JP2000287812A - 万能キッチンばさみ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誰でもが簡単に蟹肉を食べることが可能にな
る万能キッチンばさみを提供する。 【解決手段】 万能キッチンばさみ１は、基部２から左
右に分岐した一対のアーム３，３の先端部に薄板状の把
持部４，４が対向するようにそれぞれ形成されている。
そして、一対のアーム３，３を弾性変形させることによ
り把持部４，４を近づけたり又は遠ざけることにより、
把持部４，４で物をつかんだり又は離したりすることが
できる。把持部４，４には、上に凸の略円弧状の第１の
爪５と、下に凸の略円弧状の第２の爪６とが対向するよ
うに形成され、これら第１の爪５と第２の爪６の内周縁
８に刃１０が形成されている。第２の爪６の先端６ａを
蟹の殻に挿入し、第１の爪５の先端５ａを支点としてア
ーム３を上下に揺動すると、刃１０で蟹の殻が切断され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、蟹や海老を食べ
る際に、殻を切り開いて食べやすくすることができる万
能キッチンばさみに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、蟹を食べる場合、予め包丁で
蟹に切れ目を入れたり、又、包丁で蟹の殻を切り取った
りして、蟹の肉を取り出しやすくしている。又、金属製
のスティックを用意し、この金属製のスティックで蟹の
肉を蟹の殻から掻き出し、その掻き出した蟹肉を食べる
ようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、予め包
丁で蟹に切れ目を入れたり、又、包丁で蟹の殻を切り取
るのは、包丁の扱いに慣れていない大人や子供にとって
は危険であり、面倒であるため、誰でもが簡単に蟹を食
べるということが難しかった。又、金属製のスティック
で蟹肉を殻から取り出すのは、時間がかかると共に、蟹
肉が細かく分断されてしまって食べにくくなるという問
題があった。

【０００４】そこで、本発明は、誰でもが簡単に蟹肉を
食べることが可能になる万能キッチンばさみを提供する
ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、基部
から左右に分岐した一対のアームの先端部に薄板状の把
持部が対向するようにそれぞれ形成され、前記一対のア
ームを弾性変形させることにより前記把持部を近づけた
り又は遠ざけたりして、前記把持部で物をつかんだり又
は離したりする万能キッチンばさみである。そして、前
記把持部には、上に凸の略円弧状の第１の爪と、下に凸
の略円弧状の第２の爪とが対向するように形成され、こ
れら第１の爪と第２の爪の内周縁に刃が形成されたこと
を特徴としている。

【０００６】このような構成の本発明によれば、第１の
爪と第２の爪のいずれか一方を蟹殻の内部に挿入し、第
１の爪と第２の爪のいずれか他方の先端部を支点として
アームを上下に揺動したり、又は、第１の爪と第２の爪
のいずれか一方をスライドさせれば、第１の爪と第２の
爪の内周縁に形成された刃のいずれか一方で蟹殻を簡単
に切り開くことが可能になる。この際、第１の爪及び第
２の爪は、一対の把持部にそれぞれ形成されているた
め、蟹殻が板状に切り取られる。又、本発明によれば、
蟹殻を切り開く刃が第１の爪と第２の爪の内周縁に形成
されており、その刃が第１の爪と第２の爪の外周側に露
出していないため、包丁を使うのが苦手の人が安全に蟹
殻を切断することができる。又、本発明は、蟹殻を切り
開いた後、左右一対の第１の爪と第２の爪のいずれか一
方で蟹肉を挟んで取り出すことができるため、蟹肉を細
かく分断するようなことがなく、蟹肉が食べやすくな
る。

【０００７】請求項２の発明は、前記請求項１の発明に
おいて、前記第１の爪の幅と前記第２の爪の幅の一方が
他方よりも小さく形成されたことを特徴としている。

【０００８】このような構成の本発明によれば、蟹殻の
大きさに応じて第１の爪と第２の爪を使い分け、細い蟹
足であっても容易に切断することができ、又、太く堅い
蟹足でも容易に切断することが可能になる。

