JP2000287363A - 分散電源の単独運転検出装置 - Google Patents

分散電源の単独運転検出装置

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JP2000287363A JP11091541A JP9154199A JP2000287363A JP 2000287363 A JP2000287363 A JP 2000287363A JP 11091541 A JP11091541 A JP 11091541A JP 9154199 A JP9154199 A JP 9154199A JP 2000287363 A JP2000287363 A JP 2000287363A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配電線の亘長の長短に拘わらず、分散電源の
単独運転を正確に検出することのできる分散電源の単独
運転検出装置を提供する。 【解決手段】 この単独運転検出装置は、電流注入装置
32と供給停止検出装置42とを備えている。電流注入
装置32は、分散電源30を有する需要家設備14の引
込線18に、当該配電系統の基本波電圧に同期してお
り、しかも当該基本波の2.7倍未満の非整数倍の中間
次数の高調波電流Im を注入する。供給停止検出装置4
2は、アドミタンス演算回路と判定回路とを備えてい
る。アドミタンス演算回路は、受電点Aから眺めた配電
系統の上記中間次数のアドミタンスを演算し、そのコン
ダクタンスおよびサセプタンスを算出する。判定回路
は、上記サセプタンスが容量性方向に所定値以上変化し
たときに供給停止検出信号Sを出力し、そうでないとき
でも上記コンダクタンスが正方向に所定値以上変化した
ときに供給停止検出信号Sを出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、上位系統に変電
所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源
を有する需要家設備が接続された構成の配電系統に適用
されるものであって、分散電源の単独運転を検出する単
独運転検出装置に関し、より具体的には、分散電源の単
独運転をより正確に検出する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】配電線には、近年、コジェネレーション
(複合発電)設備等の発電設備を有する需要家設備が接
続されるようになってきた。このような発電設備は、分
散電源と呼ばれる。
【0003】系統事故等によって電力会社の変電所の遮
断器が開放されて、上位系統からの電力供給が停止した
ときに、分散電源が運転(即ち単独運転)を続けている
と、上位系統からの電力供給が停止したにもかかわらず
配電線に電圧が印加され続けることになるので、感電事
故等が発生する恐れがある。そこで、第1ステップとし
て、このような上位系統からの電力供給の停止、即ち分
散電源の単独運転を確実に検出する必要がある。更に第
2ステップとして、当該分散電源を配電系統から切り離
す(解列する)必要がある。
【0004】分散電源の単独運転を検出する装置の一例
として、特開平6−343230号公報には、配電系統
に高調波電流、具体的にはn次(nは整数)の高調波電
流を注入し、この高調波についての配電系統のインピー
ダンス変化を監視し、このインピーダンス変化から、上
位系統からの電力供給停止を検出する、即ち分散電源の
単独運転を検出する装置(第1の単独運転検出装置)が
記載されている。
【0005】しかし、配電系統には元々、n次高調波が
常に存在しており、これと区別するために、上記装置で
は、注入高調波電流を大電流にする必要がある。従っ
て、大容量、大型かつ高価な装置が必要になる。しか
も、そのような大容量の高調波電流を配電系統に注入す
ることは、系統の高調波を増大させることになるので好
ましくない。
【0006】このような課題を解決することができる装
置の一例として、特開平10−248168号公報に
は、配電系統に、その基本波電圧に同期しておりしかも
当該基本波の非整数倍の中間次数の高調波電流を注入
し、この中間次数についての配電系統のインピーダンス
またはアドミタンスを算出し、このインピーダンスまた
はアドミタンスの変化から、上位系統からの電力供給停
止を検出する、即ち分散電源の単独運転を検出する装置
(第2の単独運転検出装置)が記載されている。
【0007】この第2の単独運転検出装置は、単に、上
記インピーダンスまたはアドミタンスの変化の大きさ
(変化量)を計測するものである。しかし、上記分散電
源を有する需要家設備の受電点の近くには、通常は、他
の負荷、他の分散電源、リアクトル付き力率改善用コン
デンサ(以下、これをL付きSCと呼ぶ)等が存在して
おり、更に同じ配電系統には他の負荷や力率改善用コン
デンサ(SC)等も存在しており、これらの開放や投入
(これを、他の事象変化と呼ぶ)によっても、配電系統
の上記インピーダンスまたはアドミタンスは変化する。
従って、上記第2の単独運転検出装置では、上位系統か
らの電力供給停止と、それ以外の上記のような他の事象
変化とを、正確に識別することが困難になり、誤検出を
生じる恐れがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記第2の単独運転検
