JP2000293210A - 制御プログラムの開発環境装置、制御プログラムを実行する制御装置、並びに、それらを実現するプログラムの記録媒体 - Google Patents

制御プログラムの開発環境装置、制御プログラムを実行する制御装置、並びに、それらを実現するプログラムの記録媒体

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JP2000293210A
JP2000293210A JP11103290A JP10329099A JP2000293210A JP 2000293210 A JP2000293210 A JP 2000293210A JP 11103290 A JP11103290 A JP 11103290A JP 10329099 A JP10329099 A JP 10329099A JP 2000293210 A JP2000293210 A JP 2000293210A
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真之 益田
Goji Nakada
剛司 中田
Koji Yoshida
耕士 吉田
Kasuke Nagao
嘉祐 長尾
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】複数の制御グループを制御するに当り、デバッ
グ効率の向上、システムカスタマイズ性の向上、プログ
ラミング容易性、制御の独立性を確保すること。 【解決手段】タスクのスケジューリング属性として、タ
スクプライオリティを持つイベントタスクと、周期、実
行開始サイクルを持つリフレッシュブロックと、これら
3者を持つ周期タスクと、で表現される任意の制御仕様
に対応する制御プログラムを実行する制御装置であっ
て、1若しくは2以上の周期タスク10,12と、1若
しくは2以上のリフレッシュブロック1,2,3と、1
若しくは2以上のイベントタスク5,6,7とからなる
制御グループが複数グループ定義された制御プログラム
を格納するための手段と、前記制御プログラムを構成す
るすべての制御グループのすべてのリフレッシュブロッ
ク並びに全ての周期タスクを、唯一のサイクルタイムに
同期して一括に実行する手段と、を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御グループを単
位として異常処理、状態遷移処理を行うことにより、シ
ステムの正当性、モジュール性を向上させた制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】制御装置の設計において、制御中の異常
時にどのように対応するかに関しては、従来より様々な
考え方が存在する。
【0003】例えば、制御装置とコミュニケーションす
るデバイスが複数存在するような制御システムにおいて
は、1つのデバイスで異常が発生した場合に、それとコ
ミュニケーションする制御装置の側を運転停止状態ある
いは運転継続状態のいずれにするかに関しては、予めシ
ステムで固定化しておくか、あるいは、プログラム作成
時にファイル等でパラメータライズ化可能とする異常時
対応方式(1)が採用される。
【0004】また、1つの制御装置で複数の制御対象を
制御し、複数の制御対象に対するプログラムを1つある
いは複数のタスクで記述しているような制御システムに
おいては、あるタスクで0除算等の命令実行異常が発生
した場合には、制御装置で実行している全てのタスクを
強制的に停止させるか、あるいは構わず運転を継続させ
ると言った二者択一の異常時対応方式(2)が採用され
ている。
【0005】また、制御システムによっては、外部機器
からの命令によって運転状態から運転停止状態にする
等、制御装置全体の状態を一括して変更する異常時対応
方式(3)も採用されている。
【0006】また、制御システムによっては、制御装置
の起動時、終了時、異常時にそれぞれ特定の処理を実行
するようにプログラムしておき、それらの処理の中で複
数の制御対象に固有の必要な処理、システム全体に関わ
る処理をユーザが任意に記述できるようにした異常時対
応方式(4)も採用されている。
【0007】さらに、制御システムによっては、複数の
制御対象を制御する場合、個々の制御対象の異常に容易
に対応できるように、複数の制御装置で制御を行う異常
対応方式(5)も採用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
異常時対応方式(1)にあっては、あるデバイスで異常
が発生した場合に、制御装置全体を運転停止させるよう
な処理を設定すると、他の制御対象を制御しているデバ
イスが正常であるにも拘わらず、システム全体が停止し
てしまう。制御対象間の関係が粗なシステムでは、この
ような一括停止処理は適さない。逆に、いずれのデバイ
スで異常が発生しても、制御装置全体の運転が継続され
るような処理を設定すると、制御対象間が密なシステム
では、システム全体として整合のとれた制御を行なうこ
とができない。
【0009】上述の異常時対応方式(2)にあっては、
ある制御対象を制御するためのタスクが複数存在する場
合、それらのタスクのうち、ある1つのタスクで命令実
行異常が発生した場合に、制御装置の運転を継続させる
とその制御対象に対する制御が整合性のとれたものにな
らない。一方、あるタスクで異常が発生した場合に、シ
ステム全体の運転を停止させてしまうと、制御対象間で
粗な関係のシステムでは、粗な関係にある制御対象に対
する制御まで(正常に動作しているにも拘わらず)停止
してしまう。
【0010】上述の異常時対応方式(3)にあっては、
複数の制御対象を制御するシステムにおいて、システム
をデバッグ(シミュレーション)する際に、特定の制御
対象に対する処理だけを実行させてデバッグを行い、次
に別の制御対象について同様にしてデバッグを行うと言
った手順、あるいは、AとBという制御対象に関する処