【０００９】請求項３の発明は、前記請求項１又は２の
発明において、前記第１の爪と前記第２の爪の先端が丸
く形成されたことを特徴としている。

【００１０】このような構成の本発明によれば、丸い第
１の爪の先端又は第２の爪の先端が支点となり、アーム
の揺動作業が円滑になり、蟹殻の切断作業が円滑に行わ
れる。

【００１１】請求項４の発明は、前記請求項１〜３のい
ずれかに記載された発明において、前記第１の爪と前記
第２の爪の先端部にくびれ部分が形成されたことを特徴
としている。

【００１２】このような構成の本発明によれば、第１の
爪と第２の爪のいずれか一方を蟹殻の内部に挿入する
際、各爪の先端にくびれ部が形成されているため、第１
の爪と第２の爪のいずれも蟹殻内に容易に挿入すること
が可能になる。

【００１３】請求項５の発明は、基部から左右に分岐し
た一対のアームの先端部に薄板状の把持部が対向するよ
うにそれぞれ形成され、前記一対のアームを弾性変形さ
せることにより前記把持部を近づけたり又は遠ざけたり
して、前記把持部で物をつかんだり又は離したりする万
能キッチンばさみである。そして、前記把持部には、刃
を備えた爪が形成されたことを特徴としている。

【００１４】このような構成の本発明によれば、請求項
１の発明に比較して、構造が簡単化するため、安価な万
能キッチンばさみを提供することが可能になる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳述する。

【００１６】図１〜図６は、本発明の実施の形態に係る
万能キッチンばさみ１を示すものである。これらの図に
示すように、本実施の形態に係る万能キッチンばさみ１
は、全体が弾性変形可能な板状部材で形成されており、
基部２から左右に分岐して延びる一対の薄板状アーム
３，３の先端部に把持部４，４がそれぞれ対向するよう
に形成されている。そして、この把持部４，４には、上
に凸の略円弧状の第１の爪５と下に凸の略円弧状の第２
の爪６とが形成されている。

【００１７】そして、これら第１の爪５と第２の爪６
は、蟹の殻７の中に一方の先端５ａ，６ａを差し込むこ
とができるように上下に離れており（図２参照）、その
略円弧状の内周縁８に殻７を切り開くために使用される
刃１０が形成されている。ここで、第１の爪５は、その
幅寸法Ｈ１が第２の爪６の幅寸法Ｈ２よりも小さくなる
ように形成されている。このように、第１の爪５と第２
の爪６の幅寸法を変えておくと、蟹の殻７の大きさに応
じて第１の爪５と第２の爪６を使い分けることができ
る。

【００１８】又、第１の爪５と第２の爪６は、その先端
部にくびれ部分１１，１２がそれぞれ形成されており、
その先端部が細くなっているため、蟹の殻７の中にその
先端５ａ，６ａを挿入することが容易になる。

【００１９】又、第１の爪５と第２の爪６の先端５ａ，
６ａが丸く形成されており、これら第１の爪５と第２の
爪６の先端５ａ，６ａで人がけがをするのを防止するこ
とができる。又、第１の爪５と第２の爪６の先端５ａ，
６ａが丸く形成されているため、第１の爪５と第２の爪
６のいずれか一方の先端５ａ，６ａを支点としてアーム
３，３を動かす場合、アーム３，３を円滑に動かすこと
が可能になる。

【００２０】ここで、万能キッチンばさみは、図５に示
すように、基部２が湾曲した円弧状部であり、この基部
２から先端５ａ，６ａに向かうに従って一方のアーム３
が他方のアーム３から離れるように形成されており、図
６に示すようにアーム３，３を弾性変形させることがで
き、この図６のようにアーム３，３を弾性変形させるこ
とにより蟹肉９をつかむことができるようになってい
る。

