JP2000294123A - イオン源電極板の製造方法 - Google Patents

イオン源電極板の製造方法

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JP2000294123A JP11100564A JP10056499A JP2000294123A JP 2000294123 A JP2000294123 A JP 2000294123A JP 11100564 A JP11100564 A JP 11100564A JP 10056499 A JP10056499 A JP 10056499A JP 2000294123 A JP2000294123 A JP 2000294123A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ中にろう材等からの不純物が混入せ
ず、冷却パイプ等から冷媒が漏洩する可能性が少なく、
かつ冷却効率が高く、しかも安価な材料を用いて製造コ
ストが削減できること。 【解決手段】 製造工程は銅または銅合金からなる平板
1の端面から端面にかけてガンドリル3を用いて平板平
面と平行に内部を貫く孔2a、2bを穿ち(a)、次
に、貫通孔の端面開口部にプラグ4を装着し、シール溶
接で密封して冷却孔5として構成し(b)、次に、平板
1の平面に対して垂直に向くビーム孔6および端面に近
い冷却孔5と連通する連絡孔7を穿ち(c)(d)、こ
の後、連絡孔7に合わせて冷媒供給、回収用ヘッダ9、
10をろう付けで固着する(e)、工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核融合装置の中性粒
子入射装置やイオンミキシング装置などに適用されるイ
オン源において、プラズマ中のイオンを加速して高速イ
オンビームを生成するイオン源電極板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】核融合装置の中性粒子入射装置やイオン
ミキシング装置においてはプラズマから高速イオンビー
ムを生成するイオン源が用いられている。たとえば、中
性粒子入射装置のイオン源は水素などのガスが導入され
たフィラメントを有するプラズマ生成部において、当該
フィラメントを介してアーク放電を行うことによりプラ
ズマを生成する。そして、このプラズマ中のガスが電離
したイオンを電極板に形成した電界によりプラズマから
引き出して加速し、高エネルギーを有する高速イオンビ
ームを発生するものである。
【0003】上述したイオン源におけるイオン加速電極
板は当該電極板に多数形成されたイオンビーム引き出し
孔を介してプラズマからイオンビームを引き出すように
なっており、イオン加速電極板が直接高温のイオンビー
ムと直接接触する構造となっている。このため、イオン
加速電極板にはイオン加速電極板自体の熱負荷を下げ、
耐久性能を向上させる冷却チャンネルが形成されてい
る。通常、この冷却チャンネルは効果的に冷却を果たす
ために多数形成されるイオンビーム引き出し孔間にそれ
ぞれ設けられる。
【0004】図9(a)(b)に従来のイオン加速電極
板の一例を示している。イオン加速電極板は電極板50
を貫いて形成される多数のビーム引き出し孔51を備え
ている。このビーム引き出し孔51に隣接してそれぞれ
冷却パイプ52が設けられており、冷媒が流れる冷却チ
ャンネルを構成している。
【0005】より詳しく述べると、電極板50のプラズ
マ53側の表面には溝54が刻まれており、この溝54
に冷却パイプ52がその直径の半分程度埋め込まれてい
る。冷却パイプ52と電極板50とはろう付けによって
接合されている。ちなみに、冷却パイプ52をプラズマ
53側に設けるのはその反対側には他の電極板(図示せ
ず)が配置されるので、それとの間の電界を冷却パイプ
52で乱さないように電極板距離が冷却パイプ52によ
り制限を受けないようにするためである。
【0006】ところで、上記の電極板をプラズマ電極板
に用いてイオンビームを引き出すとき、冷却パイプ52
およびろう付けで用いたろう材が直接プラズマにさらさ
れることになる。このため、プラズマによるスパッタリ
ング作用、さらにはプラズマ中のイオン入射やプラズマ
およびフィラメントからの熱輻射により冷却パイプ52
およびろう材が加熱され、これらの要素等を構成する物
質が不純物としてプラズマ中に混じり、結果的に、不要
な元素がイオンビーム中に混入する可能性がある。
【0007】一方、冷却パイプ52は全周のうち、約半
周が電極板50と接触しているだけであり、接触面積が
少ないことから、冷却効率が必ずしも十分とはいえな
い。また、電極板50の構成材料は熱的に安定な耐熱金
属に限られるが、概してこのような耐熱金属は高価であ
り、たとえば、モリブデン等を用いて電極板50を構成
したとき、イオン加速電極板の製造コストが著しく高く
なる。
【0008】さらに、ろう付けにより冷却パイプ52と
電極板50とを接合した場合、施工法が不適切である
と、ろう付けに用いるろう材の種類によっては冷却パイ
プ52に欠陥が生じ、冷媒の漏洩という致命的な事故を
引き起こす懸念がある。
【0009】これまでに提案された製造方法を調査して
みると、特開平2−244546号公報に提案されてい
るイオン源用電極はイオンビームの引き出しに用いられ
る電極であって、2枚の電極板間に冷媒を通す冷却パイ
プを挟み込むと共に、これら三者間を接着して構成した
ものである。この三者間を接着する方法としてろう付け
