JP2000291286A - 耐震建物 - Google Patents

耐震建物

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JP2000291286A
JP2000291286A JP11103390A JP10339099A JP2000291286A JP 2000291286 A JP2000291286 A JP 2000291286A JP 11103390 A JP11103390 A JP 11103390A JP 10339099 A JP10339099 A JP 10339099A JP 2000291286 A JP2000291286 A JP 2000291286A
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JP
Japan
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axial force
floor
pillar
interposed
gap
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JP11103390A
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English (en)
Inventor
Koichi Watanabe
宏一 渡辺
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物の耐震性を向上させる。 【解決手段】 各階の中心部に設けた芯柱3を軸力伝達
機構4を介して上下方向に連続せしめ、それら一連の芯
柱には全体としての曲げ変形と水平変形とを許容せしめ
るギャップ11,12を確保し、そのギャップにエネル
ギー吸収部材13を介装せしめる。各階の芯柱をコンク
リートにより構成するとともに、軸力伝達機構を、上下
に連続する芯柱の一方に設けた球面座9に対して他方に
設けた半球状のシアキー10を上下方向に回転可能かつ
水平方向に変位可能に係合せしめた構成とする。あるい
は、各階の芯柱を二重鋼管により構成してそれら鋼管の
一方を下階に対して固定するとともに他方を上階に対し
て固定し、それら鋼管の間に軸力伝達機構を介装すると
ともにギャップを確保し、ギャップにエネルギー吸収部
材としての粘性体を介装せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐震性能を
有する耐震建物に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、建物の耐震性を向上させ
るための耐震構造としては、剛性を高めて耐力を向上さ
せるという耐力構造、免震装置により建物の固有周期を
長周期化して地震入力を低減せしめるという免震構造、
建物の要所に各種ダンパー等の制振装置を設置して振動
を制御しエネルギーを吸収するという制振構造に大きく
分類され、それぞれ種々の方式のものが提案され実用化
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来までに提案されて
いる耐震構造は、設計が困難であったり、建物の規模や
形態に制約があったり、コスト高となるといった一長一
短があり、未だ有効な構造が模索されているのが実状で
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の耐震建
物は、各階の中心部に設けた芯柱を軸力伝達機構を介し
て上下方向に連続せしめるとともに、それら一連の芯柱
には全体としての曲げ変形と水平変形とを許容せしめる
ギャップを確保し、該ギャップにエネルギー吸収部材を
介装せしめてなるものである。
【0005】請求項2の発明の耐震建物は、請求項1の
発明の耐震建物における各階の芯柱をコンクリートによ
り構成するとともに、前記軸力伝達機構を、上下に連続
する芯柱の一方に設けた球面座に対して他方に設けた半
球状のシアキーを上下方向に回転可能かつ水平方向に変
位可能に係合せしめた構成としてなるものである。
【0006】請求項3の発明の耐震建物は、請求項1の
発明の耐震建物における各階の芯柱を二重鋼管により構
成してそれら鋼管の一方を下階に対して固定するととも
に他方を上階に対して固定し、それら鋼管の間に前記軸
力伝達機構を介装するとともに前記ギャップを確保し、
該ギャップに前記エネルギー吸収部材としての粘性体を
介装せしめてなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】図1〜図4は本発明の第1実施形
態を示すものである。本第1実施形態の耐震建物は、図
1に示すように通常の柱1と梁2からなる架構に加え、
各階の中心部に図2に示すような芯柱3を設け、それら
各階の芯柱3を図3に示すように軸力伝達機構4および
各階のスラブ5を介して上下方向に連続せしめたものと
されている。
【0008】本第1実施形態における各階の芯柱3は鉄
筋コンクリート造のもので、中心に位置する主柱6と、
