JP2000291408A - 高速回転ロータのアンバランス修正方法 - Google Patents

高速回転ロータのアンバランス修正方法

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JP2000291408A
JP2000291408A JP11094614A JP9461499A JP2000291408A JP 2000291408 A JP2000291408 A JP 2000291408A JP 11094614 A JP11094614 A JP 11094614A JP 9461499 A JP9461499 A JP 9461499A JP 2000291408 A JP2000291408 A JP 2000291408A
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rotor
unbalance
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rotation state
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JP11094614A
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Ryoji Koi
良治 小井
Jiro Takagi
二郎 高木
Takanori Fukuda
高則 福田
Akihide Okuyama
晃英 奥山
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータの高回転状態における撓みを考慮し
た、高速回転するロータのアンバランス修正を簡単に行
えるようにすることである。 【解決手段】 ロータ1が低回転状態および高回転状態
のときのロータ1の振動ベクトルを振動検出器3A,3
Bおよびパルス検出器4で計測し、計測振動ベクトル
に、予め求めた、修正面1a〜1dにおけるアンバラン
スベクトルの変化ベクトルと振動ベクトルの変化ベクト
ルとの線形関係に基づいて計測振動ベクトルを線形変換
して、計測振動ベクトルを0ベクトルまで減少するのに
必要な、アンバランスベクトルの変化ベクトルをアンバ
ランス修正ベクトルとして演算することで、ロータ1の
修正前に行う振動ベクトルの計測だけでロータ1の高回
転状態における撓みを考慮した修正内容を決定できるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高速回転ロータのア
ンバランス修正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ターボチャージャー等のようにきわめて
高い回転数で使用される装置の場合、回転するロータの
バランス取りはきわめて重要であり、製造工程において
ロータのアンバランス修正が行われている。高速回転す
るロータは高速回転時に撓みが生じ大きな振動が発生す
る原因となるため、かかる高速回転時における撓みを考
慮してロータのアンバランスを修正する必要がある。
【0003】従来、このような高速回転ロータのアンバ
ランス修正では、まずロータが撓みを生じない低速でロ
ータを回転し、この回転によって生じる撓みを全く考慮
しないアンバランスを計測し、このアンバランスに応じ
てロータに第1回目のアンバランス修正を施し、その
後、ロータが撓みを生じる高速でロータを回転し、撓み
を考慮した第2回目の修正を施すことが行われている。
しかし、アンバランス修正を2段階に行うため、時間と
手間を要する。そこで、特開昭58−11825号公報
記載の高速回転ロータの不つりあい計測方法では、低回
転状態でのアンバランスベクトル(アンバランスの大き
さ、およびロータの軸線に直交する回転面における軸線
を中心とする方向)に加え、静止状態における一定荷重
印加時のロータの撓み量、高速回転での偏心ベクトル、
ロータの共振周波数等を求め、これらのデータから所定
の演算式に従って撓みを考慮したアンバランスの修正内
容を求めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭58−11825号公報記載の高速回転ロータの不
つりあい計測方法は、静止状態におけるロータの撓み量
や共振周波数等、多種のデータを計測する必要があり、
製造工程の中で実施するには必ずしも現実的ではない。
【0005】本発明は上記実情に鑑みなされたもので、
