JP2000291380A - 樋門における遮水壁築造方法 - Google Patents
樋門における遮水壁築造方法Info
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- JP2000291380A JP2000291380A JP11094880A JP9488099A JP2000291380A JP 2000291380 A JP2000291380 A JP 2000291380A JP 11094880 A JP11094880 A JP 11094880A JP 9488099 A JP9488099 A JP 9488099A JP 2000291380 A JP2000291380 A JP 2000291380A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】地盤の沈下に追従して遮水壁が沈下するのを防
ぎ、遮水性を大幅に向上させて河川の水漏れによる堤防
決壊を未然に防止すること。 【解決手段】樋門1の両側部に発進立坑13および到達
立坑14を設け、発進立坑13から箱型推進管18を順
次連結しながら樋門1の下部へ推進させ、先頭の掘進機
16のカッター17で掘進してゆく。掘進機16が到達
立坑14へ到達した後、箱型推進管18と樋門1の底板
23とをアンカーボルトなどの固定部材により一体に連
結し、その後箱型推進管18の内部に発泡モルタルなど
の充填材を充填する。充填材が充填された箱型推進管1
8はそのまま地中に残留して遮水壁として機能する。
ぎ、遮水性を大幅に向上させて河川の水漏れによる堤防
決壊を未然に防止すること。 【解決手段】樋門1の両側部に発進立坑13および到達
立坑14を設け、発進立坑13から箱型推進管18を順
次連結しながら樋門1の下部へ推進させ、先頭の掘進機
16のカッター17で掘進してゆく。掘進機16が到達
立坑14へ到達した後、箱型推進管18と樋門1の底板
23とをアンカーボルトなどの固定部材により一体に連
結し、その後箱型推進管18の内部に発泡モルタルなど
の充填材を充填する。充填材が充填された箱型推進管1
8はそのまま地中に残留して遮水壁として機能する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遮水壁の築造方法に
関し、特に、排水を河川へ放流したり河川から用水を取
り込んだりするための樋門における遮水壁築造方法に関
するものである。
関し、特に、排水を河川へ放流したり河川から用水を取
り込んだりするための樋門における遮水壁築造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は従来の樋門の断面図を示してい
る。図において、樋門1には門柱2および開閉ゲート3
が設けられ、これらに隣接して樋管4が堤体5を貫通し
て敷設されている。樋管4はコンクリートの函体からな
り、その内部の管路4aを流れてきた下水などの排水
は、開閉ゲート3を通して河川6に放流される。7は樋
門1と連続して設けられた翼壁、8は樋管4を支持する
基礎杭、9は鋼矢板からなる遮水壁、10は樋門1と堤
体5との間に架設された管理橋、11は基礎杭8が打ち
込まれた地盤である。
る。図において、樋門1には門柱2および開閉ゲート3
が設けられ、これらに隣接して樋管4が堤体5を貫通し
て敷設されている。樋管4はコンクリートの函体からな
り、その内部の管路4aを流れてきた下水などの排水
は、開閉ゲート3を通して河川6に放流される。7は樋
門1と連続して設けられた翼壁、8は樋管4を支持する
基礎杭、9は鋼矢板からなる遮水壁、10は樋門1と堤
体5との間に架設された管理橋、11は基礎杭8が打ち
込まれた地盤である。
【0003】上記のような構造において樋管4を配設す
るには、堤体5を開削して基礎杭8を地盤11に打ち込
み、この基礎杭8の上にコンクリート製の樋管4を構築
する剛支持方式と呼ばれている工法が採用される。
るには、堤体5を開削して基礎杭8を地盤11に打ち込
み、この基礎杭8の上にコンクリート製の樋管4を構築
する剛支持方式と呼ばれている工法が採用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような剛支持方式