理だけを実行させてデバッグを行うと言った手順でBuil
d Up式のデバッグができないため、プログラム開発時に
どこに不具合が存在するかを特定することが困難であ
る。また、運転中の制御装置においてある制御対象に関
して異常が発生した場合に、その制御対象に対する処理
だけを停止し、その制御対象だけに終了処理を実行する
ことはできない。
【0011】上述の異常時対応方式(4)にあっては、
制御装置の起動時、終了時などに1つのタスクにすべて
の制御対象に関する処理、終了処理を記述していた場
合、ある制御対象で異常が発生してその制御対象に対す
る制御処理を行なう必要がないにも拘わらず、起動処
理、終了処理が実行されてしまう。また、1つのタスク
にすべての制御対象に対する処理を記述した場合、制御
対象に対する処理の順番に依存性がある場合で順番を変
更しようとした場合、プログラムの記述を大幅に変更す
る必要が生じる。
【0012】上述の異常時対応方式(5)にあっては、
複数の制御装置で複数の制御対象を制御している場合、
シミュレーション、デバッグは、各制御装置個々で行っ
ているため、複数の制御装置でシステムの動きが分かる
ようなシステムの場合、全体の動作検証を1つの環境で
行うことが困難である。
【0013】この発明は、上述の問題点に着目してなさ
れたものであり、周期タスク、イベントタスク、リフレ
ッシュブロックといった処理の単位を1つの制御グルー
プとして定義すると共に、この複数の制御グループを1
つの環境で実行し、制御グループ毎に最適な異常処理、
状態遷移時の処理を実現することにより、デバッグ効率
の向上、システムカスタマイズ性の向上、プログラミン
グ容易性、制御の独立性を確保することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1に記
載の発明は、タスクプライオリティ、周期、実行開始サ
イクルをタスクのスケジューリング属性として持つ周期
タスクと、周期、実行開始サイクルをタスクのスケジュ
ーリング属性として持つリフレッシュブロックと、タス
クプライオリティをタスクのスケジューリング属性とし
て持つイベントタスクと、で表現される任意の制御仕様
に基づいて、制御プログラムを開発するための制御プロ
グラムの開発環境装置であって、1若しくは2以上の周
期タスクと、1若しくは2以上のリフレッシュブロック
と、1若しくは2以上のイベントタスクとを1つの制御
グループとして入力するための手段と、前記1つの制御
グループとして入力される周期タスクと、リフレッシュ
ブロックと、イベントタスクとの組を該当する制御グル
ープと関連づけて記述する操作を、各制御グループにつ
いて繰り返すことにより、目的とする制御プログラムを
生成する手段と、を具備することを特徴とする制御プロ
グラムの開発環境装置にある。
【0015】この出願の請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載の開発環境装置の各構成手段の全部若しくは
一部をコンピュータにて実現するためのプログラムを記
録した記録媒体にある。
【0016】この出願の請求項3に記載の発明は、タス
クプライオリティ、周期、実行開始サイクルをタスクの
スケジューリング属性として持つ周期タスクと、周期、
実行開始サイクルをタスクのスケジューリング属性とし
て持つリフレッシュブロックと、タスクプライオリティ
をタスクのスケジューリング属性として持つイベントタ
スクと、で表現される任意の制御仕様に対応する制御プ
ログラムを実行する制御装置であって、1若しくは2以
上の周期タスクと、1若しくは2以上のリフレッシュブ
ロックと、1若しくは2以上のイベントタスクとからな
る制御グループが複数グループ定義された制御プログラ
ムを格納するための手段と、前記制御プログラムを構成
するすべての制御グループのすべてのリフレッシュブロ
ック並びに全ての周期タスクを、唯一のサイクルタイム
に同期して一括に実行する手段と、を具備することを特
徴とする制御プログラムを実行する制御装置にある。
【0017】この出願の請求項4に記載の発明は、いず
れかの制御グループで致命的な異常が発生した場合に
は、その制御グループに属する処理のみを停止し、その
他の制御グループの処理は継続することを特徴とする請
求項3に記載の制御プログラムを実行する制御装置にあ
る。
【0018】この出願の請求項5に記載の発明は、制御
グループの状態遷移に関して、すべての制御グループの
状態を遷移させるモードと、特定の制御グループの状態
を遷移させるモードとを併有することを特徴とする請求
項3に記載の制御プログラムを実行する制御装置にあ
る。
【0019】この出願の請求項6に記載の発明は、請求
項3〜5のいずれかに記載の制御装置の各構成手段の全
部若しくは一部をコンピュータにて実現するためのプロ
グラムを記録した記録媒体にある。
【0020】以上の発明の意図はつぎのように説明され
る。本発明は、周期タスク、イベントタスク、リフレッ
シュブロックといった処理の単位を1つの制御部グルー
プとして定義することで、1つの制御装置内に論理的な
制御装置を複数定義可能とする。
【0021】各制御グループは、お互いに独立して動作
するのではない。
【0022】すなわち、INリフレッシュする場合は、
全ての制御グループのすべてのINリフレッシュブロッ
クをスケジューリング属性に従い実行する(制御グルー
プに拘わらず、INリフレッシュは一括で行う)。
【0023】周期タスクを実行する場合は、全ての制御
グループのすべての周期タスクをスケジューリング属性
に従い実行する(制御グループに関わらず周期タスクの
実行は一括して行う)。
【0024】OUTリフレッシュする場合は、全ての制
御グループのすべてのOUTリフレッシュブロックをス
ケジューリング属性に従い実行する(制御グループに拘
わらずOUTリフレッシュは一括して行う)。
【0025】上記の結果、システムの処理は制御グルー
