JP2000292056A - プレス乾燥方法とこの方法に使用するプレス乾燥装置 - Google Patents

プレス乾燥方法とこの方法に使用するプレス乾燥装置

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JP2000292056A
JP2000292056A JP11099239A JP9923999A JP2000292056A JP 2000292056 A JP2000292056 A JP 2000292056A JP 11099239 A JP11099239 A JP 11099239A JP 9923999 A JP9923999 A JP 9923999A JP 2000292056 A JP2000292056 A JP 2000292056A
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press
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Masahito Hirai
雅人 平井
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Yamamoto Engineering Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被乾燥材の爆裂を防止して、被乾燥材の内部
まで理想的な状態で速やかに乾燥する。 【解決手段】 プレス乾燥方法は、被乾燥材4を、熱板
1でプレスして乾燥する。プレス乾燥方法は、熱板1で
被乾燥材4を、プレスしている密閉空間3に、加圧気体
を圧入して密閉空間3の圧力を大気圧よりも高くして、
密閉空間3における水の沸点を100℃よりも高くし
て、熱板1で被乾燥材4を加熱する加熱工程と、加熱工
程で被乾燥材4を加熱した後、熱板1で被乾燥材4をプ
レスする状態に保持して、密閉空間3の圧力を低下させ
て、被乾燥材4に含まれる水分を除去する圧力低下工程
と、圧力低下工程の後に、密閉空間3を開放して、被乾
燥材4を密閉空間3から取り出す排出工程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分を含む被乾燥
材を熱板でプレスして、加熱、乾燥する方法とこの方法
に使用するプレス乾燥装置に関する。本発明のプレス乾
燥方法とプレス乾燥装置は、パルプや木片等を、板状ま
たはその他の形状に集合したものを熱板でプレスして乾
燥する。本発明は、乾燥する被乾燥材の形状を板状には
特定しない。板状でない被乾燥材も、表面に熱板を押圧
して乾燥できるからである。
【0002】
【従来の技術】パルプを板状または筒状に集合してなる
成形品の乾燥方法として、熱風乾燥とプレス乾燥があ
る。プレス乾燥方法は、熱風乾燥に比べると下記の優れ
た特長がある。 消費する熱エネルギーが少ない。 被乾燥材が板状の場合、アイロン効果によって変形
している板状の被乾燥材を平面状に修正して乾燥でき
る。さらに、板状の被乾燥材は、乾燥するときの面積収
縮率を少なくできる。 火災事故による運転休止の可能性を少なくできる。
ホットプレス乾燥方法が以上の特長を備えるのは、熱板
で被乾燥材の表面をプレスして加熱乾燥させるからであ
る。
【0003】被乾燥材をプレス乾燥する方法は、加熱さ
れた熱板で被乾燥材をプレスする。加圧された被乾燥材
は、熱板に加熱されて水分を気化、蒸発して除去する。
熱板の温度は、たとえば150〜200℃に設定され
る。ところが、この方法は、熱板で被乾燥材を効率よく
加熱するのが難しい。とくに、被乾燥材の内部まで加熱
するのが非常に難しい。それは、熱板で加熱された被乾
燥材の内部に含まれる水分が沸騰して大きな気化熱を奪
い、熱伝導を著しく阻害するために、被乾燥材の内部ま
で設定温度に加熱されないからである。このため、被乾
燥材をプレス乾燥する方法では、被乾燥材の表面は、加
熱されて、高温、低水分になるが、中心部は、低温、高
水分のままとなる。さらに、被乾燥材の表面付近の水分
がなくなってしまうと、パルプ、木質材等のように熱伝
導率の低い被乾燥材では、断熱効果によって中心部まで
熱が伝わり難くなってしまう。
【0004】さらにまた、被乾燥材は、熱板でプレスさ
