JP2000289199A - インクジェットヘッドの駆動方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの駆動方法

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JP2000289199A
JP2000289199A JP10423499A JP10423499A JP2000289199A JP 2000289199 A JP2000289199 A JP 2000289199A JP 10423499 A JP10423499 A JP 10423499A JP 10423499 A JP10423499 A JP 10423499A JP 2000289199 A JP2000289199 A JP 2000289199A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動板と個別電極の間に残留電荷が発生しな
いように、振動板を静電気力によって変形させてノズル
からインク液滴の吐出を行なうインクジェットヘッドの
駆動方法を提案する。 【解決手段】 インクジェットヘッドは3回のインク液
滴の吐出により1ドット分の印字を形成すると共に、イ
ンクジェットヘッドの振動板(共通電極)および個別電
極の間に印加される駆動電圧パルス信号の極性を
「逆」、「正」、「正」に変化させる。振動板と個別電
極間の絶縁膜は負の帯電特性を備えているので、このよ
うに奇数回の駆動電圧パルスを印加して、当該帯電特性
とは反対の極性の駆動電圧の印加回数を多くすることに
より、効果的に残留電荷の発生を抑制あるいは回避でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電気力を用いて
振動板を変形させることによりインク液滴の吐出を行な
う形式のインクジェットヘッドの駆動方法に関するもの
である。さらに詳しくは、振動板に残留する残留電荷の
影響を排除して常に良好なインク液滴の吐出動作を行な
うことの可能なインクジェットヘッドの駆動方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】静電気力を用いてインク液滴の吐出を行
なうインクジェットヘッドは、例えば、米国特許第45
20375号の明細書、特開平5−50601号公報に
開示されている。これらの公報に記載のインクジェット
ヘッドは、インクノズルに連通した吐出室の底面が面外
方向に弾性変位可能な振動板により形成され、この振動
板に対向して電極が配置されており、これらの振動板と
電極の間に駆動電圧パルスを印加することにより、振動
板を静電気力により変位させて、当該振動板の変位に応
じてインクノズルからインク液滴を吐出させるようにな
っている。
【0003】この構成のインクジェットヘッドにおい
て、振動板と電極の間に電圧パルスを印加した後に振動
板および電極間の誘電体に電荷が残留すると、この残留
電荷が作り出す電界により振動板と電極の相対変位量が
減少してしまう。相対変位量の減少は、インク液滴の吐
出量やインクスピードの低下等といったインク液滴の吐
出不良の原因となる。このようなインク吐出不良が発生
すると、印字濃度の変動、画素ずれ等の印刷品位不良や
画素抜け等が起こってしまう。
【0004】振動板と電極の間に残留電荷が発生するこ
とを防止するために、本願人は、先に、特開平7−81
088号公報において、インク液滴の吐出用の駆動電圧
とは逆極性の電圧を定期的に印加する方法を提案してい
る。また、特開平9−136413号公報において、イ
ンク液滴吐出用の駆動電圧として交互に逆極性のものを
印加する方法を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、一般的に、同
一の印字濃度を確保するためには、1ドット分印字を1
回のインク液滴により形成するよりも、複数回のインク
液滴により形成する方が1ドット印字用のインク重量が
少なくて済むので望ましい。
【0006】一方、振動板および電極の間に発生する残
留電荷の極性は、これらの間の絶縁層の帯電特性等に応
じて異なる。よって、極性の異なる駆動電圧を交互に印
加したとしても、効果的に残留電荷を除去できない場合
がある。
【0007】また、駆動電圧の極性が異なると、一般的
にはそれに応じて、吐出するインク液滴のインクスピー
ドあるいはインク重量が変化してしまう。このようなイ
ンク液滴の吐出特性が変化すると、印字品位が低下する
等の弊害が発生する。
【0008】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
インク液滴吐出用の駆動電圧として極性の異なるものを