【００２１】以上のように構成された万能キッチンばさ
み１は、図２に示すように、第２の爪６の先端６ａを蟹
肉９と蟹の殻７の間に差し込んだ後、第１の爪５の先端
５ａを支点としてアーム３をスライドさせたり揺動させ
ることにより、第２の爪６の内周縁８に形成された刃１
０で蟹の殻７を切断することができる。この際、蟹の殻
７は、左右一対の第２の爪６，６の刃１０で切断される
ため、図２に示すように、板状に切り取られる（図中Ａ
部）。この状態において、左右一対の第２の爪６で蟹肉
９を挟み、蟹肉９全体を第２の爪６，６で挟んだまま取
り出すことができる。従って、このような万能キッチン
ばさみ１によれば、蟹肉９が細かく分断されることがな
く、蟹肉９を食べやすい状態（蟹の足の場合はスティッ
ク状）で簡単に取り出すことが可能になる。

【００２２】尚、本実施の形態の万能キッチンばさみ１
は、上記したように、アーム３，３が弾性変形できるよ
うになっているため、一対のアーム３，３を近づけるよ
うに弾性変形させた後、その第２の爪６，６の先端６
ａ，６ａを蟹の殻７と蟹肉９の間に挿入し、アーム３，
３から手を離すと、一対の第２の爪６，６がアーム３，
３の弾性力で蟹の殻７側へ押し付けられる。従って、本
実施の形態の万能キッチンばさみ１は、蟹肉９を無駄に
切断するようなことがなく、蟹の殻７のみを切断するこ
とが可能になる。

【００２３】以上のように、本実施の形態の万能キッチ
ンばさみ１は、第２の爪６の先端６ａを蟹の殻７の中に
挿入した後、第１の爪５の先端５ａを支点としてアーム
３を上下に揺動させるだけで、第２の爪６の内周縁８に
形成した刃１０で蟹の殻７を切断でき、しかも一対の第
２の爪６，６で蟹肉９を挟んで取り出すことができるの
で、包丁の扱いに慣れていない大人や子供が安全且つ容
易に蟹肉９を食べることができる。

【００２４】又、本実施の形態は、第１の爪５及び第２
の爪６の先端５ａ，６ａが丸く形成され、しかも刃１０
が第１の爪５及び第２の爪６の略円弧状の内周縁８に形
成されており、刃１０が爪５，６の外側に露出していな
いため、包丁で蟹の殻７を切り取る場合に比較して、使
用中にけがをする可能性が格段に小さい。

【００２５】又、本実施の形態は、第１の爪５及び第２
の爪６が略円弧状に形成されており、第１の爪５及び第
２の爪６の輪郭が滑らかであるため、蟹の殻７の切断作
業を円滑に行うことができる。

【００２６】尚、上記の実施の形態は、第１の爪５の幅
Ｈ１を第２の爪６の幅Ｈ２よりも小さく形成する態様を
示したが、これに限られず、第２の爪６の幅Ｈ２を第１
の爪５の幅Ｈ１よりも小さくするようにしてもよく、
又、第１の爪５の幅Ｈ１と第２の爪６の幅Ｈ２を同じに
してもよい。

【００２７】又、上記実施の形態において、万能キッチ
ンばさみ１の材料は、ステンレス鋼板，軽金属，プラス
チック，竹等の材料が考えられ、本実施の形態のキッチ
ンばさみ１の機能を発揮できる材料が適宜選択される。

【００２８】又、上記実施の形態において、万能キッチ
ンばさみ１は、全体が一体に形成されているが、これに
限られず、一方のアーム３と他方のアーム３を別々に形
成し、その一端部を固定し、その固定した部分を基部と
することができる。

【００２９】又、本発明の万能キッチンばさみ１は、蟹
の殻７を切断する場合のみならず、海老の殻を切断する
場合にも使用でき、又、単に食品を取り分けたりする場
合にも使用することができる。加えて、本発明の万能キ
ッチンばさみ１の把持部４の外表面に蟹の爪のような模
様を施すようにしてもよい。

