JP2000286470A - 半導体材料およびその製造方法 - Google Patents

半導体材料およびその製造方法

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JP2000286470A
JP2000286470A JP11086829A JP8682999A JP2000286470A JP 2000286470 A JP2000286470 A JP 2000286470A JP 11086829 A JP11086829 A JP 11086829A JP 8682999 A JP8682999 A JP 8682999A JP 2000286470 A JP2000286470 A JP 2000286470A
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semiconductor material
amorphous
strip
temperature
semiconductor
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Yasuo Nakahara
康雄 中原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、半導体素子の性能指数Zの向上のため
に、熱電変換用の半導体材料の結晶性を制御する試みが
なされてきているが、いまだ十分な性能指数Zを得るこ
とができていない。そこで本発明は、従来技術よりも性
能指数Zの向上した半導体材料およびその製造方法の提
供を課題とする。 【解決手段】 所望割合の元素組成を有する材料をアモ
ルファス化し、これを加圧成形して帯状物1にし、帯状
物1を、材料の結晶化温度以上ないし融点近傍温度に加
熱された一対の加熱金属ロール2,2'に送り込み、材
料を多結晶化し、半導体材料を得た。この半導体材料
は、例えば熱電材料として有効に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料および
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の半導体素子が製造され
ているが、半導体素子の性能は、用いる半導体材料の種
類と形状、とくに結晶性により決定される。例えば、熱
電変換素子の性能は、熱電変換用の半導体材料のゼーベ
ック係数、比抵抗、熱伝導率により決定され、性能指数
Z((ゼーベック係数)2/(比抵抗×熱伝導率))に
よって評価される。素子性能向上のため性能指数Zの大
きい熱電材料が探索されているが、応用上十分な大きさ
の性能指数Zをもつ材料はいまだ発見されていない。
【0003】そこで、性能指数Zの向上のために、熱電
変換用の半導体材料の結晶性を制御する試みがなされて
きている。その試みの例としては、結晶粒界におけるフ
ォノンの散乱による熱伝導率低減を目的とし、半導体材
料を多結晶化する手法が挙げられる。このとき、結晶粒
が小さいほどフォノンの散乱は増すが、結晶粒が小さす
ぎると他の物性値に悪影響が出てくるため、結晶粒の大
きさには性能指数Zを最大にする最適値が存在する。
【0004】また別の例としては、半導体材料には結晶
の各種物性値の異方性が大きいので、多結晶中の結晶粒
の配向性を高くして性能指数Zの向上を図る手法が挙げ
られる。 このようにして従来技術では、目的とする化
学組成において、半導体材料の結晶粒の粒径や配向性の
制御を行っていた。
【0005】しかしながら、結晶粒の粒径や配向性の制
御の際に、処理前の半導体材料(前駆体)の結晶性が悪
影響を及ぼすことがある。例えば、目的の結晶粒より大
きい粒径の結晶粒を含む前駆体を用いると、すべての結
晶粒の粒径を目的の大きさまで小さくできない場合があ
る。また、小さくするために結晶粒を砕くと、その内部
に欠陥が生じ、半導体材料の性能低減につながる。ま
た、前駆体の結晶粒径分布が広い場合、粒径の大きい結
晶粒のほうが配向しやすいため、より小さい結晶粒が配
向しない可能性がある。
【0006】そこで、前駆体の結晶性に悪影響を被るこ
とのない技術が、幾つか提案されている。例えば、特開
平1−276678号公報には、熱電材料を急冷凝固さ
せてなるアモルファス相または微結晶相を有する熱電素
子が提案されている。熱電材料は、所望の割合で混合さ
れ、不活性ガス中溶解され、続いて冷却ロールの表面で
急冷され、アモルファス相または微結晶相を有する熱電
素子を得、これを所定の形状に成形して用いられる。
