JP2002035552A - 水処理方法およびその装置 - Google Patents

水処理方法およびその装置

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JP2002035552A
JP2002035552A JP2000222785A JP2000222785A JP2002035552A JP 2002035552 A JP2002035552 A JP 2002035552A JP 2000222785 A JP2000222785 A JP 2000222785A JP 2000222785 A JP2000222785 A JP 2000222785A JP 2002035552 A JP2002035552 A JP 2002035552A
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ozone
membrane
raw water
turbidity
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JP2000222785A
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English (en)
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Torataro Minegishi
寅太郎 峯岸
Kenichiro Mizuno
健一郎 水野
Yoshihiko Mori
吉彦 森
Masatoshi Hashino
昌年 橋野
Kinzo Isomura
欽三 磯村
Kenji Nakatani
健治 中谷
Kazutaka Takahashi
和孝 高橋
Komei Kadokawa
角川  功明
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ISOMURA HOUSUI KIKO KK
Asahi Kasei Corp
Fuji Electric Co Ltd
JFE Engineering Corp
Original Assignee
ISOMURA HOUSUI KIKO KK
Asahi Kasei Corp
Fuji Electric Co Ltd
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Water Treatment By Sorption (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オゾン処理装置と膜ろ過処理装置とを含む水
処理装置であって、原水の濁度が上昇した場合でも、オ
ゾン注入量が増大せず、しかも膜目詰まりを抑制して安
定した処理水量を得ることが可能な水処理装置を提供す
る。 【解決手段】 原水の濁度を低下させて除濁原水を得る
装置(4)と、前記除濁原水へオゾンを注入してオゾン
注入原水を得るオゾン注入装置(15)と、前記オゾン
注入原水から膜ろ過水を得る膜ろ過装置(11)と、前
記膜ろ過水から処理水を得る活性炭処理装置(20)と
を具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上水道、下水道、
工業用水または廃水処理の水処理方法に係り、特に、オ
ゾン処理と膜ろ過処理と活性炭処理とを組み合わせて相
互の相乗効果による高効率で高度に処理することのでき
る水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、浄水処理において、小規模水道を
中心に従来の凝集沈殿−砂ろ過処理の代替として、維持
管理性および省スペース化に優れた膜ろ過処理を用いる
ケースが増大しつつある。しかしながら、膜ろ過処理の
大中規模浄水場への適用を考慮した場合には、従来の凝
集沈殿−砂ろ過処理の場合と同等以下のコストまで削減
することが不可欠である。したがって、ランニングコス
トを低減するためには、高い膜透過流束で安定して運転
できることが必要となる。
【0003】また、大中規模浄水場は都市部に位置する
ことが多く、年々、河川水質が悪化する傾向が見られて
