JP2000292385A - 表面分析装置 - Google Patents

表面分析装置

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JP2000292385A
JP2000292385A JP11097204A JP9720499A JP2000292385A JP 2000292385 A JP2000292385 A JP 2000292385A JP 11097204 A JP11097204 A JP 11097204A JP 9720499 A JP9720499 A JP 9720499A JP 2000292385 A JP2000292385 A JP 2000292385A
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Takao Kusaka
貴生 日下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料の位置決めや分析領域の把握を容易に
し、より信頼性の高い試料表面の電子像観察と電子分光
分析が可能な表面分析装置を提供する。 【解決手段】 固体試料9の表面から放出された電子を
レンズにより集束しエネルギー分析器17で分光する分
光分析系と、該電子を用いて固体試料9表面の拡大像を
電子レンズで結像するための表面観察系の両機能を兼ね
備え、分光分析のためのレンズ系と結像のためのレンズ
系が同一のレンズ鏡筒2を使用していることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面分析技術に係わ
り、特に固体試料表面から放出された光電子の分光分析
および結像観察に関する。
【0002】
【従来の技術】表面分析とは試料から放出される電子、
イオン、X線等のエネルギーや強度分布を調べることに
より、その試料の組成や化学結合状態、あるいは試料の
電子構造を分析するものである。試料表面から電子やイ
オン等を放出させるための励起線には、電子線、X線、
イオンといった電離放射線が用いられる。
【0003】表面分析の一つの手法として光電子分光法
がある。光電子分光は、真空内に置かれた試料に高エネ
ルギーの単色光を照射し、外部光電効果によって放出さ
れる光電子のエネルギー分布(光電子スペクトル)を測
定する技術として知られている。固体内の原子は電子に
対する正のポテンシャルを形成し、そのポテンシャル井
戸の中に様々な電子準位が存在し得る。電子の入った被
占有準位としては、化学結合に寄与せずに原子核近傍の
深いポテンシャルの中に局在している内殻準位と、結合
形成に伴って原子軌道からできた価電子準位とがある。
これらの被占有準位の上には原子間に広がった空準位が
存在する。
【0004】ここにエネルギーhνの光が入射すると、
様々なエネルギーをもった電子が被占有準位から空準位
へ励起される。hνが充分に大きければ、励起後の電子
エネルギーは真空準位よりも高くなり、電子は固体の外
に飛び出す。電子の一部は、固体内を通って表面に到達
するまでに種々の散乱を受けてエネルギーを失うが、散
乱されずに表面に達した電子は固体外に放出される。
【0005】放出電子の運動エネルギーEkは、Ek=
hν−Eb−φで与えられる。ここでEbは電子の束縛
エネルギーを、φは試料の仕事関数を示す。
【0006】光励起された直後の電子エネルギー分布を
決める最も強い因子は、被占有準位の状態密度であるの
で、散乱を受けなかった光電子のエネルギー分布を測定
することにより被占有準位の構造を知ることができる。
【0007】固体の奥深くで励起された電子は、表面に
到達する前に散乱されるため、表面から飛び出せない。
このため、光電子分光で調べることができるのは、表面
から数十オングストローム程度の深さまでである。この
ことは、表面近傍の電子状態だけがスペクトルに寄与
し、表面の分析手段として光電子分光を使用し得ること
を示している。
【0008】光電子分光は、光源のエネルギーによって
二つに分けることができる。エネルギーが小さい場合に
は、電子放出は価電子準位からしか起きない。エネルギ
ーが大きい場合には、より深い原子の内殻準位からも放
出が起きる。このため、価電子準位の電子構造を観測す
るには、真空紫外光源が用いられる。これは紫外線光電
子分光(UPS:Ultraviolet Photo
electron Spectroscopy)と呼ば
れる。また、内殻準位からの光電子放出を用いて原子の
内殻の電子構造を観察するには、X線光源が用いられ
る。これはX線光電子分光(XPS:X−ray Ph
otoelectron Spectroscopy)
と呼ばれる。このように光電子分光は、化学遷移には現
れない被占有準位の電子構造を観察するために、非常に
有力な手段である。
【0009】光電子分光装置は、線源からの単色光を試
料に照射し、照射により試料から発生した光電子をイン
