JP2000296570A - 段ボールシートの製造方法 - Google Patents

段ボールシートの製造方法

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JP2000296570A
JP2000296570A JP11108210A JP10821099A JP2000296570A JP 2000296570 A JP2000296570 A JP 2000296570A JP 11108210 A JP11108210 A JP 11108210A JP 10821099 A JP10821099 A JP 10821099A JP 2000296570 A JP2000296570 A JP 2000296570A
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勝 山田
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佳昭 山田
Koji Ihi
康二 衣斐
Takushi Yano
▲琢▼司 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 個別の製造ラインに応じて、段ボールシート
の反りを低減できる段ボールシートの製造方法を提供す
ることである。 【解決手段】 段ボールシートの反りに影響する製造条
件項目を選定するとともに、これらの各項目を区分分け
して、この区分分けされた各項目の区分の組み合わせに
対応させて、ダブルフェーサの中央部付近に配置した水
分調整装置としての上下シャワ装置24、25の水噴射
パターンを予め記憶装置28に記憶し、生産管理用コン
ピュータ27等から送信される段ボールシートの製造条
件データに基づく、この選定された各項目の該当区分の
組み合わせから、対応する作動パターンを選択し、コン
トローラ26で上下シャワ装置24、25の作動を制御
するようにしたので、複雑な要因の絡み合いで変化する
段ボールシートの反りを効果的に低減することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、反りの小さい段
ボールシートを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】段ボールシートは、コルゲートマシンと
呼ばれる装置で連続的に製造されている。このコルゲー
トマシンは、本発明の実施形態である図1に例示するよ
うに、芯紙1と、第1ライナ紙としての裏ライナ紙2お
よび第2ライナ紙としての表ライナ紙3をそれぞれ供給
する各2基ずつのミルロールスタンド4、5、6を有
し、まずシングルフェーサ7で、ミルロールスタンド4
から供給される芯紙1を、一対の成形ロール8で波形形
状に成形するとともに糊付け装置9で糊付けし、ミルロ
ールスタンド5から供給される裏ライナ紙2と貼り合わ
せて片面段ボールシート10を形成する。この片面段ボ
ールシート10はダブルフェーサ11に供給され、その
入口に設けられた糊付け装置12で芯紙1の波形頂部に
糊付けされ、ミルロールスタンド6から供給される表ラ
イナ紙3と貼り合わされて、両面段ボールシート13が
形成される。
【0003】前記ダブルフェーサ11で形成された両面
段ボールシート13は、ダブルフェーサ11の下流側に
設けられたスリッタ・スコアラ14で、必要に応じて条
切りと罫線入れが施され、ロータリカッタ(図示省略)
で所定の長さ寸法に裁断されたのち積み重ねられる。
【0004】図示は省略するが、前記シングルフェーサ
7は2基設けられ、ロット替えや段取り替え等に応じて
適宜使い分けられる。なお、2層の段ボールシートを製
造する際には、2基のシングルフェーサ7が同時に稼働
される。
【0005】前記シングルフェーサ7およびダブルフェ
ーサ11の各糊付け装置9、12では澱粉糊が使用され
ており、この澱粉糊の貼り合わせ後の固化を促進するた
め、前記シングルフェーサ7やダブルフェーサ11に供
給される芯紙1、裏ライナ紙2、表ライナ紙3および片
面段ボールシート10は、それぞれヒータロール15、
16、17、18で予熱される。
【0006】前記ダブルフェーサ11は、上流側のヒー
ティングパートと下流側のクーリングパートより成る。
ヒーティングパートの下部にはヒーティングボックス1
9が配列され、上部にはエア圧またはウェイトロール等
で構成される加圧装置20が配置されている。加圧装置
20は両面段ボールシート13を搬送する上コンベア2
1のベルトを介して両面段ボールシート13をヒーティ
ングボックス19に押圧し、表ライナ紙3側から供給さ
