JP2000290273A - 3−ホルミルテトラヒドロフランの製造方法 - Google Patents

3−ホルミルテトラヒドロフランの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな反応速度で高選択的に3−ホルミルテ
トラヒドロフランを製造することができる、工業的に有
利な方法を提供する。 【解決手段】 (a) ロジウム化合物、および(b) 式 P
123(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ置換
基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していて
もよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキ
ル基または置換基を有していてもよいアリールオキシ基
を表す)で示される単座配位性第3級有機リン化合物の
存在下に2,5−ジヒドロフランを水素および一酸化炭
素と反応させるに際し、該ロジウム化合物の濃度を反応
混合液1リットル当たり0.01〜1ミリモルとし、か
つ反応温度を85℃以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3−ホルミルテト
ラヒドロフランの製造方法に関する。本発明によって得
られる3−ホルミルテトラヒドロフランは医薬あるいは
農薬等のファインケミカルズの原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】2,5−ジヒドロフランをロジウム触媒
の存在下にヒドロホルミル化することにより3−ホルミ
ルテトラヒドロフランを製造することは公知である。例
えば、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類を配
位子として有していてもよいロジウム化合物、または該
ロジウム化合物とキレート性ジホスフィンからなる触媒
を使用して2,5−ジヒドロフランをヒドロホルミル化
する方法(米国特許第4,376,208号明細書参
照)、特殊な複核錯体の構造を持つロジウム化合物を
種々の有機リン配位子とともに使用して2,5−ジヒド
ロフランをヒドロホルミル化する方法〔J. Chem. Soc.C
hem. Commun., 1990, 600 および Organometallics, 11
(1992), 3525 参照〕、およびロジウム化合物として
HRh(CO)(PPh33を使用し、光学活性なリン
配位子を併用して2,5−ジヒドロフランをヒドロホル
ミル化する方法〔J. Organometal. Chem., 244(1983),
283〜302 参照〕などが知られている。また、トリス
(置換アリール)ホスファイト、ビス(ジフェニルホス
フィノ)アルカンおよび分子内に酸素原子を有する溶媒
の存在下に2,5−ジヒドロフランをヒドロホルミル化
する方法(特開平8−296583号公報参照)も知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】2,5−ジヒドロフラ
ンのヒドロホルミル化によって3−ホルミルテトラヒド
ロフランを工業的に有利に製造するためには、(i) 大き
な反応速度で反応が進行すること、(ii)2,5−ジヒド
ロフランの異性化による2,3−ジヒドロフランやその
ヒドロホルミル化によって生成する2−ホルミルテトラ
ヒドロフラン等の副生を極力抑制すること、(iii) 経済
的に反応が実施できること、などの点を同時に満足する
反応系を確立することが必要である。かかる観点から上
記〜の方法を検討すると、それぞれ以下のような問
題点が認められる。すなわち、の方法は、高価なロジ
ウム触媒を高濃度で使用することが必要であり、3−ホ
ルミルテトラヒドロフランの製造コストが高くなる。米
国特許第4,376,208号明細書の記載によれば、
HRh(CO)(PPh33を単独で触媒として使用
し、85℃でヒドロホルミル化を行った場合に95%と
いう3−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率が達成
されているが、ロジウム化合物は反応液1リットル当た
り4ミリモル程度の高濃度で使用されている。なお、本
発明者らがRh(CO)(PPh33の濃度を上記の約
1/20に低下させて同米国特許明細書に記載された反
応を実施したところ、2,3−ジヒドロフランや2−ホ
ルミルテトラヒドロフランの生成量が増加し、目的とす
る3−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率は37%
に低下した。また、の方法も、ロジウムの複核錯体を
反応液1リットル当たり3.3ミリモルという比較的高
い濃度で使用することが必要である。そしての方法
も、3−ホルミルテトラヒドロフランを高選択的に得る