いる。原水中の溶解性有機物であるトリハロメタン前駆
物質や臭気物質を除去するためには、将来的にはオゾン
処理あるいは活性炭処理という高度処理を導入すること
が想定される。この場合、膜ろ過処理とオゾン処理と活
性炭処理との組み合わせとして、(1)オゾン処理と活
性炭処理と膜ろ過処理とを順次行なう方式、および
(2)膜ろ過処理とオゾン処理と活性炭処理とを順次行
なう方式の2つの方式が考えられる。しかしながら、い
ずれの方式においても、膜供給水として膜ろ過処理に導
入される原水中の懸濁物質および有機物質等によって膜
ファウリングが進行し、4m3/m2/日以上の高流束で
運転した場合には、比較的短期間でろ過膜が目詰まりを
起こすおそれがある。
【0004】こうした問題を解決する方法の一つとし
て、従来例の特開平10−309576号公報には、図
6に示すような装置を用いる水処理方法が提案されてい
る。この方法においては、まず、原水1を原水槽2に送
り込んで、供給ポンプ7により循環槽または膜供給槽8
に供給し、次いで、膜供給ポンプ9からエジェクター注
入装置10を介して膜ろ過装置11に送り込む。エジェ
クター注入装置10には、オゾン発生器15からオゾン
13がインライン注入されることによって、膜供給水と
オゾンとが接触して酸化処理が施される。
【0005】膜ろ過装置11において得られた膜ろ過水
は、膜ろ過水槽14へ送り込まれ、膜ろ過水の一部は膜
逆流洗浄水として用いられ、残りの大部分は活性炭供給
ポンプ19により活性炭処理装置20へ送られる。活性
炭処理装置20により膜ろ過水中のオゾン副生成物等が
除去されて、最終的に処理水21が得られる。
【0006】また、循環槽または膜供給槽8より排出さ
れる排オゾンガス17は、排オゾン処理設備18で処理
される。
【0007】この方式では、以下のような利点が得られ
ることが記載されている。
【0008】(1)膜ファウリングの原因となる高分子
有機物が、オゾン処理によって分解あるいは低分子化さ
れるため、膜目詰まりが抑制される。
【0009】(2)膜ろ過水中にオゾンを残留させるこ
とによって、膜面および細孔内がオゾンにより常に洗浄
された状態となるため、高い膜透過流束で比較的長期間
安定通水することができる。
【0010】(3)飲料に十分適した高度な処理水を得
ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】湖沼水およびダム湖下
流の表流水等は、通常は50度以下の比較的低濁度で安
定しているが、一般河川表流水等は年に数日の割合で2
50〜500度程度の高濁度になることがある。したが
って、原水の濁度が高くなった場合には、上述したよう
な処理プロセスにおいて次のような問題が発生するた
め、高濁度時に対処することができない。
【0012】(1)膜ろ過装置へ供給される被処理水の
濁度が高くなり、膜ろ過処理に係る負荷が増大して膜目
詰まりが急激に進行する。
【0013】(2)濁度の上昇に伴なって、原水中に含
まれる溶解性有機炭素(DOC)等に代表される有機物
量も増加する。その結果、膜ろ過水中に所定濃度のオゾ
ンを残留させるためには、多量のオゾンを注入しなけれ
ばならず、経済的でない。さらに、場合によっては膜ろ
過水中の残留オゾンがなくなってしまうため、膜目詰ま
りが進行する。
【0014】本発明は、上述したような問題点を克服す
べく、鋭意検討の結果完成されたものであって、オゾン
処理と膜ろ過処理とを含む水処理方法であって、原水の
濁度が上昇した場合でも、オゾン注入量を増大させるこ
となく、しかも膜目詰まりを抑制して安定した処理水量
を得ることが可能な水処理方法を提供することを目的と
する。
【0015】また本発明は、オゾン処理装置と膜ろ過処
理装置とを含む水処理装置であって、原水の濁度が上昇
した場合でも、オゾン注入量が増大せず、しかも膜目詰
まりを抑制して安定した処理水量を得ることが可能な水
処理装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、原水の濁度を低下させて除濁原水を得る
工程と、前記除濁原水へオゾンを注入してオゾン注入原
水を得る工程と、前記オゾン注入原水を膜ろ過して膜ろ
過水を得る工程と、前記膜ろ過水を活性炭処理する工程