れる熱で澱粉糊を固化しながら、満遍なく表ライナ紙3
と片面段ボールシート10を接着する。クーリングパー
トの下部には下コンベア22が配置され、昇温接着され
た両面段ボールシート13は、この下コンベア22と上
コンベア21との間に挟持され、冷却されながら排出端
に向かって搬送される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、段ボ
ールシートの製造ラインでは、接着剤としての澱粉糊の
固化を促進するために、元来含水分量の不均一な表裏の
ライナ紙や芯紙がヒータロール等で加熱されるので、こ
れらの各紙の含水分量が製造ラインの途中で変化する。
紙類は含水分量の変化で伸縮し、加湿されると伸び、乾
燥されると縮む性質を有するため、表裏のライナ紙が接
着された状態で各紙が伸縮すると、段ボールシート内に
曲げモーメントが生じる。この曲げモーメントにより、
製造された段ボールシートに反りが発生することがあ
る。
【0008】また、ダブルフェーサでは表裏のライナ紙
が接着された両面段ボールシートが加圧装置で挟持され
ながら加熱装置で加熱されるため、前記含水分量の変化
で伸縮する各紙の変位が拘束され、各紙に発生する内部
応力で各紙にひずみが生じる可能性もある。このひずみ
も段ボールシートに反りを発生させる要因になる。
【0009】さらに、段ボールシートには、Aフルート
材、Bフルート材、Aフルート材とBフルート材を積層
した複層材等、厚みの異なるものがあり、これらの厚み
の違いによっても、前記各紙の伸縮やひずみで生じる曲
げモーメントが変化し、段ボールシートに発生する反り
の量が異なる。
【0010】従来、反りの大きい段ボールシートは、後
の印刷等の加工工程で詰まったり、積み重ねて搬送され
る際に転倒したりするトラブルを生じさせる不良品とな
るので、段ボールシートの製造ラインでは、反り低減の
ためにシャワ装置等を配置し、段ボールシートの含水分
量を調節するようにしている。しかしながら、段ボール
シートの反りは、上述したように、複雑な要因の絡み合
いで変化するため、これらのシャワ装置等の水分調整装
置を的確に操作するのが難しい問題がある。また、前記
各種加熱装置や加圧装置のタイプや配置が製造ラインに
よって異なるため、製造ラインによって反りの発生状況
が異なり、他の製造ラインでの経験は必ずしも参考とな
らない。
【0011】そこで、この発明の課題は、個別の製造ラ
インに応じて、段ボールシートの反りを低減できる段ボ
ールシートの製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明の段ボールシートの製造方法は、波形形
状に成形した芯紙の上面側に第1ライナ紙を貼り合わせ
て片面段ボールシートを形成するシングルフェーサと、
単数もしくは複数積層した片面段ボールシートの下面側
に第2ライナ紙を貼り合わせて両面段ボールシートを形
成するダブルフェーサと、両面段ボールシートに必要に
応じて条切りと罫線入れを施すスリッタ・スコアラと、
条切りされた両面段ボールシートを所定の長さ寸法に裁
断するロータリカッタとが順に配列された段ボールシー
トの製造ラインにおいて、前記上面側の第1ライナ紙と
下面側の第2ライナ紙の含水分量をそれぞれ個別に調整
する水分調整装置と、この水分調整装置の作動を制御す
るコントローラを設け、前記罫線入れの有無、前記両面
段ボールシートの走行速度、両面段ボールシートの厚
み、前記芯紙と各ライナ紙に使用される各原紙の紙質、
および各原紙の坪量の少なくともいずれか一つを含む段
ボールシートの製造条件項目を予め選定し、選定された
各項目について区分分けを行い、この区分分けされた各
項目の区分の組み合わせに対応させて、前記水分調整装
置を作動する複数の作動パターンを記憶する記憶装置を
設け、製造される段ボールシートの前記選定された各項
目についての該当区分を前記コントローラに入力し、こ
の入力された該当区分の組み合わせに応じて、前記記憶
装置に記憶された水分調整装置の作動パターンを選択
し、選択された作動パターンに基づいて、前記水分調整
装置の作動を制御する方法を採用したのである。
【0013】すなわち、製造ラインに応じて、段ボール
シートの反りに影響する製造条件項目を選定するととも
に、これらの各項目を区分分けして、この区分分けされ
た各項目の区分の組み合わせに対応させて、反りを小さ
くできる水分調整装置の作動パターンを予め記憶し、製
造される段ボールシートについてのこの選定された各項
目の該当区分の組み合わせから、対応する作動パターン
を選択し、水分調整装置の作動を制御するようにしたの
である。
【0014】前記段ボールシートの反りに影響する製造
