JP2000288547A - 廃水の浄化処理方法及びその装置 - Google Patents

廃水の浄化処理方法及びその装置

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JP2000288547A
JP2000288547A JP11097177A JP9717799A JP2000288547A JP 2000288547 A JP2000288547 A JP 2000288547A JP 11097177 A JP11097177 A JP 11097177A JP 9717799 A JP9717799 A JP 9717799A JP 2000288547 A JP2000288547 A JP 2000288547A
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plasma discharge
treatment
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ozone
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JP11097177A
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English (en)
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Toshimitsu Urashima
敏充 浦嶋
Fumio Ishida
文男 石田
Kazuo Sasazawa
一雄 笹沢
Minoru Kumakura
稔 熊倉
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Taiyo Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】特に染料等を含有する着色廃水の処理に優れ、
低濃度から高濃度まで幅広く、浄化処理されるべき物質
を含有する廃水に対応可能な廃水の浄化処理方法及びそ
の装置を提供する。 【構成】廃水を対極として該廃水外に他方の電極を設
け、該廃水の水面と該他方の電極との間にプラズマ放電
を起こし、該廃水中にラジカルを発生させるプラズマ放
電工程を有する廃水の浄化処理方法及びその装置。 【効果】上記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に酸性染料や塩基性
染料等の着色物質を含有する着色廃水の処理に優れ、低
濃度から高濃度まで幅広く、浄化処理されるべき物質を
含有する廃水に対応可能な廃水の浄化処理方法及びその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】染色産業、印刷・写真産業等における染
料等の着色剤を使用した着色を行なっている事業所はい
うまでもなく、その他の産業の事業所においても、着色
剤その他の着色物質を含有した、いわゆる着色廃水を生
じることがある。着色剤自体は、低BOD、低CODの
場合が多いが、その着色廃水をそのまま河川等に放出す
ると、自然の景観を損ねてしまうので、その廃水を脱色
処理することが行われている。その処理水や、その他の
工業用廃水を伴うことが不可欠である産業の事業所や施
設から排出される廃水に含まれる有機物の量は水質検査
における化学的酸素要求量(CODと表示され、試験水
に含まれる汚染有機物を酸化するに必要な過マンガン酸
カリウムによる消費量をppm単位で表したもの)や、
生物的酸素消費量(BODと表示され、水中の好気性微
生物によって消費される酸素量のことであり、試料を希
釈水で希釈して20℃で5日間培養したときに消費され
た溶存酸素量から求める。)を測定することにより調べ
られるようになっていて、外界に処理水を放出する場合
にはその基準が公害防止法等に基づいて定められてい
る。従来、着色廃水を脱色し、その処理水のCODやB
ODが上記の基準内におさまるようにするには、凝集
法、吸着法、生物学的処理法及びオゾン法が用いられて
いる。凝集法は、硫酸アルミニウム等の無機凝集剤やポ
リアクリルアミド系高分子等の有機凝集剤により、染料
等の着色物質を凝集させ、沈殿させるものであるが、例
えば染料について言えば酸性染料、塩基性染料などがあ
