JP2000288310A - 燐酸塩化成排水の処理装置 - Google Patents

燐酸塩化成排水の処理装置

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JP2000288310A
JP2000288310A JP11098959A JP9895999A JP2000288310A JP 2000288310 A JP2000288310 A JP 2000288310A JP 11098959 A JP11098959 A JP 11098959A JP 9895999 A JP9895999 A JP 9895999A JP 2000288310 A JP2000288310 A JP 2000288310A
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Takeki Shinozaki
武樹 篠崎
Seiya Akashi
誠也 明石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燐酸塩を用いて化学研磨を行う研磨浴
から排出される廃液の処理。 【解決手段】 燐酸塩化成廃液を固液分離した排水1
を原水槽2に導き、鉱酸3によって予め酸性にせしめた
廃液に無機カルシウム塩4を用いて中和槽5にて中和を
行い、得られた中和液6を更に清澄槽7に導き、アニオ
ン性高分子凝集剤8を添加し清澄分離を行い、処理水9
及び沈殿生成物10に分離し、更に該沈殿生成物10の
分離を行う固液分離器11から成る処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燐酸塩を用いて化
学研磨を行う研磨浴から排出される廃液の処理装置に関
する。更に詳しくは、金属表面を燐酸塩にて酸で洗浄す
ることで、金属表面の酸化皮膜を化学的に溶解して取り
除き、次の表面処理に適する正常な表面を形成させるこ
とを目的とするものである。このため、該金属処理を行
うと表面に強固な燐酸皮膜が出来るので例えば塗装下地
として工業的に広く用いられている。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】金属の
表面処理は、燐酸塩をベースにパーカー法(Perke
rizing法)、やボンデ法(Bonderizin
g法)といった優れた表面処理が、例えば、自動車工業
の防錆技術として広く取り入れらている。この様な方法
(以下化成処理という)で用いられる燐酸塩としては、
燐酸亜鉛、燐酸鉄、燐酸マンガン、燐酸ジルコニウム、
燐酸クロム等がある。しかしながら、表面処理され、使
用済みの表面処理廃液は中和処理されたのち、産業廃棄
物として処分されている。このためこの廃液の処理は大
きな課題であった。
【0003】例えば、自動車工業でみた場合、我が国の
自動車防蝕ラインは約100ライン程度あるといわれて
おり、化成処理から排出される廃液は、更に固液分離さ
れスラッジ分と排水に分けられ、処理されている。その
発生量としては、該スラッジ分として乾物ベースで、年
間4,000t〜8,000t、排水は石灰その他で処
理され燐酸分(H3PO4として)換算で、年間400t
〜700tに達するといわれている。
【0004】該廃液の内スラッジ分は再利用の方法が数
多く提案されているが、排水については単に中和処理を
行ったあと、その殆どのものが産業廃棄物として処理さ
れている。しかしながら、現在の地球環境の問題、燐の
処理の問題、産業廃棄物の処分場の問題を考慮した場
合、有価物としての再生利用装置(以下回収装置とい
う)の開発要求は充分なものがある。回収装置としては
一般的な燐の処理方法である石灰凝沈法の提案は数多く
なされてはいるものの、開発の緒についたばかりであ
り、具体的な有効利用方法を踏まえた装置の提案が望ま
れている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は燐酸塩化成
廃液からの、スラッジ分を除去した排水中の成分を有価
物として有効利用する装置に関し、種々検討を重ねた結
果、該排水に硫酸を添加し、更に無機カルシウム塩にて
中和する装置の開発を行った。
【0006】すなわち、本発明は燐酸塩化成廃液を固液
分離した排水1を原水槽2に導き、鉱酸3によって予め
酸性にせしめた廃液に無機カルシウム塩4を用いて中和
槽5にて中和を行い、得られた中和液6を更に清澄槽7
に導き、アニオン性高分子凝集剤8を添加し清澄分離を
行い、処理水9及び沈殿生成物10に分離し、更に該沈
