JP2000292240A - 燃費検出装置 - Google Patents

燃費検出装置

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JP2000292240A JP11220311A JP22031199A JP2000292240A JP 2000292240 A JP2000292240 A JP 2000292240A JP 11220311 A JP11220311 A JP 11220311A JP 22031199 A JP22031199 A JP 22031199A JP 2000292240 A JP2000292240 A JP 2000292240A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、容器の液面の検出に際し、その検
出器の取り付け位置を特定の場所に指定することによ
り、容器が水平または傾斜した状態に置かれても、内部
の液面を瞬時にかつ正確に測定できる燃料保有量の検出
装置を取り付け、これと車の走行距離メータとを組み合
わせて、正確な燃費の表示装置を提供する。 【解決手段】 燃料の液面を測定しようとする容器1の
容量測定上の中心点(以下は「容量重心点」と略する)
に液面のレベルの高さを検出する検出器2を取り付け
る。この検出器で検出した高さから容器内の液体の容量
を計算し、これと走行距離メータ3とを組み合わせるこ
とにより、任意の走行時や走行区間あたりの燃費(走行
距離÷燃料消費量)を演算部4で計算し、その結果を容
器内の燃料の保有量、変化量と共に燃料容器の近傍の表
示部5に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両等の燃費検出手
段に関し、さらに詳しくは自動車の運転中に燃料消費量
を正確に測定し、走行距離に応じた燃費を精密に算出し
て表示する燃費検出表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車の燃料消費量の節減に関す
る技術は、従来のエンジン本体の改良に加え、動力源に
電池等を併用するハイブリッド車の出現に見られるよう
に、近年著しい発展を遂げ、さらに改善が続けられてい
る。いかに優れた燃費の車両を開発するかは、車両メー
カにとって永遠の課題といってよい。更に昨今は燃費の
改善は、単に燃料の節減という経済的なメリットの追及
だけでなく、排気ガスの低減に伴い地球温暖化の防止に
つながるという観点から、車両メーカーのみならず消費
者にとっても大きな関心の的となっている。
【0003】燃費とは言うまでもなく単位燃料当たりの
走行距離数である。すなわち燃費は 走行距離÷燃料消費量・・・・(1) で表される。燃費は車両の構造、積荷の重量、道路の状
態、車両の走行速度、運転方法等様々な要因によって変
化する。燃費は運搬という目的を達成するためには一義
的には車両の構造に負うところが大きく、車両メーカー
は燃費の向上を目的として、エンジン他車両の構造改善
に懸命の技術開発を続けている。
【0004】しかし、今日の状況を見るに、車両の運転
者が燃費の向上を意図して運転方法に十分な注意を払っ
ているとは思えない。これは、今日の車両には燃費を表
示する燃費検出装置が備わっていないからである。燃費
を算出する上記(1)式のうち、分子の「走行距離」に
関しては実用上十分な精度の距離計が備わっている。し
かし、分母の「燃料消費量」に関しては、現在は運転者
が燃料補給の要否を判断するための大まかな燃料保有量
を示す燃料計しか装備されていない。
【0005】例えば、従来産業界で一般に実用化されて
いる燃料計の液面計としては、図9(a)〜(c)に示
すような各タイプが使用されるが,自動車業界では液面
上の浮きを使ったフロート方式図9(a)が専ら採用さ
れている。図9(a)は液面に浮きを配置し、浮きの上
下動を電気信号に変換して取り出す方式のものである。
図9(b)は気相部と液相部との圧力差を利用した差圧
方式である。図9(c)は容器外部に取り付けた補助容