とを具備する水処理方法を提供する。
【0017】また本発明は、原水の濁度を低下させて除
濁原水を得る装置と、オゾン注入原水を得るために前記
除濁原水へオゾンを注入するオゾン注入装置と、前記オ
ゾン注入原水から膜ろ過水を得る膜ろ過装置と、前記膜
ろ過水から処理水を得る活性炭処理装置とを具備する水
処理装置を提供する。
【0018】本発明の水処理方法においては、前記膜ろ
過水中の残留オゾン濃度が所定範囲に維持されるよう、
前記除濁原水へのオゾン注入量を制御することが好まし
い。
【0019】前記膜ろ過水中の残留オゾン濃度が0.0
1〜10mg/Lの範囲であることが好ましい。
【0020】さらに、本発明の水処理方法においては、
前記原水の濁度を低下させて得られる前記除濁原水の濁
度を100度以下にすることが好ましい。
【0021】また本発明の水処理装置においては、前記
膜ろ過水中の残留オゾン濃度を得るための残留オゾン濃
度測定手段と、前記膜ろ過水中の残留オゾン濃度に基づ
いて、前記オゾン注入装置からのオゾン注入量を制御す
る手段とを具備することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水処理方法を、図
面を参照して詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明の水処理方法の一例を説明
するための処理フローを示す図である。本発明の水処理
方法は、こうした構成の本発明の処理装置を用いて実施
することができる。
【0024】図示する装置においては、原水1は原水槽
2に供給され、ポンプ3により原水槽2から導出され
て、前処理装置としての傾斜式除濁装置4へ送り込まれ
る。ここで除濁された処理水は、処理水槽6へ導入され
た後、供給ポンプ7によって循環槽または膜供給槽8に
供給される。処理水は、次いで、膜供給ポンプ9からエ
ジェクター注入装置10を介して膜ろ過装置11に送り
込まれる。なお、エジェクター注入装置10には、オゾ
ン発生器15からのオゾン13がインライン注入され、
これによって膜供給水とオゾンとが接触して酸化処理が
施される。すなわち、膜ろ過装置11には、酸化処理後
の処理水が送り込まれる。
【0025】膜ろ過装置11において得られた膜ろ過水
は、膜ろ過水槽14へ送り込まれ、膜ろ過水の一部は膜
逆流洗浄水として用いられて、残りの大部分は活性炭供
給ポンプ19により活性炭処理装置20へ送られる。
【0026】活性炭処理装置20においては、膜ろ過水
中のオゾン副生成物等が除去されて、最終的に処理水2
1が得られる。
【0027】図示するように、膜ろ過装置11において
循環水12を循環槽または膜供給槽8へ返送することも
できる。循環槽または膜供給槽8より排出される排オゾ
ンガス17は、排オゾンガス処理設備18に導入されて
処理される。排オゾンガス処理設備18の形式は、活性
炭式、熱分解式、および触媒式等のいずれの形式として
も問題はない。
【0028】なお、膜ろ過水槽14においては、オゾン
検出器16によって膜ろ過水中の残留オゾン濃度が検出
されて常時計測される。オゾン検出器16としては、溶
存オゾン濃度検出器を用いることができる。得られたオ
ゾン濃度の計測値に基づいて、オゾン発生器15からエ
ジェクター注入装置11に供給されるオゾン量が制御さ
れる。
【0029】具体的には、膜ろ過水中の残留オゾン濃度
が、0.01〜10mg/Lの範囲内となるように、オ
ゾン発生器15の印加電圧やバルブ(図示せず)の開閉
操作等の調整を行なう。これによって、オゾン発生器1
5からエジェクター注入装置10に直接インライン注入
されるオゾン注入量が制御される。例えば、CPU(中
央処理装置)等による制御手段によって、膜ろ過水中の
残留オゾン濃度を算出して、インライン注入されるオゾ
ン注入量をフィードバック制御することができる。
【0030】膜ろ過装置11により得られた膜ろ過水に
残留するオゾン量は、膜ろ過装置11のろ過速度を高く
維持するために、0.01〜10mg/Lとすることが
好ましく、0.1〜5.0mg/Lとすることがより好
ましい。膜ろ過水中の残留オゾン濃度が10mg/Lよ
り高くなると、膜ろ過装置11のろ過膜として耐オゾン
性の膜素材を用いても、長期的にはオゾンとの反応によ
