JP2000288708A - 圧延用スリーブロール - Google Patents
圧延用スリーブロールInfo
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- JP2000288708A JP2000288708A JP11094704A JP9470499A JP2000288708A JP 2000288708 A JP2000288708 A JP 2000288708A JP 11094704 A JP11094704 A JP 11094704A JP 9470499 A JP9470499 A JP 9470499A JP 2000288708 A JP2000288708 A JP 2000288708A
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- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
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Abstract
延用高性能スリーブロールを提供する。 【解決手段】 C:1.0〜3.5%、V:4.5〜1
0.0%、Cr:3.0〜10.0%、Si:0.2〜
2.0%、Mn:0.2〜2.0%およびMo、Wの1
種以上を2〜15%含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなる溶湯で、遠心鋳造方法により円筒状中空素
材に鋳造後、熱間鍛造方法により所定の形状に成形した
圧延用スリーブロール。
Description
られる圧延用ワークロール、例えば圧延用スリーブロー
ルに関するものである。
イス系ロール材と呼ばれるV,Cr,Mo,Wを多量に
含有した白鋳鉄が採用されてきている。とりわけ特許国
際公開W088/07594もしくはW091/198
24公報に示された連続鋳掛け方法によるロールは良好
な耐摩耗性を発揮し、ホットストリップ仕上げ圧延用と
して普及した。この製造方法はハイス系ロールの材質特
性を発揮させるには優れたものであったが、設備がホッ
トストリップ仕上げ圧延ロール用に設置されたため、そ
の設備容量より適用されるロールは寸法や形状が限定さ
れ、特にロール直径が1mを超える大径のものや鋳掛け
厚みが150mmを超えるもの、また型鋼圧延用の深い
孔型を有するロールを製造できなかった。
造した後、鍛造成形することも試みられ特開平3−90
270号公報、特開平3−219047号公報、特開平
7−233441号公報等に開示されている。しかしな
がら、この方法では電源容量ならびに精錬効果の観点よ
り再溶解速度を小さく制限せざるを得ず、したがって凝
固速度が小さく、凝固時にデンドライトが大きく成長し
組織が粗く耐肌荒れ性において全く満足できるものでは
なく、かつ多くの製造工程を経るため高価なものとなっ
ている。
な遠心鋳造方法を用いたものでは、たとえば特開平2−
232338号公報、特開平4−365836号公報、
特開平8−060289号公報等に開示されている。し
かしながら、硬いMC型およびM2 C型炭化物が鋳造時
に偏析し、使用した際に肌荒れを招いた。この偏析を緩
和するために性能を犠牲にして含有元素の添加を抑制せ
ざるをえず、またこれを補足するため特殊元素を添加す
るも、十分な性能を発揮することができなかった。
58018号公報に開示されているが、一体型ロールに
関するものであり本発明が対象とする特に大径ロールを
製造することが難しく、採用しても加熱および鍛造作業
の繰り返しが多くなり、作業効率が悪く経済的でない。
また、材質的にもNbの添加を不可欠としているが、N
bの添加が極めて硬いVC炭化物の晶出を抑制し耐摩耗
性において望ましいものではなかった。
おいて種々の寸法および形状に対応し、耐摩耗性、耐肌
荒れ性、さらには強靱性に優れた高性能ロールを経済的
に供給するものであり、まず本発明は耐摩耗性を向上さ
せるため、硬質の晶出炭化物、すなわちVによるMC型
炭化物あるいはCr,Mo,WによるM2 C型、M7 C
3 型炭化物を利用し、これらの炭化物を微細に分散させ
ることを最大の特徴とする。そのために遠心鋳造方法の
採用および円筒状中空ロール(以下スリーブロールと呼
ぶ)に適用することにより種々のロール寸法および形状
へ製造でき、また化学成分的には従来使用されているN
bの添加をなくし、VC炭化物の晶出を積極的に行うと
ともに、従来遠心鋳造方法では積極的に利用されていな
いW,Moを添加し、該添加により生成する層状に偏析
した炭化物を鋳造後の鋳造にて解消するものである。
重量%で、C:1.0〜3.5%、V:4.5〜10.
