JP2000296180A - 経皮透過方法 - Google Patents

経皮透過方法

Info

Publication number
JP2000296180A
JP2000296180A JP11105359A JP10535999A JP2000296180A JP 2000296180 A JP2000296180 A JP 2000296180A JP 11105359 A JP11105359 A JP 11105359A JP 10535999 A JP10535999 A JP 10535999A JP 2000296180 A JP2000296180 A JP 2000296180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
time
silver
acid
gpiib
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11105359A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Iga
勝美 伊賀
Yukihiro Matsumoto
行浩 松本
Shigeo Yanai
薫雄 柳井
Shigeto Higo
成人 肥後
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc, Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Priority to JP11105359A priority Critical patent/JP2000296180A/ja
Publication of JP2000296180A publication Critical patent/JP2000296180A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrotherapy Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】デバイスを取り替えることなく一定した通電性
を長期間維持しながら、活性成分の高い吸収性を長期間
持続させることができ、活性成分による優れた治療効果
をもたらすイオントフォレシス経皮透過方法を提供す
る。 【解決手段】二つの電極部の少なくともその一方に長期
間の吸収を要する活性成分を含有し、通電制御部を通じ
て電流を印可する際に、一定時間通電した後、瞬間的に
回路を短絡した後にまたは一定時間の非通電時間を設け
た後に電極部の極性を反転させる工程を複数回行うこと
を特徴とするイオントフォレシスによる活性成分の経皮
透過方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GPIIb/II
Ia拮抗物質(特に、長期間の持続吸収を要するGPI
Ib/IIIa拮抗物質または長期間のパルス吸収を要
するGPIIb/IIIa拮抗物質)のスイッチングイ
オントフォレシスによる経皮投与に関する。
【0002】
【従来の技術】イオントフォレシスによる経皮投与は、
そのままでは皮膚透過しない親水性荷電物質を電気の反
発力により皮膚透過させる投与手段で、古くから知られ
ている経皮吸収促進システムである〔ジャーナル・オブ
・コントロールド・リリース(Journal of Controlled
Release)、18巻、1992年、213−220頁;
アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビュー(Adva
nced Drug Delivery Review)、9巻、1992年、1
19頁;ファルマシュウティカル・リサーチ(Pharmace
utical Research)、3巻、1986年、318−32
6頁参照〕。一般的にイオントフォレシス投与用デバイ
スは、陽電極部(anodal patch)と陰電極部(cathodal
patch)から構成されている。そして陽電荷を持った親
水性荷電物質(例えば塩基性ペプチドあるいは塩基性ペ
プチド様物質)は、陽電極側に配合され(anodal ionto
phoresis)、また陰電荷を持った親水性荷電物質(例え
ば酸性ペプチドあるいは酸性ペプチド様物質)は、陰電
極側に配合され(cathodal iontophoresis)、皮膚に貼
付して電気を流すと、それらの親水性荷電物質は電気反
発力に従い、透過の最大障壁である角質を透過して経皮
吸収されるというのがその原理である。上記のような親
水性荷電物質は、一般的に経口投与においては吸収性が
極めて低いので、有効な投与手段は注射に限定され、自
己投与は容易ではない。したがって、イオントフォレシ
ス投与はそれらの物質の自己投与手段の有力な候補と考
えられる。イオントフォレシス投与の有用性は単に自己
投与ができるだけではなく、経皮吸収速度が通電時の電
流密度に比例するため、一定の電流を長時間印可すれ
ば、一定の血中薬物濃度を長時間持続させること、ま
た、通電を一定の時間間隔でon-off させれば、通電時
にのみ薬物が吸収されるので、パルス型血中濃度を何度
も繰り返すことができる点にある。一定の電流を長時間
印可させることにより、血中濃度を長時間安定に維持さ
せることができ、治療上、その有用性が大いに期待され
る親水性荷電物質の例としては、GPIIb/IIIa拮抗物質
類が挙げられる。これらの物質は、血小板のリセプター
の一つであるGPIIb/IIIaに対する競合阻害により、血
小板の凝集を抑制し抗血栓作用を示す物質で、狭心症、
不安定狭心症、PTCA(経皮的冠動脈内血管形成術)
もしくは冠動脈血栓溶解法施行時の虚血性合併症又は冠
動脈の再閉塞もしくは再狭窄等の予防または治療への適
用が期待されている。一般にGPIIb/IIIa拮抗物質に共
通する問題点は、親水性が高く粘膜透過性が低いため、
経口投与が期待できず、一般に入院時にのみ可能な長時
間の静脈点滴注射が唯一、安全で有効な投与法となって
いる点と、副作用である出血時間の延長を示す血中薬物
濃度の下限が主作用を示す血中濃度域に近接しているた
め、いかに血中濃度を一定に制御して、主作用と副作用
を乖離させながら、一定した有効血中薬物濃度をいかに
長期間連続して持続させるかという点が問題となる。そ
の意味ではイオントフォレシス投与はそれらの問題を解
決させる可能性が最も高い投与方法といえる。GPIIb/
IIIa拮抗物質のイオントフォレシス投与に関しては、電
極部に保湿剤を配合するイオントフォレシス投与用デバ
イスに関する特許出願(EP0747092A2)やイオントフォ
レシス投与用デバイスのインターフェイスに関する特許
出願(EP0748636A2)の中で、GPIIb/IIIa拮抗物質で
ある(S)−4−(4−グアニジノベンゾイルアミノ)
アセチル−3−[3−(4−グアニジノベンゾイルアミ
ノ)]プロピル−2−オキソピペラジン−1−酢酸が例
示されている。またGPIIb/IIIa拮抗物質の自己投与方
法としてのイオントフォレシス経皮投与に関する技術
が、特許出願(WO 97/49382号公報、WO 97/48395号公
報、特開平9−103494号公報、特開平9−568
27号公報)されている。また電流密度を時系列的に複
数の通電工程で段階的に変化させ早期に有効血中GPII
b/IIIa拮抗物質濃度を実現する特許出願(特願平10−
102521号)もある。一方、通電を一定の時間間隔
でon-offさせ、通電に応答して薬物を経皮吸収させ、パ
ルス型血中濃度を何度も繰り返すことで治療上その有用
性が大いに期待される薬剤の例としては、副甲状腺ホル
モンやカルシトニンなどの骨粗鬆症治療用ペプチドホル
モン剤が挙げられる。一般的に、これらのペプチドホル
モンは、正常な生体においてはパルス的に分泌されてお
り、その好ましい投与モードは、分泌モードに近いパル
ス型血中濃度を与えるモードと考えられる。例えば副甲
状腺ホルモンにおいては、約1時間ごとに血中濃度のパ
ルスが複数回出現するイオントフォレシス投与の技術が
特許出願(EP0643981A1;EP0747092A2;EP0748636A2;E
P0813879A2;特願平9−343444号)されている。
しかしこれらの開示されたイオントフォレシスの技術だ
けでは、一定の電流を長時間印可し一定の血中薬物濃度
を長時間持続させること、また通電を一定の時間間隔で
on-offさせ通電時にのみ薬物が吸収されるパルス型血中
濃度を長時間繰り返すことは困難である。長期間通電に
よるイオントフォレシス投与の問題は、通電中に電極が
変化することである。これは用いる電極のタイプすなわ
ち電極の材料に不活性型導電物質(inert conductive m
aterial)を用いるか、消耗型導電物質(sacrificial c
onductive material)を用いるかに依存するが、通常、
通電中における水の加水分解を惹起させ、デバイス内の
pHを大きく変化させて、また時によっては活性酸素を発
生させるなどして、皮膚を損傷させる恐れのある前者の
タイプはあまり好ましくなく、むしろ後者のタイプの電
極が好ましく用いられ、例えば陽極として銀電極、陰極
として銀/塩化銀電極が用いられる。しかし、後者のタ
イプの電極は、通電中に例えば陽極である銀電極の銀は
徐々に塩化銀に変化し、また陰電極である銀/塩化銀電
極の塩化銀は徐々に銀に変化し、長時間経過すると電圧
が急に上昇し、それ以上長く通電できなくなる。これは
用いる電極が箔状(foil)であるか、薄板に導電物質を
塗布した、所謂、プリント電極(箔電極に比べ安価)で
あるか、によって寿命の程度は異なるが、実際に動物の
皮膚にデバイスを貼付し、一定の電流密度(例えば0.1m
A/cm2)で通電する我々のin vivo 実験結果からは、プ
リント銀電極(陽極)で最長約4時間、また箔銀電極
(陽極)は最長約24時間が限度で、それ以上長時間の
通電は困難であることが分かっている。イオントフォレ
シスにおいて用いられる電流は、一般的には直流で、通
常は陽電極部(anodal patch)と陰電極部は固定されて
いるために、電流の流れは絶えず一方向であるが、陽極
と陰極を途中で反転(switch of porality)させ通電す
るスイッチングイオントフォレシスも可能であることが
一般に知られている(US4406658;特公平7-106225;特
許第2821267;特開平4-224770;特開平5-49702;特公平
6-7868)。例えばUS4406658には、第1電極および第2
電極に荷電物質を含有させ、通電に際し途中で極性を反
転させるイオントフォレシス投与の条件が開示されてい
る。またこの特許出願においては、反転する直前で電流
値を徐々にゼロに近付け(turn down)、反転した直後
電流値を徐々に高めて所定の電流密度に近付ける(turn
up)条件が開示されている。そうすることで皮膚刺激
が軽減できるというのがその利点と説明されている。ま
た特公平7-106225には、皮膚刺激を軽減する手段とし
て、低周波数の電流を1秒当たり約20回と3分毎に約1回
との間で電流の方向を断続的に反転させる条件が開示さ
れている。また特許第2821267には、電極と薬物貯蔵層
の間にイオン交換膜を配する電極部を両極に用い、電極
の極性を反転させる条件が開示されている。また特開平