条件項目の選択肢として、罫線入れの有無、前記両面段
ボールシートの走行速度、両面段ボールシートの厚み、
前記芯紙と各ライナ紙に使用される各原紙の紙質、およ
び各原紙の坪量を挙げたのは、過去の製造経験によるも
のである。罫線入れの有無が反りに影響するのは、スリ
ッタ・スコアラの罫線は、段ボールシートの幅方向に形
成された波状の内部空間に対して垂直方向に入れられる
ので、この内部空間が閉塞状態となって内部に滞留して
いる水蒸気が外部に逃げ難くなり、罫線の有無で各紙の
含水分量が大きく変化するためと思われる。
【0015】前記製造条件項目を多く選定するほど、水
分調整装置の作動パターンをより細かく設定して、制御
精度を向上させることができるが、条件項目を多くする
とパターン数が増大して、記憶装置の記憶容量を大きく
する必要がある。したがって、制御精度の向上度合いと
のバランスを考慮して、製造ラインに応じた製造条件項
目を選定するのが良い。
【0016】前記記憶装置に、特定の段ボールシート
と、この特定段ボールシートに対応する前記水分調整装
置の作動パターンをさらに記憶し、製造される段ボール
シートが記憶された特定段ボールシートの場合に、この
特定段ボールシートに対応する作動パターンを選択し、
前記水分調整装置の作動を制御することにより、原因不
明で特異な反り発生挙動を示し、前記製造条件項目で区
分した基本の作動パターンでは対処できない特定段ボー
ルシートの反りを効果的に低減することができる。
【0017】前記水分調整装置の作動パターンを手動介
入で変更する操作端を設け、この操作端で水分調整装置
の作動パターンが変更されたときに、作動パターンを変
更された段ボールシートに対応する前記記憶装置に記憶
された作動パターンを修正することにより、記憶装置に
記憶された作動パターンを、さらに反り低減に適したも
のに逐次レベルアップすることができる。各作動パター
ンの修正方法としては、記憶装置に記憶された作動パタ
ーンと、手動介入で変更された作動パターンとに適当な
重み係数を乗じて両者を折衷し、これを新たな作動パタ
ーンとして記憶装置に記憶する方法等を採用することが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図3に基づき、こ
の発明の実施形態を説明する。図1は、前述したよう
に、段ボールシートを製造するコルゲートマシンを示
す。このコルゲートマシンは、芯紙1、裏ライナ紙2お
よび表ライナ紙3をそれぞれ供給する各2基ずつのミル
ロールスタンド4、5、6を有し、まずシングルフェー
サ7で、ミルロールスタンド4から供給される芯紙1
を、一対の成形ロール8で波形形状に成形するとともに
糊付け装置9で糊付けし、ミルロールスタンド5から供
給される裏ライナ紙2と貼り合わせて片面段ボールシー
ト10を形成する。この片面段ボールシート10はダブ
ルフェーサ11に供給され、その入口に設けられた糊付
け装置12で芯紙1の波形頂部に糊付けされ、ミルロー
ルスタンド6から供給される表ライナ紙3と貼り合わさ
れて、両面段ボールシート13が形成される。前記各2
基ずつのミルロールスタンド4、5、6の一方には、次
に使用される芯紙1、裏ライナ紙2および表ライナ紙3
が、それぞれセットされている。
【0019】前記ダブルフェーサ11で形成された両面
段ボールシート13は、ダブルフェーサ11の下流側に
設けられたスリッタ・スコアラ14で、必要に応じて条
切りと罫線入れが施され、ロータリカッタ(図示省略)
で所定の長さ寸法に裁断されたのち積み重ねられる。
【0020】図示は省略するが、前記シングルフェーサ
7は2基設けられ、ロット替えや段取り替え等に応じて
適宜使い分けられる。2層の段ボールシートを製造する
際には、2基のシングルフェーサ7が同時に稼働され、
ダブルフェーサ11には、2つの片面段ボールシート1
0が同時に供給される。
【0021】前記シングルフェーサ7およびダブルフェ
ーサ11の各糊付け装置9、12では澱粉糊が使用され
ており、この澱粉糊の貼り合わせ後の固化を促進するた
め、前記シングルフェーサ7やダブルフェーサ11に供
給される芯紙1、裏ライナ紙2、表ライナ紙3および片
面段ボールシート10は、それぞれヒータロール15、
16、17、18で予熱される。
【0022】前記ダブルフェーサ11は、上流側のヒー
ティングパートと下流側のクーリングパートより成る。
ヒーティングパートの下部にはヒーティングボックス1
9が配列され、上部には加圧装置20が配置されてい
る。加圧装置20は両面段ボールシート13を搬送する
上コンベア21のベルトを介して両面段ボールシート1
3をヒーティングボックス19に押圧し、表ライナ紙3
側から供給される熱で澱粉糊を固化しながら、満遍なく