0%、Cr:3.0〜10.0%、Si:0.2〜2.
0%、Mn:0.2〜2.0%およびMo、Wの1種以
上を2%以上含有し残部Feおよび不可避的不純物から
なる材料を遠心鋳造方法により円筒状中空素材に鋳造、
また別の材料と複合構造とした後、熱間鍛造方法により
成形比を1.5以上5以下の範囲で、種々の寸法および
形状に成形し、耐摩耗性、耐肌荒れ性、さらには強靱性
に優れた高性能ロールを経済的に製造するものである。
以下に述べる。Cはロールの性能に直接影響する硬さを
得るための重要な元素である。C量が1.0%より少な
いと耐摩耗性および耐肌荒れ性を向上させるために有効
な硬い炭化物の晶出が少なく、さらに基地に固溶するC
が不足し、焼き入れによっても十分な基地硬さが得られ
なくなると同時に、合金添加の効果を十分発揮できな
い。一方、3.5%を越えると硬いが脆い炭化物が粗大
化し且つその晶出量も過大となり強度が損なわれ、使用
中に割損や表層剥離等が生じ使用に耐えないためこれを
上限とした。
MC型炭化物、すなわちVC炭化物を形成し耐摩耗性を
向上させるために極めて有用な元素である。しかし4.
5%以下であるとその効果は小さく、一方10%を超え
るとVC型炭化物は比重が小さく遠心鋳造時に内面側に
重力偏析しやすくなるため偏析の抑制と強度を損なわな
い範囲として10%を上限とした。
化物を結晶粒界に晶出生成し、耐摩耗性を向上させる。
M7 C3 型炭化物は遠心鋳造時にも比較的偏析し難い
が、網目状に大きく凝集して晶出する。添加量が少ない
と炭化物が少なくその効果が十分確保できず、一方多す
ぎると炭化物の晶出量が過大となり前述のとおり強度が
損なわれる。そこで最適な範囲として3%以上10%以
下とした。
物を形成し耐摩耗性を向上させ、Vとともに本発明材の
重要な元素である。その効果が現われるためには少なく
とも1種を2%以上含有することが必要であり、望まし
くは両元素の総量が4%以上15%以下である。このM
2 C型炭化物は棒状で結晶粒界に凝集して晶出する。こ
の炭化物は先に述べた連続鋳掛け方法では比較的偏析す
ることなく鋳造できるため利用されているが、前記特開
平8−060289号公報に開示のとおり一般に遠心鋳
造方法においては層状に偏析が発生しやすいため、耐肌
荒れ性を損ない利用できなかった。
なかったこの種の炭化物を晶出させ、後述する鍛造効果
により有用なものとして積極的に利用することを大きな
特徴の一つとする。なお、本発明材においては鋳造時に
晶出したM2 C型炭化物はその後の熱処理工程を経てし
ばしばM6 C型炭化物になることがある。Si,Mnは
ともに脱酸効果ならびに溶湯の流動性を高める観点よ
り、一般の高速度鋼に含まれている各々0.2〜2.0
%の範囲を含有させることが望ましい。
性を向上させる効果を有する。直径の大きいロールなど
大きい硬化深度が要求される場合にはその要求に応じて
添加するとよい。しかし多量に添加すると残留オーステ
ナイトが過剰となりかえって高硬度が得られなくなるた
め5%以下の範囲で用いることも有効である。Coは
0.5%程度以上添加すると高温使用下で基地の硬さと
強度を向上させるもので、特に熱間圧延用のロールには
10%以下の範囲で用いることも有効である。
偏析を抑制し、また分散晶出させる効果があることが一
般に知られており、この目的で添加されても本発明の効
果を損なうものではない。一方、NbはVと同様にCと
強く結合しMC型のNbC炭化物を形成するため、軽く
て偏析し易いVC炭化物に変えしばしば利用されるが、
Nbの添加は本発明の最大の特徴の一つである極めて硬
いVC炭化物の生成を阻害し、耐摩耗性を損なってしま
うので本発明材で添加してはならない。