4-224770には、電極パッチのpHの極端な変化の防止を目
的として、電極の反転の条件が開示されている。すなわ
ち、電流が電極と水媒体の間を流れると水が電気分解を
受けて、陽極側では水素イオンが発生し、また陰極側で
は水酸イオンが発生し、結果的には陽極側のpHが極端に
低下、また陰極側のpHが極端に上昇する現象に対し、電
極の極性を反転させるとpHの極端な変化は抑制される。
実施例として白金電極とカルシトニンを含有する寒天ゲ
ルから構成される電極パッチを両極に用いて、20分ご
とに反転させ、12時間通電しても電極部パッチのpHは
変動せず、カルシトニンの経皮吸収による血中のカルシ
ウム濃度の低下が数時間続く結果が例示されている。ま
た特開平5-49702には電極の極性の反転に際し、電流値
を徐々に変化(0.1-0.6mA/min)させる条件が開示され
ている。しかし特公平6-7868以外のこれらの特許は、い
ずれもスイッチング技術により電極の寿命を延長させる
ためのものではない。一方、特公平6-7868には、電極の
極性を反転させることにより消耗した電極を再生させら
れる技術が初めて開示されている。しかしこの技術にお
いては、電極部の薬剤貯蔵層を取り外し、もともと設置
していた電極側とは反対側の電極部に設置し直す必要が
ある。すなわち、従来のスイッチングイオントフォレシ
ス技術からは、両電極部に消耗型電極(例えば銀/塩化
銀電極)を用い、適当時間間隔で電極の極性を反転さ
せ、かつ両電極部に同じ薬物を配合させて長期間高い吸
収性を維持できる条件、あるいは片方の電極にのみ薬物
を配合しスイッチ間隔に応じたパルス吸収を長時間にわ
たって何度も繰り返す条件は見い出されていない。ま
た、一般的には極性を反転させるイオントフォレシス投
与においては、極性の反転により、一旦皮膚側に移行し
た化合物が通常とは逆のイオントフォレシス効果(薬物
が陰極に向かって移動する効果)を受けて、イオントフ
ォレシスによる期待した皮膚透過促進が得られないこと
が懸念される。このような皮膚透過性は、好適な化合物
の選択あるいはデバイス内に配合される好適な組成の選
択あるいは好適な反転時間の選択に依存するかも知れな
いが、いままでのところ長期間にわたり良好な皮膚透過
促進を示す技術は開示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一度のイオ
ントフォレシス経皮投与において、デバイスを取り替え
ることなく一定した通電性を維持しながら、長期間(例
えば10時間以上)にわたる持続吸収を要する薬物に対
しては、高い吸収性を長期間持続させ、また長期間(例
えば10時間以上)にわたるパルス吸収の繰り返しを要
する薬物に対しては、一定したパルス吸収を長期間にわ
たって繰り返すイオントフォレシス投与用デバイスを用
いる活性成分の経皮透過方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、長期間の
持続吸収を要する薬物または長期間のパルス吸収を要す
る薬物のイオントフォレシスによる経皮投与において、
自動的に電極を反転させながら電極を再生させ、投与時
に通電開始操作を行うだけで、何の操作もなく長期間通
電し、薬物を好ましい速度で経皮吸収させることを着想
し、かかる着想に基づき研究した結果、陽陰の2つの電
極部の両方またはどちらかに薬物を配合し、消耗型電極
からなる電極の極性を、プログラム化された好ましい時
間間隔で自動的に反転させ通電し投与することにより、
皮膚に損傷をもたらさない条件下で、長期間にわたる持
続吸収を要する薬物に対しては、高い吸収性を長期間持
続させ、また長期間長期間にわたるパルス吸収の繰り返
しを要する薬物に対しては、一定のパルス吸収を長期間
にわたって繰り返すイオントフォレシス投与用デバイス
を用いる活性成分の経皮透過方法を見い出し、さらに検
討を重ね、本発明を完成した。すなわち本発明は、
(1)二つの電極部の少なくともその一方に活性成分と
してGPIIb/IIIa拮抗物質を含有し、通電制御
部を通じて電流を印可する際に、一定時間通電した後、
瞬間的に回路を短絡した後にまたは一定時間の非通
電時間を設けた後に、電極部の極性を反転させる工程を
複数回行うことを特徴とするイオントフォレシスによる
活性成分の経皮透過方法、(2)一方の極性で通電を開
始してからその極性で通電を継続する時間が同一または
異なって10秒から1時間であることを特徴とする(1)
記載の方法、(3)一定時間通電した後に設けられる非
通電時間が100万分の1秒から4時間であることを特
徴とする(1)記載の方法、(4)電極部の極性を反転
させる回数が10回から2000回であることを特徴と
する(1)記載の方法、(5)電流の総印可時間が30
分から72時間であることを特徴とする(1)記載の方
法、(6)二つの電極部の電極がともに銀とハロゲン化
銀から構成されることを特徴とする(1)記載の方法、
(7)電極が銀とハロゲン化銀の混合物であることを特
徴とする(6)記載の方法。(8)銀とハロゲン化銀の
構成重量比が1:9から9:1であることを特徴とする
(6)記載の方法、(9)二つの電極部の電極の銀とハ
ロゲン化銀の合計構成重量比が2:1から1:2である
ことを特徴とする(8)記載の方法、(10)電極部の
導電性水分貯体の中にハロゲンイオンを含有することを
特徴とする(6)記載の方法、(11)二つの電極部に
GPIIb/IIIa拮抗物質を含有することを特徴と
する(1)記載の方法、(12)GPIIb/IIIa
拮抗物質が(S)−4−(4−グアニジノベンゾイルア
ミノ)アセチル−3−[3−(4−グアニジノベンゾイ
ルアミノ)]プロピル−2−オキソピペラジン−1−酢
酸またはその塩であることを特徴とする(1)記載の方
法、(13)電源部に接続可能な電極および導電性水分
貯体を絶縁支持体の窪みに充填しさらにその表面を湿潤
性多孔性薄膜で覆う構造を電極部が有するデバイスを使
用することを特徴とする(1)記載の方法、(14)二
つの電極部が相似形状でかつ電極部の導電性水分貯体が
同一組成であることを特徴とする(1)記載の方法、
(15)電極部の導電性水分貯体が寒天ゲルまたはアガ
ロースゲルを含有することを特徴とする(1)記載の方
法、(16)電極部の導電性水分貯体のpHが3から7
の範囲であることを特徴とする(1)記載の方法、(1
7)活性成分を含有する導電性水分貯体のpH調整物質
として有機アミンを用いることを特徴とする(1)記載
の方法、(18)有機アミンがメグルミンである(1
7)記載の方法、(19)一方の電極部にパルス的な吸
収を要するGPIIb/IIIa拮抗物質を含有するこ
とを特徴とする(1)記載の方法、(20)前記(1)
記載の経皮透過方法を繰り返すことにより、活性成分の
経皮透過を3日ないし1年間持続することを特徴とする
活性成分の経皮透過方法などに関する。
【0005】本発明における活性成分としては、まず第
一にGPIIb/IIIa拮抗物質類が挙げられ、例えば、長期間
の持続的な吸収を要するGPIIb/IIIa拮抗物質、長期間
のパルス吸収を要するGPIIb/IIIa拮抗物質などが挙げ
られる。本発明におけるGPIIb/IIIa拮抗物質は特に限
定されるものではなく、公知のGPIIb/IIIa拮抗物質お
よびその塩から適宜選択することができる。このような
公知のGPIIb/IIIa拮抗物質としては、特開平9−31
6059号公報に記載の化合物またはその塩などの他
に、GPIIb/IIIa拮抗作用を有する蛇毒ペプチド、例え
ば、バルブリン(barbourin)、Arg−Gl
y−Asp配列を有するペプチド、例えば、Arg−G
ly−Asp−Ser,Gly−Arg−Gly−As
p−Ser−Pro,SK&F−106760(シクロ
−S,S−[Ac−Cys(Nα−メチル)Arg−G
ly−D−Asn−ペニシラミン]−NH2)、さらに
同様の活性を有する化合物、例えば、(S)−4−
[(4−アミジノベンゾイル)グリシル]−3−メトキ
シ−カルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢
酸、(S)−4−(4−グアニジノベンゾイルアミノ)
アセチル−3−[3−(4−グアニジノベンゾイルアミ
ノ)]プロピル−2−オキソピペラジン−1−酢酸の塩
酸塩、MK−383(2−S−(n−ブチルスルホニル
アミノ)−3−[4−(N−ピペリジン−4−イル)ブ
チルオキシフェニル)]−プロピオン酸・HCl)、L
−700462(L−Tyr−N−(ブチルスルホニ
ル)−O−[4−(ピペリジニル)ブチル)]モノハイ
ドロクロライド)、SC−56484(エチル[[4−
(アミノイミノメチル)フェニル]アミノ]−1,4−
ジオキシブチル]アミノ−4−ペンチノエート)、ラミ
フィバン(Lamifiban)〔Ro−44−988
3([1−[N−(p−アミジノフェニル)−L−Ty
r]−4−ピペリジニル]酢酸)〕、DMP728(サ
イクリック[D−2−アミノブチリル−N−2−メチル
−L−Arg−Gly−L−Asp−3−アミノメチル
−安息香酸]メタンスルホン酸塩)、WO 97/49382号公
報記載の化合物(例、{4−[6−(2−ピペリジン−
4−イル−(E)−ビニル)−1H−インダゾール−3
−イル]−ピペリジン−1−イル}酢酸等)、WO 97/49
385号公報記載の化合物(例、N3―[2−{3−(4−
ホルムアミジノフェニル)−イソオキサゾリン−5
(R)−イル}アセチル]−N2−(n−ブチルオキシ
カルボニル)−2,3−(S)−ジアミノプロピオン
酸、又はメチル−N3―[2−{3−(4−ホルムアミ
ジノフェニル)−イソオキサゾリン−5(R)−イル}
アセチル]−N2−(n−ブチルオキシカルボニル)−
2,3−(S)−ジアミノプロピオン酸 メタンスルホ
ン酸塩等)、イントリフィバン(Intrifiba
n)、チロフィバン(Tirofiban)、フラダフ
ィバン(Fradafiban)、レフラダフィバン
(Lefradafiban)、シブラフィバン(Si
brafiban)、ペンタミジン(Pentamid
ine)、
【化1】 〔式中、A1及びA2はそれぞれプロトン受容基を、Dは
ヘテロ原子及び/又は5又は6員環を介していてもよい
2ないし6の原子鎖のスペーサー(但し、5又は6員環
は結合位置により2又は3原子鎖と換算する)を、R1
は水素原子又は炭化水素基を、R2は水素原子又はα−
アミノ酸から−CH(NH2)COOHを除いた残基を
示すか、又はR1とR2は結合して5又は6員環を形成し
てもよく、Pはヘテロ原子及び/又は5又は6員環を介
していてもよい1ないし10の原子鎖のスペーサー(但
し、5又は6員環は結合位置により2又は3原子鎖と換
算する)を、Yはエステル化またはアミド化されていて
もよいカルボキシル基を、nは0ないし8の整数を示
す。〕で表される化合物又はその塩が好ましく用いられ
る。
【0006】GPIIb/IIIa拮抗物質類としては、(S)−
4−(4−グアニジノベンゾイルアミノ)アセチル−3
−[3−(4−グアニジノベンゾイルアミノ)]プロピ
ル−2−オキソピペラジン−1−酢酸またはその塩が好
ましく、(S)−4−(4−グアニジノベンゾイルアミ
ノ)アセチル−3−[3−(4−グアニジノベンゾイル
アミノ)]プロピル−2−オキソピペラジン−1−酢酸