によって樋管4を構築した場合、地盤11が軟弱地盤で
あると、地盤11の沈下によって図13に示したように
樋門1の下方に空隙12が生じる。このような空隙12
が存在すると、河川6の水が空隙12へ進入して堤体5
の土を吸出し、ついには堤防の決壊を引き起こすおそれ
がある。
によって樋管4を構築した場合、地盤11が軟弱地盤で
あると、地盤11の沈下によって図13に示したように
樋門1の下方に空隙12が生じる。このような空隙12
が存在すると、河川6の水が空隙12へ進入して堤体5
の土を吸出し、ついには堤防の決壊を引き起こすおそれ
がある。
【0005】この対策として、図13においては鋼矢板
からなる遮水壁9を設けて水漏れを防ぐようにしている
が、従来の遮水壁9は単に地盤11に埋め込まれている
だけであるため、地盤11が沈下すればそれに伴って遮
水壁9も沈下し、遮水壁9は樋管4と遊離して遮水機能
を果たさず、依然として河川6の水漏れによる堤防決壊
の危険性があった。
からなる遮水壁9を設けて水漏れを防ぐようにしている
が、従来の遮水壁9は単に地盤11に埋め込まれている
だけであるため、地盤11が沈下すればそれに伴って遮
水壁9も沈下し、遮水壁9は樋管4と遊離して遮水機能
を果たさず、依然として河川6の水漏れによる堤防決壊
の危険性があった。
【0006】本発明は、上述した剛支持方式における問
題点を解決するものであって、遮水性を大幅に向上させ
て、河川の水漏れによる堤防決壊を未然に防止すること
を課題としている。
題点を解決するものであって、遮水性を大幅に向上させ
て、河川の水漏れによる堤防決壊を未然に防止すること
を課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、発進立坑から箱型推進管を樋門の下部へ推
進させ、到達立坑へ到達後に箱型推進管と樋門の底板と
を一体に連結して、箱型推進管の内部に充填材を充填す
るようにしたものである。
に本発明は、発進立坑から箱型推進管を樋門の下部へ推
進させ、到達立坑へ到達後に箱型推進管と樋門の底板と
を一体に連結して、箱型推進管の内部に充填材を充填す
るようにしたものである。
【0008】このような本発明においては、充填材が充
填された箱型推進管が遮水壁として地中に残留し、この
遮水壁と樋門の底板とは一体に連結されていることか
ら、地盤が沈下しても遮水壁が追従して沈下することは
なく、遮水壁と樋門との間に空隙は生じない。
填された箱型推進管が遮水壁として地中に残留し、この
遮水壁と樋門の底板とは一体に連結されていることか
ら、地盤が沈下しても遮水壁が追従して沈下することは
なく、遮水壁と樋門との間に空隙は生じない。
【0009】また、本発明では、樋門の底板下面をカッ
ターで切削しながら箱型推進管を推進する。これによ
り、底板下面の凹凸が平坦化されて箱型推進管と底板と
の密着性が良好となり、遮水性能が向上する。
ターで切削しながら箱型推進管を推進する。これによ
り、底板下面の凹凸が平坦化されて箱型推進管と底板と
の密着性が良好となり、遮水性能が向上する。
【0010】また、本発明では、箱型推進管の下部に設
けた圧力調整機構により箱型推進管の上面を樋門の底板
下面に当接させながら推進する。これにより箱型推進管
と底板との密着性がさらに良好となり、遮水性能が一層
向上する。
けた圧力調整機構により箱型推進管の上面を樋門の底板
下面に当接させながら推進する。これにより箱型推進管
と底板との密着性がさらに良好となり、遮水性能が一層
向上する。
【0011】また、本発明では、箱型推進管と樋門の底
板との間に注入材を注入する。これにより箱型推進管と
底板との間に間隙がなくなり、遮水性能がより一層向上
する。
板との間に注入材を注入する。これにより箱型推進管と
底板との間に間隙がなくなり、遮水性能がより一層向上
する。
【0012】また、本発明では、箱型推進管の上面に形
成した流路溝に注入材を流す。これにより注入材が箱型
推進管と底板との間にくまなく行き渡り、遮水性能がよ
り一層向上する。
成した流路溝に注入材を流す。これにより注入材が箱型
推進管と底板との間にくまなく行き渡り、遮水性能がよ
り一層向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
につき、図を参照しながら説明する。図10は本発明の