プに拘わらず、OUTリフレッシュ→周期タスク実行→
OUTリフレッシュの実行手順となる。
【0026】なお、周期タスク、リフレッシュブロック
の実行は、システムが唯一もつサイクルタイムに同期し
て動作する。例えば、サイクルタイムが10msecの場合
は、周期タスク、リフレッシュブロックはこのサイクル
タイムの整数倍でしか動作しない。これにより制御グル
ープ間のメモリの排他制御が不要となる。
【0027】異常処理については、制御グループで致命
的な異常が発生した場合、その制御グループに属する処
理(周期タスク、リフレッシュブロック、イベントタス
ク)のみを停止し、その他の制御グループの処理は継続
実行する。
【0028】制御グループの状態遷移については、制御
グループ全体を遷移させる方法と特定の制御グループの
状態を遷移させることとの双方が可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の一
形態を添付図面並びに表を参照しつつ詳細に説明する。
【0030】先ず、図7に従って、本発明が適用された
システムの概要を説明する。同図において、符号1,2
が付されているのは、制御装置で実行されるべきプログ
ラムを作成するための開発環境装置(この例では、パソ
コンで構成される)である。これらの開発環境装置1,
2は、例えばパソコン上で動作するプログラムを主体と
して構成されている。開発環境装置1,2で作成された
制御プログラム(シーケンス制御プログラム等)は、パ
ソコンのメモリ、HDD等の記録媒体に記録される。
【0031】符号3が付されているのは、本発明の制御
装置に相当するシーケンスエンジン稼働装置である。こ
のシーケンスエンジン稼働装置3も、例えばパソコン上
で動作するプログラムを主体として構成されている。
【0032】開発環境装置1,2と制御装置であるシー
ケンスエンジン稼働装置3とは、ネットワークで接続さ
れている複数台のパソコンで構成される場合と、1台の
パソコン上に、開発環境装置1,2と制御装置であるシ
ーケンスエンジン可動装置とに相当するソフトウェアを
組み込むことで構成される場合とがある。
【0033】開発環境装置1,2で開発されて記録媒体
上に格納された制御プログラムは、制御装置であるシー
ケンスエンジン稼働装置3に転送されて、同じくメモ
リ、HDD等の記録媒体に格納される。
【0034】制御装置であるシーケンスエンジン稼働装
置3は、コミュニケーションを介して結ばれた1若しく
は2以上のデバイス4に対してプログラムの演算結果を
出力する。またデバイス4のデータを獲得してプログラ
ムの演算を行う。
【0035】開発環境装置1,2で行なわれる作業の流
れが図8のフローチャートに示されている。以下、図8
に従って、開発環境装置1,2における作業内容を詳細
に説明する。
【0036】[制御グループの定義]プログラム開発時
には、図1に示されるように、プログラム開発ツール上
で制御グループを定義する(ステップ801YES,8
02)。
【0037】図から明らかなように、この例では、制御
グループ1には、3つのイベントタスク(イベントタス
ク1,2,3)と、2つの周期タスク(周期タスク1,
2)と、3つのリフレッシュブロック(リフレッシュブ
ロック1,2,3)とが定義されている。
【0038】また、制御グループに属さないものとして
は、3つのイベントタスク(電源イベントタスク1,I
/O異常タスク2,Initialイベントタスク)と、1つ
の周期タスク(周期タスク10)と、1つのリフレッシ
ュブロック(リフレッシュブロック10)とが定義され
ている。
【0039】なお、後に詳述するが、図1において、符
号aで示される( )内の数値はタスクプライオリテ
ィ、符号bで示される( )内の一対の数値は実行開始
サイクルと周期、符号cで示されるものは同一スケジュ
ーリング属性をもつもの同士を結合する直線である。例
えば、制御グループ1内の周期タスク1を例に取ると、
そのタスクプライオリティは『10』、実行開始サイク
ルは『1』、周期は『2』であることが理解される。
【0040】開発環境装置1,2において制御グループ
が定義されると、パソコンのメモリ上あるいはハードデ
ィスク等の記録媒体上には、例えば表1に示されるよう
な情報が生成される。表1の例では、各制御グループ毎
に、『周期タスク名』、『INリフレッシュブロック
名』、『OUTリフレッシュブロック名』、『イベント
タスク名』が関連づけて記憶されている。
【0041】
【表1】 [イベント、イベントタスクの定義]制御グループの定
義に続いて、イベント・イベントタスクを定義する(ス
テップ803)。イベントには、制御グループ内で有効
な(制御グループが無効状態の場合はイベントを発生し
ない)ローカルイベントと、制御グループの状態に関係
なく発生するグローバルイベントとが存在する。
【0042】グローバルイベントには、電断発生イベン
ト、電断解除イベント、デバイス異常イベント、Initia
lイベント、Runイベント、Pauseイベント、Settleイベ
ント等が存在する。
【0043】状態遷移に関わるInitial,Run,Pause,S
ettleイベント(グローバルイベント)について説明す
る。Initialイベントとは、全ての制御グループを同時
にInitial状態に遷移させた場合に発生するグローバル
イベントである。個々の制御グループをInitial状態に
遷移させた場合は、本イベントは発生しない。本イベン
トが発生する場合は、各制御グループに対するInitial
イベントが発生する。各制御グループに対するInitial
イベントタスクの実行順序、あるいは、制御グループに
対するInitialイベントタスクと(グローバルな)Initi
alイベントタスクの実行順序は、タスクプライオリティ
によって決定される。
【0044】Run,Pause,Settleイベントに対する考え
方も上記のInitialイベントと全く同じである(Initial
をそれぞれの状態に読み替える)。