るので、それぞれに対応した凝集剤を選択しなければな
らないというように、全ての着色廃水に対応できるわけ
ではなく、染料の種類、廃水を処理するpH、凝集剤の
添加量などによってその処理の効果が大きく変化すると
いう問題がある。また、吸着法は、活性炭のような吸着
剤に着色廃水中の着色剤を吸着させて、除去しようとす
るものであるが、活性炭の原料や製造方法によって吸着
能が異なり、着色廃水の安定した脱色性能が得られない
という問題がある。それのみならず、実際の適用に当た
っては、使用済の活性炭を再生処理する面倒があって、
その維持管理費などを考慮する必要があり、活性炭を再
生できない場合にはさらに廃棄コストが必要となるとい
う問題がある。また、生物学的処理法は、酵素を発生す
る微生物の菌を用いて着色廃水を脱色するものである
が、廃水中の着色物質が天然物質であることが条件であ
る場合が多いという制約がある。また、菌の固定化や、
栄養源の選定、さらには処理温度の選択、pH調整など
の処理条件の制御を必要とするという問題もあり、今後
の研究に待つところが多く、現段階では汎用性に欠ける
といえる。
【0003】また、オゾン法は、オゾンの強力な酸化力
を利用して、廃水中の着色物質の発色に係わる官能基で
ある、いわゆる発色団を酸化し、脱色するものである。
オゾンは酸化処理を行った後は酸素となるのでその排出
も容易であり、二次公害の心配がほとんどなく、スラッ
ジの発生もないので、最近多くの着色廃水の脱色に使用
されている。特に、着色廃水中の染料などだけではな
く、廃水中の塩素化物などのこれら染料や塩素化物など
のいわゆる難分解製有機物を化学的に酸化して分解処理
する方法として利用されている。オゾンの発生方法は、
プラズマ放電、特に無声放電式オゾン発生法が代表的で
ある。この方法は、一対の平行電極の一方(又は両方)
に誘電体を設け、これら電極間に露点温度をマイナス6
0℃以下に下げた乾燥空気又は酸素等の原料ガスを大気
圧近傍の圧力で供給した状態で、両電極間に交流高電圧
を印可することにより、放電による化学作用で原料ガス
の一部をオゾンに変化させ、オゾン化ガスにするという
ものである。その際、オゾンが熱により分解し、酸化力
を失うことがないように、その熱分解を防止するために
電極を冷却する必要がある。このように発生させたオゾ
ンを着色廃水に供給し、接触(気液混合)させることに
より脱色処理が行なわれるが、水中でのオゾンの分解速
度は速く、その半減期は常温、中性で30分であり、水
中のオゾンは急速に酸化力を失うので、処理中はオゾン
を着色廃水に供給し続けるためにオゾン発生装置を連続
的に稼動させる必要がある。その脱色性能を向上させる
ために、オゾン発生効率を高める手段として、電極間に
誘電性多孔質体を設けて、その気孔内で放電を起こさ
せ、放電ギャップの距離を小さくして電子エネルギーを
高くする技術思想(特願平6−180282号公報)
や、オゾンを発生させた後に、そのオゾンを着色廃水と
接触させるのではなく、一方の電極上に着色廃水層を形
成させて気相でオゾンを発生すると同時に液相に混合
し、脱色処理を行なう技術思想(特願昭54−6577
号公報)も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
オゾン法は、処理に要する維持管理費は電気代だけであ
っても、設備のイニシャルコストが高くつくという問題
がある。その原因の一つは、上述したように、低温に温
度制御した原料ガスを使用する装置や、オゾンの熱分解
を防止する冷却装置などの精密、複雑な機構の装置を必
要とし、その装置に対するコストが高過ぎることにあ
る。また、ランニングコストに関しても、脱色処理中は
連続的にオゾンを発生させなければならないので、着色
物質が分解し難く、脱色し難い、いわゆる難度の高い着
色廃水などの場合には長時間の運転をすることになり、
電気代もかかることになり、経済的でもないという問題
もある。また、実際に着色廃水の脱色処理を行なうに
は、着色廃水とオゾンを気液混合して反応させる反応塔
や、その気液混合の具体的な方法などの特殊な技術を必
要とし、そのための装置の機構も複雑で操作が面倒であ
るという問題もある。また、オゾンの発生、移送、注
入、気液混合などの着色廃水処理に到るまでの工程が多
く、エネルギー的なロスが多く、この点でも効率が低下