あるいは熱間等方圧加圧法(HIP法)が用いられてい
る。
【0010】また、特開平3−129638号公報にイ
オン加速電極板の製造方法が提案されている。すなわ
ち、この方法は冷却水通路用の溝を設けた溝付モリブデ
ン板の溝表面にニッケルを被覆しておき、その上にニッ
ケルにて被覆されたモリブデン平板を重ね、拡散接合に
より溝付きモリブデン平板とを一体化すると共に、ニッ
ケルにて被覆された冷却水通路孔を形成し、その後ビー
ム孔を加工するようにしたものである。特に、この電極
板はプラズマ生成部の開口部側に装着し、電界を形成す
る電極板に好適な耐熱金属かつ高融点材料のモリブデン
から構成されている。
【0011】上述した公報と同様に、特開平5−290
93号公報に記載のものはモリブデン板を主体として構
成されたイオン加速電極板において、モリブデン板は拡
散接合により一体化した重合板構造とし、その冷却通路
用の冷却孔の内周面をセラミック被膜層で被覆したイオ
ン加速電極板であり、この場合、セラミック被膜層をセ
ラミックスの蒸着により形成する方法を開示している。
【0012】さらに、特開平6−314600号公報で
提案されるものはイオンビームを加速するイオン加速電
極板において、タンタル板の拡散接合により一体化した
重合板構造のタンタル板を主体として構成されたイオン
加速電極板であり、タンタル板を拡散接合するにあた
り、接合面にチタンを介して拡散接合する方法を開示し
ている。
【0013】また、特許第2523742号公報に開示
のものは図10(a)、(b)に示すように、真空ある
いはガス雰囲気中での拡散接合が可能な加熱ヒータ61
を設置した真空容器内62で、互いの端面を向かい合わ
せた一対の電極要素である溝付き板63と平板64との
間に上記電極要素材料の融点より低温で共晶反応により
液相を生成して電極要素と固溶する薄膜層65を形成
し、共晶反応を利用した拡散接合で一体化する方法であ
る。ここで、溝付き板63には冷媒を流すための冷却孔
を構成する細溝66およびイオンビームの引き出しのた
めにビーム引き出し孔67が形成される。なお、図中符
号68は下部台を示し、符号69は重しを示している。
【0014】この方法の特徴は共晶反応により生成する
液相を利用することで、比較的小さい加圧力を作用させ
ただけで拡散接合できるので、液相が拡散凝固してギャ
ップやボイドが消失し、電極板全体を変形させたり、溝
付き板63の冷却孔を変形させたり、あるいは埋めるこ
となく、両電極要素の接合面全体において密着性に優れ
た良好な接合面を得ることができる。また、冷却孔用に
形成した細溝66が加圧力によって変形することにより
冷却効率を低下せしめたり、製品としての寸法精度が低
下することが少ないなどの利点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−244546号公報に開示されたイオン源用電極は
2枚の電極および冷却パイプ間を接着する方法がろう付
けあるいは熱間等方圧加圧方(HIP法)であるために
次のような問題がある。すなわち、ろう付けによる接合
では電極板の接合面積が400cm2以上の大面積とな
るが、接合面積がこのような大面積となった場合、接合
面全域を欠陥なくろう付け(本ろう付けは真空中の作業
で、ろう材にはたとえば銀入りのろう材を使用する)す
ることは過去の類似した施工実績からみても非常に困難
である。構造的には冷媒を通す冷却パイプを2枚の電極
板間に挟み込むことで、冷媒が漏れるような従来のトラ
ブルは回避できるという特徴があるものの、もし、接合
面にろう付けによる未接合部分が顕在する場合、電極板
としてはイオンビームによる高熱負荷を除去するという
機能は損なわれてしまう。すなわち、熱伝導が悪くなる
ために冷却効率が低下することで、電極板が過熱状態に
陥り、変形が生じる。電極板が変形すると、イオンビー
ムを引き出す多数のビーム孔の位置もずれ、さらに電極
板が変形することで、イオン源の電極板としての機能は
殆ど失われてしまう。
【0016】一方、熱間等方圧加圧法による接合におい
ては、たとえば、接合に必要な接合面全周の真空シール
の溶接方法が適用される。しかし、イオン源用電極板は
約5〜10mm程度の銅または銅合金からなる薄板で構
成されることから、電子ビーム溶接の条件として入熱を
比較的大きくしなければならない。この大きい入熱で施
工した場合、電極板には溶接中の熱で変形が生じ、反り
やうねりが発生する。このため、真空シール溶接後に実
施する熱間等方圧加圧法による接合を経た後も、こうし
た反り、またはうねりが電極板に残ってしまう可能性が
高く、接合が終了した後で、修正加工が必要になる。
【0017】しかしながら、このような修正加工では必
ずしも所望の平らな面が得られず、狂いが取り除けない
まま、使用されたとき、性能に重大な悪影響が生じる。
たとえば、ビーム孔の位置がずれると、イオンビームが
電極板に当たり、使用中に過熱状態に陥って電極板が大
きく変形するなどの不具合が発生する。最悪の場合、電
極板の機能が失われてしまうことになる。
【0018】また、熱間等方圧加圧法による接合では接
合面全周の真空シール溶接は溶接施工後に溶接部分をヘ
リウムリークディテクターを用いて試験し、1×10-9
Torr・l/sec以下のリーク量であることを確認する必要
がある。ただし、この試験は静的な状態で行うが、接合
面全周の真空シール溶接部は実際の熱間等方圧加圧法に
よる接合中に健全なシール性が要求される。万一、真空