れて物理的に加圧されているため、中心部では、水分が
100℃を越えた状態、すなわち、蒸発できずに熱水の
状態で閉じ込められている。この状態で熱板の物理的圧
力を開放すると、中心部の熱水が瞬時に気化して、被乾
燥材が爆裂してしまう。これを防止するために、従来
は、長時間プレス加熱して含水率が4%未満となるまで
乾燥させていた。たとえば、この方法で、仕上がり比重
1.0のパルプ系板状材を乾燥させる場合には、12m
mの板状材を160℃で、含水率60%から4%まで乾
燥させるのに、8時間以上も必要であった。これは、4
%より高い含水率では中心部が爆裂してしまうからであ
る。
【0005】本発明は、従来のこのような欠点を解決す
ることを目的に開発されたものである。本発明の重要な
目的は、被乾燥材の爆裂を防止して、しかも、被乾燥材
の内部まで理想的な状態で速やかに乾燥できるプレス乾
燥方法とこの方法に使用するプレス乾燥装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のプレス乾燥方法
は、被乾燥材4を、熱板1でプレスして乾燥する。さら
に、本発明の請求項1のプレス乾燥方法は、熱板1で被
乾燥材4を、プレスしている密閉空間3に、加圧気体を
圧入して密閉空間3の圧力を大気圧よりも高くして、密
閉空間3における水の沸点を100℃よりも高くして、
熱板1で被乾燥材4を加熱する加熱工程と、加熱工程で
被乾燥材4を加熱した後、熱板1で被乾燥材4をプレス
する状態に保持して、密閉空間3の圧力を低下させて、
被乾燥材4に含まれる水分を除去する圧力低下工程と、
圧力低下工程の後に、密閉空間3を開放して、被乾燥材
4を密閉空間3から取り出す排出工程とからなる。
【0007】本発明の請求項2のプレス乾燥方法は、圧
力低下工程を、密閉空間3を大気に開放する大気開放工
程とする。また、本発明の請求項3のプレス乾燥方法
は、圧力低下工程を、密閉空間3を大気に開放する大気
開放工程と、この大気開放工程の後、密閉空間3を大気
圧以下に減圧して被乾燥材4に含まれる水分を除去する
減圧工程とする。
【0008】さらに、本発明の請求項4の被乾燥材のプ
レス乾燥装置は、被乾燥材4の表面をプレスして、被乾
燥材4を密閉空間3で加熱する熱板1と、熱板1で被乾
燥材4に押圧する押圧機構6と、熱板1を所定の温度に
加熱する加熱機構と、熱板1が被乾燥材4を押圧する状
態で、密閉空間3に加圧気体を供給して密閉空間3にお
ける水の沸点を100℃以上にする加圧気体源10と、
密閉空間3から加圧された気体を排出する排出機構とを
備える。
【0009】熱板1が密閉空間3で被乾燥材4をプレス
する状態で、加圧気体源10が密閉空間3に加圧空気を
圧入して、密閉空間3を所定の圧力に保持して、被乾燥
材4を熱板1で加熱し、その後、熱板1が被乾燥材4を
プレスする状態に保持して、排出機構が密閉空間3から
気体を排出して、被乾燥材4を乾燥させる。
【0010】さらに、本発明の請求項4の被乾燥材のプ
レス乾燥装置は、排出機構が、密閉空間3に連結された
真空ポンプ7を備える。真空ポンプ7は、密閉空間3を
大気圧よりも低く減圧して、密閉空間3の被乾燥材4を
乾燥させる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための被乾燥材のプレス乾燥方
法とこの方法に使用するプレス乾燥装置を例示するもの
であって、本発明は方法と装置を下記のものに特定しな
い。
【0012】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0013】本発明の方法で乾燥される被乾燥材は、ス
ギ、ラワン、ヒノキ、マツ等の全ての板材、あるいは、
パルプを板状に成形したボード、さらに木材チップを板
状に結合したボード等であって、水分を含有する全ての
被乾燥材である。
【0014】図1に示す被乾燥材のプレス乾燥装置は、
被乾燥材の両面を、密閉空間3でもって気密に密閉する
状態でプレスする熱板1と、熱板1を被乾燥材に押圧す
る押圧機構6と、熱板1を所定の温度に加熱する加熱機
構(図示せず)とを備える。
【0015】図において下側の熱板1は、密閉空間3を
形成する周壁2を有する。周壁2は、密閉空間3の周囲
を囲む形状、たとえば、方形状をしている。さらに、周
