JP2000288540A - し尿系汚水の処理方法および処理装置 - Google Patents

し尿系汚水の処理方法および処理装置

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JP2000288540A
JP2000288540A JP11094034A JP9403499A JP2000288540A JP 2000288540 A JP2000288540 A JP 2000288540A JP 11094034 A JP11094034 A JP 11094034A JP 9403499 A JP9403499 A JP 9403499A JP 2000288540 A JP2000288540 A JP 2000288540A
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tank
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filtration device
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寅太郎 峯岸
Takeshi Tsuji
猛志 辻
Kenichiro Mizuno
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オゾンを効率的に利用することにより、処理水
水質を高めると共に、膜洗浄コストの低減を図るし尿系
汚水の処理方法および効率良くその方法を適用できる処
理装置を提供すること 【解決手段】本発明は、し尿系汚水を生物学的に処理し
た後、膜ろ過装置による固液分離処理を行い、該膜ろ過
装置からの透過液に対して凝集剤を添加して酸性条件下
で反応させ、沈降分離槽において沈降分離を行い、得ら
れた上澄液に対してアルカリ剤を添加して中和処理を行
った後、更に別の膜ろ過装置によって固液分離処理を行
うし尿系汚水の処理方法において、中和槽と後段の膜ろ
過装置への循環槽または膜供給槽との中間において、オ
ゾンの注入処理を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、し尿、浄化槽汚
泥、ごみ埋立地からの浸出水、それらの混合物などのし
尿系汚水処理方法および処理装置に関し、難分解性CO
D成分および色度成分等を除去するのに適したし尿系汚
水の処理方法および処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、し尿あるいは浄化槽汚泥等のし尿
系汚水の処理方法として膜分離式高負荷脱窒素処理法と
呼ばれる技術(例えば特公平7−20583)が用いら
れる場合がある。図7に、膜分離式高負荷脱窒素処理プ
ロセスにおける一般的な処理フローを示す。同図を参照
して、その処理フローについて説明する。
【0003】図7におけるし尿系汚水の処理装置は、脱
窒素槽2および硝化槽3によりなる生物学的硝化脱窒素
処理装置、膜ろ過装置4、凝集槽8、沈降分離槽9、中
和槽10、循環槽14、膜ろ過装置17および活性炭吸
着塔20より構成されている。まず、し尿系汚水1は無
希釈のまま、あるいは適当な希釈倍率に希釈された状態
で脱窒素槽2に流入し、脱窒素槽2および硝化槽3の間
を循環して嫌気的に硝化脱窒素処理される。硝化脱窒素
処理された汚水は膜ろ過装置4により固液分離され、生
物処理水5は凝集槽8に移送される。凝集槽8におい
て、生物処理水5に硫酸アルミニウム、塩化第二鉄ある
いはポリ鉄等のような無機系凝集剤6および水酸化ナト
リウムあるいは水酸化カリウム等のようなアルカリ剤7
を添加して、pH3〜5の酸性条件下でリン酸イオンお
よびCODを含むSS分を凝集させる。その凝集フロッ
クを沈降分離槽9において沈降汚泥と上澄液とに分離
し、上澄液は中和槽10へ送られる。一方、沈降汚泥は
汚泥処理工程へ移送され、脱水処理後焼却処分される。
また、沈降分離槽9の上澄液は、中和槽10に送られ
る。
【0004】中和槽10においては、水酸化ナトリウム
あるいは水酸化カリウム等のようなアルカリ剤7を添加
して、pH6〜8の中性にすることにより、上澄液中に
含まれる未凝集の無機系凝集剤を水酸化物として析出さ
せる。中和処理された処理水11は循環槽14へ移送さ
れ、循環槽14から膜ろ過装置17へと供給されて固液
分離される。ここで得られた膜ろ過水18は活性炭を充
填した活性炭吸着塔20へ移送され、COD成分および
色度成分を吸着除去する。処理された処理水は放流水2
1として系外に放流される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の膜
分離式高負荷脱窒素処理プロセスでは、以下のような問
題があった。
【0006】膜ろ過装置17に供給される汚水中には
多量の難分解性COD成分及び色度成分等の有機性物質
が残留しているため、膜ろ過装置17において有機性物
質に由来する膜のファウリング現象が見られ、比較的短
期に目詰まりを起こす欠点があり、この目詰まりを解消
するために頻繁に酸またはアルカリによる薬品洗浄を行
う必要がある。従って、薬品洗浄操作のための費用や労
力がかかりコスト高につながるという問題がある。
【0007】活性炭吸着塔20において処理して得ら
れた放流水のCODが、通常10〜15mg/L以下で