シールが破損した場合は接合面に高温、高圧のガスが侵
入し、接合は実際上不可能になる。このように、部材間
を熱間等方圧加圧法により接合するには極めて難易度の
高いシール溶接技術が要求され、その実現には溶接機の
高度化、溶接作業者の技能の向上など解決すべき課題が
数多くある。
【0019】一方、特開平3−129638号公報、特
開平5−29093号公報、特開平6−314600号
公報におけるイオン加速電極板はいずれも高融点材料で
あるモリブデンないしタンタルから構成されるもので、
その構造は溝付き板と平板とを拡散接合で一体化するも
のである。高融点材料であるモリブデンないしタンタル
からなる溝付き板と平板とを拡散接合するには、接合
中、特に温度、雰囲気、加圧力については厳しく条件を
守ることが求められる。さらに、これらの条件は一定時
間安定に保たねばならない。
【0020】拡散接合に必要な温度は、一般に、その材
料の融点に対して0.7倍以上の温度あるいはその材料
の再結晶温度以上といわれている。雰囲気は拡散接合に
必要な温度において被接合材料の表面酸化などが問題に
ならない雰囲気が必要である。したがって、高真空中あ
るいはアルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガス雰囲気
中で接合することが要求される。加圧力は接合面の面粗
さや接合温度で適性加圧力が決まる。温度が高ければ、
加圧は小さく、温度が低ければ、加圧力は高く設定しな
ければならない。また、面粗さについては接合面の凹凸
が細かい場合は加圧力は小さく、逆に接合面の凹凸が粗
い場合は加圧力は高く設定しなければならない。
【0021】要するに、接合面同士のコンタクト(密
着)が重要である。この条件を一定時間、保持する時間
は温度、雰囲気、加圧力に左右される。温度が高く、か
つ、加圧力が高ければ相互拡散は積極的に進み、保持時
間も短くてすむ。しかし、拡散接合によるイオン加速電
極板の接合では接合を容易とする接合面の精度、たとえ
ば、面粗さを5S以下に保つようにしたとき、機械加工
後にバフ研磨が必要となり、また、その平坦度、さらに
は清浄度を保つためには加工中および加工後の保管にも
注意が必要である。特に、イオン加速電極板の板厚は、
たとえば、約5〜10mm程度と薄く、この部材の接合
面全体を均等に加圧し、かつ、溝の変形を抑えながら加
圧力を制御することは難しい。その装置を作るとしても
非常に複雑かつ高価な設備となる。このように拡散接合
では製造コストは高く、また、その信頼性もイオン加速
電極板のような大面積となると、接合面全域にわたる均
一な接合は困難と予想される。
【0022】また、特許第2523742号公報に開示
のものは共晶反応を利用した拡散接合で一体化するもの
であり、その特徴は共晶反応により生成する液相を利用
することであり、比較的小さい圧力を作用させた状態で
拡散接合が可能になることである。しかし、拡散接合で
各部材を一体化するには拡散接合あるいは共晶反応が起
こる温度域まですべての部材を加熱する必要がある。こ
の方法で接合面に平坦な面が得られず、加熱状態で接合
面の密着が十分でない場合、共晶反応は起こらず、液相
が生成しないで、そこに欠陥であるボイドが発生する可
能性がある。
【0023】一方、この方法は上述した公報に開示され
たイオン加速電極板の接合において述べたものと同様な
問題に直面する可能性がある。すなわち、拡散接合によ
るイオン加速電極板では接合を容易にする接合面の精
度、たとえば面粗さを5S以下に保つようにしたとき、
機械加工後にバフ研磨が必要で、さらに、こうした工程
を経た後でも、平坦度および清浄度を保ち続けるように
保管にも注意しなければならない。
【0024】本発明の目的はプラズマ中にろう材等から
の不純物が混入せず、冷却パイプ等から冷媒が漏洩する
可能性が少なく、かつ冷却効率が高く、しかも安価な材
料を用いて製造コストが削減できるようにしたイオン源
電極板の製造方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、初めに、
銅または銅合金からなる平板の一の端面から他の端面に
かけてガンドリルを用いた孔明け加工によって平板平面
と平行に内部を貫く複数本の貫通孔を穿設する。次に、
この貫通孔の各端面開口部にプラグを装着し、さらにプ
ラグの外周部をシール溶接によって密封して冷媒を流す
冷却孔として構成する。次に、適当な孔明け手段を用い
て平板の平面に対して垂直に向く複数個のビーム孔を穿
つと共に、平板の各端面に近い冷却孔と連通するように
連絡孔を穿設する。この後、各々連絡孔に合わせて平板
に冷媒供給、回収用ヘッダをろう付けによって固着する
ようにしたものである。
【0026】本発明方法においては電極板の冷却チャン
ネルの構成要素についての接合が一切なく、接合のため
に使用するろう材からの不純物の発生が抑えられること
で、プラズマ中にこうした不純物が混入するのを確実に
防止することができる。
【0027】さらに、冷却チャンネルの構成要素が平板
内の冷却孔からなるもので、損傷が起こる可能性は低
く、冷媒が漏洩して冷却機能が損なわれるのを確実に防
ぐことが可能になる。
【0028】また、ビーム孔に近接している冷却孔によ
り冷媒が電極板から効果的に熱を奪い、これにより冷却
効果を格段に向上させることができる。さらに、比較的
安価な銅または銅合金で電極板の本体部をなす平板を構
成することが可能になり、イオン源電極板の製造コスト
を大幅に削減することができる。
【0029】なお、本発明方法においては平板に穿つ貫