って膜劣化が生じるおそれがあるものの、膜モジュール
の交換時期を考え合わせると、10mg/Lまでは許容
される。また、残留オゾン濃度が10mg/Lより高く
なると、副生成物量も多くなるという問題がある。以上
のことから、膜ろ過水中の残留オゾン濃度は、0.01
〜10mg/Lであることが好ましく、0.1〜5.0
mg/Lであることがより好ましい。
【0031】ここで、図1に示した処理装置における前
処理装置としての傾斜式除濁装置4について説明する。
図2に、傾斜式除濁装置4の構成の詳細を示す。
【0032】図示するように、傾斜式除濁装置4は、急
速攪拌槽32、緩速攪拌槽34および沈殿装置35より
構成される。
【0033】急速攪拌槽32には、原水槽からの原水が
供給ポンプ3を介して導入され、さらに凝集剤30が添
加される。原水と凝集剤30とは、急速攪拌機31によ
って急速攪拌され、その後、緩速攪拌槽34に導かれ
る。
【0034】緩速攪拌槽34においては、薬剤を伴なっ
た原水を緩速攪拌機33によって緩速攪拌して凝集フロ
ックを形成し、生じた凝集フロックおよび原水は沈殿装
置35に導入される。
【0035】この沈殿装置35は、傾斜装置36を有し
ており、傾斜装置36に上向流(例えば20m/h)で
通水して、濁質の凝集フロックを沈降分離する。傾斜装
置36は、傾斜管もしくは傾斜板を、上向流に対して所
定角度に傾斜して配置したものである。濁質の凝集フロ
ックが沈降分離されるので、処理水槽6には、濁度の低
減された原水が導入される。
【0036】こうした構成を有する傾斜式除濁装置を用
いることによって、原水濁度が大きく変動した場合にお
いても、膜ろ過装置に供給する前に、常に濁度を100
度以下まで低下させることができる。
【0037】ここで濁度を100度以下としているの
は、(1)オゾン消費量の経済性、および(2)膜ろ過
処理に係る負荷を軽減することによる目詰まりの抑制と
いった点を考慮したためである。
【0038】次に、本発明において用いられる膜ろ過装
置11について説明する。膜ろ過装置11は、膜供給水
にオゾンが溶解された状態で膜ろ過するために、生物フ
ァウリングによる膜の目詰まりを防止することができ、
かつ高い透過流束を得ることが可能である。膜ろ過装置
11に使用される膜は、原水中の濁質成分および細菌類
を除去することのできる膜であり、精密ろ過膜または限
外ろ過膜が用いられる。精密ろ過膜の場合は、公称孔径
0.01〜0.5μmのものが用いられ、限外ろ過膜の
場合には、分画分子量1,000〜20万ダルトンのも
のが用いられる。また、膜モジュールの形式は、中空糸
状、スパイラル状、チューブラ状、および平膜状等のい
ずれの形式でも問題はない。膜素材およびポッティング
部は、高濃度のオゾンと接触するために、耐オゾン性の
素材で構成することが望ましい。膜素材については、フ
ッ化ビニリデン重合体樹脂等の耐オゾン性の有機樹脂ま
たはセラミック等の無機材料を用いることができる。ま
た、膜モジュールのろ過方式は、全量ろ過方式およびク
ロスフローろ過方式のいずれの方式を用いてもよい。さ
らに、膜ろ過への通水方式は、外圧型と内圧型があり、
どちらの通水方式でも問題ない。
【0039】以上、原水の濁度を低減するための前処理
装置として傾斜式除濁装置を用いた例を説明したが、本
発明の方法においては、他の装置を用いて原水の濁度を
低減することもできる。図3には、傾斜式除濁装置に換
えて生物接触ろ過装置を用いた例を示す。
【0040】図示する処理装置は、前処理装置として生
物接触ろ過装置5を用いること以外は、図1に示した装
置と同様である。すなわち、原水1は原水槽2に供給さ
れ、ポンプ3により原水槽2から導出されて、前処理装
置としての生物接触ろ過装置5へ送り込まれる。ここで
除濁された処理水は、処理水槽6へ導入された後、供給
ポンプ7によって循環槽または膜供給槽8に供給され
る。処理水は、次いで、膜供給ポンプ9からエジェクタ
ー注入装置10を介して膜ろ過装置11に送り込まれ
る。なお、エジェクター注入装置10には、オゾン発生
器15からのオゾン13がインライン注入され、これに
よって膜供給水とオゾンとが接触して酸化処理が施され
る。
【0041】膜ろ過装置11において得られた膜ろ過水
は、膜ろ過水槽14へ送り込まれ、膜ろ過水の一部は膜