いてはまず遠心鋳造方法により円筒状中空素材を製造す
る。これは後工程である鍛造作業を容易にしてその効果
を顕著なものとするためである。すなわち、外内面両方
から半径方向に、さらに軸方向からも鍛造することがで
きる。したがって、鍛造条件が自由に選べ、種々の寸法
ならびに形状とすることが可能である。さて、本発明材
を遠心鍛造方法にて鋳造した場合、前述のとおり炭化物
特にM2 C型炭化物が層状に偏析する。
M7 C3 型炭化物は比較的大きく且つ結晶粒界に凝集し
て晶出する。したがって、この素材のままでは、ロール
として使用した際、耐肌荒れ性と強靱性を満足させるこ
とができない。そこで、この素材に鍛造を施した結果、
比較的大きな炭化物が凝集して晶出していたM2 C型お
よびM7 C3 型炭化物が微細に分割され、もともと微細
で粒状に晶出していたMC型炭化物とともに分散され、
図2に示すとおり均質な金属組織が得られた。
引っ張り強度の関係を示すが、強度は成形比1.5以上
とすることで30%から50%と著しく向上し強靱性が
付与された。なお、ここで成形比は鍛造作業で一般的に
用いられる指標の一つで鍛造前後の材料の断面積比、具
体的には(初めの断面積/鍛造後の断面積)である。さ
らに、要求される耐肌荒れ性に対しても十分満足する均
質な金属組織が達成された。一方、成形比を大きくすれ
ばその効果は高いが、加熱・鍛造作業の繰り返しが多く
なるため経済的でなく、実用的な上限として5以下とし
た。また、孔型ロールにおいては孔型部のみを大きな成
形比で鍛造することにより、ロール性能をさらに向上さ
せるとともに材料の歩留まりをよくするために有効であ
る。
材料をまず遠心鋳造方法により小径から大径まで、さら
に厚肉のロールも簡便に製造できる。さらには鍛造によ
り寸法および形状を大幅に変えることも容易であり、且
つ均一な金属組織が得られ、耐肌荒れ性および強靱性を
も付与でき、種々の寸法・形状のロールに対し高性能ロ
ールを経済的に供給することが可能となった。本ロール
は軸部を繰り返し使用することができ経済的な図4に示
す組立て式ロールにおいて、有効使用域が消耗した後に
取り替えられる一般にスリーブと呼ばれる中空円筒状の
ロールとして用いられる。この際、焼嵌等による組立て
時の加工のために内面に例えば黒鉛鋳鋼もしくはダクタ
イル鋳鉄等の柔らかく、且つ強靱な材料を予め採用し遠
心鋳造時に複合材として製造することも可能である。
て遠心鋳造方法にて円筒状中空素材を鋳造した後、成形
比2.0にて鍛造成形し、外径1,400mm、内径8
50mm、幅500mmの型鋼圧延用スリーブロールを
製造した。また従来例として遠心鋳造方法のみにより製
造したロール、及びVに換えNbを含有させ遠心鋳造後
に鍛造を行ったロールを示した。まず、本発明材の製造
工程を詳細に述べる。まず原材料を誘導加熱溶解炉にて
加熱溶解したのち、遠心鋳造方法にて円筒状中空素材を
鋳造した。焼鈍後、外内面を加工した。これを鍛造にて
所定の寸法・形状に成形し、さらに硬化熱処理を施し、
最終的に仕上げ加工を実施した。なお製品は前述のよう
に予め用意された軸に焼嵌めて実際の圧延作業に供し
た。
る。比較例No.1〜4はいずれも遠心鋳造のみにより
製造したものである。ここで、耐摩耗比は各ロールの単
位摩耗深さ当りの圧延製品量、すなわち(圧延量÷摩耗
量)を比較して係数で示した。また、耐肌荒れ性では圧
延操業途中で肌荒れによりロールを組替、もしくは製品
の手入れが必要であったものを不良とした。
を6%と多く含有し、したがってM 2 C炭化物が晶出し
これが鋳造時に偏析して、圧延に使用した際に耐肌荒れ
性が極めて不良で使用に耐えなかった。また本発明に必