し、経済的でないという問題がある。さらには、着色廃
水中の着色物質を脱色したとしても、その発色団が一時
的に不安定な構造変化をすることに留まって、その分解
をし切れない場合が起こり、処理の後に復色してしまう
という問題もある。
【0005】本発明の第1の目的は、簡素な構造の装置
を用いることにより設備費のコストを低減できる廃水の
浄化処理方法及びその装置を提供することにある。本発
明の第2の目的は、処理効率が高く、ランニングコスト
を抑えることができ、省エネギー化を図ることができる
廃水の浄化処理方法及びその装置を提供することにあ
る。本発明の第3の目的は、処理工程に到る前工程が無
く、直接処理することができ、エネルギーのロスを少な
くすることができる廃水の浄化処理方法及びその装置を
提供することにある。本発明の第4の目的は、特殊な技
術を必要とすることなく、運転条件や操作が容易な廃水
の浄化処理方法及びその装置を提供することにある。本
発明の第5の目的は、廃水中の有機物のどの構造部分を
も分解して選択性がなく、特に着色物質であっても処理
の結果復色することがなく、分解性を高めることができ
る廃水の浄化処理方法及びその装置を提供することにあ
る。本発明の第6の目的は、廃水中の染料等の種類にか
かわらないいずれであってもよい着色物質のみならず、
その他の有機物のCODやBODについて、低濃度から
高濃度まで処理するのに有効な廃水の浄化処理方法及び
その装置を提供することにある。本発明の第7の目的
は、中小の企業にとっても手軽に利用できる廃水の浄化
処理方法及びその装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、廃水を対極として該廃水外に他
方の電極を設け、該廃水の水面と該他方の電極との間に
プラズマ放電を起こし、該廃水中に酸化能力のある活性
種を発生させるプラズマ放電工程を有する廃水の浄化処
理方法を提供するものである。また、本発明は、
(2)、酸化能力のある活性種はラジカルである上記
(1)の廃水の浄化処理方法、(3)、廃水を対極とし
て該廃水外に他方の電極を設け、該廃水の水面と該他方
の電極との間にプラズマ放電を起こし、該廃水中にラジ
カルを発生させるプラズマ放電工程と、該プラズマ放電
を停止して放置する放置処理工程を有する廃水の浄化処
理方法、(4)、プラズマ放電は高周波電圧を印加する
ことにより起こす上記(1)ないし(3)のいずれかの
廃水の浄化処理方法、(5)、水面と他方の電極との間
のプラズマ放電は不活性ガスを介したプラズマ放電であ
る上記(1)ないし(4)のいずれかの廃水の浄化処理
方法、(6)、廃水は着色物質を含有する着色廃水であ
る上記(1)ないし(5)のいずれかの廃水の浄化処理
方法、(7)、廃水を収容する処理槽を設け、該処理槽
に収容した該廃水を対極として該廃水の水面より離間し
た位置に該水面に相対して他方の電極を設け、両電極間
に該水面と該他方の電極との間に該廃水中に酸化能力の
ある活性種を発生させるプラズマ放電を起こさせる電圧
印加装置を設けた廃水の浄化処理装置、(8)、電圧印
加装置が高周波放電発生装置である上記(7)の廃水の
浄化処理装置を提供するものである。
【0007】本発明は、従来のオゾン法による着色廃水
の処理方法のように、プラズマ放電によってオゾンを発
生させることを目的とするものではなく、プラズマ放電
のエネルギーを直接廃水の水面に供給し、例えば水分子
からは酸化能力のある活性種であるOH- やH2 2
ヒドロキシラジカル(・OH)や水素ラジカル(・H)
等を直接発生させ、あるいは廃水中に含有されている又
は含有させた他の物質のラジカルを発生させ、あるいは
これらを併用して、オゾンよりさらに強力なラジカルの
反応性を利用して、これらのラジカルを分解等の主な励
起種とすることにより、廃水中の着色物質を脱色した
り、分解処理すべき有機物を分解除去するものである。
なお、付随的にオゾンが発生しても良く、オゾン発生を
併用してもよい。一般には、放電は減圧下でおこなう気
体処理のことをいう場合が多いので、本発明の液体を処
理する方法は特異なものであるということができる。こ
のようなラジカルによる反応は、反応性が非常に高く、
しかも廃水に含有される有機物の分子構造のどの部位に
も反応し、その反応速度は速い。ラジカルによる反応速
度に対して、オゾンの反応速度は遅く、例えば着色物質