逆流洗浄水として用いられて、残りの大部分は活性炭供
給ポンプ19により活性炭処理装置20へ送られる。
【0042】活性炭処理装置20においては、膜ろ過水
中のオゾン副生成物等が除去されて、最終的に処理水2
1が得られる。
【0043】図示するように、膜ろ過装置11において
循環水12を循環槽または膜供給槽8へ返送することも
できる。循環槽または膜供給槽8より排出される排オゾ
ンガス17は、排オゾンガス処理設備18に導入されて
処理される。
【0044】ここで、図3に示した処理装置における前
処理装置としての生物接触ろ過装置5について説明す
る。この生物接触ろ過装置5は、微生物を担持したろ材
を所定の層厚で塔内に充填したものである。ろ材に担持
された微生物によって原水水質の平準化、アンモニア性
窒素の硝化および生物易分解性有機物の低減が行なわれ
るとともに、ろ材の有するろ過機能により原水の濁度が
除去されるので、生物処理機能と濁質捕捉機能とを兼ね
ている。ろ材の構成は、上段充填層および下段充填層と
いった複層構成としても問題はない。
【0045】こうした構成を有する生物接触ろ過装置を
用いることによって、原水濁度が大きく変動した場合に
おいても、膜ろ過装置に供給する前に、常に濁度を10
0度以下まで低下させることができる。
【0046】さらに、本発明の方法においては、原水の
濁度を低減するための前処理装置として、安価でかつ維
持管理性の優れたオートストレーナを用いて原水の濁度
を低減することもできる。この場合、目開きは100μ
m〜数nmのサイズのものが好ましい。
【0047】
【実施例】以下、本発明に基づく汚水の処理方法および
処理装置の実施例について説明する。なお、以下の実施
例は本発明に限定を加えるものではない。
【0048】(実施例1)図1に示した本発明の処理フ
ローに基づく実験装置(処理量35m3/日)におい
て、河川表流水を原水として処理実験を行なった。
【0049】傾斜式除濁装置4には、凝集剤30として
ポリ塩化アルミニウム(PAC)溶液を20mg/L添
加した。膜ろ過装置11には、公称孔径0.1μmのフ
ッ化ビニリデン重合体樹脂製精密ろ過膜(膜面積7m2
の中空糸膜)を適用して、デッドエンドろ過にて設定フ
ラックス5m3/m2/日の定流量ろ過運転を行なった。
【0050】運転条件は、ろ過を20分間行なった後、
逆流洗浄を30秒間行なうという操作を繰り返し、2時
間毎に膜モジュール直下から空気を供給してエアーバブ
リングを2分間行なった。また、膜ろ過水中の残留オゾ
ン濃度が1mg/L程度となるようにフィードバック制
御して、エジェクター方式によりオゾンをオゾン発生器
15からエジェクター注入装置10にインライン注入し
た。
【0051】図4のグラフに、原水および傾斜式除濁装
置処理水における濁度の経時変化を示す。また、膜ろ過
装置11における膜間差圧(25℃換算)の経時変化
は、図5のグラフに示した通りである。
【0052】図4のグラフに示されるように、本発明の
処理フローで処理することによって、原水濁度が高くな
った場合においても傾斜式除濁装置処理水の濁度は常に
30度以下に抑えることができる。また、フラックス5
3/m2/日の条件において、約3ヶ月にわたって膜間
差圧の上昇もなく安定して通水することができること
が、図5にグラフから明らかである。
【0053】(実施例2)図3に示した本発明の処理フ
ローに基づく実験装置(処理量35m3/日)におい
て、河川表流水を原水として処理実験を行なった。
【0054】生物接触ろ過装置5においては、ろ材の構
成を2層構成とし、上段充填層にポリプロピレン製の中
空円筒状のろ材(φ4mm×L5mm)を用い、下段充
填層にはセラミック製の球形のろ材(有効径1mm)を
用いた。
【0055】膜ろ過装置11における仕様および運転条
件は、実施例1の場合と同様とした。さらに、膜ろ過水
中の残留オゾン濃度が1mg/L程度となるようにフィ
ードバック制御して、エジェクター方式によりオゾンを
オゾン発生器15からエジェクター注入装置10にイン
ライン注入した。
【0056】図4のグラフに、原水および生物接触ろ過
装置処理水における濁度の経時変化を示す。また、膜ろ
過装置11における膜間差圧(25℃換算)の経時変化