プットレンズにより集束してアナライザーに導き、ここ
でエネルギー分光する。そして、分光された光電子を検
出器で検出して光電子のエネルギースペクトルを得、ス
ペクトルを解析して試料の組成や化学状態、電子構造な
どを分析する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来より、選択された
領域の光電子分光分析のために、試料の位置決めをした
り分析中の領域を判断するために、光学顕微鏡が表面観
察手段として使用されてきた。過去においては簡単な顕
微鏡で十分であったが、器械の進歩に伴い分析領域の大
きさは小さくなり、倍率の拡大、被写体深度の浅さ、安
定性の向上を含めて顕微鏡に対して新たな要求が課され
ている。顕微鏡は分析領域の中心に合わせなければなら
ないが、その手続は不便で種々の誤差を生じがちであ
る。上記誤差は分析領域が小さい程著しくなり、システ
ムの使用中は位置合せの誤差は明らかではないため、誤
った分析結果をもたらすおそれがある。倍率を大きくし
被写体深度を浅くするには顕微鏡の対物レンズを径が大
きく(又は)試料表面に近くすることによって、他の装
置の場合に使用可能な試料周囲の立体角が変化できるよ
うにすることが必要である。
【0011】表面形態を観察する一般的なものとして走
査電子顕微鏡(SEM:Scanning Elect
ron Microscope)がある。走査電子顕微
鏡では一本の集束電子ビームがサンプル面上をラスター
走査される。同表面から発せられた二次電子はラスター
位置と相関的に検出される。上記二次電子信号は電子的
に処理されて表面の位相的な特徴の様相もしくは映像を
提供する。しかし走査電子顕微鏡を光電子分光装置と同
じ高真空チャンバー内に設置するためには、電子線源や
二次電子検出器の増設のみならず、多くの可動部品を高
真空対応にする必要があり、非常に高額の装置となって
しまうという問題点がある。さらにインプットレンズの
光軸と二次電子像の位置合わせが必要な上に、電子ビー
ムの照射は試料表面ヘダメージを与える可能性が高い。
【0012】また、形態観察の代表的なもう一つの手法
として透過電子顕微鏡(TEM:Transmissi
on Electron Microscopy)があ
るが、この場合には試料形状に制約があり、より一般的
な試料について固体表面を観察する目的には不適であ
る。
【0013】以上のように、光電子分光分析の際に試料
の位置決めをしたり分析領域を判断するのに必要な表面
観察手段において、光学顕微鏡よりも高倍率でかつ簡易
に設置できる手法が提案されていないのが現状である。
【0014】本発明は、上記の事情に鑑み、試料の位置
決めや分析領域の把握を容易にし、分析領域の位置合せ
の誤差による誤った分析を無くし、より信頼性の高い試
料表面の拡大像観察と電子分光分析が可能な表面分析装
置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】平坦な表面からの電子放
出像を観察する方法として、光電子顕微鏡に代表される
エミッション顕微鏡法が知られている(W.Enge
l,M.E.Kordesch,H.H.Roterm
und,S.Kubala and A.vonOer
tzen,Ultramicroscopy,36(1
991)148−153.)。エミッション顕微鏡法は
平面状の試料表面から放出される電子(熱電子、光電子
等)を加速し、電子レンズで結像して表面を観察する方
法であり、その空間分解能は走査電子顕微鏡等には及ば
ないが、光学顕微鏡よりは拡大率が高く、リアルタイム
で像を観察できるので、放出強度の空間分布のみなら
ず、時間変化も高い時間分解能で観測できることが大き
な特徴である(M.mundschau,M.E.Ko
rdesch,B.Rausenberger,W.E
ngel,A.M.Bradshaw and E.Z
eitler,Surface Science,22
7(1990)246−260.)。
【0016】本発明は、試料表面から放出された電子を
エネルギー分析器で分光する装置に、上記エミッション
顕微鏡の原理を応用し、試料表面から放出された電子を
利用して試料表面の拡大像観察をも行えるようにしたも
のである。
【0017】すなわち、本発明は、固体試料表面から放
出された電子をレンズにより集束しエネルギー分析器で
分光する分光分析系と、該電子を用いて固体試料表面の
拡大像を電子レンズで結像するための表面観察系の両機
能を兼ね備えたことを特徴とする表面分析装置に関す
る。
【0018】本発明の表面分析装置によれば、試料の位
置決めや分析領域の把握が容易になり、また、エミッシ
ョン顕微鏡の原理の応用により像観察の空間分解能を1
00nm程度とすることができ、光学顕微鏡よりも拡大
率が高く、光電子分光の分析領域決定に必要な空間分解
能を十分に満たすことができるため、より信頼性の高い