【0007】また、特開平8−111546号公報に
は、Bi、Sb、Te、Seを2つまたはそれ以上含む
熱電材料を用い、これをアモルファス化させる際に、遷
移金属(Ti、Zr、V等)と希土類金属(Y、La、
Ce、Sm等)を添加して、アモルファス化を促進させ
る技術が提案されている。
【0008】さらに、特開平11−31849号公報に
は、Bi、Sb、Te、Seを2つまたはそれ以上含む
熱電材料を用い、これをアモルファス化させて得られる
熱電材料において、その結晶粒界および旧粉末境界にお
ける酸化物相の厚さが50nm以下である熱電材料が提
案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術で得られる熱電変換用の半導体材料は、
性能指数Zについて、いまだ改善の余地がある。したが
って本発明の目的は、従来技術よりも性能指数Zの向上
した半導体材料およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、所望割合の元
素組成を有するアモルファス状態の材料を多結晶化して
得られた半導体材料を提供するものである。
【0011】この構成における本発明の半導体材料は、
結晶粒の粒径や配向性が制御されているため、従来技術
よりも性能指数Zが向上している。
【0012】また本発明は、所望割合の元素組成を有す
る材料をアモルファス化し、続いて多結晶化することを
特徴とする半導体材料の製造方法を提供するものであ
る。
【0013】この構成によれば、結晶粒の粒径を所望の
大きさに制御することができ、かつ結晶粒の配向性を一
定方向に制御することができるため、従来技術よりも性
能指数Zが向上した半導体材料を製造することができ
る。
【0014】また本発明の製造方法の一つの態様におい
ては、アモルファス化が、所望割合の元素組成を有する
材料を加熱溶融し、続いて溶融した前記材料をその結晶
化温度以下に冷却することにより達成される。
【0015】この構成によれば、アモルファス化を簡単
かつ確実に行うことができる。
【0016】また本発明の製造方法の一つの態様におい
ては、冷却速度が10-1℃/秒以下、又は103〜105
℃/秒に設定されている。
【0017】この冷却速度では、多くの割合の材料がア
モルファス化するため、アモルファス化に関する時間お
よびエネルギーを節約することができる。
【0018】また本発明の製造方法の一つの態様におい
ては、多結晶化が、アモルファス化した材料をその結晶
化温度以上ないし融点近傍温度に加熱することにより達
成される。
【0019】この構成によれば、結晶粒の粒径を所望の
大きさに制御することができ、かつ結晶粒の配向性を一
定方向に制御することができるため、従来技術よりも性
能指数Zが向上した半導体材料を製造することができ
る。
【0020】また本発明の製造方法の一つの態様におい
ては、アモルファス化した材料を加圧成形し帯状物に成
形し、前記帯状物を、前記材料の結晶化温度以上ないし
融点近傍温度に加熱された一対の加熱金属ロールに送り
込み、前記材料を多結晶化している。
【0021】この構成によれば、多結晶化する工程にお
ける材料の取り扱い性および生産性を良好にすることが
できる。また、帯状物を加熱金属ロールに送り込む速度
や、加熱金属ロール間の圧力を適宜設定することによ
り、所望の大きさに結晶粒を制御したり、結晶粒の配向
性を一定方向に制御することができる。
【0022】また本発明の製造方法の一つの態様におい
ては、アモルファス化した材料を加圧成形し帯状物に成
形し、前記帯状物上にレーザ光線を照射することによ
り、前記材料を多結晶化している。
【0023】この構成によれば、多結晶化する工程にお
ける材料の取り扱い性および生産性を良好にすることが
できる。また、レーザスポットの径や、線状レーザの線
幅を適宜設定することにより、所望の大きさに結晶粒を
制御したり、結晶粒の配向性を一定方向に制御すること
ができる。
【0024】また本発明は、前記の半導体材料の製造方
法により得られた半導体材料を用いてなる熱電材料を提
供するものである。
【0025】本発明の製造方法により得られた半導体材
料は、結晶粒の粒径および配向性が制御されて性能指数
Zが向上しているため、とくに熱電材料に有用である。
また、本発明では多結晶化しているため、単結晶の半導
体材料に比べて機械的強度に優れ、また多結晶化により
低減された熱伝導率が熱電材料にとくに適合したものと
なる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0027】本発明の半導体材料は、所望割合の元素組