簡単な方法で、ロータの修正すべきアンバランスを求め
ることができ、しかも1回のアンバランス修正で高速回
転状態でのロータの撓みを考慮したバランス取りを完了
することができる高速回転ロータのアンバランス修正方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、ロータを軸受けにて支持して回転せしめ、上記ロー
タの軸線回りのアンバランスを計測し、計測されたアン
バランスに応じてロータのアンバランスを修正する。詳
しくは、ロータの軸線に直交する所定の回転面におい
て、上記ロータが剛体とみなせる低回転状態でロータが
発生する振動の大きさと上記軸線を中心とする方向とよ
りなる振動ベクトルを計測するとともにロータが弾性体
とみなせる高回転状態でロータが発生する振動ベクトル
を計測する。予め求めた、ロータの軸線に直交する回転
面であってロータの修正しようとする回転面におけるロ
ータのアンバランスの大きさと上記軸線を中心とする方
向とよりなるアンバランスベクトルの変化ベクトルと振
動ベクトルの変化ベクトルとの線形関係に基づいて、計
測された振動ベクトルを線形変換して振動ベクトルが0
ベクトルのときのアンバランスベクトルの変化ベクトル
を演算する。該変化ベクトルに基づいてアンバランスを
修正する。
【0007】得られたアンバランスベクトルの変化ベク
トルは、ロータに修正を施す前の振動ベクトルを0ベク
トルとなるまで減少させる場合に、ロータの修正前にお
けるアンバランスベクトルに対して必要な修正ベクトル
であり、これをロータが弾性体とみなせる撓みを生じる
高回転状態を含め得られるので、ロータの撓みを考慮し
た修正が1回で可能である。そして、上記変化ベクトル
を得るのにロータの振動ベクトルを計測するだけでよ
く、ロータの共振周波数や撓み量や偏心ベクトルの計測
が不要であるから、作業が簡単で作業に要する時間も短
くて済む。また、必要なシステム構成が、実質的にロー
タの振動ベクトルを計測する構成だけでよいから簡単で
ある。したがって、製造工程での実施に好適である。
【0008】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、上記線形関係は、上記軸受けの数がn個
のとき、ロータの振動ベクトルを計測する回転面をn個
とし、上記修正しようとする回転面を2n個とし、上記
n個の振動ベクトル計測回転面における低回転状態の振
動ベクトルの2方向成分および高回転状態の振動ベクト
ルの2方向成分よりなる第1の4n次元ベクトルに、予
め求めた4n×4n行列を乗じて、上記2n個の修正回
転面における上記アンバランスベクトルの変化ベクトル
の2方向成分を成分とする第2の4n次元ベクトルを得
る線形変換とする。
【0009】軸受けの数がn個の場合、ロータの振動の
原因となる独立な軸受け反力が、低回転状態および高回
転状態合わせて2n存在する。修正しようとする回転面
を2n個とすることで、すべての軸受け反力を0とする
高精度な修正に過不足を生じない。そして、ロータの修
正前における2nのアンバランスベクトルに対して必要
な2nの修正ベクトルである、2nのアンバランスベク
トルの変化ベクトルが、上記4n×4n行列を用いた線
形変換により、上記の振動ベクトルから一意的に定ま
る。しかして、低回転状態においても高回転状態におい
ても振動ベクトルを0ベクトルとなるような高精度な修
正をすることができる。
【0010】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
発明において、低回転状態におけるアンバランスベクト
ルの変化ベクトルと振動ベクトルの変化ベクトルとの線
形関係に基づいて、低回転状態で計測された振動ベクト
ルを線形変換して振動ベクトルが0ベクトルのときのア
ンバランスベクトルの変化ベクトルを演算し、高回転状
態におけるアンバランスベクトルの変化ベクトルと振動
ベクトルの変化ベクトルとの線形関係に基づいて、高回
転状態で計測された振動ベクトルを線形変換して振動ベ
クトルが0ベクトルのときのアンバランスベクトルの変
化ベクトルを演算する。線形変換により得られた低回転
状態でのアンバランスベクトルの変化ベクトルと高回転
状態でのアンバランスベクトルの変化ベクトルとの重み
付き平均に基づいてアンバランスを修正する。
【0011】ロータに修正を施す前の振動ベクトルを0
ベクトルとなるまで減少させる場合に、ロータの修正前
におけるアンバランスベクトルに対して必要な修正ベク
トルであるアンバランスベクトルの変化ベクトルを、低