出装置の課題を解決するための装置(第3の単独運転検
出装置)が、この出願の出願人の一人から先に提案され
ている(特願平10−64617号)。この装置は、上
記中間次数についての配電系統のアドミタンス(具体的
にはそのサセプタンス)が、容量性方向に所定値以上変
化したことを検出して、上位系統からの電力供給停止、
即ち分散電源の単独運転を検出するものである。
【0009】この第3の単独運転検出装置によれば、上
位系統からの電力供給停止を、他の事象変化から識別す
る精度が向上するけれども、変電所から上記分散電源を
有する需要家設備の受電点までの配電線の亘長の長短を
考慮していない点になお改善の余地のあることが分かっ
た。
【0010】即ち、上記配電線のインピーダンスは、変
電所変圧器に対して直列にインダクタンス(L)分を増
加させることになるので、その分、上記需要家設備の受
電点から見ると、変電所変圧器の基本波容量が小さく見
えてしまう。従って、配電線の亘長が長くなるほど、上
位系統からの電力供給停止時におけるサセプタンスの変
化量は小さくなる。それだけでなく、配電系統の負荷条
件によっては、上位系統からの電力供給停止時に、サセ
プタンスの変化方向が容量性方向でなくなる(即ち誘導
性方向になる)場合もある。そのために、上位系統から
の電力供給停止と、それ以外の上記のような他の事象変
化との正確な区別が困難になり、誤検出の可能性が高く
なる。
【0011】そこでこの発明は、上記第3の単独運転検
出装置を更に改良して、配電線の亘長の長短に拘わら
ず、分散電源の単独運転を正確に検出することのできる
分散電源の単独運転検出装置を提供することを主たる目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る分散電源
の単独運転検出装置の一つは、前記配電線から前記需要
家設備への引込線に、当該配電系統の基本波電圧に同期
しており、しかも当該基本波の2.7倍未満の非整数倍
の中間次数の高調波電流を注入する電流注入装置と、前
記需要家設備の引込線における前記中間次数の高調波電
圧および高調波電流を計測して、前記上位系統からの電
力供給が停止したことを表す供給停止検出信号を出力す
る供給停止検出装置とを備えており、かつこの供給停止
検出装置が、前記計測した高調波電圧および高調波電流
に基づいて、前記需要家設備の受電点から眺めた前記配
電系統の前記中間次数のアドミタンスを演算し、当該ア
ドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスを算出
するアドミタンス演算手段と、前記算出したサセプタン
スが容量性方向に所定値以上変化したか否かを判定し、
当該サセプタンスが容量性方向に所定値以上変化したと
きに前記供給停止検出信号を出力し、そうでないときは
前記算出したコンダクタンスが正方向に所定値以上変化
したか否かを更に判定し、当該コンダクタンスが正方向
に所定値以上変化したときに前記供給停止検出信号を出
力する判定手段とを備えていることを特徴としている
(請求項1)。
【0013】この発明に係る単独運転検出装置を構成す
る上記供給停止検出装置は、簡単に言えば、配電系統の
上記中間次数のアドミタンスを構成するサセプタンスの
変化方向および変化量の判定と、コンダクタンスの変化
方向および変化量の判定との2段階の判定を行うもので
ある。
【0014】配電系統のシミュレーション計算の結果か
ら、上記のような2段階の判定を行うことによって、配
電線の亘長が短くても長くても、即ち配電線の亘長の長
短に拘わらず、上位系統からの電力供給停止を、即ち分
散電源の単独運転を、正確に検出することができること
が確かめられた。
【0015】しかもこの単独運転検出装置では、電圧7
kV以下の高圧配電系統の場合は、電流注入装置から注
入する高調波電流の次数を、基本波の2.7倍未満(即
ち2.7次未満)の非整数倍にしているので、配電系統
に通常存在しているL付きSCによる想定し得る最低の
共振次数を常に避けて計測を行うことができる。その結
果、分散電源の単独運転をより正確に検出することがで
きる。
【0016】配電系統が電圧7kV超の特別高圧の場合
は、上記高圧の配電系統と違って、L付きSCは6%L
付きSCに限られている。従ってこのL付きSCによる
想定し得る最低の共振次数は、高圧の場合よりも高くな
り、計算によれば3.6次になる。従ってこの場合は、
請求項2に記載のように、上記中間次数を3.6次未満
とすることができ、従って中間次数選択の幅(自由度)
が広がる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る分散電源
の単独運転検出装置を備える配電系統の一例を示す単線
接続図である。この配電系統は、上位系統2に変電所4
を介して幾つかの配電線10、11が接続された構成を
している。変電所4は、変圧器(バンクトランス)6
と、その2次側と配電線10、11とを接続する遮断器
(バンク遮断器)8とを備えている。なお、電圧が7k
Vを超える特別高圧の場合の配電線は、実務上は、送配
電線と呼ばれるが、この明細書では、この場合も統一し
て配電線と呼ぶことにしている。
【0018】配電線10、11の電圧は、高圧配電系統
の場合は7kV以下、具体的には3.3kVまたは6.