通孔に代えて、平板内に非貫通の複数本の深孔を穿設
し、この深孔の端面開口部にプラグを装着し、さらにプ
ラグの外周部をシール溶接によって密封して冷媒を流す
冷却孔として構成する方法も可能である。
【0030】本発明方法によれば、深孔毎に1個のプラ
グについて装着およびシール溶接に要する手間を省くこ
とが可能になる。
【0031】また、第2の発明は、初めに、銅または銅
合金からなる平板の一の端面から他の端面にかけて工具
電極を用いた放電加工によって平板平面と平行に内部を
貫く複数本の貫通孔を穿設する。次に、この貫通孔の各
端面開口部にプラグを装着し、さらにプラグの外周部を
シール溶接によって密封して冷媒を流す冷却孔として構
成する。次に、適当な孔明け手段を用いて平板の平面に
対して垂直に向く複数個のビーム孔を穿つと共に、平板
の各端面に近い冷却孔と連通するように連絡孔を穿設す
る。この後、各々連絡孔に合わせて平板に冷媒供給、回
収用ヘッダをろう付けによって固着するようにしたもの
である。
【0032】本発明方法においては第1の発明方法と同
様な効果を得ることができる。すなわち、プラズマ中に
不純物が混入するのを確実に防ぐことができ、また、冷
媒が漏洩して冷却機能が損なわれるのを確実に防止する
ことができ、さらに、冷却効果を格段に向上させること
が可能になり、また、イオン源電極板の製造コストを大
幅に削減することができる。
【0033】なお、本発明方法においては平板に穿つ貫
通孔に代えて、平板内に非貫通の複数本の深孔を穿設
し、この深孔の端面開口部にプラグを装着し、さらにプ
ラグの外周部をシール溶接によって密封して冷媒を流す
冷却孔として構成する方法も可能である。
【0034】本発明方法によれば、深孔毎に1個のプラ
グについて装着およびシール溶接に要する手間を省くこ
とが可能になる。
【0035】さらに、第3の発明は、初めに、銅または
銅合金からなる平板内の中心部にかけてガンドリルを用
いた孔明け加工によって平板平面と平行に複数本の孔を
穿設する。次に、工具電極を用いた放電加工によって上
記孔が平板の他の端面まで通るように他の孔を加工して
複数本の貫通孔として構成する。次に、この貫通孔の各
端面開口部にプラグを装着し、さらにプラグの外周部を
シール溶接によって密封して冷媒を流す冷却孔として構
成する。次に、適当な孔明け手段を用いて平板の平面に
対して垂直に向く複数個のビーム孔を穿つと共に、平板
の各端面に近い冷却孔と連通するように連絡孔を穿設す
る。この後、各々連絡孔に合わせて平板に冷媒供給、回
収用ヘッダをろう付けによって固着するようにしたもの
である。
【0036】本発明方法においては電極板の冷却チャン
ネルの構成要素についての接合が一切なく、接合のため
に使用するろう材からの不純物の発生が抑えられること
で、プラズマ中にこうした不純物が混入するのを確実に
防止することができる。
【0037】さらに、冷却チャンネルの構成要素が平板
内の冷却孔からなるもので、損傷が起こる可能性は低
く、冷媒が漏洩して冷却機能が損なわれるのを確実に防
ぐことが可能になる。
【0038】また、ビーム孔に近接している冷却孔によ
り冷媒が電極板から効果的に熱を奪い、これにより冷却
効果を格段に向上させることができる。さらに、比較的
安価な銅または銅合金で電極板の本体部をなす平板を構
成することが可能になり、イオン源電極板の製造コスト
を大幅に削減することができる。
【0039】また、第4の発明は、初めに、銅または銅
合金からなる平板の一の端面から他の端面にかけてガン
ドリルを用いた孔明け加工によって平板平面と平行に内
部を貫く複数本の貫通孔を穿設する。次に、平板内の貫
通孔に引き通すワイヤ電極を用いた放電加工によってそ
の貫通孔に代わる、任意の形状を有する孔を加工する。
次に、この孔の各端面開口部にプラグを装着し、さらに
プラグの外周部をシール溶接によって密封して冷媒を流
す冷却孔として構成する。次に、適当な孔明け手段を用
いて平板の平面に対して垂直に向く複数個のビーム孔を
穿つと共に、平板の各端面に近い冷却孔と連通するよう
に連絡孔を穿設する。この後、各々連絡孔に合わせて平
板に冷媒供給、回収用ヘッダをろう付けによって固着す
るようにしたものである。
【0040】本発明方法においては第1の発明と同様な
効果を得ることができる。すなわち、プラズマ中に不純
物が混入するのを確実に防ぐことができ、また、冷媒が
漏洩して冷却機能が損なわれるのを確実に防止すること
ができ、さらに、冷却効果を格段に向上させることが可
能になり、また、イオン源電極板の製造コストを大幅に
削減することができる。
【0041】また、特に、本発明方法によれば、冷却孔
の形状をイオン源電極板の冷却効率等の要求に応じて所
望の形状に形成することが可能になる。
【0042】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)第1の実施
の形態を図1(a)ないし(e)を参照して説明する。
図1(a)において、電極板の加工手順は、初めに、銅
または銅合金からなる平板1の一方の端面から中心に向
かって平板平面と平行に孔2aを穿つ。さらに、平板1
の反対側の端面から中心に向かって平板平面と平行に、
かつ上記孔2aと同心を保って孔2bを穿つ。このよう
にして孔2aと孔2bとを平板1の中心部でつないで1
本の貫通孔として仕上げる。
【0043】この孔明け加工での切削工具は図に示すよ
うな深孔加工に適するガンドリル3を使用する。このガ