回転状態と高回転状態とに分けて求め、最終的な修正ベ
クトルを両変化ベクトルの重み付き平均として一定以上
の振動抑制効果を得られるようにすることで、演算の負
担を軽減してより簡単にアンバランス修正を行うことが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に本発明の
高速回転ロータのアンバランス修正方法を実施するため
のシステムの構成を示す。図例のロータ1はエンジンの
ターボチャージャー用のもので、シャフト部10の外周
にコンプレッサ用のブレード部11およびタービン用の
ブレード部12を備えている。ロータ1は、両ブレード
部11,12の間において回転自在に1対の軸受け2
A,2Bにより支持され、回転可能としてある。ロータ
1のブレード部11,12の周面に近接対向して振動検
出器3A,3Bが配置してあり、軸受け2A,2Bから
伝わるロータ1の振動を検出するようになっている。
【0013】また、ロータ1の一方のブレード部11の
端面に対向してパルス検出器4が設けてあり、ロータ1
の回転数および基準位相を検出するようになっている。
振動検出器3A,3Bの出力とパルス検出器4の出力と
から、後述するように振動ベクトル(振動の大きさおよ
びロータの軸線に直交する面(以下、回転面という)に
おける軸線を中心とする方向)が得られる。
【0014】ロータ1の修正しようとする回転面(以
下、修正面という)は4か所とし(1a,1b,1c,
1d)、修正の精度を高めている。ここで、4か所とし
たのは次の理由による。すなわち、図2に示すように、
1対の軸受け2A,2Bには、ロータ1の回転によりそ
れぞれ軸受け反力ベクトルが発生する。軸受け反力ベク
トルは、ロータ1が剛体とみなせる実質的に撓みのない
低回転状態(図2の(A))とロータ1が弾性体とみな
せる撓みが生じる高回転状態(図2の(B))とで異な
り、全回転域では4つの軸受け反力ベクトルが存在す
る。以下の説明において、上記低回転状態での軸受け反
力ベクトルを〈Fa 〉,〈Fb 〉とし、上記高回転状態
での軸受け反力ベクトルを〈Fc 〉,〈Fd 〉とする。
【0015】ここで、ロータ1が完全にバランスが取れ
た状態を考えると、これら4つの軸受け反力ベクトル
〈Fa 〉,〈Fb 〉,〈Fc 〉,〈Fd 〉はすべて0ベ
クトルである必要がある。したがって、ロータ1のアン
バランスを高い精度で修正するには、修正面1a〜1d
の数は軸受け2A,2Bの2倍の数、すなわち4つ必要
となり、各修正面1a〜1dにおけるアンバランスベク
トル(アンバランスの大きさおよび修正面1a〜1dに
おける上記軸線を中心とする方向)をそれぞれ計測する
必要がある。図例ではシャフト部10の先端部(締め付
け用ナット)に第1の修正面1aが、両ブレード部1
1,12の互いに対向する後端部に第2、第3の修正面
1b,1cが、シャフト部10の基端部に修正面1dが
設定される。
【0016】また、アンバランスベクトルを振動ベクト
ルとの線形関係により決定するので、上記高精度なアン
バランスの修正をするには低回転状態および高回転状態
合わせて4つの振動ベクトルが必要となる。振動検出器
3A,3Bは全回転域で共通であるから、修正面1a〜
1dの半数、すなわち軸受け2A,2Bと同じ数(2)
必要になる。
【0017】次にロータ1の回転により生じる撓み分を
考慮したアンバランスベクトルの計測について説明す
る。先ず、ロータ1を図略の動力により回転させる。ロ
ータ1は図3に示すように、修正面1aにおける修正前
のアンバランスベクトル(初期アンバランスベクトル)
を〈wa 〉、修正面1bにおける初期アンバランスベク
トルを〈wb 〉、修正面1cにおける初期アンバランス
ベクトルを〈wc 〉、修正面1dにおける初期アンバラ
ンスベクトルを〈wd 〉とする。ロータ1が回転すると
軸受け2A,2Bを伝わって振動が発生する。振動は振
動検出器3A,3Bにより検出され、パーソナルコンピ
ュータ等の図略の記録装置に取り込まれる。振動検出器
3A,3Bの出力の取り込みは、ロータ1の回転数を切
り換え、ロータ1が剛体とみなせる実質的に撓みを生じ
ない低回転状態と、ロータ1が弾性体とみなせる撓みを
生じる高回転状態とのそれぞれについて行う。
【0018】そして、振動検出器3A,3Bの振動出力
についてフーリエ解析を行い、振動出力のうちロータ1
の回転と同じ周波数の成分の大きさから振動ベクトルの
大きさを得る。また、振動ベクトルの方向を上記ロータ
の回転に対する、上記振動出力成分の位相差から得る。