の1塩酸塩または2塩酸塩がさらに好ましく、とりわ
け、(S)−4−(4−グアニジノベンゾイルアミノ)
アセチル−3−[3−(4−グアニジノベンゾイルアミ
ノ)]プロピル−2−オキソピペラジン−1−酢酸の2
塩酸塩好ましく用いられる。
【0007】また、長期間の持続的な吸収を要するGP
IIb/IIIa拮抗物質としては、一般にイオントフォレシス
により経皮吸収が期待され、かつ一定した血中薬物濃度
がその効果発現にとって好ましいGPIIb/IIIa拮抗物質
がすべて含まれる。
【0008】GPIIb/IIIa拮抗物質の塩には、例えば、
塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸などの無機酸との塩;
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、
琥珀酸、酒石酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸などの有機酸との塩;カルシウム、
マグネシウムなどの無機化合物との錯塩などが含まれ
る。
【0009】本発明における両極への薬物の配合条件に
関しては、長期間の持続的な吸収を要するGPIIb/IIIa拮
抗物質のように、長期間一定した経皮吸収の結果、血中
薬物濃度が長期間一定の値を示すことが期待されている
薬物においては、両方の電極部に配合され、それぞれの
電極部への配合濃度(電極部当たりの薬物含有量)は両
電極間で多少の差はあってもかまわないが、類似した濃
度が好ましく、同一濃度であることがより好ましい。
【0010】この時、薬物は薬物にとって電気的反発が
期待される極(例えば薬物が陽電荷を持ったものであれ
ば陽極に相等)において経皮吸収が進行し、反対側の電
極部では経皮吸収は実質的には起こらない。そして電極
の極性を反転させるとその立場は逆になり、今度は反転
前までは実質的な経皮吸収が起こっていなかった極から
の経皮吸収が起こることになり、通電を通じいずれかの
極から途切れることなく吸収が起こることになる。
【0011】一方、長期間のパルス的な吸収を要するGP
IIb/IIIa拮抗物質のように、電極を反転させる周期と同
じ周期で薬物をパルス的に吸収させ、長期間の通電でパ
ルス型の血中薬物濃度を何度も繰り返すことが期待され
る薬物においては、片方の電極部に配合される。この時
薬物は薬物にとって電気的反発が期待される極(例えば
薬物が陽電荷を持ったものであれば陽極に相当)に配合
されていれば、その極において経皮吸収が進行し、反対
側の電極部では薬物が配合されていないため経皮吸収は
起こらない(もちろん薬物が配合されていたとしても電
気反発による薬物の経皮吸収は起こらない)。しかしさ
らに電極の極性を反転させても、薬物が配合されている
極は、薬物の荷電と反対の極性を示すため電気反発的吸
収は起こらない。このようなサイクルを繰り返すことに
より、薬物が配合されている極でかつ電気的反発が生じ
る周期において、パルス的な吸収が起こることになる。
【0012】また上記のような場合とは異なり、より低
い血中濃度が基礎値として長期間持続し、さらにその上
に周期的にパルス的な高濃度の血中薬物濃度を繰り返さ
せる必要のあるGPIIb/IIIa拮抗物質において
は、両方の電極部に薬物を配合し、かつ片方の濃度をパ
ルス血中濃度に見合う高濃度に、また他方の濃度を維持
血中濃度に見合うより低い濃度に調節される。
【0013】以上に示した両極への薬物の配合条件に関
しては、単数の薬物の配合に関するものであるが、複数
の薬物を配合してもよい。例えば長期間の持続的な吸収
を要する複数の(異なった種類の)GPIIb/III
a拮抗物質を両極に配合してもよい。また長期間のパル
ス吸収を要する複数の(異なった種類の)GPIIb/
IIIa拮抗物質を、どちらかの極に配合してもよい。
例えば各薬物を、それぞれ別々あるいは同じ片方の極に
配合することが挙げられる。また両極に長期間の持続的
な吸収を要するGPIIb/IIIa拮抗物質を配合
し、片方の極にのみ長期間のパルス吸収を要するGPI
Ib/IIIa拮抗物質を配合してもよい。
【0014】本発明におけるイオントフォレシス経皮透
過方法に用いられるデバイスは、本発明のスイッチング
イオントフォレシス経皮投与の目的に叶うものであれば
特に限定されないが、例えば図1に示されるような電源
(1)、コンピューター制御式電気発生装置(2)、タ
イマー付きスイッチ(3)、2つの電極部(4、5)、
粘着テープ(16)および剥離ライナー(17)とから
構成され、また2つの電極部(4、5)はそれぞれ窪み
を持った絶縁支持体(6、7)、電極(8、9)、導電
媒体層〔例えば、ハイドロゲルと電解質等とを含む導電
性水分貯体など〕(10、11)、親水性多孔性薄膜
(12、13)および使用前の状態において水分の漏出
防止するための剥離ライナー(14、15)から構成さ
れているものなどが挙げられる。
【0015】活性成分は、導電媒体層および親水性多孔
性薄膜の何れに配合してもよく、用いられる薬物の種類
に応じて、適宜選択されるが、導電部のハイドロゲルに
溶解あるいは分散させ配合したパッチ等を用いる場合、
多孔性薄膜は取り除いてもよいが、ゲルを支持する目的
であるいは吸収面積の調節の目的で残しておくことが好
ましい。また、二つの電極部が相似形状であることが好
ましく、しかも、電極部の導電性水分貯体(活性成分を
除く)は同一組成であることが好ましい。
【0016】電極に関して、2つの電源部の電極がとも
に銀とハロゲン化銀から構成される電極などが例示され
るが、2つの電源部の電極がともに銀とハロゲン化銀の
混合物であることが好ましい。また、ハロゲン化銀とし
ては塩化銀が好ましく用いられる。そのような電極の種
類として、たとえば箔型銀/塩化銀電極あるいはプリン
ト銀/塩化銀電極等を用いることができる。ここで、箔
型銀/塩化銀電極としては、銀と塩化銀から構成される
電極であって、箔型銀電極の表面を化学反応により部分
的に塩化銀として作製される電極などがあげられ、プリ
ント銀/塩化銀電極としては、シートの表面に銀および
塩化銀の混合物をプリントしたものなどがあげられる。
銀とハロゲン化銀の構成重量比に関しては、約1:9か
ら約9:1の範囲、より好ましくは約2:8から約8:
2の範囲、さらにより好ましくは約4:6から約6:4
の範囲が用いられる。また、二つの電極部の電極の銀と
ハロゲン化銀の合計構成重量比は、約2:1から約1:
2であることが好ましい。プリント銀/塩化銀(構成重
量比、1:1)電極の作製方法としては、銀および塩化
銀の粉末をそれそれ約30%、樹脂約10%および溶剤
約30%をよく混合し糊化したものを、支持体の表面に
塗布し、乾燥する方法などが示される。このときの乾燥
後の厚さは、約1から50ミクロン、好ましくは約3か
ら30ミクロン、さらに好ましくは約10から20ミク
ロンである。また、導電性水分貯体には、ハロゲンイオ
ン(好ましくはクロルイオン)が含有されることが好ま
しい。
【0017】前記ハイドロゲルとしては、寒天に加え
て、皮膚に悪影響(刺激,腐食等)を及ぼさず、皮膚密
着性に富み、且つ導電性を示すハイドロゲルであれば、
いかなるものも用いることができる。該ハイドロゲルの
好ましい例としては、例えば、親水性樹脂または高分子
化合物あるいはその混合物が用いられる。親水性樹脂と
しては、例えば、ポリアクリルアミド,ポリアクリル酸
又はそのアルカリ金属塩、またはそれらのエステル等の
アクリル系樹脂,ポリビニルピロリドン,ポリビニルア
ルコール,ポリビニルエチルエーテルおよびそのコポリ
マー等のビニル系樹脂,トラガントガム,カラヤガム等
の天然多糖類などを、また高分子化合物としては、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース,ヒアルロン酸またはそ
のアルカリ金属塩,アガロース,カードラン(curdla
n)などを、好ましくは寒天,ポリビニルアルコール,
アガロース,カードラン(curdlan)を、より好ましく
は寒天,アガロースを用いることができる。該ハイドロ
ゲルにはさらに、保存剤、抗酸化剤、可塑剤、浸透圧増
強剤、溶解補助剤、薬物吸収促進剤、酵素阻害剤、薬物
の放出を調整できる物質、保水剤、増粘剤、pH調整剤
等の添加剤を配合することができる。保存剤としては、
例えば塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chlorid
e)、セトリミド(臭化セチルトリメチルアンモニウ
ム),安息香酸,ベンジルアルコール,パラベン(p−
ヒドロキシ安息香酸のメチル−,エチル−,プロピル−
およびブリル−エステルに対する商標),クロルヘキシ
ジン,クロロブタノール,酢酸フェニル水銀,ホウ酸フ
ェニル水銀,硝酸フェニル水銀,ソルビン酸カリウム,
安息香酸ナトリウム,ソルビン酸ならびにチオメルサー
ル(thiomersal)(メルクリチオサリチレート)または
それらの混合物等が挙げられる。抗酸化剤としては、例
えばメタ重亜硫酸ナトリウム,ブチルヒドロキシアニソ
ール(butylated hydroxyanisole)、ブチルヒドロキシ
トルエン(butylated hydroxytoluene)、ビタミンCお
よびビタミンEもしくはそれらの混合物等が挙げられ
る。可塑剤としては、例えばフタル酸ジエチル,フタル
酸ジブチルおよびクエン酸トリブチル等が挙げられる。
浸透圧増強剤としては、例えばジメチルスルホキシド,
N,N−ジメチルアセトアミド,N,N−ジメチルホル
ムアミド,2−ピロリドン,N−メチル−2−ピロリド
ンおよび1−ドデシルアザシクロ−ヘプタン−2−オン
等が挙げられる。溶解補助剤としては、例えばαCD、
βCD、γCDなどのシクロデキストリン類などが挙げ
られる。薬物吸収促進剤としては、例えば、脂肪酸また
はその誘導体、界面活性剤、アルコール類、ポリプレニ
ルアザシクロアルカン類およびそれらの混合物等が挙げ
られる。前記脂肪酸類としては、オレイン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙
げられる。前記脂肪酸誘導体としては、脂肪酸エステル
類、多価アルコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン
脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド類等が挙げられる。前
記脂肪酸エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピ
ル、セバシン酸ジエステル、パルミチン酸イソプロピ
ル、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル等が挙げられ
る。前記多価アルコール脂肪酸エステル類としては、モ
ノオレイン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、
モノステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリ
ル、ジステアリン酸グリセリル、モノカプリル酸プロピ
レングリコール、モノステアリン酸ジエチレングリコー
ル、モノステアリン酸プロピレングリコール、トリ(カ