【0045】イベントタスクでは、イベント、タクスプ
ライオリティ、イベントタスクで実行されるプログラム
を定義する。イベントタスクは、図3の一巡実行サイク
ルのゼネラルフローチャートに示されるプリエンプティ
ブポイントで実行される。
【0046】開発環境装置1,2においてイベントタス
クが定義されると、パソコンのメモリ上あるいはハード
ディスク等の記録媒体上には、例えば表2に示されるよ
うな情報が生成される。表2の例では、各カテゴリ毎
に、『イベント名』、『タスク名』、『制御グループ
名』、『タスクプライオリティ』が関連づけて記憶され
ている。
【0047】
【表2】 [周期タスクの定義]イベント・イベントタスクの定義
に続いて、周期タスクを定義する(ステップ804)。
周期タスクには、制御グループ内で有効な(制御グルー
プが無効状態の場合は、実行されない)周期タスクと、
制御グループの状態に拘わらず実行される周期タスクが
存在する。
【0048】周期タスクでは、周期タスクのスケジュー
リング属性(実行開始サイクル、周期、タスクプライオ
リティ)と周期タスクで実行されるプログラムを定義す
る。周期タスクの制御装置内での動作態様は、図5に示
されている。
【0049】開発環境装置1,2において周期タスクが
定義されると、パソコンのメモリ上あるいはハードディ
スク等の記録媒体上には、例えば表3に示されるような
情報が生成される。周期タスクの属性には、周期、実行
開始サイクル、タスクプライオリティが存在する。周期
と開始サイクルの意味はリフレッシュブロックと同じで
ある。タスクプライオリティは同一周期に実行すべき周
期タスクが複数あった場合の実行順序を意味する。表3
の例では、各タスク名毎に、『周期』、『実行開始サイ
クル』、『タスクプライオリティ』、『制御グループ
名』が関連づけて記憶されている。
【0050】
【表3】 [リフレッシュブロックの定義]周期タスクの定義に続
いて、リフレッシュブロックを定義する(ステップ80
5)。リフレッシュブロックには、制御グループ内で有
効な(制御グループが無効状態の場合はリフレッシュブ
ロックを実行しない)リフレッシュブロックと、制御グ
ループの状態に関わらず実行されるリフレッシュブロッ
クが存在する。
【0051】リフレッシュブロックを定義する際は、図
2に示されるように、デバイスタイプ、デバイス名、I
/O名を定義する。リフレッシュブロックには、以下に
示す3つの場合がある。
【0052】1つのデバイスで1つのリフレッシュブ
ロックを構成する場合(図2のI−1,O−1の場合) 複数のデバイスで1つのリフレッシュブロックを構成
する場合(図2のI−2,O−2の場合) 1つのデバイスで複数のリフレッシュブロックを構成
する場合(図2のI−3,I−4,O−3,O−4の場
合) リフレッシュブロックの制御装置内の動作態様は、図6
に示されている。
【0053】開発環境装置1,2においてリフレッシュ
ブロックが定義されると、パソコンのメモリ上あるいは
ハードディスク等の記録媒体上には、例えば表4,表5
に示されるような情報が生成される。リフレッシュブロ
ックの属性には、周期と開始サイクルがある。周期は、
制御装置がもつサイクルタイムの倍数を示す(サイクル
タイムが10msecで、周期が5の場合は、10×5で5
0msecの実行周期を持つことを示す)。また、開始サイ
クルとは、制御装置がサイクル動作を開始した場合に、
何サイクル目からリフレッシュブロックの実行を行うか
を定義するものである。表4の例では、INリフレッシ
ュブロック毎に、『デバイス名』が記憶されている。ま
た、表5の例では、各リフレッシュブロック毎に、『周
期』、『実行開始サイクル』、『制御グループ名』が関
連づけて記憶されている。
【0054】
【表4】
【表5】 [開発環境から制御装置実行環境へのプロジェクトのダ
ウンロード]すべての制御グループに関する定義が完了
したならば(ステップ810YES)、図7に示される
開発環境装置1,2で生成し、開発環境装置1,2のメ
モリ上あるいはハードディスク等の記録媒体に格納され
ている情報(表1,2,3,4,5に示される)をネッ
トワーク等を通じてシーケンスエンジン稼働環境3にダ
ウンロードする(ステップ811YES,812)。す
ると、ダウンロードされた情報は、可動装置3内のメモ
リあるいはハードディスク等の記録媒体に格納される。
【0055】[制御装置の動作]次に、制御装置である
シーケンスエンジン稼働装置3の動作の概略を、図3の
フローチャート、図4の状態遷移図、並びに、図10の
ブロック図を参照して説明する。
【0056】まず、制御装置であるシーケンスエンジン
稼働装置3の状態について説明する。制御装置であるシ
ーケンスエンジン稼働装置3は、開発環境装置1,2か
ら運転の指示を受けると図4の状態遷移図に示すInitia
l状態に遷移する。Initial状態では、制御装置3のシス
テムの初期処理、あるいは、制御装置3がInitialイベ
ントを発生させてユーザが定義したInitialイベントタ
スクを実行する。
【0057】Initial状態の処理が終わると制御装置は
ユーザがあらかじめ定義した情報に従ってRun状態かPau
se状態に遷移する。このとき、Run状態に遷移する場合
には、制御装置はRunイベントを発生させ、ユーザが定
義したRunイベントタスクがあればこれを実行する。Pau
se状態に遷移する場合も同様である。Pause状態は、図
3に示されるのOUTリフレッシュ、INリフレッシ
ュ、命令実行が実行されず周辺処理のみを行っている状
態である。
【0058】なお、Settle状態は、制御装置のシステム
終了処理、あるいは、制御装置がSettleイベントを発生
させSettleイベントタスクが定義されていればこれを実
行する状態である。
【0059】次に、制御装置3の内部処理について説明
する。制御装置3内の処理ブロック図を図10に示す。
同図に示されるように、制御装置3の内部処理は、スケ