は、図5のグラフに示した通りである。
【0057】図4のグラフに示されるように、本発明の
処理フローで処理することによって、原水濁度が高くな
った場合においても、生物接触ろ過装置処理水の濃度は
常に50度以下に抑えることができる。また、フラック
ス5m3/m2/日の条件において、約3ヶ月にわたって
膜間差圧の上昇もなく安定して通水することができるこ
とが図5のグラフから明らかである。
【0058】(比較例1)図6にした従来法フローに基
づく実験装置(処理量35m3/日)において、河川表
流水を原水として処理実験を行なった。
【0059】膜ろ過装置11における仕様および運転条
件は、実施例1の場合と同様とした。さらに、膜ろ過水
中の残留オゾン濃度が1mg/L程度となるようにフィ
ードバック制御して、エジェクター方式によりオゾンを
オゾン発生器15からエジェクター注入装置10にイン
ライン注入した。
【0060】図4のグラフに、原水における濁度の経時
変化を示す。また、膜ろ過装置11における膜間差圧
(25℃換算)の経時変化は、図5のグラフに示した通
りである。
【0061】図4および図5のグラフに示されるよう
に、従来法のフローで処理を行なった場合には、原水濁
度の変化に伴なって膜間差圧も変化している。すなわ
ち、膜間差圧は、原水の濁度が100度以上の高濁度と
なると一時的に上昇し、濁度の低下にしたがって低下し
ている。しかしながら、膜間差圧は、全体としては上昇
を続けていることが図5のグラフから明らかである。こ
れは、膜面あるいは細孔内に付着した無機物等によって
膜目詰まりが次第に進行したためであり、フラックス5
3/m2/日の条件においては、約3ヶ月で膜の薬品洗
浄を行なうに至った。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、オ
ゾン処理と膜ろ過処理とを含む水処理方法であって、原
水の濁度が上昇した場合でも、オゾン注入量を増大させ
ることなく、しかも膜目詰まりを抑制して安定した処理
水量を得ることが可能な水処理方法が提供される。ま
た、本発明によれば、オゾン処理装置と膜ろ過処理装置
とを含む水処理装置であって、原水の濁度が上昇した場
合でも、オゾン注入量が増大せず、しかも膜目詰まりを
抑制して安定した処理水量を得ることが可能な水処理装
置が提供される。
【0063】本発明を用いることにより、高い膜透過流
束においても膜の目詰まりを大幅に軽減することがで
き、膜の目詰まりに対処するための薬品洗浄に要する労
力と洗浄用薬剤費とを低減することができる。しかも、
オゾンの注入制御を行なうことによって、オゾン注入量
を最小限にして無駄なオゾン消費を抑制することが可能
となる。本発明は、上水道、下水道、工業用水または廃
水の処理に極めて有効に用いられ、その工業的価値は大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の処理フローを示す図。
【図2】本発明に用いられる傾斜式除濁装置の構成を示
す概略図。
【図3】本発明の他の実施例の処理フローを示す図。
【図4】濁度の経時変化を示すグラフ図。
【図5】膜間差圧の経時変化を示すグラフ図。
【図6】従来の処理フローを示す図。
【符号の説明】
1…原水 2…原水槽 3…供給ポンプ 4…傾斜式除濁装置 5…生物接触ろ過装置 6…処理水槽 7…供給ポンプ 8…循環槽または膜供給槽 9…膜供給ポンプ 10…エジェクター注入装置 11…膜ろ過装置 12…循環水 13…オゾンガス 14…膜ろ過水槽 15…オゾン発生器 16…オゾン検出器 17…排オゾンガス 18…排オゾンガス処理設備 19…活性炭供給ポンプ 20…活性炭処理装置 21…処理水 30…凝集剤 31…急速攪拌機 32…急速攪拌槽 33…緩速攪拌機 34…緩速攪拌槽 35…沈殿装置 36…傾斜装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/44 C02F 1/44 H K 1/78 1/78 3/06 3/06 9/00 501 9/00 501B 502 502P 502R 502E 502H 503 503C 503G 503A 504 504D 504E (71)出願人 000005234 富士電機株式会社 