遮水壁築造方法が適用された樋門の側面断面図、図11
はその平面断面図である。図において、樋門1には門柱
2および開閉ゲート3が設けられ、これらに隣接して樋
管4が堤体5を貫通して敷設されている。樋管4はコン
クリートの函体からなり、その内部の管路4aを流れて
きた下水などの排水は、開閉ゲート3を通して河川6に
放流される。7は樋門1と連続して設けられた翼壁、8
は樋管4を支持する基礎杭、10は樋門1と堤体5との
間に架設された管理橋である。また、4bは樋管4の両
側方へ突出して形成された胸壁、13、14はそれぞれ
後述する発進立坑、到達立坑である。100は本発明の
方法によって築造された遮水壁であり、ここでは遮水壁
100は門柱2の下方に設けられている。図12は遮水
壁100の部分の拡大断面図を示している。
につき、図を参照しながら説明する。図10は本発明の
遮水壁築造方法が適用された樋門の側面断面図、図11
はその平面断面図である。図において、樋門1には門柱
2および開閉ゲート3が設けられ、これらに隣接して樋
管4が堤体5を貫通して敷設されている。樋管4はコン
クリートの函体からなり、その内部の管路4aを流れて
きた下水などの排水は、開閉ゲート3を通して河川6に
放流される。7は樋門1と連続して設けられた翼壁、8
は樋管4を支持する基礎杭、10は樋門1と堤体5との
間に架設された管理橋である。また、4bは樋管4の両
側方へ突出して形成された胸壁、13、14はそれぞれ
後述する発進立坑、到達立坑である。100は本発明の
方法によって築造された遮水壁であり、ここでは遮水壁
100は門柱2の下方に設けられている。図12は遮水
壁100の部分の拡大断面図を示している。
【0014】図1は遮水壁100の築造方法を説明する
図であって、図11のA−Aにおける断面図である。図
1において、図10〜図12と同一部分には同一符号を
付してある。以下、図1に基づいて遮水壁100を築造
する方法を説明する。
図であって、図11のA−Aにおける断面図である。図
1において、図10〜図12と同一部分には同一符号を
付してある。以下、図1に基づいて遮水壁100を築造
する方法を説明する。
【0015】まず樋門1の門柱2の両側部に発進立坑1
3および到達立坑14を設け、発進立坑13の下部に推
進ジャッキ15を設置する。次に、発進立坑13内にカ
ッター17を有する掘進機16を入れ、推進ジャッキ1
5によって掘進機16の後部を押して、カッター17を
回転させながら掘進機16を樋門1の底板23の下部へ
推進させる。掘進機16がある程度推進したら、掘進機
16に箱型推進管18aを連結し、推進ジャッキ15に
よって箱型推進管18aの後部を押して、掘進機16を
さらに推進させる。掘進機16がある程度推進した時点
で、箱型推進管18aに箱型推進管18bを連結し、推
進ジャッキ15によって箱型推進管18bの後部を押し
ながらさらに推進を継続する。このようにして、箱型推
進管18a,18b,18c,…(以下、箱型推進管1
8と記す)を順次連結しながら、樋門1の底板23の下
部をカッター17によって掘進してゆく。なお、19は
発進立坑13の外部に設置したカッター用油圧ユニット
である。
3および到達立坑14を設け、発進立坑13の下部に推
進ジャッキ15を設置する。次に、発進立坑13内にカ
ッター17を有する掘進機16を入れ、推進ジャッキ1
5によって掘進機16の後部を押して、カッター17を
回転させながら掘進機16を樋門1の底板23の下部へ
推進させる。掘進機16がある程度推進したら、掘進機
16に箱型推進管18aを連結し、推進ジャッキ15に
よって箱型推進管18aの後部を押して、掘進機16を
さらに推進させる。掘進機16がある程度推進した時点
で、箱型推進管18aに箱型推進管18bを連結し、推
進ジャッキ15によって箱型推進管18bの後部を押し
ながらさらに推進を継続する。このようにして、箱型推
進管18a,18b,18c,…(以下、箱型推進管1
8と記す)を順次連結しながら、樋門1の底板23の下
部をカッター17によって掘進してゆく。なお、19は
発進立坑13の外部に設置したカッター用油圧ユニット
である。
【0016】図4は、掘進機16とこれに連結された箱
型推進管18を示す斜視図である。掘進機16には1対