ジューリング部101と、リフレッシュブロック実行部
102と、周期タスク実行部103と、周辺処理実行部
104と、イベントタスク実行部105とから構成され
ている。
【0060】スケジューリング部101は、開発環境装
置1,2からダウンロードされてきた表3,4に示され
る情報を基に、実行すべき周期タスクやリフレッシュブ
ロックを決定し、各処理実行部102〜105に処理を
依頼する。周期タスク、INリフレッシュ、OUTリフ
レッシュ、周辺処理をどのような順番で実行するかは、
システムで固定である場合、あるいは記憶媒体によりパ
ラメータライズ化されている場合の2通りがある。
【0061】リフレッシュブロック処理部102は、ス
ケジューリング部101から指示されたリフレッシュブ
ロックを実行するものである。
【0062】周期タスク実行部103は、スケジューリ
ング部101から指示された周期タスクを実行するもの
である。具体的には、制御装置内のメモリに格納された
値に対してプログラムに従い演算し、演算結果を制御装
置内のメモリに格納する処理を行う。
【0063】周辺処理実行部104は、開発環境装置
1,2等の外部機器とコミュニケーションを行うもので
ある。具体的には、制御装置3内のあるメモリの情報
を、制御装置とコミュニケーションするデバイス4へ送
信したり、あるいは、デバイス4の値を受信して制御装
置3内のあるメモリに格納することを行う。
【0064】次に、スケジューリング部101の処理を
より詳細に説明する。Run状態、Pause状態のスケジュー
リング部の処理を図11〜図13のフローチャートに示
す。この例では、処理の順番は、INリフレッシュ、周
期タスク実行、OUTリフレッシュ実行、周辺処理実行
という順番になっている。スケジューラは、サイクルタ
イムで示される周期で起動し、上記の処理を順番に実行
する。以下、各処理について順に説明する。
【0065】まず、図11のフローチャートに示される
INリフレッシュに関する処理(ステップ1102〜1
106)について説明する。
【0066】INリフレッシュ処理を開始するに際して
は、それに先だって、現在の制御装置の状態を判定す
る。もし制御装置がPause状態の場合は、INリフレッ
シュは実行しないので、次の処理(図12の周期タスク
実行)に移る。
【0067】もし、制御装置がRun状態の場合は、表5
に示される内容の情報と現在の制御装置のサイクル(ス
テップ1101でカウントされる)とから、実行すべき
リフレッシュブロックとそのリフレッシュブロックが属
する制御グループとを獲得する。なお、表5に示される
内容の情報は、INとOUTごとに存在する。次に、上
記の処理で獲得した制御グループを実行すべきかどうか
を表6に示される内容の情報から獲得する(ステップ1
102)。
【0068】
【表6】 表6に示される内容の情報により制御グループが実行す
べきであった場合は、リフレッシュブロック実行部(図
10に符号102で示す)に実行すべきリフレッシュブ
ロックを指定して実行依頼する(ステップ1103)。
もし、表6により実行すべきでない制御グループであっ
た場合は、このリフレッシュブロックは実行しない。
【0069】スケジューリング部(図10に符号101
で示す)は、実行依頼したリフレッシュブロックが正常
終了したのをリフレッシュブロック実行部から通知され
ると(ステップ1104YES)、次のリフレッシュブ
ロックに関する処理を行う(ステップ1105NO,1
101)。もし、異常終了が通知された場合は(ステッ
プ1104NO)、スケジューラは異常処理(ステップ
A1〜A4)を行う。
【0070】異常処理では、まず、表4に示される内容
の情報より異常が発生したリフレッシュブロックはどの
デバイスに対するものなのかを判定する。例として、も
し、INリフレッシュブロック3で異常が発生した場
合、デバイス5で異常が発生したことが、表4より判定
できる。そして表2を使ってデバイス5に対するリフレ
ッシュブロックを検索する。表4よりINフレッシュブ
ロック4についても実行を停止する必要があることがわ
かる。
【0071】次に、表5を使用して停止すべきリフレッ
シュブロックが存在する制御グループは、制御グループ
1,2であることを判定する(ステップA1)。
【0072】次に、表6に停止すべき制御グループに対
して無効であることを示す値を格納する(ステップA
2)。
【0073】次に、制御装置は、表2を参照して「I/
O致命的異常」に対するイベントタスクが定義されてい
るかを検索し(ステップA3)、定義されていればイベ
ントタスクを実行する(ステップA4)。スケジューラ
はイベントタスクの実行が終了すると、元の処理を行
う。
【0074】以上が、INリフレッシュに関するスケジ
ューラの処理である。OUTリフレッシュについても同
一の処理(ステップ1301〜1305)である。
【0075】次に、命令実行部の処理(ステップ120
1〜1205)について説明する。概要はINリフレッ
シュ部と同じであるので、説明を簡略化する。
【0076】先ず、制御装置の状態を判定してPause状
態であればSKIPする。表3を参照して実行すべき周
期タスク、制御グループを獲得する(ステップ120
1)。表6を参照して、実行すべき周期タスクの属する
制御グループは実行が許可されているかを判定する。実
行すべき周期タスクが複数存在する場合は、タスクプラ
イオリティの高いものから実行する(ステップ120
2,1203,1204,1205)。周期タスク実行
部から異常が返ってきた場合は(ステップ1203N
O)、異常処理を行う。異常処理では、異常が発生した
制御グループを無効にするために、表6に無効を格納す
る。表5を参照して「命令実行異常イベント」に対する
イベントタスクが定義されているかを判定して、定義さ
れていればこれを実行する(ステップA1〜A4)。元
の処理を行う。周辺処理は、制御装置の状態に関わらず
実行する(ステップ1306)。