印加することにより振動板および電極間の残留電荷を除
去すると共に、複数回のインク液滴の吐出により1ドッ
ト印字を形成するインクジェットヘッドの駆動方法にお
いて、残留電荷をより効果的に除去可能とすることにあ
る。
【0009】また、本発明の課題は、このようなインク
ジェットヘッドの駆動方法において、印字品位を低下さ
せることなく効果的に残留電荷を除去可能とすることに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、インク液滴吐出用の駆動電圧として極
性の異なるものを印加すると共に、複数回のインク液滴
の吐出動作により1ドット印字を記録媒体上に形成する
インクジェットヘッドの駆動方法において、前記1ドッ
ト印字を連続した3回以上の奇数回のインク液滴の吐出
動作により形成すると共に、当該1ドット印字を形成す
るための吐出動作のうち、少なくとも1回の吐出動作時
に印加する前記駆動電圧の極性を逆極性としたことを特
徴としている。
【0011】このように3回以上の奇数回分のインク液
滴の吐出動作により1ドット印字を行う場合には、駆動
電圧の印加も同一の奇数回数分だけ行われる。従って、
常に、一方の極性の駆動電圧の印加回数が多くなる。よ
って、振動板と電極の間の絶縁層の帯電特性に対応させ
て、印加回数を多くする駆動電圧の極性を選択すれば、
効果的に残留電荷を除去でき、印字品位を良好に保持す
ることができる。
【0012】ここで、例えばp型シリコン基板にボロン
がドープされたボロンドープ層に振動板を形成した場合
等には、振動板と電極の間に形成されている絶縁層は、
負の残留電荷が発生しやすい帯電特性を呈する。従っ
て、残留電荷を効果的に除去するためには、絶縁層の帯
電特性に応じて、前記1ドット印字を形成するための吐
出動作時に印加される前記駆動電圧の極性としていずれ
の極性を多数回とするのかを決定することが望ましい。
【0013】次に、前記駆動電圧の極性に応じて、当該
駆動電圧のパルス幅および電圧値のうちの少なくとも一
方を変えることが望ましい。このようにすれば、極性の
異なる駆動電圧を印加した場合のインク液滴の吐出特性
を実質的に同一なるように保持でき、印字品位を良好に
保持することができる。
【0014】本発明による典型的なインクジェットヘッ
ドの駆動方法においては、前記1ドット印字を形成する
ためのインク液滴の吐出動作の回数が3回とされる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
駆動方法により駆動されるインクジェットヘッドを備え
たインクジェットプリンタの実施例を説明する。
【0016】図1は本例のインクジェットプリンタの概
略構成図である。この図に示すように、本例のインクジ
ェットプリンタ310の全体構造は一般的なものであ
り、記録紙105を搬送するプラテン300と、このプ
ラテン300に対峙したインクジェットヘッド10と、
このインクジェットヘッド10をプラテン300の軸線
方向である主走査方向に往復移動させるキャリッジ30
2と、このインクジェットヘッド10に対してインクチ
ューブ306を介してインクを供給するインクタンク3
01を有している。303はポンプであり、インクジェ
ットヘッド10にインク吐出不良等が発生した場合に、
キャップ304、廃インク回収チューブ308を介し
て、インクを吸引して、廃イク溜め305に回収するた
めに使用する。
【0017】図2はインクジェットヘッド10の分解斜
視図、図3は組立てられたインクジェットヘッド全体の
断面構成図であり、図4は図3のA−A線矢視図であ
る。本例のインクジェットヘッド10は、インク液滴を
基板の端部に設けたノズル孔から吐出させるエッジイジ
ェクトタイプであるが、基板上面に設けたノズル孔から
インク液滴を吐出させるフェイスイジェクトタイプでも
よい。
【0018】これら図2、3、4に示すように、本例の
インクジェットヘッド10は、3枚の基板1、2、3を
重ね合わせた積層構造をしている。中間の基板2は、例
えばシリコン基板であり、複数のノズル孔4を構成する
ように、基板2の表面に一端から平行に等しい間隔で形
成された複数本のノズル溝21と、各々のノズル溝21
に連通し、底壁が振動板5として機能する吐出室6を構
成することになる凹部22と、凹部22の後部に設けら
れたオリフィス7を構成することになるインク流入口の
ための細溝23と、各々の吐出室6にインクを供給する
ための共通のインクキャビティ8を構成することになる
凹部24とを有する。
【0019】また、振動板5の下部には後述する電極を
装着するための振動室9を構成することになる凹部25
が設けられている。ノズル溝21のピッチは2mm程度
であり、その幅は40μm程度にされる。一方、中間基