ことができるが、高価なロジウム触媒を高濃度(反応液
1リットル当たり約4ミリモル)で使用することが必要
である。また、ステロイド骨格を有する光学活性なリン
化合物を使用する必要があり、その調製が煩雑である。
このように、上記〜に記載された方法は、いずれも
3−ホルミルテトラヒドロフランの工業的製法として有
利な方法ではない。
【0004】一方、の方法では、ロジウム触媒の濃度
が低くても、3−ホルミルテトラヒドロフランを高収率
で得ることができるとされているが、明細書の実施例の
記載の範囲では、ロジウム触媒の濃度が0.22ミリモ
ル/リットルであり、反応温度が55℃の場合に、ヒド
ロホルミル化の選択率は87%にとどまっており、工業
的観点からは、なお一層3−ホルミルテトラヒドロフラ
ンへの選択率を向上させることが望ましい。
【0005】しかして本発明は、2,5−ジヒドロフラ
ンのヒドロホルミル化反応において、ロジウム触媒の濃
度が低くても十分に大きな反応速度で3−ホルミルテト
ラヒドロフランを高選択的に与える反応系を確立して、
3−ホルミルテトラヒドロフランを工業的に有利に製造
できる方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は、(a) ロジウム化合物、および(b) 式 PR12
3(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ置換基を有
していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい
アリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基ま
たは置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表
す)で示される単座配位性第3級有機リン化合物の存在
下に2,5−ジヒドロフランを水素および一酸化炭素と
反応させて3−ホルミルテトラヒドロフランを製造する
方法であって、該ロジウム化合物の濃度が反応混合液1
リットル当たり0.01〜1ミリモルであり、かつ反応
温度が85℃以上であることを特徴とする、3−ホルミ
ルテトラヒドロフランの製造方法を提供することによっ
て解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるロジウ
ム化合物としては、ヒドロホルミル化触媒能を有するか
またはヒドロホルミル化反応条件下にヒドロホルミル化
触媒能を有するように変化する任意のロジウム化合物が
使用できる。かかるロジウム化合物の具体例としては、
例えば、HRh(CO)(PPh33、HRh(CO)
〔P(OPh)33、Rh4(CO)12、Rh6(CO)
16、Rh(acac)(CO) 2、酸化ロジウム、ロジ
ウムアセチルアセトナート、酢酸ロジウム、硝酸ロジウ
ム、塩化ロジウムなどが挙げられる。
【0008】ロジウム化合物の使用量は、十分な反応速
度を確保し、かつ経済的に反応を実施するという観点か
ら、反応混合液1リットルに対し、ロジウム原子換算
で、0.01〜1ミリモルの範囲内の濃度となる量であ
る。なお、ロジウム化合物の使用量は、反応混合液1リ
ットルに対し、ロジウム原子換算で、0.5ミリモル以
下の濃度となる量であることが好ましい。
【0009】また、本発明において用いられる単座配位
性第3級有機リン化合物は、式 PR123(式中、
1、R2およびR3は、それぞれ置換基を有していても
よいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール
基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換
基を有していてもよいアリールオキシ基を表す)で示さ
れる化合物である。ここで、R1、R2およびR3が表す
アルキル基としては、例えば、メチル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、
n−オクチル基などが挙げられ、アリール基としては、
例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。ま
た、R1、R2およびR3が表すアラルキル基としては、
例えば、ベンジル基などが挙げられ、アリールオキシ基
としては、例えば、フェノキシ基などが挙げられるる。
これらのアルキル基、アリール基、アラルキル基または
アリールオキシ基が有していてもよい置換基としては、
例えば、塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基等のア
ルコキシ基;式 −SO3M (Mは、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム等のアルカリ金属を表す)で示される基
などが挙げられる。
【0010】このような、単座配位性第3級有機リン化