プリル・カプリン酸)グリセリル等が挙げられる。前記
ポリグリセリン脂肪酸エステル類としては、テトラグリ
セリン脂肪酸エステル類(例えば、オレイン酸テトラグ
リセリル、ラウリン酸テトラグリセリル、ステアリン酸
テトラグリセリル等)、ヘキサグリセリン脂肪酸エステ
ル類(例えば、オレイン酸ヘキサグリセリル、ラウリン
酸ヘキサグリセリル、ステアリン酸ヘキサグリセリル
等)、デカグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、オレ
イン酸デカグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル、ミ
リスチン酸デカグリセリル、ステアリン酸デカグリセリ
ル等)等が挙げられる。前記脂肪酸アミド類としては、
ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエチル
アミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロ
ピルアミド等が挙げられる。前記界面活性剤としては、
ラルリル硫酸ナトリウム、モノパルミチン酸ソルビタ
ン、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビ
タン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビ
タン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソル
ビタン、オキシエチレンヒマシ油誘導体、ブロックポリ
マー型非イオン界面活性剤等(例えば、プルロニック
類)が挙げられる。前記アルコール類としては、エタノ
ール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルア
ルコール、ラウリルアルコール、L-メントール、DL-メ
ントール等が挙げられる。前記ポリプレニルアザシクロ
アルカン類としては、1−ドデシルアザシクロヘプタン
−2−オン等が挙げられる。その他の吸収促進剤とし
て、リモネン等が挙げられる。上記吸収促進剤の中に
は、吸収促進効果とは別に、所定の電流密度で通電する
際に印可電圧を低下させ、電力の消費を削減させる効果
を示すものが挙げられる。例えば、前記界面活性剤が挙
げられる。なかでも好ましい界面活性剤は、モノオレイ
ン酸オリオキシエチレン(6)ソルビタン、モノオレイ
ン酸オリオキシエチレン(20)ソルビタンなどが挙げ
られる。酵素阻害剤としては、例えばアプロチニン(ap
rotinin)、カモスタット(camostatmesilate)、キモ
スタチン(chymostatin)などが挙げられる。薬物の放
出を調整できる物質としては、例えばメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサ
クシネート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタール酸セ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルファー化
デンプン、アミノアクリルメタアクリレートコポリマー
(オイドラギットE、オイドラギットRS)、メタアク
リル酸コポリマー(オイドラギットL、オイドラギット
S)、アルギン酸プロピレングリコールエステル(キミ
ロイド)、精製セラック、白色セラック、各種分子量の
ポリエチレングリコール(例、PEG-6000)、ポリビニー
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニ
ールポリマー、アルブミン、コラーゲン、各種アミノ
酸、しょ糖、ぶどう糖が挙げられる。保水剤としては、
例えば(1)多価アルコール,(2)糖アルコール,
(3)アミノ酸,(4)酸性ムコ多糖などが含まれる。
さらには、例えば尿素、レシチン、セラミドまたは合成
の脂質などを用いて調製されたリポソームなどが挙げら
れる。これらの保湿剤は単独で又は二種組合わせて使用
できる。 (1)多価アルコールには、例えば、グリセリン、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、ペンタエリスリトール、ポリエチレン
グリコール、これらの多価アルコールにエチレンオキサ
イドが付加した付加体(例えば、ジオキシエチレングリ
コール、トリオキシエチレングリコール、ポリオキシエ
チレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオ
キサイド共重合体,グリセリン−エチレンオキサイド付
加体、ペンタエリスリトール−エチレンオキサイド付加
体など)が含まれる。これらの多価アルコールは単独で
又は二種以上混合して使用できる。好ましい多価アルコ
ールには、分子中に2ないし4個のヒドロキシル基を有
する多価アルコール,特にグリセリンが含まれる。 (2)糖アルコールには、例えば、キシリトールなどの
ペンチトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチ
トールなどのヘキシトールなどが含まれる。これらの糖
アルコールも単独で又は二種以上混合して使用できる。
【0018】(3)アミノ酸には、例えば、(i)蛋白
質を構成するアミノ酸,(ii)微生物代謝産物あるいは
動植物成分として天然界から得られるアミノ酸,(ii
i)有機合成法によって得られるアミノ酸などが含まれ
る。 (i)蛋白質を構成するアミノ酸としては、例えば、グ
リシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンな
どの脂肪族モノアミノモノカルボン酸、セリン、スレオ
ニン等の脂肪族オキシアミノ酸、アスパラギン酸、グル
タミン酸などの酸性のアミノ酸、アスパラギン、グルタ
ミンなどの酸性のアミノ酸アミド、フェニルアラニン、
チロシン、トリプトファンなどの芳香族アミノ酸、プロ
リン、ヒドロキシプロリンなどのピロリジン環を有する
アミノ酸、ピログルタミン酸(ピロリドンカルボン酸)
などのピロリドン環を有するアミノ酸、メチオニン、シ
スチン、システインなどの硫黄含有アミノ酸などが含ま
れる。これらのアミノ酸も単独で又は二種以上混合して
使用できる。
【0019】(ii)微生物代謝産物あるいは動植物成分
として天然界から得られるアミノ酸としては、例えば、
L−α−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、β−アミノイソ
酪酸、β−アラニン、ホモセリン、α−メチル−D−セ
リン、O−カルバミル−D−セリン、δ−ハイドロキシ
−γ−オキソ−ノルバリンなどの脂肪族モノアミノモノ
カルボン酸、L−α−アミノアジピン酸、L−β−アミ
ノアジピン酸、L−テアニン、L−γ−メチレングルタ
ミン酸、L−γ−メチルグルタミン酸などのモノアミノ
ジカルボン酸、L−オルニチン、β−リジン、α,β−
ジアミノプロピオン酸、L−α,γ−ジアミノ酪酸など
のジアミノモノカルボン酸、ジアミノピメリン酸などの
ジアミノジカルボン酸、システイン酸などの含スルホン
酸モノアミノモノカルボン酸、タウリンなどの含スルホ
ン酸アミノ酸、キヌレニン、3,4−ジオキシフェニル
−L−アラニンなどの芳香族アミノ酸、2,3−ジカル
ボキシアジリヂン、[S]−2−アミノ−3−(イソキ
サゾリン−5−オン−4−イル)−プロピオン酸、アン
チカプシンなどの複素環アミノ酸、ランチオニン、S−
メチル−L−システインなどの含硫黄アミノ酸、ピペコ
リン酸、アゼチジン−2−カルボン酸、[1R,2S]
−2−アミノシクロペンタン−1−カルボン酸などの環
状アミノ酸、シトルリン、アラノシン、L−アザセリン
などの特殊官能基置換アミノ酸などが例示できる。
【0020】(iii)有機合成法によって得られるアミ
ノ酸には、例えば、トリメチルグリシン、6−アミノヘ
キサン酸、8−アミノオクタン酸、12−アミノドデカ
ン酸などの脂肪族アミノカルボン酸、4−アミノ安息香
酸、4−(アミノメチル)安息香酸、4−(N−(カル
ボキシメチル)アミノメチル)安息香酸などの芳香族ア
ミノカルボン酸などが含まれる。
【0021】アミノ酸は塩として使用してもよい。アミ
ノ酸の塩には、例えば、塩基[アンモニア、アルカリ金
属(例えば、ナトリウム、カリウムなど)などの無機塩
基、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの有機塩
基]との塩、酸[塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機
酸、酢酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸など
の有機酸]との塩が含まれる。
【0022】好ましいアミノ酸には、含窒素複素環を有
するアミノ酸(例えば、プロリン、ヒドロキシプロリン
などのピロリジン環を有するアミノ酸、ピロリドンカル
ボン酸、ヒスチジン,トリプトファンなどの蛋白質を構
成するアミノ酸)又はその塩が含まれる。特に非芳香族
性含窒素5員複素環を有するアミノ酸(例えば、プロリ
ン、ヒドロキシプロリンなどのピロリジン環を有するア
ミノ酸、ピロリドンカルボン酸など)又はその塩が含ま
れる。 (4)酸性ムコ多糖には、例えば、ヒアルロン酸、コン
ドロイチン硫酸などの他、それらの塩[例えば、アルカ
リ金属(ナトリウム、カリウムなど)などとの塩)]な
どが含まれる。これらの保水剤のうち、多価アルコール
(特にグリセリン)、アミノ酸又はその塩(特にプロリ
ンなどの含窒素複素環を有するアミノ酸)が好ましい。
【0023】増粘剤としては、例えば、ローカストビー
ンガム、キサンタンガム等)の1種または2種を配合す
ることが好ましい。上記電解質としては、例えば安息香
酸、クエン酸およびその塩(例えば、ナトリウム塩等)
が用いられる。
【0024】さらに、GPIIb/IIIa拮抗物質が塩酸塩
で、該拮抗物質をハイドロゲルに配合する場合、薬物の
配合によるpHの低下防止のためにpH調整剤を配合し
てもよく、薬物の配合によるpH低下に対しては、薬物の
吸収に対し競合的に作用するようなイオン種(例えばナ
トリウムイオン)を多量に含まないpH調整剤を配合して
もよい。ハイドロゲルのpHの好ましい範囲は3.5から7
の範囲であり、より好ましくは3から6の範囲である。
pH調整剤としては、例えば、塩基性アミノ酸(例、リ
ジン,アルギニンン,ヒスチジン、L−4−オキサリジ
ン、L−4−オキソリジン、[3R,5R]−3,6−
ジアミノ−5−ハイドロキシヘキサン酸、等)、核酸構
成要素の塩基類(例、プリン,ピリミジン,グアニン
等)、分子量100以上の有機アミン類(例、モノエタ
ノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールア
ミン,メチルグルカミン,カフェイン,トロメタモール
(tromethamol)あるいはコレスチラミンに付加したク
ロルイオンを水酸イオンに置換したコレスチラミンの水
酸化体)等を用いることが出来る。pH調整剤として、
好ましくは有機アミン類が用いられ、さらに好ましく
は、メチルグルカミンが用いられる。
【0025】上記多孔性薄膜としては、水に対する濡れ