壁2は上面を平面状として、降下した上側の熱板1の下
面に密着するようにしている。周壁2上面には、パッキ
ン8の嵌着溝を設け、ここにパッキン8を入れて固定し
ている。嵌着溝のパッキン8は、降下した上側の熱板1
の下面に密着して、密閉空間3をガス漏れしない状態
で、気密に閉塞する。
【0016】図1に示すプレス乾燥装置は、密閉空間3
を形成する周壁2を、下側の熱板1に固定している。周
壁は、熱板と別の部材とすることもできる。この周壁
は、上下の熱板の間にガス漏れしない状態で密着するよ
うに、上下両面に嵌着溝を設けて、この嵌着溝にパッキ
ンを嵌着する。周壁2の高さは、圧縮される被乾燥材4
の厚さを決定する。被乾燥材を圧縮する状態で、周壁が
熱板に気密に密着して、密閉空間を形成するからであ
る。いいかえると、被乾燥材は周壁の高さに等しい厚さ
にプレスして乾燥される。周壁の高さよりも被乾燥材を
薄く圧縮するときは、周壁の内側に金属板の敷板を敷き
込む。この方法は、周壁を交換することなく、敷板の厚
さと積層枚数を変更して、圧縮される被乾燥材の厚さを
調整できる。
【0017】周壁2は、加圧気体源10を連結する貫通
孔9を設けている。この貫通孔9には、配管を介して、
加圧気体源10と真空ポンプ7を連結している。加圧気
体源10は、空気、窒素ガス、炭酸ガス等の加圧気体を
密閉空間3に供給して、密閉空間3を所定の圧力に加圧
する。
【0018】密閉空間3に加圧空気を供給する装置は、
加圧気体源10にコンプレッサーを使用する。コンプレ
ッサーは、空気を加圧して、密閉空間3に圧入する。コ
ンプレッサーから密閉空間3に供給された空気は、熱板
1に加熱されて圧力が上昇する。したがって、コンプレ
ッサーは、密閉空間3を加圧する設定圧力よりも低い圧
力の空気を供給して、密閉空間3を設定圧力にできる。
たとえば、密閉空間3を10kgf/cmGの設定圧
力に加圧する装置においては、コンプレッサーが密閉空
間3に供給する空気圧を、7〜8kgf/cmGとし
て設定圧力に加圧できる。
【0019】密閉空間3に窒素ガスまたは炭酸ガスを供
給する装置は、加圧気体源10として、窒素ガスまたは
炭酸ガスを高圧に加圧して充填しているガスボンベを使
用する。ガスボンベは、所定の圧力の窒素ガス、または
炭酸ガスを密閉空間3に供給して設定圧力に加圧する。
密閉空間3に、窒素ガスを供給する装置は、乾燥中の酸
化を防止できる特長がある。炭酸ガスは被乾燥材を透過
しやすく、被乾燥材中の水分に溶け込むので乾燥能力が
向上する特長がある。さらに、密閉空間3に供給する気
体に、防腐剤や防虫剤等の処理剤を添加して、被乾燥材
を乾燥することもできる。この状態で乾燥された被乾燥
材は、乾燥工程において、防腐、あるいは防虫処理でき
る。
【0020】加圧気体源10は、密閉空間3を5〜10
kgf/cmG、好ましくは6〜10kgf/cm
G、さらに好ましくは7〜10kgf/cmGに加圧
する。密閉空間3の内圧は、熱板1が被乾燥材をプレス
する単位面積当りの圧力よりも低くする。密閉空間3の
内圧が、熱板1の単位面積当りの圧力よりも高いと、内
圧で熱板1が押し上げられるからである。さらに、密閉
空間3の内圧が低すぎると、短時間で被乾燥材を乾燥で
きなくなる。それは、密閉空間3の内圧が低いと、熱板
1で加熱された被乾燥材に含まれる水分が沸騰して、周
囲から多量の気化熱を奪い、被乾燥材が内部まで均一に
加熱されなくなるからである。したがって、密閉空間3
の内圧は、好ましくは、熱板1で加熱された被乾燥材に
含まれる水分が気化しない圧力とする。水は、圧力が9
kgf/cmGにおいて約180℃で沸騰する。した
がって、熱板1の温度を180℃に設定する場合、密閉
空間3の設定圧力を9kgf/cmGに設定する。こ
の状態で熱板1に加熱される被乾燥材4は、熱板1に接
触する表面が、ほぼ180℃に加熱されるが、被乾燥材
4の内部の温度は180℃以下となり、被乾燥材4に含
まれる水分は沸騰しない。沸騰しない被乾燥材内の水
は、気化熱で被乾燥材4を冷却することなく、表面の熱
を内部に伝導して、全体を180℃近くに加熱する。内
部の水を沸騰させないで加熱される被乾燥材4は、速や
かに熱が伝導されて、内部まで均一に加熱される。それ
は、水の熱伝導率が木材に比べて5倍も大きいので、熱
伝導の良い水を介して内部まで熱が伝導されるからであ