ある放流水質基準を越えると、活性炭を再生処理しなけ
ればならず、その再生頻度が多く、維持管理が煩雑で処
理コストが高価である。
【0008】本発明は、上記のような問題点を克服すべ
く、鋭意研究の結果完成されたものであって、オゾンを
効率的に利用することにより、処理水水質を高めると共
に、膜洗浄コストの低減を図るし尿系汚水の処理方法お
よび効率良くその方法を適用できる処理装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、し尿系汚水を
生物学的に処理した後、膜ろ過装置による固液分離処理
を行い、該膜ろ過装置からの透過液に対して凝集剤を添
加して酸性条件下で反応させ、沈降分離槽において沈降
分離を行い、得られた上澄液に対してアルカリ剤を添加
して中和処理を行った後、更に別の膜ろ過装置によって
固液分離処理を行うし尿系汚水の処理方法において、中
和槽と後段の膜ろ過装置への循環槽または膜供給槽との
中間において、オゾンの注入処理を行うことを特徴とす
るし尿系汚水の処理方法である。
【0010】また、本発明は、前記後段の膜ろ過装置の
後に更にオゾン接触槽を設けて、該オゾン接触槽に前記
第二の膜ろ過装置からのろ過水を供給し、前記オゾン接
触槽にオゾンを再注入して処理することを特徴とするし
尿系汚水の処理方法である。
【0011】また、本発明は、前記前段の膜ろ過装置お
よび後段の膜ろ過装置において用いる膜が精密ろ過膜ま
たは限外ろ過膜であることを特徴とするし尿系汚水の処
理方法である。
【0012】また、本発明は、後段の膜ろ過装置の膜ろ
過出口に設置したオゾン検出器によって、膜ろ過水中の
残留オゾン濃度が0.01〜10mg/Lの範囲内とな
るように、前記オゾン注入量を調整することを特徴とす
るし尿系汚水の処理方法である。
【0013】さらに、本発明は、前記オゾン注入量の調
整が、後段の膜ろ過装置の膜ろ過出口に設置したオゾン
検出器により連続的に膜ろ過水の残留オゾン濃度を測定
し、前記膜ろ過水中の残留オゾン濃度が0.01〜10
mg/Lの範囲内となるように、前記残留オゾン濃度の
測定値に基づいて、前記オゾン注入量をフィードバック
制御し、前記残留オゾン濃度を前記範囲内に調整するこ
とを特徴とするし尿系汚水の処理方法である。
【0014】さらに、本発明は、前記中和槽と後段の膜
ろ過装置の循環槽または膜供給槽とを連結する配管に直
接オゾンをインライン注入することを特徴とするし尿系
汚水の処理方法である。
【0015】さらに、本発明は、後段の膜ろ過装置の循
環槽または膜供給槽にオゾンを注入することを特徴とす
るし尿系汚水の処理方法である。
【0016】さらに、本発明は、前記中和槽と後段の膜
ろ過装置の循環槽または膜供給槽との中間にオゾン溶解
槽を設置して、前記オゾン溶解槽にオゾンを注入するこ
とを特徴とするし尿系汚水の処理方法である。
【0017】さらに、本発明は、し尿系汚水を生物学的
に処理した後、膜ろ過装置による固液分離処理を行い、
該膜の透過液に対して凝集剤を添加して酸性条件下で反
応させ、沈降分離を行って得られた上澄液に対してアル
カリ剤を添加して中和処理を行った後、別の膜ろ過装置
によって固液分離処理を行うし尿系汚水の処理装置にお
いて、中和槽と後段の膜ろ過装置への循環槽または膜供
給槽との中間においてオゾンを注入するオゾン注入設備
と、後段の膜ろ過装置の膜ろ過出口に設置した膜ろ過水
中の残留オゾン濃度を計測するオゾン検出器と、前記オ
ゾン検出器によって膜ろ過水中の残留オゾン濃度を測定
し、その計測値に基づいて、前記オゾン注入設備を操作
して、オゾン注入量を調整し、膜ろ過水中の残留オゾン
濃度を所定範囲内とするように制御する制御手段とを配
備することを特徴とするし尿系汚水の処理装置である。
【0018】さらに、本発明は、前記後段の膜ろ過装置
からのろ過水を更にオゾン処理するために、前記後段の
膜ろ過装置の後に、更にオゾン接触槽を設けることを特
徴とするし尿系汚水の処理装置である。
【0019】さらに、本発明は、前記前段の膜ろ過装置
および後段の膜ろ過装置が精密ろ過膜装置または限外ろ
過膜装置であることを特徴とするし尿系汚水の処理装置
である。
【0020】さらに、本発明は、前記中和槽と後段の膜
ろ過装置の循環槽または膜供給槽とを連結する配管に直
接オゾンをインライン注入するようにしたことを特徴と
するし尿系汚水の処理装置である。
【0021】さらに、本発明は、後段の膜ろ過装置の循
環槽または膜供給槽にオゾンを注入するようにしたこと
を特徴とするし尿系汚水の処理装置である。
【0022】さらに、本発明は、前記中和槽と後段の膜
ろ過装置の循環槽または膜供給槽との中間にオゾン溶解
槽を設置して、前記オゾン溶解槽にオゾンを注入するよ
うにしたことを特徴とするし尿系汚水の処理装置であ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に基づくし尿系汚水処理装
置の一例を図1に示した。
【0024】図1に示したように、本発明に基づくし尿
系汚水の処理方法および装置は、脱窒素槽2および硝化
槽3よりなる生物学的硝化脱窒素処理装置、膜ろ過装置
4、凝集槽8、沈降分離槽9、中和槽10、循環槽1
4、膜ろ過装置17、オゾン発生器13、排オゾンガス
処理設備16、オゾン検出器19、および活性炭吸着塔
20より構成されている。まず、し尿系汚水1は無希釈