器中に入れたチューブの浮力を利用したトルク・チュー
ブ方式である。これらのうちフロート方式の液面計は、
軽量かつ安全でガソリンや軽油のような可燃物に用いて
も着火や爆発源となる恐れがないため、現在は殆どの乗
用車、トラック等の容器内の燃料保有量の検出に使用さ
れている。
【0006】しかし、この種の検出器は、電気信号に変
換してデジタル表示させた場合、精度の上では、せいぜ
い有効数字で2桁が限界である。かつ車両のように、そ
の容器が平坦地のみならず傾斜地に置かれる場合には、
容器の水平度と燃料の液面に傾きが生じ、燃料保有量の
表示に誤差が表れる。このため燃料保有量の下限に近い
状態で走行する時に、坂道にさしかかると往々にして
「燃料下限警報」が点灯したり点滅したりする経験をす
る。これは従来の方式では、フロート式の液面計の検出
部である浮きの取付け位置が特に指定されず、かつ単独
のために起こる現象である。従って容器が傾斜した場
合、その容器内の燃料の容量を正確に知るには液面の傾
きを検出しなくてはならず、かつ傾きを正確に測定する
には検出部の浮きの数を増やさなくてはならない。
【0007】また浮きの位置から正確な液面の表示に変
換するためには、精密な機械的伝達機構を必要とする。
このため従来のフロート式の液面計は、数量を有効数字
で3桁以上の燃料保有量の表示を必要とする場合や保有
量の差から燃費を計算する等の場合等には使用できず、
現状では燃料の凡その保有量を示すいわば『目安の計
器』として使用されている。図10には、現在一般的に
大型トラックに使用されている燃料容器のフロート式液
面計の一例を示す。
【0008】燃料の残有量の表示については、市販の大
部分の車両は一般的にはアナログ式の保有量を示す表示
器や容量の下限警報機は取り付けているが、例えば有効
数字で3桁以上判読できる表示器や燃料の変化量を示す
表示器を取り付けている例は皆無に近い。
【0009】従って精度を要求される燃費の表示に関し
ては、全ての自動車メーカーは、「カタログ」には測定
条件を付記して、特別に燃料消費量を計量する測定器を
搭載した実験車による数値を提示しているが、市販の車
両に燃費の表示装置を取り付けている例も皆無に近い。
【0010】一方、燃料消費量を正確に把握して燃費を
算出する手段として、燃料消費の流量を測定する方法が
ある。車両メーカーの試作車等の燃費測定には、この種
の流量測定器を搭載し、テスト・コース等を使って各種
走行モードにおける燃費が正確に測定されている。しか
し、この方法は車両走行の生命線ともいえる燃料供給系
統に接触式の流量計を取り付けなければならず、万一こ
の流量系で燃料の流れれに支障が生じた場合、車両の走
行が不可能になる危険性を持つ。従ってテストコース等
の走行では問題とならないが、例えば一般車両の高速道
での走行を想定した場合、これらの異常想定に対する慎
重な防護策が不可欠となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、光や音波等を用いた非接触式
の正確な液面検出装置と既存の走行距離メータを組合わ
せることにより、任意の時間帯や任意の走行区間当たり
の燃料の正確な保有量と消費量を検出し、燃費の正確な
情報を車両の運転席から知ることができる装置を提供す
ることを課題とする。
【0012】
【課題を解決しようとする手段】本発明では、燃料容器
内の燃料保有量を検出する手段と車両の走行距離を検出
する手段を用い,燃料保有量の変化量から求めた燃料消
費量と走行距離とを電気信号に変換して取り出し、これ
ら電気信号から燃費を計算する演算装置と算出された燃
費を表示する手段を準備した。
【0013】かつ燃料容器内の燃料保有量を正確に検出
する手段として、燃料容器の直胴部の断面に垂直で、燃
料容器の容量測定上の中心点(以下、「容量重心点」と
略す)を通る線上の液面位置を非接触方式で検出する方
法を採用した。この方法により、たとえ車両が傾斜した
状態で停止したり揺れたりしても、燃料容器内の燃料保
有量を正確に検出することが可能となり、燃料の供給流