ンドリル3は切れ刃および油孔を有するチップ部と、切
りくず排出溝を備えた中空シャンク部と、スピンドルに
ガンドリルを固定するドライブ部とからなり、加工機本
体には高圧で多量の切削油を切れ刃に供給する機構、高
速回転機構、微少送り機構等を備えている。1本の貫通
孔に続けて平板1に所定本数の貫通孔を穿つ。
【0044】孔明け加工条件は以下の通りである。平板
1は12×365×365(厚さ×幅×長さ;単位m
m)の大きさを有する。ガンドリル3の直径寸法は3m
mである。貫通孔本数は全部で13本である。平板1の
中心でつなぐ加工法では孔2aと孔2bとの芯ずれが最
小でなければならない。本実施の形態では芯ずれを少な
くするガンドリル3の選定、また加工条件の選定に留意
し、孔明け加工を実施した。
【0045】次に、図1(b)に示すように、平板1に
穿たれた貫通孔の各端面開口部に銅または銅合金からな
るプラグ4を装着し、密封のためにこのプラグ4の全周
をシール溶接する。好ましくは、シール溶接は電子ビー
ム溶接により施工する。こうして、平板1内に冷却チャ
ンネルとしての冷却孔5を形成することができる。
【0046】次に、図1(c)に示すように、平板1の
平面に対して垂直に平板1を貫いて孔明け加工し、所定
数のビーム孔6を穿つ。さらに、端部に近い平板1のそ
れぞれの領域に平面に対して垂直に平板1内の各冷却孔
5と通じるように連絡孔7を穿つ。孔明け加工は数値制
御式マシニングセンタでドリル(図示せず)を用いて加
工するが、レーザ加工機など他の孔明け加工機を使用し
てもよい。ビーム孔6は、図1(d)に示すように、そ
れぞれ冷却孔5に隣接して穿つ。また、各ビーム孔6の
縁端に面取り8を施す。
【0047】この後、平板1に形成したそれぞれの連絡
孔7に合わせて、図1(e)に示すように、冷媒を供給
し、かつ回収するための入口ヘッダ9および出口ヘッダ
10をそれぞれ取り付ける。各々ヘッダ9、10は冷媒
を流すためのパイプ11および接続用フランジ12を備
えている。この取り付けはろう付けで平板1に接合す
る。
【0048】本発明の形態においては冷却チャンネルの
構成要素についての接合が一切なく、たとえば接合に用
いるろう材からの不純物の発生が抑えられ、プラズマ中
にこうした不純物が混入するのを確実に防ぐことができ
る。
【0049】さらに、冷却チャンネルの構成要素は平板
1内の冷却孔5からなるもので、たとえば冷却パイプの
ような独立した要素ではなく、損傷が起こる可能性は低
く、冷媒が漏洩して冷却機能が損なわれるのを確実に防
止することが可能になる。
【0050】また、ビーム孔6に近接して配置する冷却
孔5により、そこを通る冷媒が電極板から効果的に熱を
奪うことができ、冷却効率を格段に向上させることが可
能になる。
【0051】さらに、比較的安価な銅または銅合金で電
極板の本体部をなす平板1を構成することが可能で、た
とえばモリブデン電極板などと比べてイオン源電極板の
製造コストを大きく削減することができる。
【0052】(第2の実施の形態)さらに、本発明の第
2の実施の形態を図2および図3を参照して説明する。
図2において、切削工具はより長さが長いガンドリル1
3を使用する。このガンドリル13を用いて銅または銅
合金からなる平板1の一方の端面から他方の端面の手前
まで平板平面と平行に深孔14を穿つ。つまり、深孔1
4は盲孔で、貫通しないように仕上げる。次に、図3に
示すように、深孔14の端面開口部にプラグ4を装着
し、このプラグ4の全周を電子ビーム溶接によりシール
溶接する。こうして、平板1内に冷却孔15を形成する
ことができる。
【0053】次に、図示しないビーム孔および連絡孔1
6を穿って、さらに、入口ヘッダ9および出口ヘッダ1
0を取り付け、(これらの工程は第1の実施の形態と同
一方法による)イオン源電極板として完成させる。
【0054】本実施の形態においては上記第1の実施の
形態と同様な効果を得ることが可能である。特に、本実
施の形態においては深孔14の加工で先に述べた芯ずれ
が起こることがないので、孔明け加工におけるネックを
解消することが可能になる。また、深孔14毎に1個の
プラグ4について装着およびシール溶接に要する手間を
省くことができる。
【0055】(第3の実施の形態)さらに、本発明の第
3の実施の形態を図4(a)(b)を参照して説明す
る。図4(a)において、本実施の形態の核となる工程
は放電加工である。ここでは銅またはグラファイトなど
の加工の容易な導電材料を工具電極17として使用す
る。加工中、被加工物である銅または銅合金からなる平
板1との間に60〜300V程度のインパルス電圧を印
加して火花放電させ、このときの異常消耗現象を利用し
て後記の所望の形状の冷却孔を加工する。
【0056】加工液(ケロシンないし水)19を溜めた
容器20内に平板1が置かれる。工具電極17が送り装
置21と結ばれ、加工の進行に合わせて下方に降りる。
工具電極17は火花放電を行わせる加工電源22と電気
的に接続される。
【0057】本実施の形態の放電加工手順を説明する。
初めに、容器20内に直立して置かれた平板1の一方の
端面に工具電極17を接近させ、電圧を印加しながら、
決められた深さまで孔18aを放電加工する。この深さ
は、通常、平板1の長手方向寸法のほぼ1/2とする。孔
18aの深さがほぼ1/2に達したところで、一旦加工を
停止する。さらに、1本の孔18aに続けて同じ平板1
に所定本数の孔18aを放電加工する。
【0058】次に、容器20から平板11を取り出し、
他方の端面が上に向くように反転させる。そして、端面