板の上面には、共通電極17が形成されている。中間基
板2の上面に接合される上側の基板1は、例えばガラス
またはプラスチックからなり、この上基板1の接合によ
って、前記ノズル孔4、吐出口6、オリフィス7および
インクキャビティ8が構成される。上基板1にはインク
キャビティ8に連通するインク供給口14が形成されて
いる。インク供給口14は、接続パイプ16およびチュ
ーブ306介してインクタンク301(図1参照)に接
続される。
【0020】中間基板2の下面に接合される下側基板3
は、例えばガラス、プラスチックからなり、この下基板
3の接合によって前記振動室9を構成すると共に、下基
板の方面に前記振動板5に対応する各々の位置に個別電
極31を形成する。個別電極31はリード部32および
端子部33を有する。さらに、端子部33を除き電極3
1およびリード部32の全体を絶縁膜34で被覆してあ
る。各端子部33にはリード線35がボンディングされ
ている。
【0021】このように基板を重ね合わせて構成したイ
ンクジェットヘッド10は、更に、中間基板2に形成し
た共通電極17と各個別電極31の端子部33との間に
後述するヘッドドライバ220(図5参照)が接続され
る。インク11は、インクタンク301からインク供給
口14を通して中間基板の内部に供給され、インクキャ
ビティ8、吐出口6等を満たしている。なお、電極31
と振動板5の間隔は、1ミクロンm程度に保持されてい
る。図2において、13はノズル孔4から吐出されたイ
ンク液滴である。
【0022】なお、使用されるインクは、水、アルコー
ル、トルエン等の主溶媒にエチレングリコール等の界面
活性剤と、染料または顔料とを溶解または分散させるこ
とにより調製される。さらに、インクジェットヘッドに
ヒーター等を付設すれば、ホットメルトインクも使用で
きる。
【0023】個別電極31に対して、ヘッドドライバ2
20により、例えば、正の電圧パルスを印加して電極3
1の表面が正の電位に帯電すると、対応する振動板5の
下面は負の電位に帯電する。したがって、振動板5は静
電気力によって吸引されて下方へ撓む。次に、電極31
へ印加している電圧パルスをオフにすると、振動板5は
元の位置に復帰する。この復帰動作によって、吐出室6
の内圧が急激に上昇して、ノズル孔4からインク液滴1
3が記録紙105に向けて吐出する。そして、振動板5
が下方に撓むことにより、インク11がインクキャビテ
ィ8からオリフィス7を経由して吐出室6に補給され
る。
【0024】図5には、本例のインクジェトプリンタの
制御系のうち、インクジェットヘッド10の駆動制御系
の部分を示してある。図において、201はプリタン制
御回路であり、例えば1チップマイクロコンピュータに
より構成することができる。このプリンタ制御回路20
1には、アドレスバスおよびデータバスを含む内部バス
202、203、204を介してRAM205、ROM
206およびキャラクタージェネレータROM(CG−
ROM)207が接続されている。ROM206内に
は、制御プログラムが予め格納されており、ここから呼
び出されて起動される制御プログラムに基づき、後述の
ようなインクジェットヘッド10の駆動制御動作が実行
される。RAM205は駆動制御におけるワーキング領
域として利用される。CG−ROM207には入力文字
に対応したドットパターンが展開されている。
【0025】210はヘッド駆動制御回路であり、プリ
ンタ制御回路201の制御の下に、ヘッドドライバ22
0に対して駆動信号FR等を出力する。また、データバ
ス211を介して印刷データDATAが供給される。さ
らには、クロック信号CLKが供給される。
【0026】ヘッドドライバ220は、例えばTTLア
レイから構成されており、入力される駆動信号に対応し
た駆動電圧パルスを生成して、これらを、駆動対象とな
る個別電極31および共通電極17に印加して、対応す
るノズル孔14からインク液滴の吐出を行なわせる。駆
動電圧パルス信号を生成するために、ヘッドドライバ2
20には、接地電圧GND、駆動電圧Vp、V2、V3
(0<V2,V3<Vp)が供給されている。これらの
電圧は、電源回路230から供給される駆動電圧Vcc
から生成されるものである。
【0027】図6には、上記構成のインクジェットプリ
ンタ1の概略動作のフローチャートを示してあり、図7
(a)にはノズル回復動作のサブルーチン、図7(b)
には印刷動作のサブルーチンを示してある。
【0028】先ず全体の動作を説明すると、ステップS
T1において、プリンタ機構部分の初期化が実行され
る。次にステップST2において、電源投入直後のノズ
ル回復動作を行なう。このノズル回復動作は図7(a)
のステップST21ないしステップST23に示される
一連のステップからなる。
【0029】このノズル回復動作においては、ステップ
