JP2000290013A - アルミナ粒子の製造方法 - Google Patents
アルミナ粒子の製造方法Info
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Abstract
子さらにはこれらを含み表面が滑らかな板状アルミナ粒
子の簡便な製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミン酸塩と酸性アルミニウム塩とを
水を含んだ状態で反応させることにより、アルミナ又は
/及びアルミナ水和物と中和金属塩を含む混合物を製造
し、この混合物を1000〜1600℃で焼成する。
Description
板状アルミナ粒子の製造方法に関するものであり、板状
アルミナ粒子にあってはさらに詳しくはアスペクト比が
大きく、粒度分布の狭い粒子表面が滑らかな板状アルミ
ナ粒子を提供し、研磨剤、充填材、化粧料、セラミック
原料、顔料、さらには表面に金属酸化物をコーティング
することにより光輝性顔料としても有用な材料を提供す
るものである。
有するアルミナ粒子の製造方法としては、特許2654
276号公報にみられるような水熱処理による方法(以
下水熱合成法)や特開平9−227337号公報にみら
れるようなフッ素系の鉱化剤の存在下で焼成する方法等
が知られている。
らみて高温反応処理装置を必要とし、設備投資が大掛か
りなものとなり不利であるとともに、製法としても高温
・高圧下での合成であるため、得られる粉体は高価にな
るという問題があった。また、水酸化アルミニウムをハ
ロゲン系のガスの存在下で焼成する方法は、焼成時に発
生するハロゲンガスの処理問題が存在する。さらには酸
性アルミニウム塩に炭酸アルカリ塩を用いて焼成する方
法もあるが、この方法だと中和する時に大量の炭酸が発
生し、扱いにくい問題がある。
従来技術における多くの課題を改善することを目的と
し、凝集のない粒度分布がシャープなアルミナ粒子さら
にはこれらを含み表面が滑らかな板状アルミナ粒子の簡
便な製造方法を提供することを目的とする。
りなる。
とを水を含んだ状態で反応させることにより、アルミナ
又は/及びアルミナ水和物と中和金属塩を含む混合物を
製造し、この混合物を1000〜1600℃で焼成する
ことを特徴とするアルミナ粒子の製造方法。
が非晶質又は/及び結晶質である上記(1)記載のアル
ミナ粒子の製造方法。 (3)アルミン酸塩と酸性アルミニウム塩と燐酸塩とを
水を含んだ状態で反応させる(1)記載のアルミナ粒子
の製造方法。
を添加したものと酸性アルミニウム塩を混合したものを
水分を含んだ状態で反応させる上記(1)記載のアルミ
ナ粒子の製造方法。 (5)アルミン酸塩と酸性アルミニウム塩に酸性の燐酸
塩を添加したものを水分を含んだ状態で反応させる上記
(1)記載のアルミナ粒子の製造方法。 (6)アルミン酸塩と酸性アルミニウム塩と燐酸塩とを
混合した時の水素イオン濃度がpH=6〜10の範囲で
ある上記(3)〜(5)のいずれかに記載のアルミナ粒
子の製造方法。
厚みが3μm以下、アスペクト比(粒子径/厚み)が5
以上である板状アルミナ粒子を製造する上記(3)〜
(6)のいずれかに記載のアルミナ粒子の製造方法。
水酸化アルカリの溶液にアルミニウム又は水酸化アルミ
ニウムを溶かしたものであれば何でもよく、例えばNa
AlO2、KAlO2のようなMAlO2(Mは一価の金
属)の構造式をとるアルカリ金属塩やNaAlO2・5
/4H2O、NaAlO2・3H2O、KAlO2・3/2
H2OのようなMAlO2・nH2O(Mは一価の金属)
の構造式をとるもの、更には一般式でxM2O・yAl2
O3・zH2O(Mは一価の金属、z=0を含む)の構造
式をとるものである。又、酸性アルミニウム塩は、酸性
溶液にアルミニウム又は水酸化アルミニウムを溶かした
ものであれば何でもよく、酸性溶液としては例えば燐酸
や硫酸のような鉱酸または蓚酸やマレイン酸、マロン酸
のような有機酸が挙げられる。具体的には硫酸アルミニ
ウム、塩化アルミニウムなどがある。
り、板状アルミナを作製する上では必要であり、燐酸、
燐酸ソーダ、燐酸カリ、燐酸アンモニウム、ピロ燐酸ソ
ーダ、ピロ燐酸カリ、トリポリ燐酸ソーダ、トリポリ燐
酸アンモニウムなどが挙げることができる。この燐酸塩
の添加量は、アルミナに換算して0.01重量%以上で
あることが好ましい。アルミン酸塩に酸性アルミニウム
塩又はこれに燐酸塩を混合した水溶液を混合し、加水分
解生成物と中和塩を含む懸濁液またはゲルとする。中和
塩は焼成時において、溶融状態となり、このときアルミ