る。
【0021】真空ポンプ7は、密閉空間3を減圧して、
被乾燥材4を冷却しながら乾燥する。真空ポンプ7で密
閉空間3を減圧する装置は、密閉空間3から取り出した
被乾燥材4を、より少ない水分率に乾燥できると共に、
冷却して取り出しできる特長がある。
【0022】図1に示す装置は、密閉空間3に、大気開
放弁11と圧力制御弁12も連結している。大気開放弁
11は、密閉空間3を加圧するときと減圧するときに閉
弁される。加圧している密閉空間3の気体を排気すると
き、あるいは、減圧された密閉空間3に外気を吸入させ
るときに開弁される。圧力制御弁12は、密閉空間3の
圧力が設定圧力よりも高くなったときに開弁して、密閉
空間3の圧力を設定圧力に調整する。
【0023】熱板1の押圧機構6は、上側の熱板1に連
結している油圧シリンダーである。油圧シリンダーは、
上側の熱板1を押し下げて、密閉空間3の被乾燥材をプ
レスすると共に、密閉空間3を気密に閉塞する。下側の
熱板1は水平に固定している。押圧機構6は、上下の熱
板1を油圧シリンダーに連結して、被乾燥材をプレスし
て密閉空間3を閉塞し、あるいは、下側の熱板1を油圧
シリンダーで押し上げて、被乾燥材をプレスすることも
できる。さらに、押圧機構6は、必ずしも油圧シリンダ
ーを使用する必要はない。押圧機構6には、たとえば、
カムやクランク機構で熱板を押圧することもできる。
【0024】さらに、熱板1は加熱機構で所定の温度に
加熱される。加熱機構は、たとえば、蒸気やヒータで熱
板1を加熱する。蒸気で加熱される熱板1は、蒸気を通
過させる通路を内部に設けている。ヒータで加熱される
熱板1は、内部に電気で加熱されるヒータを内蔵させて
いる。ただし、本発明は、熱板1の加熱機構を蒸気やヒ
ータに特定しない。加熱機構には、熱板1と被乾燥材4
を加熱できる全ての機構、たとえば、高周波で被乾燥材
を直接に加熱することもできる。
【0025】加熱機構が熱板を加熱する温度は、好まし
くは120〜200℃、より好ましくは130〜200
℃、最適には150〜190℃に設定される。熱板の温
度は、被乾燥材を乾燥する時間に影響を与える。熱板の
温度が低くなると、被乾燥材を乾燥する時間が長くな
る。熱板の温度が高すぎると、加熱状態でプレスされた
被乾燥材の表面が焦げた状態になる。したがって、熱板
の温度は、被乾燥材を乾燥できる時間と被乾燥材の種類
を考慮して最適値に設定される。
【0026】たとえば、熱板の温度を180℃、密閉空
間の内圧を9kgf/cmGに設定して、10mm厚
のスギ板を約15分で内部まで加熱できる。熱板の温度
を160℃にすると、同じスギ板を内部まで加熱する時
間は約20分となる。したがって、熱板の温度は処理す
る被乾燥材の厚さや材質、さらに、要求される処理時間
等を考慮して最適値に設定される。
【0027】図1に示すプレス乾燥装置は、以下の工程
で被乾燥材を乾燥する。 [木材、又はパルプを板状に成形したボード等の被乾燥
材を熱板の間に供給する工程]熱板1を開いて、熱板1
の間に水分を含有する被乾燥材4を供給する。熱板1に
供給される被乾燥材4は、例えば、8〜200%の水分
を含有している。
【0028】[熱板を気密に密閉する工程]熱板1を所
定の設定温度に加熱し、上側の熱板1を油圧シリンダー
で降下させて、密閉空間3を気密に密閉する。上側の熱
板1は、周壁2の上面にパッキン8を介して密着して、
密閉空間3を閉塞する。さらに、被乾燥材4は両面の熱
板1でプレスして加熱される。このとき、被乾燥材4を
元の厚さよりも薄く圧縮して乾燥することもできる。た
とえば、スギ、ラワン、ヒノキ等のほとんどの木材は、
表面部分を圧縮して、表面を高密度な平滑面として乾燥
することもできる。この場合、被乾燥材4を元の厚さの
30〜99%、好ましくは45〜95%、さらに好まし
くは50〜95%に圧縮する。
【0029】[密閉空間を所定の圧力に加圧する工程]
コンプレッサーと密閉空間3との間に連結している開閉
弁を開いて、加圧空気を供給する。密閉空間3には、約
7kgf/cmGの空気を供給する。ただし、密閉空
間3に供給する空気圧は、密閉空間3が加熱された状態
で5〜10kgf/cmGとなる圧力とすることもで
きる。コンプレッサーに連結された開閉弁を開弁すると