殿生成物10の分離を行う固液分離器11から成ること
を特徴とする燐酸塩化成排水の処理装置に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
ここでいう、化学研磨に用いる化成液とは、燐酸塩化成
液の内、鋼板用の処理に用いる液のことをいい、該燐酸
化成液の主成分としては、亜鉛をベースとした燐酸亜鉛
化成液、鉄をベースとした燐酸鉄化成液、マンガンをベ
ースとした燐酸マンガン化成液が工業的に広く用いられ
ている。また、該化成液の成分は鋼板の表面処理を行う
ため色々な薬剤を添加しているが、本発明者等の研究に
よれば上述の表面処理時の化成液組成は、表1に示すよ
うな組成のものが一般的に広く用いられている。
【0008】
【表1】
【0009】この化成液を用いて、鋼板の処理を行った
ものが、化成廃液であり、スラッジ成分を固液分離した
あとの廃液が化成排水である。したがって、鋼板の処理
を行うため化成廃液中に鉄分が増加する。また、化成処
理を行った後、鋼板を洗浄した水が混入するため、該化
成排水の各組成は、化成液より大幅に低下する。この化
成排水を本発明による装置を用いて、所定の条件下で処
理することにより、工業的に付加価値のある成分の回収
が可能となるものである。この燐酸塩化成排水について
本発明者等の行った分析例を表2に示す。
【0010】
【表2】
【0011】これら化成排水に一般的に使用燐及びF分
の処理方法であるカルシウム法(以下Ca法)を用いた
場合、例えば消石灰にて中和を行っても微細な結晶の生
成のみで凝集助剤として、塩化鉄や硫酸バンド等を用い
て処理を行い、更に凝集剤を添加し処理を行うが、得ら
れた沈殿生成物についても凝集助剤等を添加するため、
鉄分等の金属分の含有量が増加し有価物としての回収が
困難となり好ましくない。また、得られる沈殿生成物の
結晶が極めて小さいため固液分離を行う際(例えば濾過
機を用いた分離等)には、濾過性が悪くその結果付着水
分が高く好適でない。
【0012】本発明者等の研究によれば、化成排水のp
H値が燐酸塩の種類や処理設備によって異なるが、約3
〜5.5程度と弱酸性の領域であるため、石灰を用いて
可溶性分を除去しようとしても、燐分は100ppm以
下に低下することは難しく、工業的に、経済的に現実的
な方法が要求された。
【0013】そこで、本発明者等は化成排水中のpH値
に着目し、鉱酸を添加することでpH値を低下せしめる
とともに副生した石膏の結晶を成長させることで、固液
分離の良好で且つ、処理水中の燐分を始めとする不純物
分を除去する方法を見い出し、本発明の装置の提案に至
った。
【0014】化成排水中には燐酸分を初めとする、不純
物分が多く含まれているが、これを有価物としての回収
を鑑みた場合、湿式燐酸製造工程への回収や燐酸を原料
とする製品例えば燐安や副産燐肥等の燐酸誘導品系の製
造工程へ回収するのが好適である。このためには、出来
るだけ不純物分が少ない方が好ましく、たとえ含有して
いたとしても、燐の製品を製造する際に、影響のないも
のが良いことはいうまでもない。本発明の装置において
は、新たに添加するものは鉱酸と無機Ca源であり、硫
酸分は二水石膏及びCa分は燐酸カルシウムとなり、例
えば燐酸工場での回収を考えた場合においては、二水石
膏は副産物として、燐酸カルシウムは主原料である燐鉱
石と同じであるため、工業的な見地から考慮しても全く
問題いなく有価物としての回収が可能となるものであ
る。
【0015】先ず、本発明においては原水槽2に鉱酸3
を予め添加し酸性とするが、鉱酸の種類としては、前述
の有価物として回収しようとした場合、成分的に問題の
ない硫酸が好ましい。たとえば、塩酸の場合には、塩酸
成分による、装置の腐食が発生するため好ましくなく、
硝酸の場合においても、硝酸根による排水の窒素成分の
問題が発生し、窒素分の除去を更に考慮しなくてはなら
ない等問題であり、硫酸を使用するのが好ましい。尚、
添加する硫酸については、濃硫酸でも、希硫酸でも特に
限定はないが、処理水9の再利用等で有効利用を考慮し
た場合は、硫酸の反応熱や希釈熱による水温の上昇をな
くすために、希硫酸のほうが好ましく、濃度としては5
〜70重量%でよく、例えばイオン交換に用いた再生廃
液でも良い。この硫酸の添加を行いpH値を1〜4とす
る。
【0016】硫酸によって、pH値が1〜4にせしめた
化成排水は中和槽5にて、無機Ca塩4によって中和を
行う。尚、無機Ca塩4は沈殿生成物10の回収を考慮
した場合、Ca以外の不純物の影響のない消石灰、生石