のまま、あるいは適当な希釈倍率に希釈された状態で脱
窒素槽2に流入し、脱窒素槽2および硝化槽3の間を循
環して嫌気的に硝化脱窒素処理される。硝化脱窒素処理
された汚水は膜ろ過装置4により固液分離され、該膜ろ
過装置4を透過した生物処理水5は凝集槽8に移送され
る。凝集槽8において、生物処理水5に硫酸アルミニウ
ム、塩化第二鉄あるいはポリ鉄等のような無機系凝集剤
6および水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等の
ようなアルカリ剤7を添加し、pH3〜5の酸性条件下
でリン酸イオンおよびCODを含むSS分を凝集させ
る。その凝集フロックを、沈降分離槽9において沈降汚
泥と上澄液とに分離し、上澄液は中和槽10へ送られ
る。一方、沈降汚泥は汚泥処理工程へ移送され、脱水処
理後焼却処分される。中和槽10においては、水酸化ナ
トリウムあるいは水酸化カリウム等のようなアルカリ剤
7を添加してpH6〜8の中性にすることにより、上澄
液中に含まれる未凝集の無機系凝集剤を水酸化物として
析出させる。中和処理された処理水11には、オゾン発
生器13からオゾン12が直接インラインで注入され、
オゾンが溶解した被処理水は循環槽14へ送り込まれ
る。この被処理水は、循環槽14から膜ろ過装置17へ
供給されて固液分離される。膜ろ過装置17を透過した
膜ろ過水18は、活性炭を充填した活性炭吸着塔20へ
移送され、汚染物質は吸着により除去される。その後、
汚染物質を除去した処理水は、放流水21として系外に
放流される。
【0025】なお、膜ろ過水18が活性炭吸着塔20に
送り込まれる過程で、膜ろ過水中の残留オゾン濃度がオ
ゾン検出器19で検出され、そのオゾン濃度の計測値に
基づいて、オゾン発生器13からのオゾン供給量が制御
されている。また、循環槽14から排出される排オゾン
ガス15は、排オゾンガス処理設備16で処理される。
膜ろ過装置17からの循環水は、循環ラインを通して循
環槽14に返送される。更に、以下の実施形態において
も同様であるが、オゾン検出器19は、溶存オゾン濃度
検知器であってもよい。
【0026】本実施形態では、オゾン検出器19によっ
て、膜ろ過水中の残留オゾン濃度が常時計測されてお
り、残留オゾン濃度が、0.01〜10mg/Lの範囲
内となるように、オゾン発生器13から直接インライン
注入されるオゾン注入量がオゾン発生器の印可電圧やバ
ルブの開閉操作等によって調整されている。例えば、C
PU(中央処理装置)等による制御手段によって、膜ろ
過水中の残留オゾン濃度を算出して、インライン注入さ
れるオゾン注入量をフィードバック制御している。
【0027】本発明に基づくし尿系汚水処理装置の他の
実施形態を図2に示した。
【0028】図2に示したように、この実施形態では、
オゾン発生器13からのオゾン12が、循環槽14へ送
り込まれる被処理水に注入されるのではなく、循環槽1
4に注入され、循環槽14においてオゾン酸化反応が行
われる。それ以外は、図1の実施形態と同じである。
【0029】本発明に基づくし尿系汚水処理装置のもう
一つの実施形態を図3に示した。
【0030】図3の実施形態においては、中和槽10と
循環槽14との間に、オゾン溶解槽22が設けられてお
り、オゾン発生器13からのオゾン12はこのオゾン溶
解槽22に注入される。それ以外は、図1に示した実施
形態と同じである。即ち、中和槽10までの工程を図1
で説明したのと同様に行った後、中和槽10で中和され
た被処理水はオゾン溶解槽22に供給される。また、オ
ゾン発生器13からはオゾン12がオゾン溶解槽22に
注入され、オゾンが溶解した被処理水は循環槽14へ送
り込まれる。循環槽14は、オゾンが溶解された被処理
水を膜ろ過装置17へ供給する。膜ろ過装置17を透過
した膜ろ過水18は、活性炭を充填した活性炭吸着塔2
0へ移送され、処理水は放流水21として系外に放流さ
れる。膜ろ過水18が活性炭吸着塔20に送り込まれる
過程で、膜ろ過水中の残留オゾン濃度がオゾン検出器1
9で検出され、そのオゾン濃度の計測値に基づいて、オ
ゾン発生器13からオゾン溶解槽22へのオゾン供給量
が制御されている。また、オゾン溶解槽22から排出さ
れる排オゾンガス23および循環槽14からの排オゾン
ガス15は、排オゾンガス処理設備16で処理される。
膜ろ過装置17からの循環水は、循環ラインを通して循
環槽14に返送される。
【0031】次に、本発明におけるオゾン溶解槽22に
ついて説明する。オゾン溶解槽22の目的は、膜ろ過装
置17のろ過速度を高く維持するために、膜供給水にオ
ゾンを溶解させるためのものである。オゾン発生器13
からオゾン12がオゾン溶解槽22に注入され、膜ろ過
装置17により得られた膜ろ過水18に残留する残留オ
ゾン量は、膜ろ過装置17のろ過速度を高く維持するた
めに0.01〜10mg/Lとし、望ましくは、0.1
〜3mg/Lとするとよい。膜ろ過水中の残留オゾン濃
度が10mg/Lより高くなった場合、膜ろ過装置17
のろ過膜として、耐オゾン性の膜素材を用いても長期的
にはオゾンとの反応により膜劣化が起こる恐れがある
が、膜モジュールの交換時期を考え合わせると、10m
g/Lまでは許容される。また、残留オゾン濃度が10
mg/Lより多くなると、副生成物量も多くなるという
問題がある。以上のことから、膜ろ過水中の残留オゾン
濃度は、0.01〜10mg/Lとし、望ましくは、