その周囲に配置された4本の副柱7と、それらを連結す
る壁体8とが一体に形成された高剛性のものである。壁
体8は耐震壁としても機能するものであるが、これには
図2に示しているように通路等として利用可能な開口部
を必要に応じて設けることができる。
【0009】上記の軸力伝達機構4は、主柱6の上面に
形成された半球面状の凹部である球面座9と、上階の芯
柱3の直下に位置してスラブ5下面に突出せしめられた
半球状のシアキー10からなり、そのシアキー10が球
面座9に対して上下方向に回転可能かつ水平方向に変位
可能な状態で係合せしめられ、かつ、その状態で芯柱3
の上面と上階のスラブ5との間、およびシアキー10の
周囲と球面座9との間には僅かなギャップ(間隙)1
1、12が確保されるようになっている。この軸力伝達
機構4はシアキー10と球面座9との係合により上下の
芯柱3の間において文字どうり軸力(軸方向圧縮力)を
直接的に相互伝達可能なものであるが、この建物が地震
力を受けた際には、上記のギャップ11の範囲内でシア
キー10が球面座9に対して上下方向に回転し、かつ上
記のギャップ12の範囲内でシアキー10が水平横方向
に変位することが可能であり、したがって上下方向に連
続している一連の芯柱3は全体として曲げ変形と水平変
形が許容されるようになっている。
【0010】そして、上記のギャップ11には、エネル
ギー吸収部材13が副柱8の上面と上階のスラブ5との
間に介装されて設置され、一連の芯柱3が上記のような
曲げ変形や水平変形を生じた際にはそのエネルギー吸収
部材13が変形して振動エネルギーを吸収し、振動を速
やかに減衰せしめるようになっている。そのエネルギー
吸収部材13としては水平方向の振動と上下方向の振動
の双方を吸収可能なもの、あるいは水平方向の振動を吸
収するものと上下方向の振動を吸収するものを組み合わ
せて用いることとし、公知の各種ダンパーたとえば鋼材
の塑性変形による鋼材ダンパー、オイルダンパー、粘弾
性ダンパー、減衰機能を有する積層ゴム、等が採用可能
である。なお、シアキー10をたとえば極軟鋼により形
成して水平方向の鋼材ダンパーとして機能せしめること
も可能であり、その場合は上記のエネルギー吸収部材1
3は上下方向の振動のみを吸収するものであれば良い。
【0011】上記構造の耐震建物によれば、地震時に芯
柱3の曲げ変形や水平変形が生じた際にはその振動エネ
ルギーがエネルギー吸収部材13により吸収されて振動
が速やかに減衰せしめられ、これによって建物全体の耐
震性能を大きく向上させることができる。さらに、地震
時に特定層が損傷を受けて層間変位が増大しようとする
状態では、その特定層のギャップ11,12が接触して
その層の剛性および耐力を補うので層崩壊を防止するこ
とができる。また、一連の芯柱3を形成するための軸力
伝達機構4として球面座9に半球状のシアキー10を係
合せしめる構成のものを採用したから、地震力の方向に
拘わらず機能するので合理的であるし、芯柱3の設置ス
ペースを確保する以外は平面プランに対するさしたる制
約もない。
【0012】以上で本発明の第1実施形態を説明した
が、芯柱3の断面形状や軸力伝達機構4の構成等は適宜
の設計的変更が可能であり、たとえば図4に示すような
変形例が考えられる。これは、各階の芯柱20を略十字
形に形成し、上階のスラブ5の下面側に設けられている
梁2を介して上下の芯柱20を連続せしめ、エネルギー
吸収部材13を梁2と芯柱20との間に介装したもので
ある。また、シアキー10と球面座9との間に軸力伝達
用のゴム部材21を介装し、シアキー10の表面には球
面座9との衝突を緩衝するゴム被覆22を施している。
なお、上記のゴム部材21としては積層ゴムのような水
平方向のエネルギー吸収部材も採用可能である。また、
軸力伝達機構4としては天地を逆にしたもの(つまり、
芯柱3,20の上面にシアキー10を設け、上階の芯柱
3,20の底面側に球面座9を設ける)も採用可能であ
る。
【0013】次に、本発明の第2実施形態を図5を参照
して説明する。本第2実施形態では各階の芯柱30とし
て二重鋼管を採用している。すなわち、各階のスラブ5
上に外鋼管31の下端部を接合して立設せしめ、その内
部に挿入した内鋼管32の上端部を梁2を介して上階の
芯柱30に対して接合せしめ、その内鋼管32の下端と
下階のスラブ5との間には軸力伝達機構としてのゴム部
材33を介装せしめ、かつ、内鋼管32と外鋼管31の
間に確保されるギャップ(間隙)34にはエネルギー吸
収部材としての粘性体35を介装せしめている。上記の
ゴム部材33としては軸力伝達のみならず水平方向の振
動減衰機能を有する積層ゴムが採用可能である。上記の
粘性体35としてはたとえばアスファルトのような固形
のものはもとより液状のものやゲル状のものも採用可能
であるし、弾性も併せて有するいわゆる粘弾性体も採用
可能である。なお、各鋼管31,32は円形鋼管に限ら
ず角形鋼管も同様に採用可能である。
【0014】本第2実施形態では、二重鋼管からなる各
階の芯柱30自体がギャップ34の範囲内で上下方向に
回転可能かつ水平変形可能であり、その変形の際に芯柱