振動ベクトルは、図4(A)に示すように、ロータ1が
剛体とみなせる低回転状態で第1の振動検出器3Aの出
力から得られた振動ベクトルを〈Ga 〉、第2の振動検
出器3Bの出力から得られた振動ベクトルを〈Gb 〉と
し、図4(B)に示すように、ロータ1が弾性体とみな
せる高回転状態で第1の振動検出器3Aの出力から得ら
れた振動ベクトルを〈Gc 〉、第2の振動検出器3Bの
出力から得られた振動ベクトルを〈Gd 〉とする。な
お、以下の説明において、〈wa 〉〜〈wd 〉、
〈Ga 〉〜〈Gd 〉等の2次元ベクトル〈kx 〉は適
宜、式(1)にしたがって記述する。
【0019】
【数1】
【0020】低回転状態、高回転状態における振動ベク
トル〈Ga 〉〜〈Gd 〉とアンバランスベクトル
〈wa 〉〜〈wd 〉との間に線形関係を表す式(2)が
成り立つ。なお、式中、〈G〉は振動ベクトル〈Ga
〜〈Gd 〉の直交する2方向成分を成分とする8次元ベ
クトルであり(式(2−1))、〈w〉は〈wa 〉〜
〈wd〉の直交する2方向成分を成分とする8次元ベク
トルである(式(2−2))。Aは8×8行列であり、
予め後述するアンバランス修正ベクトルが既知のロータ
について図1の計測システムにより4箇所の振動ベクト
ルを計測し、求めておく。
【0021】
【数2】
【0022】次にロータ1のバランスが完全に取れた状
態を考えると、その状態では振動は発生しない。すなわ
ち振動ベクトル〈Ga 〉〜〈Gd 〉は〈0〉(0ベクト
ル)であるから、この状態での、各修正面1a〜1dで
のアンバランスベクトル〈w a 〉を〈wa0〉、〈wb
を〈wb0〉、〈wc 〉を〈wc0〉、〈wd 〉を〈wd0
とすると、式(2)は式(2)’となる。
【0023】
【数3】
【0024】ここで各修正面1a〜1dでの〈G〉=
〈0〉からのアンバランスベクトルのずれ、すなわち
〈wa 〉−〈wa0〉をΔ〈wa 〉、〈wb 〉−〈wb0
をΔ〈w b 〉、〈wc 〉−〈wc0〉をΔ〈wc 〉、〈w
d 〉−〈wd0〉をΔ〈wd 〉とすると、(2)−
(2)’から、次の式(3)が成立する。なお、式中、
-1は行列Aの逆行列である。
【0025】
【数4】
【0026】したがって、低回転状態、高回転状態での
振動ベクトル〈Ga 〉〜〈Gd 〉を計測することによ
り、〈G〉=〈0〉からのアンバランスベクトルのずれ
Δ〈w a 〉,Δ〈wb 〉,Δ〈wc 〉,Δ〈wd 〉が得
られる。このアンバランスベクトルのずれΔ〈wa 〉〜
Δ〈wd 〉は、これを相殺するロータ1の修正をするこ
とでロータ1の修正前のアンバランスを解消することが
できるので、各修正面1a〜1dにおける修正量および
修正部位(修正面1a〜1dにおけるロータ1の軸線を
中心とする方向)を示すアンバランス修正ベクトルΔ
〈wa 〉〜Δ〈wd〉となる。
【0027】しかして、振動検出器3A,3B、パルス
検出器4の出力から振動ベクトル〈Ga 〉〜〈Gd 〉を
求め、これらの2方向成分(式(1)参照)を成分とす
る第1の8次元ベクトルに行列A-1を乗じて第2の8次
元ベクトルに線形変換し、該第2の8次元ベクトルの成
分から、アンバランス修正ベクトルΔ〈wa 〉〜Δ〈w
d 〉の2方向成分を求める。
【0028】次いで、各修正面1a〜1dにおいて、ア
ンバランス修正ベクトルΔ〈wa 〉〜Δ〈wd 〉の示す
方向の部位にてアンバランス修正ベクトルΔ〈wa 〉〜
Δ〈wd 〉の大きさに応じた量、表面を削りアンバラン
ス修正を完了する。
【0029】このように、本アンバランス修正方法によ
れば、修正前のロータ1について、ロータ1の回転速度
を2段階に切り換えて振動ベクトルを計測することによ
り、ロータ1に撓みが生じる高回転状態においても、撓
みが生じない低回転状態においても振動が生じないよう
に、1回でアンバランス修正を行うことができる。そし
て、アンバランス修正ベクトルを求めるのにロータ1の
振動を検出するだけでよく、ロータ1の共振周波数や撓
み量や偏心ベクトルの計測が不要であるから、作業が簡
単で作業時間も短くて済む。また、必要なシステム構成
が、実質的に振動検出器3A,3Bとパルス検出器4と
からなる振動ベクトル計測用の構成だけで済み簡単であ
る。したがって、製造工程での実施に好適であり、ロー
タが製品に組み込まれた後、すなわち実動状態でのアン
バランス修正を行うこともできる。
【0030】(第2実施形態)ロータに要求される仕様
等によって低回転状態と高回転状態との両方でアンバラ