0.1〜3mg/Lとするとよい。また、オゾン溶解槽
22の装置形式は、Uチューブ式、ディフューザ式、イ
ンジェクタ式、エジェクタ式、下降注入式注入等のどの
形式でも可能である。また、オゾン溶解槽22もしくは
循環槽14から排出される排オゾンガスは、排オゾンガ
ス処理設備16に導入されて処理される。排オゾンガス
処理設備16の形式は、活性炭式、熱分解式、触煤式等
どの形式でも問題がない。
【0032】さらに、本発明における生物学的に処理し
た後の膜ろ過装置4について説明する。使用される膜
は、濁質成分等を除去することのできる膜であり、精密
ろ過膜または限外ろ過膜が用いられる。精密ろ過膜の場
合は、公称孔径0.01〜0.5μmのものが用いら
れ、限外ろ過膜の場合は、分画分子量1,000〜20
万ダルトンのものが用いられる。そして、膜モジュール
の形式は、中空糸状、スパイラル状、チューブラ状、平
膜状が用いられる。また、膜モジュールのろ過方式は、
全量ろ過方式とクロスフローろ過方式があり、いずれの
ろ過方式でもかまわない。また、膜ろ過への通水方式
は、外圧型と内圧型があり、どちらの通水方式でも問題
ない。
【0033】さらに、本発明における後段の膜ろ過装置
17について説明する。膜ろ過装置は、膜供給水にオゾ
ンが溶解された状態で膜ろ過することにより、常にオゾ
ンによる前処理が行われている状態で膜ろ過するため
に、生物ファウリングによる膜の目詰まりを防止するこ
とができる。かつ高い透過流束を得ることができる。使
用される膜として、濁質成分および細菌類を除去するこ
とのできる膜であり、精密ろ過膜または限外ろ過膜が用
いられる。精密ろ過膜の場合は、公称孔径0.01〜
0.5μmのものが用いられ、限外ろ過膜の場合は、分
画分子量1,000〜20万ダルトンのものが用いられ
る。そして、膜モジュールの形式は、中空糸状、スパイ
ラル状、チューブラ状、平膜状が用いられる。膜素材お
よびポッティング部は、高濃度のオゾンと接触するため
に、耐オゾン性の素材を使うことが望ましい。膜素材に
ついては、フッ化ビニリデン重合体樹脂等の耐オゾン性
の有機樹脂またはセラミック等の無機材料を用いること
ができる。また、膜モジュールのろ過方式は、全量ろ過
方式とクロスフローろ過方式があり、いずれのろ過方式
でもかまわない。また、膜ろ過への通水方式は、外圧型
と内圧型があり、どちらの通水方式でも問題ない。
【0034】次に、本発明におけるオゾンの注入制御に
ついて説明する。本実施形態では、膜ろ過水中の残留オ
ゾン濃度をオゾン検出器19で計測して、オゾン発生器
13を操作してオゾン注入量を制御する方法である。オ
ゾン発生器13により発生したオゾン12は、配管に直
接インライン注入もしくは循環槽14もしくはオゾン溶
解槽22に供給されるが、オゾン発生器の印可電圧や、
各供給配管に設けたバルブ(図示なし)の開度を調整す
ることによって、調整することができる。オゾン濃度の
注入制御は、膜供給水のオゾン濃度を制御目的値にして
も良いが、この場合、膜ろ過における短時間でも膜表面
の目詰まり物質とオゾンが反応してオゾンが消費される
場合があるため、予めこれを考慮しておく必要があり、
好ましくは、膜ろ過水中の残留オゾン濃度を制御目的値
とすることが望ましい。
【0035】なお、オゾンの注入率は、膜ろ過水中の残
留オゾン濃度によりフィードバックされて決定される。
なお、中和槽10において得られた処理水のオゾン要求
量に変動がある場合は、膜ろ過水中の残留オゾン濃度を
溶存オゾン濃度検出器で測定して、オゾン流入率のフィ
ードバック制御を行うこともできる。むろん、オゾン検
出器19は、CPU(中央処理装置)を用いて検出して
もよい。
【0036】本発明では、上記の実施の形態に加えて、
後段の膜ろ過装置17の後に更にオゾン接触槽を設け、
該オゾン接触槽に後段の膜ろ過装置からのろ過水を供給
し、前記オゾン接触槽にオゾンを再注入して処理する態
様も可能である。以下、この態様について説明する。
【0037】図4に示した実施形態において、本発明に
基づくし尿系汚水の処理装置は、脱窒素槽2および硝化
槽3よりなる生物学的硝化脱窒素処理装置、膜ろ過装置
4、凝集槽8、沈降分離槽9、中和槽10、循環槽1
4、膜ろ過装置17、オゾン接触槽30、オゾン発生器
13、排オゾンガス処理設備16、オゾン検出器19、
および活性炭吸着塔20より構成されている。即ち、オ
ゾン接触槽30が付加されている点において、図1の形
態とは異なっている。
【0038】まず、し尿系汚水1は無希釈のまま、ある
いは適当な希釈倍率に希釈された状態で脱窒素槽2に流
入し、脱窒素槽2および硝化槽3の間を循環して嫌気的
に硝化脱窒素処理される。硝化脱窒素処理された汚水は
膜ろ過装置4により固液分離され、生物処理水5は凝集
槽8に移送される。凝集槽8において、生物処理水5に
硫酸アルミニウム、塩化第二鉄あるいはポリ鉄等のよう
な無機系凝集剤6、および水酸化ナトリウムあるいは水
酸化カリウム等のようなアルカリ剤7を添加して、pH
3〜5の酸性条件下でリン酸イオンおよびCODを含む
SS分を凝集させる。その凝集フロックを、沈降分離槽
9において沈降汚泥と上澄液とに分離し、上澄液は中和
槽10へ送られる。一方、沈降汚泥は汚泥処理工程へ移
送され、脱水処理後焼却処分される。中和槽10におい
ては、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等のよ