ST21においてインクジェットヘッド10を搭載した
キャリッジ302を待機位置からキャップ304の位置
へ移動する。次に、ステップST22においてノズルの
回復動作、すなわちリフレッシュを行なう。このノズル
のリフレッシュとは、インクジェットヘッド10のノズ
ル部の増粘したインク等のインク吐出不良の原因となる
不良インクを排出するために、全てのノズルに対応する
振動板5を駆動して、全てのノズルからインク液滴を所
定の回数だけ吐出させることである。この後は、ステッ
プST23において再びキャリッジ302を待機位置に
復帰させる。
【0030】再び図6のフローチャートに戻り、ステッ
プST3においては、前回のノズル回復動作からの時間
をカウントする。このカウントは、プリンタ制御回路2
01に内蔵のカウンタを用いて行なう。ノズル回復動作
を行なう時間隔が経過すると、ステップST3からステ
ップST9に移行して、再度、ノズル回復動作を行な
う。そうでない場合には、ステップST4において印刷
を行なうか否かを判別し、印刷動作を行なう場合には、
ステップST5においてノズル回復動作期間のカウント
値をリセットした後に、ステップST6に進み、印刷動
作を実行する。
【0031】図7(b)にはこの印刷動作を示してあ
る。この図に示すように、先ずステップST61におい
て、計数値nを「1」に設定し、ステップST62にお
いて、キャリッジ302を1ドット分だけ主走査方向に
移動する。ステップST63、64において、印字デー
タDATAに基づいた指定ドットに対応するノズルの振
動板5を駆動することにより、当該ノズルのインクの吸
引および吐出動作を行なう。次に、ステップST65に
おいて計数値nを「1」だけインクメントしてステップ
ST66において計数値nが主走査方向の最終ドットで
あるか否かを判別する。最終ドットの場合には印刷動作
を終了し、そうでない場合には、ステップST62に戻
って上記の動作を繰り返す。
【0032】このようにして主走査方向の1行分の印字
動作を終了した後は、図6のステップST10において
処理を継続するか否かを判別し、継続の場合には、ステ
ップST3に戻り、そうでない場合には、処理を終了す
る。
【0033】(1ドット印字動作)ここで、本例のイン
クジェットプリンタにおいては、図7(b)に示す印刷
動作において、記録紙上に1ドット印字(1画素印字)
を形成するために、3以上の奇数回のインク液滴の吐出
動作、本例では3回の吐出動作を連続して行うように構
成されている。また、駆動電圧パルス信号として極性の
異なるものを用いるように構成されている。
【0034】すなわち、本例では、共通電極17に正の
駆動電圧パルス(値V3)を印加し、個別電極31を接
地電位(GND)にすることにより、振動板5を変位さ
せてインク液滴の吐出動作を行なわせる「正」の駆動形
態と、共通電極17を接地電位(GND)にして、個別
電極31の側に正の駆動電圧パルス(値V2)を印加す
ることにより、振動板5を変位させてインク液滴の吐出
動作を行なわせる「逆」の駆動形態とにより、インク液
滴の吐出を行うようにしている。
【0035】1ドット印字のために3個の駆動電圧パル
スを印加する場合に、それらの極性としては次の6つの
パターンが考えられる。
【0036】 正、正、逆 正、逆、正 正、逆、逆 逆、正、正 逆、逆、正 逆、正、逆 ここで、p型シリコン基板2にボロンを拡散したボロン
層を振動板5とし、この振動板5と電極31の間に形成
されている絶縁膜34を熱酸化膜とし、シリコン基板2
とガラス基板3を陽極接合してインクジェットヘッド1
0を作製した場合、絶縁膜34は、例えば−2V程度の
負の帯電特性を示すことが実験により確認された。この
場合には、これら振動板5と電極31の間に発生する負
の残留電荷を除去あるいは抑制するためには、「正」の
駆動電圧パルスを多く印加すればよい。すなわち、次の
3つのパターンの何れかを採用すればよい。
【0037】 正、正、逆 正、逆、正 逆、正、正 そこで、このような駆動制御を実現するために、本例の
ヘッド駆動制御回路210においては、データ印字のタ
イミング毎に、上記の3つのうちの何れかのパターンで
論理値が高低に繰り返し切り換わる反転駆動信号FRを
ヘッドドライバ220に供給している。ヘッドドライバ
220では、反転駆動信号FRの論理値と、印刷データ
DATAの論理値(印刷データの有無)に応じて、駆動
電圧パルスの極性を切り換えている。
【0038】ここにおいて、一般に、インクジェットヘ
ッドは、加工寸法のばらつきにより、振動板5の厚み、
振動板と電極のギャップが目標値に対してばらつく。こ
れらの値がばらつくと、インクジェットヘッドを適正に
駆動するために必要な駆動電圧パルス信号のパスル幅も