試料表面の電子像観察と電子分光分析が可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表面分析装置にお
ける好ましい実施形態について説明する。
【0020】固体試料表面からの電子放出には光電子放
出の他、熱電子放出、電界放出、表面伝導型電子放出な
どが知られているが、本発明の表面分析装置はこれらの
いずれをも適用することができる。
【0021】光電子分光分析時に固体試料表面から光電
子を放出させるための励起線源としては、真空紫外光源
よりもエネルギーが大きい単色X線源を好ましく用いる
ことができる。
【0022】また、光電子像観察時に固体試料表面から
光電子を放出させるための励起線源としては、単色化し
ていない紫外線照射装置を好ましく用いることができ、
例えば単色化されておらずエネルギーの低い水銀ランプ
の紫外線を固体試料表面に照射するのが好ましい。He
やNeの共鳴線などの単色化した紫外線を使用すると、
エネルギーが高いため、拡大像の空間分解能が低下して
しまう。一方、単色化されていない紫外線の照射では、
表面の仕事関数の場所的変化によって、光電子放出が変
わるため、表面状態の差をコントラストとした拡大像を
得ることが出来る。
【0023】本発明の表面分析装置では、分光分析のた
めのレンズ系と結像のためのレンズ系に同一のレンズ鏡
筒を使用することが好ましい。これにより、単一の装置
で試料を移動することなく像の観察と分光分析を行うこ
とができる。なぜなら、結像用の電子レンズ系と分光分
析用の電子レンズ系が同一であるため、光軸が同一とな
り、試料とレンズ鏡筒の相対位置を移動する必要がない
からである。また、レンズ鏡筒が共通なため試料周辺の
空間配置の自由度が高くなる。
【0024】分光分析のためのレンズ系と結像のための
レンズ系に同一のレンズ鏡筒を使用する場合の装置構成
の好ましい形態としては、例えば以下の3つの形態が採
用できる。1.像観察時に使用されるマルチチャンネル
プレート、蛍光体、CCDの3つを一体化した二次元検
出器を、分光分析時にレンズにより収束した電子をエネ
ルギ分析器へ導く際の入射スリットとして用いる。2.
像観察時に使用されるマルチチャンネルプレート、蛍光
体、CCDの3つを一体化した二次元検出器と、分光分
析時にレンズにより収束した電子を前記エネルギー分析
器へ導く入射スリットを、切り替えて使用する。3.像
観察時にはマルチチャンネルプレート、蛍光体、反射
鏡、カメラを使用し、分光分析時には入射スリット、エ
ネルギー分析器、検出器を使用し、それぞれを切り替え
て使用する。
【0025】上記のような本発明の表面分析装置におい
ては、試料を移動することなく試料表面の光電子像観察
と光電子分光分析が可能となり、また、光電子分光の分
析領域決定に必要な空間分解能を十分に満たした像を観
察することができる。特に、上記1の形態とした場合に
は、観察した像の中心と分光分析時の分析領域の中心は
同一となり、分析位置の決定が極めて容易となる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】(実施例1)図1に本発明の第一の実施例
を示す。1は高真空チャンバーであり、排気部19から
真空ポンプにより排気して、レンズ鏡筒2、試料9、試
料ステージ10を1.3×10-7Pa〜1.3×10-9
Paの真空度に保っている。また半球型エネルギー分析
器17はイオンポンプ(不図示)により1.3×10-8
Paより良い真空度に保たれている。試料ステージ10
はマニピュレータ11により3軸方向の粗動および微動
と回転動作、傾斜動作ができるようになっている。12
は水銀ランプを有する紫外線照射装置であり、石英ポー
ト13を通して試料9に紫外線光を照射する。また14
は単色X線源であり、イオンポンプ(不図示)により
1.3×10-8Paの真空度に保たれていて、試料12
に集束した軟X線を照射できる。レンズ鏡筒2は対物レ
ンズ3、静電レンズ4、5、6とアパーチャー7、8が
設置されており、光電子像の観察時と光電子分光分析時
で切り替えて使用する。二次元検出器16はマルチチャ
ンネルプレート、蛍光膜、CCDから構成され、その中
心部には数ミリの穴が存在し、光電子分光分析時には入
射スリットの役目を果たす。光電子像観察時の二次元検
出器16からの信号および光電子分光分析時の検出器1
8からの信号は真空外に設置されたコンピュータに送ら
れ、記録される(不図示)。
【0028】光電子像観察時には、単色化されておらず
エネルギーの低い水銀ランプの紫外線を使用する。単色
化されていない紫外線の照射では、表面の仕事関数の場
所的変化によって、光電子放出が変わるため、表面状態
の差をコントラストとした拡大像を得ることが出来る。
また真空外に紫外線照射装置12を設置出来るため、シ
ャッターなどの機構をつければ簡単に紫外線照射のオン
オフが可能になる。
【0029】紫外線照射により試料9より放出された光
電子は、試料9と対物レンズ3の間に印加される加速電