うなアルカリ剤7を添加してpH6〜8の中性にするこ
とにより、上澄液中に含まれる未凝集の無機系凝集剤を
水酸化物として析出させる。中和処理された処理水11
は、オゾン発生器13からオゾン12が直接インライン
で注入され、オゾンが溶解した被処理水は循環槽14へ
送り込まれる。この被処理水は循環槽14から膜ろ過装
置17へ供給され、膜ろ過装置17を透過した膜ろ過水
18は、オゾン接触槽30に送り込まれる。オゾン接触
槽30には、オゾン発生器13から必要量のオゾン31
が供給されて、膜ろ過水18とオゾン31とが接触して
いる。膜ろ過水18は、膜ろ過装置17からオゾン接触
槽30に送り込まれる過程で、膜ろ過水中の残留オゾン
濃度がオゾン検出器19で検出され、そのオゾン濃度の
計測値に基づいてオゾン発生器13から直接インライン
注入されるオゾン12の供給量が制御されている。オゾ
ン接触槽30において十分にオゾンと接触したオゾン処
理水33は、活性炭を充填した活性炭吸着塔20へ移送
され、処理された処理水は放流水21として系外に放流
される。また、循環槽14から排出される排オゾンガス
15およびオゾン接触槽30から排出される排オゾンガ
ス32は、排オゾンガス処理設備16で処理される。膜
ろ過装置17からの循環水は、循環ラインを通して循環
槽14に返送される。なお、以下の実施形態においても
同様であるが、オゾン検出器19は、溶存オゾン濃度検
知器であってもよい。
【0039】本実施形態では、オゾン検出器19によっ
て、膜ろ過水中の残留オゾン濃度が常時計測されてお
り、残留オゾン濃皮が、0.01〜10mg/Lの範囲
内となるように、オゾン発生器13から直接インライン
注入されるオゾン注入量がオゾン発生器の印可電圧やバ
ルブの開閉操作等によって調整されている。例えば、C
PU(中央処理装置)等による制御手段によって、膜ろ
過水中の残留オゾン濃度を算出して、インライン注入さ
れるオゾン注入量をフィードバック制御している。
【0040】本発明に基づくし尿系汚水処理装置の他の
実施形態を図5に示した。
【0041】図5に示したように、この実施形態におけ
るし尿系汚水の処理方法および装置は、図2の実施形態
と同様に、オゾン発生器13からのオゾン12が、図1
の実施形態のように循環槽14へ送り込まれる被処理水
に注入されるのではなく、循環槽14に注入され、循環
槽14においてオゾン酸化反応を行う。それ以外は、図
4の実施形態と同じである。
【0042】本発明に基づくし尿系汚水処理装置の他の
一例を図6に示した。
【0043】図6の実施形態においては、中和槽10と
循環槽14との間に、オゾン溶解槽22が設けられてお
り、オゾン発生器13からのオゾン12はこのオゾン溶
解槽22に注入される。それ以外は、図4に示した実施
形態と同じである。即ち、中和槽10で中和された被処
理水はオゾン溶解槽22に供給され、オゾン発生器13
からオゾン12がオゾン溶解槽22に注入され、オゾン
が溶解した被処理水は、循環槽14へ送り込まれる。次
いで、被処理水は循環槽14から膜ろ過装置17へ供給
され、膜ろ過装置17を透過した膜ろ過水18は、オゾ
ン接触槽30に送り込まれる。オゾン接触槽30には、
オゾン発生器13から必要量のオゾン31が供給され
て、膜ろ過水18とオゾン31とが接触している。膜ろ
過水18は、膜ろ過装置17からオゾン接触槽30に送
り込まれる過程で、膜ろ過水中の残留オゾン濃度がオゾ
ン検出器19で検出され、そのオゾン濃度の計測値に基
づいてオゾン発生器13からオゾン溶解槽22へ供給さ
れるオゾン12の供給量が制御されている。オゾン接触
槽30において十分にオゾンと接触したオゾン処理水3
3は、活性炭を充填した活性炭吸着塔20へ移送され、
処理された処理水は放流水21として系外に放流され
る。また、オゾン溶解槽22から排出される排オゾンガ
ス23、循環槽14から排出される排オゾンガス15お
よびオゾン接触槽30から排出される排オゾンガス32
は、排オゾンガス処理設備16で処理される。膜ろ過装
置17からの循環水は、循環ラインを通して循環槽14
に返送される。
【0044】本発明におけるオゾン溶解槽22、生物学
的に処理した後の膜ろ過装置4、後段の膜ろ過装置17
については、図3の例において既に説明した通りであ
る。
【0045】次に、本発明におけるオゾンの注入制御に
ついて説明する。本実施形態では、膜ろ過水中の残留オ
ゾン濃度をオゾン検出器19で計測して、オゾン発生器
13を操作してオゾン注入量を制御する方法である。オ
ゾン発生器13により発生したオゾン12が、配管に直
接インライン注入もしくは循環槽14もしくはオゾン溶
解槽22に供給されるとともに、オゾン発生器13によ
り発生したオゾンガス31は、オゾン接触槽30に供給
されるが、オゾン発生器の印可電圧や、各供給配管に設
けたバルブ(図示なし)の開度を調整することによっ
て、調整することができる。オゾン濃度の注入制御は、
膜供給水のオゾン濃度を制御目的値にしても良いが、こ
の場合、膜ろ過における短時間でも膜表面の目詰まり物
質とオゾンが反応してオゾンが消費される場合があるた
め、予めこれを考慮しておく必要があり、好ましくは、
膜ろ過水中の残留オゾン濃度を制御目的値とすることが
望ましい。
【0046】なお、オゾンの注入率は、膜ろ過水中の残
留オゾン濃度によりフィードバックされて決定される。