の回転式のカッター17が設けられており、これらのカ
ッター17は互いに逆方向に回転するようになってい
る。また、カッター17の後方には図示しない送水管と
排水管が設けられていて、発進立坑13の外部から供給
される水を送水管から吐出させながらカッター17を回
転させて掘進を行う。また、吐出された水は排水管から
発進立坑13の外部へ排出される。
型推進管18を示す斜視図である。掘進機16には1対
の回転式のカッター17が設けられており、これらのカ
ッター17は互いに逆方向に回転するようになってい
る。また、カッター17の後方には図示しない送水管と
排水管が設けられていて、発進立坑13の外部から供給
される水を送水管から吐出させながらカッター17を回
転させて掘進を行う。また、吐出された水は排水管から
発進立坑13の外部へ排出される。
【0017】箱型推進管18は両側部が開放された中空
の鋼板から形成され、ボルト21によって掘進機16と
連結されている。また、箱型推進管18同士もボルト2
1によって連結されている。なお、ボルト21に代えて
溶接により連結してもよい。箱型推進管18は内部に人
間が入ることのできる程度の寸法に形成されており、図
4における寸法a、b、cは、たとえばa=3m、b=
2m、c=0.6mとなっている。また、箱型推進管1
8の上面には、後述するアンカーボルトが挿通される孔
22が穿設されている。
の鋼板から形成され、ボルト21によって掘進機16と
連結されている。また、箱型推進管18同士もボルト2
1によって連結されている。なお、ボルト21に代えて
溶接により連結してもよい。箱型推進管18は内部に人
間が入ることのできる程度の寸法に形成されており、図
4における寸法a、b、cは、たとえばa=3m、b=
2m、c=0.6mとなっている。また、箱型推進管1
8の上面には、後述するアンカーボルトが挿通される孔
22が穿設されている。
【0018】以上のようにして、図1において掘進機1
6のカッター17で掘進を行ってゆき、掘進機16が到
達立坑14に到達して先頭の箱型推進管18aが底板2
3の端部まで達したら、掘進機16を外部へ回収する。
そして次に、図2のように、箱型推進管18と底板23
とを固定部材であるアンカーボルト24で連結して一体
化する。この作業は、箱型推進管18の内部から孔22
(図4)を通して底板23にアンカーボルト24を打設
することにより行う。なお、図2では簡略化のために、
各箱型推進管18についてアンカーボルト24は1本だ
け図示してある。
6のカッター17で掘進を行ってゆき、掘進機16が到
達立坑14に到達して先頭の箱型推進管18aが底板2
3の端部まで達したら、掘進機16を外部へ回収する。
そして次に、図2のように、箱型推進管18と底板23
とを固定部材であるアンカーボルト24で連結して一体
化する。この作業は、箱型推進管18の内部から孔22
(図4)を通して底板23にアンカーボルト24を打設
することにより行う。なお、図2では簡略化のために、
各箱型推進管18についてアンカーボルト24は1本だ
け図示してある。
【0019】こうして箱型推進管18と底板23とをア
ンカーボルト24によって一体化した後、図3のよう
に、箱型推進管18の内部に充填材25を充填する。こ
の充填は、両端に位置する箱型推進管18の側方開放部
から充填材25を注入することにより行われる。充填材
25としては、たとえば発泡モルタルが用いられる。
ンカーボルト24によって一体化した後、図3のよう
に、箱型推進管18の内部に充填材25を充填する。こ
の充填は、両端に位置する箱型推進管18の側方開放部
から充填材25を注入することにより行われる。充填材
25としては、たとえば発泡モルタルが用いられる。
【0020】このようにして充填材25が充填された箱
型推進管18は、そのまま地中に残留して遮水壁100
として機能する。そして、この遮水壁100はアンカー
ボルト24によって樋門1の底板23と一体化されてい
るので、たとえ樋門1の下方の地盤が沈下したとして
も、遮水壁100がそれに追従して沈下することはな
く、樋門1との間に間隙は生じない。このため、高い遮
水性能を維持して河川の水漏れを有効に防止することが
できる。
型推進管18は、そのまま地中に残留して遮水壁100
として機能する。そして、この遮水壁100はアンカー