路には全く手を加えることなく燃料消費量を計測するこ
とが可能となった。
【0014】更に本発明では、燃料保有量の変化量から
求めた燃料消費量と走行距離とを電気信号に変換して取
り出し、これら電気信号から燃費を計算する演算装置と
演算結果を表示する表示装置を備えた。以下に本発明の
詳細を説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を図1
「本発明の装置構成を示す図」を参照して説明する。図
1において、1は車両の燃料タンク等の容器であり、そ
の天井面に液面検出器(センサ)2が取り付けらてい
る。これとは別に車両の走行距離記録計3が取り付けら
れている。両者からの信号は演算部4に送られ、ここで
燃料の保有量、変化量および燃費(走行距離÷燃料消費
量)が計算される。燃費の表示単位は(km/lite
r)である。計算結果は運転者の近傍に取り付けられた
表示部5に表示される。
【0016】本発明で最も重要なのは液面検出器2であ
る。液面検出器センサ2は時々刻々の残存燃料の液面を
正確に検出し、その変化量から燃料消費量を正確に把握
できることが必要である。そのため本発明では、液面を
測定しようとする燃料容器の上面に液面検出用のセンサ
2を取り付ける。このセンサ2は図2に示すように「容
量重心点G」を通り、容器天井に垂直な直線上A−A′
の液面を検出できるように取り付ける。「容器重心点
G」とは、容器内の液体容積を測定する場合の代表的な
高さを示す位置をいい、例えば容器が長方形の箱型であ
る場合は、その前後および左右の中心点に相当する位置
をいう。この位置における液面の高さは、万一容器が前
後左右に角度θ、θ′だけ傾斜しても、容器内の液体容
積が一定ならば、常にその高さが変わらず同一の位置に
あるという特色を持つ。
【0017】今、図3(a)〜(c)に示すような底面
積S,高さHの直方体からなる箱型の燃料容器1につい
て考えてみる。燃料容器1が水平に置かれている時(図
3(a)の場合)、天井からの距離hに燃料の液面があ
る時は、燃料体積Vは V=S×(H−h)・・・・(2) で表される。ここでSとHは燃料容器の固有の一定の値
である。従ってVが一定であれば、hも一定であること
が判る。燃料容器がどう傾いても、hは一定である。燃
料容量が変化した場合も液面中心点G(容量重心点)の
軌跡は、図2において常に直線A−A′上を移動する。
従って容器の天井の中心点Aから液面の中心点Gまでの
距離hを正確に測定すれば、残存燃料の保有量を正確に
測定することができる。
【0018】また図3において燃料を消費して燃料液面
がGからGに下降した時、天井からの距離がh
らhへ変化したとすれば、燃料消費量Fは F=V−V=S×(h−h)・・・・(3) で示される。(3)式の関係は、燃料容器が傾斜した場
合でも変わらない(図3bの場合)。更に燃料を補給し
た場合、燃料の補給前後のおける燃料液面までの位置h
を各々測定して、(3)式に代入してやれば燃料の補給
量を知ることができる。
【0019】図3(a),(b)では燃料容器が直方体
の場合について説明したが、本発明が適用できるのは直
方体の容器に限定されるものではない。例えば図3
(c)に示すような一定の断面を有する直胴部Lを持つ
容器であって、燃料液面が直胴部Lの範囲を移動するも
のであれば、燃料容器の底部や上部は平坦でなくてもよ
いし、凹凸の有るものでもよい。また直胴部Lの断面は
正方形、長方形、円形等断面積が一定であればよい。従
って燃料容器が車両空間上の制約で異形にせざるをえな
い場合や補強のため容器を異形にする場合でも、直胴部
が有る限り利用可能で、殆どの燃料容器に適用できる。
【0020】本発明は液面の検出器のセンサを、容器の
「容量重心点」の液面位置を測定できるよう正確に取り
付け、この位置で測定した液面の高さから液の保有量を
求めるものである。測定する位置が前記の重心点からは
ずれると容器が傾斜した場合正しい保有量を測定するこ
とができない。従って従来のような「浮き」を使うタイ
プは、その測定精度が不十分であるばかりでなく、図2