また、中和槽10において得られた処理水のオゾン要求
量に変動がある場合は、膜ろ過水中の残留オゾン濃度を
溶存オゾン濃度検出器で測定して、オゾン注入率のフィ
ードバック制御を行うこともできる。むろん、オゾン検
出器19は、演算手段等を備えるCPU(中央処理装
置)を用いたものであってもよい。
【0047】次に、本発明におけるオゾン接触槽30に
ついて説明する。本発明では、膜ろ過装置17の後段
に、更にオゾン接触槽30が設けられている。このよう
な膜ろ過装置の後段にオゾン接触槽を設けることによ
り、膜ろ過水中の残留オゾン濃度によって、オゾン接触
槽へのオゾン注入率を調整することができ、有機物質と
のオゾン処理を十分に行うことが可能である。この膜ろ
過装置17の後段に設けたオゾン接触槽30の目的は、
有機物とのオゾン反応に必要な接触時間を確保するこ
と、オゾンを再注入して、オゾン反応に必要なオゾン
を補充することにある。そして、膜の物理洗浄の時に
オゾン注入ラインを後段のオゾン接触槽のみに切り換え
ることにより、オゾン発生装置の間欠運転または発生オ
ゾンの無駄を防止することにある。また、オゾン接触槽
30の装置形式は、Uチューブ式、ディフューザ式、イ
ンジェクタ式、下降注入式注入等のどの形式でも可能で
ある。しかし、オゾンを注入した膜ろ過水に対して、オ
ゾンを溶解させており、高濃度のオゾンを溶解させる必
要はない。装置形式は、接触時間を十分に確保すること
ができるディフューザ形式が好ましい。なお、オゾン接
触槽30においても排オゾンガスが発生するため、排オ
ゾンガスは排オゾンガス処理設備16に導入されて処理
される。排オゾンガス処理設備16の形式は、活性炭
式、熱分解式、触煤式等どの形式でも問題がない。
【0048】
【実施例】以下、本発明に基づくし尿系汚水の処理方法
および処理装置の実施例について説明する。なお、以下
の実施例は本発明に限定を加えるものではない。
【0049】(実施例1)図7に示した従来法フローに
基づく実験装置(処理量100L/日)において、膜ろ
過装置4の部分に、分画分子量20,000ダルトンの
ポリアクリロニトリル重合体製限外ろ過膜(総面積0.
2m2の平膜、設定フラックス0.5m3/m2/日)を
適用し、膜ろ過装置17の部分に、分画分子量13,0
00ダルトンのポリアクリロニトリル重合体製限外ろ過
膜(総面積0.1m2の中空糸膜、設定フラックス1.
0m3/m2/日)を適用して、し尿および浄化槽汚泥の
混合液の処理実験を行った。
【0050】図7に示した従来法における限外ろ過平膜
4の部分までの運転より開始し、約1ヶ月間の馴致期間
を経て、生物処理工程が安定してから、その後の凝集沈
殿装置および限外ろ過中空糸膜17までの運転実験を開
始した。凝集槽8においてポリ鉄を鉄換算で550mg
/L添加し、水酸化ナトリウムを用いてpH4.5に調
製した。また、中和槽10において水酸化ナトリウムを
用いてpH7.2に調製して処理した。本実験におけ
る、主な工程ごとの水質データは、表1に示した通りで
あった。
【0051】
【表1】
【0052】ここで、し尿系汚水1は、し尿および浄化
槽汚泥を目開き1mm程度の細目スクリーンで除渣した
後の混合液である。しかしながら、限外ろ過中空糸膜1
7への通水を開始して3週間後には該膜の膜間差圧が1
50kPaを越えたため、該膜への通水を中断し、該膜
に対して次亜塩素酸ナトリウムおよびクエン酸溶液によ
る薬品洗浄を実施した。薬品洗浄の終了した限外ろ過中
空糸膜17を用いて、再び一連の実験を開始したもの
の、通水を再開して3週間後には膜間差圧が150kP
aを越えた。
【0053】そこで、実験装置を、図3に示したような
フローに改造した。なお、ここで、膜ろ過装置4の部分
に、分画分子量20,000ダルトンのポリアクリロニ
トリル重合体型限外ろ過膜(総面積0.2m2の平膜、
設定フラックス0.5m3/m 2/日)を適用し、膜ろ過
装置17の部分に、公称孔径0.1μmのフッ化ビニリ
デン重合体樹脂製精密ろ過膜(総面積0.03m2の中
空糸膜、設定フラックス3.3m3/m2/日)を適用し
た。ディフューザ形式のオゾン溶解槽22における滞留
時間を9分とし、膜ろ過水中の残留オゾン濃度が、0.
1〜3mg/Lとなるようにオゾン溶解槽22にオゾン
を注入して、膜ろ過処理を行った。一連の通水実験を行
った結果、精密ろ過中空糸膜17における膜間差圧が1
00kPaを越えたのは、通水を開始して8ヶ月後であ
り、本発明方法および装置を用いることにより、精密ろ
過中空糸膜17の薬品洗浄頻度を大幅に低減できること
がわかった。なお、この実験期間中の、主な工程ごとの
水質データは、表2に示した通りである。
【0054】
【表2】
【0055】従来の方法および装置による実験での水質
データ(表1)と比べると、し尿系汚水の水質に大きな
差があるとは見られなかったが、本発明方法および装置
を用いた場合の膜ろ過水のCODおよび色度は、従来方
法および装置を用いた場合の膜ろ過水のCODおよび色
度より低くなっており、本発明方法および装置によっ
て、生物処理水中に含まれていたCOD成分および色度
成分が良好に処理されていたことがわかった。
【0056】(実施例2)図7に示した従来法フローに
基づく実験装置(処理量100L/日)において、膜ろ
過装置4の部分に、分画分子量20,000ダルトンの
ポリアクリロニトリル重合体製精密ろ過膜(総面積0.