須のWを含まないため、炭化物の偏析もあって耐摩耗性
も十分でなかった。比較例No.2に記載のものは比重
が小さく遠心力で偏析しやすいVC炭化物の晶出を抑制
させるためにVに換えNbを含有させたものであり、そ
のため耐肌荒れ性は確保されたもののCが高く炭化物の
晶出量が多いにもかかわらず耐摩耗性は十分でなかっ
た。
すためV,Mo,Wの含有量を適正に抑えた遠心鋳造方
法でのもっとも一般的なものであるが、耐摩耗性ならび
に強靱性の向上が望まれるものである。比較例No.4
に記載のものは比較例No.1のMoの一部をWに置き
換えたものであるがM2 C型炭化物が晶出し比較例N
o.1と同様に偏析により圧延に使用した際に耐肌荒れ
性が極めて不良で使用に耐えなかった。
bを含有させ遠心鋳造後に鍛造を行ったものであり、偏
析も無く特に鍛造の効果で引っ張り強度が遠心鋳造材で
ある比較例No.1〜4に対し50%以上向上し強靱性
が付与されている。しかしながらV炭化物に比べ軟らか
いNb炭化物の影響で耐摩耗性において満足できるもの
ではなかった。一方、本発明例No.6〜12はいずれ
も偏析もなく、したがって十分な耐肌荒れ性を有すると
ともに、耐摩耗性ならびに強靱性が著しく向上した。
法や形状のロールに対し、耐摩耗性、耐肌荒れ性、強靱
性を兼備した高性能ロールを安価に供給することがで
き、その結果圧延製品の品質向上ならびに連続操業によ
る生産性の向上が可能となり、工業的に大きな価値を有
するものである。
織写真(50倍)、
係、
Claims (6)
- 【請求項1】 重量%で、 C :1.0〜3.5%、 V :4.5〜10.0%、 Cr:3.0〜10.0%、 Si:0.2〜2.0%、 Mn:0.2〜2.0% およびMo、Wの1種以上を2〜15%含有し、残部F
eおよび不可避的不純物からなる溶湯で、遠心鋳造方法
により円筒状中空素材に鋳造後、熱間鍛造方法により所
定の形状に成形したことを特徴とする圧延用スリーブロ
ール。 - 【請求項2】 遠心鋳造時の溶湯でNiを5%以下含有
したことを特徴とする請求項1記載の圧延用スリーブロ
ール。 - 【請求項3】 遠心鋳造時の溶湯でCoを10%以下含
有したことを特徴とする請求項1または2記載の圧延用
スリーブロール。 - 【請求項4】 遠心鋳造方法にて鋳造後、引き続き別の
材料を鋳造し複合材とした請求項1〜3記載の圧延用ス
リーブロール。 - 【請求項5】 熱間鍛造方法での鍛錬成形比を1.5以
上5.0以下で熱間鍛造を施したことを特徴とする請求
項1〜4記載の圧延用スリーブロール。 - 【請求項6】 外表面の孔型部を鍛造にて成形したこと
を特徴とする請求項5記載の圧延用スリーブロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11094704A JP2000288708A (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 圧延用スリーブロール |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11094704A JP2000288708A (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 圧延用スリーブロール |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-04-01 JP JP11094704A patent/JP2000288708A/ja active Pending
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