圧により数keVから数十keVに加速され、対物レン
ズ3の後焦点面に配置されたアパーチャー8を通過した
電子が静電レンズ5、6によって拡大され、二次元検出
器16上に像を形成する。この像はCCDの出力信号と
してコンピュータに送られ、観察および記録される。水
銀ランプを有する紫外線照射装置12を使用した場合、
光電子像の空間分解能はおよそ100nmであった。
【0030】光電子分光を行う際には、単色X線源14
を使用し、AlKα(1486.6eV)、MgKα
(1253.6eV)などの集束した軟X線を試料9に
照射する。試料9より放出された光電子は、レンズ鏡筒
2内のレンズ4、5、6とアパーチャー7、8で集束か
つ減速し、二次元検出器16の中心部にある入射スリッ
トから半球型エネルギー分析器17へ導かれる。半球型
エネルギー分析器17で分光された特定エネルギーの電
子は検出器18で検出され、増幅器を経てその出力信号
はコンピュータに送られ、記録される。半球型エネルギ
ー分析器17の内半球および外半球に印加する電圧と、
レンズ鏡筒2への印加電圧を連動してスキャンすること
で、光電子のエネルギースペクトルを得ることが出来
る。
【0031】光電子分光を行う際の分析領域は、レンズ
4、5、6に印加する電圧とアパーチャー7、8の開閉
度の組み合わせで決まり、100μm□から1000μ
m×500μmの間で変化させる事が出来る。分光分析
の光軸は光電子像観察時の光軸と同一なので、5軸マニ
ピュレータ11を使用して、分析したい位置の中心を光
電子像の中心位置に移動させることで、分析位置の決定
を行う。
【0032】(実施例2)本実施例では入射スリットの
役目を兼ねる二次元検出器16(図1)を使用せず、図
2に示すように、二次元検出器21と入射スリット22
を切り替えて使用することを特徴とする。
【0033】実施例1の二次元検出器16の場合、中央
に数mmの穴が存在するため、光電子像観察の際に像の
中心部に数ピクセルの欠損が生じてしまう。そこで光電
子像観察時には二次元検出器21を、光電子分光時には
入射スリット22をレンズ鏡筒2の上部に移動して使用
することで、欠損の無い像観察と分光分析が可能にな
る。
【0034】例えば、表面の反応や吸着状態の時間変化
を“その場”観察する様な、分光分析より像観察を重視
した使用方法の際には、本実施例の二次元検出器21を
使用した方が欠損の無い像観察ができるため良い。
【0035】(実施例3)本実施例では実施例2と同様
の効果が得られる、図3および図4に示すような、別の
装置構成を説明する。
【0036】光電子像観察時には、図3のように、MC
P付き蛍光板23に像を結像し、その輝度コントラスト
像を反射鏡24およびビューポート25を介して(CC
D)カメラ26で記録する。この時得られる光電子像に
は欠損は無い。またカメラを通さずに直接像を(蛍光板
を)目視することが可能となる。
【0037】光電子分光分析時には、図4のように、M
CP付き蛍光板23と反射鏡24を上に移動し、一体化
した半球型エネルギー分析器17、検出器18、入射ス
リット22をレンズ鏡筒2の上部へ移動して分光分析を
行う。
【0038】(実施例4)本実施例では本発明の表面分
析装置の応用について述べる。
【0039】固体表面からの電子放出には光電子放出以
外にも熱電子放出や電界放出、表面伝導型電子放出など
が知られている。この中で電界放出、表面伝導型電子放
出はフラットディスプレーを実現させる有力候補として
研究が進められている。電界放出素子や表面伝導型電子
放出素子をフラットディスプレーの電子源として用いる
場合、電子放出部付近の3次元形状や材料の物性が素子
特性を大きく左右するため、良好な特性をもつフラット
ディスプレーを実現するには電子放出部の微小領域にお
ける電子放出現象を十分把握し、また制御する必要があ
る。
【0040】そこで本発明の表面分析装置を用いて、フ
ラットディスプレーのように平面上に配置された電子源
からの放出電子を分析したところ、個々の放出点の強度
分布やゆらぎ、エネルギースペクトルについての情報を
得ることができた。さらにこれらの放出電子像と並行し
て素子表面からの光電子像を観察すれば、放出電子像の
位置関係が明らかになるだけでなく、表面状態と電子放
出との関係を解析することが可能になった。
【0041】上記の分析は、固体試料から電子を放出す
るための機構(例えば試料に電圧を印加するための電極
など)のみを追加すれば、図1〜4の装置構成のどれに
おいても分析が可能である。
【0042】本発明の実施例1〜4においては、光電子
分光に使用するエネルギー分析器として半球型エネルギ
ー分析器を提示したが、これに限られる物ではなく、本
発明の要旨を変更しない範囲で分析器を変えても差し支
えない。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、試料を移動することな
く試料表面の光電子像観察と光電子分光分析が可能な、