2m2の平膜、設定フラックス0.5m3/m2/日)を
適用し、膜ろ過装置17の部分に、分画分子量13,0
00ダルトンのポリアクリロニトリル重合体製限外ろ過
膜(総面積0.1m2の中空糸膜、設定フラックス1.
0m3/m2/日)を適用して、し尿および浄化槽汚泥の
混合液の処理実験を行った。
【0057】図7に示した従来法における限外ろ過平膜
4の部分までの運転より開始し、約1ヶ月間の馴致期間
を経て、生物処理工程が安定してから、その後の凝集沈
殿装置および限外ろ過中空糸膜17までの運転実験を開
始した。凝集槽8においてポリ鉄を鉄換算で650mg
/L添加し、水酸化ナトリウムを用いてpH4.3に調
製した。また、中和槽10において水酸化ナトリウムを
用いてpH7.0に調製して処理した。本実験におけ
る、主な工程ごとの水質データは、表3に示した通りで
あった。
【0058】
【表3】
【0059】ここで、し尿系汚水1は、し尿および浄化
槽汚泥を目開き1mm程度の細目スクリーンで除渣した
後の混合液である。しかしながら、限外ろ過中空糸膜1
7の通水を開始して3週間後には該膜の膜間差圧が15
0kPaを越えたため、該膜への通水を中断し、該膜に
対して次亜塩素酸ナトリウムおよびクエン酸溶液による
薬品洗浄を実施した。薬品洗浄の終了した限外ろ過中空
糸膜17を用いて、再び一連の実験を開始したものの、
通水を再開して3週間後には膜間差圧が150kPaを
越えた。
【0060】そこで、実験装置を、図6に示したような
フローに改造した。なお、ここで、膜ろ過装置4の部分
に、分画分子量20,000ダルトンのポリアクリロニ
トリル重合体型限外ろ過膜(総面積0.2m2の平膜、
設定フラックス0.5m3/m 2/日)を適用し、膜ろ過
装置17の部分に、公称孔径0.1μmのフッ化ビニリ
デン重合体樹脂製精密ろ過膜(総面積0.03m2の中
空糸膜、設定フラックス3.3m3/m2/日)を適用し
た。ディフューザ形式のオゾン溶解槽22における滞留
時間を6分とし、膜ろ過水中の残留オゾン濃度が、0.
1〜3mg/Lとなるようにオゾン溶解槽22にオゾン
を注入して、膜ろ過処理を行った。得られた膜ろ過水1
8をディフューザ形式のオゾン接触槽30に供給し、オ
ゾン接触槽30に5mg/Lのオゾンを注入して処理し
た。一連の通水実験を行った結果、精密ろ過中空糸膜1
7における膜間差圧が100kPaを越えたのは、通水
を開始して8ヶ月後であり、本発明方法および装置を用
いることにより、精密ろ過中空糸膜17の薬品洗浄頻度
を大幅に低減できることがわかった。なお、この実験期
間中の、主な工程ごとの水質データは、表4に示した通
りである。
【0061】
【表4】
【0062】従来の方法および装置による実験での水質
データ(表3)と比べると、し尿系汚水の水質に大きな
差があるとは見られなかったが、本発明方法および装置
を用いた場合のオゾン処理水のCODおよび色度は、従
来方法および装置を用いた場合の膜ろ過水のCODおよ
び色度より低くなっており、本発明方法および装置によ
って、生物処理水中に含まれていたCOD成分および色
度成分が良好に処理されていたことがわかった。
【0063】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のし尿系汚水
の処埋方法および処理装置によれば、し尿系汚水を生物
学的に処理した後、膜による固液分離処理を行い、該膜
の透過液に対して凝集剤添加処理を行った後、沈降分離
を行い別の膜によって固液分離処理を行うという方法お
よび装置にあって、後段の膜の目詰まりを大幅に軽減す
ることができ、該膜の目詰まりに対処するための薬品洗
浄に要する労力と洗浄用薬剤費とを低減させることがで
きると共に、膜の寿命を延命させ膜交換費を低減させる
ことができる。
【0064】また、オゾンの注入制御を行うことによ
り、オソン注入量を量小限にし、オゾン消費を抑制する
ことができる。さらに、高度な処理水水質を得ることが
でき、後段の活性炭吸着塔に係る負荷を軽減することが
可能となり、活性炭の交換もしくは再生頻度を低減さ
せ、維持管理を容易にすることができる。
【0065】また、膜ろ過装置の洗浄工程では、オゾン
発生器からのオゾンをオゾン接触槽に供給することによ
って、間欠運転の必要性がなく、発生オゾンの無駄を解
消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の処理フローを示す図であ
る。
【図2】本発明の他の実施形態の処理フローを示す図で
ある。
【図3】本発明の他の実施形態の処理フローを示す図で
ある。
【図4】本発明の他の実施形態の処理フローを示す図で
ある。
【図5】本発明の他の実施形態の処理フローを示す図で
ある。
【図6】本発明の他の実施形態の処理フローを示す図で
ある。
【図7】従来例の処理フローを示す図である。
【符号の説明】
1…し尿系汚水、2…脱窒素槽、3…硝化槽、4…膜ろ
過装置、5…生物処理水、6…凝集剤、7…アルカリ
剤、8…凝集槽、9…沈降分離槽、10…中和槽11…
中和処理水、12…オゾン、13…オゾン発生器、14
…循環槽、15…排オゾンガス、16…排オゾンガス処
理設備、17…膜ろ過装置、18…膜ろ過水、19…オ
ゾン検出器、20…活性炭吸着塔、21…放流水、22
…オゾン溶解槽、23…排オゾンガス、30…オゾン接
触槽、31…オゾン、32…排オゾンガス、33…オゾ