ボルト24によって樋門1の底板23と一体化されてい
るので、たとえ樋門1の下方の地盤が沈下したとして
も、遮水壁100がそれに追従して沈下することはな
く、樋門1との間に間隙は生じない。このため、高い遮
水性能を維持して河川の水漏れを有効に防止することが
できる。
【0021】ところで、樋門1の底板23はコンクリー
トで形成されていて、その下面には凹凸が存在する。そ
こで、図1においてはこの下面をカッター17で少し切
削しながら掘進することにより、底板23の下面を平坦
にしている。こうすれば、箱型推進管18と底板23と
の密着性が良好となるため、遮水性能が向上する。
トで形成されていて、その下面には凹凸が存在する。そ
こで、図1においてはこの下面をカッター17で少し切
削しながら掘進することにより、底板23の下面を平坦
にしている。こうすれば、箱型推進管18と底板23と
の密着性が良好となるため、遮水性能が向上する。
【0022】また、図1においては箱型推進管18の下
部に圧力調整機構26を設けている。図6は圧力調整機
構26の詳細を示している。圧力調整機構26は圧力調
整板27と、これに連結されて箱型推進管18の底面に
おいて螺合したネジ体28とを備えている。圧力調整板
27は剛体の金属からなり、推進しやすいように端部2
7aが上方に湾曲されたソリ型に形成されている。そし
て、ネジ体28を回転させることにより、圧力調整板2
7は上下方向に移動できるようになっている。
部に圧力調整機構26を設けている。図6は圧力調整機
構26の詳細を示している。圧力調整機構26は圧力調
整板27と、これに連結されて箱型推進管18の底面に
おいて螺合したネジ体28とを備えている。圧力調整板
27は剛体の金属からなり、推進しやすいように端部2
7aが上方に湾曲されたソリ型に形成されている。そし
て、ネジ体28を回転させることにより、圧力調整板2
7は上下方向に移動できるようになっている。
【0023】上記圧力調整機構26において、圧力調整
板27を土面29へ押し付ける方向にネジ体28を回転
させると、圧力調整板27は土面29と当接してそれ以
上は動かないから、その反動として箱型推進管18が上
方へ移動して、図1のようにその上面が底板23の下面
に当接する。このように、箱型推進管18の上面を底板
23の下面に当接させながら掘進するようにすれば、樋
門1と遮水壁100との密着性がさらに良好となり、遮
水性能が一層向上する。ここで、ネジ体28に代えて油
圧ジャッキを用いることも可能である。
板27を土面29へ押し付ける方向にネジ体28を回転
させると、圧力調整板27は土面29と当接してそれ以
上は動かないから、その反動として箱型推進管18が上
方へ移動して、図1のようにその上面が底板23の下面
に当接する。このように、箱型推進管18の上面を底板
23の下面に当接させながら掘進するようにすれば、樋
門1と遮水壁100との密着性がさらに良好となり、遮
水性能が一層向上する。ここで、ネジ体28に代えて油
圧ジャッキを用いることも可能である。
【0024】なお、図2においてアンカーボルト24に
よって箱型推進管18を底板23と一体化する前に、箱
型推進管18と底板23との間に注入材を注入するよう
にすれば、遮水性能はより一層向上する。この場合の注
入材としては、無収縮モルタルのような弾性注入材が好
ましい。そしてこの場合、図9に示すように、箱型推進
管18の上面に流路溝40を形成し、この流路溝40に
注入材を流すようにすれば、注入材が箱型推進管18と
底板23との間にくまなく行き渡る。
よって箱型推進管18を底板23と一体化する前に、箱
型推進管18と底板23との間に注入材を注入するよう
にすれば、遮水性能はより一層向上する。この場合の注
入材としては、無収縮モルタルのような弾性注入材が好
ましい。そしてこの場合、図9に示すように、箱型推進
管18の上面に流路溝40を形成し、この流路溝40に
注入材を流すようにすれば、注入材が箱型推進管18と
底板23との間にくまなく行き渡る。
【0025】図7および図8は、アンカーボルト24を
打設する場合の施工例を示している。図7において、3
0は油圧削孔機、31は送水口、32は油圧削孔機30
の回転ロッド、33は回転ロッド32が挿通されたバル
ブ、34はバルブ33と回転ロッド32との間の液漏れ