表ライナ紙3と片面段ボールシート10を接着する。ク
ーリングパートの下部には下コンベア22が配置され、
昇温接着された両面段ボールシート13は、この下コン
ベア22と上コンベア21との間に挟持され、冷却され
ながら排出端に向かって搬送される。
【0023】図2は、ダブルフェーサ11の中央部を拡
大して示す。前記ヒーティングパートとクーリングパー
トの境界部で、上コンベア21の下部ベルトに上向きの
ループ23が設けられ、このループ23で形成された下
部ベルト下面側の空間に、両面段ボールシート13上面
側の裏ライナ紙2の含水分量を調節する上シャワ装置2
4が設置されている。また、前記ヒーティングボックス
19と下コンベア22の間には、下面側の表ライナ紙3
の含水分量を調節する下シャワ装置25が設置されてい
る。これらの上下シャワ装置24、25は、後述するコ
ントローラ26に接続され、上下シャワ装置24、25
の作動パターンとしての、水噴射量の組み合わせで決ま
る噴射パターンが自動制御されるようになっている。
【0024】図3は、前記コントローラ26による制御
の系統図を示す。コントローラ26には、前記上下シャ
ワ装置24、25、生産管理用のコンピュータ27、記
憶装置28およびタッチパネル式のディスプレイ装置2
9が接続され、前記上コンベア21の搬送速度vも入力
されるようになっている。記憶装置28には、製造され
る段ボールシートのフルート種別、罫線の有無および前
記上コンベア21の搬送速度vの各製造条件項目につい
て区分分けされた各区分の組み合わせに対応する各シャ
ワ装置24、25の複数の基本噴射パターンが予め記憶
され、フルート種別、罫線の有無、芯紙1と各ライナ紙
2、3に使用される各原紙の銘柄、および各原紙の坪量
の組み合わせが特定の特定段ボールシートについては、
前記搬送速度vで区分分けされた特定噴射パターンが記
憶されている。なお、各原紙は銘柄によって紙質が異な
る。
【0025】段ボールシートの製造に際して、まず、コ
ントローラ26は、生産管理用コンピュータ27から、
製造される段ボールシートのフルート種別、罫線の有
無、各原紙の銘柄と坪量を受信する。つぎに、コントロ
ーラ26は、これらの組み合わせが前記記憶装置28に
記憶された特定段ボールシートか否かを判別し、特定段
ボールシートの場合は、その段ボールシートに対応する
前記特定噴射パターンを、その他の場合は、前記各製造
条件項目について区分分けされた区分が該当する各区分
の組み合わせに対応する基本噴射パターンを選択する。
【0026】この実施形態では、段ボールシートの厚み
区分が、Aフルート材、Bフルート材、および両者が積
層された複層材の3種類に区分分けされ、これらの3種
類の各フルート種別に対して、罫線の有無が2種類に区
分分けされ、さらにこれらの区分分けを掛け合わせた6
つの組み合わせに対して、前記搬送速度vが6段階に区
分分けされている。搬送速度vが6段階に区分分けされ
たものを1セットとし、前記6つの組み合わせに対応す
る合計6セットの基本噴射パターンが記憶装置28に記
憶されている。
【0027】前記特定噴射パターンについては、基本噴
射パターンと同様に搬送速度vで6段階に区分分けされ
たセットが、20セット記憶されている。この特定噴射
パターンは、前記特定の製造条件項目の組み合わせにな
った特定段ボールシートと必ずしも1対1で対応するも
のではなく、複数の特定段ボールシートと対応付けられ
た特定噴射パターンもある。また、この特定噴射パター
ンは、必要に応じて追加や削除することができ、既存の
特定噴射パターンに特定段ボールシートの対応付けを追
加、削除することもできる。
【0028】図4は、前記基本噴射パターンが表示され
たタッチパネル式ディスプレイ装置29の画面の一例を
示す。画面左側には、上から順に画面種類の表示領域3
0、各フルート種別の搬送速度区分の表示領域31、各
搬送速度区分に対応する上下シャワ装置24、25の噴
射パターンの表示領域32、および前記6セットの基本
噴射パターンと20セットの特定噴射パターンから成る
合計26セットの噴射パターン番号の表示領域33が割
り付けられ、画面右側はデータ入力用のタッチパネルと
なっている。搬送速度vの区分値、噴射パターンおよび
噴射パターン番号は、このタッチパネルから手動介入で
変更することができ、変更した値を前記記憶装置28に
記憶させることもできる。各噴射パターンを決定する上
下シャワ装置24、25の水噴射量は、0〜4の5段階
に区分されており、数字が大きくなるほど噴射量が多く
なるように設定されている。なお、0は水噴射なしであ
る。図示は省略するが、前記特定噴射パターンの表示画