性の高い薄膜、例えば、親水化された疎水性(又は撥水
性)ポリマー薄膜、親水性物質を含有する疎水性ポリマ
ー薄膜などが含まれる。親水化された疎水性ポリマー薄
膜には、例えば、親水化フッ素樹脂で形成された薄膜
(例えば、親水性基が導入されたフッ素含有モノマーを
構成成分とする単独又は共重合体の薄膜、例えば日本ミ
リポア社製、親水性デュラポア等や、フッ素含有モノマ
ーを構成成分とする単独又は共重合体の薄膜の表面を親
水性に改質したもの、例えば、東洋濾紙(株)製、親水
性ポリテトラフルオロエチレンなど)、親水化ポリスル
フォンなどで形成された薄膜(例えば、ゲルマンサイエ
ンス社製,スーポアなど)、親水化セルロース誘導体
(例えば、親水化セルロースモノアセテート、親水化セ
ルローストリアセテートなど)などで形成された薄膜
(例えば、東洋濾紙(株)製、各種の濾紙やイオン交換
濾紙など)などが挙げられる。親水性基が導入されたフ
ッ素含有モノマーとしては、親水性基が導入されたフル
オロエチレン(1−フルオロエチレン)、親水性基が導
入されたフッ化ビニリデン(すなわち、1,1−ジフル
オロエチレンであるビニリデンフルオライド)、1,2
−ジフルオロエチレンなどが含まれる。これらのモノマ
ーの重合体としては、親水化ポリフルオロエチレン、親
水化フルオロエチレン−テトラフルフオロエチレン共重
合体、親水化フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、親水化エチレン−フルオロエチレン共重
合体、親水化エチレン−クロロトリフルオロエチレン共
重合体、親水化ポリビニリデンフロオライド、親水化フ
ルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体、親
水化エチレン−ビニリデンフルオライド共重合体などが
挙げられる。前記フッ素含有モノマーに導入された親水
性基の種類は特に制限されず、例えば、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、アミノ基、N−置換アミノ基(モ
ノ又はジC1-4アルキルアミノ基など)、(ポリ)オキ
シアルキレン基などのエーテル基、親水性アルキル基
(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、
ヒドロキシプロピル基などのヒドロキシ−C1-4アルキ
ル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基などの
カルボキシ−C1-4アルキル基、アミノメチル、アミノ
エチル基などのアミノ−C1-4アルキル基、メチルアミ
ノメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノ
エチル基などのモノ又はジ−C1-4アルキルアミノ−C
1-4アルキル基など)などが挙げられる。これらの親水
性基は、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライドの
水素原子と置換して炭素原子に結合している場合が多
い。
【0026】親水化フッ素樹脂は、例えば、下記式で表
される繰返し単位で構成されている場合が多い。
【化2】 (式中、R1a ,R2aは同一又は異なる親水性アルキル
基を示す)親水性アルキル基には、例えば、ヒドロキシ
アルキル基(特にヒドロキシ−C2-3アルキル基)、
(ポリ)オキシアルキレン基(特に(ポリ)オキシ−C
2-4アルキレン基)などが含まれる。ヒドロキシアルキ
ル基は、ヒドロキシル基を有する重合性化合物[例え
ば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート,4−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレートなど]などに由来してもよい。
(ポリ)オキシアルキレン基は、エーテル基を有する重
合性化合物、例えば、(ポリ)オキシアルキレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート[例えば、ジエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレートなど]、(ポリ)オキシ
アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[例え
ば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ
(メタ)アクリレートなど]などに由来してもよい。こ
れらの親水性アルキル基は、細孔を含めた多孔質フッ素
樹脂薄膜の表面に、前記重合性化合物がグラフト重合す
ることにより導入してもよく、前記重合性化合物の重合
体によるコーティングなどにより導入してもよい。
【0027】親水性物質を疎水性ポリマー薄膜に含ませ
親水化した膜には、適当な湿潤剤(例えば、グリセリ
ン、ポリビニルピロリドンなど)を添加した種々のポリ
マー、例えば、親水処理酢酸セルロース膜(例えば、ザ
ルトリウス社製,アシンメトリックウルトラフィルタ
ー、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメ
ンブレンなど)、親水処理ポリカーボネート膜(例え
ば、ミリポア社製,アイソポアメンブレンなど)、親水
処理ポリテトラフルオロエチレン膜(例えば、ミリポア
社製,オムニポアメンブレンなど)、親水処理ポリスル
フォン膜(ゲルマンサイエンス社製,HTタフリンな
ど)、親水処理不織布(例えば、ポリエステル不織布を
酢酸セルロースで被覆した膜(東洋濾紙(株)製)のコ
ーティッドタイプメンブレンなど)などが挙げられる。
【0028】これらの多孔性薄膜は、生理活性ペプチド
及び蛋白質に対する吸着性が極めて低く、薬物溶液の浸
透性が高いとともに、薬物の膜内への移動速度、薬物の
溶解速度が大きい。好ましい薄膜には、蛋白質に対する
吸着性が小さく、薬物の保持性の高い薄膜、例えば、親
水化フッ素樹脂薄膜、親水処理セルロース誘導体膜(例
えば、親水処理メチルセルロース、親水処理エチルセル
ロース、ハイドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロースフタレートなどの膜)、特に好まし
くは親水化ポリビニリデンフルオライド膜(例えば、ミ
リポア社製,ハイドロフィリックデュラポアなど)、親
水処理酢酸セルロース膜(例えば、東洋濾紙(株)製、
セルロースアセテートタイプ膜など)、親水処理ポリエ
ステス不織布(例えば、東洋濾紙(株)製、コーティッ
ドタイプ膜)などが含まれる。好ましい多孔性薄膜とし
ては、吸収面積を調節したり、支持体としての機能を維
持する材質が挙げられ、したがって水によく濡れ、かつ
熱融着性の高いものが好ましい。また多孔を通じで導電
媒体内に配合させる粘着成分がにじみ出て皮膚への適合
性を高める程度の多孔性がより好ましい。
【0029】これらの多孔性薄膜の細孔径は、薬物の保
持量、放出性などを損なわず、薬物が溶解液と接触した
後、速やかに膜から放出され、皮膚接触面に高濃度の薬
物溶解層を形成することが可能な範囲から選択でき、例
えば、平均孔径約0.01〜20μm、好ましくは約
0.1〜15μm(例えば、約0.1〜10μm)、さ
らに好ましくは約1〜10μm(例えば、約2〜8μ
m)程度である。また、薄膜の空隙率は、例えば、約6
0〜90%、好ましくは約65〜90%、さらに好まし
くは約65〜85%程度である。なお、薄膜の細孔は、
慣用の方法、例えば、フィルム成形工程で延伸する延伸
法、流延法、相分離法、溶出法、高エネルギー線照射法
などにより形成できる。
【0030】多孔性薄膜の厚みは、薬物の保持量などに
応じて選択でき、例えば、約0.1〜500μm、好ま
しくは1〜300μm、さらに好ましくは10〜200
μm程度であり、20〜150μm程度である場合が多
い。多孔性薄膜と皮膚との接触面積は、特に制限され
ず、例えば、0.5〜100cm2、好ましくは1〜5
0cm2程度であり、2〜25cm2(例えば、2〜20
cm2)程度である場合が多い。また、前記薄膜は非変
形性であってもよいが、柔軟性や可撓性を有する場合が
多い。
【0031】前記多孔性薄膜は、蛋白質の吸着をさらに
抑制するため、イオン性界面活性剤で処理されていても
よい。イオン性界面活性剤には、アニオン性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が含まれ
る。アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸金
属石鹸、アルキル硫酸塩(例えば、ナトリウム塩な
ど)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ナトリ
ウム塩など)、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−
オレフィンスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩な
ど)、N−アシルアミノ酸塩(例えば、ナトリウム塩な
ど)、2−スルホコハク酸ジアルキル塩(例えば、ナト
リウム塩など)などが挙げられる。これらのアニオン性
界面活性剤は一種又は二種以上使用できる。
【0032】カチオン性界面活性剤には、例えば、N−
エチルアルカンアミドアンモニウムハライド(例えば、
N−エチル−C8-20アルカンアミドアンモニウムクロラ
イド)、アルキルピリジニウムハライド(例えば、N−
10-20アルキルピリジニウムブロミドなど)、4級ア
ンモニウム塩などが含まれ、4級アンモニウム塩には、
例えば、アルキルトリメチルアンモニウムハライド(例
えば、C8-20アルキルトリメチルアンモニウムクロリド
など)、ジアルキルジメチルアンモニウムハライド(例
えば、ジ−C8-20アルキルジメチルアンモニウムクロリ
ドなど)、下記式[C65CH2N(CH32R]+-
(式中、Rはアルキル基、Xはハロゲン原子を示す)で
表されるアルキルベンジルジメチルアンモニウムハライ
ド[例えば、C8-20アルキルベンジルジメチルアンモニ
ウムクロリド(塩化ベンザルコニウム)、4−C1-10
ルキルフェニルオキシエトキシエチルベンジルジメチル
アンモニウムクロリド(例えば、塩化ベンゼトニウムな
ど)]などが含まれる。これらのカチオン性界面活性剤
も一種又は二種以上混合して使用できる。両性界面活性
剤としては、例えば、アルキルベタイン、アルキルジエ
チレントリアミノ酢酸などが例示できる。
【0033】好ましいイオン性界面活性剤には、カチオ
ン性界面活性剤、特に4級アンモニウム塩、なかでも前
記式で表されるアルキルベンジルジメチルアンモニウム
ハライド(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼ
トニウムなど)が含まれる。多孔性薄膜に対するイオン
性界面活性剤の処理量は、例えば、薄膜1cm2当たり
イオン性界面活性剤約0.10〜50μg、好ましくは
約0.10〜30μg、より好ましくは約0.12〜1
2μg程度である。イオン性界面活性剤による処理量
は、多孔性薄膜に対して、0.001〜10重量%、好
ましくは0.005〜5重量%、さらに好ましくは0.