ナ化及びアルミナの板状化を促進する効果があり、中和
の量はアルミナ重量1に対して0.1〜7倍が好まし
い。0.1倍未満ではアルミナ化及びアルミナの板状化
に十分な効果を発揮せず、また7倍を超えると洗浄時に
相当な負担がかかるためである。
焼成する焼成温度が1000℃未満であるとアルミナ化
(特には板状アルミナ化)するまでに長時間を要し、経
済的ではなく、又、1600℃を越えるとアルミナ(特
には板状アルミナ)の粒子同士が焼結をしてしまうため
である。このような焼結をより確実に防ぐためには、焼
成温度を1400℃以下とすることがより好ましい。
た場合、アルミナ水和物の析出が効率的になされ、アル
ミナ(特には板状アルミナ)を効率良く製造することが
できる。非晶質アルミナ又は/及び結晶質アルミナ粒子
と中和金属塩との混合物は、焼成後に生成される粒子同
士の凝集を防ぐため、焼成前に蒸散乾燥し、その後、混
合物を解することが好ましい。又、焼成後においては、
熔融塩処理し固形分を得た後、この固形分を水洗し、濾
取し乾燥することが好ましい。
ミナ粒子の場合、平均粒子径の0.2〜100μmの粒
状アルミナ粒子であり、特に板状アルミナ粒子はSEM
観察の結果、大きな平均粒子径で0.2〜100μm、
厚みが3μm以下アスペクト比(粒子径/厚み)が5以
上である板状アルミナ粒子であり、水に対して分散し撹
拌したところ、流線(偏平粒子を液中に懸濁させ撹拌さ
せた際に分散性が良いと粒子の一連の流れが粒子表面の
反射光が層状の縞模様となって観察される現象)がみら
れ、分散性が極めて良好なものであった。板状アルミナ
粒子を分析した結果、リン及びリン化合物や中和塩が検
出されず、洗浄工程において除去されているものと考え
られる。
ナ粒子はそのままセラミックスの原料とすることがで
き、あるいは塗料用、プラスチック等の充填剤、化粧料
用、研磨剤、釉薬用等の顔料として優れているものであ
る。特に板状アルミナ粒子の場合、前述の用途に有用で
あり、さらに金属酸化物をコーティングすることによっ
て光輝性顔料としての有用性はさらに増す。
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
金属アルミニウム5g及び燐酸水素2ナトリウム0.2
5g入れ溶液中に撹拌しながら溶かす。その後この混合
溶液中に硫酸アルミニウム水溶液をpH=7になるまで
撹拌しながら投入する。混合したものは白濁状のゲルと
なり、これをそのまま蒸散乾燥した。この時の蒸散乾燥
した固形分のX線回折の結果、結晶質のものとして硫酸
ナトリウムが同定された。その後1200℃で5時間保
持の条件で焼成した。得られた処理物に水を加え洗浄、
濾過し、固形分を乾燥し板状アルミナ粉体を得た。得ら
れた板状アルミナをX線回折法により生成物を同定した
ところ、酸化アルミニウム(αアルミナ)であった。S
EMにて観察してみたところ板状粒子であり、粒度分布
計で粒度を測定したところ中心粒径が10μmであり、
シャープな分布となっていた。又、この粉末を水に混ぜ
てみたところ、きれいな流紋が確認された。 実施例2 水酸化ナトリウム20gを60℃の水中で溶液とし、こ
の溶液に金属アルミニウム5g及び燐酸水素2ナトリウ
ム0.25g入れ溶液中に撹拌しながら溶かす。その後
この混合溶液中に60℃の硫酸アルミニウム水溶液をp
H=9になるまで撹拌しながら投入する。混合したもの
は白濁状のゲルとなり、そのまま更に60分撹拌した
後、蒸散乾燥した。この時の蒸散乾燥した固形分のX線
回折の結果、擬ベーマイトである事を確認した。蒸散乾
燥した固形分を1200℃で5時間保持の条件で焼成し
た。得られた処理物に水を加え洗浄、濾過し、固形分を
乾燥し板状アルミナ粉体を得た。得られた板状アルミナ
をX線回折法により生成物を同定したところ、酸化アル
ミニウム(αアルミナ)であった。SEMにて観察して
みたところ板状粒子であり、粒度分布計で粒度を測定し
たところ中心粒径が10μmであり、シャープな分布と
なっていた。又、この粉末を水に混ぜてみたところ、き
れいな流紋が確認された。
その中に硫酸アルミニウム水溶液を加えpH=9になる
ように調整し、そのまま60分撹拌した。その後蒸散乾
燥させ、乾燥した固形分のX線回折の結果、擬ベーマイ
トの回折ピークが確認された。この乾燥固形分を120
0℃、5時間焼成し、洗浄、濾過し、固形分を乾燥し
た。得られた物をX線回折により同定した結果、酸化ア
ルミナ(αアルミナ)であった。SEMにて観察してみ
たところ、0.2μmの粒状であり、板状粒子ではなか
った。又、この粉末を水に混ぜてみたところ、流紋が確