面もほぼ同様であり、前記画面種類の表示領域30の右
側に各原紙の銘柄と坪量が追加表示される。
【0029】上述した実施形態では、水分調整装置とし
て段ボールシートを加湿するシャワ装置を用い、これを
ダブルフェーサの中央部付近に配置したが、水分調整装
置としてはヒータロールやヒーティングボックス等の乾
燥装置を採用することもでき、これらの配置場所も任意
の位置とすることができる。ただし、スリッタ・スコア
ラ以降での含水分量の調整は、印刷等の後工程に影響す
るため、あまり大幅に変化させることができない。上下
の水分調整装置の配置を異なる位置としたり、複数の水
分調整装置を配置することもできる。
【0030】また、この実施形態では、各原紙の銘柄と
坪量による区分分けを特定噴射パターンで分担したが、
基本噴射パターンの中に組み込むこともできる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、この発明の段ボールシー
トの製造方法は、段ボールシートの反りに影響する製造
条件項目を選定するとともに、これらの各項目を区分分
けして、この区分分けされた各項目の区分の組み合わせ
に対応させて、反りを小さくできる水分調整装置の作動
パターンを予め記憶装置に記憶し、製造される段ボール
シートについてのこの選定された各項目の該当区分の組
み合わせから、対応する作動パターンを選択し、水分調
整装置の作動を制御するようにしたので、複雑な要因の
絡み合いで変化する段ボールシートの反り発生を低減す
ることができる。
【0032】また、前記記憶装置に、特定の段ボールシ
ートと、この特定段ボールシートに対応する水分調整装
置の作動パターンをさらに記憶し、製造される段ボール
シートが記憶された特定段ボールシートの場合に、この
特定段ボールシートに対応する作動パターンを選択し、
水分調整装置の作動を制御するようにしたので、原因不
明で特異な反り発生挙動を示し、前記基本噴射パターン
では対処できない特定段ボールシートの反りも効果的に
低減することができる。
【0033】さらに、前記水分調整装置の作動パターン
を手動介入で変更する操作端を設け、この操作端で水分
調整装置の作動パターンが変更されたときに、作動パタ
ーンを変更された段ボールシートに対応する前記記憶装
置に記憶された作動パターンを修正するようにしたの
で、記憶装置に記憶された作動パターンを、さらに反り
低減に適したものに逐次レベルアップすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の段ボールシートの製造ラインを示す
概略正面図
【図2】図1の要部拡大正面図
【図3】図2のシャワ装置を制御するコントローラの制
御系統図
【図4】図3のディスプレイ装置の画面の一例を示す図
【符号の説明】
1 芯紙 2 裏ライナ紙 3 表ライナ紙 4、5、6 ミルロールスタンド 7 シングルフェーサ 8 成形ロール 9 糊付け装置 10 片面段ボールシート 11 ダブルフェーサ 12 糊付け装置 13 両面段ボールシート 14 スリッタ・スコアラ 15、16、17、18 ヒータロール 19 ヒーティングボックス 20 加圧装置 21、22 コンベア 23 ループ 24、25 シャワ装置 26 コントローラ 27 コンピュータ 28 記憶装置 29 ディスプレイ装置 30、31、32、33 表示領域
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月2日(2000.5.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明の段ボールシートの製造方法は、波形形
状に成形した芯紙の上面側に第1ライナ紙を貼り合わせ
て片面段ボールシートを形成するシングルフェーサと、
単数もしくは複数積層した片面段ボールシートの下面側
に第2ライナ紙を貼り合わせて両面段ボールシートを形
成するダブルフェーサと、両面段ボールシートに必要に
応じて条切りと罫線入れを施すスリッタ・スコアラと、
条切りされた両面段ボールシートを所定の長さ寸法に裁
断するロータリカッタとが順に配列された段ボールシー
トの製造ラインにおいて、前記上面側の第1ライナ紙と
下面側の第2ライナ紙の含水分量をそれぞれ個別に調整
する水分調整装置と、この水分調整装置の作動を制御す
るコントローラを設け、前記罫線入れの有無、前記両面
段ボールシートの走行速度、両面段ボールシートの厚
み、前記芯紙と各ライナ紙に使用される各原紙の紙質、
および各原紙の坪量の少なくともいずれか一つを含む段
ボールシートの反りに影響する製造条件項目を予め選定
し、選定された各項目について区分分けを行い、この区