の直線A−A′上を正確に移動させることが難しいの
で、本発明には適用し難い。出来れば小型の光学式や超
音波式のセンサを選択して、非接触方式で測定すること
が望ましい。
【0021】例えばこのような液面検出用のセンサに関
しては、昨今のフォト・エレクトロニクスや超音波の利
用技術の著しい発展の伴い、新たな技術革新が行われて
いる。例えば株式会社キーエンスの1999、2000
年版の商品カタログによれば、半導体レーザや超音波を
使った小型で高性能の液面検出用のセンサが、数多く掲
載されている。また1999年1月18日付けの日本経
済新聞によれば、オムロン株式会社が、発光素子と受光
素子を一体化して2mm×4mm×3mmの大きさの光
センサの開発に成功し、形状認識や距離計測に高精度で
対応できることを発表している。これらのセンサは測定
波の発信部と受信部をコンパクトに一体化したものであ
る。
【0022】車両用の燃料容器に光学式や超音波式のセ
ンサを使用する場合には、入射波および反射波の軸を図
3の直線A−G上に配置すれば測定上問題はない。入射
波および反射波の位相差や時間差等から,容器天井の中
心Aから液面Gまでの距離hを非接触方式で正確に測定
することができる。
【0023】また液面の位置を正確に測定する方法とし
て、本発明者等が先に提案したような(受付番号198
24200262)、液面に少なくとも3本以上の光線
を照射し、このうちの1本は容器の一部に設定した水平
基準線に対し垂直な基準線、他の2本以上の光線は前記
基準線に対して対称でかつ所定の角度(α)を有する傾
斜光線であり、これら3本以上の光線の反射光を受光
し、前記基準光線による液面上の反射点から傾斜光線に
よる各反射点までの長さ(d,d,d,・・・)
を測定する液面検知方法を用いても良い。この方法によ
る場合には、反射光を受光する受光部を移動させる必要
はなく、液面が振動で波打つ場合でも正確に測定できる
利点を有する。
【0024】例えば、車両が出庫してから所定区間走行
した後、入庫した場合に燃料液面の高さ(H−h)か
ら、燃料の保有量を知るには、センサから得られる電気
信号を図4に示すような論理図に基づいて計算する。ま
ず、燃料保有量は、容器の形状から天井からの高さhと
容量重心点を通る水平断面が囲む容量との関係式を予め
演算装置に入力しておき、ここへ出庫時と入庫時に実測
した高さhを代入してやれば容易に求めることができ
る。また燃料液面の高さ(H−h)を測定した時点の走
行距離や測定時刺も同時に演算装置に記憶するようにし
ておけば、これらのデータを基に、任意の走行状態にお
ける燃費情報を得ることが可能となる。例えば燃料を途
中で補給した場合には、補給前後の液面の変化から演算
器に補給量を記憶させ、ある一定走行距離をその走行区
間内で実際に消費した燃料量で割ることにより当該区間
の燃費を得ることができる。
【0025】液面の高さを入力するタイミングは、業務
用車両の場合は一般的には車庫からの出庫時、入庫時と
するケースが多いが、必要に応じ輸送の中継時、客先で
の到着時、高速道の休憩時、または給油時等自由に選択
することができる。さらに場合によっては、交差点にお
ける待機時等、測定頻度を短縮することも可能である。
【0026】本発明で使用する走行距離計としては、一
般の車両で通常使用されている車軸の回転数から計測す
る方式のものが利用できる。車軸の回転数を電気信号に
変換し、演算装置と組み合わせて走行距離として扱える
ように変換すればよい。
【0027】本発明では燃料容器内の液面の高さのデー
タから前記、演算装置を用いて燃費を算出する。従って
液面が大きく変動していると、正確な燃費の算出が困難
となる。昨今の演算装置は、データに変動がある場合は
複数の入力データを取り入れ、これを平均化する演算機
構を備えているが、入力データにはバラツキが少ない方
が望ましい。例えば、市販の車両の300リットル型燃
料容器には、通常容器内に図5(b)に示すように車両
の進行方向に対し直角の位置に縦の緩衝板8を複数の枚