を防ぐ止水パッキン、35は排水管、35aは排水管3
5に設けられた排水弁、36は箱型推進管18の上面の
裏側に取り付けられたソケット、37は上述した箱型推
進管18と底板23との間に注入された注入材、38は
回転ロッド32の先端に設けられたビットである。
打設する場合の施工例を示している。図7において、3
0は油圧削孔機、31は送水口、32は油圧削孔機30
の回転ロッド、33は回転ロッド32が挿通されたバル
ブ、34はバルブ33と回転ロッド32との間の液漏れ
を防ぐ止水パッキン、35は排水管、35aは排水管3
5に設けられた排水弁、36は箱型推進管18の上面の
裏側に取り付けられたソケット、37は上述した箱型推
進管18と底板23との間に注入された注入材、38は
回転ロッド32の先端に設けられたビットである。
【0026】上記構成においてアンカーボルトを打設す
るには、まず、油圧削孔機30を駆動して回転ロッド3
2を回転させ、回転ロッド32の先頭に設けられたビッ
ト38により箱型推進管18の上面を穿孔する。続いて
注入材37の部分にも穿孔し、さらに底板23を掘削し
てボルト穴39を形成する。この場合、バルブ33を開
状態にして、送水口31から回転ロッド32の先端部に
水を送り込みながら穿孔、掘削を行う。送り込まれた水
は、排水弁35aを開状態にすることで排水管35から
排水される。
るには、まず、油圧削孔機30を駆動して回転ロッド3
2を回転させ、回転ロッド32の先頭に設けられたビッ
ト38により箱型推進管18の上面を穿孔する。続いて
注入材37の部分にも穿孔し、さらに底板23を掘削し
てボルト穴39を形成する。この場合、バルブ33を開
状態にして、送水口31から回転ロッド32の先端部に
水を送り込みながら穿孔、掘削を行う。送り込まれた水
は、排水弁35aを開状態にすることで排水管35から
排水される。
【0027】なお、箱型推進管18の上面を穿孔した
後、ボルト穴39を掘削する前に、図7の装置を用いて
注入材37の注入を行うことができる。この注入にあた
っては、排水管35を取り外して、代わりに注入管(図
示省略)を取り付ける。そして、バルブ33を閉状態に
して注入管より注入材37を注入する。注入された注入
材37は箱型推進管18の上面と底板23との間隙に充
填される。
後、ボルト穴39を掘削する前に、図7の装置を用いて
注入材37の注入を行うことができる。この注入にあた
っては、排水管35を取り外して、代わりに注入管(図
示省略)を取り付ける。そして、バルブ33を閉状態に
して注入管より注入材37を注入する。注入された注入
材37は箱型推進管18の上面と底板23との間隙に充
填される。
【0028】底板23にボルト穴39が形成されれば、
油圧削孔機30の駆動を停止して回転ロッド32を回収
し、バルブ33をソケット36から取り外す。そして、
図8に示すように、アンカーボルト24をソケット36
および箱型推進管18の上面に穿孔された孔22を通し
てボルト穴39に進入させ、ボルト24の中空部に棒芯
(図示省略)を打ち込むと、ボルト24の先端部24a
が拡開してボルト24は抜け止めされ、箱型推進管18
はアンカーボルト24によって底板23と一体的に連結
される。
油圧削孔機30の駆動を停止して回転ロッド32を回収
し、バルブ33をソケット36から取り外す。そして、
図8に示すように、アンカーボルト24をソケット36
および箱型推進管18の上面に穿孔された孔22を通し
てボルト穴39に進入させ、ボルト24の中空部に棒芯
(図示省略)を打ち込むと、ボルト24の先端部24a
が拡開してボルト24は抜け止めされ、箱型推進管18
はアンカーボルト24によって底板23と一体的に連結
される。
【0029】以上のような工法によって樋門1の下部に
遮水壁100を築造した後は、図3のように、立坑1
3、14内に遮水用鋼矢板20を建込んで立坑13、1
4内に土の埋戻しを行い、さらに、立坑13、14の外
側(門柱2と反対側)にはソイルセメント壁(図示省
略)を造成して遮水用鋼矢板(図示省略)を挿入するこ
とにより、樋門1の側部における遮水対策がとられる。
これらの工法についてはすでに公知であるので、詳細な
説明は省略する。
遮水壁100を築造した後は、図3のように、立坑1
3、14内に遮水用鋼矢板20を建込んで立坑13、1