【００３０】更に、上記実施の形態において、一対の把
持部４，４に第１の爪５と第２の爪６のいずれか一方の
みを形成し、その爪に刃を形成するようにしてもよい。
このように構成すれば、キッチンばさみ１の構造が簡素
化し、安価なキッチンばさみ１を提供することができ
る。しかも、このような構造のキッチンばさみでも、爪
を蟹の殻７に対してスライドさせることにより、蟹の殻
７を板状に切り開くことができるので（図２参照）、一
対の爪で蟹肉９を挟んで取り出すことが可能になり、包
丁の扱いに慣れていない大人や子供が容易に蟹を食べる
ことができる。

【００３１】更に加えて、上記実施の形態において、爪
に形成する刃の形状や切れ味は、扱う人間や使用状況等
に応じて選択され、適宜鋸刃状の部分を形成するように
してもよい。

【００３２】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、第１の爪と第２の爪のいずれか一方の先端を蟹殻の
中に挿入した後、第１の爪と第２の爪のいずれか他方の
先端を支点としてアームを上下に揺動させるだけで、第
１の爪と第２の爪の内周縁に形成した刃で蟹殻を切断で
き、しかも一対の爪で蟹肉を挟んで取り出すことができ
るので、包丁の扱いに慣れていない大人や子供が安全且
つ容易に蟹肉を食べることができる。又、本発明におい
て、一対の把持部に上記第１の爪と第２の爪のいずれか
一方のみを形成し、その爪に刃を形成するようにすれ
ば、第１の爪と第２の爪の両方を形成する場合に比較
し、構造が簡単化し、安価な万能キッチンばさみを提供
することができる。尚、このような発明であっても、一
対の把持部にそれぞれ形成された爪の刃で蟹殻を切断し
た後、その一対の爪で蟹肉を挟んで取り出すことができ
るので、蟹肉を蟹殻から取り出す際に蟹肉を分断するよ
うなことがなく、包丁の扱いに慣れていない大人や子供
が蟹肉を容易に食べることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る万能キッチンばさみ
の外観斜視図である。

【図２】同万能キッチンばさみの使用状態図である。

【図３】同万能キッチンばさみの正面図である。

【図４】同万能キッチンばさみの先端側拡大図である。

【図５】同万能キッチンばさみの平面図である。

【図６】同万能キッチンばさみの使用状態時の平面図で
ある。

【符号の説明】

１……万能キッチンばさみ、２……基部、３……アー
ム、４……把持部、５……第１の爪、５ａ……先端、６
……第２の爪、６ａ……先端、８……内周縁、１０……
刃、１１，１２……くびれ部分

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基部から左右に分岐した一対のアームの
   先端部に薄板状の把持部が対向するようにそれぞれ形成
   され、前記一対のアームを弾性変形させることにより前
   記把持部を近づけたり又は遠ざけたりして、前記把持部
   で物をつかんだり又は離したりする万能キッチンばさみ
   において、 前記把持部には、上に凸の略円弧状の第１の爪と、下に
   凸の略円弧状の第２の爪とが対向するように形成され、
   これら第１の爪と第２の爪の内周縁に刃が形成されたこ
   とを特徴とする万能キッチンばさみ。
2. 【請求項２】 前記第１の爪の幅と前記第２の爪の幅の
   一方が他方よりも小さく形成されたことを特徴とする請
   求項１記載の万能キッチンばさみ。
3. 【請求項３】 前記第１の爪と前記第２の爪の先端が丸
   く形成されたことを特徴とする請求項１又は２記載の万
   能キッチンばさみ。
4. 【請求項４】 前記第１の爪と前記第２の爪の先端部に
   くびれ部分が形成されたことを特徴とする請求項１〜３
   のいずれか１項に記載の万能キッチンばさみ。
5. 【請求項５】 基部から左右に分岐した一対のアームの
   先端部に薄板状の把持部が対向するようにそれぞれ形成
   され、前記一対のアームを弾性変形させることにより前
   記把持部を近づけたり又は遠ざけたりして、前記把持部
   で物をつかんだり又は離したりする万能キッチンばさみ
   において、 前記把持部には、刃を備えた爪が形成されたことを特徴
   とする万能キッチンばさみ。