6kVであり、特別高圧(特高)配電系統の場合は7k
V超、具体的には11kV、22kVまたは33kVで
ある。
【0019】各配電線10、11には、幾つかの一般需
要家設備12、分散電源を有する幾つかの需要家設備1
4、15、および幾つかの力率改善用コンデンサ16等
が接続されている。力率改善用コンデンサ(SC)16
には、リアクトル付きのもの(L付きSC)と、リアク
トル無しのもの(L無しSC)とがある。
【0020】この例では、配電線10に接続点Aで接続
された需要家設備14内に、この発明に係る単独運転検
出装置を設けている。
【0021】需要家設備14においては、その受電点A
に引込線18および遮断器20を介して構内母線22が
接続され、この構内母線22に変圧器24を介して負荷
25が接続されている。
【0022】更に、構内母線22に遮断器26および連
系用の遮断器28を介して分散電源30が接続されてお
り、通常は、遮断器26および28を閉じて、分散電源
30から当該配電系統の基本波に同期した電力を構内母
線22に供給するようにしている。これを連系運転と呼
ぶ。
【0023】系統事故等の際には、変電所4の遮断器8
が開放される。その際、前述したように、分散電源30
が運転(即ち単独運転)していると、感電事故等が発生
する恐れがあるので、分散電源30の単独運転を確実に
検出し、更には遮断器28を開放して分散電源30を配
電系統から切り離す(解列する)必要がある。
【0024】そのために、この例ではこの需要家設備1
4内に、分散電源30の単独運転を検出する単独運転検
出装置を設けている。この単独運転検出装置は、電流注
入装置32と、供給停止検出装置42とを備えている。
【0025】引込線18には、その電圧および電流を計
測する計器用変圧器40および計器用変流器41が接続
されており、この計器用変圧器40で計測した電圧(計
測電圧)Vt が電流注入装置32および供給停止検出装
置42に供給され、計器用変流器41で計測した電流
(計測電流)It が供給停止検出装置42に供給され
る。
【0026】電流注入装置32は、高圧配電系統の場合
は、上記引込線18に、ひいては上記配電線10に、当
該配電系統の基本波電圧に同期しており、しかも当該基
本波の2.7倍未満の非整数倍の中間次数mの高調波電
流Im を注入する。即ちmは、1<m<2.7(但しm
≠2)である。
【0027】この電流注入装置32は、この例では、上
記計器用変圧器40からの計測電圧Vt を用いてその基
本波電圧に同期した信号を発生する同期制御部34と、
この信号に基づいて上記基本波に同期している上記中間
次数mの高調波電流Im を発生する電流源36と、この
電流源36の電圧と引込線18の電圧とを整合させる変
圧器38とを備えている。
【0028】供給停止検出装置42は、上記引込線18
における上記中間次数mの高調波電圧Vtmおよび高調波
電流Itm(図2参照)を計測して、次のようにして、変
電所4の遮断器8が開放されて上位系統2からの電力供
給が停止したことを表す、即ち分散電源30が単独運転
になったことを表す供給停止検出信号Sを出力する。
【0029】この供給停止検出装置42は、この例では
図2に示すように、フィルタ44、45、アドミタンス
演算回路46および判定回路47を備えている。但し、
これと同様の機能を、ディジタル回路によって、例えば
サンプルホールド回路、A/D変換器、クロック発生回
路およびマイクロコンピュータ等を用いて実現しても良
い。
【0030】フィルタ44、45は、上記計器用変圧器
40および計器用変流器41からの上記計測電圧Vt
よび計測電流It をそれぞれ受けて、それらの中から上
記中間次数mの高調波電圧(計測高調波電圧)Vtmおよ
び高調波電流(計測高調波電流)Itmをそれぞれ抽出す
る。