01〜1重量%程度であり、0.005〜1重量%程度
である場合が多い。
【0034】本発明における薬物の電極部への配合方法
に関し、GPIIb/IIIa拮抗物質類のような水分を含む環
境下でも比較的安定な化合物においては、導電媒体であ
るハイドロゲルの中に溶解させるか均一に分散させる方
法が挙げられる。より好ましくは溶解させる方法が挙げ
られる。その配合量は、約10μgから1000mg、
好ましくは約100μgから500mg、さらに好まし
くは約10mgから200mgである。一方、極めて少
量で活性を示すが水分を含む環境下でも比較的不安定な
GPIIb/IIIa拮抗物質においては、親水性多孔性薄膜に
乾燥保持させる方法が挙げられる。その配合量は、たと
えば約10μgから20mg、好ましくは約100μg
から5mg、より好ましくは約200μgから1mgで
ある。
【0035】極性の反転の手段としては、一定時間通電
した後、瞬間的に回路を短絡した後にまたは一定時
間の非通電時間を設けた後に、電極部の極性を反転させ
る手段などがあげられる。極性の反転の時間間隔として
は、GPIIb/IIIa拮抗物質類のような血中濃度を長期間
安定に維持させる必要のある化合物においては、一方の
極性で通電を開始してからその極性で通電を継続する時
間間隔は約10秒から2時間、好ましくは約1分から60
分、より好ましくは約3分から30分である。また、そ
の時間間隔は繰り返しの反転において異なってもよい
が、好ましくは同一である。また長期間のパルス的な吸
収を要する薬物においては、一方の極性で通電を開始し
てから反対の極性で通電を開始するまでの時間間隔は、
たとえば、約10分から2時間、好ましくは約20分か
ら1時間、より好ましくは約30分から1時間である。
また、その時間間隔は繰り返しの反転において異なって
もよいが、好ましくは同一である。一定時間通電した後
に設けられる非通電時間は、約100万分の1秒から4
時間、好ましくは約10万分の1秒から10分、より好
ましくは約5万分の1秒から1分であり、とりわけ、約
1万分の1から1秒が好ましい。しかし、長期間のパル
ス的な吸収を要する薬物においては、パルスとパルスの
間隔を意図的に広げる必要のある場合、非通電時間を長
く設定することも可能である。たとえばそのような非通
電時間として、約10分から120分が挙げられる。通
電の極性の反転させる回数に関しては、約10回から2
000回、好ましくは約20回から1000回、より好
ましくは約50回から500回である。一定時間通電し
た後、瞬間的に回路を短絡した後にまたは一定時間の非
通電時間を設けた後に、電極部の極性を反転させる方法
としてタイマー付き反転スウィッチなどが用いられる。
反転スウィッチはrelay方式が採用されるのが好まし
く、このとき、タイマーは反転のサイクルにおいて、通
電時間と非通電時間を設定できる。
【0036】電流の総印可時間に関しては、約30分か
ら72時間、好ましくは約1時間から48時間、より好
ましくは約4時間から24時間である。このような通電
または投与を、例えば、約3〜400回、好ましくは約
7〜100回、より好ましくは約7〜30回、とりわけ
好ましくは約7〜14回繰り返す(好ましくは、陽極部
パッチあるいは陰極部パッチをそれぞれの投与ごとに交
換して行う)ことによって、活性成分の経皮透過を約3
日ないし約1年間、より好ましくは約7〜100日間、
さらに好ましくは約7〜30日間、とりわけ好ましくは
約7〜14日間持続することが可能となる。
【0037】通電に使用する電流の種類は特に限定され
るものではなく、例えば直流電流および特開平8−31
7997号公報により開示されるようなパルス直流電流
等、好ましくはパルス直流電流が用いられる。パルス直
流電流の周波数は好ましくは約0.1から200kHz、
より好ましくは約1から100kHz、さらに好ましくは
約5から80kHzの範囲より適宜選択される。パルス直
流電流のオン/オフ(on/off)の比は、好ましくは約1
/100から20/1、より好ましくは約1/50から
15/1、さらに好ましくは約1/30から10/1の
範囲より適宜選択される。具体的にはパルス直流電流の
周波数とそのオン/オフ(on/off)の比は30kHz,30
% duty〔パルス直流電流のオン/オフ(on/off)比に
換算して3/7〕、又は50kHz,50% duty〔パル
ス直流電流のオン/オフ(on/off)比に換算して1/
1〕が用いられる。電流密度に関しては、その絶対値は
電極の極性の反転の繰り返し行う過程において段階的変
化(好ましくは低下)させてもよいし、また電極の極性
の反転の繰り返しを通じ一定であってもよい。使用され
る電流密度の絶対値は0.005から0.5mA/cm
2で、好ましくは約0.01から0.2mA/cm2、より好
ましくは約0.02から0.1mA/cm2である。電圧に
関しては、約0.5から30V、好ましくは約2から2
0V、より好ましくは約5から10Vである。
【0038】本発明の経皮透過方法において、GPIIb/
IIIa拮抗物質類を投与する場合は、ヒトを含む哺乳動物
(例えば、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ウサ
ギ、ヒト等)の狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞、
川崎病、急性及び慢性の心不全、一過性脳虚血発作(T
IA)、脳卒中、脳血栓症急性期の脳虚血障害、解離性
動脈瘤、クモ膜下出血後の脳血管攣縮、急性又は慢性の
腎疾患(例えば蛇毒及び免疫病のごとき過剰凝集による
急性又は慢性の腎疾患)、慢性及び急性糸球体腎炎、糖
尿病性腎炎及び神経障害、ネフローゼ症候群、肝疾患、
肺塞栓、気管支喘息、肺水腫、成人呼吸窮迫症候群(A
RDS)、閉塞性動脈硬化症、末梢動脈閉塞、深部静脈
血栓、振動病、糖尿病に合併する末梢動脈閉塞、血栓性
血小板減少性紫斑病(TTP)、汎発生血管内凝固(D
IC)、敗血症、外科又は感染症ショック、術後及び分
娩後外傷、胎盤早期剥離、不適合輸血、全身性エリトマ
トーデス、レイノー病、炎症、動脈硬化症、溶血性尿毒
症性症候群、対象性抹消動脈壊死、辱創、痔疾患の治療
又は予防に用いることができる。また、心肺バイパスの
外科手術、人工心肺、心房細動、股関節骨折に伴う手
術、弁置換術、人工血管及び臓器等による血栓防止や人
工透析による血小板減少の防止、さらには心筋梗塞の2
次予防に用いることができる。ここで、人工透析による
血小板減少の防止は血液透析体外循環回路の凝血・残血
防止も意味する。さらに、冠動脈血栓溶解療法(例えば
組織プラスミノーゲンアクチベータ(TPA)等血栓溶
解剤の作用増強と再閉塞防止)、PTCA(経皮的冠動
脈内血管形成術)やステント留置及びアテレクトミー後
の冠動脈の再閉塞及び再狭窄防止、冠動脈バイパス術後
の再閉塞及び再狭窄防止、PTCA又は冠動脈血栓溶解
療法施行時の虚血性合併症(例えば心筋梗塞、死亡)の
防止に用いることができる他、癌転移の阻害に使用でき
る。前述した疾患を予防・治療又は防止する活性化合物
の投与量は、広範囲な限界内で変化することができる。
そして勿論それぞれ特定の場合における個々の状況に適
合するように調節しなければならない。投与量は対象疾
患、症状、投与対象等によっても異なるが、例えば、特
開平9−316059号公報に記載のGPIIb/IIIa拮抗
物質を用いて不安定狭心症患者、PTCA又は冠動脈血
栓溶解療法施行時の虚血性合併症又は冠動脈の再閉塞も
しくは再狭窄発症患者に本発明の経皮透過方法を適用す
る場合、通常成人(60kg)に対し、好ましくは血清中
の血清濃度が約10〜500ng/ml、より好ましくは約
50〜300ng/mlに維持される程度に投与される。電
流密度を段階的に低下させる経皮透過方法を用いること
により、前記血清濃度は経皮透過開始後、好ましくは約
240分以内、より好ましくは約120〜240分、さ
らに好ましくは約120〜180分で達成される。さら
に、それに続き、一定した皮膚透過または血清薬物濃度
が維持することができる。また、電流密度を段階的に低
下させる経皮透過方法以外にも、二つの電極部からのG
PIIb/IIIa拮抗物質の経皮透過速度を調節(例
えば、配合量、表面積、吸収促進剤などを変化させるこ
とにより調節)し、一方の電極部からの吸収速度を速く
させるとともに、片方の電極部からの吸収速度を遅くさ
せ、適宜、非通電時間を設けることによって、同様な効
果を得られることができる。1回の投与における多孔性
薄膜または導電部のハイドロゲルへのGPIIb/IIIa拮抗
物質の適用量は、電流密度及び通電時間等の通電条件に
応じて適宜選択できるが、例えば、該拮抗物質の場合、
好ましくは約10〜1000mg、より好ましくは約3
0〜1000mg、さらに好ましくは約30〜500mgで
ある。本発明におけるGPIIb/IIIa拮抗物質の経皮透過
速度は、好ましくは約0.01〜10mg/時間,より好
ましくは約0.1〜10mg/時間,さらに好ましくは約
0.2〜2mg/時間である。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明はさらに下記の製造例、参
考例及び実施例で詳しく説明されるが、これらは単なる
例であって本発明を限定するものではない。
【0040】
【実施例】製造例1 (S)−4−(4−グアニジノベンゾイルアミノ)アセ
チル−3−[3−(4−グアニジノベンゾイルアミ
ノ)]プロピル−2−オキソピペラジン−1−酢酸二塩
酸塩の製造
【化3】 (S)-4-アミノアセチル-3-(3-アミノプロピル)-2-オキソ
-ピペラジン-1-酢酸(GAPA)水溶液にアセトニトリル 7.0
L、水 6.6L、炭酸水素ナトリウム 448g (5.33mol)を仕
込み、ついでN-(4-グアニジノベンゾイルオキシ)-5-ノ
ルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド(GBNB) 1607g (4.2
7mol)を加えて室温で4時間撹拌した。反応液を2N-HClで
pH3に調整し、酢酸エチルエステル抽出(30L×3)した。
水層を約10L迄減圧濃縮した。水10Lを加え重曹でpH5.0
に調整し、樹脂(SP-207, 30L充填カラム)に吸着させた
後、純水150Lで洗浄後、0.003N-HCl/5%アセトニトリル
250Lで溶出した。有効画分(約200L)を合わせ、減圧濃縮
(約10L迄)した。濃縮液を濃塩酸(約117ml)でpH1.5に調
整し、更に3L迄濃縮後、エチルアルコール24Lを加え
た。室温で19時間氷冷下2時間撹拌し、析出結晶を濾取
した。89%エチルアルコール900mlで洗浄後、一夜風
乾、50℃で9時間真空乾燥して819gの目的化合物の粗結
晶を得た。この粗結晶を水2.05Lに溶解し、活性炭16.5g
を加えて室温で30分撹拌後濾過した。濾液を0.2μのメ
ンブランフィルターに通し、20.5Lのエチルアルコール
を加えた。室温で6時間、氷冷下に2時間撹拌し、析出し
た結晶を濾取した。結晶を89%エチルアルコール(1.0L)
で洗浄し、50℃で9時間真空乾燥、一夜加湿(RH100%)、
再び50℃で9時間真空乾燥後RH60〜70%で約3日間放置し
た。含水率5%(約2mol)の目的化合物(2塩酸塩)の精製し
た結晶 753g を得た。 融点:245−251.5℃ 元素分析 C27H34N10O6・2HCl・1.5H2O として 計算値:C, 46.69; H, 5.66; N, 20.17;Cl,10.21 実測値:C, 46.15; H, 5.62; N, 19.94;Cl,10.65
【0041】実施例1 イオントフォレシス投与用デバイスとして、図1に示す
ような導電媒体(10、11)のそれぞれに製造例1で
得た化合物を含有するイオントフォレシス投与用デバイ
スを作製した。対となる2つの電極デバイスユニット
(4、5)はいずれも相似で、形状は円盤状で、電極
(8、9)の内径は25mm、導電媒体(10、11)
の内径および容積はそれぞれ30mmおよび1.3m
L、親水性多孔性薄膜(12、13)の直径は35mm
(表面積9.62cm2に相当)であった。絶縁支持体
(6,7)はプラスチック製(ポリエチレンテレフタレ
ート:PET)で、カップ(cup)状のもの(庇部の
長さ約5mm)を使用した。電極は銀と塩化銀が1:1
の重量割合でシートに印刷したものを使用した。このと
きの印刷された銀/塩化銀の厚さは約15ミクロンであ
った。また導電媒体としては、上記の化合物を4.32
%(w/w)(2HCl塩として56.13mg、遊離体
として50mgに相当する)、アガロースを1%(w/
w)、L―プロリンを10%(w/w)、NaOHを
0.23%(w/w)含有するゲルを使用した。このと
きの導電媒体のpHは約4.5であった。また親水性多
孔性薄膜(12、13)としては、親水性デュラポア
(商品名)〔日本ミリポア社製〕を使用した。また親水
性多孔性薄膜に接する剥離ライナー(14、15)とし
てはPETシートを用いた。また粘着テープ(16)と
してはブレンダーム(3M社製)を使用した。薬物投与
対象には10週齢の雄性SDラット(体重約400g)
を用いた。前記ラットはペントバルビタールで麻酔した
後、腹部をシェイブし、その部位にイオントフォレシス
用デバイスを貼付した。さらに前記デバイスの対となる
2つの電極端子を、図1に示すようにタイマー付きスウ
ィッチ(3)さらには電気発信装置(50kHz,50%dut
y)(2)および電源(1)に接続し、定透過電流(電
流密度、0.075mA/cm2;総電流、0.72mA)と
なる条件で、スウィッチングイオントフォレシス投与を
24時間行った。なお電流が流れる部位は親水性多孔性
薄膜が皮膚と接触している部位であり、その面積は9.