認されなかった。
粒度分布がシャープなアルミナ粒子が特に高圧を必要と
することなく容易に得られる。特に燐酸塩を用いた場合
には板状アルミナ粒子が生成する。またハロゲン系の鉱
化剤を使用しないため、作業環境を汚染することがな
い。
Claims (7)
- 【請求項1】 アルミン酸塩と酸性アルミニウム塩とを
水を含んだ状態で反応させることにより、アルミナ又は
/及びアルミナ水和物と中和金属塩を含む混合物を製造
し、この混合物を1000〜1600℃で焼成すること
を特徴とするアルミナ粒子の製造方法。 - 【請求項2】 アルミナ又は/及びアルミナ水和物が非
晶質又は/及び結晶質である請求項1記載のアルミナ粒
子の製造方法。 - 【請求項3】 アルミン酸塩と酸性アルミニウム塩と燐
酸塩とを水を含んだ状態で反応させる請求項1記載のア
ルミナ粒子の製造方法。 - 【請求項4】 アルミン酸塩にアルカリ性の燐酸塩を添
加したものと酸性アルミニウム塩を混合したものを水分
を含んだ状態で反応させる請求項1記載のアルミナ粒子
の製造方法。 - 【請求項5】 アルミン酸塩と酸性アルミニウム塩に酸
性の燐酸塩を添加したものを水分を含んだ状態で反応さ
せる請求項1記載のアルミナ粒子の製造方法。 - 【請求項6】 アルミン酸塩と酸性アルミニウム塩と燐
酸塩とを混合した時の水素イオン濃度がpH=6〜10
の範囲である請求項3〜5のいずれかに記載のアルミナ
粒子の製造方法。 - 【請求項7】 平均粒子径が0.2〜100μm、厚み
が3μm以下、アスペクト比(粒子径/厚み)が5以上
である板状アルミナ粒子を製造する請求項3〜6のいず
れかに記載のアルミナ粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10007799A JP3711318B2 (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | アルミナ粒子の製造方法 |
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JP3711318B2 JP3711318B2 (ja) | 2005-11-02 |
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JP10007799A Expired - Lifetime JP3711318B2 (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | アルミナ粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3711318B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002235026A (ja) * | 2001-02-09 | 2002-08-23 | Sakura Color Prod Corp | 固形描画材 |
JP2003073603A (ja) * | 2001-08-30 | 2003-03-12 | Sakura Color Prod Corp | 水性ボールペン用インキ組成物及び当該組成物を用いた水性ボールペン |
JP2004155630A (ja) * | 2002-11-08 | 2004-06-03 | Showa Denko Kk | アルミナ粒子及びその製造方法 |
-
1999
- 1999-04-07 JP JP10007799A patent/JP3711318B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002235026A (ja) * | 2001-02-09 | 2002-08-23 | Sakura Color Prod Corp | 固形描画材 |
JP4712200B2 (ja) * | 2001-02-09 | 2011-06-29 | 株式会社サクラクレパス | 固形描画材 |
JP2003073603A (ja) * | 2001-08-30 | 2003-03-12 | Sakura Color Prod Corp | 水性ボールペン用インキ組成物及び当該組成物を用いた水性ボールペン |
JP2004155630A (ja) * | 2002-11-08 | 2004-06-03 | Showa Denko Kk | アルミナ粒子及びその製造方法 |
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