き、真空ポンプ7に連結された開閉弁と、大気開放弁1
1と圧力制御弁12は閉弁される。
【0030】[密閉空間で被乾燥材を加熱する工程]密
閉空間3に供給された空気は、熱板1に加熱され膨張
し、密閉空間3の内圧を設定圧まで上昇させる。密閉空
間3の内圧が設定圧よりも高くなると、大気開放弁11
を開いて、密閉空間3の内圧を設定圧に調整する。この
状態で、密閉空間3において被乾燥材4はプレス状態で
加熱される。プレス時間は、熱板1の温度、被乾燥材4
の厚さや水分率によって最適値が違うが、たとえば、熱
板1の温度を150〜180℃とし、被乾燥材4の厚さ
を10mmとし、被乾燥材4の水分率を15〜50%と
して、10〜25分に設定する。被乾燥材4が厚く、ま
た、熱板1の感度が低いときに、熱板1が被乾燥材4を
プレスする時間を長くする。
【0031】[密閉空間を減圧して被乾燥材を冷却、乾
燥させる工程]大気開放弁11を開いて、密閉空間3か
ら空気を排出し、内部の圧力を大気圧まで低下させる。
この状態で、被乾燥材4に含まれる水分は沸騰し、気
化、蒸発して除去される。内部の水分が沸騰する気化熱
で被乾燥材4は冷却される。さらに、密閉空間3は、空
気が断熱膨張されることによっても温度が低くなる。
【0032】[密閉空間を減圧してさらに冷却、乾燥す
る工程]大気開放弁11を閉弁した後、真空ポンプ7と
密閉空間3との間に連結された真空ポンプ7を運転し
て、密閉空間3を減圧する。この状態で、水の沸点が低
下して、被乾燥材4はさらに乾燥されると共に、冷却さ
れる。被乾燥材4の温度が設定温度まで低下した後、上
側の熱板1を上昇して、密閉空間3から被乾燥材4を取
り出す。
【0033】以上のようにして、被乾燥材を乾燥する
と、被乾燥材を極めて短時間で乾燥して、しかも冷却し
た状態で取り出しできる。ただ、本発明の乾燥方法は、
密閉空間3を大気に開放した後、密閉空間3を減圧する
ことなく、被乾燥材4を密閉空間3から取り出すことも
できる。
【0034】
【発明の効果】本発明のプレス乾燥方法とプレス乾燥装
置は、被乾燥材を内部まで理想的な状態で速やかに乾燥
できる特長がある。それは、本発明のプレス乾燥方法と
プレス乾燥装置が、被乾燥材を熱板でプレスして加熱し
ている密閉空間に、空気等の加圧気体を圧入して密閉空
間を所定の圧力に加圧するからである。密閉空間に供給
される空気等の加圧気体は、熱板で加熱される被乾燥材
に含まれる水分、あるいは、密閉空間に供給された水分
が沸騰して気化されるのを制限する。このため、熱板で
もって被乾燥材が内部まで速やかに加熱されると共に、
密閉空間の内圧をほとんど瞬時に設定圧力まで高くでき
る。したがって、密閉空間の被乾燥材は、所定の圧力に
加圧される状態で、熱板で内部まで加熱される。この状
態の被乾燥材は、熱板を開放し、あるいは、減圧して加
熱された水分を気化させることによって、極めて短時間
で乾燥される。
【0035】さらに、本発明のプレス乾燥方法とプレス
乾燥装置は、被乾燥材を爆裂させることなく、短時間で
速やかに乾燥できる特長がある。それは、本発明のプレ
ス乾燥方法とプレス乾燥装置が、密閉空間を所定の圧力
に保持して、熱板で被乾燥材を加熱した後、熱板で被乾
燥材をプレスする状態に保持して、密閉空間の圧力を低
下させて、被乾燥材に含まれる水分を除去しているから
である。このように、本発明のプレス乾燥方法とプレス
乾燥装置は、内部まで加熱された被乾燥材を、熱板でプ
レスする状態に保持して水分を除去するので、内部の水
分が瞬時に気化しても爆裂することなく、安全に、しか
も被乾燥材の品質を損なうことなく乾燥できる。このた
め、従来のように、爆裂が発生しない低い含水率まで、
長い時間をかけて被乾燥材を乾燥させる必要がなく、極
めて短時間で、しかも、被乾燥材の爆裂を確実に防止し
て、安全に、しかも高品質を維持して乾燥できる特長が
実現できる。
【0036】さらに、本発明のプレス乾燥方法とプレス
乾燥装置は、熱板でもって効率よく被乾燥材を加熱して
乾燥できるので、被乾燥材を乾燥するためのエネルギー
消費が極めて少なく、低コストに被乾燥材を能率よく乾
燥できる特長がある。また、被乾燥材が板状材である場
合、熱板でプレスして乾燥できるので、アイロン効果に
よって、乾燥された被乾燥材を歪のない平面状に修正で