変動する。この点からは、駆動電圧パルス信号として、
印字品位を良好に保持可能なパルス幅の範囲が広い方が
よく、広ければ製造誤差を吸収できる。
【0039】また、オンディマンド型のインクジェット
ヘッドにおいては駆動周波数が変化するが、駆動周波数
の変化に伴って吐出されるインク重量、インクスピード
が変化してしまうことは好ましくない。
【0040】これらの点に鑑みて、本発明者等が解析を
行った結果、3回のインク液滴の吐出により1ドット印
字を行う場合には、上記の3つの極性パターンのうち、 逆、正、正 の駆動パターンが最も優れていることが確認された。
【0041】図8には、本例の駆動方式によるタイミン
グチャートを示してある。この図において(a)は印字
動作のためのタイミングパルスを示してあり、(b)に
は印字タイミング毎に出力される通電パルスを示してあ
る。(c)には、インクジェットヘッド10の各ノズル
の駆動電圧波形を示してある。この駆動電圧波形は、個
別電極31と共通電極17の間の電位差を表している。
さらに、(d)にはノズルからのインク液滴の吐出タイ
ミングを示してある。
【0042】以上のように、本例のインクジェットプリ
ンタにおいては、インクジェットヘッド10の各ノズル
の駆動を、図8(c)に示すように、インク液滴の吐出
動作を、逆、正、正のパターンで切り換わる駆動電圧パ
ルス信号により行い、これら3回のインク液滴の吐出動
作によって、1ドット印字を形成している。すなわち、
「逆」の駆動状態では、個別電極31と共通電極17
(振動板5)の間に負の駆動電圧パルスS(V2)が印
加される。これに対して、「正」の駆動状態では、これ
らの間に正の駆動電圧パルスS(V3)が印加されるこ
とになる。
【0043】従って、本例においては、負側の帯電特性
を有する絶縁膜34の残留電荷の発生を、正側の駆動状
態を多くすることにより、確実に抑制あるいは回避する
ことができる。
【0044】(駆動形態の第2の例)ここで、上記のよ
うに「逆、正、正」の駆動方法において、インクスピー
ドのパルス幅特性を実験により求めると、図9に示すよ
うな特性曲線となる。この図において、実線で示す曲線
が「正」駆動時に得られるインクスピードの特性曲線で
あり、破線で示す曲線が「逆」駆動時に得られるインク
スピードの特性曲線であり、破線の示す曲線が全体とし
て左にシフトしている。
【0045】良好な印字品質が得られるインクスピード
に対応する駆動電圧パルス信号のパルス幅Pwの範囲を
W1、W2とすると、双方の曲線の重なり部分の範囲W
が、採用可能なパルス幅の範囲となる。このように正お
よび逆の駆動方法では、インク液滴の吐出特性が異なる
ので、双方の駆動方法において良好な印字品質を得るこ
とができるパルス幅の範囲が狭くなってしまう。
【0046】このようなインク液滴の吐出特性のばらつ
きを抑制するためには、駆動電圧パルス信号のパルス幅
あるいは電圧値、またはそれらの双方を、極性に応じて
変更すればよい。
【0047】図10には、極性に応じて、駆動電圧パル
ス信号のパルス幅を変更した例を示してある。各信号
(a)〜(c)は図8における各信号(a)〜(c)に
対応している。この図に示すように、逆駆動時における
パルス幅Pw1を正駆動時におけるパルス幅Pw2より
も狭くなるようにしてある。このようにすると、
「正」、「逆」の各駆動時におけるインク液滴の吐出特
性のばらつきを抑制可能なことが確認された。
【0048】図11には、極性に応じて、駆動電圧パル
ス信号の電圧値を変更した例を示してある。各信号
(a)〜(c)は図8における各信号(a)〜(c)に
対応している。この図に示すように、逆駆動時における
電圧値V2の絶対値を正駆動時における電圧値V3の絶
対値よりも小さくなるようにしてある。このようにして
も、正、逆駆動時におけるインク液滴の吐出特性のばら
つきを抑制できることが確認された。
【0049】(その他の実施の形態)上記の例において
は、電極31を被覆している絶縁膜34が負の帯電特性
を備えているが、正の帯電特性を備えている場合には次
のように駆動電圧の極性を変化させればよい。
【0050】例えば、n型シリコン基板にリンを拡散し
て振動板を形成し、上記の例のようにしてインクジェッ
トヘッドを作製した場合には、その絶縁膜は+2V程度
の正の帯電特性を示す。この場合、逆極性の駆動電圧パ
ルス信号を多く印加すればよい。すなわち、 正、逆、逆 逆、逆、正 逆、正、逆 のうちの何れかの駆動パターンにより1ドット印字を行
うようにすればよい。
【0051】一方、上記の例では、1ドット印字を3回
のインク液滴の吐出により形成しているが、5以上の奇
数回のインク液滴の吐出により1ドット印字を形成する
ようにしてもよい。いずれの場合においても、一方の極