の有機化合物に対しては発色団に選択的に反応し易いと
いう反応選択性もある。有機物に対するラジカルの反応
には水素引抜き反応や、二重結合への付加反応、あるい
は電子移動反応などが挙げられる。ラジカルの有機物に
対する反応により有機物からは、アルキルラジカル(・
R)が生じ、このアルキルラジカルが他の有機物や、大
気中下の処理では雰囲気中の酸素分子と反応して新たに
・Rや、・OHを生じるのみならず、過酸化物、アルデ
ヒド、酸や過酸化水素等の多種の不安定な中間体を生成
する。これらの中間体は、有機物に対して酸化反応を起
こすので、いわゆる二次酸化剤ということももでき、実
際の廃水の有機物の処理では、当初のラジカル及びこれ
に付随して生じた他のラジカルによる連鎖反応や、この
二次酸化剤による酸化反応が起こることになる。
【0008】ところで、このようなラジカルは、空気中
に存在したり、有機物の分解の過程で生じる炭酸ガスが
水中に溶解し、炭酸イオンを生じるときは、この炭酸イ
オンと反応してラジカル反応を停止してしまうので、廃
水中の着色物質や有機物のこのラジカルによる反応は、
炭酸イオンのようなラジカル消費物質(スカンベンジャ
ー)との競合反応となる。発生したラジカルの総量が十
分のときは、この競合反応に打ち勝って、廃水中の着色
物質のラジカルによる脱色や有機物のラジカルによる分
解反応も十分に行われ、ブラズマ放電を停止した後も、
その分解反応を継続することができる、いわゆる後効果
を生じることができる。この後効果におては、一時的に
生じたラジカル種の寿命は10-6secのオーダーであ
るので、このラジカル種が関与して生じた活性分子種が
役割を演じていると考えられる。なお、ラジカルの検出
においては電子スピン共鳴吸収装置ESRで測定でき
る。プラズマ放電は、ラジカルを大量発生させることが
できるので、この後効果への効力も大きく、この点が、
従来のオゾン法のように、分解したオゾンの約半分は・
OHに転化するが、同時に生成されるO2 がこの・OH
やこれに付随して生じた有機物のラジカルを不活性物質
にする阻害剤として働き、後効果を起こすことができな
いこと、また、上述したように半減期が短いということ
とは大いに異なる点である。これらのことから、本発明
において、プラズマ放電によるラジカル発生により廃水
中の有機物の処理は、その反応機構からすると、そのプ
ラズマ放電中の反応、すなわち、・OH等の当初に発生
したラジカルによるラジカル反応、これに付随して有機
物から生じたラジカルによるラジカル反応及び二次酸化
剤による酸化反応とから構成されるプラズマ放電処理
と、そのプラズマ放電を停止した後の残存する付随的に
生じたラジカルによるラジカル反応及び二次酸化剤によ
る酸化反応とから構成される、いわばフラズマ放電処理
を停止した後に放置する、いわゆる放置処理により構成
することができ、前者のみを用いてもよいし、両者を併
用してもよい。なお、放射線照射を廃水に照射すること
によりラジカルを発生させることもできるが、上記のブ
ラズマ放電によりラジカルを発生させる場合の方が処理
エネルギーが少なく、装置が簡単である。
【0009】本発明において、廃水は浄化処理されるべ
き物質を含有するが、これには脱色処理されるべき着色
物質や、分解処理されるべき有機物のいずれか又は両方
を含有する。着色物質としては、例えば酸性染料、塩基
性染料等の有機物である場合だけではなく、無機物も含
まれ、酸化還元反応によって脱色が可能である。また、
有機物としては、環境ホルモンと呼ばれる物質や、塩素
化物を含む、いわゆる難分解性有機物及び/又は非分解
性有機物を含有する廃水中のこれらの有機物、高BOD
値や高COD値(例えば公害防止法に基づいて定められ
た基準値以上)の廃水や、その他の廃水中の有機物をい
う。なお、廃水中の有機物濃度を表す指標として全有機
体酸素量(TOCと表示され、試験水に含まれる有機物
中の炭素量をppm単位で表したもの)によっても表さ
れる。また、本発明において、「プラズマ放電を起こ
し、ラジカルを発生させる工程を有する」とは、プラズ
マ放電を起こす手段はいずれも使用できるが、その放電
により廃水中に上述したラジカルを発生させる工程を有
することをいう。その工程が少なくとも1つあれば、そ
の前後あるいは両方にその工程を複数設けたり、例えば
生物処理のみの工程、その他の上述した凝集法、吸着
法、オゾン法、紫外線照射法、次亜塩素酸法等の工程を