成を有する材料をアモルファス化し、続いて多結晶化す
ることにより得られる。本発明の半導体材料を得るため
に用いられる材料(原料)は、とくに制限されないが、
例えばBiTe系(ここで、BiTe系とは、Bi2
3,Bi2Se3、Sb2Te3,Sb2Se3,Bi
23,Sb23等の類似カルコゲナイト半導体を総称し
ていうものである)やSiCがとくに有効である。すな
わち、BiTe系やSiCは、結晶軸長や、電気伝導
性、熱伝導性等の物性に異方性があるため、本発明を適
用することにより、性能指数Zの向上が著しい。なお、
本発明によれば、温度条件を適切に設定しさえすれば、
加熱溶融可能なすべての材料系に対して粒径および配向
性の制御を行うことができる。
【0028】本発明によれば、所望割合の元素組成を有
する材料は、まずアモルファス化される。アモルファス
化は、従来から公知の方法により行うことができ、例え
ば前記材料を均一に加熱溶融し、続いて溶融した前記材
料をその結晶化温度以下に急冷することにより行うこと
ができる。なお、本発明においてアモルファス化とは、
結晶性が完全にゼロであることを意味するものではな
く、微結晶ないし少量の結晶成分が存在していてもよ
い。また、急冷による通常のアモルファス状態に加えて
結晶化温度以下まで徐冷して得られる過冷却状態の液体
及び固体も含む。
【0029】具体的なアモルファス化方法を以下に例示
する: 1.材料を加熱溶融し、その状態の材料を冷却されたロ
ール外表面に吹き付ける、いわゆる水冷ロール法により
前記材料を急冷する; 2.材料を加熱溶融し、その状態の材料に不活性ガスを
吹き付ける、いわゆるガスアトマイズ法により前記材料
を急冷する;および 3.適当な添加物を加え、溶融した材料を徐冷すること
で過冷却状態にする。
【0030】4.冷却された基板上に材料を真空蒸着、
スパッタ、イオンプレーティング、CVD法等で成膜す
る;等の方法が挙げられる。
【0031】中でも、生産性、アモルファス化した材料
の特性、扱いやすさ等からは、上記1および2の方法が
好ましい。しかし、上記3,4の方法も本発明のアモル
ファス化の方法として用いることができる。
【0032】アモルファス化の際の冷却速度は、速けれ
ば速いほど好ましい。例えば冷却速度は、103〜105
℃/秒であることができる。この範囲によれば、多くの
割合の材料はアモルファス化する。例えば、Bi2Te3
系の融点は600℃以下と低く、103℃/秒の冷却速
度を採用することにより、0.6秒以下で結晶化温度に
到達し、アモルファス化が完了する。これよりも高い融
点を有する材料を選択した場合は、前記よりも速い冷却
速度を採用し、アモルファス化を行うことが必要であ
る。
【0033】アモルファス化は、溶融した材料の酸化を
防ぐために、真空中、不活性雰囲気中、あるいは還元雰
囲気中で行うのが望ましい。なお、本発明において、真
空中でアモルファス化を行う際には、低沸点材料が気化
して所望の組成割合が変化する場合もあるので注意が必
要である。また、るつぼからの不純物混入を防ぐため
に、材料の加熱溶融時には水冷るつぼを誘導加熱する方
法を採用するのが望ましい。
【0034】アモルファス化した材料は、続く多結晶化
する工程における取り扱い性および生産性を良好にする
ために、適当な形状に加圧成形するのがよい。例えば、
前記で説明した水冷ロール法では、生じた薄片を数μm
から数十μmの粒径に粉砕し、これとは別にガスアトマ
イズ法では得られた粉末をそのまま用い、これらの粉末
を例えば厚さ1mm〜1cm、幅数cm〜数十cm、長
さ数cm以上の帯状物に加圧成形することができる。こ
の処理も真空中、不活性雰囲気中、あるいは還元雰囲気
中で行うのが望ましい。
【0035】また、従来公知のホットプレスを用いるよ
うな加熱加圧成形を行うと、望ましくない状態に多結晶
化するので、加熱は行わないのがよい。より好ましく
は、加圧による昇温を防ぐため、治具を水冷して行うの
がよい。
【0036】続いて、アモルファス化した材料を多結晶
化することによって、本発明の半導体材料が得られる。
多結晶化は、アモルファス化した材料を結晶化温度以上
ないし融点近傍温度に加熱することにより達成される。
以下、水冷ロール法またはガスアトマイズ法で得たアモ
ルファス化した材料の帯状物を多結晶化する例について
説明する。なお、この多結晶化の処理も真空中、不活性
雰囲気中、あるいは還元雰囲気中で行うのが望ましい。
【0037】A.一対の加熱金属ロールに帯状物を順次
送り込む。