【0031】アドミタンス演算回路46は、上記フィル
タ44、45からの計測高調波電圧Vtmおよび計測高調
波電流Itmを用いて、次式に従って、上記需要家設備1
4の受電点Aから眺めた上記配電系統の上記中間次数m
のアドミタンスYm を演算して、当該アドミタンスYm
のコンダクタンスgm およびサセプタンスbm を算出す
る。このコンダクタンスgm およびサセプタンスb
m は、勿論、上記中間次数mについてのものである。数
1中の計測高調波電圧Vtm、計測高調波電流Itmおよび
アドミタンスYm は、複素数の形で表されており、jは
虚数単位である。サセプタンスbm は、容量サセプタン
スから誘導サセプタンスを引いたものである。
【0032】
【数1】Ym =Itm/Vtm=gm +jbm
【0033】判定回路47は、上記アドミタンス演算回
路46からのコンダクタンスgm およびサセプタンスb
m を用いて、図3に示す処理を行う。即ち、先ず、上記
サセプタンスbm が容量性方向に所定値以上変化したか
否かを判定し(ステップ70)、容量性方向に所定値以
上変化したときはステップ72に進んで上記供給停止検
出信号Sを出力する。これは、前述した第3の単独運転
検出装置の場合と同様である。上記所定値は、後述する
ように、6.6kV、10MVAを1puとして(以下
同様)、例えば0.60puである。
【0034】サセプタンスbm が容量性方向に所定値以
上変化していないときは、即ちサセプタンスbm の容量
性方向の変化量が所定値未満であったりサセプタンスb
m の変化が誘導性方向であるときは、ステップ71に進
んで、上記コンダクタンスg m が正方向に所定値以上変
化したか否かを判定し、正方向に所定値以上変化したと
きはステップ72に進んで上記供給停止検出信号Sを出
力する。正方向の所定値以上の変化がなければ、ステッ
プ70に戻る。この所定値は、後述するように、例えば
0.15puである。このステップ71のような処理
は、前述した第3の単独運転検出装置では行われない。
【0035】図1の例では、上記のような分散電源30
の単独運転検出から更に進めて、上記供給停止検出信号
Sによって上記遮断器28を開放して、分散電源30の
単独運転を防止するようにしている。但し、この発明
は、分散電源30の単独運転検出が主目的であるので、
遮断器28を開放する構成は必須ではない。
【0036】配電系統のシミュレーション計算の結果か
ら、上記ステップ70および71のような2段階の判定
を行うことによって、配電線10の亘長が短くても長く
ても、上位系統2からの電力供給停止を、即ち分散電源
30の単独運転を、正確に検出することができることが
確かめられた。これを以下に詳述する。
【0037】図1の配電系統のシミュレーションモデル
を図4に示す。シミュレーション条件は、6.6kVの
一般的な配電系統を想定して、次のように定めた。な
お、ここでは6.6kV、10MVAをベースとし、そ
れを1puとしている。
【0038】受電点A付近の他の分散電源58:容量
2000kVA(その%Z(パーセントインピーダン
ス)は、自己容量ベースで20%として、10MVAベ
ースで100%(1pu)) 受電点A付近の6%L付きSC56:容量300kV
A 受電点A付近の負荷54:容量2MVA(力率85
%) 配電線10の亘長:一般的な繁華街・工場地域を想定
して2km、または一般的な住宅街を想定して4km 配電線10のインピーダンス:1km当り0.22Ω
+j0.375Ω 変電所変圧器6の2次母線付近に存在するSC52:
最大で容量7MVA 変電所変圧器6の2次母線付近に存在する負荷50:
SCと並列に最大で容量20MVA(力率85%) 変電所変圧器6の%Z:8%
【0039】図4の配電系統モデルにおいて、受電点A
に上記電流注入装置32から2.3次(即ちm=2.