ンスを高精度に修正しなくとも一定のレベルに達してお
ればよい場合、または、低回転状態と高回転状態とでバ
ランスポイントが比較的近い場合には、第1実施形態の
方法を簡略化してアンバランスの修正を行うこともでき
る。図5にかかる簡略化したアンバランスの修正方法を
実施するシステム構成を示す。図中、第1実施形態と同
じ番号を付した部分は実質的に同じ作動をするので、第
1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0031】振動検出器3Cは、ロータ1の軸受け2B
近傍位置に1つだけ配置してあり、したがって第1実施
形態とは異なり振動出力は単一である。この振動出力が
ロータ1の振動を代表する。
【0032】修正面は1つだけ(1a)である。
【0033】ロータ1のアンバランスベクトルの計測
は、第1実施形態のごとくロータ1を回転させて、低回
転状態における振動検出器3Cの出力と高回転状態にお
ける振動検出器3Cの出力とを取り込み、低回転状態、
高回転状態における軸受け2A,2Bを伝わって発生す
る振動のデータを得る。
【0034】ここで、低回転状態での振動ベクトルを
〈Gl 〉とし、アンバランスベクトルを〈wl 〉とす
る。高回転状態での振動ベクトルを〈Gh 〉とし、アン
バランスベクトルを〈wh 〉とする。これらアンバラン
スベクトル〈wl 〉と振動ベクトル〈Gl 〉との間、ア
ンバランスベクトル〈wh 〉と振動ベクトル〈Gh 〉と
の間に線形な関係があるので、低回転状態において〈G
l 〉=〈0〉とするのに必要なアンバランス修正ベクト
ルをΔ〈wl 〉、高回転状態において〈Gh 〉=〈0〉
とするのに必要なアンバランス修正ベクトルをΔ
〈wh 〉とすると、式(4)、式(5)が成立する。A
l ,Ah は2×2行列であり、予めアンバランスベクト
ルが既知のロータについて、図5のシステムにより振動
ベクトルを計測し、求めておく。
【0035】
【数5】
【0036】しかして、低回転状態と高回転状態とのそ
れぞれについて振動検出器3Cおよびパルス検出器4に
より振動ベクトル〈Gl 〉,〈Gh 〉を求め、式
(4)、式(5)に基づいてアンバランス修正ベクトル
Δ〈wl 〉,Δ〈wh 〉を得る。
【0037】次いでアンバランス修正ベクトルΔ
〈wl 〉,Δ〈wh 〉から、最終的な修正面1aにおけ
るアンバランス修正ベクトルΔ〈w〉を求める(図
7)。アンバランス修正ベクトルΔ〈w〉は、Δ
〈wl 〉,Δ〈wh 〉の重み付き平均(図8)である式
(6)にしたがい求める。
【0038】
【数6】
【0039】ここで、重み係数β(0≦β≦1)は低回
転状態でのアンバランスと高回転状態でのアンバランス
との、ロータの振動への影響度、必要な振動抑制レベル
から決定する。
【0040】このように本実施形態のアンバランス修正
方法によれば、線形変換に用いる行列が2つの2×2行
列だけで一定の振動抑制効果の得られるアンバランス修
正ベクトルを求めることができ、演算負担を軽減するこ
とができる。しかも、システム構成が第1実施形態より
も振動検出器の数が少ない。したがって、ロータを装置
に組み込んだ状態での実施がさらに容易である。
【0041】なお、上記各実施形態はターボチャージャ
ー用のロータに適用した例を示したが、必ずしもこれに
限定されるものではなく、高速回転するロータであれ
ば、本発明の趣旨に反しない限り任意である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高速回転ロータのアンバランス修正方
法を実施するシステムの構成を示す図である。
【図2】(A),(B)はそれぞれ本発明の高速回転ロ
ータのアンバランス修正方法を説明する第1、第2の図
である。
【図3】本発明の高速回転ロータのアンバランス修正方
法を説明する第3の図である。
【図4】(A),(B)はそれぞれ本発明の高速回転ロ
ータのアンバランス修正方法を説明する第4、第5の図
である。
【図5】本発明の別の高速回転ロータのアンバランス修
正方法を実施するシステムの構成を示す図である。
【図6】(A),(B)はそれぞれ本発明の別の高速回
転ロータのアンバランス修正方法を説明する第1、第2
の図である。
【図7】本発明の別の高速回転ロータのアンバランス修
正方法を説明する第3の図である。
【図8】本発明の別の高速回転ロータのアンバランス修
正方法を説明する第4の図である。
【符号の説明】
1 ロータ 1a,1b,1c,1d 修正面 2A,2B 軸受け 3A,3B,3C 振動検出器 4 パルス検出器