表面分析装置を提供することができる。また、光電子分
光分析時の分析領域決定に必要な空間分解能を十分に満
たした像を観察することが可能となり、試料の位置決め
や分析領域の把握が容易にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例1を説明する表面分析装
置の概略図である。
【図2】本発明における実施例2を説明する表面分析装
置の概略図である。
【図3】本発明における実施例3を説明する表面分析装
置の概略図である。
【図4】本発明における実施例3を説明する表面分析装
置の概略図である。
【符号の説明】
1 高真空チャンバー 2 レンズ鏡筒 3 対物レンズ 4、5、6 静電レンズ 7、8 アパーチャー 9 試料 10 試料ステージ 11 5軸マニピュレータ 12 紫外線照射装置 13 石英ポート 14 単色X線源 16 二次元検出器 17 半球型エネルギー分析器 18 検出器 19 排気部 21 二次元検出器 22 入射スリット 23 MCP付き蛍光板 24 反射鏡 25 ビューポート 26 カメラ
フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 AA07 AA09 AA10 AA20 BA07 BA08 DA01 DA02 DA06 DA09 DA10 EA04 EA09 FA06 GA01 GA06 GA09 GA13 HA09 HA12 HA13 KA01 KA13 KA20 LA11 MA05 PA07 PA11 PA15 SA01 SA29 5C024 AA03 BA02 FA01 GA11 HA21 5C054 AA01 AA05 AA07 CA02 CB05 CC04 GB11 HA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体試料表面から放出された電子をレン
    ズにより集束しエネルギー分析器で分光する分光分析系
    と、該電子を用いて固体試料表面の拡大像を電子レンズ
    で結像するための表面観察系の両機能を兼ね備えたこと
    を特徴とする表面分析装置。
  2. 【請求項2】 前記固体試料表面から放出された電子が
    光電子であり、光電子分光分析と光電子像観察が可能で
    あることを特徴とする、請求項1に記載の表面分析装
    置。
  3. 【請求項3】 単色X線源と、単色化していない紫外線
    照射装置の両方を装備し、前記光電子分光分析時には該
    光電子がX線励起によるものであり、前記光電子像観察
    時には該光電子が紫外線励起によるものであることを特
    徴とする、請求項2に記載の表面分析装置。
  4. 【請求項4】 前記固体試料表面から放出された電子
    が、熱電子放出、電界放出、表面伝導型電子放出のいず
    れかにより放出された電子であることを特徴とする、請
    求項1に記載の表面分析装置。
  5. 【請求項5】 前記分光分析のためのレンズ系と結像の
    ためのレンズ系が同一のレンズ鏡筒を使用することを特
    徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の表面分析装
    置。
  6. 【請求項6】 像観察時に使用されるマルチチャンネル
    プレート、蛍光体、CCDの3つを一体化した二次元検
    出器が、分光分析時にレンズにより収束した電子を前記
    エネルギー分析器へ導く際の入射スリットを兼ねている
    ことを特徴とする、請求項5に記載の表面分析装置。
  7. 【請求項7】 像観察時に使用されるマルチチャンネル
    プレート、蛍光体、CCDの3つを一体化した二次元検
    出器と、分光分析時にレンズにより収束した電子を前記
    エネルギー分析器へ導く入射スリットを、切り替えて使
    用することを特徴とする、請求項5に記載の表面分析装
    置。
  8. 【請求項8】 像観察時にはマルチチャンネルプレー
    ト、蛍光体、反射鏡、カメラを使用し、分光分析時には
    入射スリット、エネルギー分析器、検出器を使用し、そ
    れぞれを切り替えて使用することを特徴とする、請求項
    5に記載の表面分析装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009002968A (ja) * 2002-04-17 2009-01-08 Ebara Corp 試料表面の検査装置及び方法

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JP2009002968A (ja) * 2002-04-17 2009-01-08 Ebara Corp 試料表面の検査装置及び方法

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