灰、炭酸カルシウムがよく、例えば消石灰単体あるいは
消石灰と炭酸カルシウムの混合使用等いずれでも問題は
ない。尚、用いる無機Ca塩は、中和槽5における反応
性を考慮した場合、水によって希釈し3〜20重量%の
濃度にて用いる。無機Ca塩の濃度は3重量%未満では
添加量が増加するため設備上好ましくない。逆に20重
量%を越えると無機Ca塩の分散性や添加量が著しく減
少するため調節が困難で好ましくない。尚、本発明者等
の研究によれば中和の際の温度は、10〜40℃、滞留
時間0.5〜4時間、好ましくは1〜2時間が好適であ
る。
【0017】得られた中和液6は、清澄槽7に導き、高
分子凝集剤8を添加して、清澄分離を行うが、清澄槽7
については、一般に広く用いられている清澄分離器(ク
ラリファイヤー)の使用でよく、また高分子凝集剤8と
しては、アニオン性であり、かつポリアクリルアミド系
が好適である。
【0018】高分子凝集剤には、アニオン性の他にカチ
オン及びノニオン性のものもあるが、本発明に用いる高
分子凝集剤は、上記凝集剤のうち、アニオン性のみであ
り、カチオンやノニオン性のものを使用しても後述の比
較例が示す通り、本発明の求める効果は得られない。更
に、本発明における高分子凝集剤はアクリルアミドとア
クリル酸ナトリウムの高分子共重合体であって、アクリ
ル酸ナトリウムの割合が3〜6mol%であることが必
須条件であり、この条件を外れるとアニオン系の凝集剤
であっても本発明の求める効果は殆ど期待できない。特
には、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤がポリ(メ
タ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸の共重合物、
またはポリ(メタ)アクリルアミドの部分加水分解物で
あり、イオン性としてアニオンを示し、アクリル酸塩の
割合が3〜6mol%、その固有粘度が〔η〕(30℃
及び1N−NaNO3溶液中で測定)(dl/g)とし
て10以上であるポリアクリルアミド系高分子凝集剤が
好適に使用される。
【0019】本発明に用いるアクリルアミドとアクリル
酸ナトリウムの高分子供重合体であり且つ、アクリル酸
ナトリウムの割合が3〜6mol%であるアニオン性の
ポリアクリルアミド系高分子凝集剤は水溶液として用い
る方が好ましい。その理由としては、中和液6へ高分子
凝集剤8を添加した場合、該中和液中へ高分子凝集剤8
が分散しやすいからである。
【0020】該水溶液の濃度は、0.05〜0.5重量
%、好ましくは0.1〜0.2重量%が好適である。該
水溶液の濃度が高くなると粘度が上昇し、添加量の調整
が困難となり、分散性も悪くなる。逆に濃度が低すぎる
と、添加を多くする必要があるため、装置としては大き
くなり経済的でない。使用する装置としては、高分子凝
集剤を用いるため、例えば、スラリー循環型やスラリー
ブランケット型のクラリファイヤー等が好適であるが、
要は、中和せしめた中和液6に高分子凝集剤8が混合可
能な構造を有していれば良く、シックナー等を使用して
も差し支えない。
【0021】尚、該高分子凝集剤8を用いることによっ
て、処理水9中の懸濁物を本発明者等の研究によれば、
上述の中和条件であれば10ppm以下まで低下するこ
とが可能となり、懸濁物分を低減することで、処理水の
再利用も容易となる。また、凝集の状況も良好で、従来
の高分子凝集剤にくらべて、沈降速度が10%以上向上
するため、清澄槽7の装置の大きさも小さくてすむ。沈
殿生成物10については、更に濃縮度を高めるために固
液分離器11にて分離を行う。本発明における固液分離
器11は特に限定はないものの、スラリーで回収しよう
とした場合には、シックナーで濃縮を行いスラリー濃度
を5〜10重量%から10〜30重量%程度まで高め
る。また更に濃縮度を上げたい場合には、例えば、ベル
トフィルター、水平ベルトフィルター、フィルタープレ
ス又は遠心分離機等いずれでもをかまわないが、これら
の装置を用いることで、スラリー濃度70〜90重量%
まで高めることが可能である。
【0022】得られた、沈殿生成物10は必要であれば
乾燥処理を行う。尚、本発明においては、硫酸を添加し
中和を行っているため、硫酸の一部が無機Ca塩と反応
し、一部二水石膏を生成する。このため、燐分と無機C
a塩による反応生成物は、通常、結晶形状は微細結晶で
ある。一部二水石膏の生成は、燐酸塩の沈殿生成物に比
べて、結晶形状が大きいため、固液分離を行う際に、沈
降速度、濾過性の改善につながり工業的に優れた方法と