合物の具体例としては、例えば、トリフェニルホスフィ
ン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホ
スフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−p−ク
ロロフェニルホスフィン、トリ−p−メトキシフェニル
ホスフィン、ジフェニルホスフィノベンゼン−m−モノ
スルホン酸リチウム、ジフェニルホスフィノベンゼン−
m−モノスルホン酸ナトリウム、ジフェニルホスフィノ
ベンゼン−m−モノスルホン酸カリウム、以下の各式で
示される化合物、 (C65)P(C64−m−SO3Li)2、(C65
P(C64−m−SO3Na)2、(C65)P(C64
−m−SO3K)2、P(C64−m−SO3Li)3、P
(C64−m−SO3Na)3、P(C64−m−SO3
K)3、 トリベンジルホスフィン、トリイソプロピルホスフィ
ン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリ−n−ブチルホ
スフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリシクロ
ヘキシルホスフィン、n−ブチルジフェニルホスフィ
ン、ジフェニルメチルホスフィン等のホスフィン類;ト
リフェニルホスファイト等のホスファイト類などが挙げ
られる
【0011】これらの単座配位性第3級有機リン化合物
は、1種類のものを使用してもよいし、2種類以上を併
用してもよい。
【0012】単座配位性第3級有機リン化合物の使用量
は、3−ホルミルテトラヒドロフランへの高い選択率を
確保するという観点から、反応混合液1リットルあたり
1ミリモル以上となる量であることが好ましい。単座配
位性第3級有機リン化合物の使用量の上限については特
に制限があるわけではないが、生産効率、操作性の観点
から反応混合液1リットルに対して300ミリモル程度
となる量である。また、単座配位性第3級有機リン化合
物は、反応混合液中に存在するロジウム化合物中のロジ
ウム原子1モルに対して3モル以上の割合で使用するこ
とが、3−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率の観
点から好ましい。
【0013】本発明者らの知見によれば、2,5−ジヒ
ドロフランは、ロジウム化合物の存在下では2,3−ジ
ヒドロフランに異性化しやく、特に温度が高くなるにつ
れてこの傾向が強くなり、中でも1,4−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)ブタンを配位子に持つロジウム化合物
を使用した場合には、85℃を越えると上記の異性化が
顕著になる。ところが、本発明のように、上記の式で示
される特定の単座配位性第3級有機リン化合物を併用し
て、ロジウム化合物を触媒とする2,5−ジヒドロフラ
ンのヒドロホルミル化反応を行うと、85℃以上の温度
においても2,5−ジヒドロフランの異性化が抑制され
る。このため、反応温度を高くしても3−ホルミルテト
ラヒドロフランへの選択率は低下せず、その結果、ロジ
ウム触媒の濃度が低くても十分な速度で3−ホルミルテ
トラヒドロフランを高選択的に与える反応系を確立する
ことができたのである。
【0014】本発明におけるヒドロホルミル化反応の温
度は、十分な反応速度を得るために85℃以上であるこ
とが必要であり、90℃以上であることが好ましい。反
応温度の上限については特に制限はないが、生成物であ
る3−ホルミルテトラヒドロフランが副反応によって高
沸点の縮合物に変化することを防ぐために、150℃以
下であることが好ましい。
【0015】本発明に従うヒドロホルミル化反応で用い
られる水素と一酸化炭素の混合ガスにおいて、水素/一
酸化炭素のモル比は入りガス組成として通常1/5〜5
/1の範囲から選ばれる。水素/一酸化炭素のモル比は
入りガス組成として1/2〜2/1の範囲内にあること
が好ましい。なお、本発明に従うヒドロホルミル化反応
では、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等のヒドロホ
ルミル化反応に対して不活性なガスが反応系に少量存在
していても構わない。
【0016】また、反応圧力は、3−ホルミルテトラヒ
ドロフランへの選択性の観点から一般に10気圧以上の
範囲から選ばれる。反応圧力に上限はないが約200気
圧の圧力があれば本発明の目的を達成するには十分であ
る。
【0017】本発明に従うヒドロホルミル化反応は撹拌
型反応槽または気泡塔型反応槽など公知の反応槽中で、
連続方式またはバッチ方式で行うことができる。
【0018】本発明に従うヒドロホルミル化反応は、溶
媒の不存在下に実施することが好ましいが、反応系中で
不活性な溶媒の存在下に実施してもよい。溶媒として
は、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、オ