62cm2であった。この時のスウィッチング条件は、5
分毎の電極の極性の反転の繰り返しで、タイマーにより
設定した時間間隔で電流を1方向に流した後、瞬時にリ
レーを働かして極性を反転させて通電を再開する方法で
行った。また投与開始後、経時的に採血を行い、血清中
の化合物濃度をHPLCにより測定した。なお血清サンプル
は生理食塩液で希釈した後、前処理用カラム(Bond Elu
t C18)にアプライし、カラムに吸着させ、さらに1%TFA
含有メタノール溶液で溶離させる方法で血清成分を大ま
かに除去し、窒素気流化で溶媒を蒸発させた後、HPLC用
溶離液で溶解させHPLCにアプライした。HPLCの条件は下
記の通りである。HPLC条件 : カラム:L-column(ODS;内径4.6mm;長さ150mm;化学品
検査協会) 溶離液: 0.05mol phosphate buffer (pH3.5)/Acetoni
trile/0.5mol Sodium 1-octanesulfonate=85/15/1 流速:1mL/分 UVの波長:254nm
【0042】実施例2 実施例1で用いたものと同じイオントフォレシス投与用
デバイスを用い、反転の時間間隔を15分とする以外、
実施例1と同じ条件でラットにイオントフォレシス投与
を行ったときの血清中化合物濃度を調べた。血清中化合物濃度の時間推移 :実施例1および2におけ
る血清中化合物濃度の時間推移は図2に示す通りである
(図2において、黒丸は実施例1の結果を、白丸は実施
例2の結果を示す)。いずれの投与においても血清中化
合物濃度は2時間後には約2000ng/mLに達し、その後、
その濃度が24時間まで維持される結果を示した。すなわ
ちスイッチングを行うことにより通電性が長期間にわた
り維持され、通電に応答する高い経皮吸収性が長期間に
わたって維持されることがわかった。なお比較対照とし
て、別途、実施例1のイオントフォレシス投与デバイス
を用いて電極の反転を行わず1方向での通電を行った結
果、約1.5時間後には電圧が急上昇し、その後通電不良
となった。また別の比較対照として、別途、電極が箔銀
からなる以外、実施例1と同じ組成の電極部デバイスユ
ニットを陽極用電極部デバイスユニットとして用い、ま
た陰極部デバイスユニットとしては、市販のプリント銀
/電化銀電極を用い、極性を反転させずに一方向でのイ
オントフォレシス投与(但し陰極部デバイスユニットは
数時間ごとに取り替える;電流密度0.075mA/c
2の条件)を行った場合の血清中化合物濃度と比較す
ると、実施例1、2で得られた定常状態での血清中濃度
はその約80%で期待された以上の皮膚透過促進効果で
あった。一般的には極性を反転させると一旦皮膚側に移
行した化合物が通常とは逆のイオントフォレシス効果
(薬物が陰極に向かって移動する効果)を受けて、イオ
ントフォレシスによる期待した皮膚透過促進が得られな
いと懸念されたが、本結果は、好適な化合物の選択、極
性の反転時間および電極部デバイスユニットにおける好
適組成によって得られたものといえる。
【0043】実施例3 イオントフォレシス投与用デバイスとして、図1に示す
ような導電媒体(10、11)のそれぞれに製造例1で
得た化合物を含有するイオントフォレシス投与用デバイ
スを作製した。対となる2つの電極デバイスユニット
(4、5)はいずれも相似で、形状は円盤状で、電極
(8、9)の内径は25mm、導電媒体(10、11)
の内径および容積はそれぞれ30mmおよび1.3m
L、親水性多孔性薄膜(12、13)の直径は35mm
(表面積9.62cm2に相当)であった。絶縁支持体
(6,7)はプラスチック製(ポリエチレンテレフタレ
ート:PET)で、カップ(cup)状のもの(庇部の
長さ約5mm)を使用した。電極は銀と塩化銀が1:1
の重量割合でシートに印刷したものを使用した。このと
きの印刷された銀/塩化銀の厚さは約15ミクロンであ
った。また導電媒体としては、上記の化合物を4.32
%(w/w)、アガロースを1%(w/w)、グリセリ
ンを10%(w/w)、メグルミンを1.14%(w/
w)、ポリソルベート80を5%含有するゲルを使用し
た。このときの導電媒体のpHは約4.5であった。ま
た親水性多孔性薄膜(12、13)としては、親水性デ
ュラポア(商品名)〔日本ミリポア社製〕を使用した。
また親水性多孔性薄膜に接する剥離ライナー(14、1
5)としてはPETシートを用いた。また粘着テープ
(16)としてはブレンダーム(3M社製)を使用し
た。このイオントフォレシス投与用デバイスを用い、反
転の時間間隔を30分とし、電流密度を0.05mA/cm
2とする以外、実施例1と同じ条件でラットにイオント
フォレシス投与を行い、血清中化合物濃度を調べた結果
良好な吸収と期待した高い血清中化合物濃度が24時間
にわたって維持されることが確認された(2時間後の血
清中化合物濃度:約2500ng/mL)。また導電媒
体内にポリソルベート80を配合することにより消費電
力の削減効果が認められた(印可電圧値を1/2以下に
下げても所定の電流密度得られる効果)。
【0044】実施例4 イオントフォレシス投与用デバイスとして、図1に示す
ような導電媒体(10、11)のそれぞれに製造例1で
得た化合物を含有するイオントフォレシス投与用デバイ
スを作製した。対となる2つの電極デバイスユニット
(4、5)はいずれも相似で、形状は円盤状で、電極
(8、9)の内径は25mm、導電媒体(10、11)
の内径および容積はそれぞれ30mmおよび1.3m
L、親水性多孔性薄膜(12、13)の直径は35mm
(表面積9.62cm2に相当)であった。絶縁支持体
(6,7)はプラスチック製(ポリエチレンテレフタレ
ート:PET)で、カップ(cup)状のもの(庇部の
長さ約5mm)を使用した。電極は銀と塩化銀が1:1
の重量割合でシートに印刷したものを使用した。このと
きの印刷された銀/塩化銀の厚さは約15ミクロンであ
った。また導電媒体としては、上記の化合物を4.32
%(w/w)、寒天を1%(w/w)、グリセリンを1
0%(w/w)、メグルミンを1.14%(w/w)、
ポリソルベート80を0.1%、メチルパラベンを0.