に工具電極17を接近させ、電圧を印加しながら、先に
加工した孔18aと同心を保って図4(b)に示すよう
に、他の孔18bを放電加工する。さらに、これに続け
て残りの孔18aとつながるように孔18bをそれぞれ
放電加工する。このようにして孔18aと孔18bとを
平板1の中心部でつないでそれぞれ貫通孔として仕上げ
る。
【0059】以後の手順は第1の実施の形態で述べたも
のと同一手順で進め、イオン電極板として完成させる。
【0060】本実施の形態においては上記第1の実施の
形態と同様な効果を得ることができる。すなわち、冷却
チャンネルの構成要素についての接合が一切なく、たと
えば接合に用いるろう材からの不純物の発生が抑えら
れ、プラズマ中にこうした不純物が混入するのを確実に
防ぐことができる。
【0061】さらに、冷却チャンネルの構成要素は平板
1内の冷却孔5からなるもので、たとえば冷却パイプの
ような独立した要素ではなく、損傷が起こる可能性は低
く、冷媒が漏洩して冷却機能が損なわれるのを確実に防
止することが可能になる。
【0062】また、ビーム孔6に近接して配置する冷却
孔5により、そこを通る冷媒が電極板から効果的に熱を
奪うことができ、冷却効率を格段に向上させることが可
能になる。さらに、比較的安価な銅または銅合金で電極
板の本体部をなす平板1を構成することが可能で、たと
えばモリブデン電極板などと比べてイオン源電極板の製
造コストを大きく削減することができる。
【0063】(第4の実施の形態)さらに、本発明の第
4の実施の形態を図5を参照して説明する。本実施の形
態も上記第3の実施の形態と同様に核となる工程は放電
加工である。ここでは平板1の長手方向寸法に見合う十
分な長さを有する工具電極23を使用する。
【0064】本実施の形態の放電加工手順を説明する。
初めに、容器20内に直立して置かれた平板1の一方の
端面に工具電極23を接近させ、他方の端面の手前まで
深孔24を放電加工する。つまり、深孔24は貫通しな
いように仕上げる。さらに、これに続けて同じ平板1に
所定数の深孔24を放電加工する。
【0065】次に、深孔24の端面開口部にプラグ4を
装着し、このプラグ4の全周を電子ビーム溶接によりシ
ール溶接する。こうして、平板1内に冷却孔を形成する
ことができる。以後の手順は第2の実施の形態と同一手
順で進め、イオン源電極板として完成させる。
【0066】本実施の形態においては上記第1および第
3の実施の形態と同様な効果を得ることができる。本実
施の形態においては、特に、深孔24の放電加工で芯ず
れが起こることがないので、放電加工におけるネックを
解消することができる。また、深孔24毎に1個のプラ
グ4について装着およびシール溶接に要する手間を省く
ことが可能になる。
【0067】(第5の実施の形態)さらに、本発明の第
5の実施の形態を図6(a)(b)を参照して説明す
る。図6(a)において、平板1の一方の端面から中心
に向かってガンドリル3により孔2aを穿つ。これに続
けて、平板1に所定本数の孔2aを穿つ。この平板1の
中心近くまで延びる孔2aを貫通孔として仕上げるため
に孔2aから先の部分に対して放電加工を適用する。こ
こでは平板1の長手方向寸法に見合う十分な長さを有す
る工具電極を使用する。
【0068】放電加工手順を説明する。図6(b)にお
いて、初めに、容器20内に孔2aを上方に向けて置か
れた平板1の端面に工具電極25を接近させ、さらに、
孔2aに沿って下方に送ってその底部に接近させ、電圧
を印加しながら、下側の端面まで孔2bを放電加工す
る。さらに、これに続けて残りの孔2aについても下側
の端面まで孔2bを放電加工する。
【0069】このようにして、ガンドリル3で加工した
孔2aと工具電極25で放電加工した孔2bとをつない
でそれぞれ貫通孔として仕上げる。
【0070】以後の手順は第1の実施の形態で述べたも
のと同一手順で進め、イオン源電極板として完成させ
る。
【0071】本実施の形態においては上記第1の実施の
形態と同様な効果を得ることができる。
【0072】(第6の実施の形態)さらに、本発明の第
6の実施の形態を図7を参照して説明する。本実施の形
態の核となる工程はワイヤ放電加工である。先に、第3
の実施の形態で説明した放電加工と原理的には同一であ
るが、電極にワイヤを用いる点が異なっている。このワ
イヤは銅、黄銅あるいはタングステンなどからなる細い
ワイヤ電極を使用する。
【0073】本実施の形態は次のような数値制御式ワイ
ヤ放電加工機を利用する。この加工機はX−Y2次元動
作が可能なクローステーブル26を備える。クローステ
ーブル26はそれぞれサーボモータ27、28によって
駆動される。供給リール29に巻かれたワイヤ30が一
定温度で(1〜3mm/min)で被加工物である平板
1に送り出される。これは電極としてのワイヤ30が加
工中の放電現象により消耗するために適宜消耗のないワ
イヤ30と入れ換わる必要があるためである。ワイヤ3
0の直径は、通常、0.05〜0.25mmであるが、
加工効率およびワイヤ切れなどのトラブルを考慮した場
合、0.1mm以上のものが望ましい。
【0074】また、ワイヤ30には放電圧力などによる
強制振動をできる限り少なくするためにテンションをか
ける必要がある。たとえば、直径0.2mmの銅ワイヤ
では500〜800g、黄銅ワイヤでは800〜150
0gが適当である。この加工機ではブレーキ31、巻き
取りローラ32および巻き取りリール33によって望ま
しい値のテンションを得ている。