クタノール等のアルコール類;ヘキサン、オクタン、デ
カン等の飽和脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、フタル酸ジオクチル等のエステル類;テトラヒドロ
フラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエー
テル類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化
炭化水素類;アセトニトリルなどを挙げることができ
る。溶媒の使用量は、反応の容積効率、溶媒のコストな
どの観点から、反応混合液中、好ましくは50容積%以
下、より好ましくは10容積%以下である。
【0019】本発明に従うヒドロホルミル化反応では、
塩基性物質、特にトリエチルアミン、トリエタノールア
ミン、トリオクチルアミン、トリブチルアミン、ピリジ
ン、N,N−ジメチルアミノピリジン等の第3級アミン
類の共存下に反応を実施すると、生成物である3−ホル
ミルテトラヒドロフランの縮合反応や溶媒としてアルコ
ール類を用いた場合に生じ得る生成物のアセタール化を
抑制することができる。塩基性物質は1種類のものを使
用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。塩基性
物質の使用量は、反応混合液1リットルあたり、通常
0.1〜30ミリモルの範囲である。
【0020】ヒドロホルミル化反応生成物である3−ホ
ルミルテトラヒドロフランは、例えば、反応混合液を蒸
留する方法、反応混合液から抽出分離する方法などの公
知の手法により触媒と分離することができる。かくして
得られた3−ホルミルテトラヒドロフランは、必要に応
じ、蒸留などの公知の手段によってさらに純度を高める
ことができる。
【0021】なお、2,5−ジヒドロフランのヒドロホ
ルミル化によって得られた反応混合物は、所望により、
そのまま次の反応、例えば水素添加反応などの原料とし
て使用しても構わない。
【0022】本発明によれば、ロジウム触媒を低濃度で
使用しても大きな反応速度でヒドロホルミル化反応を行
うことができ、工業的に有利である。また、2,3−ジ
ヒドロフランや2−ホルミルテトラヒドロフランの副生
量を抑制して、高選択的に3−ホルミルテトラヒドロフ
ランを製造することができる。このように、本発明は3
−ホルミルテトラヒドロフランの工業的製法として非常
に有利である。
【0023】なお、本発明にあっては、触媒の活性が維
持されるような条件で反応生成物と触媒の分離を行い、
分離された触媒を2,5−ジヒドロフランのヒドロホル
ミル化反応に再使用するように構成すると、より経済的
に反応を実施することができ、製造コストをさらに低下
させて、工業的により有利な方法とすることができる。
【0024】具体的には、触媒の分離は次のようにして
実施することが好ましい。すなわち、ヒドロホルミル化
反応によって得られた反応混合液を100mmHg以下
の圧力、かつ60〜180℃の範囲内の温度で蒸留し、
触媒と反応生成物の分離を行う。この際、反応混合液の
濃縮率は、濃縮前後の容積比で1/5〜1/50とする
ことが望ましい。かくして得られた触媒を含有する濃縮
液は、2,5−ジヒドロフランのヒドロホルミル化工程
に循環される。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例により何ら制限されるもの
ではない。
【0026】実施例1 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積100
mlの電磁撹拌式オートクレーブにHRh(CO)(P
Ph33の2.76mg(0.003ミリモル、反応混
合液中の濃度が0.05ミリモル/リットルとなる
量)、トリフェニルホスフィン314mg(1.2ミリ
モル、反応混合液中の濃度が20ミリモル/リットルと
なる量)および2,5−ジヒドロフラン55.6g(6
0ml、793ミリモル)を空気に触れないようにして
仕込み、オートクレーブ内を水素/一酸化炭素=1/1
(モル比)の混合ガスで80気圧(ゲージ圧)に保っ
た。オートクレーブに水素/一酸化炭素=1/1(モル
比)の混合ガスを供給し、かつオートクレーブから排出
されるガスの流量を10リットル/hに設定して、90
0rpmで撹拌を開始し、オートクレーブ内の温度を3
0分かけて120℃に上げた。オートクレーブ内の圧力
を80気圧(ゲージ圧)に維持しながら、120℃で3
時間反応させ、得られた反応混合物をガスクロマトグラ
フィーで分析した。2,5−ジヒドロフランの転化率は
91%であり、3−ホルミルテトラヒドロフランへの選
択率は95%、2−ホルミルテトラヒドロフランへの選
択率は2%であった。
【0027】上記で得られた反応混合物を減圧下に蒸留
することにより、3−ホルミルテトラヒドロフラン(純
度:99%以上)を61.7g得た。