【0038】図1は、アモルファス化された帯状物を一
対の加熱金属ロールに順次送り込む態様を説明するため
の図である。図1において、1は帯状物、2および2’
は加熱金属ロールである。
【0039】帯状物1の幅を超えるサイズを有する加熱
金属ロール2、2’に、帯状物1を順次送り込み、加熱
金属ロール2、2’と接している間に主に加熱する方法
である。なお、加熱温度は上記したように帯状物1の結
晶化温度以上ないし融点近傍温度である。
【0040】続いて帯状物1は、加熱金属ロール2、
2’から排出され、冷却される際に多結晶化する。結晶
粒の大きさは、帯状物 1の送り込み速度と帯状物1の
熱伝導率により決定される。送り込み速度が速い方が結
晶粒は小さくなるが、熱伝導率は、帯状物1の加熱金属
ロール2、2’から受ける熱の伝導と、加熱金属ロール
2、2’から排出された後の熱の伝導との両方に関係
し、また使用する装置の形態にも影響を受けるため一義
的に言うことはできない。しかしながら、材料の熱伝導
率の粒径への影響は、実際に使用する装置を用いて実験
を数回行えば簡単に把握することができる。
【0041】なお、使用する装置によっては、(1)帯
状物1の加熱金属ロール2、2’に接する時間が長くな
り、多結晶化された結晶粒径が所望の粒径よりも大きく
なってしまう場合と、逆に(2)帯状物1の加熱金属ロ
ール2、2’に接する時間が短く、多結晶化された結晶
粒径が所望の粒径よりも小さくなってしまう場合が考え
られる。
【0042】(1)の場合、結晶粒の大きさを小さくす
るために、加熱金属ロール2、2’に送り込む前あるい
は後の帯状物1を結晶化温度以下に冷却しておいてもよ
い。
【0043】(2)の場合は、送り込み速度を適当に選
べば、多結晶化した結晶粒は最大でも希望粒径となる。
結晶粒の粒径を最大にするために、加熱金属ロール2、
2’に送り込む前あるいは後の帯状物1を、加熱金属ロ
ール2、2’の加熱温度よりもわずかに低い温度に加熱
しておいてもよい。したがって、(2)の場合のほうが
(1)の場合よりも制御が容易となる。
【0044】この一対の加熱金属ロール2、2’に帯状
物1を順次送り込む方法は、送り込み方向に大きな温度
勾配があり、また、帯状物上に送り込み方向と垂直な結
晶/非結晶界面があるため結晶粒がそれらの影響を受
け、結晶粒を一定方向に配向させることができる。ま
た、加熱金属ロール2、2’を排出された直後や、まだ
加熱金属ロール2、2’に接している部分で多結晶化す
る場合もあり、この場合は加熱金属ロール2、2’間の
圧力を制御することにより、所望の配向性を達成するこ
とができる。
【0045】B.帯状物上にレーザ光線を照射する。
【0046】スポット状のレーザ光線を帯状物上で2次
元走査、または帯状物の幅と垂直方向に走査、もしくは
同様の線状レーザを照射しつつ帯状物をその幅と垂直な
方向に移動することにより、多結晶化を行うことができ
る。いずれも得られる粒径は、レーザスポットの径およ
び線状レーザの線幅に依存する。例えば、レーザ光線の
有するエネルギ量の範囲内で粒径を最大にするために
は、レーザ光線の照射されない部分の帯状物を、レーザ
光線により加熱される温度に対してわずかに低い温度に
保つことにより可能となる。また、レーザ光線を用いる
代わりに、ランプ光線をフィルタ等で絞り、これを加熱
源としてもよい。
【0047】上記の方法とは別に、特開平8−1862
99号公報に開示されているような、大小の開口部を有
する押出し型を材料に合わせて適当に設定した温度に加
熱し、大きい方の開口部を通じて溶融した所望割合の元
素構成を有する材料を投入し、加圧しながら小さい方の
開口部から前記材料を押出し、別に設けられた可動型内
にこれを受け取る方法を採ることもできる。
【0048】この方法によれば、溶融状態の材料を一旦
アモルファス状態ないし過冷却状態にした後、多結晶化
することができる。
【0049】アモルファス状態を経由するためには、押
出し型の少なくとも大きい方の開口部近傍を材料の結晶
化温度より十分低温に冷却する。この場合の多結晶化
は、押出し型の大小の開口部をつなぐテーパ部の少なく
とも一部を材料の結晶化温度以上ないし融点近傍に再加
熱することでなされる。
【0050】一方、過冷却状態を経由するためには、押
出し型の少なくとも大きい方の開口部近傍を結晶化温度
直下に冷却する。材料の過冷却状態が不安定である場
合、材料が押出し型の大小の開口部をつなぐテーパ部分
を移動する際に受ける振動、熱等により、材料が自発的
に多結晶化する。材料の過冷却状態が安定である場合、