ン処理水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 健一郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA01 HA21 HA41 HA61 KA02 KA52 KA55 KA57 KA63 KA71 KB12 KB13 KB23 KB30 KD08 KD17 KD19 KD21 KE01Q KE05Q KE11Q KE11R KE12P KE13P KE15R MA01 MA22 MB05 MB11 MC03 MC29X MC39X PA01 PB08 PC61 4D062 BA04 BA19 BA23 BA24 BB05 CA02 DA06 DA16 DA17 DC02 EA13 EA32 FA01 FA02 FA17 FA22 FA24 FA28

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 し尿系汚水を生物学的に処理した後、第
    一の膜ろ過装置による固液分離処理を行うことと、 該第一の膜ろ過装置からの透過液に対して凝集剤を添加
    し、酸性条件下で反応させた後に、沈降分離槽で沈降分
    離を行うことと、 該沈降分離により得られた上澄液に対してアルカリ剤を
    添加して、中和槽内で中和処理を行うことと、 該中和処理された液を、第二の膜ろ過装置によって固液
    分離処理を行うこととを具備したし尿系汚水の処理方法
    において、 前記中和槽と前記第二の膜ろ過装置への循環槽または膜
    供給槽との中間において、オゾンの注入処理を行うこと
    を特徴とするし尿系汚水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第二の膜ろ過装置からの膜ろ過水を
    オゾン接触槽に導入すると共に、該オゾン接触槽にオゾ
    ンを再注入して処理することを特徴とするし尿系汚水の
    処理方法。
  3. 【請求項3】 前記第一の膜ろ過装置および第二の膜ろ
    過装置に用いる膜が、精密ろ過膜または限外ろ過膜であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のし尿系汚
    水の処理方法。
  4. 【請求項4】 第二の膜ろ過装置の膜ろ過出口に設置し
    たオゾン検出器によって、膜ろ過水中の残留オゾン濃度
    が0.01〜10mg/Lの範囲内となるように、前記
    オゾン注入量を調整することを特徴とする請求項1〜3
    の何れか1項に記載のし尿系汚水の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記オゾン注入量の調整が、第二の膜ろ
    過装置の膜ろ過出口に設置したオゾン検出器により連続
    的に膜ろ過水の残留オゾン濃度を測定し、前記膜ろ過水
    中の残留オゾン濃度が0.01〜10mg/Lの範囲内
    となるように前記オゾン注入量をフィードバック制御
    し、前記残留オゾン濃度を前記範囲内に調整することを
    特徴とする請求項4に記載のし尿系汚水の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記中和槽と前記第二の膜ろ過装置への
    循環槽または膜供給槽とを連結する配管に、オゾンを直
    接インライン注入することを特徴とする請求項1〜5の
    何れか1項に記載のし尿系汚水の処理方法。
  7. 【請求項7】 前記第二の膜ろ過装置の循環槽または膜
    供給槽にオゾンを注入することを特徴とする請求項1〜
    5の何れか1項に記載のし尿系汚水の処理方法。
  8. 【請求項8】 前記中和槽と前記第二の膜ろ過装置への
    循環槽または膜供給槽との中間にオゾン溶解槽を設置し
    て、該オゾン溶解槽にオゾンを注入することを特徴とす
    る請求項1〜5の何れか1項に記載のし尿系汚水の処理
    方法。
  9. 【請求項9】 し尿系汚水を生物学的に処理した後、第
    一の膜ろ過装置による固液分離処理を行い、該膜ろ過装
    置からの透過液に対して凝集剤を添加して酸性条件下で
    反応させ、この反応液を沈降分離槽で沈降分離を行い、
    得られた上澄液に対してアルカリ剤を添加して中和処理
    を行った後、第二の膜ろ過装置によって固液分離処理を
    行うし尿系汚水の処理装置において、 前記中和槽と前記第二の膜ろ過装置への循環槽または膜
    供給槽との中間においてオゾンを注入するオゾン注入設
    備と、第二の膜ろ過装置の膜ろ過出口に設置した膜ろ過
    水中の残留オゾン濃度を計測するオゾン検出器と、該オ
    ゾン検出器によって膜ろ過水中の残留オゾン濃度を測定
    し、その計測値に基づいて前記オゾン注入設備を操作す
    ることによりオゾン注入量を調整し、前記第二の膜ろ過
    装置からのろ過水中に存在する残留オゾン濃度を所定範
    囲内とするように制御する制御手段とを配備することを
    特徴とするし尿系汚水の処理装置。
  10. 【請求項10】 前記第二の膜ろ過装置からのろ過水を
    更にオゾン処理するために、前記第二の膜ろ過装置の後
    に、更にオゾン接触槽を設けたことを特徴とする請求項
    9に記載のし尿系汚水の処理装置。
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