性の駆動電圧パルスの印加回数が多くなるので、振動板
と電極の間の残留電荷の発生を効果的に抑制あるいは回
避することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェットヘッドの駆動方法においては、1ドット印字を、
3以上の奇数回のインク液滴の吐出動作により形成する
と共に、これらの吐出動作時に印加する駆動電圧の極性
を異なるようにしている。従って、本発明によれば、振
動板および電極間における正あるいは負の帯電特性を備
えた絶縁層に発生する残留帯電を効果的に抑制あるいは
回避できる。
【0053】また、本発明では、駆動電圧の極性に応じ
て、当該駆動電圧のパルス幅および電圧値のうちの少な
くとも一方を変えるようにしている。この結果、極性の
違いに起因するインク液滴の吐出特性の変動を抑制ある
いは回避できるので、印字品質の高い印字を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットプリンタの全
体構成を示す概略構成図である。
【図2】図1のプリンタに搭載されているインクジェッ
トヘッドを示す分解斜視図である。
【図3】図2のインクジェットヘッドを示す概略断面図
である。
【図4】図3のA−A線矢視図である。
【図5】図1のインクジェットプリンタにおけるインク
ジェットヘッドの制御系を示す概略ブロック図である。
【図6】図1のインクジェットプリンタの動作を示す概
略フローチャートである。
【図7】(a)はノズル回復動作のサブルーチンを示す
フローチャート、(b)は1主走査ライン分のドット印
字動作を示すフローチャートである。
【図8】図1のインクジェットプリンタにおけるインク
ジェットヘッドによる1ドット印字のための駆動制御を
示すタイミングチャートである。
【図9】極性の異なる駆動電圧パルス信号のパルス幅に
対するインクスピードの特性を示すグラフである。
【図10】本発明によるインクジェトヘッドの別の駆動
制御を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明によるインクジェトヘッドの更に別の
駆動制御を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1、2、3 基板 4 ノズル孔 5 振動板 10 インクジェットヘッド 13 インク液滴 17 共通電極 31 個別電極 34 絶縁膜 201 プリンタ制御回路 210 ヘッド駆動制御回路 220 ヘッドドライバ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板と対向電極の間に駆動電圧を印加
    して静電気力により当該振動板を変位させてインクノズ
    ルからインク液滴を吐出させる吐出動作を複数回行うこ
    とにより1ドット印字を記録媒体上に形成するインクジ
    ェットヘッドの駆動方法において、 前記のインク液滴の吐出動作を3回以上の奇数回に亘り
    連続して行うことにより1ドット印字を形成し、 当該1ドット印字を形成するための奇数回の吐出動作の
    うち、少なくとも1回の吐出動作時に印加する前記駆動
    電圧の極性を逆極性としたことを特徴とするインクジェ
    ットヘッドの駆動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記駆動電圧の極性に応じて、当該駆動電圧のパルス幅
    および電圧値のうちの少なくとも一方を変えることを特
    徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記振動板および電極の間に形成されている絶縁層の帯
    電特性に応じて、前記1ドット印字を形成するための吐
    出動作時に印加される前記駆動電圧の極性としていずれ
    の極性を多数回とするのかを決定することを特徴とする
    インクジェットヘッドの駆動方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のうちの何れかの項に
    おいて、 前記1ドット印字を形成するためのインク液滴の吐出動
    作の回数が3回であることを特徴とするインクジェット
    ヘッドの駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019517235A (ja) * 2016-05-18 2019-06-20 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 電気活性ポリマーに基づくアクチュエータデバイス

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