーユニット ２２ 感光ドラム ２３ トナー現像部 ２４ 転写ベルト ３ 画像決定部 ３１ 原稿用スキャナー ３２ 画像処理機（パソコン） ４ 画像定着部 ５ 保護層コーティング部 ５１ 塗布部 ５２ 乾燥部 ６ 接着剤コーティング部 ６１ 塗布部 ６２ 乾燥部 Ａ 長尺シート部材 Ｂ 転写シート ａ 長尺樹脂フィルム（ペットフィルム） ｂ 剥離層 ｃ 透明受像層 ｄ 画像 ｅ 保護層 ｆ 接着剤層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺樹脂フィルム上に剥離層を介して透
   明受像層が形成され、受像層上にトナー画像を長手方向
   に間欠的に形成され、更に保護層を介して接着剤層が乾
   燥状態で積層形成されてなることを特徴とするホットス
   タンプ用転写シート。
2. 【請求項２】 長尺樹脂フィルム上に剥離層を介して透
   明受像層を形成した長尺シート部材を連続供給して、シ
   ート部材の表面に、カラートナーの静電複写により一定
   間隔で所定の画像を連続形成し、次に画像に非接触状態
   で加温雰囲気中を通過させてトナー画像の定着を行い、
   定着後に保護層の塗布乾燥及び接着剤の塗布乾燥を連続
   的に行ってなることを特徴とするホットスタンプ用転写
   シートの製造方法。
3. 【請求項３】 ベースとなる長尺シート部材の供給並び
   に各機構中を移動し、更に回収を行うシート搬送機構部
   と、カラートナーの静電転写手段を有する画像形成部
   と、画像形成部の静電画像の形成を制御する画像決定部
   と、画像に非接触状態で加温してトナー画像の定着を行
   う画像定着部と、保護層の塗布乾燥を行う保護層コーテ
   ィング部と、接着剤の塗布乾燥を行う接着剤コーティン
   グ部とを備えてなることを特徴とするホットスタンプ用
   転写シートの製造装置。