【0075】加工液(たとえば、水)34は容器35内
に溜められており、ここからポンプ36で汲み上げら
れ、ノズル37によってワイヤ30の周囲に供給される
ようになっている。平板1は加工電源38と電気的に接
続される。なお、図中、符号39は制御回路、符号40
はサーボ回路を示している。
【0076】本実施の形態の放電加工手順を説明する。
初めに、平板1にガンドリルを用いて所定本数の貫通孔
を穿つ。次に、平板1をワイヤ放電加工機のクロステー
ブル26に図示しない取り付け具を用いて直立するよう
に固定する。供給リール29からワイヤ30を送って平
板1の貫通孔を通して巻き取りリール30まで通してお
く。クロステーブル26を移動しつつ、ワイヤ30と貫
通孔内面とを接近させ、電圧を印加して放電加工する。
このとき、放電によりワイヤ30の軌跡に従って平板1
の一部が切断され、図8に示すように、矩形の角孔41
が形成される。この角孔41は次の工程でプラグ(図示
せず)を用いて両端を密封することで、冷却チャンネル
の主要部である冷却孔として機能させることができる。
ちなみに、この角孔41の大きさは短辺2mm、長辺6
mmである。なお、本実施の形態はこの矩形の角孔41
に代えて、冷却孔の形状は楕円形に形成してもよい。
【0077】このように本実施の形態の製造方法によれ
ば、冷却孔を矩形あるいは楕円形に、または他の任意の
形状に形成することが可能になる。これにより、冷却効
率を優先した最適な形状あるいはビーム孔に従う均整の
とれた望ましい形状など冷却孔の形状を自由に決めるこ
とが可能になる。一方、下孔として穿つ貫通孔は本来的
に深孔加工に適したガンドリルで加工するもので、比較
的薄い平板1であってもトラブルを生じないで加工する
ことができ、後工程のワイヤ放電加工もこれまでに実績
のある加工法であり、何ら問題なく所望の形状に仕上げ
ることが可能で、従来の接合技術が介在することにより
生じる多くの課題を一挙に解決することができる。
【0078】本実施の形態においては上記第1の実施の
形態と同様な効果を得ることができる。特に、本実施の
形態においては冷却孔の形状をイオン源電極板の冷却効
率等の要求に応じて所望の形状に形成することができ
る。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば電極板の冷却チャンネル
の構成要素についての接合が一切なく、接合のために使
用するろう材からの不純物の発生が抑えられることで、
プラズマ中にこうした不純物が混入するのを確実に防ぐ
ことができる。また、冷却チャンネルの構成要素が平板
内の冷却孔からなるもので、損傷が起こる可能性は低
く、冷媒が漏洩して冷却機能が損なわれるのを確実に防
ぐことが可能になる。
【0080】さらに、ビーム孔に近接している冷却孔に
より冷却効率を格段に向上させることができる。また、
比較的安価な材料で電極板の本体部を示す平板を構成す
ることができ、イオン源電極板の製造コストを大きく削
減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態におけるガ
ンドリルを用いた孔明け加工工程、(b)はプラグの装
着およびシール溶接工程、(c)(d)はビーム孔およ
び連絡孔の孔明け加工工程、(e)はヘッダ取り付け工
程を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態におけるガンドリル
を用いた孔明け加工工程を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る完成したイオ
ン源電極板を示す構成図。
【図4】(a)(b)は本発明の第3の実施の形態にお
ける工具電極を用いた放電加工工程を示す図。
【図5】本発明の第4の実施の形態における工具電極を
用いた放電加工工程を示す図。
【図6】(a)は本発明の第5の実施の形態におけるガ
ンドリルを用いた孔明け加工工程を示す図。(b)は工
具電極を用いた放電加工工程を示す図。
【図7】本発明の第6の実施の形態におけるワイヤ電極
を用いた放電加工工程を示す図。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係る放電加工され
た平板を示す図。
【図9】(a)は従来の電極板の一例を示す断面図、
(b)は(a)に示される電極板の拡大断面図。
【図10】(a)は従来の電極板の製造方法の一例を示
す図。(b)は(a)に示される電極板の拡大断面図。
【符号の説明】
1 平板 2a、2b、18a、18b 孔 3、13 ガンドリル 4 プラグ 5 冷却孔 6 ビーム孔 9 入口ヘッダ 10 出口ヘッダ 14、24 深孔 17、23 工具電極 22 加工電源 26 クロステーブル 30 ワイヤ 41 角孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 利久 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 5C030 DE04 DG06 DG09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 初めに、銅または銅合金からなる平板の
    一の端面から他の端面にかけてガンドリルを用いた孔明
    け加工によって該平板平面と平行に内部を貫く複数本の
    貫通孔を穿設し、次に、前記貫通孔の各端面開口部にプ
    ラグを装着し、さらに該プラグの外周部をシール溶接に