フロントページの続き (72)発明者 高木 二郎 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 福田 高則 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 奥山 晃英 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G002 AA07 AB00 AB06 3G005 EA04 EA16 FA00 GB78 GB79 KA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータを軸受けにて支持して回転せし
    め、上記ロータの軸線回りのアンバランスを計測し、計
    測されたアンバランスに応じてロータのアンバランスを
    修正する高速回転ロータのアンバランス修正方法であっ
    て、ロータの軸線に直交する所定の回転面において、上
    記ロータが剛体とみなせる低回転状態でロータが発生す
    る振動の大きさと上記軸線を中心とする方向とよりなる
    振動ベクトルを計測するとともにロータが弾性体とみな
    せる高回転状態でロータが発生する振動ベクトルを計測
    し、予め求めた、ロータの軸線に直交する回転面であっ
    てロータの修正しようとする回転面におけるロータのア
    ンバランスの大きさと上記軸線を中心とする方向とより
    なるアンバランスベクトルの変化ベクトルと振動ベクト
    ルの変化ベクトルとの線形関係に基づいて、計測された
    振動ベクトルを線形変換して振動ベクトルが0ベクトル
    のときのアンバランスベクトルの変化ベクトルを演算
    し、該変化ベクトルに基づいてアンバランスを修正する
    ことを特徴とする高速回転ロータのアンバランス修正方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高速回転ロータのアンバ
    ランス修正方法において、上記線形関係は、上記軸受け
    の数がn個のとき、ロータの振動ベクトルを計測する回
    転面をn個とし、上記修正しようとする回転面を2n個
    とし、上記n個の振動ベクトル計測回転面における低回
    転状態の振動ベクトルの2方向成分および高回転状態の
    振動ベクトルの2方向成分よりなる第1の4n次元ベク
    トルに、予め求めた4n×4n行列を乗じて、上記2n
    個の修正回転面における上記アンバランスベクトルの変
    化ベクトルの2方向成分を成分とする第2の4n次元ベ
    クトルを得る線形変換である高速回転ロータのアンバラ
    ンス修正方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の高速回転ロータのアンバ
    ランス修正方法において、低回転状態におけるアンバラ
    ンスベクトルの変化ベクトルと振動ベクトルの変化ベク
    トルとの線形関係に基づいて、低回転状態で計測された
    振動ベクトルを線形変換して振動ベクトルが0ベクトル
    のときのアンバランスベクトルの変化ベクトルを演算
    し、高回転状態におけるアンバランスベクトルの変化ベ
    クトルと振動ベクトルの変化ベクトルとの線形関係に基
    づいて、高回転状態で計測された振動ベクトルを線形変
    換して振動ベクトルが0ベクトルのときのアンバランス
    ベクトルの変化ベクトルを演算し、線形変換により得ら
    れた低回転状態でのアンバランスベクトルの変化ベクト
    ルと高回転状態でのアンバランスベクトルの変化ベクト
    ルとの重み付き平均に基づいてアンバランスを修正する
    高速回転ロータのアンバランス修正方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007327369A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Toshiba Corp 回転機器の低速バランス法及び低速バランス実施装置
WO2008076630A1 (en) * 2006-12-17 2008-06-26 Borgwarner Inc. Turbocharger boost assist device

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