4内に土の埋戻しを行い、さらに、立坑13、14の外
側(門柱2と反対側)にはソイルセメント壁(図示省
略)を造成して遮水用鋼矢板(図示省略)を挿入するこ
とにより、樋門1の側部における遮水対策がとられる。
これらの工法についてはすでに公知であるので、詳細な
説明は省略する。
【0030】以上、本発明の実施形態につき説明した
が、本発明は上述した以外にも種々の形態をとることが
可能である。たとえば、掘進機16に装備するカッター
としては図4のものに限らず、図5のように回転方向が
直交するようなカッター17a、17bを用いてもよ
い。また上記実施形態では、箱型推進管18の内部に充
填する充填材25として発泡モルタルを用いたが、これ
に代えてコンクリートを充填してもよい。
が、本発明は上述した以外にも種々の形態をとることが
可能である。たとえば、掘進機16に装備するカッター
としては図4のものに限らず、図5のように回転方向が
直交するようなカッター17a、17bを用いてもよ
い。また上記実施形態では、箱型推進管18の内部に充
填する充填材25として発泡モルタルを用いたが、これ
に代えてコンクリートを充填してもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、箱型推進管を樋門の下
部へ推進させて樋門の底板と一体に連結した後、箱型推
進管の内部に充填材を充填したので、箱型推進管それ自
体が遮水壁として機能し、しかもこの遮水壁と底板とは
一体に連結されているため、地盤が沈下しても遮水壁と
樋門との間に空隙が生じず、遮水性を大幅に向上させて
河川の水漏れによる堤防決壊を未然に防止することがで
きる。
部へ推進させて樋門の底板と一体に連結した後、箱型推
進管の内部に充填材を充填したので、箱型推進管それ自
体が遮水壁として機能し、しかもこの遮水壁と底板とは
一体に連結されているため、地盤が沈下しても遮水壁と
樋門との間に空隙が生じず、遮水性を大幅に向上させて
河川の水漏れによる堤防決壊を未然に防止することがで
きる。
【0032】また、樋門の底板下面をカッターで切削し
ながら箱型推進管を推進するようにしたので、底板下面
の凹凸が平坦化されて箱型推進管と底板との密着性が良
好となり、遮水性能が向上する。
ながら箱型推進管を推進するようにしたので、底板下面
の凹凸が平坦化されて箱型推進管と底板との密着性が良
好となり、遮水性能が向上する。
【0033】また、圧力調整機構により箱型推進管の上
面を樋門の底板下面に当接させながら推進するようにし
たので、箱型推進管と底板との密着性がさらに良好とな
り、遮水性能が一層向上する。
面を樋門の底板下面に当接させながら推進するようにし
たので、箱型推進管と底板との密着性がさらに良好とな
り、遮水性能が一層向上する。
【0034】また、箱型推進管と樋門の底板との間に注
入材を注入したので、箱型推進管と底板との間に間隙が
なくなり、遮水性能がより一層向上する。
入材を注入したので、箱型推進管と底板との間に間隙が
なくなり、遮水性能がより一層向上する。
【0035】さらに、箱型推進管の上面に形成した流路
溝に注入材を流すようにしたので、注入材が箱型推進管
と底板との間にくまなく行き渡り、遮水性能がより一層
向上する。
溝に注入材を流すようにしたので、注入材が箱型推進管
と底板との間にくまなく行き渡り、遮水性能がより一層
向上する。
【図1】本発明の実施形態に係る遮水壁築造方法を説明
する図である。
する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る遮水壁築造方法を説明
する図である。
する図である。
【図3】本発明の実施形態に係る遮水壁築造方法を説明
する図である。
する図である。
【図4】掘進機と箱型推進管を示す斜視図である。
【図5】掘進機の他の例を示す斜視図である。
【図6】圧力調整機構を示す図である。
【図7】アンカーボルト打設の施工例を示す図である。
【図8】アンカーボルトを打設した状態を示す図であ
る。
る。
【図9】箱型推進管の上面に形成した流路溝を示す図で
ある。
ある。
【図10】本発明の遮水壁築造方法が適用された樋門の
側面断面図である。
側面断面図である。
【図11】本発明の遮水壁築造方法が適用された樋門の
平面断面図である。
平面断面図である。