数取り付け、燃料の波動を押さえる工夫が施されてい
る。従来の浮きを使用した燃料計では、この種の緩衝板
であれば十分である。本発明のように高感度のセンサを
使用した場合でも、車両が停止した後、データの入力ま
でに十分な時間が取れる場合には従来方式の緩衝板で問
題はない。
【0028】しかし、例えば交差点におけるデータの入
力時のように時間が十分取れない場合には、燃料容器内
に液面波動を防止する装置を取り付けることが望まし
い。一般的に車両が停止した際の燃料液面の波動は、燃
料容器の容量が大きくなればなる程、波動の静止までに
時間を要する。このため本発明の場合は、センサで測定
する対象の面積を極力、小さく限定することが最も有効
である。図5には、測定面積を小さくするために使用し
た波動防止対策の一例を示す。図5(a)の例では測定
部に円筒型の緩衝筒6のみを取り付けた場合を示すが、
測定対象の面積を小さくするものであれば、形状は角筒
型でも多角型でも良く、更に緩衝筒6を二重等に取り付
けることにより波動防止の効果を更に高めることができ
る。緩衝筒6には小孔7またはスリットを多数設け、筒
の内外の液面が一定になり易いようにする。緩衝筒6の
長さは容器の直胴部とほぼ同じ長さにすればよい。緩衝
筒の太さは、測定ビームが緩衝筒から干渉を受けない太
さで普通は直径60〜100mm程度あれば良い。また
緩衝板8と緩衝筒6を併用することは、何等支障はな
い。
【0029】本発明で使用する演算装置としては、公知
のマイクロコンピュータが利用できる。必要な機能とし
ては先ず計測時点で液面検出装置2からの信号を液面深
さに換算して燃料保有量を算出する機能、車軸の回転数
からの信号から走行距離を算出する機能が挙げられる。
次に、これらのデータから燃費を算出する機能が必要で
ある。更に、これらのデータや演算結果を記録するため
の記憶装置が必要である。記憶されたデータから走行距
離当たりの燃費を求めたり、一日当たりの燃費を求めた
り、月間の平均燃費を求める等必要なデータを算出する
ための演算機能を組み込めば応用範囲を広めることがで
きる。
【0030】本発明は、燃料保有量の変化量と走行距離
から燃費(走行距離÷燃料消費量)を計算し、これを表
示する表示部を備えている物である。表示部は単に燃費
を表示する以外に、任意の時間帯の燃料の正確な保有量
や任意の走行区間の燃料消費量や補給量を表示すること
も可能である。表示部の方式は特に制限はない。例えば
運転席の見易い部位に、デジタル式の表示部を設置する
ことにより、運転者が時々刻々の燃費や正確な燃料保有
量、消費量や補給量等を知ることが可能になり、経済的
でしかも環境保全に寄与する優しい運転をすることが可
能になる。更に本データを車両から取り出してホストコ
ンピュータに転記し、継続的な燃料管理に利用すること
ができる。例えば業務上、運行管理者の立場にある者の
場合は、日々の運行当たりの燃費を各運転手毎に継続的
に管理し、正確で公平なデータを基に最も経済的な運転
を目指して、運転手への個別指導を行うことが可能であ
る。
【0031】
【作用】本発明は、容器の傾きの有無に拘らず、容量重
心点では常に液面が一定位置にあることを利用して、容
器内の燃料保有量を正確に測定するようにして、その結
果に基づき燃費を算出しデジタル表示することにした。
【0032】
【実施例】(測定時間を決めるための実験)本実施例で
は、直方体燃料容器の液面測定部分に、緩衝板8のみを
設け緩衝筒を取り付けない場合と、図6(b)に示すよ
うに緩衝板8と図6(c)の緩衝筒6を併用した緩衝機
構を設けた場合とについて計測した。測定に先立ち燃料
液面の波動の影響を調べるため車両が停止した時間経過
と液面測定値の関係を調べた。燃料容器は実用化されて
いる燃料タンクと同じ寸法と容量を持つ鋼板製の角型容
器(幅600mm、長さ1030mm、高さ500m
m、図6(a)を参照)を使用した。燃料容器上面の長
方形の対角線交点に超音波センサ2を超音波の発信軸が
容器上面に垂直となるように正確に取り付けた。燃料容
器内には軽油(密度0.835g/cm、動粘度3.