【0077】[制御装置の実行]制御装置は、開発環境
等の外部機器からの指示を受けると、図4に示されるよ
うに、Initial状態に遷移する。Initial状態に遷移した
場合、グローバルイベントであるInitialイベントと、
各制御グループに対するInitialイベントが発行され
る。もし、説明したイベントに対するイベントタスクが
定義されていた場合、タスクのプライオリティに従い実
行される。もし、制御グループの初期処理を記述した制
御グループに対するInitialイベントタスクの実行をシ
ステム全体の初期処理を記述したグローバルなInitial
イベントタスクの実行の後にしたい場合は、制御グルー
プ1に対するInitialイベントタスクのタスクプライオ
リティをグローバルなInitialイベントタスクのタスク
プライオリティより低く設定しておく。
【0078】上記の内容を表2および図9のフローチャ
ートを参照して説明する。制御装置は、外部機器やユー
ザプログラム命令によって制御装置の状態をInitial状
態に遷移する指示がきた場合、全ての制御グループをIn
itial状態に遷移させる命令なのか、特定の制御グルー
プに対するものなのかを判定する(ステップ901)。
【0079】すべての制御グループの状態を遷移させる
指示の場合は(ステップ901全ての制御グループ)、
表2のInitialイベントに対するイベントタスク10,
11,12をタスクプライオリティに従い実行する。こ
の場合、イベントタスク10,11,12の順に実行さ
れる(ステップ903)。
【0080】Initial状態遷移の指示が特定の制御グル
ープ1に対するものである場合(ステップ901特定の
制御グループ)、表2より実行すべきイベントタスクは
イベントタスク11であることを判定し実行する(ステ
ップ902)。
【0081】[命令実行異常発生時の処理]図10のス
ケジューリング部101の処理が、図11〜図13のフ
ローチャートに示されている。
【0082】Run状態の制御装置において、周期タスク
1において命令実行中に0除算や配列のオーバフロー等
の致命的な異常が発生した場合(ステップ1102)、
スケジューリング部101は、表1から周期タスク1が
制御グループ1に属することを判定する。その結果、制
御グループ1に属する周期タスク2、INリフレッシュ
ブロック1〜3、OUTリフレッシュブロック1〜3、
イベントタスク1〜3の処理を無効すべきと判定し、以
降、制御グループ1に属する処理を行わない。
【0083】この場合、命令実行異常イベントが発生さ
れ、このイベントは制御グループに依存しないイベント
であるため、このイベントに対するイベントタスクが実
行される。もし、制御グループ同士に関連が存在して、
他の制御グループの処理を停止させたい場合、あるいは
制御を終了したい場合等、異常時の処理を定義したい場
合は、このイベントタスクに制御グループ停止命令、あ
るいは制御終了命令を記述する。
【0084】なお、制御グループ停止命令とは、指定し
た(複数可能)制御グループの処理を停止する命令であ
る。制御終了命令は、制御装置をSettle状態に遷移させ
て制御装置を運転停止状態にする命令である。
【0085】[デバイスの異常発生時の処理]表4の例
で、デバイス3で致命的な異常が発生した場合、表4か
らデバイス3はリフレッシュブロック1に属することが
わかる。そしてリフレッシュブロック1は、表1から制
御グループ1に属することが判明する。従って、制御装
置は、制御グループ1に属する周期タスク2、INリフ
レッシュブロック1〜3、OUTリフレッシュブロック
1〜3、イベントタスク1〜3の処理を停止する。
【0086】デバイスに対して致命的な異常が発生した
場合は、デバイス異常システムイベントが発生する。こ
のイベントは、制御グループに依存しないイベントであ
る。このイベントに対するイベントタスクが定義されて
いる場合は、制御装置はイベントタスクを実行する。
【0087】もし、制御グループ同士に関連が存在し
て、他の制御グループの処理を停止させたい場合、ある
いは制御を終了したい場合等、異常時の処理を定義した
い場合は、このイベントタスクに制御グループ停止命
令、あるいは制御終了命令を記述する。
【0088】[デバッグ作業]制御グループ1〜3がPa
use状態である場合において、外部機器から制御グルー
プ1をRun状態に遷移させる命令を周辺処理で受信した
場合、制御装置は以下の処理を行なう。
【0089】・制御グループ1に対するRunイベントを
発行し、左記イベントに対するイベントタスクが定義さ
れている場合は、制御装置はイベントタスクを実行す
る。
【0090】・制御グループ1をRun状態にする。すな
わち、制御グループ1に属する周期タスク1〜2、IN
リフレッシュブロック1〜3、OUTリフレッシュブロ
ック1〜3、イベントタスク1〜3の処理を実行する。
【0091】続いて、外部機器からRun状態にある制御
グループ1に対し、以下のような命令を送り、制御グル
ープ1の動作を検証する。
【0092】 ・Nサイクル実行命令(出願済み) ・指定イベントタスク実行命令(出願済み) ・データトレース命令(公知) ・強制セット・リセット命令(公知) 外部機器からRun状態にある制御グループ1をPause状態
に遷移させる命令を周辺処理で受信した場合、制御装置
は以下の処理を行なう。
【0093】・制御グループ1に対するPauseイベント
を発行し、左記イベントに対するイベントタスクが定義
されている場合は、制御装置はイベントタスクを実行す
る。
【0094】・制御グループ1をPause状態にする。
【0095】制御グループ1の動作が正常であることが
確かめられた場合、次に制御グループ2,3と同様な処
理を行ない、各制御グループ単体での動作検証を行な
う。例えば制御グループ1と制御グループ2が協調動作
している場合は、外部機器から制御グループ1と2をRu
n状態に遷移させる命令を制御装置に送信する。この命