2%(w/w)、安息香酸を0.2%(w/w)含有す
るゲルを使用した。このときの導電媒体のpHは約4で
あった。また親水性多孔性薄膜(12、13)として
は、親水性デュラポア(商品名)〔日本ミリポア社製〕
を使用した。また親水性多孔性薄膜に接する剥離ライナ
ー(14、15)としてはPETシートを用いた。また
粘着テープ(16)としてはブレンダーム(3M社製)
を使用した。このイオントフォレシス投与用デバイスを
用い、反転の時間間隔を10分とし、電流密度を0.0
5mA/cm2とする以外、実施例1と同じ条件でラットに
イオントフォレシス投与を行い、血清中化合物濃度を調
べた結果良好な吸収と期待した高い血清中化合物濃度が
24時間にわたって維持されることが確認された(2時
間後の血清中化合物濃度:約2000ng/mL)。ま
た実施例3と同様に導電媒体内にポリソルベート80を
配合することにより消費電力の削減効果が認められた
(印可電圧値を1/2以下に下げても所定の電流密度得
られる効果)。
【0045】実施例5 実施例4で用いたものと同じイオントフォレシス用デバ
イスを用い、電流密度の設定として投与開始時から12
0分までは電流密度を0.1mA/cm2とし、その後
は0.05mA/cm2を用いる条件以外は、実施例4
と同じ条件でラットにイオントフォレシス投与を行い、
血清中化合物濃度を調べる。その効果として投与開始か
ら120分までに比較的速い経皮吸収が起こり、血清中
化合物濃度が定常状態に達する時間が速まることが挙げ
られる。
【0046】実施例6 実施例4で作製したイオントフォレシス投与用デバイス
において、対となる2つの電極デバイスユニット(4、
5)の一つである(5)における導電媒体に対し、その
部分を上記の化合物およびメチルグルカミン(メグルミ
ン)を含有しないゲルからなる媒体に取り替え、片方の
電極デバイスユニット(4)のみに上記の化合物が配合
されているイオントフォレシス投与用デバイスを作製す
る。その投与用デバイスを用い、反転の条件とし30分
間通電した後、通電を30分間停止させ、その後極性を
反転させ通電を再開する条件を採用し、さらに電流密度
を0.05mA/cm2とし、投与開始時において電極デバ
イスユニット(4)が陽極となる条件以外、実施例1と
同じ条件でラットにイオントフォレシス投与を行い、血
清中化合物濃度を調べる。その効果として、投与後30
分間に化合物の経皮吸収による血清中化合物濃度の上昇
が起こり、次の90分は経皮吸収が停止することによる
血清中化合物濃度の低下が起こり、電極デバイスユニッ
ト(4)が再び陽極となったときにおいて経皮吸収が起
こり、血清中濃度が上昇しほぼものと高さまで戻るパタ
ーンの繰り返し、すなわち化合物が配合されている電極
デバイスユニット(4)が陽極となったときにおいて経
皮吸収が起こり、血清中濃度が上昇し、それ以外の時間
において経皮吸収が停止し血清中濃度が降下する、安定
したパルス型血清中化合物濃度推移が24時間にわたり
繰り返されることが挙げられる。
【0047】実施例7 実施例6において反転の条件とし30分間通電した後、
通電を10分間停止させ、その後極性を反転させ通電を
再開する条件を採用し、それ以外は実施例6と同じ条件
でラットにイオントフォレシス投与を行い、血清中化合
物濃度を調べる。その効果として投与後30分間に化合
物の経皮吸収による血清中化合物濃度の上昇が起こり、
次の50分は経皮吸収が停止することによる血清中化合
物濃度の低下が起こり、電極デバイスユニット(4)が
再び陽極となったときにおいて経皮吸収が起こり、血清
中濃度が上昇するパターンの繰り返し、すなわち化合物
が配合されている電極デバイスユニット(4)が陽極と
なったときにおいて経皮吸収が起こり、血清中濃度が上
昇し、それ以外の時間において経皮吸収が停止し血清中
濃度が降下する、パルス型血清中化合物濃度推移の24
時間にわたる繰り返しが挙げられる。このとき血清中化
合物濃度のパルスのピーク値は反転を繰り返す毎にやや
上昇していく傾向が指摘される。
【0048】実施例8 実施例4で作製したイオントフォレシス投与用デバイス
において、対となる2つの電極デバイスユニット(4、
5)の一つである(5)における導電媒体に対し、その
部分を上記の化合物およびメチルグルカミンをいずれも
4分の1量配合されるゲルからなる媒体に取り替え、両
電極デバイスユニットにおける配合化合物濃度が異なる
イオントフォレシス投与用デバイスを作製する。その投
与用デバイスを用い、反転の条件とし30分間通電した
後、通電を10分間停止させ、その後極性を反転させ通
電を再開する条件を採用し、さらに電流密度を0.05
mA/cm2とし、投与開始時において電極デバイスユニッ
ト(4)が陽極となる条件以外、実施例1と同じ条件で
ラットにイオントフォレシス投与を行い、血清中化合物
濃度を調べる。その効果として、投与後30分間に化合
物の経皮吸収による血清中化合物濃度の上昇が起こり、
次にこの陽極デバイスユニット(4)が陽極となるまで
の間の50分間は経皮吸収の停止あるいは経皮吸収速度
の低下により血清中化合物濃度の上昇度合いにおいて低
下が起こり、電極デバイスユニット(4)が再び陽極と
なったときにおいて経皮吸収がさらに高まり、血清中濃
度が再びものと高さまで昇するパターンの繰り返し、す
なわち総投与期間である24時間を通じて化合物の血清
中濃度がほぼ一定の範囲内に維持されることが挙げられ
る。
【0049】
【発明の効果】本発明のイオントフォレシス経皮投与に
おいては、デバイスを取り替えることなく一定した通電
性を長期間維持しながら、長期間にわたる持続吸収を要
する薬物に対しては高い吸収性を長期間持続させ、また
長期間にわたるパルス吸収の繰り返しを要する薬物に対
しては一定しパルス吸収を長期間にわたって繰り返すこ
とができ、活性成分による優れた治療効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はイオントフォレシス用デバイスの断面図
である。
【図2】図2は実施例1および2における血清中の製造
例1で得た化合物濃度の時間推移を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電源 2 コンピュータ作動式電気発生装置 3 タイマー付きスウィッチ 4、5 電極デバイスユニット 6,7 絶縁支持体 8,9 電極 10,11 導電媒体 12,13 親水性多孔性薄膜 14,15 剥離ライナー 16 粘着テープ 17 剥離ライナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳井 薫雄 兵庫県姫路市市之郷町2丁目26番地 (72)発明者 肥後 成人 茨城県竜ケ崎市松葉2丁目1−53 Fターム(参考) 4C053 HH01 HH02 HH04

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二つの電極部の少なくともその一方に活性
    成分としてGPIIb/IIIa拮抗物質を含有し、通
    電制御部を通じて電流を印可する際に、一定時間通電し
    た後、瞬間的に回路を短絡した後にまたは一定時間の非
    通電時間を設けた後に電極部の極性を反転させる工程を
    複数回行うことを特徴とするイオントフォレシスによる
    GPIIb/IIIa拮抗物質の経皮透過方法。
  2. 【請求項2】一方の極性で通電を開始してからその極性
    で通電を継続する時間が同一または異なって10秒から2
    時間であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】一定時間通電した後に設けられる非通電時
    間が100万分の1秒から4時間であることを特徴とす
    る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】電極部の極性を反転させる回数が10回か
    ら2000回であることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】電流の総印可時間が30分から72時間で
    あることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】二つの電極部の電極がともに銀とハロゲン
    化銀から構成されることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】電極が銀とハロゲン化銀の混合物であるこ
    とを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】銀とハロゲン化銀の構成重量比が1:9か
    ら9:1であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】二つの電極部の電極の銀とハロゲン化銀の
    合計構成重量比が2:1から1:2であることを特徴と
    する請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】電極部の導電性水分貯体の中にハロゲン
    イオンを含有することを特徴とする請求項6記載の方
    法。
  11. 【請求項11】二つの電極部にGPIIb/IIIa拮
    抗物質を含有することを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  12. 【請求項12】GPIIb/IIIa拮抗物質が(S)
    −4−(4−グアニジノベンゾイルアミノ)アセチル−
    3−[3−(4−グアニジノベンゾイルアミノ)]プロ
    ピル−2−オキソピペラジン−1−酢酸またはその塩で
    あることを特徴とする請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】電源部に接続可能な電極および導電性水
    分貯体を絶縁支持体の窪みに充填しさらにその表面を湿
    潤性多孔性薄膜で覆う構造を電極部が有するデバイスを
    使用することを特徴とする請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】二つの電極部が相似形状でかつ電極部の
    導電性水分貯体が同一組成であることを特徴とする請求
    項1記載の方法。
  15. 【請求項15】電極部の導電性水分貯体が寒天ゲルまた
    はアガロースゲルを含有することを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  16. 【請求項16】電極部の導電性水分貯体のpHが3から
    7の範囲であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】活性成分を含有する導電性水分貯体のp
    H調整物質として有機アミンを用いることを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】有機アミンがメグルミンである請求項1
    7記載の方法。
  19. 【請求項19】一方の電極部にパルス的な吸収を要する
    GPIIb/IIIa拮抗物質を含有することを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】請求項1記載の経皮透過方法を繰り返す
    ことにより、GPIIb/IIIa拮抗物質の経皮透過
    を3日ないし1年間持続することを特徴とするGPII
    b/IIIa拮抗物質の経皮透過方法。
JP11105359A 1999-04-13 1999-04-13 経皮透過方法 Withdrawn JP2000296180A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11105359A JP2000296180A (ja) 1999-04-13 1999-04-13 経皮透過方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11105359A JP2000296180A (ja) 1999-04-13 1999-04-13 経皮透過方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000296180A true JP2000296180A (ja) 2000-10-24

Family

ID=14405540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11105359A Withdrawn JP2000296180A (ja) 1999-04-13 1999-04-13 経皮透過方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000296180A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005077250A (ja) * 2003-09-01 2005-03-24 Sumitomo Pharmaceut Co Ltd 放出試験方法
JP2008113785A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Jiu-Kidd:Kk イオントフォレーシスによる投与方法及び装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005077250A (ja) * 2003-09-01 2005-03-24 Sumitomo Pharmaceut Co Ltd 放出試験方法
JP2008113785A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Jiu-Kidd:Kk イオントフォレーシスによる投与方法及び装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0950407B1 (en) The use of a GP IIb/IIIa antagonist for the manufacture of a medicament suitable for transdermal application by iontophoresis
JP4049389B2 (ja) 電気的移送式作用剤投与のための組成物、デバイス及び方法
KR20010110754A (ko) 이온토포레시스 디바이스
JPWO2000061220A1 (ja) イオントフォレーシスデバイス
CN102341146B (zh) 具有缓冲的眼用离子电渗用体系和方法
JP2008520331A (ja) 薬剤の経皮的送達のためのマイクロチャネル形成とイオントフォレーシスの組合せ
KR20010070045A (ko) 이온영동용 조성물 및 장치 구조물
JP2001522793A (ja) 経皮電気輸送送達用の緩衝処理された薬物処方物
JP2002525307A (ja) ピペリジン誘導体を含むイオントフォレーゼ装置
JP2003299743A (ja) インスリン投与装置
KR20010109350A (ko) 이온토포레시스 디바이스 및 통전방법
JPH0892101A (ja) 局所投与用アレンドロン酸ナトリウム製剤
JPH04297417A (ja) 治療システム
KR100187632B1 (ko) 편두통 치료제의 이온삼투 요법 전달 시스템
JP4615929B2 (ja) イオントフォレーシス装置
JP2000296180A (ja) 経皮透過方法
JP3905578B2 (ja) イオントフォレシス用インターフェイス
JP4290271B2 (ja) 経皮透過方法
JP2008501434A (ja) 抗凝固剤の経皮送達のためのシステム及び方法
EP1689489B1 (en) Peptidically buffered formulations for electrotransport applications and methods of making
Santi et al. Post-iontophoresis transport of ibuprofen lysine across rabbit ear skin
JPH0549702A (ja) イオントフオレシス用装置
JPH09103494A (ja) イオントフォレシス用薬物溶解液
CA2208332A1 (en) Drug administration composition for iontophoresis
CN1938030A (zh) 哌嗪基-2(3h)-苯并噁唑酮化合物的透皮离子电渗转运

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060704