3。基本波を60Hzとして138Hz)の高調波電流
m を約0.1%注入することとし、その場合に上記受
電点Aから眺めた当該配電系統の上記アドミタンスYm
のコンダクタンスgm およびサセプタンスbm を変化さ
せる事象変化の種類、そのときのコンダクタンスgm
よびサセプタンスbm の変化方向および変化量を、配電
線亘長が2kmの場合と4kmの場合とについて、表1
にまとめて示す。この表1において、サセプタンスbm
は、符号無し(即ち正)が容量性方向の変化を示してお
り、負(−)符号付きが誘導性方向の変化を示してい
る。コンダクタンスgm は、符号無し(即ち正)が正方
向の変化を示しており、負符号付きが負方向の変化を示
している。
【0040】
【表1】
【0041】表1中の事象変化1a〜1eは、いずれも
上位系統2からの電力供給停止時であるが、上記負荷5
0およびSC52の容量が違う場合を想定して五つに分
けた。上位系統2からの電力供給停止時以外の事象変化
については、上記サセプタンスbm が容量性方向に変化
する事象変化2〜5のみを想定している。これは、サセ
プタンスbm が誘導性方向に変化する事象変化は、上記
図3のステップ70からも分かるように、それを上位系
統2からの電力供給停止と誤検出する可能性は無いから
である。
【0042】この表1から分かるように、配電線10の
亘長が2kmの場合は、上位系統2からの電力供給停止
時である事象変化1a〜1eのいずれの場合にも、その
他の事象変化2〜5に比べて、サセプタンスbm の容量
性方向の変化量が大きい。従って、事象変化1a〜1e
の変化量の内で最小のもの(0.94pu)と、その他
の事象変化2〜5の内の最大のもの(0.44pu)と
の中間の変化量(例えば前述したように0.60pu)
を、上記図3のステップ70における所定値(基準値)
として判定を行うことによって、当該ステップ70の判
定によって、他の事象変化2〜5を誤検出することな
く、上位系統2からの電力供給が停止したこと(事象変
化1a〜1e)を、即ち上記分散電源30の単独運転が
起こったことを、正確に検出することができる。
【0043】しかし、配電線10の亘長が4kmの場合
は、表1から分かるように、事象変化1aおよび1bで
は、サセプタンスbm の容量性方向の変化量は小さいの
で、サセプタンスbm の容量性方向の変化量の判定だけ
では、その他の事象変化2〜5と区別することはでき
ず、誤検出が起こる恐れがある。また、事象変化1cで
は、サセプタンスbm が誘導性方向に変化しているの
で、サセプタンスbm の容量性方向の変化量の判定だけ
では、この事象変化1cを検出することはできない。こ
れらが、前述した第3の単独運転検出装置の課題であ
る。
【0044】そこでこの発明では、このような場合に
は、即ちサセプタンスbm が容量性方向に所定値以上変
化していないときは、更に上記図3のステップ71に示
したように、コンダクタンスgm の判定を行う。
【0045】コンダクタンスgm は、表1から分かるよ
うに(亘長4kmの欄参照)、事象変化1a〜1cのい
ずれの場合も、電力供給停止時以外の事象変化2〜5に
比べて、正方向の変化量が大きい。従って、事象変化1
a〜1cの変化量の内で最小のもの(0.26pu)
と、電力供給停止時以外の事象変化2〜5の内で正方向
の最大のもの(ほぼ0pu)との中間の変化量(例えば
前述したように0.15pu)を、上記ステップ71に
おける所定値(基準値)として判定を行うことによっ
て、当該ステップ71の判定によって、他の事象変化2
〜5を誤検出することなく、上位系統2からの電力供給
停止による事象変化1a〜1cを、即ち上記分散電源3
0の単独運転が起こったことを、正確に検出することが
できる。
【0046】この発明では、サセプタンスbm およびコ
ンダクタンスgm についての上記のような2段階の判定
を、上記判定回路47において行う。従ってこの発明に
係る単独運転検出装置によれば、配電線10の亘長が短
くても長くても、即ち配電線10の亘長の長短に拘わら
ず、上位系統2からの電力供給停止を、即ち分散電源3
0の単独運転を、正確に検出することができる。
【0047】更にこの単独運転検出装置では、電圧7k
V以下の高圧配電系統の場合は、電流注入装置32から
注入する高調波電流Im の次数を、基本波の2.7倍未
満(即ち2.7次未満)の非整数倍にしているので、配
電系統に通常存在しているL付きSCによる想定し得る
最低の共振次数を常に避けて計測を行うことができる。
その結果、分散電源30の単独運転をより正確に検出す
ることができる。
【0048】この共振次数について更に説明すると、上
記受電点Aから眺めた配電系統のサセプタンスの高調波
次数に対する変化をシミュレーションした結果の例を図
5および図6に示す。両図中の(A)は上位系統2から
の電力供給時、(B)は当該電力供給停止時である。
【0049】図5は、電圧7kV以下(例えば6.6k
V)の高圧配電系統の場合で、上記受電点Aの近くに1