30自体がダンパーとして機能して粘性体35の粘性抵
抗により振動エネルギーが吸収されて振動が速やかに減
衰せしめられ、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0015】
【発明の効果】請求項1の発明の耐震建物は、各階の中
心部に設けた芯柱を軸力伝達機構を介して上下方向に連
続せしめるとともに、それら一連の芯柱には全体として
の曲げ変形と水平変形とを許容せしめるギャップを確保
し、該ギャップにエネルギー吸収部材を介装せしめた構
造であるから、その芯柱が全体として曲げ変形や水平変
形を受けた際にその振動エネルギーがエネルギー吸収部
材により吸収されて振動が速やかに減衰せしめられ、し
たがって耐震性能を大きく向上させることができる。さ
らに、地震時に特定層が損傷を受けて層間変位が増大し
ようとする状態では、その特定層のギャップが接触して
その層の剛性および耐力を補うので層崩壊を防止するこ
とができる。また、芯柱の設置スペースを確保する以外
は平面プランに対するさしたる制約もない。
【0016】請求項2の発明の耐震建物は、請求項1の
発明の耐震建物における各階の芯柱をコンクリートによ
り構成するとともに、前記軸力伝達機構を、上下に連続
する芯柱の一方に設けた球面座に対して他方に設けた半
球状のシアキーを上下方向に回転可能かつ水平方向に変
位可能に係合せしめた構成であるので、上記の効果に加
え、地震力の方向に拘わらず機能するので合理的であ
る。
【0017】請求項3の発明の耐震建物は、請求項1の
発明の耐震建物における各階の芯柱を二重鋼管により構
成してそれら鋼管の一方を下階に対して固定するととも
に他方を上階に対して固定し、それら鋼管の間に前記軸
力伝達機構を介装するとともに前記ギャップを確保し、
該ギャップに前記エネルギー吸収部材としての粘性体を
介装せしめた構成であるので、上記の効果に加え、芯柱
の構成が簡便であって施工が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態である耐震建物の平面
図である。
【図2】 同、各階の芯柱を示す図である。
【図3】 同、一連の芯柱を示す部分立面図である。
【図4】 同、芯柱の他の例を示す図である。
【図5】 本発明の第2実施形態である耐震建物におけ
る芯柱を示す図である。
【符号の説明】 3 芯柱 4 軸力伝達機構 9 球面座 10 シアキー 11,12 ギャップ 13 エネルギー吸収部材 20 芯柱 30 芯柱 31 外鋼管 32 内鋼管 33 ゴム部材(軸力伝達機構) 34 ギャップ 35 粘性体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の各階の中心部に設けた芯柱を軸力
    伝達機構を介して上下方向に連続せしめるとともに、そ
    れら一連の芯柱には全体としての曲げ変形と水平変形と
    を許容せしめるギャップを確保し、該ギャップにエネル
    ギー吸収部材を介装せしめてなることを特徴とする耐震
    建物。
  2. 【請求項2】 各階の芯柱をコンクリートにより構成す
    るとともに、前記軸力伝達機構を、上下に連続する芯柱
    の一方に設けた球面座に対して他方に設けた半球状のシ
    アキーを上下方向に回転可能かつ水平方向に変位可能に
    係合せしめた構成としてなることを特徴とする請求項1
    記載の耐震建物。
  3. 【請求項3】 各階の芯柱を二重鋼管により構成してそ
    れら鋼管の一方を下階に対して固定するとともに他方を
    上階に対して固定し、それら鋼管の間に前記軸力伝達機
    構を介装するとともに前記ギャップを確保し、該ギャッ
    プに前記エネルギー吸収部材としての粘性体を介装せし
    めてなることを特徴とする請求項1記載の耐震建物。
JP11103390A 1999-04-09 1999-04-09 耐震建物 Withdrawn JP2000291286A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007239267A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Daiwa House Ind Co Ltd 制振構造及び制振継ぎ手
JP2007327239A (ja) * 2006-06-07 2007-12-20 Sekisui Chem Co Ltd ピロティ階における免震構造
JP2015052204A (ja) * 2013-09-05 2015-03-19 株式会社大林組 制振構造、及び、構造物
CN106207798A (zh) * 2016-09-18 2016-12-07 中国地震局工程力学研究所 高耸瓷柱型电气设备摆式减震装置
JP2021042545A (ja) * 2019-09-09 2021-03-18 株式会社大林組 プレキャスト板の連結構造及び方法

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Effective date: 20060704