47CSt)を所定量充填した。図7には、測定に用い
たシステムの構成を示す。センサ2からのアナログ信号
はPCカード型データ収集システム9に送り、ここから
ノート型パソコン10に取り込んでデータの波形収集、
解析を行った。使用したセンサおよびデータ収集システ
ム9の主な仕様は表1および表2の通りである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】測定結果を表−3に示す。表中、右欄は前
記緩衝板8と緩衝筒6を併用した緩衝装置を取り付けた
場合、左欄は緩衝筒6の緩衝装置を取り付けなかった場
合の結果を示す(図5 参照)。容器は、実際の車両の
走行と停止を想定して、各測定時に同一の振動を与え
た。表3中の液面までの高さ(mm)は、各測定時にお
いて2回/秒の間隔で5秒間に10回測定し、その平均
値で示した。また、この測定時の経過時間に対する液面
波動の減衰曲線を図8に示す。図中8(a)は、緩衝筒
のない場合、8(b)は緩衝筒を併用した場合である。
これらの結果から、緩衝筒を併用した場合には、車両が
停止した後20秒を経過すれば液面の波動はおさまり、
実用上支障のない液面測定ができることが判り、緩衝筒
の効果が確認された。また緩衝筒を使用しない場合は、
40秒経過後に測定すれば良いことが判明した。
【0036】
【表3】
【0037】(実施例1)前記実験例と同一の燃料容器
および同一の計測システムを搭載した車両を使用して、
前記実験例と同一の測定方法を使用して、実際の一走行
当たりの燃費を計測した例を示す。液面の測定をするま
でには車両停止後30秒以上が経過していた。燃費の計
算に当たっては、燃料タンクの液面の変位差から「燃料
の消費量」を求め、車両の走行指示計の距離差から「走
行距離」を求めた。燃費は、燃費=(走行距離)/(燃
料消費量)で計算した。単位はkm/Literであ
る。測定結果を表4に示す。表中、A欄は本発明に基づ
いて測定した結果である。またB欄は、確認のため燃料
容器の側面に連通管式のスケールを取り付け、車両を水
平に停車させたのを確認して、スケールの読取り値から
計算で燃料消費量を求め、燃費を算出した値である。C
欄には比較のために既存の車両に取り付けられているフ
ロート式燃料計の読みを示す。表4から判る通り、本発
明によれば、何ら計測の手段を煩わすことなしに、任意
の走行区間に対して正確な燃費を知ることが可能であ
る。一方、既存の燃料計から燃費を求めることは不可能
であった。
【0038】
【表4】 燃費の測定結果を、表4に示す。
【0039】(実施例2)実施例1と同様な車両を使用
して、途中ガソリンスタンドで給油した場合の一走行当
たりの燃費を計測した例を示す。給油前の液面の測定
は、ガソリンスタンドに入り車両を所定位置に停車し、
30秒後に行った。給油後の液面の測定は、給油を開始
し所定量充填した後、30秒後に行った。液面までの高
さの測定は、実施例1と同様10回の平均値で示す。燃
費の計算は、前述の方法と同じ計算法で求めたが途中で
燃料の補給を行ったので、燃料の消費量については、補
給量分を補正した。測定結果を表5に示す。表中、A欄
は本発明に基づいて測定した結果である。またB欄は、
比較のため既存の車両に付けられているフロート式燃料
計の読みを示す。表5から判る通り、本発明によれば、
途中ガソリンスタンドで燃料を補給した場合でも、何ら
計測の手を煩わすことなしに任意の走行区間に対して正
確な燃費を知ることが可能である。一方、既存の燃料計
から燃費を求めることは不可能であった。
【表5】
【0040】
【発明の効果】本発明の効果は、従来、運転管理の面で
最も重要の項目であった「燃料保有量と変化量の正確な
把握」と「燃費の実績」が運転席から監視可能となる。
これは従来の燃料計からでは、全く不可能なことであっ
た。本発明によれば燃費の監視が、単にトラックやバス
業界等における燃料費の節約という経済的効果の追及に
加え、地球環境の保全に向けて一般消費者の意識向上に
も貢献すると思われる。また「燃費の実績値」がメーカ
のカタログ表での記載から、実際に走っている車両から
の得ることが可能となり、将来の燃費の改善に向けて使
用者側からの『生きたデータ』が入手でき、環境保全の
指導者や自動車メーカ側のとっても貴重な情報を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す説明図であ
る。
【図2】「容量重心点」を説明する図である。
【図3】容器中の液面位置の測定原理を説明する図であ
る。
【図4】燃費を求める論理図である。
【図5】波動防止装置を示す説明図である。
【図6】実施例における燃料タンクの構造を示す説明図
である。
【図7】実施例における機器の配置と構成を示す説明図
である。
【図8】実施例における液面の波動の減衰曲線を示す説
明図である。
【図9】従来、使われている液面計の説明図である。
【図10】従来、使われている車両燃料タンクの液面計
の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 燃料容器 2 液面検出器 3 走行距離計 4 演算部 5 表示部 6 液面波動防止用の緩衝筒 7 同 緩衝筒表面の小孔 8 液面波動防止用の緩衝板 9 PCカード型データ収集機 10 ノート型パソコン 11 浮子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月27日(1999.12.