押出し型の大小の開口部をつなぐテーパ部分の少なくと
も一部を材料の結晶化温度以下ないし融点近傍に再加熱
することで材料が多結晶化する。
【0051】以上の方法によれば、多結晶化は、極めて
短時間の内に完了するため、微小で均一な粒径の結晶粒
を得ることができる。また、材料は、少なくとも一部分
が結晶化した状態で押出し型からの圧力を受けるため、
材料中の結晶粒は、所望の方位に配向する。特に、液相
である溶融部分と固相である結晶粒とが混在する温度に
材料を保つことにより、結晶粒の方位が押出し型からの
圧力により容易に配向するようにすることができる。
【0052】このようにして得られた半導体材料は、と
くに熱電材料として好適に利用することができる。半導
体材料に、例えば適当な添加物を混合した状態で前述の
粒径、結晶性の制御を施すことでn型あるいはp型半導
体を得、これらは必要に応じて常法により所定形状に成
形され、熱電材料として使用することができる。熱電材
料としてのn型半導体およびp型半導体は、金属電極間
にそれぞれ挟み込まれて熱電素子となり、これを直列に
接続し、n型半導体および金属電極間の接合部と、p型
半導体および金属電極間の接合部との間で、ペルチェ効
果による吸熱、発熱現象を生じさせることができる。本
発明において、半導体材料を熱電材料として使用すれ
ば、多結晶化されていることにより、単結晶の半導体材
料に比べて機械的強度に優れ、また多結晶化により得ら
れる低い熱伝導率が熱電材料にとくに適合したものとな
る。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術よりも性能指
数Zの向上した半導体材料およびその製造方法が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アモルファス化された帯状物を一対の加熱金属
ロールに順次送り込む態様を説明するための図である。
【符号の説明】
1 帯状物 2,2’ 加熱金属ロール
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22F 1/00 692 C22F 1/00 692A 694 694B 3/00 3/00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望割合の元素組成を有するアモルファ
    ス状態の材料を多結晶化して得られた半導体材料。
  2. 【請求項2】 所望割合の元素組成を有する材料をアモ
    ルファス化し、続いて多結晶化することを特徴とする半
    導体材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 アモルファス化が、所望割合の元素組成
    を有する材料を加熱溶融し、続いて溶融した前記材料を
    その結晶化温度以下に冷却することにより達成される請
    求項2に記載の半導体材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 冷却速度が10-1℃/秒以下、又は103
    〜105℃/秒である請求項3に記載の半導体材料の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 多結晶化が、アモルファス化した材料を
    その結晶化温度以上ないし融点近傍温度に加熱すること
    により達成される請求項2に記載の半導体材料の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 アモルファス化した材料を加圧成形し帯
    状物に成形し、前記帯状物を、前記材料の結晶化温度以
    上ないし融点近傍温度に加熱された一対の加熱金属ロー
    ルに送り込み、前記材料を多結晶化する請求項2に記載
    の半導体材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 アモルファス化した材料を加圧成形し帯
    状物に成形し、前記帯状物上にレーザ光線を照射するこ
    とにより、前記材料を多結晶化する請求項2に記載の半
    導体材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項2乃至請求項6のいずれかに記載
    の半導体材料の製造方法により得られた半導体材料を用
    いてなる熱電材料。
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