なっている。化成排水には、前述のように種々の金属成
分を多量に含有しているため、沈殿生成物の生成条件も
一定ではなく、各排水ごとに、細かな条件を設定する必
要がある。
【0023】本発明者等の研究によれば結晶成長の条件
としては、各によって異なるが、温度10〜20℃の条
件下においては、予め中和しようとする液のpH値を硫
酸の添加によって1〜4の範囲内におさめておけば特に
問題無く処理を行うことが出来る。尚、pH値が1未満
であれば使用する硫酸量及び中和剤の無機Ca塩が増加
し、更には、沈殿生成物10も増加するため経済的でな
く、逆に4を越えると硫酸の添加効果を発揮出来ないの
で好ましくない。また、化成液には、F成分が添加され
ているものもあり、処理水の有効利用あるいは、そのま
ま河川、湖沼や海域に放流するケースにおいても、本発
明の条件であれば、F分、燐分、金属分などが極めて低
い、良好な水質の処理水を得ることが出来ることも本発
明の特徴の1つである。
【0024】このようにして得られた沈殿生成物10
は、湿式燐酸製造工程への回収や燐酸を原料とする製品
例えば燐安や副産燐肥等の製造工程への回収が充分可能
となる。例えば燐酸工場に回収する場合には、沈殿生成
物10をスラリー及び/またはケーキ及び/または乾物
として、燐鉱石に硫酸を用いて分解する反応槽に投入
し、沈殿生成物10を燐鉱石とともに硫酸によって分解
を行うことが出来る。この際の分解条件は、本発明者等
の研究によれば、燐鉱石の使用量に対して、沈殿生成物
10の回収量(乾物基準)が重量比にて1/20以下で
あれば、反応温度、遊離硫酸濃度、燐酸−石膏スラリー
濃度、燐酸濃度ともに、通常の設定条件を変更すること
なく運転を行うことが出来、更には、沈殿生成物10の
燐分の回収も可能となる。
【0025】以下、図1により本発明の装置を用いた化
成排水を処理する例を説明する。図1において、燐酸塩
化成廃液を固液分離した排水1を原水槽2に導き、鉱酸
3によって予め酸性にせしめた廃液に無機Ca塩4を用
いて中和槽5にて中和を行い、得られた中和液6を更に
清澄槽7に導き、高分子凝集剤8を添加し清澄分離を行
い、処理水9及び沈殿生成物10に分離し、更に該沈殿
生成物10の分離を行う固液分離器11からなる装置で
ある。尚、原水槽のpH値の調整については、pH計
(不図示)と連動させ、硫酸の添加量を調節することに
より、所定のpH値に調整することが好適である。ま
た、中和槽5においてもpH値の調整はpH計(不図
示)と連動させ、無機Ca塩4を調節することにより、
所定のpH値に調整することも同様に好適である。
【0026】中和時の条件は、滞留時間を所定の時間、
即ち0.5〜4.0時間、好ましくは1〜2時間を必要
とする。これは、中和剤である無機Ca塩と反応性を考
慮した場合、充分な反応を行わせるに不可欠な時間であ
り、0.5時間未満では、処理水9の不純物レベルがア
ップし、燐酸分その他回収しようとする成分の回収効率
の低下を招き、逆に4.0時間を越える場合は経済的に
好適でないことはいうまでもない。
【0027】
【実施例】以下、実施例で本発明を詳細に説明する。
又、%は特記しないかぎり重量基準を表す。 実施例1 自動車用鋼板表面処理工程において使用した、燐酸塩化
成廃液を固液分離した排水を分析したところ表3に示す
組成であった。この排水を用いて、図1に示す装置にて
連続試験を実施した。排水1は10t/hで連続的に有
効容積50m3 (材質SUS−316L、縦型円筒の容
器、攪拌機付)の原水槽2に導き、65%希硫酸を用い
てpH値を2〜3に調整を行い、さらに中和槽5(有効
容積15m3、材質SUS−304、縦型円筒の容器、
撹拌機付)にて、無機Ca塩として10%の消石灰スラ
リーを添加しながら、pH値8〜9に中和を行い、得ら
れた中和液6を更に0.1%水溶液としたポリアクリル
アミド系高分子凝集剤(アクリル酸ナトリウムの割合が
4.7mol%でアニオン性のもの(商品名:三井サイ
テック(株)製アコフロックA−241L)を1L/h
添加しながら、清澄槽7(直径3m、容積15m3、材
質SUS−304、レーキ付)にて清澄させ、処理水9
及び沈殿生成物10を得た。更に、該沈殿生成物10を
固液分離器11であるシックナーにて沈澱生成物10の
濃縮を行ったあとフィルタープレス(有効濾過面積3m
2、FC製)に導き濾過分離した。得られた処理水及び
ケーキの成分を8時間毎に測定したところ、表4の結果
であった。上記の試験は連続300時間実施し、処理水
9の組成、ケーキの組成等何ら支障は生じなかった。ま