単数又は複数有していてもよい。生物処理としては、例
えば活性汚泥法のみ、嫌気性処理法(メタン醗酵法)と
活性汚泥法の組み合わせ、高濃度活性汚泥法のみ等の活
性汚泥法を用いる手法の全ての選択が可能である。ま
た、全工程を1つの処理槽で行なってもよく、複数の処
理槽で行なってもよく、いずれの場合も上記の微生物含
有廃水を非循環又は循環の回分処理(バッチ処理)で行
なってもよく、連続処理を行なってもよい。
【00010】上記のプラズマ放電処理、放置処理を実
現するには、廃水の水面を対極に見立てて、この水面よ
り離間した例えばその上部に炭素電極等の他方の電極を
設け、両電極間にプラズマ放電を行ない、その廃水の水
層よりラジカルを発生させる。処理しようとする廃水は
処理槽に収容されるが、この処理槽の内外のいずれか少
なくとも一方に新たに電極を設けてもよい。プラズマ放
電を行なうための装置としては、例えば数百kHz以上
の高周波電圧を印加することができる高周波放電発生装
置を用いることが好ましい。このように高周波電圧放電
発生装置を用いると、オゾン発生装置では高圧交流電圧
を用いているのに対し、電子エネルギーを高めることが
でき、・OH等の当初発生ラジカルの総量を多くできる
のみならず、常温、常圧、空気中といった条件でも廃水
中にラジカルの発生を可能とすることができる。なお、
温度を上げれば化学的反応が起こるので反応が促進され
る。
【0011】本発明においては、上述したように、著し
い後効果が得られるので、短時間の上述したプラズマ放
電処理を行なった後に、放置しておくことにより引き続
き有機物の処理、特に脱色反応を進行させる上述した放
置処理を行なうことができる。これより従来のオゾン法
に比べて、放電処理時間は大幅に短縮され、省エネルギ
ー化が図られる。また、連続的に上記プラズマ放電処理
した場合には、有機物の処理、特に脱色反応の進行は速
くなり、処理時間の短縮や、装置の小型化が可能とな
る。従来のオゾン法では、脱色反応を進行させるために
は、連続的にオゾンを発生して供給する必要があり、本
発明におけるような後効果は認められない。
【0012】処理効果を高めるために、処理槽に収容し
た廃水を攪拌や、加熱したり、プラズマ放電を行なう気
相雰囲気を窒素等のラジカルを消費し難い不活性ガスに
したり、また、廃水中にラジカルを発生し易い例えば過
酸化水素等の酸化剤を添加したり、さらには高周波周波
数を帯域を選択してあるいはその帯域を変化させて調整
してもよく、これによりさらに高い有機物除去効果、特
に脱色効果が得られる。
【0013】本発明においては、プラズマ放電発生装置
を用いるだけで廃水中の有機物、特に着色物質を脱色し
て処理することができるので、従来のオゾン法のよう
に、露点温度に制御した乾燥空気や酸素を必要とした
り、発生させたオゾンの熱分解を抑制するための冷却の
必要もなく、常温、常圧で処理することができるのみな
らず、大気中にオープンにした開放系でも処理すること
ができるので、構造を簡素にすることができ、装置コス
トを低減することができる。また、廃水に対し、直接プ
ラズマ放電処理をしているので、廃水中の有機物を直接
処理し、特に直接脱色処理を行なうことができ、従来の
オゾン処理のように、オゾンの移送や、廃水中の注入、
廃水との気液混合などの工程を設ける必要がなく、これ
らの工程を設けることによるエネルギーのロスをなく
し、処理効率の低下を回避することができる。また、本
発明においては、上述したように、著しい後効果が得ら
れるので、短時間の上述したプラズマ放電処理を行なっ
た後に、放置しておくことにより引き続き有機物の処
理、特に脱色反応は進行し、有機物は分解除去される。
これより従来のオゾン法に比べて、放電処理時間は大幅
に短縮され、省エネルギー化が図られる。また、連続的
に放電処理した場合には、有機物の処理、特に脱色反応
の進行は速くなり、処理時間の短縮や、装置の小型化が
可能となる。従来のオゾン法では、脱色反応を進行させ
るためには、連続的にオゾンを発生して供給する必要が
あり、本発明におけるような後効果は認められない。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に示すように、1はアースし
た処理槽、2は炭素電極、3 は放電装置、4は高周波発
生装置である。処理槽1に有機物を含有する廃水、例え