    よって密封して冷媒を流す冷却孔として構成し、次に、
    孔明け手段を用いて該平板の平面に対して垂直に向く複
    数個のビーム孔を穿つと共に、該平板の各端面に近い前
    記冷却孔と連通するように連絡孔を穿設し、この後、各
    々前記連絡孔に合わせて前記平板に冷媒供給、回収用ヘ
    ッダをろう付けによって固着するようにしたイオン源電
    極板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記貫通孔に代えて、前記平板内に非貫
    通の複数本の深孔を穿設し、前記深孔の端面開口部にプ
    ラグを装着し、さらに該プラグの外周部をシール溶接に
    よって密封して冷媒を流す冷却孔として構成するように
    したことを特徴とする請求項1記載のイオン源電極板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 初めに、銅または銅合金からなる平板の
    一の端面から他の端面にかけて工具電極を用いた放電加
    工によって該平板平面と平行に内部を貫く複数本の貫通
    孔を加工し、次に、前記貫通孔の各端面開口部にプラグ
    を装着し、さらに該プラグの外周部をシール溶接によっ
    て密封して冷媒を流す冷却孔として構成し、次に、孔明
    け手段を用いて該平板の平面に対して垂直に向く複数個
    のビーム孔を穿つと共に、該平板の各端面に近い前記冷
    却孔と連通するように連絡孔を穿設し、この後、各々前
    記連絡孔に合わせて前記平板に冷媒供給、回収用ヘッダ
    をろう付けによって固着するようにしたイオン源電極板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記貫通孔に代えて、前記平板内に非貫
    通の複数本の深孔を加工し、前記深孔の端面開口部にプ
    ラグを装着し、さらに該プラグの外周部をシール溶接に
    よって密封して冷媒を流す冷却孔として構成するように
    したことを特徴とする請求項3記載のイオン源電極板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 初めに、銅また銅合金からなる平板内の
    中心部にかけてガンドリルを用いた孔明け加工によって
    該平板平面と平行に複数本の孔を穿設し、次に、工具電
    極を用いた放電加工によって前記孔が該平板の他の端面
    まで通るように他の孔を加工して複数本の貫通孔として
    構成し、次に、前記貫通孔の各端面開口部にプラグを装
    着し、さらに該プラグの外周部をシール溶接によって密
    封して冷媒を流す冷却孔として構成し、次に、孔明け手
    段を用いて該平板の平面に対して垂直に向く複数個のビ
    ーム孔を穿つと共に、該平板の各端面に近い前記冷却孔
    と連通するように連絡孔を穿設し、この後、各々前記連
    絡孔に合わせて前記平板に冷媒供給、回収用ヘッダをろ
    う付けによって固着するようにしたイオン源電極板の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 初めに、銅または銅合金からなる平板の
    一の端面から他の端面にかけてガンドリルを用いた孔明
    け加工によって該平板平面と平行に内部を貫く複数本の
    貫通孔を穿設し、次に、前記平板内の該貫通孔に引き通
    すワイヤ電極を用いた放電加工によって該貫通孔に代わ
    る任意の形状を有する孔を加工し、次に、前記孔の各端
    面開口部にプラグを装着し、さらに、該プラグの外周部
    をシール溶接によって密封して冷媒を流す冷却孔として
    構成し、次に、孔明け手段を用いて該平板の平面に対し
    て垂直に向く複数個のビーム孔を穿つと共に、該平面の
    各端面に近い前記冷却孔と連通するように連絡孔を穿設
    し、この後、各々前記連絡孔に合わせて前記平板に冷媒
    供給、回収用ヘッダをろう付けによって固着するように
    したイオン源電極板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記任意の形状を有する孔が角形の孔な
    いし楕円形の孔に形成されることを特徴とする請求項6
    記載のイオン源電極板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007031838A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Applied Materials Inc 制御可能なターゲットの冷却
JP2008078042A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Toshiba Corp イオン源電極及びその製造方法
CN109671602A (zh) * 2018-11-15 2019-04-23 温州职业技术学院 基于热电子放电的复合电子源
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WO2023185219A1 (zh) * 2022-03-31 2023-10-05 戴文韬 一种氢、氘、氚合金反应堆核聚变方法及其装置

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