分分けされた各項目の区分の組み合わせに対応させて、
反りを小さくできるように前記水分調整装置を作動する
複数の作動パターンを記憶する記憶装置を設け、製造さ
れる段ボールシートの前記選定された各項目についての
該当区分を前記コントローラに入力し、この入力された
該当区分の組み合わせに応じて、前記記憶装置に記憶さ
れた水分調整装置の作動パターンを選択し、選択された
作動パターンに基づいて、前記水分調整装置の作動を制
して段ボールシートの反りの発生を低減する方法を採
用したのである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】前記記憶装置に、特定の段ボールシート
と、この特定段ボールシートに対応する、反りを小さく
できるような前記水分調整装置の作動パターンをさらに
記憶し、製造される段ボールシートが記憶された特定段
ボールシートの場合に、この特定段ボールシートに対応
する作動パターンを選択し、前記水分調整装置の作動を
制御して段ボールシートの反りの発生を低減することに
より、原因不明で特異な反り発生挙動を示し、前記製造
条件項目で区分した基本の作動パターンでは対処できな
い特定段ボールシートの反りを効果的に低減することが
できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 衣斐 康二 大阪市北区梅田2丁目5番25号 レンゴー 株式会社本社事務所内 (72)発明者 矢野 ▲琢▼司 大阪市北区梅田2丁目5番25号 レンゴー 株式会社本社事務所内 Fターム(参考) 3E078 AA11 BB03 CC01 CC06 CC12 CC41 CC57 CC58X CC62 CD10 CE02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波形形状に成形した芯紙の上面側に第1
    ライナ紙を貼り合わせて片面段ボールシートを形成する
    シングルフェーサと、単数もしくは複数積層した片面段
    ボールシートの下面側に第2ライナ紙を貼り合わせて両
    面段ボールシートを形成するダブルフェーサと、両面段
    ボールシートに必要に応じて条切りと罫線入れを施すス
    リッタ・スコアラと、条切りされた両面段ボールシート
    を所定の長さ寸法に裁断するロータリカッタとが順に配
    列された段ボールシートの製造ラインにおいて、前記上
    面側の第1ライナ紙と下面側の第2ライナ紙の含水分量
    をそれぞれ個別に調整する水分調整装置と、この水分調
    整装置の作動を制御するコントローラを設け、前記罫線
    入れの有無、前記両面段ボールシートの走行速度、両面
    段ボールシートの厚み、前記芯紙と各ライナ紙に使用さ
    れる各原紙の紙質、および各原紙の坪量の少なくともい
    ずれか一つを含む段ボールシートの製造条件項目を予め
    選定し、選定された各項目について区分分けを行い、こ
    の区分分けされた各項目の区分の組み合わせに対応させ
    て、前記水分調整装置を作動する複数の作動パターンを
    記憶する記憶装置を設け、製造される段ボールシートの
    前記選定された各項目についての該当区分を前記コント
    ローラに入力し、この入力された該当区分の組み合わせ
    に応じて、前記記憶装置に記憶された水分調整装置の作
    動パターンを選択し、選択された作動パターンに基づい
    て、前記水分調整装置の作動を制御することを特徴とす
    る段ボールシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記記憶装置に、特定の段ボールシート
    と、この特定段ボールシートに対応する前記水分調整装
    置の作動パターンをさらに記憶し、製造される段ボール
    シートが記憶された特定段ボールシートの場合に、この
    特定段ボールシートに対応する作動パターンを選択し、
    前記水分調整装置の作動を制御するようにした請求項1
    に記載の段ボールシートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記水分調整装置の作動パターンを、手
    動介入で変更する操作端を設け、この操作端で水分調整
    装置の作動パターンが変更されたときに、作動パターン
    を変更された段ボールシートに対応する前記記憶装置に
    記憶された作動パターンを修正するようにした請求項1
    または2に記載の段ボールシートの製造方法。
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