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明で最も重要なのは液面検出器(セン
サ)2である。液面検出器(センサ)2は時々刻々の残
存燃料の液面を正確に検出し、その変化量から燃料消費
量を正確に把握できることが必要である。そのため本発
明では、液面を測定しようとする燃料容器の上面に液面
検出器(センサ)2を取付ける。この液面検出器(セン
サ)2は図2に示すように「容量重心点G」を通り、容
器天井に垂直な直線上A−A′の液面を検出できるよう
取付ける。「容量重心点G」とは、容器内の液体容積を
測定する場合の代表的な高さを示す位置をいい、例えば
容器が長方形の場合は、その前後、左右の中心点に相当
する位置をいう。この位置における液面の高さは、万一
容器が前後、左右に角度θ、θ′だけ傾斜しても容器内
の液体容積が一定なら、常にその高さが変らず同一の位
置にあるという特色を持つ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F014 AA01 AB01 FA01 FB01 2F030 CA02 CA03 CC03 CE04 CE22 CE27 CE32 CF20 3G084 EA07 FA05 FA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料容器内の燃料保有量を検出する手段
    と、車両の走行距離を検出する手段と、燃料保有量の変
    化量から求めた燃料消費量と走行距離とを電気信号に変
    換して取り出し、これら電気信号から燃費を計算する演
    算装置とを備えることを特徴とする車両の燃費検出装置
    であって、当該燃料容器内の燃料保有量を検出する手段
    が、燃料容器の直胴部分の断面に垂直で、燃料容器の容
    量測定上の中心点(以下、「容量重心点」と略す)を通
    る線上の燃料液面位置を非接触で検出する方法によるこ
    とを特徴とする燃費検出装置。
  2. 【請求項2】 燃料液面位置を非接触で検出する手段
    が、超音波を使用したものであることを特徴とする請求
    項1に記載の車両の燃費検出装置。
  3. 【請求項3】 燃料液面位置を非接触で検出する手段
    が、レーザを使用したものであることを特徴とする請求
    項1に記載の車両の燃費検出装置。
  4. 【請求項4】 燃料容器内の液面検出部の近傍に、円筒
    状または角筒状の緩衝装置を備えたことを特徴とする請
    求項1に記載の車両の燃費検出装置。
  5. 【請求項5】 燃料液面位置を非接触で検出する方法
    が、液面に少なくとも3本以上の光線を照射し、このう
    ち1本は容器の一部に設定した水平基準線に対して垂直
    な基準線、他の2本以上の光線は前記基準光線に対して
    対称でかつ所定の角度(α)を有する傾斜光線であり、
    これら3本以上の光線の反射光を受光し前記基準光線に
    よる液面上の反射点から傾斜光線による各反射点迄の長
    さ(d、d,・・・)を測定する液面検知方法
    であることを特徴とする請求項1から請求項3に記載の
    燃費検出装置。
  6. 【請求項6】 算出された燃費を表示する手段を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃費検出装置。
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