た、処理水9中の懸濁物分は、1〜5ppmの範囲内で
あった。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】比較例1 高分子凝集剤をアクリル酸ナトリウムが5.3mol%
のノニオン性のもの(商品名:栗田工業(株)製クリフ
ロックPA−362)に変更した以外は実施例1の方法
及び条件にて試験を行ったところ、試験開始後、約1時
間にて、処理水が白濁を生じ懸濁物を測定したところ、
50ppmをこえていたため試験を中止した。
【0031】比較例2 高分子凝集剤をアクリル酸ナトリウムが14.8mol
%のアニオン性のもの(商品名:三井サイテック(株)
製アコーフロックA−110)に変更した以外は実施例
1と同じ方法、条件で試験を行った。試験開始後、約3
時間で処理水中の懸濁物が15ppmになったため試験
を中止した。
【0032】試験例1 実施例1で得られたケーキを燐酸工場に回収する試験を
実施した。燐酸工場反応槽において燐鉱石25t/h、
分解温度70℃、遊離硫酸濃度1.5%、燐酸濃度3
3.5%の条件下に実施例1で得られたケーキ(乾物基
準)500kg/h投入し、連続500時間の試験を実
施した。結果としては、投入前後の得られた燐酸液の組
成にも変化はなく、操業条件にも問題は見られなかっ
た。得られた燐酸液の分析結果を表5に示す。
【0033】
【表5】
【0034】
【発明の効果】本発明は燐酸塩化成廃液を固液分離した
排水中の成分を有価物として有効利用する装置を提供す
ることにより、環境問題、燐の処理問題、産業廃棄物の
対応が行え、工業的にも有用な処理装置に関するもので
ある。現状該燐酸塩化成排水はまだ、工業的に有効な処
理方法がなっかったが、本発明はこれを工業的に可能と
し、燐酸塩化成排水中の成分を有価物としてして再利用
することができる装置を提供するものであり、その工業
的意義、環境対策への貢献度は大なるものである。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における一連の装置の一例を示すブロ
ックフロー図
【符号の説明】
1 燐酸塩化成廃液を固液分離した排水 2 原水槽 3 鉱酸 4 無機カルシウム塩 5 中和槽 6 中和液 7 清澄槽 8 高分子凝集剤 9 処理水 10 沈殿生成物 11 固液分離器 12 回収物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D015 BA21 BB05 CA18 DA39 DB03 DC08 EA04 EA14 EA32 FA03 FA19 4D062 BA21 BB05 CA18 DA39 DB03 DC08 EA04 EA14 EA32 FA03 FA19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燐酸塩化成廃液を固液分離した排水1
    を原水槽2に導き、鉱酸3によって予め酸性にせしめた
    廃液に無機カルシウム塩4を用いて中和槽5にて中和を
    行い、得られた中和液6を更に清澄槽7に導き、アニオ
    ン性高分子凝集剤8を添加し清澄分離を行い、処理水9
    及び沈殿生成物10に分離し、更に該沈殿生成物10の
    分離を行う固液分離器11から成ることを特徴とする燐
    酸塩化成排水の処理装置。
  2. 【請求項2】 無機カルシウム塩4が、消石灰及び/
    または生石灰及び/または炭酸カルシウムである請求項
    1記載の処理装置。
  3. 【請求項3】 無機カルシウム塩4が、水によって希
    釈し、3〜20重量%のスラリー濃度である請求項1記
    載の処理装置。
  4. 【請求項4】 中和槽5へ導く際鉱酸3で処理するp
    H値が1〜4の範囲である請求項1記載の処理装置。
  5. 【請求項5】 鉱酸3が、硫酸である請求項1記載の
    処理装置。
  6. 【請求項6】 中和槽5の中和処理において、無機カ
    ルシウム塩4による中和処理のpH値が5〜10の範囲
    である請求項1記載の処理装置。
  7. 【請求項7】 アニオン性高分子凝集剤8が、アニオ
    ン性のポリアクリルアミド系高分子凝集剤である請求項
    1記載の処理装置。
  8. 【請求項8】 アニオン性高分子凝集剤8の添加量
    (固型分換算)が、中和槽5の中和液に対して0.1〜
    5ppmである請求項1記載の処理装置。
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