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 (72)発明者 峯岸 寅太郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 水野 健一郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 森 吉彦 静岡県富士市鮫島2−1 旭化成工業株式 会社内 (72)発明者 橋野 昌年 静岡県富士市鮫島2−1 旭化成工業株式 会社内 (72)発明者 磯村 欽三 東京都港区虎ノ門一丁目1番3号 磯村豊 水機工株式会社内 (72)発明者 中谷 健治 東京都港区虎ノ門一丁目1番3号 磯村豊 水機工株式会社内 (72)発明者 高橋 和孝 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 角川 功明 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 4D003 AA02 BA02 CA03 CA10 EA01 EA15 EA24 EA30 FA02 4D006 GA06 GA07 HA01 HA21 HA41 HA61 HA95 KA02 KA12 KA42 KA71 KB12 KB13 KB25 KB30 KC03 KD21 KE06P KE13Q MA01 MA02 MA03 MA22 MB05 MC03 MC29 PA01 PB02 PB08 4D024 AA01 AA04 AB11 BA02 DB05 DB12 DB15 DB24 4D050 AA01 AA12 AA13 AB04 AB19 BB02 BD03 BD06 BD08 CA06 CA09 CA16 CA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水の濁度を低下させて除濁原水を得る
    工程と、 前記除濁原水へオゾンを注入してオゾン注入原水を得る
    工程と、 前記オゾン注入原水を膜ろ過して膜ろ過水を得る工程
    と、 前記膜ろ過水を活性炭処理する工程とを具備する水処理
    方法。
  2. 【請求項2】 前記膜ろ過水中の残留オゾン濃度が所定
    範囲に維持されるよう、前記除濁原水へのオゾン注入量
    を制御することを特徴とする請求項1に記載の水処理方
    法。
  3. 【請求項3】 前記膜ろ過水中の残留オゾン濃度が0.
    01〜10mg/Lの範囲であることを特徴とする請求
    項2に記載の水処理方法。
  4. 【請求項4】 前記原水の濁度を低下させて得られる前
    記除濁原水の濁度を100度以下にすることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水処理方
    法。
  5. 【請求項5】 原水の濁度を低下させて除濁原水を得る
    装置と、 オゾン注入原水を得るために前記除濁原水へオゾンを注
    入するオゾン注入装置と、 前記オゾン注入原水から膜ろ過水を得る膜ろ過装置と、 前記膜ろ過水から処理水を得る活性炭処理装置とを具備
    する水処理装置。
  6. 【請求項6】 前記膜ろ過水中の残留オゾン濃度を得る
    ための残留オゾン濃度測定手段と、前記膜ろ過水中の残
    留オゾン濃度に基づいて、前記オゾン注入装置からのオ
    ゾン注入量を制御する手段とを具備する請求項5に記載
    の水処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1323958C (zh) * 2004-12-24 2007-07-04 中国科学院生态环境研究中心 一种城市污水深度处理的方法
WO2010110065A1 (ja) * 2009-03-27 2010-09-30 メタウォーター株式会社 再生水製造方法、及び再生水製造システム
JP2011056478A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Metawater Co Ltd 水処理方法及び水処理装置

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