ば着色廃水が収容され、その水面と離間した位置に上記
炭素電極2が設けられ、その電極と水面との間にプラズ
マ放電を行なうことができる。このような装置を用い
て、数百kHzの高周波を発生させ、20〜28℃、常
圧下で、大気中の開放系又は窒素やアルゴンなどの不活
性ガス中でプラズマ放電処理を行ない、プラズマ放電連
続処理と、プラズマ放電処理と放置処理を併用した処理
を行なう。
【0015】
【実施例】実施例1(プラズマ放電連続処理の例) 図1に示す装置において、処理槽1は、内容積300m
lの有底円筒状とし、地面にアースして設置する。ここ
で、500kHzの高周波放電を発生し続け、室温(2
4℃)、常圧、大気中の開放系で、オレンジI(酸性染
料)の0.004%水溶液100ml(40ppmの着
色廃水とみなす)を攪拌なしで処理する。その処理時間
とオレンジIの濃度の減少を測定した結果を図1に示
す。なお、測定法は、475nmの波長を用いた吸光度
法を用いた。図1の結果から、連続的に放電処理を行な
うことによって、10分でほぼ90%減少し、短時間で
脱色反応が進み、35分後には脱色され、その後時間を
かけ、70分後には有機物はほぼ分解された。なお、オ
レンジIの水溶液は濃度が1×10-4以下のときほぼ無
色になる。このことから、脱色は短時間で行なうことが
できるので、装置が小型化できることがわかる。 実施例2(プラズマ放電処理と放置処理の併用の例) 実施例1において、プラズマ放電処理を10分行なった
後、プラズマ放電を停止し、その後放置して放置処理を
行なったこと以外は同様にして、プラズマ放電処理+放
置処理、放置処理の時間とオレンジIの濃度の減少を測
定した結果を図2に示す。図2の結果から、プラズマ放
電処理後も順調に後効果(脱色反応)は進行し、10分
でほぼ90%減少し、放置処理2〜3時間後に脱色さ
れ、オレンジIの濃度は0.0001%(1ppm)以
下となり、元の0.004%からみれば、1/40
(2.5%)に減少し、97.5%分解されたことがわ
かる。このことから、短時間のプラズマ放電処理後、後
効果により脱色を行なうことができることがわかり、処
理コストを低減できることがわかる。 実施例3(気相雰囲気を変えたプラズマ放電処理と放置
処理の併用の例) 実施例2において、水面と炭素電極との間の雰囲気を窒
素、空気、酸素のそれぞれにしたこと、また、プラズマ
放電処理を5分行ない、その後プラズマ放電を停止して
放置処理を行なったこと以外は同様にして、プラズマ放
電処理+放置処理、放置処理の時間とオレンジIの濃度
の減少を測定した結果を図3に示す。図中、グラフは菱
形(◇)が酸素雰囲気、三角(△)が空気雰囲気、×が
窒素雰囲気のそれぞれの場合を示す。図3の結果から、
いずれもプラズマ放電処理効果はほぼ同様によく、5分
で約70%が分解され、全体では、酸素、空気、窒素の
各雰囲気の順に処理効率が良く、特に放置処理の効果は
この順に顕著に異なり、空気の雰囲気の場合は約10
分、窒素雰囲気の場合は約7分放置処理後に脱色される
ことがわかる。このことから、酸素雰囲気は最もオゾン
を発生し易い条件であるが、後効果は見られないのに対
し、窒素雰囲気では後効果が促進され、空気はその中間
であることがわかる。これは、窒素が不活性ガスである
のに対して酸素がラジカル阻害剤として働くためと考え
られ、後効果がラジカルの連鎖反応によることを示して
いる。この例は、オゾン処理による後効果はないこと
と、雰囲気を変えることにより処理効率を向上できるこ
とを示している。上記実施例においては、着色物質とし
てオレンジIの酸性染料を使用したが、マラカイトグリ
ーンの塩基性染料を使用しても、処理時間の違いはある
が、ほぼ同様の結果が得られる。
【0016】本発明において、「水層よりラジカルを発
生させる」を「水層より少なくとも水分子からラジカル
を発生させる」、「廃水」を「分解処理されるべき有機
物を含有する廃水」、「プラズマ放電」を「高周波プラ
ズマ放電」、「廃水の浄化処理方法」を「有機物含有廃
水の浄化処理方法」としてもよく、さらに上述した数値
限定を行なってもよい。また、「廃水に含有される有機
物がエステル類、アミノ酸、アミン類・アミド類その他
の窒素化合物、ケトン類、エーテル類、アルコール類、
フェノール類、芳香族炭化水素、セルロース、塩素化
物、環境ホルモンその他の難分解性有機物若しくは非分