きる特長もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のプレス乾燥装置を示す断面図
【符号の説明】
1…熱板 2…周壁 3…密閉空間 4…被乾燥材 6…押圧機構 7…真空ポンプ 8…パッキン 9…貫通孔 10…加圧気体源 11…大気開放弁 12…圧力制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B30B 15/34 B30B 15/34 A Fターム(参考) 2B200 AA05 AA07 CA02 DA04 EA06 EF01 EF02 EF11 EF24 FA24 FA31 2B230 AA01 AA04 AA15 AA16 AA27 BA01 BA03 BA17 BA18 CA30 CC30 DA01 EB05 EB06 EB11 EB12 EB13 EB29 EC02 EC04 EC24 2B260 AA01 AA12 BA01 CB01 DB01 DC20 DD01 EB02 EB04 EB05 EB06 EB21 EC08 EC18 3L113 AA01 AB05 AB09 AC05 AC08 AC24 AC28 AC45 AC46 AC63 AC67 AC77 AC90 BA26 BA29 CA08 CA10 CA16 DA02 DA06 DA10 DA19 DA21 DA24 4E090 AA01 AB01 DA09 DB01 DB10 HA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被乾燥材(4)を、熱板(1)でプレスして乾
    燥する方法において、 熱板(1)が被乾燥材(4)を、プレスしている密閉空間(3)
    に、加圧気体を圧入して密閉空間(3)の圧力を大気圧よ
    りも高くして、密閉空間(3)における水の沸点を100
    ℃よりも高くして、熱板(1)で被乾燥材(4)を加熱する加
    熱工程と、 加熱工程で被乾燥材(4)を加熱した後、熱板(1)で被乾燥
    材(4)をプレスする状態に保持して、密閉空間(3)の圧力
    を低下させて、被乾燥材(4)に含まれる水分を除去する
    圧力低下工程と、 圧力低下工程の後に、密閉空間(3)を開放して、被乾燥
    材(4)を密閉空間(3)から取り出す排出工程とからなるこ
    とを特徴とするプレス乾燥方法。
  2. 【請求項2】 圧力低下工程が、密閉空間(3)を大気に
    開放する大気開放工程である請求項1に記載されるプレ
    ス乾燥方法。
  3. 【請求項3】 圧力低下工程が、密閉空間(3)を大気に
    開放する大気開放工程と、この大気開放工程の後、密閉
    空間(3)を大気圧以下に減圧して被乾燥材(4)に含まれる
    水分を除去する減圧工程とからなる請求項1に記載され
    るプレス乾燥方法。
  4. 【請求項4】 被乾燥材(4)の表面をプレスして、被乾
    燥材(4)を密閉空間(3)で加熱する熱板(1)と、熱板(1)で
    被乾燥材(4)に押圧する押圧機構(6)と、熱板(1)を所定
    の温度に加熱する加熱機構と、熱板(1)が被乾燥材(4)を
    押圧する状態で、密閉空間(3)に加圧気体を供給して密
    閉空間における水の沸点を100℃以上にする加圧気体
    源(10)と、密閉空間(3)から加圧された気体を排出する
    排出機構とを備え、 熱板(1)が密閉空間(3)で被乾燥材(4)をプレスする状態
    で、加圧気体源(10)が密閉空間(3)に加圧空気を圧入し
    て、密閉空間(3)を所定の圧力に保持して、被乾燥材(4)
    を熱板(1)で加熱した後、熱板(1)が被乾燥材(4)をプレ
    スする状態に保持して、排出機構が密閉空間(3)から気
    体を排出して、被乾燥材(4)を乾燥させることを特徴と
    するプレス乾燥装置。
  5. 【請求項5】 排出機構が、密閉空間(3)に連結された
    真空ポンプ(7)を備え、真空ポンプ(7)が密閉空間(3)を
    大気圧よりも低く減圧して、密閉空間(3)の被乾燥材(4)
    を乾燥させる請求項4に記載されるプレス乾燥装置。
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