3%L付きSCが存在していると想定したものである。
高圧配電系統の場合は、L付きSCとしては、6%L付
きSC、8%L付きSCおよび13%L付きSCが存在
し得るけれども、この例のように13%L付きSCの場
合が共振次数が最も小さく、それは図に示すように約
2.7次である。
【0050】従って、上記注入高調波電流Im の中間次
数mをこの2.7次未満としておけば、配電系統にどの
ようなL付きSCが存在しても、注入高調波電流Im
よって配電系統に共振現象を生じさせないので、共振現
象による誤検出の可能性を排除して、分散電源30の単
独運転を正確に検出することができる。
【0051】仮に、注入高調波電流Im の中間次数mを
2.7次以上に設定しておくと、配電系統に存在するL
付きSCの種類(即ちL分の大きさ)や容量等によって
は、設定した次数で共振現象が生じて誤検出を生じる可
能性がある。これを避けるためには、例えば、各配電系
統ごとに共振次数を調べてそれを避ける必要があり、非
常に手間がかかる。またそのようにしても、L付きSC
の設備変更等によって共振次数が変化する場合がある。
このような問題を、中間次数mを2.7次未満にするこ
とによって簡単に解決することができる。
【0052】図6は、電圧7kV超(例えば22kV)
の特別高圧配電系統の場合であり、この場合は、上記高
圧配電系統と違って、L付きSCは6%L付きSCに限
られている。従ってこのL付きSCによる想定し得る最
低の共振次数は、高圧の場合よりも高くなり、それは図
に示すように約3.6次になる。従って特別高圧配電系
統の場合は、上記中間次数mを3.6次未満とすること
ができ、それによって中間次数mの選択の幅(自由度)
が広がる。即ちmは、1<m<3.6(但しm≠2かつ
m≠3)である。
【0053】更にこの単独運転検出装置では、電流注入
装置32から注入する高調波電流I m を、配電系統の基
本波電圧に同期させていると共に、当該注入高調波電流
mに基づく上記高調波電圧Vtmおよび高調波電流Itm
の計測についても、配電系統の基本波電圧に同期させて
いるので、バックノイズの影響を排除して精度良く上記
アドミタンスYm のコンダクタンスgm およびサセプタ
ンスbm の算出を行うことができる。従ってこの理由か
らも、分散電源30の単独運転をより正確に検出するこ
とができる。
【0054】更に、前述した従来の第1の単独運転検出
装置と違って、この発明の単独運転検出装置では、本来
配電系統に存在しない(存在しても極めて僅かな)、基
本波の非整数倍の中間次数mの高調波電流Im を注入す
るので、小さい流入電流で正確な検出が可能であり、従
って電流注入装置32の小容量化を実現することができ
る。
【0055】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0056】請求項1記載の発明によれば、受電点から
眺めた配電系統の上記中間次数のアドミタンスを構成す
るサセプタンスの変化方向および変化量の判定と、コン
ダクタンスの変化方向および変化量の判定との2段階の
判定を行う構成であるので、配電線の亘長の長短に拘わ
らず、上位系統からの電力供給停止を、即ち分散電源の
単独運転を、正確に検出することができる。即ち、上記
先願に係る第3の単独運転検出装置よりも、分散電源の
単独運転をより正確に検出することができる。
【0057】しかも、注入高調波電流の次数を基本波の
2.7倍未満の非整数倍にしているので、配電系統に通
常存在しているL付きSCによる共振を避けて計測を行
うことができ、従って分散電源の単独運転をより正確に
検出することができる。
【0058】また、注入高調波電流を配電系統の基本波
電圧に同期させていると共に、当該注入高調波電流に基
づく上記高調波電圧および高調波電流の計測について
も、配電系統の基本波電圧に同期させているので、バッ
クノイズの影響を排除して精度良く上記アドミタンスの
コンダクタンスおよびサセプタンスの算出を行うことが
できる。従ってこの理由からも、分散電源の単独運転を
より正確に検出することができる。
【0059】更に、従来の第1の単独運転検出装置と違
って、本来配電系統に存在しない(存在しても極めて僅
かな)、基本波の非整数倍の中間次数の高調波電流を注
入するので、電流注入装置の小容量化を実現することが
できる。
【0060】請求項2記載の発明によれば、注入高調波
電流の中間次数を3.6次未満とすることができるの
で、中間次数選択の幅(自由度)が広がる、という更な
る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る分散電源の単独運転検出装置を
備える配電系統の一例を示す単線接続図である。
【図2】図1中の供給停止検出装置の一例を示すブロッ
ク図である。
【図3】図2中の判定回路の動作を示すフローチャート
である。
【図4】図1の配電系統のシミュレーションモデルの一
例を示す図である。
【図5】高圧配電系統における上位系統からの電力供給