解性有機物、又は水質検査における化学的酸素要求量の
高い有機物である」の限定を加えてもよい。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも廃水に直接
プラズマ放電処理をする工程を設けた廃水の浄化処理方
法及びその装置を提供することができるので、簡素な構
造の装置を用いることにより設備費のコストを低減で
き、また、処理効率が高く、ランニングコストを抑え、
省エネギー化を図ることができ、また、処理工程に到る
前工程を無くし、直接処理し、エネルギーのロスを少な
くすることができ、さらに、特殊な技術を必要とするこ
となく、運転条件や操作が容易であり、しかも、廃水中
の有機物のどの構造部分をも分解して選択性がなく、特
に着色物質であっても処理の結果復色することがなく、
分解性を高めることができるだけではなく、廃水中の染
料等の種類にかかわらないいずれであってもよい着色物
質や、その他の有機物のCODやBODについて、低濃
度から高濃度まで処理するのに有効な廃水の浄化処理方
法及びその装置を提供することができる。そして、中小
の企業にとっても手軽に利用できる廃水の浄化処理方法
及びその装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の方法に使用する装置の概略説
明図である。
【図2】本発明の第1の実施例の方法により処理した効
果を示すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施例の方法により処理した効
果を示すグラフである。
【図4】本発明の第3の方法により処理した効果を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 処理槽 2 炭素電極 3 放電装置 4 高周波数発生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹沢 一雄 群馬県高崎市倉賀野町2947番地−1 太陽 化学工業株式会社内 (72)発明者 熊倉 稔 山梨県北都留郡上野原町八ツ沢2525 帝京 科学大学内 Fターム(参考) 4D038 AA08 AB03 BB10 BB16 4D050 AA13 AB03 BB20 CA10 4D061 DA08 DB20 DC03 EA01 EB01 EB14 EB19 EB29 ED20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃水を対極として該廃水外に他方の電極
    を設け、該廃水の水面と該他方の電極との間にプラズマ
    放電を起こし、該廃水中に酸化能力のある活性種を発生
    させるプラズマ放電工程を有する廃水の浄化処理方法。
  2. 【請求項2】 酸化能力のある活性種はラジカルである
    請求項1記載の廃水の浄化処理方法。
  3. 【請求項3】 廃水を対極として該廃水外に他方の電極
    を設け、該廃水の水面と該他方の電極との間にプラズマ
    放電を起こし、該廃水中にラジカルを発生させるプラズ
    マ放電工程と、該プラズマ放電を停止して放置する放置
    処理工程を有する廃水の浄化処理方法。
  4. 【請求項4】 プラズマ放電は高周波電圧を印加するこ
    とにより起こす請求項1ないし3のいずれかに記載の廃
    水の浄化処理方法。
  5. 【請求項5】 水面と他方の電極との間のプラズマ放電
    は不活性ガスを介したプラズマ放電である請求項1ない
    し4のいずれかに記載の廃水の浄化処理方法。
  6. 【請求項6】 廃水は着色物質を含有する着色廃水であ
    る請求項1ないし5のいずれかに記載の廃水の浄化処理
    方法。
  7. 【請求項7】 廃水を収容する処理槽を設け、該処理槽
    に収容した該廃水を対極として該廃水の水面より離間し
    た位置に該水面に相対して他方の電極を設け、両電極間
    に該水面と該他方の電極との間に該廃水中に酸化能力の
    ある活性種を発生させるプラズマ放電を起こさせる電圧
    印加装置を設けた廃水の浄化処理装置。
  8. 【請求項8】 電圧印加装置が高周波放電発生装置であ
    る請求項7記載の廃水の浄化処理装置。
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