【0028】比較例1 実施例1において、反応温度を80℃としたこと以外は
実施例1と同様にして2,5−ジヒドロフランのヒドロ
ホルミル化反応を実施した。反応開始から24時間経過
した時点で得られた反応混合物をガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、2,5−ジヒドロフランの転化率
は64%であり、3−ホルミルテトラヒドロフランへの
選択率は99%、2−ホルミルテトラヒドロフランへの
選択率は0%であることが分かった。
【0029】比較例2 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積100
mlの電磁攪拌式オートクレーブにHRh(CO)(P
Ph33の2.76mg(0.003ミリモル、反応混
合液中の濃度が0.05ミリモル/リットルとなる
量)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト776mg(1.2ミリモル、反応混合液中の
濃度が20ミリモル/リットルとなる量)、1,4−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)ブタン2.56mg(0.
006ミリモル、反応混合液中の濃度が0.1ミリモル
/リットルとなる量)、2,5−ジヒドロフラン8.3
4g(9ml、119ミリモル)、イソプロピルアルコ
ール51mlおよびトリエタノールアミン44.7mg
(0.3ミリモル)を空気に触れないようにして仕込
み、オートクレーブ内を水素/一酸化炭素=1/1(モ
ル比)の混合ガスで80気圧(ゲージ圧)に保った。オ
ートクレーブに水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の
混合ガスを供給し、かつオートクレーブから排出される
ガスの流量を10リットル/hに設定して、900rp
mで撹拌を開始し、オートクレーブ内の温度を20分か
けて55℃に上げた。オートクレーブ内の圧力を80気
圧(ゲージ圧)に維持しながら、55℃で3時間反応さ
せ、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーで分
析した。2,5−ジヒドロフランの転化率は11%であ
り、3−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率は81
%、2−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率は2%
であった。
【0030】比較例3 比較例2において、反応温度を80℃としたこと以外は
比較例2と同様にして2,5−ジヒドロフランのヒドロ
ホルミル化反応を実施した。反応開始から3時間経過し
た時点で得られた反応混合物をガスクロマトグラフィー
で分析した。2,5−ジヒドロフランの転化率は53%
であり、3−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率は
72%、2−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率は
2%であった。
【0031】実施例2 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積100
mlの電磁攪拌式オートクレーブにジカルボニルアセチ
ルアセトナートロジウム3.10mg(0.012ミリ
モル、反応混合液に対して0.2ミリモル/リットルと
なる量)、トリ−n−ブチルホスフィン242mg
(1.2ミリモル、反応混合液に対して20ミリモル/
リットルとなる量)、2,5−ジヒドロフラン55.6
g(60ml)を空気に触れないようにして仕込み、オ
ートクレーブ内を水素/一酸化炭素=1/1(モル比)
の混合ガスで60気圧(ゲージ圧)に保った。オートク
レーブに水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガ
スを供給し、かつオートクレーブから排出されるガスの
流量を5リットル/hに設定して、900rpmで撹拌
を開始し、オートクレーブ内の温度を30分かけて12
0℃に上げた。オートクレーブ内の圧力を60気圧(ゲ
ージ圧)に維持しながら、120℃で4時間反応させ、
得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析し
た。2,5−ジヒドロフランの転化率は92%であり、
3−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率は96%で
あった。なお、2−ホルミルテトラヒドロフランは痕跡
量が認められるだけであった。
【0032】比較例4 実施例2において、トリ−n−ブチルホスフィン242
mgに代えてトリス(2−t−ブチル−5−メチルフェ
ニル)ホスファイト624ミリグラム(1.2ミリモ