令を制御装置が受信した場合、図3のフローチャートに
示される周辺処理でこの命令を認識し、制御グループ1
と2をRun状態に遷移させる。それぞれの制御グループ
の状態遷移時の処理は上の説明と同様である。そして、
Run状態にある制御グループ1と2の動作を検証する。
【0096】[全ての制御グループを同時に状態遷移さ
せる場合]例えば、全ての制御グループの動作を検証し
たい場合、全ての制御グループを同時に運転開始したい
場合、全ての制御グループの運転を終了したい場合等が
ある。制御グループ1〜3がPause状態の場合におい
て、全ての制御グループをInitial状態に遷移させる命
令を制御装置が周辺処理で受信した場合、制御装置は、
以下の処理を行なう。
【0097】・同時にInitialイベント(グローバ
ル)、制御グループ1に対するInitialイベント(ロ
ーカル)、制御グループ2に対するInitialイベント
(ローカル)、制御グループ3に対するInitialイベ
ント(ローカル)を発生する。
【0098】・同時に発生したイベントに対するイベン
トタスクをタスクプライオリティに従い順に処理する。
【0099】・制御装置は、Initial状態の処理を実行
し、指定された状態(Run/Pause)に遷移する。
【0100】上記のInitial以外の全ての制御グループ
の状態を遷移させる命令(Run,Pause,Settle)につい
ては、考え方は上記とまったく同じである(InitialをR
un/Pause/Settleに読み替える)。
【0101】[制御グループ内での制御グループの制
御]例えば、制御グループ1と2の間で協調動作をして
いて、どちらか一方の制御グループで異常が発生した場
合、他の制御グループの実行を無効にする必要が存在す
る場合がある。これを制御装置のシステムコール形式で
実現し、このシステムコールをプログラム中に記述する
ことが可能である。このシステムコールが記述されてい
た場合は、制御装置はシステムコールで記述されている
制御グループの有効・無効制御を行なう。
【0102】例えば、制御グループ1に属するイベント
タスクにおいて上記システムコールで制御グループ2を
無効にする内容を記述しておくと、左記イベントタスク
実行要因(例:ロボット1の故障)が発生した場合、こ
のイベントタスクの実行により、制御グループ2の処理
が実行されなくなる。
【0103】また、制御グループ1に属するイベントタ
スクで制御グループ2を有効にする内容を記述しておく
と、左記イベントタスクを実行要因(例:ロボット1の
故障復旧)が発生した場合、このイベントタスクの実行
により、制御グループ2の処理が実行される。
【0104】上記の例では、制御グループ2の処理を中
止、再開する様子を説明したが、中止位置から再開する
のではなく、制御グループ2を制御グループの初期処理
から実行したい場合がある。この場合、上記と同様にシ
ステムコールという形でユーザプログラムで記述する。
【0105】例えば、制御グループ1に属するイベント
タスク1(ロボット1故障)で制御グループ2を無効に
するシステムコールを記述しておき、イベントタスク2
(ロボット1故障復旧)で制御グループ2をInitial状
態から実行するシステムコールを記述しておく。
【0106】これにより、Run状態の制御グループ1,
2がRun状態の場合に、ロボット1が故障した場合は、
制御グループ2が無効状態となり、ロボット2の故障が
復旧した場合、制御グループ1をRun状態にしたまま制
御グループ2をInitial状態に遷移させ、初期処理を実
行した後再び制御装置がRun状態になる。制御グループ
2の状態遷移時は、サイクルタイム−スキャンタイムで
計算される時間で処理される。
【0107】[制御グループに属さない処理]制御グル
ープに共通な処理、あるいは、制御グループ間の制御を
行なう処理は、制御グループに属さないようにしてお
く。たとえば、制御グループ間のインターロック等はこ
れにあたる。
【0108】[その他]本実施形態のように1つの装置
(パソコン)内で複数の制御グループを実行することも
可能であるが、各制御グループを別の制御装置で実行さ
せることも可能である。
【0109】すなわち、複数の制御グループを1つの制
御装置で実行していた場合、制御装置自体に致命的な異
常(MPU故障)が発生した場合、全ての制御グループ
の実行が不可能となる。そのため、各制御グループをそ
れぞれ別の制御装置で実行させることが考えられる。こ
の場合、分散した制御装置が全体としてどのような振る
舞いをするかをシミュレーションする必要がある。本発
明はこのようなケースにおいても有効である。
【0110】この場合、本実施例のように1つの装置で
開発環境で複数の制御グループを実行させて、複数の制
御グループのデバッグ、シミュレーションを行う。制御
グループとコミュニケーションするデバイスは実デバイ
スでなく、開発環境マシンのメモリで行ってもかまわな
い。各制御グループのデバッグ、シミュレーションを行
った後、各制御グループを別々の制御装置にダウンロー
ドする。これにより1つの制御装置で分散した制御装置
上で動作する制御グループの動作をシミュレーション、
デバッグすることが可能である。
【0111】
【発明の効果】以上の実施形態の説明でも明らかなよう
に、本発明によれば、制御グループを単位として異常処
理、状態遷移処理を行うことにより、システムの正当
性、モジュール性を向上させることができる。これによ
りプログラム作成、保守が容易となる。
【0112】また、全ての制御グループの周期タスクは
サイクルタイムの整数倍で動作するため、制御グループ
間で同じメモリをアクセスしている場合でも、メモリの
排他制御を行う必要がない。したがって、制御装置の性
能に悪影響を及ぼさない。また、プログラムを作成する
際は、メモリの排他制御を意識する必要がないため容易
にプログラムを作成することができる。
【0113】また、制御グループが複数存在する場合で