時(A)および電力供給停止時(B)のサセプタンス特
性の一例を示す図である。
【図6】特別高圧配電系統における上位系統からの電力
供給時(A)および電力供給停止時(B)のサセプタン
ス特性の一例を示す図である。
【符号の説明】 2 上位系統 4 変電所 10、11 配電線 14、15 分散電源を有する需要家設備 16 力率改善用コンデンサ(SC) 18 引込線 30 分散電源 32 電流注入装置 42 供給停止検出装置 46 アドミタンス演算回路 47 判定回路 A 受電点 Im 流入高調波電流 S 供給停止検出信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 荘治 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 (72)発明者 蓑輪 義文 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 Fターム(参考) 2G028 BF01 CG08 DH01 DH04 FK01 FK02 GL07 HN16 MS01 MS05 2G035 AA15 AB08 AC13 AD19 AD28 AD52 AD55 AD65 5G066 HA11 HB02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上位系統に変電所を介して電圧が7kV
    以下の高圧の配電線が接続され、この配電線に、分散電
    源を有する需要家設備が接続された構成の配電系統に適
    用されるものであって、 前記配電線から前記需要家設備への引込線に、当該配電
    系統の基本波電圧に同期しており、しかも当該基本波の
    2.7倍未満の非整数倍の中間次数の高調波電流を注入
    する電流注入装置と、 前記需要家設備の引込線における前記中間次数の高調波
    電圧および高調波電流を計測して、前記上位系統からの
    電力供給が停止したことを表す供給停止検出信号を出力
    する供給停止検出装置とを備えており、 かつこの供給停止検出装置が、 前記計測した高調波電圧および高調波電流に基づいて、
    前記需要家設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記
    中間次数のアドミタンスを演算し、当該アドミタンスの
    コンダクタンスおよびサセプタンスを算出するアドミタ
    ンス演算手段と、 前記算出したサセプタンスが容量性方向に所定値以上変
    化したか否かを判定し、当該サセプタンスが容量性方向
    に所定値以上変化したときに前記供給停止検出信号を出
    力し、そうでないときは前記算出したコンダクタンスが
    正方向に所定値以上変化したか否かを更に判定し、当該
    コンダクタンスが正方向に所定値以上変化したときに前
    記供給停止検出信号を出力する判定手段とを備えている
    ことを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。
  2. 【請求項2】 上位系統に変電所を介して電圧が7kV
    を超える特別高圧の配電線が接続され、この配電線に、
    分散電源を有する需要家設備が接続された構成の配電系
    統に適用されるものであって、 前記配電線から前記需要家設備への引込線に、当該配電
    系統の基本波電圧に同期しており、しかも当該基本波の
    3.6倍未満の非整数倍の中間次数の高調波電流を注入
    する電流注入装置と、 前記需要家設備の引込線における前記中間次数の高調波
    電圧および高調波電流を計測して、前記上位系統からの
    電力供給が停止したことを表す供給停止検出信号を出力
    する供給停止検出装置とを備えており、 かつこの供給停止検出装置が、 前記計測した高調波電圧および高調波電流に基づいて、
    前記需要家設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記
    中間次数のアドミタンスを演算し、当該アドミタンスの
    コンダクタンスおよびサセプタンスを算出するアドミタ
    ンス演算手段と、 前記算出したサセプタンスが容量性方向に所定値以上変
    化したか否かを判定し、当該サセプタンスが容量性方向
    に所定値以上変化したときに前記供給停止検出信号を出
    力し、そうでないときは前記算出したコンダクタンスが
    正方向に所定値以上変化したか否かを更に判定し、当該
    コンダクタンスが正方向に所定値以上変化したときに前
    記供給停止検出信号を出力する判定手段とを備えている
    ことを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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