ル)を使用し、かつ反応温度を55℃としたこと以外は
実施例2と同様にして2,5−ジヒドロフランのヒドロ
ホルミル化反応を実施し、反応開始から4時間が経過し
た時点で得られた反応混合物をガスクロマトグラフィー
で分析した。2,5−ジヒドロフランの転化率は33%
であり、3−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率は
90%、2−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率は
2%であった。
【0033】比較例5 比較例4において、反応温度を70℃としたこと以外は
比較例4と同様にして2,5−ジヒドロフランのヒドロ
ホルミル化反応を実施し、反応開始から4時間が経過し
た時点で得られた反応混合物をガスクロマトグラフィー
で分析した。2,5−ジヒドロフランの転化率は85%
であり、3−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率は
80%、2−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率は
4%であった。
【0034】比較例6 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積300
mlの電磁撹拌式オートクレーブにHRh(CO)(P
Ph33の11.0mg(0.012ミリモル、反応混
合液中の濃度が0.2ミリモル/リットルとなる量)、
2,5−ジヒドロフラン9.3g(10ml、0.13
モル)およびトルエン50mlを空気に触れないように
して仕込んだ。この条件は、米国特許第4376208
号明細書の実施例1においてRh触媒濃度のみを約20
分の1にしたものに相当する。オートクレーブに水素/
一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガスを供給して、
オートクレーブ内の圧力を53気圧(750psig、
ゲージ圧)とした後、900rpmで撹拌を開始し、オ
ートクレーブ内の温度を20分かけて85℃に昇温し
た。水素と一酸化炭素の混合ガスを供給することなく8
5℃で反応させ、オートクレーブ内の圧力が33気圧
(470psig)に低下した時点(反応開始から4.
5時間)で得られた反応混合物をガスクロマトグラフィ
ーで分析した。2,5−ジヒドロフランの転化率は10
0%であった。また、3−ホルミルテトラヒドロフラン
への選択率は37%、2−ホルミルテトラヒドロフラン
への選択率は47%、2,5−ジヒドロフランが異性化
した2,3−ジヒドロフランへの選択率は16%であっ
た。
【0035】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、比較的高温
においても3−ホルミルテトラヒドロフランへの選択率
が大きく低下しないため、低いロジウム触媒濃度で反応
を行うことができ、従来の方法よりも、選択率、反応速
度の両面で優れている。本発明の製造方法によれば、工
業的、経済的に有利に3−ホルミルテトラヒドロフラン
を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 孝志 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内 Fターム(参考) 4C037 CA09 4H039 CA62 CF30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) ロジウム化合物、および(b) 式 P
    123(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ置換
    基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していて
    もよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキ
    ル基または置換基を有していてもよいアリールオキシ基
    を表す)で示される単座配位性第3級有機リン化合物の
    存在下に2,5−ジヒドロフランを水素および一酸化炭
    素と反応させて3−ホルミルテトラヒドロフランを製造
    する方法であって、該ロジウム化合物の濃度が反応混合
    液1リットル当たり0.01〜1ミリモルであり、かつ
    反応温度が85℃以上であることを特徴とする、3−ホ
    ルミルテトラヒドロフランの製造方法。
  2. 【請求項2】 単座配位性第3級有機リン化合物の濃度
    が、反応混合液1リットル当たり、1〜300ミリモル
    である請求項1記載の3−ホルミルテトラヒドロフラン
    の製造方法。
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