も、INリフレッシュ、OUTリフレッシュは制御グル
ープに関わらず一括で行うため、データの同時性に優れ
る。
【0114】さらに、分散した制御装置の振る舞いを1
台の制御装置(開発環境)でシミュレーション、デバッ
グを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御グループ定義内容の説明図である。
【図2】リフレッシュブロック定義内容の説明図であ
る。
【図3】一巡実行サイクルのゼネラルふーちゃーとであ
る。
【図4】制御装置の状態遷移図である。
【図5】周期タスクの動作態様を示す説明図である。
【図6】リフレッシュブロックの動作態様を示す説明図
である。
【図7】システム全体の構成図である。
【図8】開発環境装置における作業手順を示すフローチ
ャートである。
【図9】制御装置におけるイベントタスク選択実行処理
を示すフローチャートである。
【図10】制御装置内の処理ブロック図である。
【図11】INリフレッシュに関するスケジューラの処
理を示すフローチャートである。
【図12】命令実行に関するスケジューラの処理を示す
フローチャートである。
【図13】OUTリフレッシュに関するスケジューラの
処理を示すフローチャートである。
【図14】制御ブロックと制御対象ブロックとの関係を
示す説明図である。
【符号の説明】
1,2 開発環境装置 3 シーケンスエンジン稼働装置(制御装置) 4 デバイス 101 スケジューリング部 102 リフレッシュブロック部 103 周期タスク実行部 104 周辺処理実行部 105 イベントタスク実行部 a タスクプライオリティ b 実行開始サイクルと周期
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 耕士 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内 (72)発明者 長尾 嘉祐 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内 Fターム(参考) 5H220 BB12 CC05 CC09 CX01 CX09 JJ12 JJ16 JJ26 JJ34 JJ51 KK06 MM06 9A001 DD01 HZ19 HZ32 JZ49 KK54 LL05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タスクプライオリティ、周期、実行開始
    サイクルをタスクのスケジューリング属性として持つ周
    期タスクと、周期、実行開始サイクルをタスクのスケジ
    ューリング属性として持つリフレッシュブロックと、タ
    スクプライオリティをタスクのスケジューリング属性と
    して持つイベントタスクと、で表現される任意の制御仕
    様に基づいて、制御プログラムを開発するための制御プ
    ログラムの開発環境装置であって、 1若しくは2以上の周期タスクと、1若しくは2以上の
    リフレッシュブロックと、1若しくは2以上のイベント
    タスクとを1つの制御グループとして入力するための手
    段と、 前記1つの制御グループとして入力される周期タスク
    と、リフレッシュブロックと、イベントタスクとの組を
    該当する制御グループと関連づけて記述する操作を、各
    制御グループについて繰り返すことにより、目的とする
    制御プログラムを生成する手段と、 を具備することを特徴とする制御プログラムの開発環境
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の開発環境装置の各構成
    手段の全部若しくは一部をコンピュータにて実現するた
    めのプログラムを記録した記録媒体。
  3. 【請求項3】 タスクプライオリティ、周期、実行開始
    サイクルをタスクのスケジューリング属性として持つ周
    期タスクと、周期、実行開始サイクルをタスクのスケジ
    ューリング属性として持つリフレッシュブロックと、タ
    スクプライオリティをタスクのスケジューリング属性と
    して持つイベントタスクと、で表現される任意の制御仕
    様に対応する制御プログラムを実行する制御装置であっ
    て、 1若しくは2以上の周期タスクと、1若しくは2以上の
    リフレッシュブロックと、1若しくは2以上のイベント
    タスクとからなる制御グループが複数グループ定義され
    た制御プログラムを格納するための手段と、 前記制御プログラムを構成するすべての制御グループの
    すべてのリフレッシュブロック並びに全ての周期タスク
    を、唯一のサイクルタイムに同期して一括に実行する手
    段と、 を具備することを特徴とする制御プログラムを実行する
    制御装置。
  4. 【請求項4】 いずれかの制御グループで致命的な異常
    が発生した場合には、その制御グループに属する処理の
    みを停止し、その他の制御グループの処理は継続するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の制御プログラムを実行
    する制御装置。
  5. 【請求項5】 制御グループの状態遷移に関して、すべ
    ての制御グループの状態を遷移させるモードと、特定の
    制御グループの状態を遷移させるモードとを併有するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の制御プログラムを実行
    する制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかに記載の制御装
    置の各構成手段の全部若しくは一部をコンピュータにて
    実現するためのプログラムを記録した記録媒体。
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