【図12】本発明の遮水壁築造方法が適用された樋門の
要部断面図である。
要部断面図である。
【図13】従来の樋門の側面断面図である。
1 樋門 2 門柱 4 樋管 5 堤体 13 発進立坑 14 到達立坑 16 掘進機 17 カッター 18 箱型推進管 23 底板 24 アンカーボルト 25 充填材 26 圧力調整機構 37 注入材 40 流路溝
Claims (5)
- 【請求項1】樋門の両側部に発進立坑および到達立坑を
設け、発進立坑から箱型推進管を順次連結しながら樋門
の下部へ推進させて先頭のカッターで掘進し、到達立坑
へ到達した後、箱型推進管と樋門の底板とを固定部材に
より一体に連結し、しかる後箱型推進管の内部に充填材
を充填することを特徴とする樋門における遮水壁築造方
法。 - 【請求項2】樋門の底板の下面をカッターで切削しなが
ら箱型推進管を推進する、請求項1に記載の樋門におけ
る遮水壁築造方法。 - 【請求項3】箱型推進管の下部に圧力調整機構を設け、
この圧力調整機構により箱型推進管の上面を樋門の底板
下面に当接させながら推進する、請求項2に記載の樋門
における遮水壁築造方法。 - 【請求項4】箱型推進管と樋門の底板との間に注入材を
注入する、請求項1、2または3に記載の樋門における
遮水壁築造方法。 - 【請求項5】箱型推進管の上面に形成した流路溝に注入
材を流す、請求項4に記載の樋門における遮水壁築造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11094880A JP2000291380A (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 樋門における遮水壁築造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11094880A JP2000291380A (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 樋門における遮水壁築造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000291380A true JP2000291380A (ja) | 2000-10-17 |
Family
ID=14122376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11094880A Pending JP2000291380A (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 樋門における遮水壁築造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000291380A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015200129A (ja) * | 2014-04-09 | 2015-11-12 | 新日鐵住金株式会社 | 漏水補修装置及び漏水補修工法 |
CN113062263A (zh) * | 2021-04-06 | 2021-07-02 | 山东省鲁南地质工程勘察院(山东省地勘局第二地质大队) | 一种沉管充填式采煤塌陷地治理方法 |
-
1999
- 1999-04-01 JP JP11094880A patent/JP2000291380A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015200129A (ja) * | 2014-04-09 | 2015-11-12 | 新日鐵住金株式会社 | 漏水補修装置及び漏水補修工法 |
CN113062263A (zh) * | 2021-04-06 | 2021-07-02 | 山东省鲁南地质工程勘察院(山东省地勘局第二地质大队) | 一种沉管充填式采煤塌陷地治理方法 |
CN113062263B (zh) * | 2021-04-06 | 2022-06-03 | 山东省鲁南地质工程勘察院(山东省地勘局第二地质大队) | 一种沉管充填式采煤塌陷地治理方法 |
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